JP2719375B2 - 多層膜表面反射鏡 - Google Patents

多層膜表面反射鏡

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JP2719375B2 JP63303012A JP30301288A JP2719375B2 JP 2719375 B2 JP2719375 B2 JP 2719375B2 JP 63303012 A JP63303012 A JP 63303012A JP 30301288 A JP30301288 A JP 30301288A JP 2719375 B2 JP2719375 B2 JP 2719375B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は反射鏡に係り、特に防眩制、高視認性、装飾
性、生産性、コスト性等に優れた多層膜表面反射鏡に関
する。本発明の多層膜表面反射鏡は、自動車用バックミ
ラー、路上の危険防止用凸面鏡(カーブミラー)、装飾
ミラー等に主として用いられるが、その他の用途にも幅
広く利用される。
[従来技術] 多層膜表面反射鏡の一例として、特開昭63−165805号
公報には、ガラス基板の片面に誘電体多層膜を設け、さ
らに同一基板の裏面に光吸収膜を設けてなり、前記誘電
体多層膜は交互に異なる屈折率を有する誘電体膜を3〜
6層順次積層して構成されており、かつ誘電体多層膜を
構成する3〜6層の誘電体膜の少くとも1層はλ/2の光
学膜厚を有する多層膜表面反射鏡が開示されている。
第2図に示す、人間の目の暗順応比視感度V′(λ)
(同図、曲線(1)参照)及び自動車ヘッドライト(ハ
ロゲンランプ)の分光エネルギー特性P(λ)(同図、
直線(2)参照)並びにそれらの積P(λ)×V′
(λ)(同図、曲線(3)参照)から明らかなように、
夜間の追従車のヘッドライトが目に感じる光の波長は主
に480nm〜550nmであり、この波長領域での反射率が低い
ことが防眩効果を得るための重要な要素であるが、前記
特開昭63−165805号公報に記載の多層膜表面反射鏡は、
その分光反射率特性を第3図に示すように、480nm〜550
nmの波長領域において反射率が低く防眩効果に優れてい
る。またこの反射鏡は防眩に必要な波長領域では、反射
率が低く、その他の波長領域では、反射率が高くなって
いるので視認性にも優れている。
[従来技術の問題点] しかしながら、特開昭63−165805号公報に記載の多層
膜表面反射鏡は、ガラス基板の片面に設けられる誘電体
多層膜の層数が3〜6層と多く、誘電体多層膜の形成の
ための真空蒸着工程が複雑となるばかりでなく、同一基
板の裏面に、前記真空蒸着工程と別工程で塗装、焼成し
て光吸収体膜を形成する必要があるので、生産性が悪
く、コストアップにつながるという欠点があった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は従来の表面反射鏡の上述の如き問題点
を解消し、防眩性、視認性に優れているだけでなく、生
産性、コスト性等にも優れた表面反射鏡を提供すること
にある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上述の問題点を解決するためになされたもの
であり、本発明の多層膜表面反射鏡は、基材の片面に金
属ないし半導体膜を設け、さらにその上に1層以上の屈
折率物質層からなる光学膜厚が3λ0/4(λ0は設計の
中心となる光の波長であり、多層膜表面反射鏡の分光反
射率特性が波長域480nm〜580nmに反射率の低い谷を有す
ることになるように設定される)の誘電体膜を設けてな
り、該構成を有する多層膜表面反射鏡の分光反射率特性
が波長域480nm〜580nmに反射率の低い谷を有することを
特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多層膜表面反射鏡において用いられる基材と
しては、透明基材が好ましいが、基材は透明でなくても
良い。この基材は両面が平面を有する基板や、少なくと
も一面が凸面又は凹面を有する基板(例えば平凹板、平
凸板、凹凸板、両凹板、両凸板など)であるのが好まし
い。基材の好ましい材質としてはガラスやプラスチック
