JP2562719B2 - 磁気センサと磁気ロータリエンコーダ - Google Patents
磁気センサと磁気ロータリエンコーダInfo
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- Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
- Measuring Magnetic Variables (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は従来の倍の出力電圧が得られると共に回転方
向による中点電圧の変動が無い、ロータリエンコーダの
Z相検出に用いて好適な磁気センサに関する。
向による中点電圧の変動が無い、ロータリエンコーダの
Z相検出に用いて好適な磁気センサに関する。
(ロ)従来の技術 磁気ロータリエンコーダは、第6図に示す如く歯車等
の磁性体材料から成る回転体(1)に磁気センサ(2)
を近接配置し、回転体(1)が発生する磁界の変化を磁
気センサ(2)が電気信号に変換することにより、回転
体(1)の回転速度と角度、および位置の割り出しを行
うものであり、各種情報機器やNC工作機械等に広く応用
されている。
の磁性体材料から成る回転体(1)に磁気センサ(2)
を近接配置し、回転体(1)が発生する磁界の変化を磁
気センサ(2)が電気信号に変換することにより、回転
体(1)の回転速度と角度、および位置の割り出しを行
うものであり、各種情報機器やNC工作機械等に広く応用
されている。
前記磁気センサ(2)は、InSb,In−NiSb、またはInA
s等の磁気抵抗効果を有する半導体薄膜から成り、ロー
タリエンコーダ用の磁気センサ(2)としては、回転体
(1)の回転速度と回転方向を検出するための第1の磁
気センサ(3)と、回転体(1)の回転数をカウントす
る第2の磁気センサ(4)とを組み合わせた2チップ構
成のものが用いられる。
s等の磁気抵抗効果を有する半導体薄膜から成り、ロー
タリエンコーダ用の磁気センサ(2)としては、回転体
(1)の回転速度と回転方向を検出するための第1の磁
気センサ(3)と、回転体(1)の回転数をカウントす
る第2の磁気センサ(4)とを組み合わせた2チップ構
成のものが用いられる。
前記第1の磁気センサ(3)は、回転体(1)のうち
全周に一定間隔λで歯と谷が設けられた部分に近接配置
され、前記歯と谷の周期λに対応して互いに位相が90度
ずれた信号A相、B相を出力するように構成されている
(第7図)。また、前記第2の磁気センサ(4)は、回
転体(1)のうち全周に1箇所だけ凹凸が設けられた部
分に近接配置され、回転体(1)が1回転する毎に1回
の信号、Z相を出力するように構成されている(第7
図)。そして、前記A,B、およびZ相の信号をコンパレ
ータ等で波形整形することにより短形波出力信号を得、
これらの信号から前述した如く回転体(1)の回転速度
や位置を割り出すようになっている。
全周に一定間隔λで歯と谷が設けられた部分に近接配置
され、前記歯と谷の周期λに対応して互いに位相が90度
ずれた信号A相、B相を出力するように構成されている
(第7図)。また、前記第2の磁気センサ(4)は、回
転体(1)のうち全周に1箇所だけ凹凸が設けられた部
分に近接配置され、回転体(1)が1回転する毎に1回
の信号、Z相を出力するように構成されている(第7
図)。そして、前記A,B、およびZ相の信号をコンパレ
ータ等で波形整形することにより短形波出力信号を得、
これらの信号から前述した如く回転体(1)の回転速度
や位置を割り出すようになっている。
ところで、磁気センサ(2)の出力電圧は大きい方が
ノイズ等に強い。そのため、A相とB相用の第1の磁気
センサ(3)は差動型で構成され、第7図に示す如く信
号A,Bと同時に逆相の信号,を得、これらの差をと
ることにより倍の出力電圧を得ている。従って、第1の
磁気センサ(3)のチップ表面には第8図に示す如く総
計8個の磁気抵抗素子(5)が設けられ、これらを配線
で接続することにより差動接続を行っている。また、A
相、B相が検出する歯車は一定ピッチλで連続するの
で、磁気抵抗素子(5)は位置関係さえ合致すればどの
凹凸を検出しても良く、従って8個の磁気抵抗素子
(5)は全て横一列に並べていた。尚、1個の磁気抵抗
素子(5)は短形パターンを有するのでは無く、折れ曲
