JP2561947B2 - 多層膜裏面反射鏡 - Google Patents

多層膜裏面反射鏡

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は反射鏡に係り、特に防眩性、高視認性、装飾
性、生産性、コスト性等に優れた多層膜裏面反射鏡に関
する。本発明の多層膜裏面反射鏡は、自動車用バックミ
ラー、路上の危険防止用凸面鏡(カーブミラー)、装飾
ミラー等に主として用いられるが、その他の用途にも幅
広く利用される。
[従来技術] ガラス基板の裏面に誘電体多層膜を形成し、その外側
に金属膜を設けてなる多層膜裏面反射鏡として、特開昭
60−212704号公報には、誘電体多層膜が高屈折率物質か
らなるλ/4波長膜と、低屈折率物質からなるλ/4波長膜
を交互に積層した後、高屈折率物質からなるλ/2波長膜
を積層してなるものが開示されている。また特開昭60−
212705号公報には、高屈折率物質からなるλ/4波長膜
と、低屈折率物質からなるλ/4波長膜とを交互に4層積
層してなるものが開示されている。さらに米国特許第46
73248号明細書には、ガラス基板上に順次、1層の低屈
折率物質と1層の高屈折率物質とを積層したものが開示
されている。
さらに他の多層膜裏面反射鏡として、特開昭63−7400
5号公報には、ガラス基板の片面に誘電体多層膜を設
け、さらにその上に光吸収膜を設けてなり、前記誘電体
多層膜は交互に異なる屈折率を有する誘電体膜を4〜8
層順次積層して構成されており、かつ誘電体多層膜を構
成する4〜8層の誘電体膜の少くとも1層はλ/2の光学
膜厚を有する多層膜裏面反射鏡が開示されている。
[従来技術の問題点] ガラス基板の裏面に誘電体多層膜を形成し、その外側
に金属膜を設けてなる、上述の従来の多層膜裏面反射鏡
の分光反射特性を第2図に示す。
第2図において、前記特開昭60−212704号公報の多層
膜裏面反射鏡の分光反射特性は曲線(a)によって示さ
れるが、曲線(a)より明らかなように、この多層膜裏
面反射鏡の場合には、反射率が430nmから550nmにかけて
高く、逆に、550nmから700nmにかけて著しく減少してお
り、反射色が青色を帯びることになる。このため、反射
鏡を通して見る背景の色バランスが大幅にくずれ、特に
赤色が見えにくくなり、視認性が悪いという欠点があ
る。
また第3図に示す、人間の目の比視感度V′(λ)
(同図、曲線(1)参照)および自動車の前照灯(ヘッ
ドライト)の分光エネルギー特性P(λ)(同図、直線
(2)参照)並びにそれらの積P(λ)×V′(λ)
(同図、曲線(3)参照)から明らかなように、夜間の
追従車のヘッドライトが目に感じる光の波長は主に480
−550nmである。この特開昭60−212704号公報記載の反
射鏡の場合に、第2図の曲線(a)の分光反射特性の反
射率の高い領域がちょうど上記の波長領域と一致するた
め、夜間の追従車の前照灯に対する防眩効果は期待され
る程には良くない。
また前記特開昭60−212705号公報の多層膜裏面反射鏡
の分光反射特性及び前記米国特許第4673248号明細書は
多層膜裏面反射鏡の分光反射特性は第2図の曲線(b)
及び(c)によってそれぞれ示されるが、これらの曲線
(b)及び(c)は前記曲線(a)とほぼ同様のパター
ンを有するので、これらの裏面反射鏡も前記裏面反射鏡
と同様に視認性及び防眩性が良くないことが明らかであ
る。
一方、従来技術として最後に挙げた特開昭63−74005
号公報の多層膜裏面反射鏡は、視認性、防眩性はすぐれ
ているが、誘電体多層膜の層数が4〜8層と多く、また
光吸収膜の塗装、焼成を、誘電体多層膜形成のための真
空蒸着と別工程で行なわなければならないため、生産性
も悪く、コストアップにつながる欠点があった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は従来の裏面反射鏡の上述の如き問題点
を解消し、視認性、防眩性、装飾性、生産性、コスト性
