JP2011218448A - ロボットハンドのフィンガ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品Pを複数のフィンガ72により把持するロボットハンド7において、あまりコストのかからない簡単な構造で所要の把持性能が安定して得られ、十分な耐久性を確保できるとともに、狭隘な環境下でも使用しやすい優れた構造のフィンガ72を提供する。
【解決手段】複数のフィンガ72のそれぞれにコイルばね81を巻き付け、その両端を除いた中間部分の巻き線をフィンガ72の外周に沿って長手方向に変位可能に取り付ける。こうすると、それらのフィンガ72によって取り囲むように部品Pを把持したときに接触点Cの数が増大する可能性があり、個々の接触点における摩擦力はあまり大きくなくとも、部品Pを安定して把持することができる。部品Pの寸法、形状等に応じてコイルばね81の巻き線の太さやピッチを選定することが好ましい。
【選択図】 図4

Description

本発明は、物品を把持して搬送するロボットハンドのフィンガの構造に関する。
従来より、生産現場においては部品等のピッキング、ハンドリングを自動化するために産業用ロボットが使用されており、多種多様な寸法、形状の部品を把持して搬送するための種々の構造のロボットハンドが提案されている。このようなロボットハンドのフィンガには一般的に、その把持面が滑り難くなるように模様を刻む所謂ローレット加工を施したり、或いはゴムや樹脂等の弾性シートを貼り付けたりしている。
また、部品の組立てや分解に用いられるロボットについては特に大きな把持力が必要なので、例えば特許文献1に記載のロボットハンドでは、フィンガにスリットの入った板ばね状の部材を巻き付けて固定している。こうするとフィンガにより物体を把持したときに、この把持物体により加圧されて板ばね状部材の一部分が変形し、これに隣接する変形していない部分との間のスリットが開いて、そのエッジが把持物体の表面に強く押し付けられるようになる。
さらに、特許文献2には、少なくとも2つの指(フィンガ)の互いに対向する面にそれぞれ出没可能な多数のスリーブピンを埋め込み、かつこのスリーブピンを突出するように付勢して、把持力を高めるようにしたロボットハンドについて記載されている。
尚、特許文献3には、対象物を把持面の摩擦に頼らず、機械的な動作のみで適切に保持することのできるメカニカルユニバーサルハンドが開示されている。この文献の図8に示されているロボットハンドは、対象物を取り囲むように配置された3本のフィンガユニットにそれぞれ複数の関節を備えており、それらが対象物に巻き付くように折れ曲がって、包み込むように保持するものである。
特開2004−268147号公報 特開平2−185389号公報 特開2006−198748号公報
ところで、従来一般的な弾性シートを貼り付ける方法では、フィンガの把持面の摩擦係数を自由に設定することができ、対象物に傷を付ける心配もないが、このような弾性シートは通常、摩耗しやすく、剥がれたりすることも多いので、ロボットハンドとして十分な耐久性を確保することは難しい。一方、ローレット加工には比較的コストがかかるという難があるし、長期間、使用すれば摩耗してしまい、滑り止め効果の低下することは避けられない。
また、特許文献1のようにスリットの入った板ばね状部材を巻き付けたフィンガでは、これにより把持した物体の表面に板ばね状部材のスリットのエッジが強く押し付けられるようになり、このエッジの位置がフィンガの長手方向には固定されていることから、搬送中に軽微な衝撃を受けただけでも局所的には強い力が加わることになり、把持物体の表面に傷を付ける心配がある。
この点では特許文献2に記載のフィンガでも、その対向面から突出するスリーブピンの位置がフィンガの長手方向には固定されているため、前記特許文献1のものと同様の心配がある。しかも、個々のフィンガに多数のスリーブピンを埋め込む構造は複雑にならざるを得ず、安価なものとはいえない。