った蛇行パターンを有する。
ノイズ等に強い。そのため、A相とB相用の第1の磁気
センサ(3)は差動型で構成され、第7図に示す如く信
号A,Bと同時に逆相の信号,を得、これらの差をと
ることにより倍の出力電圧を得ている。従って、第1の
磁気センサ(3)のチップ表面には第8図に示す如く総
計8個の磁気抵抗素子(5)が設けられ、これらを配線
で接続することにより差動接続を行っている。また、A
相、B相が検出する歯車は一定ピッチλで連続するの
で、磁気抵抗素子(5)は位置関係さえ合致すればどの
凹凸を検出しても良く、従って8個の磁気抵抗素子
(5)は全て横一列に並べていた。尚、1個の磁気抵抗
素子(5)は短形パターンを有するのでは無く、折れ曲
った蛇行パターンを有する。
一方、Z相に関しては従来は差動型にすること無く、
片側のみの出力で構成していたので、総計2個の磁気抵
抗素子(5)を有していた(第8図)。
片側のみの出力で構成していたので、総計2個の磁気抵
抗素子(5)を有していた(第8図)。
しかしながら、装置の高精度化に伴ってZ相の出力電
圧も大きくしたいというユーザ要求が高まった。そこで
本願発明者は、Z相検出にも差動接続を用いることとし
て第9図に示すパターンを提案した。
圧も大きくしたいというユーザ要求が高まった。そこで
本願発明者は、Z相検出にも差動接続を用いることとし
て第9図に示すパターンを提案した。
即ち、磁気抵抗素子RA,RBの中点からZ相出力を、磁
気抵抗素子RC,RDの中点から相出力を得、Z相のVCC側
の磁気抵抗素子RAと相のGND側の磁気抵抗素子RDを一
直線状に配したものである。磁気抵抗素子RAとRDを一直
線にするのは、Z相用の凹凸が1個しかないという制約
があるからで、斯点はA相、B相のように凹凸が連続し
てどこの凹凸を検出しても良いのとは事情が異る。
気抵抗素子RC,RDの中点から相出力を得、Z相のVCC側
の磁気抵抗素子RAと相のGND側の磁気抵抗素子RDを一
直線状に配したものである。磁気抵抗素子RAとRDを一直
線にするのは、Z相用の凹凸が1個しかないという制約
があるからで、斯点はA相、B相のように凹凸が連続し
てどこの凹凸を検出しても良いのとは事情が異る。
上記構成によれば、磁気抵抗素子(5)が差動接続さ
れるので、第10図に示すように互いに逆相のZ相と相
が得られこれらの差をとることによって倍の大きさの出
力電圧が得られる。
れるので、第10図に示すように互いに逆相のZ相と相
が得られこれらの差をとることによって倍の大きさの出
力電圧が得られる。
(ハ)発明が解決しようとする課題 しかしながら、第9図の構成では回転体(1)の回転
方向の違い(CW,CCW)によって出力波形が異るという不
具合が発生した。即ち、回転方向CWで第10図の出力波形
が得られたとすると、反対方向CCWでは第11図に示すよ
うに波形が歪み、振幅の大きな波と小さな波とが組み合
わさった波形になってしまうのである。この原因につい
ては今だ明確な解答が得られていないが、恐らくはVCC
とGNDのどちらかに接続された磁気抵抗素子(5)が先
に磁界の変化を受けるかによって中点電位が変動するた
めと考えられる。即ち、第8図のパターンは回転方向CC
Wの時に、Z相側はGNDに接続されたRBが先に磁界変化を
受けるのに対して相側はVCCに接続されたRDが先とい
うように、組み合わせが反対になるのである。
方向の違い(CW,CCW)によって出力波形が異るという不
具合が発生した。即ち、回転方向CWで第10図の出力波形
が得られたとすると、反対方向CCWでは第11図に示すよ
うに波形が歪み、振幅の大きな波と小さな波とが組み合
わさった波形になってしまうのである。この原因につい
ては今だ明確な解答が得られていないが、恐らくはVCC
とGNDのどちらかに接続された磁気抵抗素子(5)が先
に磁界の変化を受けるかによって中点電位が変動するた
めと考えられる。即ち、第8図のパターンは回転方向CC
Wの時に、Z相側はGNDに接続されたRBが先に磁界変化を
受けるのに対して相側はVCCに接続されたRDが先とい
うように、組み合わせが反対になるのである。
このように第9図の構成は回転方向によって出力波形
が異るので、波形整形等の手段が煩雑になる欠点を有す
る。
が異るので、波形整形等の手段が煩雑になる欠点を有す
