JP2563121Z - - Google Patents

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JP2563121Z
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Murata Machinery Ltd
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【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、連続的に供給される糸を2本のボビンホルダで交互に巻取るタレッ
ト型の紡糸巻取機に関する。 【0002】 【従来の技術】 回転可能なタレット板に2本のボビンホルダがそれぞれ回転可能に突設され、
該各ボビンホルダにはボビンが数個ずつそれぞれ挿着されていて、上記2本のボ
ビンホルダは一方を巻取位置に他方を待機位置に配され、巻取位置に位置してい
るボビンに糸を巻取らせ、該ボビンが満巻となるごとにタレット板を180度回 転し、新たに巻取位置にきた空ボビンに糸の巻付けを開始する。このようにして
、連続的に供給される糸を2本のボビンホルダで交互に巻取っていくレボルビン
グタイプ(タレット型)の紡糸巻取機はすでに公知である。 【0003】 ところで、上記の紡糸巻取機において、満ボビンから空ボビンへと糸を移し替
える際の糸の動作を簡単に説明すれば以下のようになる。つまり、巻取位置のボ
ビンが満巻となった時点でタレット板が180度回転し、2つのボビンホルダの
位置を切替えて満ボビンは待機位置に空ボビンは巻取位置に新たに位置される。
しかし、各ボビンが新たな位置に位置された時点では、供給される糸は依然とし
て待機位置にある満ボビンに連なっており、空ボビンのスリットに糸を捕捉させ
巻取りを開始して始めて、満ボビンから空ボビンへの糸の移し替えは終了する。
すなわち、空ボビンのトラバース範囲外にあるスリットに糸を捕捉させた時点で
、満ボビンに連なっている糸は空ボビンの回転による糸の張力により切断され、
新たに空ボビンへの巻取られていく。 【0004】 ところが、上述した紡糸巻取機において、満ボビンから空ボビンへと糸を移し
替える際、次のような課題がある。 【0005】 つまり、第1の課題は、満ボビンが後述する糸渡し装置あるいは他の部材に干
渉されないようにするため、該満ボビンの径がどうしても小さく限定されてしま
うということである。つまり、満ボビンから空ボビンへの糸の移し替えにおいて
は、糸が空ボビンのスリットと確実に係合し、なおかつ糸が満ボビンの端面から
外れないことが必要であり、そのために、糸は満ボビンの巻幅範囲にあり、かつ
空ボビンのスリットと平行に走行するという走行経路でなければならない。した
がって、従来より空ボビンと満ボビンの間で糸を屈曲させる糸渡し装置が考え出
されている。しかし、上述の紡糸巻取機においては、ほとんどの場合、上記糸渡
し装置はタレット板等に固定されて位置が不変であり、そのために、各ボビンホ
ルダにおけるボビンに糸を巻取っていき糸層の径が増大したときに、糸渡しガイ
ドが邪魔になり、糸の巻取りが終了した際のパッケージの径がどうしても小さく 限定されていた。 【0006】 第2の課題は、満ボビンは待機位置にあっても当初は情性による回転をしてお
り、該情性回転により満ボビンの切断糸端がパタパタと空ボビンに当たることで
ある。そのために、満ボビンの切断糸端が空ボビンに巻込まれ空ボビンの巻取り
を阻害したり、又は巻取られてしまっている満ボビンの糸を解舒したりする。 【0007】 そこで、第1の課題に対応する従来の技術として、片持ち状の糸渡し装置を2
つのボビンホルダ間で回転動作等により上下に移動させてスペースを確保する紡
糸巻取機が提案されている(特開昭60−153371号公報参照)。また、第
2の課題に対応する従来の技術として、満ボビンの側面を覆う旋回自在な旋回セ
