JPH09155781A - ロボットハンド - Google Patents

ロボットハンド

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JPH09155781A
JPH09155781A JP31509195A JP31509195A JPH09155781A JP H09155781 A JPH09155781 A JP H09155781A JP 31509195 A JP31509195 A JP 31509195A JP 31509195 A JP31509195 A JP 31509195A JP H09155781 A JPH09155781 A JP H09155781A
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JP
Japan
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robot hand
spring
coil spring
gripping
contact
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Application number
JP31509195A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamamoto
広志 山本
Keiichi Kimura
圭一 木村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】産業用や作業用ロボット先端のハンドに係り、
特にフレキシブルな把持動作が可能な汎用のロボットハ
ンドを提供する。 【解決手段】開閉される対向した把持爪13の表面に、
長手方向に傾斜させたばね39や傾斜させた突起物66
を少なくとも一つ備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生産工場で使用され
る産業用ロボットや海洋,原子力分野などの悪環境で使
用される作業用ロボットのエンドエフェクタに係り、特
に、把持物に対する自由度が高い汎用のロボットハンド
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術では、2指のロボットハンドで
対象物を把持する際、対象物が把持し易い平行な面を持
っていても、対象物の平行度誤差,うねりによる点あた
りなどで、対象物をしっかり保持することが難しいと報
告されている。また、2指のロボットハンドによる把持
動作は把持面と垂直方向の回転に対して、対象物を摩擦
力によって保持するほかなく、原理的に不安定な状態で
ある。そのため、挟み込んだ後の持ち上げ動作では重心
の大きな偏位によって対象物が回転してしまうなどの懸
念がある。そのため、公知例添付リスト2の実公平6−4
5351号公報(指マニピュレータ)に記載のように、把持
対象物と接触する把持爪表面に人間の手先表面状態にな
ぞらえた「皮膚ゴム」と称するゴムを貼り付けた構造を
とるなどして、摩擦係数を大きくして安定把持を実現し
ようとしている。従来技術では把持する瞬間の対象物と
グリッパとの関係が受動的で、把持する瞬間の確率的な
平行度誤差などにより、把持動作の成否が左右されてい
る。また、皮膚になぞらえたゴムのような弾性体は人間
の皮膚表面と異なり、接触圧力に対する変形量の許容量
が小さく、さらに、直接接触する弾性体の寿命などの課
題がある。さらに、人間が掴む時の状態を考えると、対
象物に指先が近づき、皮膚の表面部が触れ、対象にさわ
ったことを知る。次に、対象物と接触した皮膚表面は次
第に変形していき、変形がある程度進み、骨と肉の弾性
で対象物を落とさず壊さずの状態で、把持を完了する。
すなわち、皮膚の表面部が触れる段階では対象物との接
触状態は点接触であり、骨と肉の弾性で対象物を落とさ
ず壊さず把持している段階では面接触状態である。把持
面がゴム表面の場合は最初から面接触であり、前述した
