JP2561705B2 - 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 - Google Patents
希土類−Fe−B系磁石の製造方法Info
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- JP2561705B2 JP2561705B2 JP63152920A JP15292088A JP2561705B2 JP 2561705 B2 JP2561705 B2 JP 2561705B2 JP 63152920 A JP63152920 A JP 63152920A JP 15292088 A JP15292088 A JP 15292088A JP 2561705 B2 JP2561705 B2 JP 2561705B2
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- Japan
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- magnet
- ingot
- metal capsule
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- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、希土類−Fe−B系磁石の製造方法に関し、
更に詳しくは、鋳造後の熱間加工時に、半溶融状態の鋳
塊を剥離剤を介して金属カプセル内に封入する希土類−
Fe−B系磁石の製造方法に関する。
更に詳しくは、鋳造後の熱間加工時に、半溶融状態の鋳
塊を剥離剤を介して金属カプセル内に封入する希土類−
Fe−B系磁石の製造方法に関する。
最近の電気製品の小型化、高効率化の要求に伴い、そ
の材料として高い磁気的性能を持つ希土類元素と鉄とボ
ロンとを基本成分とする合金を用いて磁石を作ることが
望まれている。即ち、希土類−Fe−B系磁石である。
の材料として高い磁気的性能を持つ希土類元素と鉄とボ
ロンとを基本成分とする合金を用いて磁石を作ることが
望まれている。即ち、希土類−Fe−B系磁石である。
希土類−Fe−B系磁石を製造する技術としては、いわ
ゆる焼結法と液体急冷法とが知られているが、これらの
方法よりも生産性に優れた方法として、例えば特開昭62
−203302号公報に開示の如き鋳造法が提案されている。
ゆる焼結法と液体急冷法とが知られているが、これらの
方法よりも生産性に優れた方法として、例えば特開昭62
−203302号公報に開示の如き鋳造法が提案されている。
この鋳造法は、いわゆる焼結法や液体急冷法とは異な
り、希土類元素と鉄とボロンとを基本成分とする合金の
溶湯を鋳型に流し込んで、磁石を鋳造することを基本と
する製造方法である。
り、希土類元素と鉄とボロンとを基本成分とする合金の
溶湯を鋳型に流し込んで、磁石を鋳造することを基本と
する製造方法である。
そして、所望の形状に形成すること及び結晶軸の配向
性を向上するために、鋳塊を金属カプセル内に封入した
上で熱間加工を施すことが提案されている。
性を向上するために、鋳塊を金属カプセル内に封入した
上で熱間加工を施すことが提案されている。
しかし、上記のように金属カプセル内に直接合金磁石
の鋳塊を封入すると、金属カプセルと鋳塊とが反応し
て、両方に割れが生じる。このため、熱間加工時の加工
圧によって金属カプセルの割れから半溶融状態の鋳塊の
液相が飛び出す。また、前記反応によって、熱間加工後
の金属カプセルの除去が困難となる。
の鋳塊を封入すると、金属カプセルと鋳塊とが反応し
て、両方に割れが生じる。このため、熱間加工時の加工
圧によって金属カプセルの割れから半溶融状態の鋳塊の
液相が飛び出す。また、前記反応によって、熱間加工後
の金属カプセルの除去が困難となる。
従って、本発明の目的とするところは、合金磁石の鋳
塊と金属カプセルとの反応を防止することができるよう
にした希土類−Fe−B系磁石の製造方法を提供すること
にある。
塊と金属カプセルとの反応を防止することができるよう
にした希土類−Fe−B系磁石の製造方法を提供すること
にある。
本発明の希土類−Fe−B系磁石の製造方法は、希土類
元素と鉄とボロンとを基本成分とする合金を鋳造し半溶
融状態で熱間加工する工程を含む希土類−Fe−B系磁石
の製造方法において、上記半溶融状態の鋳塊を介して金
属カプセル内に封入した状態で熱間加工を行うことを特
徴とするものである。
元素と鉄とボロンとを基本成分とする合金を鋳造し半溶
融状態で熱間加工する工程を含む希土類−Fe−B系磁石
の製造方法において、上記半溶融状態の鋳塊を介して金
属カプセル内に封入した状態で熱間加工を行うことを特
徴とするものである。
上記構成において、希土類元素としては、Y,La,Ce,P
r,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luが挙げられ、これ
らのうちの1種あるいは2種以上を組み合わせて用い
る。最も高い磁気的性能はPrで得られるから、実用的に