パレータを設けることは知られている。また、2本のボビンホルダが各々巻取位
置と待機位置を有するタイプの紡糸巻取機であって、上側の待機位置にある満ボ
ビンを下側の巻取位置にある空ボビンから隔離するために、撤退自在な遮蔽手段
と糸を偏向させる補助ガイド手段との一対を用いるものが提案されている(特開
昭61−203077号公報参照)。この遮蔽手段は空ボビンの巻太りの軌跡外
から進退自在となっている。 【0008】 【考案が解決しようとする課題】 第1の課題に対応する従来の技術は、糸渡し装置が依然として2つのボビンホ
ルダ間に位置しているので、その厚み分については満ボビンを大きくすることが
できないという問題点があった。 【0009】 第2の課題に対応する従来の技術は、糸渡し装置位置までしか旋回セパレータ
で覆うことしかできず、糸渡し装置を越えて切断糸端が空ボビンに巻き付く恐れ
があるという問題点があった。また、空ボビンの巻太り軌跡外からの一対の遮蔽
手段を用いるものをタレット式紡糸巻取機に適用すると、2本のボビンホルダ間
の距離を大きくし、満ボビン同士が干渉しないようにする必要があり、限られた
空間で大きな満ボビンを得られなくなるという問題点があった。 【0010】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり
、その目的とするところは、タレット式紡糸巻取機における2つのボビンホルダ
間のスペースを有効に活用できるとともに、満ボビンから空ボビンへの切替え時
に、切断糸端が空ボビンに巻き付く恐れもないようにした紡糸巻取機を提供しよ
うとするものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成する本考案の紡糸巻取機は、2本のボビンホルダを回転自在に
突設支持するタレット板を本体フレームに回転可能に設け、各ボビンホルダにボ
ビンがそれぞれ挿着され、一方のボビンホルダが巻取位置に、他方のボビンホル
ダが待機位置に位置し、巻取位置のボビンが満巻になると、ボビンホルダの位置
を切り替えて、巻取位置に位置している空ボビンに満ボビンからの糸を移し替え
るようにした紡糸巻取機であって、糸切り替え時に糸をトラバース範囲外に移動
させる糸寄せガイドと、糸切り替え時に先端が前記満ボビンと前記空ボビンとの
間に進出するよう進退可能に設けられ、仕切り板を有するアームと、糸切り替え
時に前記糸寄せガイドと協同して待機位置に移った満ボビンにつながっている走
行糸を空ボビンの糸捕捉手段位置に案内する補助的ガイドと、糸切り替え時に前
記満ボビンから糸が落ちないように糸道を規制する固定ガイドとを備え、前記補
助的ガイドと前記固定ガイドとが所定間隔隔てて前記アームの先端に設けられた
ことを特徴とするものである。 【0012】 さらに、前記アームと協同して前記満ボビンと前記空ボビンとを仕切るセパレ
ータが設けられ、このセパレータの先端と前記アーム先端の固定ガイドとが同一
高さに合わされて対向していることを特徴とする。 【0013】 【作用】 糸切り替え時に満ボビンと空ポビンとの間に進出するアームの先端に、糸渡し
のために、必要な補助的ガイドと固定ガイドとを設けたことにより、固定ガイド に対する補助的ガイドの位置精度が高まる。また、進退可能なアームの先端に補
助的ガイドと固定ガイドとを設けていることにより、補助的ガイド及び固定ガイ
ドがパッケージの巻径の増大の邪魔になることがない。また、前記アームが仕切
り板を有しており、このアームによって満ボビンと空ボビンを区画する。 【0014】 アームと協同して満ボビンと空ボビンとを仕切るセパレータを設け、このセパ
レータの先端とアーム先端の固定ガイドとを同一高さで対向するようにしたため
、満ボビンの切断糸端が空ボビンに至ることがない。しかも、固定ガイド及び補
助的ガイドに満ボビンの切断糸端が引っ掛からなくなる。 【0015】 【実施例】 以下、本考案の実施の一例を図面に基づいて説明する。図1及び図2は本考案
に係る紡糸巻取機を概略的に示すもので、図1は正面図、図2は側面図である。
