JP2560178C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、シリコン等の半導体ウェーハの製造方法に係り、特に、半導体素
子の能動領域であるウェーハ表面近傍の結晶品質を向上させることで、半導体素
子の特性及び歩留を飛躍的に向上させることを可能とする、半導体ウェーハの製
造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 LSI、VLSI等のMOS型高集積デバイスの基本構造は、MOS型トラン
ジスター及びMOS型キャパシター等から構成されており、該トランジスターの
ゲート部には、シリコン基板を熱酸化して成長させた厚さ数100Åの薄い熱酸化
膜(ゲート酸化膜)が用いられている。 該ゲート酸化膜の絶縁耐圧特性は、用いられるシリコン基板の表面近傍の結晶
品質に強く依存しており、LSI、VLSI等の高集積デバイスの信頼性及び歩
留を大きく左右する。 【0003】 このような問題を解決する方法として、例えば、特開昭60-231365号公報、特
開昭61-193456号公報、特開昭61-193458号公報、特開昭61-193459号公報、特開
昭62-210627号公報、特開平2-177542号公報に示される如く、シリコン基板を水
素雰囲気中で、950℃〜1200℃の温度で5分以上加熱することにより、シリコン基
板表面に存在するシリコン酸化膜やシリコン酸化物パーティクル及びシリコン基
板表面近傍に存在する酸素析出物を水素還元効果により除去する水素ガス雰囲気
中で半導体基板を熱処理する技術が提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 シリコン基板を水素雰囲気中で加熱する際、雰囲気中に酸素、水等の大気中不
純物が微量混入することにより、シリコンウェーハがくもり、マイクロラフネス
を悪化させることがある。ここでマイクロラフネスとは、高さ数Å〜数10Å程度
の微小な表面荒さのことを言う。 【0005】 このようなマイクロラフネスの劣化は、水素雰囲気熱処理の有効温度域の中で
も特に、低温の950℃〜1050℃の温度域で著しく見られる。 マイクロラフネスの劣化により、改善しようとしたゲート酸化膜の絶縁耐圧特
性が逆に劣化するという問題があった。 【0006】 この水素雰囲気熱処理をデバイスプロセス投入前の処理として用いる場合、シ
リコン基板の表面近傍の結晶品質の改質により有効な高温域(1050℃〜1200℃)を
利用できる。 この温度域においては、水素の還元効果の他に、CZ-Si基板中に含まれてい
る酸素不純物の外方拡散の効果により、シリコン基板表面の結晶性はより向上す
るという利点がある。 【0007】 この発明は、この水素雰囲気処理における低温域でのマイクロラフネスの劣化
という問題を解決することを可能とする半導体ウェーハの製造方法を提供するも
のである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 発明者らは、水素雰囲気処理に於ける低温域でのマイクロラフネスの劣化を解
決する半導体ウェーハの製造方法の提供を目的に、水素雰囲気処理条件について
種々検討した結果、水素ガス雰囲気中での加熱処理において、水、酸素等の大気
中ガス分子の濃度を水換算で5ppm以下とすることにより、基板表面が不均一に酸
化されてマイクロラフネスが劣化する反応を抑制可能であることを知見し、この
発明を完成した。 【0009】 すなわち、この発明は、水素ガス雰囲気中で半導体基板を熱処理する方法にお
いて、加熱雰囲気中の水のガス分子濃度を5ppm以下となして熱処理することを特
徴とする半導体ウェーハの製造方法である。 詳述すると、CZ-Si半導体基板をエピタキシャル反応炉や減圧CVD炉等を
用いて、水素ガス雰囲気中で加熱する半導体ウェーハの製造方法において、熱処
理中の雰囲気中に、水、酸素等の大気中のガス分子が水換算で5ppm以下となして
熱処理することを特徴とする。 【0010】 また、この発明は、上記の構成の半導体ウェーハの製造方法において、 熱処理 温度が950℃〜1200℃であること、 半導体 基板を載置する載置台の温度を300℃以上に保持すること、 基板をローディングする際の炉内温度が300℃以上である炉において、 300℃〜800℃の温度で半導体基板をローディングした後、窒素、Ar、Heなどの
不活性ガス置換すること、 を特徴とする半導体ウェーハの製造方法を併せて提案する。 【0011】 【作用】 この発明は、水素ガス雰囲気中での加熱処理によって、例えば、CZ-Si基板
表面に存在するSi酸化物パーティクル及びCZ-Si基板表面近傍のバルク中に
存在する微小酸素析出物を水素還元によって消滅させることができる。 さらに、加熱中の雰囲気中で水、酸素等の大気中ガス分子の濃度を水分子換算
で5ppm以下とすることによって、シリコン基板表面が不均一に酸化された後、水
