JP2561475B2 - 金属材料強化用プリフォームの成形方法 - Google Patents

金属材料強化用プリフォームの成形方法

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JP2561475B2 JP62166658A JP16665887A JP2561475B2 JP 2561475 B2 JP2561475 B2 JP 2561475B2 JP 62166658 A JP62166658 A JP 62166658A JP 16665887 A JP16665887 A JP 16665887A JP 2561475 B2 JP2561475 B2 JP 2561475B2
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Description

【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明は、ウイスカーを用いた複合材料用プリフォー
ムの成形方法に関する。
b. 従来の技術 たとえば内燃機関用ピストンには、短繊維やウイスカ
ーのプリフォームをアルミニウム合金のような軽合金材
料に鋳込み、これを溶湯鍛造などによって成形して、軽
合金材料からなるピストンを強化することがおこなわれ
ている。
このような用途に供されるプリフォームは次のような
要領で製造されている。
第2図はその製造要領を示すもので、aはプリフォー
ム用の型枠となる治具、bはウイスカー、cはろ紙(濾
紙)またはろ布、dはベース板、eはベース板dに設け
られた吸引孔、fは吸引箱である。このような装置にお
いて適当な溶液に均一に混合したウイスカー等を治具a
に入れ、吸引箱f内の空気を矢印方向に吸引することに
よって溶液を吸引して、治具a内にウイスカーbのプリ
フォームgを形成するようにしている。
c. 発明が解決しようとする問題点 ところで、この成形方法においては、ウイスカーbは
溶液の吸引にともなって沈下していくために、第2図に
示すようにほぼ一定方向(水平方向)に整列した状態で
ろ紙C上に堆積する傾向をもつ。したがって、こうして
得られるプリフォームは、ウイスカーbが積層状となる
ために、方向によって材料強度に差が生じるという欠点
をもっている。すなわち、ウイスカーの配列を無方向性
にすることが、材料特性上好ましい。
d. 問題点を解決するための手段 本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、その目
的は、ウイスカーの配列方向をランダムにして、材料強
度の方向性を解消することができるプリフォームの成形
方法を提供することにある。
本発明では、上記目的を達成するために、プリフォー
ム用の溶液を型枠に注入し、該型枠内の溶液をフィルタ
ーを介して外部に吸引し、該フィルター上にプリフォー
ムを成形する金属材料強化用プリフォームの成形方法に
おいて、上記溶液を注入しながら上記溶液に振動を加え
るとともに上記溶液を吸引し、もって、上記型枠内の溶
液の繊維を3次元的にランダム配置させるようにしてい
る。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明
する。
第1図は本発明を実施するための装置を概念的に示す
説明図であって、1はプリフォーム成形用の治具、2は
ろ紙,ろ布あるいは金属製鋼などからなるろ過シート、
3はこれらろ過部材を支持するベース板、4は上記治具
1に注入されたスラリーAから溶液を吸引するために、
その下方に取付けられた吸引箱、5は上記治具1を振動
させるためにその下方に配設された振動板、6はこの振
動板5に振動を与える振動機、7はこの振動板5の振動
が吸引箱4に伝わるのを防止してその気密性を確保する
ために、これらの間に介設された防振ゴムである。な
お、この吸引箱4には、吸引口4aが設けられており、図
示を省略した真空吸引装置がこれに接続される。
この装置を用いてプリフォームを製造する手順を以下
に述べる。
まず、チタン酸カリウム(K2TiO3)などのウイスカ
ー、あるいは短繊維を、水,アルコールなどの溶液に所
定比率で添加し、これを撹拌することにより、スラリー
(プリフォーム用の溶液)を作る。このスラリーAを上
記治具1に注入し(同図においてその上面が一点鎖線で
示す位置に達する)、振動板5によりこの治具1に振動
を加えながら、上記真空吸引装置により吸引箱4内の空
気を吸引する。
これにより、スラリー中の溶液はろ紙2を経て、ベー
ス板の孔3aより下方へ排出され、吸引箱4の底に溜ま
る。一方、ウイスカーBは溶液の吸引にともなって沈下
していくが、その途中で振動が加えられるために、同図
に示すようにその配列方向がランダムな状態で均一にろ
紙2上に堆積していき、治具1内にプリフォームCが形
成される。以後は治具1よりこのプリフォームCを脱型
すればよい。
e. 実施例 本実施例においては、ウイスカーBとしてチタン酸カ
リウム(K2TiO3)を用いた。まず、このチタン酸カリウ
ム20gを水100ccに加えて2分間撹拌することにより、ス
ラリーを作り、これを治具1(内径50mm,高さ100mm)に
注入した。そして、振動板5を周波数60Hz,振幅1mmで振
動させながら真空吸引(100torr以下)を5分間行なっ
た。なお、その振動方向は、ウイスカーBの状況に応じ
て垂直方向,水平方向あるいはこれらを同時に加えて方
向を、適宜選択すればよい。
この結果、得られたプリフォームCの断面を調査した
ところ、ウイスカーBが無方向に均一分散していること
が、確認された。
f. 発明の効果 以上説明したように、本発明に係る金属材料強化用プ
リフォームの成形方法によれば、プリフォーム用の溶液
を注入しながら該溶液に振動を加えるとともに該溶液を
吸引するようにしている。このため、上記型枠内の溶液
の繊維(ウィスカー)を振動させつつ3次元的にランダ
ムに堆積させることができる。したがって、繊維の配列
方向をランダムに配置した、金属材料を強化するための
プリフォームを容易に得ることができる。これにより、
従来より問題となっていたウイスカーの方向性に起因す
る金属材料の材質強度のむらを解消でき、材料特性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例において使用されるプリフォー
ム製造装置を概念的に示す説明図、第2図は第1図と対
応する従来のプリフォーム成形装置の説明図である。 1……プリフォーム成形用治具、 2……ろ過部材、3……ベース板、 4……吸引箱、5……振動板、 6……振動機、7……防振ゴム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B22D 19/08 B01D 29/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プリフォーム用の溶液を型枠に注入し、該
    型枠内の溶液をフィルターを介して外部に吸引し、該フ
    ィルター上にプリフォームを成形する金属材料強化用プ
    リフォームの成形方法において、上記溶液を注入しなが
    ら上記溶液に振動を加えるとともに上記溶液を吸引し、
    もって、上記型枠内の溶液の繊維を3次元的にランダム
    配置させることを特徴とする金属材料強化用プリフォー
    ムの成形方法。
  2. 【請求項2】上記型枠の下部に振動板を配置し、該型枠
    に対してその下側から振動を加えることを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)項記載の金属材料強化用プリフォ
    ームの成形方法。
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