尚、特許文献3のように多関節のフィンガユニットを備えたメカニカルユニバーサルハンドは複雑なな構造で非常に高価であるし、前記したように対象物を保持する際に折れ曲がると、フィンガユニットの関節部分が外に張り出すことになるから、例えば箱に収納されている部品を取り出すときに周囲の壁と干渉する等、狭隘な環境下では使用し辛い面がある。
本発明はかかる諸事情を鑑みてなされたもので、その目的は、比較的コストのかからない簡単な構造でもって所要の把持性能が安定して得られ、十分な耐久性を確保できるとともに、狭隘な環境下でも使用しやすい優れたフィンガ構造を提供することである。
前記の目的を達成すべく本発明は、対象物を複数のフィンガにより把持するロボットハンドにおいて、そのフィンガの外周にコイルばねを巻き付けて、少なくともその両端を除いた中間部分の巻き線がフィンガの長手方向に変位するように取り付けたものである。
前記の構造では、ロボットハンドのフィンガの外周に巻き付けられたコイルばねが、例えて言えばローレット加工の模様のように滑り止めの効果を生じ得るとともに、巻き線の間に対象物の表面を挟み込んで、フィンガ長手方向への変位を或る程度は許容しつつ拘束するので、対象物の把持の状態が安定し、その表面に傷を付ける心配も少ない。また、コイルばねを装着するだけの簡単な構造であり、ローレット加工のような摩耗による滑り止め効果の低下も少ない。仮に滑り止め効果が低下してもコイルばねを交換すれば容易に回復する。
好ましいのは、少なくとも3本のフィンガを、対象物を取り囲むように(つまり、それら3本のフィンガが大体同じ方向に延びていて、この方向に見ると、それぞれ対象物の表面に接触する点が三角形を描くような位置関係で)配置することであり、こうすれば、それらのフィンガによる対象物の把持状態を安定させる上で有利になる。
その場合に3本以上のフィンガは概ね直線状のものとして、互いに平行に延びるように配置するのが周囲との干渉を防止する上で特に好ましい。また、それらのフィンガの先端には、コイルばねの先端が当接するように拡径する受け部を設けて、該コイルばねの脱落を阻止するとともに、この受け部に一体的に先細りのテーパ部を形成すれば、フィンガを狭隘な場所に挿入するときのガイドとして機能させることができる。
また、前記フィンガの外周とこれを取り囲むコイルばねの内周とのクリアランスは所定の範囲(例えば数百ミクロンから大きくても数ミリ程度)に設定するのがよいが、例えばフィンガの先端側および基端側においてそれぞれコイルばねとのクリアランスを前記の所定範囲に収めるようにすれば、そのフィンガの長手方向の中間部には括れ部を設けてもよい。こうすれば、比較的大きな対象物を把持するときにその表面の凸形状にフィンガの括れ部の形状が合致して、接触点が増える可能性がある。
さらにまた、前記複数のフィンガにそれぞれ巻き付けるコイルばねは、その少なくとも1つを右巻きとし、少なくとも1つは左巻きとしてもよく、こうすれば、対象物の脱落が抑制されることが期待できる。
また、コイルばねとしてその長手方向に巻き線の太さやピッチの異なるものを用いてもよく、こうすれば、1つのコイルばねでもって寸法や形状の異なる複数の対象物をそれぞれ好適に把持できる可能性がある。
以上より、本発明に係るロボットハンドのフィンガ構造によると、フィンガの外周にコイルばねを巻き付けるという簡単な構造でありながら、ローレット加工を施すのと同等、ないしそれ以上の把持性能が安定的に得られるとともに、弾性シートでは実現の難しい十分な耐久性も得られる。また、例えば多関節のフィンガを備えたロボットハンドに比べれば低コストであり、狭隘な環境下でも使用しやすい。
本発明に係るロボットハンドを装着したロボットの一例を示す斜視図である。 同ロボットハンドを拡大して示す斜視図である。 同ロボットハンドの駆動機構の一例を示す説明図である。 同ロボットハンドによる部品の把持の説明図である。 フィンガの途中に括れを設けた他の実施形態に係る図4(b)相当図である。 いわゆる不等ピッチコイルばねを用いた他の実施形態に係る図4相当図であり、巻き線ピッチの狭いフィンガの先端側で比較的小さな部品を把持する状態を示す。 フィンガの先端に吸着パッドを配設した他の実施形態に係る図2相当図であり、同図(b)には吸着パッドを可動とした変形例も示す。