る。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は上記従来の欠点に鑑み成されたもので、直列
接続した磁気抵抗素子RA,RBの中点からZ相出力を、同
じく直列接続した磁気抵抗素子RC,RDの中点から相出
力を得るようにこれらを差動接続すると共に、 接地電位GNDに接続される磁気抵抗素子RAと、電源電
位VCCに接続される磁気抵抗素子RDとを一直線状に並
べ、 電源電位VCCに接続される磁気抵抗素子RBを前記磁気
抵抗素子RAと平行となるように一方の側へ配置し、 且つ接地電位GNDに接続される磁気抵抗素子RCを前記
磁気抵抗素子RAが配置された側とは反対の側へ配置する
ことにより、回転方向による出力波形の変化が無い磁気
センサとこれを用いた磁気ロータリエンコーダを提供す
るものである。
接続した磁気抵抗素子RA,RBの中点からZ相出力を、同
じく直列接続した磁気抵抗素子RC,RDの中点から相出
力を得るようにこれらを差動接続すると共に、 接地電位GNDに接続される磁気抵抗素子RAと、電源電
位VCCに接続される磁気抵抗素子RDとを一直線状に並
べ、 電源電位VCCに接続される磁気抵抗素子RBを前記磁気
抵抗素子RAと平行となるように一方の側へ配置し、 且つ接地電位GNDに接続される磁気抵抗素子RCを前記
磁気抵抗素子RAが配置された側とは反対の側へ配置する
ことにより、回転方向による出力波形の変化が無い磁気
センサとこれを用いた磁気ロータリエンコーダを提供す
るものである。
さらに本願は、差動出力を得るための素子を通常の抵
抗値変化を伴う構造とし、それ以外の素子すなわち磁気
抵抗素子RB,RCは抵抗値変動が小さい構造とすることに
より、差動出力以外の余分な出力波形が生じることの無
い磁気センサを提供するものである。
抗値変化を伴う構造とし、それ以外の素子すなわち磁気
抵抗素子RB,RCは抵抗値変動が小さい構造とすることに
より、差動出力以外の余分な出力波形が生じることの無
い磁気センサを提供するものである。
(ホ)作 用 本発明によれば、磁気抵抗素子RBとRCが互いに反対側
へ配置されるので、先に磁界変化を受ける磁気抵抗素子
(20)に印加される電圧がZ相直列回路、相直列回路
共に同じ組み合わせとなり、且つ回転方向が逆になって
もこの関係は変らない。従って、回転方向による中点電
圧の変動が無く一定した出力波形が得られる。
へ配置されるので、先に磁界変化を受ける磁気抵抗素子
(20)に印加される電圧がZ相直列回路、相直列回路
共に同じ組み合わせとなり、且つ回転方向が逆になって
もこの関係は変らない。従って、回転方向による中点電
圧の変動が無く一定した出力波形が得られる。
また、磁気抵抗素子RB,RCの抵抗変化率を小としたの
で、これらが磁界変化を受けても出力電圧は殆ど変化し
ない。従って、差動出力つまり磁気抵抗素子RA,RDによ
る出力以外は余分な出力波形が生じない。
で、これらが磁界変化を受けても出力電圧は殆ど変化し
ない。従って、差動出力つまり磁気抵抗素子RA,RDによ
る出力以外は余分な出力波形が生じない。
(ヘ)実施例 以下に本発明の一実施例を図面を参照しながら詳細に
説明する。
説明する。
第1図は本発明による磁気センサを示す斜視図であ
る。この磁気センサは、直列接続された磁気抵抗素子
RA,RBと、同じく直列接続された磁気抵抗素子RC,RDとか
ら成り、前記磁気抵抗素子RA,RBの接続中点から出力信
号Zを、前記磁気抵抗素子RC,RDの接続中点から出力信
号を取り出し、夫々の直列回路の両端に電源単位VCC
と接地電位GNDを印加したものである。
る。この磁気センサは、直列接続された磁気抵抗素子
RA,RBと、同じく直列接続された磁気抵抗素子RC,RDとか
ら成り、前記磁気抵抗素子RA,RBの接続中点から出力信
号Zを、前記磁気抵抗素子RC,RDの接続中点から出力信
号を取り出し、夫々の直列回路の両端に電源単位VCC
と接地電位GNDを印加したものである。
4個の磁気抵抗素子RA〜RDの配置は、先ずZ相側の接
地電位GNDに接続される磁気抵抗素子RAに対し、相側
の反対の電位つまり電源電位VCCに接続される磁気抵抗
素子RDを一直線状に並べ、次いでZ相側のもう一方の磁
気抵抗素子RBを磁気抵抗素子RAとは検出すべき回転体
(11)の溝(12)の幅λと同じ距離だけ離れた位置に磁
気抵抗素子RAと平行となるように配置し、さらにZ相側
のもう一方の磁気抵抗素子RCを前記磁気抵抗素子RBが配
