JP2561707B2 - プレス金型の製造方法 - Google Patents

プレス金型の製造方法

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JP2561707B2 JP63186156A JP18615688A JP2561707B2 JP 2561707 B2 JP2561707 B2 JP 2561707B2 JP 63186156 A JP63186156 A JP 63186156A JP 18615688 A JP18615688 A JP 18615688A JP 2561707 B2 JP2561707 B2 JP 2561707B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コンクリート等の所定の裏打ち材で形成さ
れるとともに、表面が金属溶射層で被覆されたプレス金
型の製造方法に関するものであって、とくに石膏等で作
られた基準モデルを用いて、短時間かつ低コストで上記
基準モデルに対応するプレス金型を製造する方法に関す
るものである。
[従来の技術] プレス加工板の加工形状に対応する型面を有する基準
モデル(パンチ形状)を石膏、木材等の所定の成形しや
すい材料で製作し、該基準モデルを用いて、その形状に
対応するパンチ型とダイ型とを、夫々、その型面上に金
属溶射層を形成しつつコンクリート等の裏打ち材を注型
して製作するようにした、プレス金型の製造方法は一般
に知られている(例えば、特開昭50−1960号公報、特開
昭58−110139号公報参照)。
従来、このような簡易プレス金型は、例えば第3図に
示すような製造方法で製作されている。以下、上記製造
方法を各工程別に説明する。
<パンチ型製造工程> 工程c1…プレス加工板の加工形状に対応する基準モデル
31(パンチ形状)を石膏等の所定の材料で製作する。
工程c2…基準モデル31の型面上に低融点合金を注型し、
基準モデル31の反転面を有するパンチ型用低融点合金反
転モデル32を製作する。
工程c3…パンチ型用低融点合金反転モデル32を基準モデ
ル31から分離し、該パンチ型用低融点合金反転モデル32
の型面上に所定の溶射用金属を溶射してパンチ型用金属
溶射層33を形成する。
工程c4…上記パンチ型用金属溶射層33の表面に接着剤を
塗布する。
工程c5…上記パンチ型用低融点合金反転モデル32のパン
チ型用金属溶射層33の上にコンクリート等の所定の材料
よりなるパンチ型用裏打ち材35を注型する。
工程c6…パンチ型用低融点合金反転モデル32からパンチ
型用金属溶射層33を伴ったパンチ型用裏打ち材35を分離
し、これをパンチ型P″とする。
<ダイ型製造工程> 工程c7…基準モデル31の型面上にプレス加工板の厚みに
対応する厚さを有するシートワックス37を張り付ける。
工程c8…シートワックス31が張り付けられた基準モデル
31の型面上(シートワックス31上)に石膏を注型し、シ
ートワックス37の厚み分だけ縮小された、基準モデル31
の略反転面を有する捨てモデル38を製作する。
工程c9…捨てモデル38の型面上に所定の低融点合金を注
型し、捨てモデル38の反転面を有するダイ型用低融点合
金反転モデル39を製作する。
工程c10…ダイ型用低融点合金反転モデル39を捨てモデ
ル38から分離し、該ダイ型用低融点合金反転モデル39の
型面上に所定の溶射用金属を溶射してダイ型用金属溶射
層41を形成する。
工程c11…ダイ型用低融点合金反転モデル39の型面上に
形成されたダイ型用金属溶射層41の表面に接着剤を塗布
する。
工程c12…ダイ型用低融点合金反転モデル39のダイ型用
金属溶射層41上にダイ型用裏打ち材43を注型する。
工程c13…ダイ型用低融点合金反転モデル39からダイ型
用金属溶射層41を伴ったダイ型用裏打ち材43を分離し、
これをダイ型P″とする。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記従来のプレス金型製造方法によれば、
1組のパンチ型P″とダイ型P″とを製作する毎
に、捨てモデル38とパンチ型用,ダイ型用低融点合金反