以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るロボットの一実施の形態を示す斜視図であり、この図1のロボットハンドを拡大して示したのが図2である。また、図3は、ロボットハンドのフィンガを作動させるための機構の一例を示した説明図である。
図1に示すロボット1はいわゆる多関節型のもので、床などに固定される固定部2と、その上部において鉛直軸線aの周りに旋回(矢印Aで示す)可能なベース部3と、このベース部3の上部に順次、取り付けられた第1および第2アーム部4,5とを備えており、その第2アーム部5の先端部5aに手首部6を介してロボットハンド7が取り付けられている。すなわち、前記ベース部3の上部には、左右一対の支持壁部3aが設けられ、それらに挟まれた状態で第1アーム部4の基端部が水平軸線bの周りに回動可能に支持されている。これにより第1アーム部4は、矢印Bで示すように上下に傾倒可能になっている。
また、前記第1アーム部4は先端部が二股に分かれていて、その間に第2アーム部5の基端部を軸線cの周りに回動可能に支持しており、これにより第2アーム部5も上下方向に傾倒(矢印C)可能になっている。この第2アーム部5の先端には、その長手方向の軸線dの周りに回動(矢印D)可能な状態で二股状の先端部5aが設けられており、その間に円柱状の手首部6が軸線eの周りに回動(矢印E)可能に支持されている。そして、その手首部6の先端、すなわち図の左手前寄りの端部には軸線fの周りに回動(矢印F)可能にロボットハンド7が取り付けられている。
前記のロボットハンド7は図2にも示すように、掌に相当するボックス部70と、指に相当するロッド71およびフィンガ72とを備えている。ボックス部70は平面視では長方形状で、手首部6の軸線fの方向(図2に示すY方向であり、以下、ロボットハンド7について前後方向ともいう)に相対的に短く、これに直交するX方向(左右方向)には相対的に長い。また、図の例では上下方向であるZ方向の寸法、即ち掌の厚みが、その前後の長さに比べても小さくなっている。
そして、前記のボックス部70の後側が手首部6に回動可能に連結されている一方、前側には左右一対の矩形断面のロッド71がそれぞれ前方に延びるように設けられている。このロッド71のそれぞれには下方に延びるように一対の丸棒状のフィンガ72が設けられており、これらが互いにロッド71の長手方向に近接および離遠するとともに、一対のロッド71同士も互いに近接および離遠するようになっている。
詳しくは図3に上方から透視して示すように、前記ボックス部70の内部には前後の中央付近において左右に延びるようにしてねじ軸73が支持され、その一側の端部に設けられた被駆動ギヤ74が電動モータ75の駆動ギヤ76と噛み合わされている。このねじ軸73は、長手方向の一側(左側)に右回りの雄ねじが設けられる一方、他側(右側)には左回りの雄ねじが設けられていて、それぞれに対応する雌ねじの形成された一対のナット77が螺合されている。この一対のナット77は、それぞれ前記ロッド71の基端部に一体的に設けられている。
そして、電動モータ75の作動により駆動ギヤ76および被駆動ギヤ74が回転され、ねじ軸73が例えば左回りに回転すると、一対のナット77が互いに接近するように移動する一方、ねじ軸73が右回りに回転すればナット77は互いに離遠するように移動する。つまり、それぞれがロッド71を支持する一対のナット77が、ねじ軸73の回転によってその長手方向に逆向きに移動することにより、図に白抜きの矢印で示すように一対のロッド71が互いに近接、離遠するようになっている。