が挙げられるが、その他の材質のものを用いることもで
きる。
本発明の多層膜表面反射鏡においては、上記基材の片
面に金属ないし半導体膜が設けられ、さらにその上に誘
電体膜が設けられている。
そこで先ず、本発明の多層膜表面反射鏡において、基
材の片面に設けられる金属ないし半導体膜について説明
する。
この金属ないし半導体膜、反射鏡として機能するもの
であり、反射率が30%以上、特に50〜80%であるものを
用いるのが好ましい。このような金属ないし半導体膜と
しては、Cr、Ni、Rh、Al、Ag、Co、Fe、Si、Geなどの金
属ないし半導体の単体や、これらの金属ないし半導体の
少なくとも1種を含む合金などが用いられる。合金の例
としては、インコネル(Ni80重量%、Cr14重量%、Fe6
重量%から主として構成され、その他の不純物を微量含
む)やクロメル(Ni80重量%、Cr20重量%から主として
構成され、その他の不純物を微量含む)が挙げられる。
金属ないし半導体膜は、1層の金属ないし半導体層によ
って形成しても良いが、特に反射鏡の反射率を可視領域
で上げるには、1層の金属ないし半導体膜上にさらに反
射率の高い異種の金属ないし半導体膜を形成することも
できる。また3種以上の金属ないし半導体層を形成して
もよい。
この金属ないし半導体膜の形成方法としては、後記誘
電体膜の場合と同様のコーティング方法(蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法など)
が採用される。
次に、前記金属ないし半導体膜上に設けられる誘電体
膜について説明すると、この誘電体膜は、1層以上の屈
折率物質層からなる光学膜厚が3λ0/4(λ0は設計の
中心となる光の波長であり、多層膜表面反射鏡の分光反
射率特性が波長域480nm〜580nmに反射率の低い谷を有す
ることになるように設定される)の誘電体膜である。こ
こに前記屈折率物質層は、屈折率が1.3〜2.4の屈折率物
質によって形成するのが好ましく、このような屈折率物
質としては、SiO,TiO2,Ta2O5,ZrO2,SiO2,HfO2、Al2O3
の酸化物やMgF2,CeF3等の弗化物やZnS等の硫化物および
これらの混合物が適宜用いられる。
上記の如く誘電体膜の光学膜厚は3λ0/4に限定され
る。この膜厚を上記に限定した理由は、この限定により
はじめて防眩性および視認性共にすぐれた反射特性が得
られるからである。
光学膜厚が3λ0/4の前記誘電体膜は、1層の屈折率
物質層によって形成しても良いが、光学膜厚がλ0/4の
1種の屈折率物質層と、これに隣接する、光学膜厚が2
λ0/4の他種の屈折率物質層とによって光学膜厚が3λ0
/4の誘電体膜を形成しても良い。
また、光学膜厚がλ0/4の1種の屈折率物質層と、λ0
/4の他種の屈折率物質層と、λ0/4のさらに他種の屈折
率物質層とによって光学膜厚が3λ0/4の誘電体膜を形
成しても良い。さらに光学膜厚が3λ0/4の前記誘電体
膜は、光学膜厚がλ0/4の1種の屈折率物質と、この両
側に設けられた、光学膜厚がλ0/4の他種の屈折率物質
層によって形成され、両側に設けられた屈折率物質層が
同種のものであっても良い。
この誘電体膜の形成方法としては、蒸着法、スパッタ
法、イオンプレーティング法等の物理的コーティング方
法あるいはCVD法、有機溶液からの薄膜形成法等のコー
ティング方法が挙げられる。
[実施例] 以下実施例を挙げて本発明の好ましい具体例を説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 第1図(A)は本発明の多層膜表面反射鏡の好ましい
実施例の要部拡大断面図であり、図中、1はガラス基
板、2はCr膜、3は屈折率1.46のSiO2からなる光学膜厚
3λ0/4(本実施例において、設計の中心となる光の波
長λ0は540nmであり、従って3λ0/4は405nmである)
の屈折率膜層(3M層)である。すなわち、この実施例の
多層膜表面反射鏡はガラス基板の片面に基板側からCr膜
→3M層の順で多層膜が形成されている。この多層膜表面
反射鏡の分光反射特性を第4図に示す。第4図から明ら
かなように、この実施例の多層膜表面反射鏡は、後記比
較例の多層膜表面反射鏡に比べて、暗順応比視感度とヘ