置された側とは反対の側に前記λだけ離して磁気抵抗素
子RDと平行に配設する。このようにZ相側と相側とで
反対の電位が印加される磁気抵抗素子を一直線に並べる
ことにより、回転体(11)が発生する単発(連続してい
ないということ)の磁界変化を検知し、且つZ相側の出
力電圧が最大のときに側の出力電圧を最小にすること
ができる。但し、磁気抵抗素子RBとRCを互いに反対側へ
配置したことによって、位相は180゜ずれる。尚、上記
接地電位GNDと電源電位VCCとの関係を反転しても差支え
ない。
地電位GNDに接続される磁気抵抗素子RAに対し、相側
の反対の電位つまり電源電位VCCに接続される磁気抵抗
素子RDを一直線状に並べ、次いでZ相側のもう一方の磁
気抵抗素子RBを磁気抵抗素子RAとは検出すべき回転体
(11)の溝(12)の幅λと同じ距離だけ離れた位置に磁
気抵抗素子RAと平行となるように配置し、さらにZ相側
のもう一方の磁気抵抗素子RCを前記磁気抵抗素子RBが配
置された側とは反対の側に前記λだけ離して磁気抵抗素
子RDと平行に配設する。このようにZ相側と相側とで
反対の電位が印加される磁気抵抗素子を一直線に並べる
ことにより、回転体(11)が発生する単発(連続してい
ないということ)の磁界変化を検知し、且つZ相側の出
力電圧が最大のときに側の出力電圧を最小にすること
ができる。但し、磁気抵抗素子RBとRCを互いに反対側へ
配置したことによって、位相は180゜ずれる。尚、上記
接地電位GNDと電源電位VCCとの関係を反転しても差支え
ない。
そして、差動出力を得るための磁気抵抗素子RA,RDと
対になる磁気抵抗素子RB,RCの磁気抵抗変化率を小さく
する。手法は、磁気抵抗素子RB,RCの抵抗素子パターン
を磁気抵抗効果を持たない材料で構成するか、又は磁気
抵抗素子RB,RCのラスタを調整することによって行う。
対になる磁気抵抗素子RB,RCの磁気抵抗変化率を小さく
する。手法は、磁気抵抗素子RB,RCの抵抗素子パターン
を磁気抵抗効果を持たない材料で構成するか、又は磁気
抵抗素子RB,RCのラスタを調整することによって行う。
ラスタについて更に説明する。磁気抵抗素子は、InS
b,In−NiSb,InAs等のように磁界の変化によって抵抗値
が変動する磁気抵抗効果を有する半導体薄膜をパターニ
ングすることによって得られ、この半導体薄膜はパター
ン形状によって磁界の変化に対する抵抗値の変動の割合
(磁気抵抗変化率と称す)が異るという所謂形状効果を
有する。即ち電流の向きに対して短く且つ幅広の形状と
した方が前記磁気抵抗変化率が大きいのである。この特
性を利用して変化率を大きくしようとするのがラスタで
ある。
b,In−NiSb,InAs等のように磁界の変化によって抵抗値
が変動する磁気抵抗効果を有する半導体薄膜をパターニ
ングすることによって得られ、この半導体薄膜はパター
ン形状によって磁界の変化に対する抵抗値の変動の割合
(磁気抵抗変化率と称す)が異るという所謂形状効果を
有する。即ち電流の向きに対して短く且つ幅広の形状と
した方が前記磁気抵抗変化率が大きいのである。この特
性を利用して変化率を大きくしようとするのがラスタで
ある。
第2図Aにラスタ付半導体薄膜のパターンを示す。各
磁気抵抗素子は第1図において短形状に表記したが、実
際は第2図Aに示す如く一定線幅のパターン(13)が一
定間隔で多数折り曲げた形状を有する。ラスタ(14)
は、半導体薄膜に銅等の導電材料を一定感覚で付着した
ものであり、前記導電材料を付着した部分の半導体薄膜
は磁気抵抗効果を失うので、結果として磁気抵抗素子は
ラスタ(14)によって区切られた部分(15)を縦列接続
して抵抗体を形成することになる。この時ラスタ(14)
が無い部分(15)の長さをパターンの線幅より短くして
おけば、前述したような短く且つ幅広の形状となり、形
状効果によって磁気抵抗変化率を大に且つ抵抗値の大き
な抵抗体を構成することができるものである。
磁気抵抗素子は第1図において短形状に表記したが、実
際は第2図Aに示す如く一定線幅のパターン(13)が一
定間隔で多数折り曲げた形状を有する。ラスタ(14)
は、半導体薄膜に銅等の導電材料を一定感覚で付着した
ものであり、前記導電材料を付着した部分の半導体薄膜
は磁気抵抗効果を失うので、結果として磁気抵抗素子は
ラスタ(14)によって区切られた部分(15)を縦列接続
