JP2562423Y2 - グロープラグ - Google Patents

グロープラグ

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JP2562423Y2
JP2562423Y2 JP1990116367U JP11636790U JP2562423Y2 JP 2562423 Y2 JP2562423 Y2 JP 2562423Y2 JP 1990116367 U JP1990116367 U JP 1990116367U JP 11636790 U JP11636790 U JP 11636790U JP 2562423 Y2 JP2562423 Y2 JP 2562423Y2
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glow plug
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真一郎 植松
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日野自動車工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はグロープラグに係り、とくに先端側の発熱部
がシリンダ内の空間に臨むようにエンジンに取付けられ
るグロープラグであって、例えばアルコールエンジンの
着火のために用いて好適なグロープラグに関する。
〔考案の概要〕
グロープラグの少なくとも先端側の発熱部を覆うよう
にカバーを設け、しかもこのカバーにはグロープラグの
半径方向と交差する方向に延びる軸線を有する小孔を多
数形成するようにしたものであって、カバー内に小孔を
通してアルコール燃料が導入されるとともに、このアル
コール燃料がカバーの内側で円周方向に流動して均一に
分布するようにしたものであって、広い範囲でグロープ
ラグによってまんべんなく着火が起るようにしたもので
ある。
〔従来の技術〕
ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いるように
すると、排気ガス中に窒素酸化物やパティキュレート等
の有害物質を物質を含むために、大気汚染の原因にな
る。そこで軽油に代えてアルコール燃料を用いるように
したディーゼルエンジンが提案され、あるいは試作され
ている。このようなディーゼルエンジンにおいては、ピ
ストンによって圧縮されて高温になっているシリンダ内
の吸気中に燃料噴射ノズルによってアルコール燃料を高
圧噴射するようにしたものである。そしてアルコール燃
料の着火性が軽油に比べて劣るために、着火を助けるた
めにスパークアシストプラグやグロープラグを用いるよ
うにしている。
〔考案が解決しようとする問題点〕
グロープラグはその内部に発熱体を埋設したものであ
って、その先端側の発熱部をシリンダ内に臨むようにシ
リンダヘッドに取付けられるようになっており、発熱部
の熱によってアルコール燃料の噴霧を着火させるように
している。そして例えば実開昭62-56955号に示されるよ
うに、先端側の部分であって発熱部を保護カバーで覆う
ことによって、その長寿命化を図るようにしている。
このようなグロープラグは、保護カバーの小孔を通し
て発熱体と保護カバーとの間に燃料の噴霧が導入される
ようになる。ところが従来のこの種の保護カバーの小孔
はその軸線がグロープラグの半径方向に延びるように形
成されているために、保護カバー内における燃料の噴霧
の拡散が十分でなく、このために小孔の内側に燃料噴霧
が局部的に導入されるとともに、小孔間の保護カバーの
内側の壁面の部分にはほとんど燃料噴霧が存在せず、こ
れによってスポット的に発火することになり、発火時に
熱衝撃を伴うという問題があった。
本考案はこのような問題点に鑑みてなされたものであ
って、とくにアルコール燃料の着火のために用いる場合
に、発火の際に熱衝撃を起すことなく、着火が円滑に行
なわれるようにしたグロープラグを提供することを目的
とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案は、先端側の発熱部がシリンダ内の空間に臨む
ようにエンジンに取付けられるグロープラグにおいて、 先端側の発熱部に対して所定の空隙を有するようにカ
