JP2734683B2 - 燃料噴射ノズルのノズル構造 - Google Patents

燃料噴射ノズルのノズル構造

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JP2734683B2
JP2734683B2 JP1252278A JP25227889A JP2734683B2 JP 2734683 B2 JP2734683 B2 JP 2734683B2 JP 1252278 A JP1252278 A JP 1252278A JP 25227889 A JP25227889 A JP 25227889A JP 2734683 B2 JP2734683 B2 JP 2734683B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M53/00Fuel-injection apparatus characterised by having heating, cooling or thermally-insulating means
    • F02M53/04Injectors with heating, cooling, or thermally-insulating means

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、燃焼室内に露出する部分を有する燃料噴
射ノズルのノズル構造に関する。
〔従来の技術〕
最近、エンジンから排気される排気ガスによる環境汚
染が問題になり、最近、アルコールエンジンが注目され
るようになっている。アルコールエンジンでは、排気ガ
ス中の炭酸ガス、炭化物の含有量は、ガソリン、軽油等
の燃料に比較して非常に少ないものである。ところが、
アルコール燃料を使うディーゼルエンジンでは、着火性
が悪くなるという問題点がある。即ち、アルコールは、
ガソリンに比較して気化するための潜熱が高く、例え
ば、ガソリンが燃料の0.7%の気化潜熱を要するのに対
し、アルコールが燃料の5%の気化潜熱を要するもので
あり、アルコール燃料は気化し難いという性質を有して
いるからである。しかも、燃料噴射ノズルから燃料室内
の圧縮空気中に噴射されたアルコール燃料は、気化のた
めに圧縮空気及び燃焼室壁面の温度を低下させて着火を
悪化させている。
従来、燃料噴射ノズルとして、実開昭59−194567号公
報に開示されたものがある。該燃料噴射ノズルは、噴孔
部を有するノズル本体をセラミック材で構成し、該ノズ
ル本体の針弁が着座するシート部を金属材料により構成
したものである。
また、燃料噴射ノズルにおいて、噴口を2段に形成し
たものは、例えば、特開昭53−88413号公報、実開昭63
−201768号公報に開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、アルコール燃料は、発熱量が約6000Kcal/k
gであり、軽油の発熱量に比較して約2分の1であるた
め、アルコール燃料の燃料噴射量は軽油の燃料噴射量よ
り多く噴射しなければならない。そこで、アルコール燃
料を主体とするエンジンをディーゼルサイクルで燃焼さ
せる場合、気化熱が大きいこと、発熱量が小さいこと等
により燃焼プロセス、燃焼室、噴射システム等は、通常
のエンジンと異なっている。また、アルコールを燃料と
するアルコールエンジンでは、部分負荷時の燃焼と高負
荷時の燃焼とでは、極めて異なっている。
アルコール、例えば、メタノール燃料を使用する場合
に、上記のようにアルコールは気化熱が大きいため、ア
ルコールエンジンでは燃料気化のため圧縮空気の熱が奪
われ、未燃の中間生成物が排出されることが多い。従っ
て、アルコールエンジンでは、主として2つの要因を解
決する必要がある。
第1の要因は、エンジンの部分負荷等の低温時に、噴
霧されたアルコール燃料に気化エネルギーを供給するた
め、燃焼室が断熱され且つ燃焼室壁温の温度上昇が速い
ことである。しかるに、断熱エンジンにおいて、部分負
荷時には燃焼室壁がそれほど高温度にならないため、着
火、燃焼が良好にならず、着火ミス、不完全燃焼が発生
し、未燃ガスが発生し易くなる。特に、アルコール燃料
は気化するための潜熱が高いため、エンジンの低速低負