等に優れた裏面反射鏡を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上述の問題点を解決するためになされたもの
であり、本発明の多層間裏面反射鏡は、基材の片面に、
直接または低屈折率物質膜を介して、光学膜厚が0.05〜
0.4λ(λは設計の中心となる波長である)の高屈
折率物質膜と、光学膜厚がλ0/2の低屈折率物質膜と、
金属ないし半導体膜とを順次設けた多層膜裏面反射鏡で
あり、 当該多層膜裏面反射鏡の分光反射率特性が波長域480n
m〜580nmに反射率の低い谷を有する ことを特徴とする。
ここで、本発明の多層膜裏面反射鏡では、基材の片面
に前記の高屈折率物質膜を直接設けた場合には、当該高
屈折率物質膜と、この高屈折率物質膜上に設けられた光
学膜厚がλ0/2の低屈折率物質膜との2層の積層物が誘
電体多層膜である。また、基材の片面に低屈折率物質膜
を介して前記の高屈折率物質膜を設けた場合には、基材
の片面に設けられた前記の低屈折率物質膜、前記の高屈
折率物質膜および当該高屈折率物質膜上に設けられた光
学膜厚がλ0/2の低屈折率物質膜の3層の積層物が誘電
体多層膜である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多層膜裏面反射鏡において用いられる基材と
しては、透明基材が好ましいが、基材は透明でなくても
良い。この基材は両面が平面を有する基板や、少なくと
も一面が凸面又は凹面を有する基板(例えば平凹板、平
凸板、凹凸板、両凹板、両凸板など)であるのが好まし
い。基材の好ましい材質としてはガラスやプラスチック
が挙げられるが、その他の材質のものを用いることもで
きる。
本発明の多層膜裏面反射鏡においては、上記基材の片
面に誘電体多層膜が設けられ、さらにその上に金属ない
し半導体膜が設けられている。
ここに前記高屈折率物質膜は、屈折率が1.9〜2.4の高
屈折率物質によって形成するのが好ましく、このような
高屈折率物質としてはSiO,TiO2,Ta2O5,ZrO2,HfO2等の酸
化物やZnS等の硫化物およびこれらの混合物が適宜用い
られる。また前記低屈折率物質膜は、屈折率が1.3〜1.8
の低屈折率物質によって形成するのが好ましく、このよ
うな低屈折率物質としては、SiO2,Al2O3等の酸化物やMg
F2,CeF3等の弗化物およびこれらの混合物が適宜用いら
れる。但し、高屈折率物質及び低屈折率物質の屈折率は
上述の範囲に限定されるものではなく、例えば上で低屈
折率物質として挙げたAl2O3(屈折率1.63)やCeF3(屈
折率1.63)などを高屈折率物質として用いることもでき
る。
上記の高屈折物質膜の光学膜厚は、0.05〜0.4λ
(λは設計の中心となる波長である)に限定され、
一方、上記の低屈折率物質膜の光学膜厚はλ0/2に限定
される。これらの膜の膜厚を上記範囲に限定した理由
は、これらの限定によりはじめて防眩性および視認性共
にすぐれた反射特性が得られるからである。なお高屈折
率物質膜の光学膜厚はλ0/8又はλ0/4であるのが特に好
ましい。
また光学膜厚がλ0/4の1種の低屈折率物質膜と、こ
れに隣接する、光学膜厚がλ0/4の他種の低屈折率物質
とによって光学膜厚がλ0/2の低屈折率物質膜を形成し
ても良い。
本発明の多層膜裏面反射鏡を構成する誘電体多層膜に
おいては、前記高屈折率物質膜と前記低屈折率物質膜と
の相対的位置も定められ、前者の高屈折率物質膜は基材
側に設けられ、後者の低屈折率物質膜は金属ないし半導
体膜側に設けられる。このように両膜の相対的位置を限
定した理由は、両膜の相対的位置をこのように限定する
ことによりはじめて防眩性および視認性共にすぐれた反
射特性が得られるからである。
また本発明の多層膜裏面反射鏡を構成する誘電体多層
膜においては、前記基材と前記高屈折率物質との間に、
もう1層の低屈折率物質膜を設け、この1層の低屈折率
物質膜と、前記高屈折率物質膜及び前記低屈折率物質膜
との合計3層の誘電体膜によって誘電体多層膜を構成し
てもよい。この付加的に設けられる低屈折率物質膜は前