はPr,PrとNdの組みわせ、CeとPrとNdの組み合わせ等を
用いるのが好ましい。
r,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luが挙げられ、これ
らのうちの1種あるいは2種以上を組み合わせて用い
る。最も高い磁気的性能はPrで得られるから、実用的に
はPr,PrとNdの組みわせ、CeとPrとNdの組み合わせ等を
用いるのが好ましい。
希土類元素の比率は、8〜25原子%が適当である。希
土類元素と鉄とボロンとを基本成分とする永久磁石の主
相はR2Fe14B(Rは希土類元素)であるが、希土類元素
が8原子%未満では上記化合物を形成せず、α−鉄と同
一構造の立方晶組織となるため良好な磁気的性能が得ら
れない。他方、鋳造法によっても良好な磁気的特性を得
るためには、25原子%以下とすることが適当であるから
である。
土類元素と鉄とボロンとを基本成分とする永久磁石の主
相はR2Fe14B(Rは希土類元素)であるが、希土類元素
が8原子%未満では上記化合物を形成せず、α−鉄と同
一構造の立方晶組織となるため良好な磁気的性能が得ら
れない。他方、鋳造法によっても良好な磁気的特性を得
るためには、25原子%以下とすることが適当であるから
である。
ボロンの比率は、2〜8原子%が適当である。2原子
%未満では菱面体のR−Fe系になるため高保磁力を得ら
れず、他方、鋳造法によっても良好な磁気的性能を得る
ためには、8原子%以下とすることが適当であるからで
ある。
%未満では菱面体のR−Fe系になるため高保磁力を得ら
れず、他方、鋳造法によっても良好な磁気的性能を得る
ためには、8原子%以下とすることが適当であるからで
ある。
また少量の添加元素、例えば、Co,Al,Mo,Si等や、重
希土元素のDy,Tb等は、保磁力の向上に有効である。
希土元素のDy,Tb等は、保磁力の向上に有効である。
Coはキュリー点を高めるのに有効である。永久磁石と
して考えられる1KOe以上の保磁力を得るには50原子%以
内がよい。Coは基本的にFeのサイトを置換しR2Co14Bを
形成するのであるが、この化合物は結晶異方性磁界が小
さく、その量が増すにつれて磁石全体としての保磁力が
小さくなってしまうからである。
して考えられる1KOe以上の保磁力を得るには50原子%以
内がよい。Coは基本的にFeのサイトを置換しR2Co14Bを
形成するのであるが、この化合物は結晶異方性磁界が小
さく、その量が増すにつれて磁石全体としての保磁力が
小さくなってしまうからである。
Alは、保磁力の増大効果を有する。Alの添加量は15原
子%以下が良い。Alは非磁性元素であるため、その添加
量を増すと残留磁束密度が低下し、15原子%を越えると
ハードフェライト以下の残留磁束密度になってしまうか
らである。
子%以下が良い。Alは非磁性元素であるため、その添加
量を増すと残留磁束密度が低下し、15原子%を越えると
ハードフェライト以下の残留磁束密度になってしまうか
らである。
また、上記構成において、金属カプセルは、合金より
も高融点であることが必要となる。そこで、かかる金属
カプセルの具体例としては、SS,S10C,S25C,SUS304等の
融点が600℃以上の金属材料が挙げられる。
も高融点であることが必要となる。そこで、かかる金属
カプセルの具体例としては、SS,S10C,S25C,SUS304等の
融点が600℃以上の金属材料が挙げられる。
そして、剥離剤としては、ガラス潤滑剤,ボロンナイ
トライド,アルミナ,サイアロン,ジルコニア等が挙げ
られる。
トライド,アルミナ,サイアロン,ジルコニア等が挙げ
られる。
熱間加工としては、押出,圧延,ホットプレス、絞り
等を挙げることができる。
等を挙げることができる。
本発明の製造方法では、希土類元素と鉄とボロンとを
基本成分とする合金の半溶融状態の鋳塊に剥離剤を塗布
して、金属カプセル内に封入する。それから熱間加工を
行うため、合金磁石の鋳塊と金属カプセルとの反応を防
止することができ、両方の割れも防止することができ
る。さらにこのため、熱間加工時の加工圧によって金属
カプセルから半溶融状態の鋳塊の液相が飛び出すことも
防止でき、熱間加工後の金属カプセルの除去も容易とな
る。
基本成分とする合金の半溶融状態の鋳塊に剥離剤を塗布
して、金属カプセル内に封入する。それから熱間加工を
行うため、合金磁石の鋳塊と金属カプセルとの反応を防
止することができ、両方の割れも防止することができ
る。さらにこのため、熱間加工時の加工圧によって金属
カプセルから半溶融状態の鋳塊の液相が飛び出すことも
防止でき、熱間加工後の金属カプセルの除去も容易とな
る。
希土類元素と鉄とボロンとの合金磁石の鋳塊をS10C及
びSUS304製の金属カプセルに封入した。その際に、剥離
剤としてガラス潤滑剤,ボロンナイトライド,アルミ
ナ,サイアロン等を用いた。そして、上記鋳塊を封入し
ている金属カプセルを950℃でホットプレスした。この
時の鋳塊と金属カプセルとの反応を第1表に、金属カプ
セルの除去の容易さを第2表に示す。
びSUS304製の金属カプセルに封入した。その際に、剥離