荷時には該燃焼室内壁面は高温度の状態になっていない
ので、該壁面が燃料から気化熱を奪い、気化を促進する
ことができず、気化混合気を成功し難い。その結果、燃
焼も不完全となり、未燃ガス発生の現象は大きく現れ
る。
また、第2の要因は、エンジンの全負荷等の高温時
に、アルコール燃料によって燃焼室壁体を冷却し、燃焼
室の温度を余り高温にしないことである。しかるに、断
熱エンジンにおいて、高負荷時には燃焼室壁が高温とな
るため、燃料の着火、燃焼は良好に行われるが、燃焼室
が余り高温になると、吸入効率が低下したり、異常着火
燃焼を起こしたりする。
そこで、上記の問題点を解決するため、本出願人は、
別の出願において、アルコール燃料を使用するエンジン
として副室式アルコールエンジンを開示した。この副室
式アルコールエンジンでは、副室と主燃焼室との連絡孔
の壁面全周に向かってアルコール燃料を噴霧することが
有効である。燃料噴射ノズルの噴孔を副室と主燃焼室と
の連絡孔の壁面全周に対向して開口するためには、ノズ
ル本体を副室に配置するのが最も有効であることが分か
った。しかしながら、副室の燃焼室にノズル本体を露出
させる状態になると、燃焼室温度によって燃料噴射ノズ
ル内に存在するアルコール燃料を過熱してアルコール燃
料を加熱気化させることとなり、噴孔からアルコール燃
料を良好に噴射できなくなるという問題が発生する。
この発明の目的は、上記の課題を解決することであ
り、例えば、アルコール燃料を使用するエンジンとして
副室式アルコールエンジを構成した場合に、燃料噴射ノ
ズルから副室と主燃焼室との連絡孔の壁面全周に向かっ
てアルコール燃料を噴霧するため、燃料噴射ノズルの噴
孔を副室と主燃焼室との連絡孔の壁面全周に対向して開
口すると共に、ノズル本体を副室に配置する時のよう
に、燃料噴射ノズルのノズル本体が燃焼室内に露出する
ように配置された構成において、該ノズル本体を耐熱性
に富み且つ高度の断熱構造に構成し、それによって、ノ
ズル本体内のアルコール等の燃料に熱影響を与えること
を防止し、ノズル本体内の燃料を燃料噴射ノズルの噴孔
から良好に噴射させて燃焼室内で、噴射された燃料を気
化促進させることができる燃料噴射ノズルのノズル構造
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、上記目的を達成するため、次のように構
成されている。即ち、この発明は、先端部に燃料噴射の
ための燃焼室に開口する噴口を備えたセラミック製ノズ
ル本体、該ノズル本体内を上下動して前記噴口へ連通す
る燃料通路を開閉するセラミック製針弁、前記ノズル本
体の外面に配置されたセラミックファイバー製断熱材、
及び該断熱材の外面に配置され且つ燃焼室内に露出する
外壁を構成するセラミック製遮熱部材、から成る燃料噴
射ノズルのノズル構造に関する。
また、この燃料噴射ノズルのノズル構造において、前
記ノズル本体はシリンダヘッドに断熱部材を介して配置
したセラミック製内壁体から形成され且つ主燃焼室に連
通する連絡孔を備えた副室の中央部を貫通し、前記噴口
は前記連絡孔の壁面に対向して開口する多噴孔で且つ多
段に配列されているものである。
〔作用〕
この発明による燃料噴射ノズルのノズル構造は、上記
のように構成され、次のように作用する。即ち、この燃
料噴射ノズルのノズル構造は、先端部に燃料噴射のため
燃焼室に開口する噴口を備えたセラミック製ノズル本
体、該ノズル本体内を上下動して前記噴口へ連通する燃
料通路を開閉するセラミック製針弁、前記ノズル本体の
外面に配置されたセラミックファイバー製断熱材、及び
該断熱材の外面に配置され且つ燃焼室内に露出する外壁
を構成するセラミック製遮熱部材から構成したので、前
記遮熱部材は燃焼室内に露出して高温になるが、セラミ
ックファイバーの前記断熱材によって燃焼室の熱は前記
ノズル本体へ伝達されることが抑制され、従って、前記
燃料噴射ノズルを耐熱性に富み且つ高度の断熱構造に構
成でき、それによって、前記ノズル本体と前記針弁との
間に形成されている前記燃料通路は過熱されることがな
い。また、前記断熱材がセラミックファイバーで作られ
ているので、該断熱材は緩衝機能を果たす。
また、この燃料噴射ノズルのノズル構造において、前
記ノズル本体はシリンダヘッドに断熱部材を介して配置