同様の駆動機構が各ロッド71内にそれぞれ設けられており、当該ロッド71の長手方向に延びるねじ軸78には一対のナット79が螺合されていて、それぞれにフィンガ72の基端部が例えば締結等により固定されている。そして、ねじ軸78の後端に連結された電動モータ80が作動し、これによりねじ軸78が例えば右回りに回転するとナット79が互いに接近するように移動し、一方、ねじ軸78が左回りに回転すればナット79は互いに離遠するように移動する。こうして一対のフィンガ72がロッド71の長手方向に近接、離遠するようになっている。
つまり、この実施形態のロボットハンド7には、各々真っ直ぐな4本のフィンガ72が平行に配置されていて、それらが互いに近接および離遠することにより開閉されるものである。詳しくは図4を参照して後述するが、ロボットハンド7の4本のフィンガ72を収納箱Bに挿入して、把持対象である部品Pを取り囲むように位置づけ(図4(a))、そこから閉じることによって該部品Pを把持することができる(同図(b))。尚、図の例では収納箱Bは、それぞれ部品Pを収納する4つの区画b1に分割されている。
−フィンガの構造−
この実施形態では特徴的な構成として、前記したロボットハンド7の4本のフィンガ72にそれぞれコイルばね81を巻き付けて、滑り止めの効果を発揮させるとともに対象物の把持状態を安定化させる機能を持たせている。すなわち、前記の図2に示すように4本のフィンガ72は、基本的には金属製の丸パイプからなるもので、図示はしないがその上端(基端)が、前記のようにロッド71のねじ軸78のナット79に固定されている一方、フィンガ72の下端、即ち先端にはコイルばね81の脱落を阻止するように樹脂製のプラグ82が取り付けられている。
図2には手前側のフィンガ72について分解して示すように、プラグ82は、円盤状の基部82aの一側(図の上側)に雄ねじの設けられた軸部82bが、また、反対側には先細りの円錐部82cがそれぞれ一体に形成されていて、その軸部82bがフィンガ72の下端の開口(図示せず)にねじ込まれている。すなわち、丸パイプからなるフィンガ72の内周には、少なくとも下端部において雌ねじが形成されており、ここに前記軸部82bの雄ねじがねじ込まれる。
そうしてフィンガ72の下端に取り付けられたプラグ82の円盤状の基部82aの外径はフィンガ72の外径よりも大きく、この基部82aの上面がフィンガ72の先端側においてコイルばね81の下端(先端)に当接し、それ以上は下方には変位しないように受け止める受け部となる。一方、プラグ82の円錐部82cは下方に向かって先細りとなるテーパ部であって、後述するようにフィンガ72をその先端から部品の収納箱B等に挿入する際のガイドとして機能する。
また、フィンガ72の基端側、即ち図の上側には外周に環状溝が形成されていて、これに樹脂製のリング部材83が外嵌めされている。このリング部材83は、コイルばね81の上端(基端)に当接してそれ以上、上方に変位しないように受け止めている。こうして上端をリング部材83により、また、下端を前記プラグ82の基部82aによりそれぞれ受け止められて、コイルばね81は所定量、予圧縮された状態になっている。一方、それら上下両端を除いたコイルばね81の中間部分の巻き線81は、フィンガ72の外周に沿って長手方向に変位可能になっている。
より詳しくはコイルばね81は、一例として断面円形状の線材を螺旋状に巻回(コイリング)してなり、そのコイルの軸芯方向に見るとほぼ真円形状をなす。このコイルの内径はフィンガ72(丸パイプ)の外径よりも少しだけ大きく設定されており、フィンガ72の外周とこれを取り囲むコイルばね81の内周との間には、例えば、フィンガ72の外径が10mmの場合において数百ミクロンから数ミリ程度(〜9mm)のクリアランスが設けられている。このクリアランスは、後述の如くコイルばね81の巻き線がフィンガ72の外周に沿って長手方向にスムーズに変位するように設定したものである。
