JP2561706B2 - 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 - Google Patents
希土類−Fe−B系磁石の製造方法Info
- Publication number
- JP2561706B2 JP2561706B2 JP63152921A JP15292188A JP2561706B2 JP 2561706 B2 JP2561706 B2 JP 2561706B2 JP 63152921 A JP63152921 A JP 63152921A JP 15292188 A JP15292188 A JP 15292188A JP 2561706 B2 JP2561706 B2 JP 2561706B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rare earth
- magnet
- coercive force
- hot working
- thickness reduction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、希土類−Fe−B系磁石の製造方法に関し、
更に詳しくは、高い磁気的性能が得られる熱間加工条件
に関する。
更に詳しくは、高い磁気的性能が得られる熱間加工条件
に関する。
最近の電気製品の小型化、高効率化の要求に伴い、そ
の材料として高い磁気的性能を持つ希土類元素と鉄とボ
ロンとを基本成分とする合金を用いて磁石を作ることが
望まれている。即ち、希土類−Fe−B系磁石である。
の材料として高い磁気的性能を持つ希土類元素と鉄とボ
ロンとを基本成分とする合金を用いて磁石を作ることが
望まれている。即ち、希土類−Fe−B系磁石である。
希土類−Fe−B系磁石を製造する技術としては、いわ
ゆる焼結法と液体急冷法とが知られているが、これらの
方法よりも生産性に優れた方法として、例えば特開昭62
−203302号公報に開示の如き鋳造法が提案されている。
ゆる焼結法と液体急冷法とが知られているが、これらの
方法よりも生産性に優れた方法として、例えば特開昭62
−203302号公報に開示の如き鋳造法が提案されている。
この鋳造法は、いわゆる焼結法や液体急冷法とは異な
り、希土類元素と鉄とボロンとを基本成分とする合金の
溶湯を鋳型に流し込んで、磁石を鋳造することを基本と
する製造方法である。
り、希土類元素と鉄とボロンとを基本成分とする合金の
溶湯を鋳型に流し込んで、磁石を鋳造することを基本と
する製造方法である。
そして、所望の形状に成形すること及び結晶軸の配向
性を向上するために、鋳塊を金属カプセル内に封入した
上で熱間加工を施すことが提案されている。
性を向上するために、鋳塊を金属カプセル内に封入した
上で熱間加工を施すことが提案されている。
しかし、上記熱間加工時の加工条件は明らかにされて
いない。
いない。
従って、本発明の目的とするところは、高い磁気的性
能が得られる熱間加工条件を明らかにすることにある。
能が得られる熱間加工条件を明らかにすることにある。
本発明の希土類−Fe−B系磁石の製造方法は、希土類
元素と鉄とボロンを基本成分とする合金の鋳塊を金属カ
プセル内に封入した状態で熱間加工する工程を含む希土
類−Fe−B系磁石の製造方法において、上記熱間加工時
の加工条件を850〜1000℃で30%以上の板厚減少率とす
ることを構成上の特徴とするものである。
元素と鉄とボロンを基本成分とする合金の鋳塊を金属カ
プセル内に封入した状態で熱間加工する工程を含む希土
類−Fe−B系磁石の製造方法において、上記熱間加工時
の加工条件を850〜1000℃で30%以上の板厚減少率とす
ることを構成上の特徴とするものである。
上記構成において、希土類元素としては、Y,La,Ce,P
r,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luが挙げられ、これ
らのうちの1種あるいは2種以上を組み合わせて用い
る。最も高い磁気的性能はPrで得られるから、実用的に
はPr,PrとNdの組み合わせ、CeとPrとNdの組み合わせ等
を用いるのが好ましい。
r,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luが挙げられ、これ
らのうちの1種あるいは2種以上を組み合わせて用い
る。最も高い磁気的性能はPrで得られるから、実用的に
はPr,PrとNdの組み合わせ、CeとPrとNdの組み合わせ等
を用いるのが好ましい。
希土類元素の比率は、8〜25原子%が適当である。希
土類元素と鉄とボロンとを基本成分とする永久磁石の主
相はR2Fe14B(Rは希土類元素)であるが、希土類元素
が8原子%未満では上記化合物を形成せずα−鉄と同一
構造の立方晶組織となるため良好な磁気的特性が得られ
ない。他方、鋳造法によっても良好な磁気的特性を得る
ためには、25原子%以下とすることが適当であるからで
ある。
土類元素と鉄とボロンとを基本成分とする永久磁石の主
相はR2Fe14B(Rは希土類元素)であるが、希土類元素
が8原子%未満では上記化合物を形成せずα−鉄と同一
構造の立方晶組織となるため良好な磁気的特性が得られ
ない。他方、鋳造法によっても良好な磁気的特性を得る
ためには、25原子%以下とすることが適当であるからで
ある。
ボロンの比率は、2〜8原子%が適当である。2原子
%未満では菱面体のR−Fe系になるため高保磁力を得ら
れず、他方、鋳造法によっても良好な磁気的特性を得る
ためには、8原子%以下とすることが適当であるからで
ある。
%未満では菱面体のR−Fe系になるため高保磁力を得ら
れず、他方、鋳造法によっても良好な磁気的特性を得る
ためには、8原子%以下とすることが適当であるからで
ある。
また少量の添加元素、例えばCo,Al,Mo,Si等や、重希
土元素のDy,Tb等は、保磁力の向上に有効である。
土元素のDy,Tb等は、保磁力の向上に有効である。
Coはキュリー点を高めるのに有効である。永久磁石と