転モデル32,39とを製作しなければならない。このた
め、プレス金型の製作に要する時間が長くなるといった
問題があった。さらに、捨てモデル38については材料の
再生は不可能であり、またパンチ型用,ダイ型用低融点
合金反転モデル32,39については、鋳直して材料の再利
用は図れるものの、その再生にはエネルギと労力とを要
するので、プレス金型の製作コストが高くなるといった
問題があった。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであ
って、コンクリート等の裏打ち材で形成され、金属溶射
層で被覆された簡易プレス金型を、基準モデルを用い
て、短時間かつ低コストで製造する方法を提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達すべくなされた、第1の発明は、基準
モデルを用いた、金属溶射層を有するプレス金型の製造
方法において、基準モデル上に金属溶射層を形成し、該
金属溶射層の上に裏打ち材を注型した後、上記基準モデ
ルを取り外して第1プレス型を製作する一方、上記第1
プレス型の型面上にプレス板の厚みに対応する厚さを有
するシートワックスを張り、該シートワックス上に金属
溶射層を形成し、該金属溶射層上に裏打ち材を注型した
後、上記第1プレス型を取り外して第2プレス型を製作
することを特徴とするものである。
第2の発明は、基準モデルを用いた、金属溶射層を有
するプレス金型の製造方法において、基準モデル上に金
属溶射層を形成し、該金属溶射層の上に裏打ち材を注型
した後、上記基準モデルを取り外して第1プレス型を製
作し、次に、上記基準モデルから、プレス板の厚みに対
応する厚さ分だけ型面が縮小された略反転モデルをつく
り、この後、上記略反転モデル上に金属溶射層を形成
し、該金属溶射層の上に裏打ち材を注型した後、上記略
反転モデルを取り外して第2プレス型を製作することを
特徴とするものである。
第3の発明は、第2の発明にかかるプレス金型の製造
方法において、上記基準モデルの反転モデルをつくって
該反転モデルの型面上にプレス板の厚みに対応する厚さ
のシートワックスを張り、該シートワックスを伴った反
転モデルを反転させて捨てモデルをつくり、さらに該捨
てモデルを反転させて上記略反転モデルをつくるように
したことを特徴とするものである。
[発明の作用・効果] 第1の発明によれば、基準モデルの型面上に直接溶射
用金属を溶射し、この金属溶射層の上に裏打ち材を注型
して第1プレス型を製作するようにしているので、第1
プレス型製作工程においては、捨てモデルあるいは反転
用モデルを製作する必要がない。そして、上記第1プレ
ス型の型面上にシートワックスを張り付け、このシート
ワックス上に溶射を行い、この金属溶射層の上に裏打ち
材を注型して第2プレス型を製作するようにしているの
で、第2プレス型製作工程においても、捨てモデルある
いは反転用モデルを製作する必要がない。したがって、
捨てモデルあるいは反転用モデルを全く製作することな
くプレス金型を製作できるので、プレス金型の製作に要
する時間の短縮と製作コストの低減とを図ることができ
る。
第2の発明によれば、第1プレス型を製作する際に
は、第1の発明にかかるプレス金型の製造方法の場合と
同様に、捨てモデルあるいは反転モデルを製作する必要
がないので、その分製造工程時間が短縮されてプレス金
型の製造コストが低減される。また、第2プレス型を製
作する際には、従来の工程ないしは装置を利用すること
ができるので、プレス金型の製造コストが低減される。
第3の発明によれば、基本的には第2の発明にかかる
プレス金型の製造方法と同様の作用・効果が得られる。
さらに、略反転モデルの製作が容易となり、プレス金型
の製造コストが一層低減される。
[実施例] 以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
第1図は、本発明の実施例を示すプレス金型の製造方
法の製造工程図であり、全工程は工程a1〜工程a10より
なる。以下、プレス金型の製造方法を各工程毎に説明す
る。
工程a1…石膏でパンチ形状の基準モデル1を製作する。