また、この実施形態では4つのコイルばね81のうちの2つ(図の例では最も手前のもの、および最も奥のもの)が右巻きで、それ以外の2つのコイルばね81は左巻きである。これは、仮に全てのコイルばね81が右巻きであるとすれば、それらのコイルばね81を介して4本のフィンガ72により把持される部品Pが重力を受けると、それぞれのコイルばね81から巻き線に沿って左回りに自転するような力が作用することになり、これにより部品Pが左回りに自転しながら脱落するおそれがあるからである。
−ロボットハンドの作動およびその作用効果−
次に、上述したロボットハンド7のフィンガ72により、一例として卵形の部品Pを把持する状態について図4を参照して説明する。同図(a)は、部品Pの収納箱Bにフィンガ72を挿入する状況を、また、同図(b)は部品Pを把持した状態をそれぞれ模式的に示している。
まず、前記の図2に示すようにロボットハンド7を収納箱Bの一区画b1の上方に位置づけて、4本のフィンガ72の位置をそれぞれ区画b1の4隅に合わせた後に、ロボット1の第1、第2アーム部4,5を協働させて、図4(a)に矢印で示すようにロボットハンド7を下方に移動させる。こうすると、同図(b)のように4本のフィンガ72が区画b1の4隅に挿入される。こうしてフィンガ72を真っ直ぐに挿入するのであれば、収納箱Bの一区画b1の4隅にはフィンガ72の太さに加えて最小限の隙間があればよい。
しかも、そうして挿入するときに各フィンガ72の先端のプラグ82の円錐部82cがガイドとして機能するので、ロボットハンド7の制御精度があまり高くなくてもフィンガ72を収納箱Bの一区画b1の4隅に沿わせて挿入することができる。また、このときに仮に区画b1の周壁とフィンガ72のコイルばね81とが擦れたとしても、そのコイルばね81の撓みによって衝撃が吸収、緩和されるようになるので、区画b1の周壁にもフィンガ72にも傷が付く心配は少ない。
そうして4本のフィンガ72をそれぞれ収納箱Bの一区画b1の4隅に挿入した後、図(b)のように閉じて部品Pを把持すると、これらのフィンガ72によって囲い込まれた部品Pの表面には各フィンガ72の外周面が接触して、水平方向の移動を規制するようになる。また、フィンガ72に巻き付けられているコイルばね81の巻き線も部品Pの表面に接触し、この部品Pの表面の凸形状に対応して押し退けられることにより、図には誇張して示すように上下に、即ちフィンガ72の長手方向に変位するようになる。
このため、4本のフィンガ72によって取り囲まれる部品Pの表面において、図に丸印Cとして示すように、フィンガ72の外周およびコイルばね81の巻き線との有効な接触点が増大する傾向になり、個々の接触点Cにおける摩擦力はあまり大きくなくとも、言い換えるとあまり大きな把持力を必要とせずに、部品Pを安定して把持することができる。しかも、前記のように押し退けられてフィンガ72の長手方向に変位したコイルばね81の巻き線は、部品Pを上下から挟むように弾発力を作用させることになり、これによっても把持の状態が安定する。
すなわち、前記のようにコイルばね81の巻き線との接触により幾何学的に、または、その接触点Cにおける摩擦力でもって部品Pのフィンガ長手方向への移動を拘束しつつ、当該部品Pに外力が加わったときにはコイルばね81が撓み、その巻き線との接触点Cがフィンガ長手方向に変位するようになる。このため、周囲の物体との干渉等により衝撃が加わっても部品Pとフィンガ72(コイルばね81を含む)との接触状態が変化することを抑制できるとともに、その衝撃による部品Pやフィンガ72、或いはロボットハンド7ひいてはロボット1へのダメージが軽減される。
さらに、そのようにコイルばね81の巻き線をフィンガ72の長手方向にスムーズに変位させるために、この実施形態ではフィンガ72の外周とこれを取り囲むコイルばね81の巻き線とのクリアランスを、前記のように小さすぎず、大きすぎない適切な範囲に設定している。すなわち、クリアランスが小さすぎると、コイルばね81の巻き線がフィンガ72の外周に沿って滑り難くなるからである。尚、クリアランスが大きすぎれば、部品Pを把持した状態で巻き線はコイルの半径方向に、即ちフィンガ72の長手方向でなくその半径方向に大きく撓んでしまい、コイルばね82を含めたフィンガ72の存在領域が見かけ上、大きくなるという不具合を生じる。