また、図3はスライドアームを示し、図4は糸渡し装置を示す図である。 【0016】 まず、図1及び図2により紡糸巻取機の基本構造を説明する。本体フレーム(7
)には昇降自在な昇降ボックス(1)と、回転可能なタレット板(2)と、先端に操作
ボックス(10)を有する固定枠(18)とが設けられている。 【0017】 上記昇降ボックス(1)にはタッチローラ(3)、トラバース装置(4)、糸寄せガイ
ド(5)がそれぞれ支持されていて、上記タッチローラ(3)は後述する巻取位置にあ
るボビン(B)の糸層に常に圧接しており、該ボビン(B)を図1の反時計方向に回転
駆動している。また、トラバース装置(4)にはトラバースガイド(6)が設けられて
おり、該トラバースガイド(6)が糸(Y)と係合しトラバース範囲を走行することで
糸(Y)のトラバースを行っている。さらに、該トラバース装置(4)の上流には満ボ
ビン(B)と空ボビン(B)の位置を切替え糸を移し替える時に、糸(Y)とトラバース
ガイド(6)との係合を解き、該糸(Y)をトラバース範囲外に移動させる糸寄せガイ
ド(5)が設けられている。該糸寄せガイド(5)は図2で示すようにガイドロッド(8
)に沿って滑動するプレート(9)上に数個(ボビンの数と一 致する数で図では2個)設けられ、該プレート(9)はシリンダー(11)のピストン
ロッド(12)に固定されており、該シリンダー(11)の作動により糸寄せガイド(5)
は図2の2点鎖線位置(13)まで移動する。 【0018】 前記タレット板(2)は回転軸(14)を中心に図示しない回転駆動装置により回転
可能であり、2本のボビンホルダ(15)(16)がそれぞれ該タレット板(2)に回転自
在に突設支持されており、各ボビンホルダ(15)(16)には一端に糸補足手段として
のスリット(17)を形成しているボビン(B)が数個(図では2個)それぞれ挿着さ
れ、一方のボビンホルダ(15)は巻取位置aに、他方のボビンホルダ(16)は待機位
置bに位置している。タレット板(2)は巻取位置aのボビン(B)に糸(Y)が満巻と
なった時点で180度回転し、ボビンホルダ(15)(16)の位置を切り替えて巻取位
置aに新たに位置している空のボビン(B)に満ボビン(B)からの糸(Y)を移し替え
、巻取りを続行する。図1および図2にはこの糸(Y)を移し替える際の状態が示
されているので、待機位置bには満巻のボビン(B)がボビンホルダ(17)に支持さ
れている。すなわち、前述した糸寄せガイド(5)は、糸切替え時に待機位置bに
移った満ボビン(B)につながっている走行糸を、空ボビン(B)のスリット(17)位置
に案内する第1のガイドとして機能する。 【0019】 固定枠(18)は、昇降ボックス(1)の昇降の邪魔にないらない位置即ちタレット
板(2)の斜め上方で昇降ボックス(1)と平行な位置に、本体フレーム(7)から突設
されている。この固定枠(18)の先端には操作ボックス(10)が設けられており、固
定枠(18)内は配線の通過部分を除いて空洞となっている。この空洞に後述するス
ライドアーム(30)が設けられている。また、本体フレーム(7)の下側はボビンホ
ルダ(15)(16)と平行に延在するベースフレーム(19)となっている。 【0020】 つぎに、糸渡し装置、スライドアーム及び旋回セパレータの構造を説明する。
糸渡し装置(20)はスライドガイド(21)と固定ガイド(22)を上下に配置した構造と
なっている。図4のようにスライドガイド(21)は爪(23)をボビン(B)に相当する
数だけ有しており、長穴(24)により二点鎖線の位置までスライド可能である。通 常はスプリング(25)で右方向の定位置にあるが、図2の作動時には、タレット板
(2)側に設けられたシリンダ(26)で押されて左方向の定位置となり、上流の糸寄
せガイド(5)と共同して糸(Y)をスリット(17)に捕捉させて巻き替えと切断を行う
。図4のように、固定ガイド(22)は爪(23)と向かい合う爪(27)を有しており、図