ような対象物の平行誤差などを吸収して、人間が掴むよ
うな状態で対象物を把持できず、誤差の大小によって把
持状態が左右される。また、指先の構造を検討すると、
第1に指先は皮膚,肉,爪と順に構成されており、接触
初期には皮膚と肉による柔らかさで対象物に馴染み、そ
の後は構造体である骨と爪による剛性で皮膚と肉の不要
な変形量を押さえ、対象物をしっかり把持できる。ま
た、指先の断面形状は一様でなく、対象物に対してある
方向性を持った接触ができる形状である。
【0003】一方、2指のロボットハンドの不安定要素
を解消して把持状態を安定にするために、把持爪の個数
を増やした多指ハンドについては公知例の添付リスト1
で述べられている。把持爪の個数の増大は基本的に、形
状の大型化,制御の複雑化をもたららす要因となる。
【0004】公知例のリストは以下の通りである。
【0005】1)第38回講習会 ものの掴み方,操作
の仕方−エンドエフェクタの今後の動向−ロボット工学
入門シリーズ3 pp.84−95 日本ロボット学会
平成6年9月29日 2)実公平6−45351号公報(指マニピュレータ)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、安定な
把持状態を得るために、摩擦力を利用しようと皮膚にな
ぞらえたゴムのような弾性体を把持爪表面に取り付けて
いるが、把持瞬間は受動的であり前述したように人間が
物体を掴むような状態で対象物を把持できない。そこ
で、本発明では第1に把持対象物に対して特定の方向に
強制力を与え、能動的な把持動作とし、第2に対象物と
の接触状態が点接触から、面接触状態となるような構造
体で把持爪表面を形成し、第3に形状や構造をより人間
の指先に近くして人間の把持動作に近づけて、自由度の
高いフレキシブルな把持を実現するものである。
【0007】一方、把持爪が複数個の多指ハンドでは、
機構や制御の複雑化,重量の増大,形状の大型化などの
課題が発生する。そのため、把持爪が少なく簡単な構造
で対象物を安定に把持するロボットハンドが要求されて
いる。そこで、本発明の目的は2指爪構造の平行グリッ
パにおいて、能動的な把持動作の実現,対象物と把持爪
の間で人間の把持動作における把持状態の再現(点接触
から面接触へ、接触後の大きな許容変形量,接触後の把
持爪表面の弾性係数の非線形化),制御装置の簡素化が
可能な構造である把持爪表面を持ち、安定に対象物を把
持できるロボットハンドを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は三次元空
間で自由に位置決めできるアームのような作業機構の先
端部で、制御装置によって開閉される把持爪表面に、平
行度誤差などによる確率的な要素を低減するために把持
対象物に対して、特定方向の強制力を与える手段を備
え、対象物との接触時に能動的な動作をさせることによ
り達成される。また、把持爪表面の前記強制力発生手段
としてコイルばねの長手方向に傾斜させたばねを少なく
とも一つを備え、対象物との接触後のコイルばねの復元
力により強制力を発生させることにより達成される。ま
た、把持爪表面の前記強制力発生手段としてコイルばね
の長手方向に傾斜させたばねの巻き数が異なるばねを少
なくとも一つを備え、対象物に接触する把持爪表面の弾
性係数の分布を変化させることにより達成される。ま
た、把持爪表面の前記強制力発生手段としてコイルばね
の長手方向に傾斜させたばねの直径が異なるばねを少な
くとも一つを備え、対象物に接触するばねの順番を選択
的に制御して、把持爪構造体からの距離により把持爪表
面の弾性係数を変化させることによって達成される。ま
た、把持爪表面の前記強制力発生手段としてコイルばね
の長手方向に傾斜させたばねを多重に挿入したばねの対
を備え、把持爪構造体からの距離により把持爪表面の弾
性係数を変化させることにより達成される。また、把持
爪表面の前記強制力発生手段としてコイルばねの長手方
向に傾斜させたばね内に弾性係数の異なる弾性体を入れ