したセラミック製内壁体から形成され且つ主燃焼室に連
通する連絡孔を備えた副室の中央部を貫通し、前記噴口
は前記連絡孔の壁面に対向して開口する多噴孔で且つ多
段に配列されているので、アルコール燃料は前記連絡孔
の壁面に向けて噴射されて該壁面に衝突するため、エン
ジンの部分負荷等の低温時に、前記副室は断熱され且つ
燃焼室壁温の温度上昇が速く、噴霧されたアルコール燃
料に気化エネルギーを直ちに且つ十分に供給することが
でき、また、全負荷時の高温時に、アルコール燃料によ
って該壁面は冷却され燃焼室の温度を余り高温にしな
い。特に、燃料噴射ノズルからの噴霧方向は前記副室へ
の吸入空気の流入方向と直角状に交叉することにより、
しかも前記噴口を多噴孔に構成して噴射される燃料噴霧
を前記連絡孔周囲に均一に分散せせて連絡孔内壁面に到
達するように噴射するので、アルコール燃料と吸入空気
との混合が良好な行われる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して、この発明による燃料噴射ノズ
ルのノズル構造の実施例を説明する。
この燃料噴射ノズルのノズル構造を、第1図及び第2
図を参照して説明する。第1図はこの副室式断熱エンジ
ンに使用される燃料噴射ノズルの一例を示す断面図、及
び第2図は第1図の線A−Aにおける断面図である。
第1図において、この燃料噴射ノズル4は、副室等の
燃焼室内に配置されるノズル本体19及びノズル本体19内
を上下動可能な針弁20から構成されている。このノズル
本体19と針弁20は、高温の燃焼室内に露出して配置され
且つ燃料としてアルコールを使用するものに適用するた
め、耐熱性で且つ耐アルコール性に富んだ炭化珪素(Si
C)、窒化珪素(Si3N4)、複合材料等のセラミック材料
で製作されている。更に、ノズル本体19の先端部30に
は、燃料溜まりとなるノズルサック32が形成され、ま
た、先端部30を構成する壁体には、燃料噴射のため燃焼
室に開口する噴口17が形成されている。また、燃焼室内
に位置するノズル本体19の内周面と針弁20の外周面との
間には、燃料が送り込まれる燃料通路31が形成されてい
る。また、ノズル本体19の燃焼室外に位置する部分に
は、燃料通路33及び燃料溜まり部36が形成されている。
ノズル本体19の外周面には、ジルコニア(ZrO2)ファイ
ンバー、チタン酸アルミニウムファイバー、チタン酸カ
リウムファイバー等のセラミックファイバーから成る断
熱材24が配置されている。更に、この断熱材24の外面に
は、該断熱材24を包み込むように配置され且つ燃焼室内
に露出する外壁を構成する遮熱部材25が配置されてい
る。従って、遮熱部材25の上部は、燃料噴射ノズル4を
副室等の燃焼室に配置する時、座となるフランジ部23を
有し、該フランジ部23は断熱ガスケット35を介してノズ
ル本体19に取付けられている。また、遮熱部材25の下部
は、内向きに折れ曲がった形状であり、ノズル本体19の
下面34に当接している。この遮熱部材25は、炭化珪素
(SiC)、窒化珪素(Si3N4)、複合材料等のセラミック
材料から構成されている。遮熱部材25を断熱材24の外面
に配置するには、上記のような形状のものを嵌合するこ
ともできるが、場合によっては、断熱材24の外面を窒化
珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)等のセラミック材料25
を化学蒸着(CVD)等でコーティングして配置すること
もできる。
この発明による燃料噴射ノズルのノズル構造におい
て、燃料噴射ノズル4を構成する各部材を、上記の材料
で製作すれば、高温になる燃焼室内配置しても摺動上の
問題、水混入の問題、高温上の問題等は何らトラブルが
発生することがない。
この燃料噴射ノズル4において、針弁20は、ノズル本
体19内を上下動して噴口17へ連通する燃料通路31を開閉
する機能を果たす。この針弁20の上下運動は、燃料噴射
ポンプ(図示せず)から供給される供給燃料圧に応答し
て作動するように構成することができる。即ち、燃料噴
射ポンプから燃料溜まり部36に燃料が供給され、該燃料
溜まり部36に供給燃料圧が作用した場合には、ばね力に
抗してノズル本体19に対して針弁20は上方に移動する。