記低屈折率物質膜と同様に、1.3〜1.8の屈折率を有す
る、例えばSiO2,Al2O3等の酸化物やMgF2,CeF3等の弗化
物およびこれらの混合物から選択される物質により形成
されるが、2つの低屈折率物質膜は屈折率が同一であっ
ても異なっていても良いので、付加的低屈折率物質膜を
形成する物質は前記低屈折率物質膜を形成する物質と同
種のものであっても異種のものであっても良い。
この付加的低屈折率物質膜の膜厚は特に限定されない
が、0.1〜3λであるのが好ましい。
この誘電体多層膜の形成方法としては、蒸着法、スパ
ッタ法、イオンプレーティング法等の物理的コーティン
グ方法あるいはCVD法、有機溶液からの薄膜形成法等の
コーティング方法が挙げられる。
次に、本発明の多層膜裏面反射鏡において、前記誘電
体多層膜上に設けられる金属ないし半導体膜について説
明する。
この金属ないし半導体膜は、反射膜として機能するも
のであり、反射率が30%以上、特に50〜80%であるもの
を用いるのが好ましい。このような金属ないし半導体膜
としては、Cr、Ni、Al、Ag、Co、Fe、Si、Geなどの金属
ないし半導体の単体や、これらの金属ないし半導体の少
なくとも1種を含む合金などが用いられる。合金の例と
しては、インコネル(Ni80重量%、Cr14重量%、Fe6重
量%から主として構成され、その多の不純物を微量含
む)やクロメル(Ni80重量%、Cr20重量%から主として
構成され、その他の不純物を微量含む)が挙げられる。
この金属ないし半導体膜の形成方法も、前記誘電体多
層膜の場合と同様のコーティング方法が採用される。
[実施例] 以下実施例を挙げて本発明の好ましい具体例を説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 第1図(A)は本発明の多層膜裏面反射鏡の好ましい
実施例の要部拡大断面図であり、図中、1はガラス基
板、2は屈折率2.05のZrO2からなる光学膜厚λ0/4(本
実施例において、設計の中心となる光の波長λは510n
mであり、従ってλ0/4は127.5nmである)の高屈折率膜
層(H層)、3は屈折率1.38のMgF2からなる光学膜厚λ
0/2(255nm)の低屈折率膜層(2L層)、4はCr膜であ
る。すなわち、この実施例の多層膜裏面反射鏡はガラス
基板の片面に基板側からH層→2L層→Cr膜の順で多層膜
が形成されている。この多層膜裏面反射鏡の分光反射特
性を第4図に示す。第4図から明らかなように、この実
施例の多層膜裏面反射鏡は、従来の多層膜裏面反射鏡に
比べて、暗順応比視感度とヘッドライトの分光エネルギ
ーの積の高い領域480nm〜550nmを含む480nm〜580nmでの
反射率が低下しているので防眩性にすぐれ、かつ人間の
目にとって明るさの感度の低い青及び赤の波長である40
0nm〜480nm(青)及び580〜700nm(赤)における反射率
が上昇しているので、視認性にすぐれている。
実施例2 第1図(B)は本発明の多層膜裏面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、11はガラス基板、12
は屈折率2.05のZrO2からなる光学膜厚λ0/8(本実施例
において、設計の中心となる光の波長λは560nmであ
り、従ってλ0/8は70nmである)の高屈折率膜層(H/2
層)、13は屈折率1.46のSiO2からなる光学膜層λ0/2(2
80nm)の低屈折率膜層(2L層)、14はCr膜である。すな
わち、この実施例の多層膜裏面反射鏡はガラス基板の片
面に基板側からH/2層→2L層→Cr膜の順で多層膜が形成
されている。
この多層膜裏面反射鏡は第5図より明らかなように、
実施例1の多層膜裏面反射鏡と同様の分光反射特性を示
し、防眩性および視認性にすぐれている。
実施例3 第1図(C)は本発明の多層膜裏面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、21はガラス基板、22