して抵抗体を形成することになる。この時ラスタ(14)
が無い部分(15)の長さをパターンの線幅より短くして
おけば、前述したような短く且つ幅広の形状となり、形
状効果によって磁気抵抗変化率を大に且つ抵抗値の大き
な抵抗体を構成することができるものである。
一直線状に並べた磁気抵抗素子RA,RDには上記ラスタ
(14)を設ける。
(14)を設ける。
一方、磁気抵抗素子R8,RCは第2図Bに示す如くラス
タ(14)の数を減らす又は無くした。材料は同一であ
る。従って半導体薄膜パターン(13)は電流方向に対し
て長く幅狭の形状となり、前記形状効果が得られないの
で、磁界変化を与えても抵抗値が殆ど変化しない特性と
することができるものである。尚、パターン(13)の折
れ曲り部分には、ラスタ材料と同じ銅の付着部(16)を
設けた。これは、折れ曲り部分による抵抗値の余計なば
らつきを避けるためである。
タ(14)の数を減らす又は無くした。材料は同一であ
る。従って半導体薄膜パターン(13)は電流方向に対し
て長く幅狭の形状となり、前記形状効果が得られないの
で、磁界変化を与えても抵抗値が殆ど変化しない特性と
することができるものである。尚、パターン(13)の折
れ曲り部分には、ラスタ材料と同じ銅の付着部(16)を
設けた。これは、折れ曲り部分による抵抗値の余計なば
らつきを避けるためである。
このようにラスタ(14)で磁気抵抗変化率を調整すれ
ば、マスクパターンの変更だけで済む利点がある。
ば、マスクパターンの変更だけで済む利点がある。
第3図Aに磁気抵抗変化率を異ならしめた磁気センサ
の出力波形を示す。第1図の構成において回転体(11)
がCCW方向に回転し、溝(12)が磁気センサに接近した
とする。溝(12)は先ず磁気抵抗素子RCに達して磁界変
化を与え、磁気抵抗素子RCの抵抗値を変化させる。対を
なす磁気抵抗素子RDはまだ溝(12)に達していないの
で、中点電圧は減少するはずである。ところが、上述
したように磁気抵抗素子RCは磁気抵抗変化率が極めて小
さいので、出力波形は第3図Aの図示点線aにはなら
ず、ほぼ中点電位を保ったままで推移する。回転体(1
1)の移動が進むと、磁気抵抗素子RCが溝(12)からは
ずれ、替って磁気抵抗素子RAとRDが溝(12)に対向す
る。磁気抵抗素子RAはGND側に接続された素子なので中
点電圧Zは減少し、磁気抵抗素子RDはVCC側に接続され
た素子なので、中点電圧は逆に増大する。従って互い
に逆相のZ相と相が得られる。回転がさらに進むと磁
気抵抗素子RA,RDが溝(12)からはずれ、磁気抵抗素子R
Bが溝(12)と対向する。磁気抵抗素子RBの磁気抵抗変
化率も小さくされているので、中点電圧Zは点線bでは
なく中点電位を保つことになる。結局、磁気抵抗素子
RA,RDが溝(12)と対向した時にだけ出力波形が変化す
るのである。
の出力波形を示す。第1図の構成において回転体(11)
がCCW方向に回転し、溝(12)が磁気センサに接近した
とする。溝(12)は先ず磁気抵抗素子RCに達して磁界変
化を与え、磁気抵抗素子RCの抵抗値を変化させる。対を
なす磁気抵抗素子RDはまだ溝(12)に達していないの
で、中点電圧は減少するはずである。ところが、上述
したように磁気抵抗素子RCは磁気抵抗変化率が極めて小
さいので、出力波形は第3図Aの図示点線aにはなら
ず、ほぼ中点電位を保ったままで推移する。回転体(1
1)の移動が進むと、磁気抵抗素子RCが溝(12)からは
ずれ、替って磁気抵抗素子RAとRDが溝(12)に対向す
る。磁気抵抗素子RAはGND側に接続された素子なので中
点電圧Zは減少し、磁気抵抗素子RDはVCC側に接続され
た素子なので、中点電圧は逆に増大する。従って互い
に逆相のZ相と相が得られる。回転がさらに進むと磁
気抵抗素子RA,RDが溝(12)からはずれ、磁気抵抗素子R
Bが溝(12)と対向する。磁気抵抗素子RBの磁気抵抗変
化率も小さくされているので、中点電圧Zは点線bでは
なく中点電位を保つことになる。結局、磁気抵抗素子
RA,RDが溝(12)と対向した時にだけ出力波形が変化す
るのである。
そして、Z相と相の差をとることにより第3図Bに
示す如く従来の倍の振幅の出力波形を得るものである。
点線は磁気抵抗素子RB,RCが通常の変化率を有する場合
の波形である。このように、本願の出力波形は余分な波
形が一切存在しないので、波形整形に要する処理回路を