針弁20が上方へ移動すると、燃料通路31とノズルサック
32とが連通し、燃料が噴口17から噴射されることにな
る。なお、この針弁20の上下運動は、上記に限らず、電
気的に作動する電気針弁に構成してもよいものである。
この燃料噴射ノズル4を、後述の副室式アルコールエ
ンジンに使用した場合に、副室2及び連絡孔16に噴霧が
ほぼ均一に分布されるように、噴口17が配置される必要
がある。そのため、ノズル本体19に形成された噴口17の
配列は、多噴孔である程、噴霧は均一に分散されるが、
断面同一面上に多くの噴孔を配列すると、ノズル本体17
が、折損したり、破断する恐れがあり、また、ノズル本
体19に噴孔を形成する穿孔加工が困難になる。この燃料
噴射ノズル4のノズル本体19に形成した噴口17を、多噴
孔に形成するため、ノズル本体19の軸方向に位置をずら
して多段に噴孔を形成することによって達成している。
即ち、燃料噴射ノズル4に形成された噴口17は、全周に
形成され且つ多段に形成された多噴孔に形成されてい
る。図では、ノズル本体19の軸方向に噴孔を2段に形成
し、且つ1段には4個の噴孔を形成している。
このノズル本体19に噴孔を形成する穿孔加工では、同
一軸上、即ち断面同一平面上に形成される孔は偶数個で
あることが加工が容易である。例えば、4噴孔、6噴
孔、8噴孔、10噴孔、12噴孔等は、ワイヤ28をノズル本
体19を貫通して穿孔加工することができ、この場合に
は、噴孔は互いに対向状態に形成される。特に、セラミ
ック材料から成るノズル本体19に噴孔を形成する穿孔加
工において、ワイヤ加工すると、ワイヤ28をノズル本体
19に貫通して加工することができ、噴孔そのものの精度
を向上でき、しかも対称的に噴孔を形成できるので、噴
孔の位置を等分に配列でき、噴霧を均一に行うことがで
きる。
次に、第3図を参照して、この発明による燃料噴射ノ
ズルのノズル構造が適用される副室式アルコールエンジ
ンの一例を説明する。この副室式アルコールエンジン
は、主燃焼室1と該主燃焼室1の上方に配置された副室
2から成る。副室2は、シリンダヘッド3に形成された
穴部9に配置されて断熱構造に構成されている。シリン
ダヘッド3はガスケットを介してシリンダブロック8に
固定されている。シリンダブロック8に形成したシリン
ダ29にはシリンダライナ10が嵌合している。主燃焼室1
は、シリンダヘッド3のヘッド下面部、シリンダライナ
10及びピストン11のピストンヘッド部に囲まれる領域で
形成される。従って、主燃焼室1を形成する面、即ち、
ヘッド下面部、シリンダライナ10及びピスト11のピスト
ンヘッド部は、耐アルコール性に富んだセラミック材料
で構成することが好ましいものである。また、主燃焼室
1と副室2とを連通する連絡孔16は、シリンダヘッド3
の下面部に形成され且つ断熱構造に構成されている。こ
の断熱アルコールエンジンにおいて、シリンダヘッド3
には排気ポート14が形成され、該排気ポート14には排気
バルブ13がバルブガイドに案内されて開閉作動するよう
に配置されている。また、この断熱アルコールエンジン
は、2サイクルエンジンとして作動されるものであり、
吸気ポート15はシリンダライナ10が嵌合したシリンダブ
ロック8の下部に形成されている。図示していないが、
吸気ポートをシリンダヘッドに形成して4サイクルエン
ジンに構成することもできることは勿論である。また、
図では、グロープラグ、或いはスパークプラグは、図示
されていないが、混合気を確実に着火させるため、適宜
の部位、例えば、副室2、或いは連絡孔16に配置するこ
ともできるものである。
この副室式アルコールエンジンにおいて、副室2の断
熱構造を構成する副室ブロック21は、チタン酸アルミニ
ウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム等の低熱
伝導材料から成る断熱部材5、該断熱部材5の外周に嵌
合した金属製外筒6、及び断熱部材5の内面に配置した
窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)、複合材料等の耐
熱性で且つ耐アルコール性のセラミック材料から成る内
壁体7から構成されている。金属製外筒6は、断熱部材