ッドライトの分光エネルギーの積の高い領域にほぼ相当
する480nm〜580nmの反射率が低下しているので、防眩性
にすぐれ、かつ人間の目にとって明るさの感度の低い青
及び赤の波長である400nm〜480nm(青)及び580nm〜700
nm(赤)における反射率が上昇しているので、視認性に
すぐれている。
実施例2 第1図(B)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、11はガラス基板、12
はCr膜、13はRh膜、14は屈折率1.46のSiO2からなる光学
膜厚3λ0/4(本実施例において、設計の中心となる光
の波長は540nmであり、従って3λ0/4は405nmである)
屈折率膜層(3M層)である。すなわち、この実施例の多
層膜表面反射鏡はガラス基板の片面に基板側からCr膜→
Rh膜→3M層の順で多層膜が形成されている。
この多層膜表面反射鏡は第5図より明らかなように、
実施例1の多層膜表面反射鏡とほぼ同様の分光反射特性
を示し、防眩性および視認性にすぐれている。また実施
例1の多層膜表面反射鏡よりも全体的に反射率が向上し
ており、高反射性を有している。
実施例3 第1図(C)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、21はガラス基板、22
はGe膜、23は屈折率1.46のSiO2からなる光学膜厚3λ0/
4(本実施例において、設計の中心となる光の波長λ0
は540nmであり、従って3λ0/4は405nmである)の屈折
率膜層(3M層)である。すなわち、この実施例の多層膜
表面反射鏡はガラス基板の片面に基板側からGe膜→3M層
の順で多層膜が形成されている。
この多層膜表面反射鏡は、第6図に示すように、実施
例1の多層膜表面反射鏡とほぼ同様の分光反射特性を示
し、防眩性および視認性にすぐれている。
実施例4 第1図(D)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、31はガラス基板、32
はCr膜、33は屈折率1.46のSiO2からなる光学膜厚λ0/4
(本実施例において、設計の中心となる光の波長λ0は
540nmであり、従ってλ0/4は135nmである)の屈折率膜
層(M1層)、34は屈折率1.63のAl2O3からなる光学膜厚
2λ0/4(270nm)の屈折率膜層(2M2層)である。すな
わち、この実施例の多層膜表面反射鏡はガラス基板の片
面に基板側からCr膜→M1層→2M2層の順で多層膜が形成
されている(なお、M1層と2M2層によって光学膜厚3λ0
/4の屈折率膜層(3M層)が形成されている)。
この多層膜表面反射鏡は、第4図に示された実施例1
の多層膜表面反射鏡と同様の分光反射特性を示し、防眩
性および視認性にすぐれている。
実施例5 第1図(E)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、41はガラス基板、42
はCr膜、43はRh膜、44は屈折率1.46のSiO2からなる光学
膜厚λ0/4(本実施例において、設計の中心となる光の
波長λ0は540nmであり、従ってλ0/4は135nmである)
の屈折率膜層(M1層)、45は屈折率1.63のAl2O3からな
る光学膜厚2λ0/4(270nm)の屈折率膜層(2M2層)で
ある。すなわち、この実施例の多層膜表面反射鏡は、ガ
ラス基板の片面に基板側からCr膜→Rh膜→M1層→2M2
の順で多層膜が形成されている(なおM1層と2M2層によ
って光学膜厚3λ0/4の屈折率膜層(3M層)が形成され
ている)。
この多層膜表面反射鏡は第5図に示された実施例2の
多層膜表面反射鏡と同様の分光反射特性を示し、防眩性
および視認性にすぐれている。また高反射性を有してい
る。
実施例6 第1図(F)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、51はガラス基板、52
はGe膜、53は屈折率1.46のSiO2からなる光学膜厚λ0/4
(本実施例において、設計の中心となる光の波長λ0は
540nmであり、従ってλ0/4は135nmである)の屈折率膜
層(M1層)、54は屈折率1.63のAl2O3からなる光学膜厚
2λ0/4(270nm)の屈折率膜層(2M2層)である。すな
