JP2563074Y2 - ロボットハンド - Google Patents

ロボットハンド

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JP2563074Y2
JP2563074Y2 JP80192U JP80192U JP2563074Y2 JP 2563074 Y2 JP2563074 Y2 JP 2563074Y2 JP 80192 U JP80192 U JP 80192U JP 80192 U JP80192 U JP 80192U JP 2563074 Y2 JP2563074 Y2 JP 2563074Y2
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達雄 椿
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神鋼電機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ロボットアームの先端
に装着されて把持物を自動的に把持するロボットハンド
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体ウェハ処理工程等におい
ては、クリーンルーム内部において作業者が出す塵によ
るクリーン度が低下するのを防止するために、作業者の
工程数を極力減らし、その替わりに種々のロボット等に
よりクリーンルーム内部の作業が行なわれるようになっ
ている。
【0003】ロボットが行う作業の一例としては、複数
枚(25〜50枚)のウェハを収納したウェハキャリア
(以下、ワークと略称する。)をクリーンルーム内部の所
定位置まで移動させる作業がある。この作業を行うロボ
ットとしては、ロボット本体に搭載されたアームの先端
にワークのハンドリングを行うロボットハンドが設けら
れ、ロボットハンドでワークを把持した後、ロボット自
体を走行させることによりウェハキャリアを所定位置ま
で移動させるものがある。
【0004】前記ロボットハンドの具体的構成として
は、図8及び図9に示すように、クリーン化のために電
動により駆動し、かつワーク1を把持する力を維持する
手段としてコイルバネ2が使用されたロボットハンド3
が知られている。
【0005】このロボットハンド3は、アーム4の先端
部に回動自在に連結されているハンド本体5と、このハ
ンド本体5に内蔵された伸縮機構(フィンガ移動機構)6
により矢印A方向に一定の距離だけ移動可能な互いに対
向配置されたフィンガ7,7と、これらフィンガ7,7上
に設けられた複数のすくい部8上にフィンガ7の移動方
向(A方向)と同一方向(矢印B方向)と移動するようにコ
イルバネ2を介在させて設けられた複数のつめ9とから
構成されている。
【0006】上記構成のロボットハンド3によりワーク
1のハンドリング操作を行うには、先ず、ロボットアー
ム4を移動させて、ワーク1を把持する姿勢位置までロ
ボットハンド3の位置決め動作を行う。次に、フィンガ
移動機構6,6を作動させてフィンガ7,7を矢印A方向
の閉じる方向に移動し、それぞれのつめ9をワーク1の
側面に接触させる。さらにフィンガ7を所定の間隔まで
閉じることにより、つめ9とすくい部8との間に介在さ
せたコイルバネ2を圧縮させる。そして、このコイルバ
ネ2の付勢力より、つめ9はワーク1に対して矢印C方
向に押圧力を加えてワーク1を把持する。
【0007】 ここで、つめ9のワーク1に対する押圧
力をF、ワーク1の質量をM、つめ9とワーク1間の摩
擦係数をμ、ハンド本体5がロボットアーム4によって
移動させられる際の水平方向の加速度をα及び上方向の
加速度をβ、重力加速度をgとすると、 F>M×α ……(1) であれば、ワーク1の移動時におけ把持が不確実にな
ることはない。また、 F>M(g+β)/μ ……(2) であれば、ワーク1を落下させてしまうおそれがない。
ただし、ワーク1に凹凸部があり、その形状を利用して
引っ掛けた状態でワーク1を持ち上げて把持する方式で
あれば、(2)式を満たす必要はない。また、このとき
のフィンガ移動機構6,6がフィンガ7,7を閉じる力
をPとすると、フィンガ7の移動方向とつめ9の移動方
向が同じなので、 P=F ……(3) となる。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
ロボットハンド3においては、フィンガ移動機構6,6
により移動するフィンガ7,7間の間隔がさほど正確で
はなく、また、このフィンガ移動機構6,6のガタ等に
より、所定位置において保持させたフィンガ7,7が少