込んだばねの対を備え、把持爪構造体からの距離による
把持爪表面の弾性係数の変化を非線形化にすることによ
り達成される。また、前記対象物と接触する表面のコイ
ルばねの長手方向に傾斜させたばねを多重化したばねの
対で、物体との接触によって内外のばねが接触すること
を検出することによって接触情報を得ることにより達成
される。また、把持爪表面の前記強制力発生手段である
コイルばねを超弾性体材料で形成したばねを少なくとも
一つは備えることにより達成される。また、把持爪表面
の前記強制力発生手段であるコイルばねの線径が異なる
ばねを少なくとも一つを備え、対象物に接触する把持爪
表面の弾性係数の分布を変化させる。
【0009】また、把持爪表面の前記強制力発生手段と
して傾斜した突起形状の構造体を少なくとも一つは備
え、突起物の復元力により強制力を発生させることによ
り達成される。また、把持爪表面の前記強制力発生手段
として傾斜した突起形状の構造体の突起物の傾斜角が異
なる突起物を少なくとも一つは備え、把持爪構造体から
の距離により把持爪表面の弾性係数を変化させることに
より達成される。また、把持爪表面の前記強制力発生手
段として傾斜した突起形状の構造体の突起物の大小が異
なる突起物を少なくとも一つは備え、対象物に接触する
把持爪表面の弾性係数の分布を変化させることにより達
成される。また、把持爪表面の前記強制力発生手段とし
て傾斜した突起形状の構造体の突起物が中空構造で、前
記突起物内に弾性体を入れ込んだ突起物を少なくとも一
つは備え、把持爪構造体からの距離による把持爪表面の
弾性係数の変化を非線形化にすることにより達成され
る。また、把持爪表面の前記強制力発生手段である傾斜
した突起形状の構造体の突起物を超弾性体材料で形成し
た突起形状の構造体を少なくとも一つは備える。
【0010】本発明の目的は三次元空間で自由に位置決
めできるアームのような作業機構の先端部で、制御装置
によって開閉される把持爪の対象物と接触する表面にコ
イルばねの長手方向に傾斜させたばねや傾斜させた突起
形状の構造体を備えることにより、人間の指先の構造や
機能を模擬して人間の把持動作に近づける。
【0011】本発明によれば、簡単な把持面の形状で人
間が対象物を把持する機構に近い状態が再現できる。す
なわち、把持対象に特定方向の強制力を与える能動的な
把持動作で、対象物との接触時の点接触から、次第に変
形していき、変形がある程度進んだ面接触動作を行なえ
る機構であり、本発明のロボットハンドによれば自由度
の高いフレキシブルなハンドリングが複雑な制御装置な
しで行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施例を説明する。図1は典型的なロボットハンドによる
対象物14の移動作業状態を示す。旋回軸Ψs,上下回
転軸θsの2自由度を持つロボット22はアーム1の手
先ハンドで対象物14を保持し、指示された位置16に
対象物を移動させる。対象物14はアーム手先のハンド
ベース2に取り付けられた把持爪10,12で把持され
る。指令信号に対して、制御装置15はロボットの位置
18,速度19,力信号20に基づき駆動信号17を発
生し、ロボット手先を所定の軌跡に沿って動作させる。
指令信号は産業用ロボットの場合は操作者により事前に
教示され、それを読み出すことで得られる。また、作業
用ロボットの場合は、図示してないが、マスタアームと
いわれる動作指示用の装置やジョイスティック,キーボ
ードなどの指示端末から指令信号が与えられる。
【0013】図2はロボットのハンド部分を拡大したも
ので、ロボットアーム1の先端に取り付けられたハンド
本体ベース2,左右の把持爪10と12,ハンド本体ベ
ース2と左右の把持爪10,12をつなぐリンク6,
7,8及び9,把持爪を開閉させるためのモータの回転
トルクを伝達をするための駆動ギヤ3,左右の把持爪1
0,12とハンド本体ベース2を接続するリンク6,8
を回転させるための把持爪駆動ギヤ4と5,対象物14