簡略化又は一切省くことが可能である。
示す如く従来の倍の振幅の出力波形を得るものである。
点線は磁気抵抗素子RB,RCが通常の変化率を有する場合
の波形である。このように、本願の出力波形は余分な波
形が一切存在しないので、波形整形に要する処理回路を
簡略化又は一切省くことが可能である。
上記本願の磁気センサの配置は、磁気抵抗素子RBとRC
を互いに反対の側へ配置したことによって、磁界変化が
必ず同じ側の磁気抵抗素子に先に加わるようになってい
る。即ち、回転方向CCWの時にZ相側ではGND側に接続さ
れた磁気抵抗素子RAが、相でも同じくGND側に接続さ
れた磁気抵抗素子RCが先に磁界変化を受ける。この関係
は反対の回転方向CWにおいても固定電位の関係が異るだ
けで変りがなく、今度はVCC側に接続された磁気抵抗素
子RBとRDが先に変化を受けるという関係になる。従っ
て、回転方向CWとCCWとで出力波形が歪むことが無く、
安定した出力波形が得られる。
を互いに反対の側へ配置したことによって、磁界変化が
必ず同じ側の磁気抵抗素子に先に加わるようになってい
る。即ち、回転方向CCWの時にZ相側ではGND側に接続さ
れた磁気抵抗素子RAが、相でも同じくGND側に接続さ
れた磁気抵抗素子RCが先に磁界変化を受ける。この関係
は反対の回転方向CWにおいても固定電位の関係が異るだ
けで変りがなく、今度はVCC側に接続された磁気抵抗素
子RBとRDが先に変化を受けるという関係になる。従っ
て、回転方向CWとCCWとで出力波形が歪むことが無く、
安定した出力波形が得られる。
第4図にロータリエンコーダの概略図を示した。回転
体(11)は鉄等の磁性体材料から成り、全周に一定ピッ
チで連続する歯と谷が設けられた歯車の如き第1の回転
体(16)と、第1の回転体(16)に同一軸上に設けられ
て一体化し、全周に1箇所だけ溝(12)を設けた第2の
回転体(17)とから成り、これに近接して磁気センサ
(18)が固定される。磁気センサ(18)内には第1の回
転体(16)と対向する位置に第1の磁気センサが、第2
の回転体(17)と対向する位置に第2の磁気センサが同
一平面となるように収納され、それらの後方には両者に
磁気バイアスを与える永久磁石が配置されて全体が一体
化モールドされている。
体(11)は鉄等の磁性体材料から成り、全周に一定ピッ
チで連続する歯と谷が設けられた歯車の如き第1の回転
体(16)と、第1の回転体(16)に同一軸上に設けられ
て一体化し、全周に1箇所だけ溝(12)を設けた第2の
回転体(17)とから成り、これに近接して磁気センサ
(18)が固定される。磁気センサ(18)内には第1の回
転体(16)と対向する位置に第1の磁気センサが、第2
の回転体(17)と対向する位置に第2の磁気センサが同
一平面となるように収納され、それらの後方には両者に
磁気バイアスを与える永久磁石が配置されて全体が一体
化モールドされている。
前記第1と第2の磁気センサは、フェライト等の磁性
体基板上にIn−Sb等の薄膜パターンがエポキシ系接着剤
にて接着されて成り、前記第1と第2の磁気センサは2
チップ構成を採る。第5図に示す如く第1の磁気センサ
(19)は、総計8個の磁気抵抗素子(20)が配置され、
第1の回転体(16)の歯車と同じピッチだけ離れた磁気
抵抗素子(20)の中点からA相出力を、A相と位相が90
゜ずれるようにしてB相を、A相およびB相の逆相出力
相、相が得られるように夫々の磁気抵抗素子(20)
を接続し、全て並列配置した。このように配置できるの
は、第1の回転体(16)が一定ピッチで連続する凹凸を
有し、位置関係さえ合致していればどの歯を検知しても
かまわないからである。一方、第2の磁気センサ(21)
には磁気抵抗素子(20)が第1如きパターンで配置され
る。
体基板上にIn−Sb等の薄膜パターンがエポキシ系接着剤
にて接着されて成り、前記第1と第2の磁気センサは2
チップ構成を採る。第5図に示す如く第1の磁気センサ
(19)は、総計8個の磁気抵抗素子(20)が配置され、
第1の回転体(16)の歯車と同じピッチだけ離れた磁気
抵抗素子(20)の中点からA相出力を、A相と位相が90
゜ずれるようにしてB相を、A相およびB相の逆相出力
相、相が得られるように夫々の磁気抵抗素子(20)
を接続し、全て並列配置した。このように配置できるの
は、第1の回転体(16)が一定ピッチで連続する凹凸を