しづつ開いてしまうおそれがある。さらには、把持する
ワーク1の形状に多少の寸法誤差が生じている。
【0009】 しかしながら、従来のロボットハンド3
においては、つめ9のワーク1に対する押圧力Fが、コ
イルバネ2の圧縮量により比例する構造になっているの
で、上述したフィンガ移動機構6,6の機構上の間題、
さらにはワーク1の寸法誤差が生じた場合には、つめ9
のワーク1に対する押圧力Fが小さくなり、それにより
ワーク1の把持力が弱くなってしまい正常なハンドリン
グ操作が行えないという問題があった。これの対策とし
て、押圧力Fが弱くなってもハンドリング操作に支障が
ないように、あらかじめ、コイルバネ2の押圧力Fを大
きめに設定しておくことが考えられる。しかし、このよ
うな設定をすると、(3)式より、フィンガ移動機構6
もそれだけの力を発生させなくてはならない。エネルギ
効率的に不利となり、また、ロボットハンドが大型化す
る恐れもある。
【0010】本考案は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、高精度なフィンガ移動機
構の機能をさほど必要とせず、かつワークに多少の寸法
誤差が生じていたとしても、確実にワークを把持してハ
ンドリング操作を行うことが可能なロボットハンドを提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案のロボットハンドは、ハンド本体と、このハ
ンド本体を中心として互いに反対方向へ向けて設けら
れ、かつ、伸縮可能な伸縮機構を有する一対のフィンガ
移動機構と、これら一対のフィンガ移動機構にそれぞれ
取り付けられて該フィンガ移動機構と一体に移動し、か
つ、互いに対向配置されたフィンガと、それぞれのフィ
ンガに互いに対向配置させた状態で取り付けられ、かつ
フィンガの移動方向と直交する方向に移動可能な複数の
つめと、それぞれのつめに設けられ、かつ一方のつめを
他方のつめに向かう方向に付勢する弾性部材とが具備さ
れていることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本考案に係るロボットハンドによれば、フィン
ガの移動方向と直交する方向に移動可能なつめが、弾性
部材の付勢力により把持物に押圧力を加えて把持する構
造になっているので、フィンガの閉じる位置によって弾
性部材の圧縮量が変化せず、かつ把持物の寸法誤差が生
じても押さえる力が変化せず、把持物が確実に把持され
る。
【0013】
【実施例】本考案のロボットハンドの実施例について、
図1ないし図7を参照して説明する。なお、図8及び図
9に示したものと同一構成部には、同一符号を付してそ
の説明を省略する。
【0014】図1及び図2は本考案の第1の実施例のロ
ボットハンド10を示すものである。
【0015】このロボットハンド10の特徴は、それぞ
れのフィンガ7,7に互いに対向配置させて取り付けら
れて、フィンガ7,7の移動方向(矢印A方向)と直交す
る方向(矢印D方向)に移動自在となるように複数のつめ
11が設けられており、さらにこのつめ11の移動する
方向(矢印D方向)に向けて付勢力が働くようにコイルバ
ネ2が設けられていることである。
【0016】本実施例のつめ11は、外観L字状に形成
されたもので、フィンガ7,7の上面に固定されたすく
い部12の側面につめ11の長辺部11aの外側面がガ
イドされて矢印A方向に移動可能となるように設けられ
ている。また、把持すべきワーク1が最初に接触するつ
め11の短辺部11bの先端部13はテーパ状に形成さ
れている。
【0017】 上記構成からなるロボットハンド10に
よりワーク1のハンドリング操作を行うには、先ず、ロ
ボットアーム4を移動させて、ワーク1を把持する姿勢
位置までロボットハンド3の位置決め動作を行う。次
に、フィンガ移動機構6,6を作動させてフィンガ7,
7を矢印A方向の閉じる方向に移動させ、それぞれのつ
め11のテーパ状の先端部13をワーク1と接触させる
(図3参照)。そして、さらにフィンガ7,7を所定の
間隔となるまで閉じる方向に移動させることにより、つ
め11が矢印D方向に移動し、つめ11とすくい部12
との間に介在されたコイルバネ2を圧縮させる。そし
て、このコイルバネ2の付勢力より、互いに対向して
いるつめ11,11が、押圧面11c,11cでワーク
1に対して押圧力を加えていき、それによりワーク1が
把持される(図4及び図5参照)。このとき、ハンドリ
ング操作を正常に行うための押圧力Fは、従来例と同様
に(1)式、(2)式で表せる。
【0018】ここで、従来のロボットハンド3のよう