して考えられる1kOe以上の保磁力を得るには50原子%以
内がよい。Coは基本的にFeのサイトを置換しR2Co14Bを
形成するのであるが、この化合物は結晶異方性磁界が小
さく、その量が増すにつれて磁石全体としての保磁力が
小さくなってしまうからである。
して考えられる1kOe以上の保磁力を得るには50原子%以
内がよい。Coは基本的にFeのサイトを置換しR2Co14Bを
形成するのであるが、この化合物は結晶異方性磁界が小
さく、その量が増すにつれて磁石全体としての保磁力が
小さくなってしまうからである。
Alは、保磁力の増大効果を有する。Alの添加量は15原
子%以下がよい。Alは非磁性元素であるため、その添加
量を増すと残留磁束密度が低下し、15原子%を越えると
ハードフェライト以下の残留磁束密度になってしまうか
らである。
子%以下がよい。Alは非磁性元素であるため、その添加
量を増すと残留磁束密度が低下し、15原子%を越えると
ハードフェライト以下の残留磁束密度になってしまうか
らである。
本発明の製造方法では、熱間加工条件を最も高い磁気
的性能が得られる条件にすることにより、磁束密度及び
保磁力の高い磁石が容易に得られる。
的性能が得られる条件にすることにより、磁束密度及び
保磁力の高い磁石が容易に得られる。
〔実施例〕 以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について説
明する。ここに第1図(a)は、磁束密度及び保磁力と
板厚減少率との関係を示すグラフ、第1図(b)は、最
大エネルギー積と板厚減少率との関係を示すグラフ、第
2図(a)は、磁束密度及び保磁力と圧延温度との関係
を示すグラフ、第2図(b)は、最大エネルギー積と圧
延温度との関係を示すグラフである。
明する。ここに第1図(a)は、磁束密度及び保磁力と
板厚減少率との関係を示すグラフ、第1図(b)は、最
大エネルギー積と板厚減少率との関係を示すグラフ、第
2図(a)は、磁束密度及び保磁力と圧延温度との関係
を示すグラフ、第2図(b)は、最大エネルギー積と圧
延温度との関係を示すグラフである。
一般に、磁石の磁気的性能の指標として、磁束密度
(B)と保磁力(H)との積である最大エネルギー積
〔(BH)max〕が用いられる。そして、高い磁気的性能
を得るためには、上記磁束密度(B)と保磁力(H)の
両者を高める必要がある。
(B)と保磁力(H)との積である最大エネルギー積
〔(BH)max〕が用いられる。そして、高い磁気的性能
を得るためには、上記磁束密度(B)と保磁力(H)の
両者を高める必要がある。
そこで、加工率である板厚減少率と磁気的性能との関
係を調べるため、Pr17FebalB5Cu15(at%)の鋳造材
を、剥離剤を介して金属カプセルに封入し、圧延温度95
0℃で、種々の板厚減少率に圧延し、その後上記鋳造材
の磁束密度(Br)及び保磁力(iHc)を測定した。その
結果を第1図(a)に示す。またその最大エネルギー積
〔(BH)max〕と板厚減少率との関係を第1図(b)に
示す。
係を調べるため、Pr17FebalB5Cu15(at%)の鋳造材
を、剥離剤を介して金属カプセルに封入し、圧延温度95
0℃で、種々の板厚減少率に圧延し、その後上記鋳造材
の磁束密度(Br)及び保磁力(iHc)を測定した。その
結果を第1図(a)に示す。またその最大エネルギー積
〔(BH)max〕と板厚減少率との関係を第1図(b)に
示す。
次に、圧延温度と磁気的性能との関係を調べるため、
上記鋳造材を、板厚減少率65%で、種々の温度にて圧延
し、その後上記鋳造材の磁束密度(Br)及び保磁力(iH
c)を測定した。その結果を第2図(a)に示す。ま
た、最大エネルギー積〔(BH)max〕と圧延温度との関
係を第4図(b)に示す。
上記鋳造材を、板厚減少率65%で、種々の温度にて圧延
し、その後上記鋳造材の磁束密度(Br)及び保磁力(iH
c)を測定した。その結果を第2図(a)に示す。ま
た、最大エネルギー積〔(BH)max〕と圧延温度との関
係を第4図(b)に示す。
以上の第1図(b)及び第2図(b)の結果から、高
磁気的性能である(BH)max20以上の磁石を得るには、
圧延温度範囲850〜1000℃,板厚減少率を30%以上とす
る必要があることがわかる。
磁気的性能である(BH)max20以上の磁石を得るには、
圧延温度範囲850〜1000℃,板厚減少率を30%以上とす
る必要があることがわかる。
本発明によれば、希土類元素と鉄とボロンとを基本成
分とする合金の鋳塊を金属カプセル内に封入した状態で
熱間加工する工程を含む希土類−Fe−B系磁石の製造方
法において、上記熱間加工時の加工条件を850〜1000℃
で30%以上の板厚減少率とすることを特徴とする希土類
−Fe−B系磁石の製造方法が提供され、これにより高い
磁気的性能が得られる条件下で熱間加工を行うため、確
実に高性能な希土類−Fe−B系磁石が得られる。
分とする合金の鋳塊を金属カプセル内に封入した状態で
熱間加工する工程を含む希土類−Fe−B系磁石の製造方
法において、上記熱間加工時の加工条件を850〜1000℃
で30%以上の板厚減少率とすることを特徴とする希土類
−Fe−B系磁石の製造方法が提供され、これにより高い
磁気的性能が得られる条件下で熱間加工を行うため、確
実に高性能な希土類−Fe−B系磁石が得られる。
第1図(a)は、磁束密度及び保磁力と板厚減少率との
関係を示すグラフ,第1図(b)は、最大エネルギー積
と板厚減少率との関係を示すグラフ,第2図(a)は、
磁束密度及び保磁力と圧延温度との関係を示すグラフ、
第2図(b)は、最大エネルギー積と圧延温度との関係
を示すグラフである。
関係を示すグラフ,第1図(b)は、最大エネルギー積
と板厚減少率との関係を示すグラフ,第2図(a)は、
磁束密度及び保磁力と圧延温度との関係を示すグラフ、