と直接接触する把持爪表面部11,13から構成され
る。
【0014】リンク6,7とリンク8,9はペアで四節
リンク機構を構成しており、リンク6,8を回転させる
と、把持爪10,12は傾きを変えることなく平行な状
態で左右方向に弧を描いて移動する。リンク6,8は把
持爪駆動ギヤ4,5に共締めされている。把持爪駆動ギ
ヤ4,5は噛み合っており、把持爪駆動ギヤ5を回転さ
せると把持爪駆動ギヤ4は逆方向に回転することにな
り、共締めされているリンク6,8も回転し、把持爪1
0,12は対象物を挟んだり、解放したりすることにな
る。把持爪駆動ギヤ5は把持爪開閉用のモータ(図示せ
ず)と同軸上に設置された駆動ギヤ3と噛み合ってお
り、モータの回転は駆動ギヤ3から把持爪駆動ギヤ5に
伝達され、把持爪は開閉される。
【0015】フレキシブルで安定に把持をするために
は、挟み込む瞬間の動作状態に大きな比重がかかってく
る。まず、本発明のポイントである把持爪表面13の表
面形状の正面図,平面図を図3に示す。図の上方(X軸
の正方向)がロボットアーム根元から離れる方向であ
る。把持爪の表面にはコイルばねを長手方向に傾斜させ
た形状のばね39,40,41が取り付けられている。
次に、本発明の第1の特徴である把持対象物に対して、
特定方向の強制力を与える方法を図4で述べる。図4は
図3の点線で示す部分を拡大し、X軸方向とY軸方向か
ら見た断面図である。すなわち、傾斜させたばねの1巻
き部分を取り出したもので、把持爪を閉じていった際の
ばねが対象物に接触して変形する様子を時間的に示して
いる。aは非接触の状態である。把持爪が矢印方向に閉
じていくに従って、b,c,d,e,fとばねの状態は
変化していく。さらに図5に示すように、ばねを傾斜さ
せることによってばねが押されたときにばねの復元力は
垂直方向(Z軸)の力と共にX軸方向に分力を発生する
ことになる。このように傾斜させたばねの復元力によ
り、特定の方向に意図的な反力を発生させることがで
き、対象物に対して強制力を付加させることができる。
図のようなばねの傾斜方向の場合は把持爪から外に排出
する方向に強制力を付加している。表面が皮膚ゴム形状
ではこのように、意図的に反力を与え、平行度誤差など
による確率的な要素を低減させ、把持動作による対象物
の動作状態を事前に推定することはできない。
【0016】さらに、このように傾斜させたばねを把持
爪表面に取り付けることにより、以下に述べるような特
徴も合わせて持つことになる。人間が掴む時の状態を考
えると、対象物に指先が近づき、皮膚の表面部が触れ、
対象にさわったことを知る。次に、対象物と接触した皮
膚表面は次第に変形していき、変形がある程度進み、強
度部材である骨と肉の弾性で対象物を落とさず壊さずの
状態で把持を完了する。このような人間の把持動作に相
似した第1の点は対象物との接触後の許容変形量の増大
が可能な点である。図4に示すように傾斜したばねが把
持爪の構造体13に接触するまで、変形が可能であり、
対象物との接触後の変形量はゴムのような弾性体に比べ
て、変形許容量は大きくとれる。さらに、傾斜させたば
ねの取り付けは、図3に示すように、ばねの両端をばね
固定片(上方は30,31,32、下方は33,34,
35)で固定する。ばね39,40,41は両端を押さ
えただけであるから、把持爪13と完全に固定されてお
らず、対象物からの垂直方向(Z軸)の力が加わった
時、ばね39,40,41は図面上の上下方向(X軸)
には自由に移動できる状態であり、対象物14を把持す
るときは受動的に移動し、対象物に馴染む機能を持つこ
とになる。一方、ばねの中を通した押さえ板36,3
7,38により、図面上の左右方向(Y軸)の無制限な
変形を押さえ、対象物からの外力によるばねの浮き上が
りや脱落を防止する。
【0017】人間の把持動作に相似した第2の点は対象
物との接触状態が点から面接触状態で把持可能な点であ
る。図4で、本対象物14が接触した最初の状態ではば
ねの先端部が接触している点接触状態である。さらに、
把持爪13が閉じていくと、対象物14からの力が増加