なお、基準モデル1は、石膏以外の材料、例えば木材の
ような成形の容易な材料で製作してもよい。
工程a2…基準モデル1の型面上に、例えば13クローム・
ステンレス鋼等の高融点溶射金属材料あるいは亜鉛合金
等の低融点溶射用金属材料を溶射し、基準モデル1の型
面上に所定の厚さのダイ型用金属溶射層2を形成する。
なお、最終的には上記ダイ型用金属溶射層2は基準モデ
ル1から分離されるが、その分離を容易にするため、溶
射を行う前に基準モデル1の型面上に離型剤を塗布して
もよい。
工程a3…基準モデル1の型面上に形成されたダイ型用金
属溶射層2の表面に、該ダイ型用金属溶射層2と、次の
工程a4で注型されるダイ型用裏打ち材4との接着を強固
にするための湿潤性接着剤を塗布する。
工程a4…上記基準モデル1上のダイ型用金属溶射層2の
上に、所定の枠を設けるなどして、コンクリートあるい
はモルタルからなるダイ型用裏打ち材4を注型する。
工程a5…上記ダイ型用裏打ち材4が固化した後、基準モ
デル1とダイ型用裏打ち材4とに、夫々これらを互いに
引き離す方向の力を加え、基準モデル1からダイ型用金
属溶射層2を伴ったダイ型用裏打ち材4を取り外し、こ
れをダイ型P1とする。なお、ダイ型P1は、本願特許請求
の範囲に記載された第1プレス型に相当する。
工程a6…上記ダイ型P1の型面上(ダイ型用金属溶射層2
上)に、プレス加工板(図示せず)の厚みに相当する厚
さを有するシートワックス5を張り付ける。このシート
ワックス5はパラフィン等で形成される普通のシートワ
ックスである。
工程a7…ダイ型P1上に張り付けられたシートワックス5
上に溶射用金属を溶射し、パンチ型用金属溶射層6を形
成する。溶射用金属は工程a2で説明したような、所定の
高融点タイプあるいは低融点タイプの溶射用金属であ
る。
工程a8…ダイ型P1の型面上にシートワックス5を介して
形成されたパンチ型用金属溶射層6の表面に、該パンチ
型用金属溶射層6と次の工程a9で注型されるパンチ型用
裏打ち材8との接着を強固にするための接着剤を塗布す
る。
工程a9…ダイ型P1上のパンチ型用金属溶射層6の上に、
所定の枠を設けるなどして、コンクリートあるいはモル
タルからなるパンチ型用裏打ち材8を注型する。
工程a10…上記パンチ型用裏打ち材8が固化した後、ダ
イ型P1とパンチ型用裏打ち材8とに、夫々これらを互い
に引き離す方向の力を加え、ダイ型P1からパンチ型用金
属溶射層6を伴ったパンチ型用裏打ち材8を分離し、こ
れをパンチ型P2とする。なお、パンチ型P2は、本願特許
請求の範囲に記載された第2プレス型に相当する。
このようにして、ダイ型P1とパンチ型P2とを製作する
ことができるが、上記工程a1〜a10においては、ダイ型P
1を用いて対応するパンチ型P2を製作するようにしてい
るので、捨てモデルあるいは反転用モデルを製作する必
要がない。したがって、本発明によれば、1組のダイ型
P1とパンチ型P2とからなるプレス金型の製作に要する時
間の短縮と、プレス金型の製作コストの低減とを図るこ
とができる。これを、従来の製造方法と比較すると、第
1図に示す本実施例では製作に要する時間は約7日であ
り、捨てモデルあるいは反転用モデルは全く製作する必
要がないが、例えば、第3図に示すような従来の製造方
法では、製作に要する時間は約11日であり、捨てモデル
38(第3図参照)と2つの反転用モデル32,39(第3図
参照)とを製作する必要がある。
なお、第2図に、本実施例と同様の製造方法でダイ型
P′を製作する一方、従来と同様の製造方法でパンチ
型P′を製作する場合の工程図を示す。この場合、工
程b1〜b5においては、第1図に示す本実施例の工程a1
a5と全く同様に、基準モデル11の型面上に直接金属溶射
層12を形成して接着剤を塗布した後、ダイ型用裏打ち材
14を注型してダイ型P′が製作される。
一方、パンチ型P′は工程b6〜工程b12で次のよう
にして製作される。
工程b6…基準モデル11の反転モデル15を石膏で製作し、
この反転モデル15の型面上にシートワックス16を張り付
ける。
工程b7…反転モデル15の型面上(シートワックス16上)