第2図(b)は、最大エネルギー積と圧延温度との関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 継秋 兵庫県神戸市西区狩場台1―7―7 (72)発明者 宮川 睦啓 兵庫県加古川市平岡町二俣1010番地 (72)発明者 由利 司 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2―31 (72)発明者 下田 達也 長野県諏訪郡富士見町落合10017―16
Claims (1)
- 【請求項1】希土類元素と鉄とボロンとを基本成分とす
る合金の鋳塊を金属カプセル内に封入した状態で熱間加
工する工程を含む希土類−Fe−B系磁石の製造方法にお
いて、 上記熱間加工時の加工条件を850〜1000℃で30%以上の
板厚減少率とすることを特徴とする希土類−Fe−B系磁
石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63152921A JP2561706B2 (ja) | 1988-06-20 | 1988-06-20 | 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63152921A JP2561706B2 (ja) | 1988-06-20 | 1988-06-20 | 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH023904A JPH023904A (ja) | 1990-01-09 |
JP2561706B2 true JP2561706B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=15551062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63152921A Expired - Lifetime JP2561706B2 (ja) | 1988-06-20 | 1988-06-20 | 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2561706B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5790617B2 (ja) | 2012-10-18 | 2015-10-07 | トヨタ自動車株式会社 | 希土類磁石の製造方法 |
-
1988
- 1988-06-20 JP JP63152921A patent/JP2561706B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH023904A (ja) | 1990-01-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4836868A (en) | Permanent magnet and method of producing same | |
US4762574A (en) | Rare earth-iron-boron premanent magnets | |
TW487937B (en) | Quenched thin ribbon of rare earth/iron/boron-based magnet alloy | |
US4747874A (en) | Rare earth-iron-boron permanent magnets with enhanced coercivity | |
JP2727505B2 (ja) | 永久磁石およびその製造方法 | |
US4954186A (en) | Rear earth-iron-boron permanent magnets containing aluminum | |
JP2561706B2 (ja) | 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 | |
US4952252A (en) | Rare earth-iron-boron-permanent magnets | |
JPH0851007A (ja) | 永久磁石およびその製造方法 | |
US4878958A (en) | Method for preparing rare earth-iron-boron permanent magnets | |
JPH0536495B2 (ja) | ||
US4981513A (en) | Mixed particulate composition for preparing rare earth-iron-boron sintered magnets | |
JP2561704B2 (ja) | 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 | |
JP2561705B2 (ja) | 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 | |
JPH0624163B2 (ja) | 永久磁石 | |
US4933009A (en) | Composition for preparing rare earth-iron-boron-permanent magnets | |
JP3199506B2 (ja) | 希土類永久磁石 | |
JP2746111B2 (ja) | 永久磁石用合金 | |
JP2611221B2 (ja) | 永久磁石の製造方法 | |
US5015304A (en) | Rare earth-iron-boron sintered magnets | |
JP2609106B2 (ja) | 永久磁石およびその製造方法 | |
JPH02101710A (ja) | 永久磁石及びその製造方法 | |
JPH05315120A (ja) | 希土類焼結磁石およびその製造方法 | |
JPS6362842A (ja) | 希土類永久磁石材料 | |
JPH01101606A (ja) | 粉末永久磁石およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919 Year of fee payment: 12 |