して、ばねはX軸(ロボットアーム根元)方向に押しつぶ
されて、線接触状態、さらに把持爪表面にへばりつく面
接触となって、把持が完了する。
【0018】このように本発明を適用したロボットハン
ドは先に述べた人間の皮膚表面と近い状態を作り出すこ
とができる。
【0019】図6,図7はばね39,40,41の固定
方法についての別の実施例である。ばね39,40,4
1を前述したような両端の固定方法でなく、片側のみ
や,中央のみを固定し、ばねの移動量の許容範囲を大き
くして受動的なばねの移動による対象物に対する馴染み
効果を持たせることができる。図6は固定板42,4
3,44により中央でばねを固定した実施例である。ば
ねは負荷がかかると、矢印方向(X軸)に移動が可能で
ある。ばねの両サイドは自由端44,45,46で、矢
印方向(X軸)の移動は拘束しないが、左右方向(Y
軸)についてはその移動を拘束する。図7は固定板3
0,31,32により片側(手先側)でばねを固定した
実施例である。この場合はばねを固定した反対側部分は
自由端44,45,46で、左右方向(Y軸)について
はその移動を拘束し、図面上の下方の伸びは拘束しない
ので、ばねに負荷がかかると、矢印方向に移動が可能で
ある。
【0020】図8は別の実施例で、図3のばね39,4
1のばねの巻き数が異なる場合である。中央で高くて両
端で薄い断面構造である人間の指先の弾性係数の分布が
一様でないことに対応して、中央のばね40に対して、
左右に巻き数が粗いばね47,48を配置し、把持爪表
面の弾性係数の分布を変化させた実施例である。
【0021】図9は別の実施例で、図3のばねの直径を
変化させた場合である。把持爪表面のばねの直径を変え
ることで、指の中心が盛り上がっている人間の指先形状
を模擬させ、対象物に接触するばねの順番を選択的に制
御して、把持爪構造体からの距離に対して把持爪表面の
弾性係数を変化させた実施例である。径の小さい左右の
ばね39,41より径のより大きなばね49を中央に配
置したので、最初に対象物14に接触する可能性は左右
のばね39,41より中央のばね49の方が高く、最初
に接触するばねが選択的に指定できる。これにより、対
象物14が最初に接触する際の把持爪表面の弾性係数は
中央のばね49の弾性係数のみに依存させることができ
る。同様な効果はコイルばねの素材の線径の大小によっ
ても、可能である。
【0022】図10は別の実施例で、図3でばねを多重
にさせた場合である。多重にすることにより、把持爪構
造体からの距離に対して把持爪表面の弾性係数の変化を
非線形化させることができ、把持爪表面に柔軟な特性を
持たすことが可能になる。図3におけるばね39,4
0,41の内側に、さらに、50,51,52のばねを
挿入する。対象物14が最初に接触する時、ばね39,
40,41の弾性係数で反力を返すが、さらに把持爪1
3を閉じていくと、内側のばね50,51,52の弾性
係数と合成した反力が返ることになり、把持過程におけ
る把持爪表面の弾性係数を非線形にできる。
【0023】図11は別の実施例で図10におけるばね
39,40,41の内側にばね50,51,52とは異
なる弾性係数を持つ部材53,54,55を挿入したも
ので、人間の手先は表面部から順に皮膚部分,肉,骨と
弾性係数が異なる構造体で構成されている点に対応した
ものである。ばねが全部傾斜して把持爪表面の構造体に
接触する前に、対象物14は挿入した弾性体に接触す
る。ばね以外の弾性体を使用することにより、弾性体接
触後はばねで実現できないより大きなあるいはより小さ
い弾性係数を把持爪表面に付加することができ、把持爪
構造体からの距離に対して把持爪表面の弾性係数の変化
を非線形化することができる。これはばねを使用する限
り、ばねの巻き数,材質,直径によるほか、弾性係数を
調整することができず、弾性係数の選択の幅が小さい。
そこで、ばね以外の弾性体を使用することにより、より
大きなあるいはより小さい弾性係数を持った把持爪表面
が実現できる。また、ばねの材質に超弾性体材料を使用