有し、位置関係さえ合致していればどの歯を検知しても
かまわないからである。一方、第2の磁気センサ(21)
には磁気抵抗素子(20)が第1如きパターンで配置され
る。
(ト)発明の効果 以上に説明した通り、本発明によれば信号Z相、相
の差信号をとることによって従来の倍の出力振幅が得ら
れる利点を有する。また、磁気抵抗素子RBとRCを反対側
にずらして配置したことによって、磁界変化がVCC側とG
ND側のどちらに先に印加されるかという関係がZ相と
相とで同一であるので、正方向CW、反対方向CCWで出力
波形が同じ磁気センサを提供できる。
の差信号をとることによって従来の倍の出力振幅が得ら
れる利点を有する。また、磁気抵抗素子RBとRCを反対側
にずらして配置したことによって、磁界変化がVCC側とG
ND側のどちらに先に印加されるかという関係がZ相と
相とで同一であるので、正方向CW、反対方向CCWで出力
波形が同じ磁気センサを提供できる。
また、磁気抵抗素子RB,RCの磁気抵抗変化率を小さく
することによって、必要以外の余分な波形を一切省くこ
とができるので、波形整形に要する処理回路を簡略化す
る又は一切を無くすことができるという利点をも有す
る。
することによって、必要以外の余分な波形を一切省くこ
とができるので、波形整形に要する処理回路を簡略化す
る又は一切を無くすことができるという利点をも有す
る。
従って斯る磁気センサーを一体化することにより、A,
B,Z相全てにおいて同程度の大きな出力振幅で出力でき
る磁気センサを提供でき、ロータリエンコーダとして組
み立てることにより、波形整形回路や歯車形状の特殊加
工が不要なので、構成を簡略化できるという利点をも有
する。
B,Z相全てにおいて同程度の大きな出力振幅で出力でき
る磁気センサを提供でき、ロータリエンコーダとして組
み立てることにより、波形整形回路や歯車形状の特殊加
工が不要なので、構成を簡略化できるという利点をも有
する。
第1図は本発明の磁気センサを示す斜視図、第2図Aと
第2図Bは夫々ラスタ有りのパターンとラスタ無しのパ
ターンを示す平面図、第3図Aと第3図Bは出力波形を
示す波形図、第4図は本発明のロータリエンコーダを示
す側面図、第5図は本発明の磁気センサを示す平面図、
第6図はロータリエンコーダを示す側面図、第7図はそ
の出力波形を示す波形図、第8図は従来の磁気センサを
示す平面図、第9図は思案された磁気センサを示す平面
図、第10図は回転方向CW時の出力波形を示す波形図、第
11図は回転方向CCW時の出力波形を示す波形図である。
第2図Bは夫々ラスタ有りのパターンとラスタ無しのパ
ターンを示す平面図、第3図Aと第3図Bは出力波形を
示す波形図、第4図は本発明のロータリエンコーダを示
す側面図、第5図は本発明の磁気センサを示す平面図、
第6図はロータリエンコーダを示す側面図、第7図はそ
の出力波形を示す波形図、第8図は従来の磁気センサを
示す平面図、第9図は思案された磁気センサを示す平面
図、第10図は回転方向CW時の出力波形を示す波形図、第
11図は回転方向CCW時の出力波形を示す波形図である。
Claims (8)
- 【請求項1】直列接続されて対をなし、その中点から一
方の出力信号を取り出す磁気抵抗素子RA,RBと、 同じく直列接続されて対をなし、その中点から他方の出
力信号を取り出す磁気抵抗素子RC,RDを有し、 固定電位の一方に接続される磁気抵抗素子RAと、前記固
定電位の他方に接続される磁気抵抗素子RDとを実質的に
一直線状に配置し、 前記磁気抵抗素子RBを前記磁気抵抗素子RAと実質的に平
行に且つ一方の側へ配置し、 前記磁気抵抗素子RCを前記磁気抵抗素子RDと実質的に平
行に且つ前記磁気抵抗素子RBが配置された側とは反対の
側に配置し、 前記磁気抵抗素子RA,RDの磁気抵抗変化率に対し前記磁
気抵抗素子RB,RCの磁気抵抗素子変化率を小としたこと
を特徴とする磁気センサ。 - 【請求項2】前記磁気抵抗素子はInSb,In−NiSb、また
はInAsであることを特徴とする請求項第1項に記載の磁
気センサ。 - 【請求項3】前記磁気抵抗変化率の大小は前記磁気抵抗
素子のラスタの数によるものであることを特徴とする請
求項第1項に記載の磁気センサ。 - 【請求項4】前記磁気抵抗素子RA,RDはラスタ有り、前
記磁気抵抗素子RB,RCはラスタ無しのパターンで構成し
たことを特徴とする請求項第1項に記載の磁気センサ。 - 【請求項5】角速度検出用の第1の磁気センサと回転数