は屈折率1.46のSiO2からなる光学膜厚λ0/4(本実施例
において、設計の中心となる光の波長λは530nmであ
り、従ってλ0/4は132.5nmである)の低屈折率膜層(L1
層)、23は屈折率1.63のAl2O3からなる光学膜厚λ0/4
(132.5nm)の高屈折率膜層(H層)、24は屈折率1.38
のMgF2からなる光学膜厚λ0/2(265nm)の低屈折率膜
(2L2層)、25はGe膜である。すなわち、この実施例の
多層膜裏面反射鏡はガラス基板の片面に基板側からL1
→H層→2L2層→Ge膜の順で多層膜が形成されている
(なお、本実施例では、屈折率1.63のAl2O3を高屈折率
膜層の材料として使用した)。
この多層膜裏面反射鏡は、第6図より明らかなよう
に、実施例1の多層膜裏面反射鏡と同様の分光反射特性
を示し、防眩性および視認性にすぐれている。
実施例4 第1図(D)は、本発明の多層膜裏面反射鏡の他の実
施例の要部拡大断面図であり、図中、31はガラス基板、
32は屈折率2.05のZrO2からなる光学膜厚λ0/4(本実施
例において、設計の中心となる光の波長λは510nmで
あり、従ってλ0/4は127.5nmである)の高屈折率膜層
(H層)、33は屈折率1.38のMgF2からなる光学膜厚λ0/
4(127.5nm)の低屈折率膜層(L1層)、34は屈折率1.46
のSiO2からなる光学膜厚λ0/4(127.5nm)の低屈折率膜
層(L2層)、35はCr膜である。すなわち、この実施例の
多層膜裏面反射鏡は、ガラス基板の片面に基板からH層
→L1→L2層→Cr膜の順で多層膜が形成されている(なお
L1層とL2層によって光学膜厚λ0/2の低屈折率膜層(2L
層)が形成されている)。
この多層膜裏面反射鏡は第7図より明らかなように、
実施例1の多層膜裏面反射鏡と同様の分光反射特性を示
し、防眩性および視認性にすぐれている。
実施例5 第1図(E)は本発明の多層膜裏面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、41はガラス基板、42
は屈折率1.46のSiO2からなる光学膜厚λ0/4(本実施例
において、設計の中心となる光の波長λは560nmであ
り、従ってλ0/4は140nmである)の低屈折率膜層(L
3層)、43は屈折率2.05のZrO2からなる光学膜厚λ0/8
(70nm)の高屈折率膜層(H/2層)、44は屈折率1.38のM
gF2よりなる光学膜厚λ0/4(140nm)の低屈折率膜層(L
1層)、45は屈折率1.46のSiO2からなる光学膜厚λ0/4
(140nm)の低屈折率膜層(L2層)、46はCr膜である。
すなわち、この実施例の多層膜裏面反射鏡はガラス基板
の片面に基板からL3層→H/2層→L1層→L2層→Cr膜の順
で多層膜が形成されている(なおL1層とL2層によって光
学膜厚λ0/2の低屈折率膜(2L層)が形成されてい
る)。
この多層膜裏面反射鏡は第8図より明らかなように、
実施例1の多層膜裏面反射鏡と同様の分光反射特性を示
し、防眩性および視認性にすぐれている。
実施例6 第1図(A)に示された実施例1の多層膜裏面反射鏡
において、高屈折率膜層(H層)2の物質として、屈折
率2.05のZrO2の代りに、屈折率2.30のTiO2を用いた以外
は実施例1と同一の多層膜裏面反射鏡を作成した。この
多層膜裏面反射鏡の分光反射特性を第9図に示す。第9
図から明らかなように、本実施例の多層膜裏面反射鏡
は、実施例1の多層膜裏面反射鏡とほぼ同様の防眩性お
よび視認性を有していた。また不要かつ有害な紫外線の
反射を抑え、これをカットするという利点も確認され
た。
以上、実施例1〜6により本発明の多層膜裏面反射鏡
について説明してきたが、実施例1〜3の誘電体多層膜
において2L層をL1層→L2層またはL2層→L1層にした場合
にも同様の結果が得られる。また実施例4および実施例
5におけるL1層→L2層をL2層→L1層にしても同様の結果
が得られる。
実施例1〜6における誘電体多層膜の各層を等価膜に