わち、この実施例の多層膜表面反射鏡はガラス基板の片
面に基板側からGe膜→M1層→2M2層の順で多層膜が形成
されている(なおM1層と2M2層よって光学膜厚3λ0/4の
屈折率膜層(3M層)が形成されている)。
この多層膜表面反射鏡は第6図に示された、実施例3
の多層膜表面反射鏡と同様の分光反射特性を示し、防眩
性および視認性にすぐれている。
実施例7 第1図(G)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、61はガラス基板、62
はCr膜、63は屈折率1.63のAl2O3からなる光学膜厚λ0/4
(本実施例において、設計の中心となる光の波長λoは
540nmであり、従ってλ0/4は135nmである)の屈折率膜
層(M1層)、64は屈折率1.63のCeF3からなる光学膜層λ
0/4(135nm)の屈折率膜層(M2層)、65は屈折率1.46の
SiO2からなる光学膜厚λ0/4(135nm)の屈折率膜層(M3
層)である。すなわち、この実施例の多層膜表面反射鏡
はガラス基板の片面に基板側からCr膜→M1層→M2層→M3
層の順で多層膜が形成されている(なおM1層とM2層とM3
層によって光学膜厚3λ0/4の屈折率膜層(3M層)が形
成されている)。
この多層膜表面反射鏡は第4図に示した実施例1の多
層膜表面反射鏡と同様の分光反射特性を示し、防眩性お
よび視認性にすぐれている。
実施例8 第1図(H)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、71はガラス基板、72
はCr膜、73はRh膜、74は屈折率1.63のAl2O3からなる光
学膜厚λ0/4(本実施例において、設計の中心となる光
の波長λ0は540nmであり、従ってλ0/4は135nmであ
る)の屈折率膜層(M1層)、75は屈折率1.63のCeF3から
なる光学膜厚λ0/4(135nm)の屈折率膜層(M2層)、76
は屈折率1.46のSiO2からなる光学膜厚λ0/4(135nm)の
屈折率膜厚(M3層)である。すなわち、この実施例の多
層膜表面反射鏡はガラス基板の片面に基板側からCr膜→
Rh膜→M1層→M2層→M3層の順で多層膜が形成されている
(なおM1層とM2層とM3層によって光学膜厚3λ0/4の屈
折率膜層(3M層)が形成されている)。
この多層膜表面反射鏡は、第5図に示された、実施例
2の多層膜表面反射鏡と同様の分光反射特性を示し、防
眩性および視認性にすぐれている。また高い反射性を有
している。
実施例9 第1図(I)は、本発明の多層膜表面反射鏡の他の実
施例の要部拡大断面図であり、図中、81はガラス基板、
82はGe膜、83は屈折率1.63のAl2O3からなる光学膜厚λ0
/4(本実施例において、設計の中心となる光の波長λ0
は540nmであり、従ってλ0/4は135nmである)の屈折率
膜層(M1層)、84は屈折率1.63のCeF2からなる光学膜厚
λ0/4(135nm)の屈折率膜層(M2層)、85は屈折率1.46
のSiO2からなる光学膜厚λ0/4(135nm)の屈折率膜層
(M3層)である。すなわち、この実施例の多層膜表面反
射鏡は、ガラス基板の片面に基板側からGe膜→M1層→M2
層→M3層の順で多層膜が形成されている(なおM1層とM2
層とM3層によって光学膜厚3λ0/4の屈折率膜層(3M
層)が形成されている)。
この多層膜表面反射鏡は第6図に示された実施例3の
多層膜表面反射鏡と同様の分光反射特性を示し、防眩性
および視認性にすぐれている。
実施例10 第1図(J)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面大図であり、図中、91はガラス基板、
92はCr膜、93は屈折率1.63のAl2O3からなる光学膜厚λ0
/4(本実施例において、設計の中心となる光の波長は54
0nmであり、従ってλ0/4は135nmである)の屈折率膜層
(M1層)、94は屈折率1.63のCeF3からなる光学膜厚λ0/
4(135nm)の屈折率膜層(M2層)、95は屈折率1.63のAl
2O3からなる光学膜厚λ0/4(135nm)の屈折率層(M
1層)である。すなわち、この実施例の多層膜表面反射