2の作動位置においては、満ボビン(B)から糸(Y)が綾落ちしないように糸道を規
制している。このように、糸渡し装置(20)のスライドガイド(21)と固定ガイド(2
2)は、満ボビン(B)への糸道がずれないようにして、走行糸(Y)をスリット(17)に
捕捉させるように作動するものである。すなわち、固定ガイド(22)は走行糸(Y)
を満ボビン(B)上に支持する第2の糸ガイドとして機能する。なお、スライドガ
イド(21)は、前述した糸寄せガイド(5)と協同して、糸切替え時に待機位置bに
移った満ボビン(B)につながっている走行糸を、空ボビン(B)のスリット(17)位置
に案内するという補助的な第1のガイドとして機能する。 【0021】 なお、前述のタレット板(2)側に設けられたシリンダ(26)によって、糸渡し装
置(20)は駆動部分を有する必要がなく、次に述べるスライドアーム(30)の巾を狭
くして全体の軽量化が可能となる。 【0022】 つぎに、この糸渡し装置(20)を取付けるスライドアーム(30)を説明する。図1
のように、スライドアーム(30)は、その上下動及び揺動によって、2点鎖線の固
定枠(18)内の収納位置から実線の作動位置まで進出可能となっている。そして、
満ボビン(B)から空ボビン(B)への糸渡しの際に、スライドアーム(30)先端の糸渡
し装置(20)がボビンホルダ(15)(16)間即ち空ボビン(B)と満ボビン(B)間に位置す
るようになっている。このスライドアーム(30)の上下動及び揺動の機構を図3に
より説明する。スライドアーム(30)は、骨組み構造の外面に仕切り板(31)が張り
巡らされており、一枚のプレート状となっている。このプレートの先端には糸渡
し装置(20)が取りつけられ、終端は屈曲部(30a)となっている。この屈曲部(30a)
に固定の第1軸(32)と回転可能な第2軸(33)が挿通されている。そして、第1軸
(32)の両端に第1ローラフォロアー(34)(34)が嵌入されている。また、第2軸(3
3)の両端に第2ローラフォロアー(35)(35)とピニオン(36)(36)が嵌入され 、本体フレーム側の一端に流体シリンダ(37)の先端金具(37a)が固着されている
。そして、固定枠の両端はガイドプレート(38)(38)となっており、第1ローラフ
ォロアー(34)(34)を案内する折線状の第1ガイド溝(39)(39)と、第2ローラフォ
ロアー(35)(35)を案内するストレートの第2ガイド溝(44)(44)と、ピニオン(36)
(36)と噛み合うラック(45)(45)が設けられている。 【0023】 以上の構造のスライドアーム(30)は以下のように作動する。伸長状態にある流
体シリンダ(37)が縮み始めると、第2軸(33)を介して左右のラック(45)(45)とピ
ニオン(36)(36)が噛み合い、スライドアーム(30)の左右の同期的上下動が確保さ
れる。そして、第1ローラフォロアー(34)(34)が第1ガイド溝のストレート部(3
9a)(39a)にある間はスライドアーム(30)は単に下降するだけである。しかし、第
1ローラフォロアー(34)(34)が第1ガイド溝の屈曲部(39b)(39b)に入るとスライ
ドアームの屈曲部(30a)が反時計方向に徐々に回動するので、結局スライドアー
ム(30)先端はボビンホルダ(15)(16)間に向かって揺動する。この下降と揺動によ
って、スライドアーム(30)先端の糸渡しガイド(20)がボビンホルダ(15)(16)間に
進出する。なお、逆に流体シリンダ(37)を伸長させると揺動と上昇により、スラ
イドアーム(30)は固定枠内に収納される。このスライドアーム(30)は仕切り板(3
1)を有しており、上側の巻取位置aにある空ボビン(B)と下側の待機位置にある
満ボビン(B)との間の空間であって、左右のうちの左側を覆う第1セパレータと
して機能する。この第1セパレータ先端に第2の糸ガイドが設けられ、満ボビン
(B)上に走行糸(Y)を支持する。 【0024】 つぎに、旋回セパレータ(41)は、スライドアーム(30)の反対側に配置されてお