検出用の第2の磁気センサとを一体化した磁気センサに
おいて、 前記第2の磁気センサは、直列接続されて対をなし、そ
の中点から一方の出力信号を取り出す磁気抵抗素子RA,R
Bと、 同じく直列接続されて対をなし、その中点から他方の出
力信号を取り出す磁気抵抗素子RC,RDを有し、 固定電位の一方に接続される磁気抵抗素子RAと、前記固
定電位の他方に接続される磁気抵抗素子RDとを実質的に
一直線状に配置し、 前記磁気抵抗素子RBを前記磁気抵抗素子RAと実質的に平
行に且つ一方の側へ配置し、 前記磁気抵抗素子RCを前記磁気抵抗素子RDと実質的に平
行に且つ前記磁気抵抗素子RBが配置された側とは反対の
側に配置し、 前記磁気抵抗素子RA,RDの磁気抵抗変化率に対し前記磁
気抵抗素子RB,RCの磁気抵抗変化率を小としたことを特
徴とする磁気センサ。 - 【請求項6】前記第1の磁気センサは差動型であること
を特徴とする請求項第5項に記載の磁気センサ。 - 【請求項7】その周囲に角速度検出用と回転数検出用の
磁界変化を発生させる手段を備えた回転体と、 前記角速度検出用の磁界変化によって抵抗値が変化する
複数の磁気抵抗素子から成る第1の磁気センサと、 前記回転数検出用の磁界変化によって抵抗値が変化する
複数の磁気抵抗素子から成る第2の磁気センサと、を具
備する磁気ロータリエンコーダにおいて、 前記第2の磁気センサは、直列接続されて対をなし、そ
の中点から一方の出力信号を取り出す磁気抵抗素子RA,R
Bと、 同じく直列接続されて対をなし、その中点から他方の出
力信号を取り出す磁気抵抗素子RC,RDを有し、 固定電位の一方に接続される磁気抵抗素子RAと、前記固
定電位の他方に接続される磁気抵抗素子RDとを実質的に
一直線状に配置し、 前記磁気抵抗素子RBを前記磁気抵抗素子RAと実質的に平
行に且つ一方の側へ配置し、 前記磁気抵抗素子RCを前記磁気抵抗素子RDと実質的に平
行に且つ前記磁気抵抗素子RBが配置された側とは反対の
側に配置し、 前記磁気抵抗素子RA,RDの磁気抵抗変化率に対し前記磁
気抵抗素子RB,RCの磁気抵抗変化率を小としたことを特
徴とする磁気ロータリエンコーダ。 - 【請求項8】前記磁界変化の発生手段は歯車の歯と谷に
よるものであることを特徴とする請求項第7項に記載の
磁気ロータリエンコーダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2173393A JP2562719B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 磁気センサと磁気ロータリエンコーダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2173393A JP2562719B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 磁気センサと磁気ロータリエンコーダ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0461388A JPH0461388A (ja) | 1992-02-27 |
JP2562719B2 true JP2562719B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=15959574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2173393A Expired - Lifetime JP2562719B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 磁気センサと磁気ロータリエンコーダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2562719B2 (ja) |
-
1990
- 1990-06-29 JP JP2173393A patent/JP2562719B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0461388A (ja) | 1992-02-27 |
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