鏡はガラス基板の片面に基板側からCr膜→M1層→M2層→
M1層の順で多層膜が形成されている(なお2つのM1層と
1つのM2層によって光学膜厚3λ0/4の屈折率膜層(3M
層)が形成されている)。
この多層膜表面反射鏡は第4図に示された実施例1の
多層膜表面反射鏡と同様の分光反射特性を示し、防眩性
および視認性にすぐれている。
実施例11 第1図(K)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、101はガラス基板、1
02はCr膜、103はRh膜、104は屈折率1.63のAl2O3からな
る光学膜厚λ0/4(本実施例において、設計の中心とな
る光の波長λ0は540nmであり、従ってλ0/4は135nmで
ある)の屈折率膜層(M1層)、105は屈折率1.63のCeF3
からなる光学膜厚λ0/4(135nm)の屈折率膜層(M
2層)、106は屈折率1.63のAl2O3からなる光学膜厚λ0/4
(135nm)の屈折率膜層(M1層)である。すなわち、こ
の実施例の多層膜表面反射鏡はガラス基板の片面に基板
側からCr膜→Rh膜→M1層→M2層→M1層の順で多層膜が形
成されている(なお2つのM1層と1つのM2層によって光
学膜厚3λ0/4の屈折率膜層(3M層)が形成されてい
る)。
この多層膜表面反射鏡は第5図に示された実施例2の
多層膜表面反射鏡と同様の分光反射特性を示し、防眩性
および視認性にすぐれている。また高い反射性を有して
いる。
実施例12 第1図(L)は本発明の多層膜表面反射鏡の他の実施
例の要部拡大断面図であり、図中、111はガラス基板、1
12はGe膜、113は屈折率1.63のAl2O3からなる光学膜厚λ
0/4(本実施例において、設計の中心となる光の波長λ
0は540nmであり、従ってλ0/4は135nmである)の屈折
率膜層(M1層)、114は屈折率1.63のCeF3からなる光学
膜厚λ0/4(135nm)の屈折率膜層(M2層)、115は屈折
率1.63のAl2O3からなる光学膜厚λ0/4(135nm)の屈折
率膜層(M1層)である。すなわち、この実施例の多層膜
表面反射鏡はガラス基板の片面に基板側からGe膜→M1
→M2層→M1層の順で多層膜が形成されている(なお2つ
のM1層と1つのM2層によって化学膜厚3λ0/4の屈折率
膜層(3M層)が形成されている)。
この多層膜表面反射鏡は第6図に示された実施例3の
多層膜表面反射鏡と同様の分光反射特性を示し、防眩性
および視認性にすぐれている。
実施例1〜12における誘電体膜の各層を等価膜に置き
換えても同様の反射特性が得られる。
比較例 第7図(A),(B)は本発明の実施例1の多層膜表
面反射鏡において、屈折率1.46のSiO2からなる光学膜厚
3λ0/4の屈折率層(3M層)を、同一物質で光学膜厚2
λ0/4の屈折率膜層(2M層)、光学膜厚4λ0/4の屈折率
膜層(4M層)にそれぞれ変えた、比較例の多層膜表面反
射鏡の要部拡大断面図であり、図中、121、131はガラス
基板、122,132はCr膜、123は2M層、133は4M層である。
すなわちこの比較例の多層膜表面反射鏡はガラス基板の
片面に基板側からCr膜→2M層(または4M層)の順で多層
膜が形成されている。
この比較例の多層膜表面反射鏡の分光反射特性を第8
図に示す(なお図中、(1)は曲線のCr膜上に2M層を有
する場合、(2)の曲線はCr膜上に4M層を有する場合に
該当する)。
第8図から明らかなように、比較例の多層膜表面反射
鏡は、実施例1〜12の多層膜表面反射鏡と異なり、暗順
応比視感度とヘッドライトの分光エネルギーの積の高い
領域480−550nmの反射率が高くなっているので、防眩性
が悪く、かつ人間にとって明るさの感度の低い青及び赤
の波長である430nm〜480nm(青)及び580nm〜700nm
(赤)における反射率が低くなっているため視認性も悪
くなっている。
よって防眩性および視認性をも多層膜表面反射鏡を得
るためには実施例1〜12及び比較例からわかるようにガ
ラス基板の片面に基板側から金属ないし半導体膜及び光
学膜厚3λ0/4の3M層をこの順で形成させることが必須
であることが明らかとなった。
[発明の効果] 本発明の多層膜表面反射鏡は次のような技術的効果を
有する。
(i)防眩性にすぐれている。