することにより、対象物との接触後の変形量の許容量を
ばね鋼のばねより大きくできる。
【0024】図12は別の実施例で図10のばねを多重
化した場合で、内外のばねが対象物14により変形し、
ばね同士が接触することを利用して、接触検出を行う実
施例である。ばねに電圧60をかけておくと、対象物1
4を把持してない場合、ばね同士は離れた状態で導通し
てないので、検出端61では電源電圧が観測される。対
象物14を把持した場合、ばねは変形して接触するた
め、回路は短絡されて検出端61で電圧の変化が観測で
きる。この電圧変化をロボット制御装置15で処理すれ
ば、特別なセンサを設けなくても、接触情報を得ること
ができる。また、対象物が非導電体であっても接触は検
出できる。
【0025】図13は別の実施例で図3のばねの替わり
に、弾性係数の高いばね鋼材65の板に爪状の突起物6
6を少なくとも一つを配置し、把持爪表面に止め具67
で固定したもので、傾斜した突起物66が把持爪13の
構造体に接触するまで、変形が可能であり、対象物との
接触後の許容変形量の増大が可能である。また、傾斜さ
せることにより、特定の方向に強制力を発生させること
ができ、さらに、把持状態が進むに従って対象物との接
触面が増大し、点接触から面接触の把持状態を実現でき
る。板上に爪状の突起物を生成する方法はばねによる製
作,取り付けよりは簡便である。
【0026】図14は別の実施例で図13の前記突起物
の傾斜角が少なくとも一つは異なる突起物68を設けた
ものである。傾斜角の大小により弾性係数は異なり、把
持爪17の表面の弾性係数の分布を変化させた実施例で
ある。
【0027】図15は別の実施例で図13の前記突起物
の大きさが少なくとも一つは異なる突起物69を設けた
もので、対象物に接触する突起物の順番を選択的に制御
して、把持爪構造体17からの距離に対して把持爪表面
の弾性係数を変化させた実施例である。
【0028】図16は別の実施例で図13の突起物が中
空構造で、突起物内に弾性体71,72,73を入れ込
んだ突起物70を少なくとも一つは設けたもので、把持
爪構造体からの距離に対して把持爪表面の弾性係数の変
化を非線形化にさせた実施例である。弾性体71,7
2,73は固定ねじ74,75,76で固定する。突起
物の材料として、ばね用の材料を使用する限り、弾性係
数の選択の幅が小さい。そこで、ばね以外の弾性体,超
弾性体材料を使用することにより、より大きなあるいは
より小さい弾性係数を持った把持爪表面が実現できる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な把持面の形状で
人間が対象物を把持する機構に近い状態が再現できる。
すなわち、特定方向の強制力を把持対象物に与えて能動
的な把持動作を実現し、対象物との接触が点接触から、
次第に面接触を行う機構であり、本発明のロボットハン
ドによれば自由度の高いフレキシブルなハンドリングが
要求される極限環境(原子力,宇宙,海洋分野など)で
の作業ロボットや工場の組み立てラインでの産業用ロボ
ットのハンドとして広範囲な利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロボットシステムの説明図。
【図2】ロボットハンドの説明図。
【図3】把持爪表面形状の説明図。
【図4】傾斜させたばねの時間的変化の説明図。
【図5】傾斜させたばねの発生力の説明図。
【図6】ばねの取り付け方法1の説明図。
【図7】ばねの取り付け方法2の説明図。
【図8】ばねの巻き形状が異なる実施例の説明図。
【図9】ばね直径が異なる実施例の説明図。
【図10】ばねを多重にさせた実施例の説明図。
【図11】ばね以外の弾性体を併用した実施例の説明
図。
【図12】ばねの接触によるセンサ機能を付加した実施
例の説明図。
【図13】ばね鋼材の板状突起物の実施例の説明図。
【図14】板状突起物の傾斜角が異なる実施例の説明
図。
【図15】板状突起物の大きさが異なる実施例の説明
図。