5の外周に焼嵌めによって嵌合し、副室ブロック21の強
度を確保している。更に、断熱部材5は、ヤング率の小
さい上記材料で製作することによって、内壁体7にかか
る爆発時の衝撃を吸収する緩衝材として機能させること
ができる。また、連絡孔16の断熱構造は、副室2の延長
として形成され且つ副室2の断熱構造と同様に構成され
ている。この構造において、副室2及び連絡孔16を形成
する内壁体7は、薄肉構造であり且つその外側全面が断
熱部材5で被覆され、金属製外筒6及びシリンダヘッド
3には直接接触していない構造である。従って、副室2
及び連絡孔16は、高度の断熱構造に構成されることにな
り、副室2及び連絡孔16内の熱エネルギーは、確実に封
じ込められる。また、内壁体7を薄肉構造及び外面断熱
構造に構成することによって、流入する吸入空気とアル
コール燃料との混合気の温度、燃焼温度に追従性が良く
なり、燃焼開始によって直ちに高温になり且つ噴霧され
るアルコール燃料で直ちに冷却されることになる。
更に、この副室式アルコールエンジンにおいて、副室
2にはアルコール燃料を噴射する燃料噴射ノズル4が配
置されている。この燃料噴射ノズル4は、シリンダヘッ
ド3に遮熱部材25のフランジ部23を位置させて固定さ
れ、針弁20が内部に配置されたノズル本体19が副室2を
構成する断熱部材5と内壁体7とを貫通することによっ
て、該ノズル本体19が副室2の中央部を貫通して配置さ
れる。このノズル本体19の先端部には、連絡孔16の中央
部に開口して連絡孔16の壁面に向けて燃料を噴射可能な
噴口17が形成されている。更に、この燃料噴射ノズル4
の燃料噴射タイミングは、圧縮行程上死点前に設定され
ている。また、燃焼が盛んになって壁温が高温になる
と、燃料噴射ノズル4から噴射されてアルコール燃料が
連絡孔16の壁面18に衝突すると、壁温が300℃以上で
は、アルコール燃料が弾けて飛散するので、該燃料噴霧
は吸入空気と更に良好に混合する。壁温の低い時には、
噴射されたアルコール燃料の衝突エネルギーで十分に吸
入空気と良好な混合気を生成することができる。また、
連絡孔16に対向するピスト11のピストンヘッド部には、
突出部12が形成されている。従って、ピストン11が上昇
する圧縮工程上死点において、連絡孔16の通路は突出部
12によって狭められることとなり、該圧縮行程上死点前
に燃料噴射ノズル4から噴霧されたアルコール燃料は吸
入空気と共に、スキッシュとして良好な混合気を生成し
て副室2へ押し込められ、しかも、ノズル本体19が副室
2の中央部を貫通しているので、該ノズル本体19の回り
に良好なスワールを形成することになる。
また、この副室式アルコールエンジンにおいて、シリ
ンダブロック8の下部に形成した吸気ポート15から吸入
空気を取り入れて2サイクルで作動し、且つディーゼル
サイクルで作動することができる。この場合に、吸入空
気量を制限すると、副室2内の燃料当量比を大きくする
ことができ、副室2において主なる燃焼を行わせてNOx
の生成を抑制することができる。しかも、副室2での燃
焼に次いで副室2から主燃焼室1へ火炎を吹き出す。そ
こで、たとえ連絡孔16の壁面18に燃料噴射ノズル4から
壁面18に向けて噴射したアルコール燃料が付着するよう
なことがあっても、該付着した燃料は火炎の吹き出す時
に燃焼し且つ反応するので、未燃焼料或いは中間生成物
は排気行程で排出されることがなく、また、副室2から
火炎は吹き出すことによって燃料当量比は急激に低下し
且つ燃焼温度が低下するので、NOxの生成を一層抑制す
ることができる。
〔発明の効果〕
この発明による燃料噴射ノズルのノズル構造は、上記
のように構成されており、次のような効果を有する。即
ち、この燃料噴射ノズルのノズル構造は、先端部に燃料
噴射のため燃焼室に開口する噴口を備えたセラミック製
ノズル本体、該ノズル本体内を上下動して前記噴口へ連
通する燃料通路を開閉するセラミック製針弁、前記ノズ
ル本体の外面に配置されたセラミックファイバー製断熱
材、及び該断熱材の外面に配置され且つ燃焼室内に露出
する外壁を構成するセラミック製遮熱部材から構成した
ので、前記遮熱部材は燃焼室内に露出して高温になる
が、セラミックファイバーの前記断熱材によって燃焼室
の熱は前記ノズル本体へ伝達されることが抑制され、従