本発明の反射鏡は第4〜6図から明らかなように、第
2図、曲線(3)によって示されるP(λ)×V′
(λ)の値の大きな領域にほぼ相当する480nmから580nm
で反射率が低いので防眩効果にすぐれている。
(ii)視認性にすぐれている。
本発明の反射鏡は第4〜6図に示すように防眩に必要
な波長領域では反射率が低く、その他の波長領域で反射
率が高くなっているので、すぐれた視認性が確保され
る。
また本発明の反射鏡は明るさの感度の良い緑の領域
(490〜580nm)の反射率を青の領域(400〜480nm)や赤
の領域(590〜750nm)よりも下げてあり、結果として
青、赤の目の感度の低い色を増感することから色の分別
性(コントラスト)が向上するという利点もある。
(iii)装飾性、ファッション性にすぐれている。
本発明の反射鏡は防眩性及び視認性を追及した結果、
その反射色がマゼンタ色を帯びている。このマゼンタ色
は高級感を与え、他の反射鏡との差別化が可能となる。
(iv)生産性、コスト性にすぐれている。
本発明の反射鏡の製造においては、形成される誘電体
膜の層数が少ないことおよびこの誘電体膜と金属ないし
半導体膜とを同一の成膜手段によって形成することがで
きること等の利点を有するので、形成される誘電体多層
膜の層数が多く、かつ光吸収膜の塗装、焼成の必要な、
前記特開昭63−165805号公報の反射鏡の場合と異なり、
生産性及びコスト性にすぐれている。
以上、要するに本発明によれば、層数が少ないにも拘
らず、防眩性、視認性、装飾性、有害光線カット性等の
利点を有する多層膜表面反射鏡が提供された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の多層膜表面反射鏡の要部拡大断面図、
第2図は人間の目の暗順応比視感度および自動車前照灯
の分光エネルギー特性並びにそれらの積である人間の目
に感じる自動車前照灯の分光エネルギー特性図、第3図
は従来の反射鏡の分光反射特性図、第4図、第5図及び
第6図は本発明の反射鏡の分光反射特性図、第7図は比
較例の多層膜表面反射鏡の要部拡大断面図、第8図は比
較例の反射鏡の分光反射特性図である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の片面に金属ないし半導体膜を設け、
    さらにその上に1層以上の屈折率物質層からなる光学膜
    厚が3λ0/4(λ0は設計の中心となる光の波長であ
    り、多層膜表面反射鏡の分光反射率特性が波長域480nm
    〜580nmに反射率の低い谷を有することになるように設
    定される)の誘電体膜を設けてなり、 該構成を有する多層膜表面反射鏡の分光反射率特性が波
    長域480nm〜580nmに反射率の低い谷を有する ことを特徴とする多層膜表面反射鏡。
  2. 【請求項2】光学膜厚が3λ0/4の前記誘電体膜が、1
    層の屈折率物質層によって形成されている、請求項1に
    記載の多層膜表面反射鏡。
  3. 【請求項3】光学膜厚が3λ0/4の前記誘電体膜が、光
    学膜厚がλ0/4の1種の屈折率物質層と、光学膜厚が2
    λ0/4の他種の屈折率物質層とによって形成されてい
    る、請求項1に記載の多層膜表面反射鏡。
  4. 【請求項4】光学膜厚が3λ0/4の前記誘電体膜が、光
    学膜厚がλ0/4の1種の屈折率物質層と、光学膜厚がλ0
    /4の他種の屈折率物質層と、光学膜厚がλ0/4のさらに
    他種の屈折率物質層とによって形成されている、請求項
    1に記載の多層膜表面反射鏡。
  5. 【請求項5】光学膜厚が3λ0/4の前記誘電体膜が、光
    学膜厚がλ0/4の1種の屈折率物質層と、この両側に設
    けられた、光学膜厚がλ0/4の他種の屈折率物質層とに
    よって形成され、両側に設けられた屈折率物質層が同種
    のものである、請求項1に記載の多層膜表面反射鏡。
  6. 【請求項6】金属ないし半導体膜が1層又は2層以上の
    金属ないし半導体層によって形成されている、請求項1
    〜請求項5のいずれかに記載の多層膜表面反射鏡。
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