に、フィンガ移動機構6,6のガタ等によりフィンガ7,
7の間隔が所定距離より開いている場合や、把持される
ワーク1の形状に寸法誤差が生じたとしても、つめ11
の押圧面11cがワーク1に接触しているかぎりコイル
バネ2の圧縮量は変化せず、かつフィンガ7,7の移動
方向と直交する方向にコイルバネ2の付勢力が働くの
で、つめ11のワーク1に対する押圧力は常に一定の大
きさとなる。
【0019】 また、フィンガ移動機構6,6がフィン
ガ7,7を閉じる力’、つめ11のワーク1に対する
押圧力、摩擦係数μとすると、P’=μF ……(4) の関係にある。通常、ワーク1及びつめ11の材料とし
て使用される金属、合成樹脂間の摩擦係数μは、μ=
0.1〜0.3程度であり、押圧力の値が多少大きく
ても、(3)式と(4)式の比較からもわかるように、
フィンガ7,7を閉じる力’は小さくて良い。よっ
て、押圧力の値を余裕をみて大きめに設定でき、ワー
ク1をより確実に把持できる。
【0020】以上、述べたことから容易に理解できるよ
うに、フィンガ7,7の移動方向と直交する方向に移動
可能なつめが、コイルバネ2の付勢力によりワーク1に
押圧力を加えて把持する構造になっているので、従来の
ようにフィンガ7,7の閉じる位置によってコイルバネ
2の圧縮量が変化せず、かつワーク1の寸法誤差が生じ
ても押さえる力が変化しないので、ワーク1を確実に把
持することができる。
【0021】また、図6及び図7に示すものは、本考案
のロボットハンドの第2の実施例を示すものであり、本
実施例にあっては、つめ15を支持しかつ矢印E方向へ
付勢力を働かせるために、板バネ16が使用されたもの
である。
【0022】 この板バネ16使用したロボットハン
ドでワーク1のハンドリング操作を行うには、図1に示
すように、フィンガ移動機構6,6を作動させてフィン
ガ7,7を矢印A方向の閉じる方向に移動させることに
より、つめ15の先端部17をワーク1と接触させ(図
6参照)、さらにフィンガ7,7を所定の間隔となるま
で閉じる方向に移動させることにより、板バネ16が下
向きに変形してつめ15にワーク1が把持される(図7
参照)。そして、板バネ16の付勢力によりワーク1に
対して押圧力が加えられ、それによりワーク1が把持さ
れる。
【0023】従って、図1ないし図5に示したロボット
ハンド10と同様の作用効果を得ることができる。
【0024】
【考案の効果】以上説明したように本考案のロボットハ
ンドによれば、フィンガの移動方向と直交する方向に移
動可能なつめが、弾性部材の付勢力により把持物に押圧
力を加えて把持する構造になっているため、フィンガの
閉じる位置によって弾性部材の圧縮量が変化せず、かつ
把持物の寸法誤差が生じても押さえる力が変化しないの
で、把持物を確実に把持することができ、正常なハンド
リング操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のロボットハンドの平面図である。
【図2】本考案のロボットハンドの正面図である。
【図3】ワークを把持するつめのテーパ状の先端部がワ
ークと接触した状態を示す平面図である。
【図4】ワークを把持するつめの押圧面がワークと接触
した状態を示す平面図である。
【図5】つめがワークを把持した状態を示す平面図であ
る。
【図6】第2の実施例のつめがワークを把持している途
中の状態を示す平面図である。
【図7】第2の実施例のつめがワークを把持した状態を
示す平面図である。
【図8】従来のロボットハンドの平面図である。
【図9】従来のロボットハンドの正面図である。
【符号の説明】 2 コイルバネ(弾性部材) 6 フィンガ移動機構 7 フィンガ 10 ロボットハンド 11、15 つめ 16 板バネ(弾性部材)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンド本体と、 このハンド本体を中心として互いに反対方向へ向けて設
    けられ、かつ、伸縮可能な伸縮機構を有する一対のフィ
    ンガ移動機構と、 これら一対のフィンガ移動機構にそれぞれ取り付けられ
    て該フィンガ移動機構と一体に移動し、かつ、互いに対
    向配置されたフィンガと、 それぞれのフィンガに互いに対向配置させた状態で取り
    付けられ、かつフィンガの移動方向と直交する方向に移
    動可能な複数のつめと、それぞれのつめに設けられ、か
    つ一方のつめを他方のつめに向かう方向に付勢する弾性
    部材とが具備されていることを特徴とするロボットハン
    ド。
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