バーを取付けるとともに、 前記カバーに燃料噴霧を導入するための複数の小孔を
円周方向に沿ってほぼ等間隔で形成し、 しかもそれぞれの前記小孔の軸線がこのグロープラグ
の半径方向に対してそれぞれ互いに等しい角度で交差
し、それぞれの前記小孔の軸線がこのグロープラグの中
心に対してオフセットするようにしたものである。
〔作用〕
従ってこのようなグロープラグを、例えばアルコール
エンジンに装着した場合には、燃料噴射ノズルから噴射
されたアルコール燃料の噴霧がカバーの小孔を通してカ
バーとグロープラグの発熱部との間の空間に導入され
る。しかもそれぞれの小孔の軸線がこのグロープラグの
半径方向に対してそれぞれ互いに等しい角度で交差し、
それぞれの小孔の軸線がこのグロープラグの中心に対し
てオフセットするように形成されているために、カバー
内に小孔を通して導入された燃料の噴霧はカバー内にお
いて円周方向に流動するようになる。従ってカバーの内
側の壁面に沿って広い範囲に燃料の噴霧が分布するよう
になり、このような燃料の噴霧がグロープラグの熱によ
って着火される。
〔実施例〕
第3図は本考案の一実施例に係るグロープラグを備え
るアルコールエンジンを示すものであって、このアルコ
ールエンジンはシリンダブロック10を備えている。シリ
ンダブロック10内には貫通孔から成るシリンダ11が形成
されるとともに、このシリンダ11にはピストン12が摺動
可能に保持されている。ピストン12はピストンピン13に
よってコンロッド14と連結されている。またピストン12
の頂部には凹部から成る燃焼室15が形成されている。
貫通孔から成るシリンダ11の上部はシリンダヘッド18
によって閉じられている。そしてシリンダヘッド18には
吸気ポート19と排気ポート20とがそれぞれ設けられてお
り、これらのポート19、20を吸気バルブ21および排気バ
ルブ22によってそれぞれ開閉するようにしている。また
シリンダヘッド18にはそのほぼ中央部に燃料噴射ノズル
23が取付けられており、この燃料噴射ノズル23によって
ピストン12の燃焼室15に向けて燃料を噴射するようにし
ている。またシリンダヘッド18にはグロープラグ24が取
付けられている。
このグロープラグ24は燃料噴射ノズル23によって噴射
された燃料を着火するためのプラグであって、その内部
に発熱体を埋設したものである。そして先端側の発熱部
の外周部には第1図および第2図に示すように円筒状の
カバー27が取付けられている。このカバー27には半径方
向と交差する方向に延びる多数の小孔28が形成されてい
る。すなわち小孔28は第1図から明らかなように、その
軸線がグロープラグ24の半径方向に対して交差するよう
に形成されている。
以上のような構成において、吸気バルブ21が開かれる
と、吸気ポート19を通してシリンダ11内に吸気が導入さ
れる。そしてこの吸気は上死点側へ移動するピストン12
によって圧縮され、その温度が上昇する。そしてピスト
ン12がほぼ上死点へ移動するに同期して、燃料噴射ノズ
ル23の先端側に設けられている噴口を通して、アルコー
ル燃料が高圧噴射される。このような燃料の噴霧は吸気
の熱およびグロープラグ24によって着火されることにな
る。
しかもグロープラグ24には第1図および第2図に示す
ようにその先端側の部分であって発熱部の回りにカバー
27を取付けるようにしており、このカバー27によってプ
ラグ24の寿命の延長を図るとともに、プラグ極近傍の混
合気の形成の促進による燃焼の安定化を図るようにして
いる。すなわち燃料噴射ノズル23の噴口から噴射された
燃料は、プラグ24の外側のカバー27の表面に当り、蒸
発、飛散し、カバー27の外で燃料噴霧と空気との混合気
の形成が行なわれる。またカバー27に設けられた小孔28
からカバー27内に入った燃料の噴霧は、グロープラグ24
との間の空間において混合気を形成し、この混合気がグ
ロープラグ24で着火される。グロープラグ24とカバー27
との間の空間は、グロープラグ24からの熱が直接伝わ
り、また半密閉の構造であるためにカバー27内の混合気
の着火条件が著しく改善される。そして着火後にはカバ
ー27の小孔28を通して外へ向って火炎が拡散することに
より、着火性および燃焼が改善されるようになる。
とくにカバー27に形成されている小孔28の軸線がグロ