置き換えても同様の反射特性が得られる。
さらに基板としてガラスの代りにプラスチックを用い
ても同等の反射特性が得られる。
裏面鏡の場合に、本来の反射像を作る裏面からの光に
加え、表面から垂直入射の場合約4%の不必要な反射が
ある。この不必要な反射を除くために本発明の多層膜裏
面鏡の表面に反射防止膜を施すことも有効である。
[発明の効果] 本発明の多層膜裏面反射鏡は次のような技術的効果を
有する。
(i) 防眩性にすぐれている。
本発明の反射鏡は第4〜9図から明らかなように、第
3図、曲線(3)によって示されるP(λ)×V′
(λ)の値の大きな480nmから550nmを含む480nm〜580nm
で反射率の低い谷を有するので防眩効果にすぐれてい
る。
(ii) 視認性にすぐれている。
本発明の反射鏡は第4〜9図に示すように防眩に必要
な波長領域では反射率が低く、その他の波長領域で反射
率が高くなっているので、すぐれた視認性が確保され
る。
また本発明の反射鏡は明るさの感度の良い緑の領域
(490〜580nm)の反射率を青の領域(400〜480nm)や赤
の領域(590〜750nm)よりも下げてあり、結果として
青、赤の目の感度の低い色を増感することから色の分別
性(コントラスト)が向上するという利点もある。
(iii) 装飾性、ファッション性にすぐれている。
本発明の反射鏡は防眩性及び視認性を追及した結果、
その反射色がマゼンタ色を帯びている。このマゼンタ色
は高級感を与え、他の反射鏡との差別化が可能となる。
(iv) 生産性、コスト性にすぐれている。
本発明の反射鏡の製造においては、形成される誘電体
多層膜の層数が少ないことおよびこの誘電体多層膜と金
属ないし半導体膜とを同一の成膜手段によって形成する
ことができること等の利点を有するので、生産性及びコ
スト性にすぐれている。
以上、要するに本発明によれば、誘電体多層膜の層数
が少ないにも拘らず、防眩性、視認性、装飾性等の利点
を有する多層膜裏面反射鏡が提供された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の多層膜裏面反射鏡の要部拡大断面図、
第2図は従来の反射鏡の分光反射特性図、第3図は人間
の目の暗順応比視感度および自動車前照灯の分光エネル
ギー特性並びにそれらの積である人間の目に感じる自動
車前照灯の分光エネルギー特性図、第4図、第5図、第
6図、第7図、第8図及び第9図は本発明の反射鏡の分
光反射特性図である。 1,11,21,31,41……ガラス基板、2,3,12,13,22,23,24,3
2,33,34,42,43,44,45……誘電体膜、4,14,25,35,46……
金属ないし半導体膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−212704(JP,A) 特開 昭63−74005(JP,A) 特開 昭63−165805(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の片面に、直接または低屈折率物質膜
    を介して、光学膜厚が0.05〜0.4λ(λは設計の中
    心となる波長である)の高屈折率物質膜と、光学膜厚が
    λ0/2の低屈折率物質膜と、金属ないし半導体膜とを順
    次設けた多層膜裏面反射鏡であって、 該多層膜裏面反射鏡の分光反射率特性が波長域480nm〜5
    80nmに反射率の低い谷を有する ことを特徴とする多層膜裏面反射鏡。
  2. 【請求項2】前記高屈折率物質膜の光学膜厚がλ0/8又
    はλ0/4である、請求項1に記載の多層膜裏面反射鏡。
  3. 【請求項3】光学膜厚がλ0/2の前記低屈折率物質膜
    が、光学膜厚がλ0/4の1種の低屈折率物質膜と、これ
    に隣接する、光学膜厚がλ0/4の他種の低屈折率物質膜
    とによって形成されている、請求項1に記載の多層膜裏
    面反射鏡。
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