【図16】中空構造の板状突起物の実施例の説明図。
【符号の説明】
30,31,32,33,34,35…ばね固定片、3
6,37,38…押さえ板、39,40,41…ばね。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三次元空間で位置決めされる少なくとも一
    つの自由度を備え、対象物と接触するハンドを具備した
    作業機構と、制御装置によって開閉される一つ以上の把
    持爪を持ったロボットハンドにおいて、前記対象物と接
    触する前記把持爪の表面に、把持の際に把持対象物へ特
    定方向の強制力を与える手段を備えたことを特徴とする
    ロボットハンド。
  2. 【請求項2】前記ロボットハンドの把持爪の表面の特定
    方向の強制力発生手段として、少なくとも一つのコイル
    ばねを備え、コイルばねの長手方向に対して、傾斜させ
    たコイルばねを少なくとも一つは備えた請求項1に記載
    のロボットハンド。
  3. 【請求項3】前記強制力発生手段であるコイルばねとし
    て、少なくとも一つのコイルばねを備え、前記コイルば
    ねの長手方向に対して、傾斜させたばねの巻き数が異な
    るばねを少なくとも一つは備えた請求項1に記載のロボ
    ットハンド。
  4. 【請求項4】前記強制力発生手段であるコイルばねとし
    て、少なくとも一つのコイルばねを備え、前記コイルば
    ねの長手方向に対して、傾斜させたばねの直径が異なる
    ばねを少なくとも一つは備えた請求項1に記載のロボッ
    トハンド。
  5. 【請求項5】前記強制力発生手段であるコイルばねとし
    て、少なくとも一つのコイルばねを備え、前記コイルば
    ねの長手方向に対して、傾斜させたばねの線径が異なる
    ばねを少なくとも一つは備えた請求項1に記載のロボッ
    トハンド。
  6. 【請求項6】前記強制力発生手段であるコイルばねとし
    て、少なくとも一つのコイルばねを備え、前記コイルば
    ねの長手方向に対して、傾斜させたばねを多重に挿入し
    たばねの対を少なくとも一つは備えた請求項1に記載の
    ロボットハンド。
  7. 【請求項7】前記強制力発生手段であるコイルばねの内
    側に弾性体を入れ込んだばねを少なくとも一つは備えた
    請求項1に記載のロボットハンド。
  8. 【請求項8】前記強制力発生手段であるコイルばね同
    士、あるいはコイルばねとばねの内側弾性体の接触によ
    り、対象物との接触を検出する請求項5または6に記載
    のロボットハンド。
  9. 【請求項9】前記強制力発生手段であるコイルばねを超
    弾性体材料で形成した請求項1に記載のロボットハン
    ド。
  10. 【請求項10】前記ロボットハンド把持爪表面の特定方
    向の強制力発生手段として、対象物と接触する表面に傾
    斜した突起形状の構造体を少なくとも一つは備えた請求
    項1に記載のロボットハンド。
  11. 【請求項11】前記強制力発生手段である傾斜した突起
    形状の構造体の突起物の傾斜角が異なる突起物を少なく
    とも一つは備えた請求項1に記載のロボットハンド。
  12. 【請求項12】前記強制力発生手段である傾斜した突起
    形状の構造体の突起物の大きさが異なる突起物を少なく
    とも一つは備えた請求項1に記載のロボットハンド。
  13. 【請求項13】前記強制力発生手段である傾斜した突起
    形状の構造体の突起物が中空構造で、前記突起物中空部
    内に弾性体を入れ込んだ突起物を少なくとも一つは備え
    た請求項1に記載のロボットハンド。
  14. 【請求項14】前記強制力発生手段である傾斜した突起
    形状の構造体の突起物を超弾性体材料で形成した請求項
    1に記載のロボットハンド。
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