また、前記のように部品Pを把持する際に押し退けられたコイルばね81の巻き線によって部品Pの表面を好適に把持するためには、その部品Pの寸法や形状、特に部品表面の屈曲形状とコイルばね81の巻き線の太さやピッチとの間に好ましい関係がある。例えば巻き線の間隔には、部品Pの表面の凸形状に対応して広すぎず、狭すぎない好ましい範囲がある。
そこで、好ましくは把持対象である部品Pの寸法や形状、特に部品表面の屈曲形状に応じて、コイルばね81の巻き線の太さやピッチを選定することにより、その部品Pに好適な把持状態を実現することができる。言い換えると、この実施形態では、フィンガ72に装着するコイルばね81を、主に把持する部品Pの寸法、形状等によって交換するだけで、多種多様な寸法、形状を有する部品のそれぞれを好適に把持することができるものである。
さらにまた、図示は省略するが、前記のようにして把持した部品Pを収納箱Bから取り出すときにも、その一区画b1の4隅に挿入されているフィンガ72が周囲の壁と干渉する心配はないし、部品Pを搬送する途中やそれを別の箱に収納する際に仮に周囲の機器等との間で干渉が生じたとしても、これによる衝撃は前記したようにコイルばね81の撓みによって吸収、緩和されるので、部品Pの把持状態は安定しており、その衝撃による部品Pやフィンガ72等へのダメージは少ない。
したがって、この実施形態に係るロボットハンド7によると、部品Pを把持する4つのフィンガ72にそれぞれコイルばね81を巻き付けるという簡単な構造で、比較的低コストでありながら、部品Pとの接触点Cが増大し滑り止め効果の高まることが期待できる。よって、それら接触点における摩擦力をあまり大きくせずに、高い把持性能を安定的に得ることができる。
また、ローレット加工のように摩耗によって滑り止め効果が低下する心配も少なく、仮に長期間の使用によってコイルばね81がへたったとしても、それを交換するだけで容易に回復することができる。
さらに、そうしてコイルばね81を巻き付けているだけなので、フィンガ72自体あまり太くはならないし、例えば多関節のフィンガのように部品Pを把持する際に関節部分が外に張り出すことはないから、4本のフィンガ72を備えたロボットハンド7全体としても大きくはなり難く、狭隘な環境下でも使用しやすい。
−その他の実施形態−
上述した実施形態の説明はあくまで例示に過ぎず、本発明、その適用物またはその用途を何ら制限するものではない。例えば、上述の実施形態では、ロボットハンド7のフィンガ72を真っ直ぐな丸パイプによって構成しているが、これはパイプではなく棒状の部材によって構成してもよいし、或る程度は曲がっていても構わない。細い場所に挿し込むときには真っ直ぐな方が有利であるが、前記のような卵形の部品Pを把持するのであれば、それを包み込むような緩やかな湾曲形状であることが有利な場合もある。基本的には真っ直ぐな形状としながら、先端部だけ少し湾曲させてもよい。
また、フィンガ72の断面形状は真円形状に限らず、楕円や長円形状であってもよいし、角にアールのついた矩形状であってもよい。この場合にはフィンガ72の外周、特に把持面との間に所要のクリアランスが設けられるように、コイルばね81についても楕円や長円形状、或いは矩形状としてもよい。加えて、コイルばね81の巻き線の断面形状も円形には限らず、例えば巻き線の断面が矩形状のいわゆる角ばねを用いてもよい。
さらに、一例を図5に示すように、フィンガ72の長手方向の中間部に括れ部72aを設けてもよい。図示のように括れ部72aは、フィンガ72の長手方向の所定範囲に亘って漸進的に外径が変化し、中央部位にて最も縮径するように滑らかな曲面によって形成する。こうすれば、図示のように比較的大きな部品Pを把持するときに、その表面の凸形状にフィンガ72の括れ部72aにおける外周面の形状が合致して、両者が互いに沿うようになり、有効な接触点Cが増える可能性がある。