り、満ボビンの巾方向全体と半側面(図1の右側)を覆う大きさを有し、本体フ
レーム(7)下方のボス(42)でピン止めされて旋回自在となっている。通常は2点
鎖線の待機位置にあるが、作動位置では実線で示すように糸渡しガイド(20)と旋
回セパレータ(41)の先端が対向する。すなわち、両者の間は、走行糸(Y)が通っ
て糸渡しに支障がない程度に閉じられる。したがって、満ボビン(B)と空ボビン(
B)の間は、図1の右側が旋回セパレータ(41)で、図1の左側がスライドアーム (30)で完全に仕切られることとなる。すなわち、この旋回セパレータは、前述し
た第1セパレータと協同する第2セパレータとして機能する。 【0025】 ところで、図1に示されるように、スライドアーム(30)の下側のガイド(22)の
先端は、旋回セパレータ(41)の先端と対向しており、満ボビン(B)に対して高低
差がない状態になっている。満ボビン(B)が停止するまで、遠心力で膨らもうと
する切断糸端が旋回セパレータ(41)から仕切り板(31)へと段差なく案内される。
旋回セパレータ(41)の先端をスライドアーム(30)の下側のガイド(21)と対向させ
ることもできるが、この場合には下側のガイド(21)で切断糸端が削られ、ほこり
が発生する。 【0026】 つぎに、上述した構造の紡糸巻取機の作動を図5により説明する。図5(a)
は満ボビン(B)となる直前を示す。満ボビン(B)と空ボビン(B)間のスペース“S
”には何も無いので、満ボビン(B)は従来より大きくすることができる。そして
、満ボビン(B)になると、タレット板(2)が時計方向に回転し同時に昇降ボックス
(1)も降下して図5(b)の状態となる。この状態では、タッチローラ(3)は空ボ
ビン(B)に圧接しているが、糸(Y)は空ボビン(B)を素通りして満ボビン(B)に巻か
れている。 【0027】 つぎに、図2で説明した糸寄せガイド(5)が作動する前に、スライドアーム(30
)が下降及び揺動し糸渡しガイド(20)を作動位置とすると共に旋回セパレータ(41
)も作動位置となる。そして、図5(c)の状態になった後、糸寄せガイド(5)と
糸渡しガイド(20)が作動して空ボビン(B)への糸(Y)の移し替えを行う。このとき
、満ボビン(B)は回転を保っているので糸端(43)が振り回されることになるが、
スライドアーム(30)の仕切り板と旋回セパレータ(41)で空ボビン(B)と区画され
る。そして、満ボビン(B)は回転を停止させた後、スライドアーム(30)は収納位
置に旋回セパレータ(41)は待機位置に復帰し、満ボビン(B)が取り出されて空ボ
ビン(B)が挿着され図5(d)の状態となる。そして、タッチローラ(3)に当接す
る空ボビン(B)に糸(Y)が巻き重ねられて図5(a)の状態に戻る。そし て、図示のように、スライドアーム(30)は固定枠(18)の中にあって巻取中のボビ
ン(B)の邪魔になることもない。 【0028】 特に、進退自在なスライドアーム(30)を空ボビン(B)の下側をすくうようにぎ
りぎりに進出させると、満ボビン(B)の最大径を大きくすることができ、ボビン
ホルダ(15)(16)間の距離を最大限に活用した満ボビンの大径化が達成できる。そ
のため、セパレータ機能と満ボビン(B)への走行糸の支持機能とを別途に設ける
場合に比較し、一層の満ボビン(B)の大径化が可能になる。また、満ボビン(B)と
空ボビン(B)の短い距離で固定ガイド22を位置させると、ガイド精度が向上し
、切替え時の綾落ちが防止できる。また、スライドアーム(30)を固定枠(18)から
両持ち支持によって進退自在に設ける構造であるため、固定枠(18)への取付を精
度良くし、更に両持ち部での進出動作を同期的に行う機構によって、進出位置の
精度も向上し、上記の狭い距離との相乗作用でガイド精度が高くなる。 【0029】 なお、上記例ではスライドアーム(30)に対するガイド溝(39)が折線状、ガイド