って、前記燃料噴射ノズルを耐熱性に富み且つ高度の断
熱構造に構成でき、それによって、前記ノズル本体と前
記針弁との間に形成される前記燃料通路は過熱されるこ
とがなく、前記燃料通路に存在するアルコール等の燃料
が加熱気化されることが防止され、前記噴口から燃料を
スムースに噴射することができ、噴射された燃料を燃焼
室において気化促進させることができるまた、燃焼室内
での爆発による衝撃圧を受けても前記断熱材がセラミッ
クファイバーで作られているので、該断熱材が緩衝機能
を果たして前記ノズル本体を保護することができる。
また、この燃料噴射ノズルのノズル構造において、前
記ノズル本体はシリンダヘッドに断熱部材を介して配置
したセラミック製内壁体から形成され且つ主燃焼室に連
通する連絡孔を備えた副室の中央部を貫通し、前記噴口
は前記連絡孔の壁面に対向して開口する多噴孔で且つ多
段に配列されているので、前記内壁体の外面には前記断
熱部材が配置されており、前記内壁体即ち燃焼室に面す
る壁面の熱容量が小さくなり、前記内壁体は燃焼ガス温
度或いは噴射燃料の温度に迅速に追従し、アルコール燃
料は前記連絡孔の壁面に向けて噴射されて該壁面に衝突
するため、エンジンの部分負荷等の低温時に、燃焼ガス
で前記内壁体が直ちに温度上昇し、噴霧されたアルコー
ル燃料に気化エネルギーを直ちに且つ十分に供給するこ
とができる。また、全負荷等の高温時に、アルコール燃
料によって該壁面は冷却され最適温度に調節され、燃焼
室の温度を余り高温にしない。特に、燃料噴射ノズルか
らの噴霧方向は前記副室への吸入空気の流入方向と直角
状に交叉することになり、しかも前記噴口を多噴孔に構
成して噴射される燃料噴霧を前記連絡孔周囲に均一に分
散させて連絡孔内壁面に到達するように噴射し且つ前記
燃料噴射ノズルの噴射タイミングを圧縮行程上死点前に
行うと、アルコール燃料と吸入空気との混合を良好に行
い、しかも前記副室と吹き込まれる噴霧燃料と吸入空気
とは前記燃料噴射ノズルの前記ノズル本体の回りでスワ
ールは促進され、気化混合を良好に達成して良好な燃焼
を行わせることができる。従って、未燃焼料或いは中間
生成物の排出を防止できる。しかも、前記副室で主なる
燃焼を行わせてNOxの生成を抑制し、次いで前記副室か
ら火炎は吹き出すことによって燃料当量比は急激に低下
し且つ燃焼温度が低下するので、NOxの生成を一層抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による燃料噴射ノズルのノズル構造の
一実施例を示す断面図、第2図は第1図の線A−Aにお
ける断面図、及び第3図は第1図の燃料噴射ノズルが適
用された副室式アルコールエンジンの一例を示す断面図
である。 1……主燃焼室、2……副室、3……シリンダヘッド、
4……燃料噴射ノズル、5……断熱部材、6……金属製
外筒、7……セラミック製内壁体、8……シリンダブロ
ック、10……シリンダライナ、11……ピストン、16……
連絡孔、17……噴口、18……壁面、19……ノズル本体、
20……針弁、24……断熱材、25……遮熱部材、28……ワ
イヤ、30……先端部、31……燃料通路、32……ノズルサ
ック。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部に燃料噴射のため燃焼室に開口する
    噴口を備えたセラミック製ノズル本体、該ノズル本体内
    を上下動して前記噴口へ連通する燃料通路を開閉するセ
    ラミック製針弁、前記ノズル本体の外面に配置されたセ
    ラミックファイバー製断熱材、及び該断熱材の外面に配
    置され且つ燃焼室内に露出する外壁を構成するセラミッ
    ク製遮熱部材、から成る燃料噴射ノズルのノズル構造。
  2. 【請求項2】前記ノズル本体は、シリンダヘッドに断熱
    部材を介して配置したセラミック製内壁体から形成され
    且つ主燃焼室に連通する連絡孔を備えた副室の中央部を
    貫通し、前記噴口は前記連絡孔の壁面に対向して開口す
    る多噴孔で且つ多段に配列されている請求項1に記載の
    燃料噴射ノズルのノズル構造。
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