剤としてガラス潤滑剤,ボロンナイトライド,アルミ
ナ,サイアロン等を用いた。そして、上記鋳塊を封入し
ている金属カプセルを950℃でホットプレスした。この
時の鋳塊と金属カプセルとの反応を第1表に、金属カプ
セルの除去の容易さを第2表に示す。
これによると、剥離剤を用いなかった場合は、S10C,S
US304の両方とも鋳塊と金属カプセルとが反応して、完
全に接合してしまう。さらにSUS304の方は、鋳塊の中央
部に割れが生じた。
US304の両方とも鋳塊と金属カプセルとが反応して、完
全に接合してしまう。さらにSUS304の方は、鋳塊の中央
部に割れが生じた。
剥離剤として、ガラス潤滑剤だけを用いた場合、S10
C,SUS304の両方とも鋳塊と金属カプセルとが反応して、
一部が接合した。
C,SUS304の両方とも鋳塊と金属カプセルとが反応して、
一部が接合した。
一方、他の剥離剤を用いた場合、反応はほとんど起こ
らず、起っても軽微で、金属カプセルも容易に剥離す
る。
らず、起っても軽微で、金属カプセルも容易に剥離す
る。
〔発明の効果〕 本発明によれば、希土類元素と鉄とボロンとを基本成
分とする合金を鋳造し半溶融状態で熱間加工する工程を
含む希土類−Fe−B系磁石の製造方法において、上記半
溶融状態の鋳塊を剥離剤を介して金属カプセル内に封入
した状態で熱間加工を行うことを特徴とする希土類−Fe
−B系磁石の製造方法が提供され、これにより半溶融状
態の鋳塊と金属カプセルとが反応するのを防止して、熱
間加工後の金属カプセルも容易に剥離することができ
る。
分とする合金を鋳造し半溶融状態で熱間加工する工程を
含む希土類−Fe−B系磁石の製造方法において、上記半
溶融状態の鋳塊を剥離剤を介して金属カプセル内に封入
した状態で熱間加工を行うことを特徴とする希土類−Fe
−B系磁石の製造方法が提供され、これにより半溶融状
態の鋳塊と金属カプセルとが反応するのを防止して、熱
間加工後の金属カプセルも容易に剥離することができ
る。
また、反応を防止することにより、鋳塊及び金属カプ
セルの割れも防止でき、半溶融状態の鋳塊の液相が飛び
出すことも防止して良好に熱間加工を行うことができ
る。このため、加工率を増大でき、結晶粒を微細化でき
るので、磁気的性能を向上できる。
セルの割れも防止でき、半溶融状態の鋳塊の液相が飛び
出すことも防止して良好に熱間加工を行うことができ
る。このため、加工率を増大でき、結晶粒を微細化でき
るので、磁気的性能を向上できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 継秋 兵庫県神戸市西区狩場台1―7―7 (72)発明者 宮川 睦啓 兵庫県加古川市平岡町二俣1010番地 (72)発明者 由利 司 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2―31 (72)発明者 下田 達也 長野県諏訪郡富士見町落合10017―16
Claims (1)
- 【請求項1】希土類元素と鉄とボロンとを基本成分とす
る合金を鋳造し半溶融状態で熱間加工する工程を含む希
土類−Fe−B系磁石の製造方法において、 上記半溶融状態の鋳塊を剥離剤を介して金属カプセル内
に封入した状態で熱間加工を行うことを特徴とする希土
類−Fe−B系磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63152920A JP2561705B2 (ja) | 1988-06-20 | 1988-06-20 | 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63152920A JP2561705B2 (ja) | 1988-06-20 | 1988-06-20 | 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH023901A JPH023901A (ja) | 1990-01-09 |
JP2561705B2 true JP2561705B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=15551041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63152920A Expired - Lifetime JP2561705B2 (ja) | 1988-06-20 | 1988-06-20 | 希土類−Fe−B系磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2561705B2 (ja) |
-
1988
- 1988-06-20 JP JP63152920A patent/JP2561705B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH023901A (ja) | 1990-01-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919 Year of fee payment: 12 |