溝(44)が直線状となっていたが、これらは逆であってもよく、要するにスライド
アーム(30)に取付けたローラフォロアーがガイドプレート(38)に形成した所定形
状のガイド溝に係合して、アーム(30)先端の糸渡し装置(20)がボビンホルダ間へ
曲線軌跡を画いて進出するものであればよい。 【0030】 【考案の効果】 請求項1記載の考案は、糸切り替え時に満ボビンと空ボビンとの間に進出する
アームの先端に補助的ガイドと固定ガイドを所定間隔隔てて設けたことにより、
補助的ガイド及び固定ガイドがパッケージの巻径の増大の邪魔になることがない
。しかも、固定ガイドに対する補助的ガイドの位置精度が高まり、固定ガイドと
補助的ガイドとを接近させて設けることができる。そのため、満ボビンと空ボビ
ンとの間を狭くすることができる。その結果、タレット式の紡糸巻取機における
2本のボビンホルダ間の間隔を最大限に活用し、大きな満ボビンを巻形成するこ
とができ、タレット式紡糸巻取機の外形をそのままにして満ボビンの大径化が達 成できる。また、前記アームが仕切り板を有し、糸切り替え時に先端が満ボビン
と空ボビンとの間に進出するよう構成されているため、前記アームによって満ボ
ビンと空ボビンとの間が区画され、満ボビンの切断糸端が空ボビンに巻き込まれ
ることを防止できる。 【0031】 さらに、請求項記載の考案は、アームとセパレータとによって糸切り替え時
に満ボビンと空ボビンとを仕切るようにしたので、満ボビンの切断糸端が完全に
遮断され、糸端の空ボビンへの巻き込みによる巻取り阻害を完全に防止できる。
しかも、セパレータの先端とアーム先端の固定ガイドとを同一高さで対向するも
としたので、固定ガイドと補助的ガイドによって満ボビンの切断糸端が削られ
ることが防止できると共に、満ボビンと空ボビンの間を狭くできる
【図面の簡単な説明】 【図1】 紡糸巻取機の正面図である。 【図2】 紡糸巻取機の側面図である。 【図3】 スライドアームを示す図である。 【図4】 糸渡し装置を示す図である。 【図5】 紡糸巻取機の作動を示す図である。 【符号の説明】 1 昇降ボックス、2 タレット板、5 糸寄せガイド(第1の糸ガイド)、
7 本体フレーム、15,16 ボビンホルダ、17 スリット(糸捕捉手段)
、18 固定枠、20 糸渡し装置、21 スライドガイド、22 固定ガイド
(第2の糸ガイド)、30 スライドアーム、31 仕切り板(第1セパレータ
)、41 旋回セパレータ(第2セパレータ)

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 2本のボビンホルダを回転自在に突設支持するタレット板を本
    体フレームに回転可能に設け、各ボビンホルダにボビンがそれぞれ挿着され、一
    方のボビンホルダが巻取位置に、他方のボビンホルダが待機位置に位置し、巻取
    位置のボビンが満巻になると、ボビンホルダの位置を切り替えて、巻取位置に位
    置している空ボビンに満ボビンからの糸を移し替えるようにした紡糸巻取機であ
    って、糸切り替え時に糸をトラバース範囲外に移動させる糸寄せガイドと、糸切
    り替え時に先端が前記満ボビンと前記空ボビンとの間に進出するよう進退可能に
    設けられ、仕切り板を有するアームと、糸切り替え時に前記糸寄せガイドと協同
    して待機位置に移った満ボビンにつながっている走行糸を空ボビンの糸捕捉手段
    位置に案内する補助的ガイドと、糸切り替え時に前記満ボビンから糸が落ちない
    ように糸道を規制する固定ガイドとを備え、前記補助的ガイドと前記固定ガイド
    とが所定間隔隔てて前記アームの先端に設けられ、前記アームと協同して前記満
    ボビンと前記空ボビンとを仕切るセパレータが設けられ、このセパレータの先端
    と前記アーム先端の固定ガイドとが同一高さに合わされて対向していることを特
    徴とする紡糸巻取機。

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