に石膏を注型して、上記反転モデルをさらに反転させた
捨てモデル17を製作する。
工程b8…捨てモデル17の型面上に低融点合金を注型して
ダイ形状の低融点合金反転モデル18を製作する。
工程b9…低融点合金反転モデル18の型面上に溶射用金属
を溶射してパンチ型用金属溶射層19を形成する。
工程b10…低融点合金反転モデル18の型面上に形成され
たパンチ型用金属溶射層19の表面に接着剤を塗布する。
工程b11…低融点合金反転モデル18上のパンチ型用金属
溶射層19上にパンチ型用裏打ち材21を注型する。
工程b12…低融点合金反転モデル18からパンチ型用金属
溶射層19を伴ったパンチ型用裏打ち材21を分離し、これ
をパンチ型P′とする。
このような製造方法によれば、ダイ型P′製作時に
捨てモデルあるいは反転モデルを製作する必要がないの
で、プレス金型の製作に要する時間が約10日となり、第
3図に示す従来の製造方法に比べてやや短縮され、か
つ、反転用モデルの製作個数が1つ減るので、若干製作
コストが低減されるが、なお製作時間の短縮と製作コス
トの低減を十分に図ることができない。
なお、上記本願発明の実施例では、ダイ型P1を先に製
作し、これを用いてパンチ型P2を製作したが、この順序
は逆にしてもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかる製造方法によるプレス金型の
製造工程を示す図である。 第2図は、第1図に示す製造方法でダイ型を製造する一
方、従来の製造方法でパンチ他を製造した場合の製造工
程を示す図である。 第3図は、パンチ金型の従来の製造方法の一例を示す図
である。 P1……ダイ型(第1プレス型)、P2……パンチ型(第2
プレス型)、1……基準モデル、2……ダイ型用金属溶
射層、4……ダイ型用裏打ち材、5……シートワック
ス、6……パンチ型用金属溶射層、8……パンチ型用裏
打ち材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−110139(JP,A) 特開 昭57−187128(JP,A) 特開 平1−103411(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準モデルを用いた、金属溶射層を有する
    プレス金型の製造方法において、 基準モデル上に金属溶射層を形成し、該金属溶射層の上
    に裏打ち材を注型した後、上記基準モデルを取り外して
    第1プレス型を製作する一方、上記第1プレス型の型面
    上にプレス板の厚みに対応する厚さを有するシートワッ
    クスを張り、該シートワックス上に金属溶射層を形成
    し、該金属溶射層上に裏打ち材を注型した後、上記第1
    プレス型を取り外して第2プレス型を製作することを特
    徴とするプレス金型の製造方法。
  2. 【請求項2】基準モデルを用いた、金属溶射層を有する
    プレス金型の製造方法において、 基準モデル上に金属溶射層を形成し、該金属溶射層の上
    に裏打ち材を注型した後、上記基準モデルを取り外して
    第1プレス型を製作し、 次に、上記基準モデルから、プレス板の厚みに対応する
    厚さ分だけ型面が縮小された略反転モデルをつくり、 この後、上記略反転モデル上に金属溶射層を形成し、該
    金属溶射層の上に裏打ち材を注型した後、上記略反転モ
    デルを取り外して第2プレス型を製作することを特徴と
    するプレス金型の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載されたプレス金型の製造方
    法において、 上記基準モデルの反転モデルをつくって該反転モデルの
    型面上にプレス板の厚みに対応する厚さのシートワック
    スを張り、該シートワックスを伴った反転モデルを反転
    させて捨てモデルをつくり、さらに該捨てモデルを反転
    させて上記略反転モデルをつくるようにしたことを特徴
    とするプレス金型の製造方法。
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