ープラグ24の半径方向に対して交差するように斜めに形
成されているために、燃料噴射ノズル23から噴射された
燃料は、この小孔28によってグロープラグ24の外周面に
沿って回転するようにカバー27内に導入される。従って
カバー27の内側であって小孔28が存在しない壁の内側の
部分にも燃料の噴霧が導入されるようになる。すなわち
カバー27の内側にはまんべんなく燃料が導入されること
になり、この燃料がグロープラグ24によって着火される
ことになる。従ってスポット的に着火されることによる
熱衝撃が少なくなり、燃焼の安定化が図られるようにな
る。
つぎに上記実施例の変形例を第4図によって説明す
る。この変形例は、グロープラグ24の先端側の突部の外
周面にカバー27を嵌合させて取付けるようにしたもので
あって、グロープラグ24の先端側の部分のみをカバー27
が覆うようにしている。なおこの場合にカバー27はグロ
ープラグに溶接して取付けられるようになっている。従
ってこの変形例によれば、グロープラグ24の先端部にの
み小さなカバー27が装着されることになる。
つぎに第5図によって別の変形例を説明する。この変
形例は第4図に示す変形例のカバー27の先端側の部分を
中心側へ折曲げ、これによってグロープラグ24の先端側
の突部をカバー27で覆うようにしたものである。なおこ
の変形例において、カバー27の先端側の部分にも小孔28
を形成するようにしており、この先端側の小孔28によっ
てカバー27の内外の連通を図るようにしている。このよ
うな構成によれば、小孔28を通してカバー27内に導入さ
れた噴霧がより確実にカバー27内に保持され、これによ
って着火性がさらに改善されることになる。
〔考案の効果〕
以上のように本考案は、グロープラグの先端側の発熱
部に対して所定の空隙を有するようにカバーを取付ける
とともに、このカバーに燃料噴霧を導入するための複数
の小孔を円周方向に沿ってほぼ等間隔で形成し、しかも
それぞれの小孔の軸線がこのグロープラグの半径方向に
対してそれぞれ互いに等しい角度で交差し、それぞれの
小孔の軸線がこのグロープラグの中心に対してオフセッ
トするようにしたものである。
従ってこのような構成によれば、グロープラグとカバ
ーとの間の隙間に円周方向に沿ってまんべんなく燃料に
噴霧が導入されるようになり、導入された燃料の噴霧が
カバーと発熱部との間の空間を円周方向に流動する。従
ってこの燃料の噴霧がグロープラグの熱によって安定に
着火されることになる。すなわちまんべんなく着火が行
なわれることにより、熱衝撃が少なく、燃焼の安定化が
図られるようになる。また燃料の噴霧が小孔の内側にお
いてグロープラグに直接衝突することが防止され、グロ
ープラグの燃料衝突部が徐々に削られてグロープラグが
損傷されることが阻止され、グロープラグの寿命を従来
よりも長くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例に係るグロープラグの先端部
の横断面図、第2図は同一部を破断した正面図、第3図
はこのグロープラグを備えるアルコールエンジンのシリ
ンダの縦断面図、第4図および第5図は変形例のグロー
プラグの一部を破断した正面図である。 また図面中の主要な部分の名称はつぎの通りである。 11……シリンダ(貫通孔) 12……ピストン 15……燃焼室(凹部) 18……シリンダヘッド 23……燃料噴射ノズル 24……グロープラグ 27……カバー 28……小孔

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端側の発熱部がシリンダ内の空間に臨む
    ようにエンジンに取付けられるグロープラグにおいて、 先端側の発熱部に対して所定の空隙を有するようにカバ
    ーを取付けるとともに、 前記カバーに燃料噴霧を導入するための複数の小孔を円
    周方向に沿ってほぼ等間隔で形成し、 しかもそれぞれの前記小孔の軸線がこのグロープラグの
    半径方向に対してそれぞれ互いに等しい角度で交差し、
    それぞれの前記小孔の軸線がこのグロープラグの中心に
    対してオフセットすることを特徴とするグロープラグ。
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