また、一例を図6に示すように、長手方向に巻き線のピッチが異なる、いわゆる不等ピッチのコイルばね84を用いてもよい。同図(a)に示すようにコイルばね84の巻き線ピッチはフィンガ72の先端側(図の下端側)で相対的に狭くなっており、一方、基端側では相対的に広くなっている。その先端側の部分で比較的小さな部品Pを把持した状態を示す同図(b)では、部品Pの表面に接触して押し退けられた部分の巻き線の間隔が広がっている。小さな部品Pは通常、表面の凸形状のアール(曲率半径)が小さいので、コイルばね84の巻き線のピッチが狭い方がその間に把持しやすいのである。
一方、比較的大きな部品については、図示は省略するが、コイルばね84の巻き線ピッチが大きなフィンガ72の基端側の部分において好適に把持することができるから、1つのコイルばね84によって、大きさや形状の異なる2以上の部品Pをそれぞれ好適に把持することができる。尚、例えば巻き線ピッチの狭いところではその太さを細くする等、コイルばねの巻き線の太さについても異ならせてもよい。
さらにまた一例を図7に示すように、フィンガ72の先端にプラグ82に代えて吸着パッド85を装着すれば、これにより部品P等を吸着して搬送することもできる。図示の吸着パッド85は、プラグ82と同様の円盤状の基部85aの上部に、筒状の軸部85bが形成され、その内部が丸パイプからなるフィンガ72の内部と連通している。一方、基部85aの下方には円錐部82cの代わりに蛇腹状の吸盤部85cが形成されており、図示は省略するが、フィンガ72の内部に上方から挿通したホースの下端を前記軸部85bに接続して、吸盤部85cに負圧を供給することができる。
また、そうして装着する吸着パッド85は、同図(b)に示すようにフィンガ72の長手方向に進退可能に設けてもよい。こうすれば、吸着する部品Pの表面に当接した複数の吸着パッド85がそれぞれ進退することで、自ずと部品Pの表面形状に沿った好適な位置関係になるから、吸着状態がより安定する。この際、コイルばね81は、吸着パッド85を進出するように付勢する機能も果たすことになる。
以上の如く、本発明に係るロボットハンドのフィンガ構造は、簡単な構造であまりコストの増大を招くことなく、所要の把持性能および耐久性が得られる上に、狭隘な環境下での使用にも適しており、例えば工業用部品のピックアップ等の用途に好適である。
1 ロボット
7 ロボットハンド
72 フィンガ
72a 括れ部
81 コイルばね
82 プラグ
82a 基部(受け部)
82c 円錐部(テーパ部)
P 部品(把持対象物)

Claims (7)

  1. 対象物を複数のフィンガにより把持するロボットハンドの構造であって、
    前記フィンガのそれぞれの外周にコイルばねが巻き付けられ、少なくとも、その両端を除いた中間部分の巻き線がフィンガの長手方向に変位可能とされていることを特徴とするロボットハンドのフィンガ構造。
  2. 少なくとも3本のフィンガが対象物を取り囲むように配置されている、請求項1に記載のフィンガ構造。
  3. フィンガの先端側には、コイルばねの先端が当接するように拡径された受け部が設けられ、この受け部に一体的に先細りのテーパ部が形成されている、請求項1または2のいずれかに記載のフィンガ構造。
  4. フィンガの外周とこれを取り囲むコイルばねの内周とのクリアランスが所定範囲に設定されている、請求項1〜3のいずれか1つに記載のフィンガ構造。
  5. フィンガの長手方向の中間部に括れ部が形成されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載のフィンガ構造。
  6. 複数のコイルばねのうち、少なくとも1つが右巻きで、少なくとも1つが左巻きである、請求項1〜5のいずれか1つに記載のフィンガ構造。
  7. コイルばねは、その長手方向に巻き線の太さやピッチが異なるものである、請求項1〜6のいずれか1つに記載のフィンガ構造。
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