素還元されて、シリコン基板表面のマイクロラフネスを劣化させるといった反応
を抑制することができる。 【0012】 この発明において、水素雰囲気熱処理における雰囲気中の水又は酸素分子の濃
度を水分子換算で5ppm以下とする方法は、公知のいずれの熱処理炉でも実施でき
、特に限定しないが、例えば、一般的なエピタキシャル反応炉を用いる場合、半
導体基板をローディングする際に大気開放するため、水分子を吸着することが懸
念されるが、サセプター上に半導体基板を載置する際のサセプター温度を300℃
以上に保持することにより大気開放時の水分子の吸着を抑制することが可能とな
る。従って、炉体の加熱の有無にかかわらず、半導体基板の載置台が300℃以上
に保持されていれば、大気開放時の水分子の吸着を抑制することが可能となる。 【0013】 また、エピタキシャル反応炉の如く、基板をローディングする際の炉内温度が
室温から300℃未満である炉の場合は、サセプターなどの載置台に半導体基板を
載置した後、炉内の大気ガスを窒素ガスで置換し、さらに水素ガスで置換しなが
ら昇温し、750℃〜800℃に昇温した後、10分〜30分間保持することにより水分子
を脱離及び置換した後、所定温度に昇温させて、水分子及び酸素ガス分子濃度を
水分子換算で5ppm以下となすことができる。 【0014】 さらに、H2処理が可能なエピタキシャル炉以外の炉、例えば減圧CVD炉等
でもこの水素雰囲気熱処理を行なうことが可能であり、減圧CVD炉の如く、基
板をローディングする際の炉内温度が300℃以上である炉の場合は、300〜800℃
の温度でSiウェーハをローディングしたのち充分の時間、ガス置換することに
よってSiウェーハとの反応をほとんど起こすことなく雰囲気中の水分子濃度を
水分子換算で5ppm以下とすることが可能である。 【0015】 【実施例】 実施例1 以下、実施例1によって、水素雰囲気熱処理におけるマイクロラフネスと水分
子の濃度の関係を示す。 面方位(100)で鏡面仕上したCZ-Si単結晶ウェーハを、水を0ppm、5ppm、10p
pm、20ppmの濃度で含む水素ガス雰囲気中で1000℃、1050℃、1100℃、1150℃の4
つの温度で各々10分間加熱処理した。 レーザー表面検査装置を用いて、上記Siウェーハのマイクロラフネスを評価
した結果を図1に示す。図1の縦軸は、入射レーザー光の強度に対して、シリコン
ウェーハ表面で全反射された光を除く、乱反射光の強度の割合を示しており、こ
の値が大きいほど、Siウェーハ表面のマイクロラフネスが大きい。 図1中で●印は水濃度0ppm、○印は水濃度5ppm、□印は水濃度10ppm、△印は水
濃度20ppmの場合を示す。 【0016】 図1の結果から、低温ほど、また水の濃度が大きいほど、Siウェーハ表面のマ
イクロラフネスが劣化することを確認した。また、水の代わりに酸素を微量混入
させた場合も、水素との反応により水が生成するために同様にマイクロラフネス
の劣化が起こる。 以上のことから、加熱水素雰囲気中の水又は酸素濃度を水分子換算で5ppm以下
にすることによって、低温域でのマイクロラフネスの劣化を防止できる。 【0017】 実施例2 以下、実施例2によって、シリコンウェーハ表面のマイクロラフネスとMOS
ダイオードのゲート酸化膜耐圧特性との関係を示す。 実施例1で処理されたシリコンウェーハを950℃、35分間、ドライ酸素中で熱酸
化して、厚さ約250Åのゲート酸化膜を形成した後、減圧CVD炉でPoly-Si膜
を約4000Å堆積し、さらにPOCl3雰囲気でPoly-Si膜中にPをドープした。 これらのウェーハをさらにレジストコートマスク露光、現像、エッチング処理
を施して、面積8mm2のPoly-Siゲート電極を形成した。 これらのMOSダイオードのゲート酸化膜耐圧の良品率を図2に示す。良、不
良の判定は電界強度8Mv/cm未満で10μA以上の電流が流れたMOSダイオード
を不良とした。 【0018】 図2中で●印は水濃度0ppm、○印は水濃度5ppm、□印は水濃度10ppm、△印は水
濃度20ppmの場合を示す。 図2より実施例1でマイクロラフネスの劣化の著しいシリコンウェーハほど良品
率が低いことが分かる。このことから、シリコンウェーハ表面のマイクロラフネ
スが劣化することによって、ゲート酸化膜耐圧特性が劣化することが確認された
。さらに、加熱水素雰囲気中の水または酸素濃度を水分子換算で5ppm以下とする
ことによって、マイクロラフネスの劣化が防止され、酸化膜耐圧の劣化を防止す
ることができた。 【0019】 実施例3 実施例3によって、水素雰囲気熱処理に於いて、雰囲気中の水又は酸素分子の
濃度を5ppm以下とする方法の一例を示す。 水分子の濃度は、炉排気部に設置されたサンプリングポートに、大気圧質量分
析器を接続することによって、連続的に測定した。 加熱炉として、容積100lの縦型のエピタキシャル反応炉を用い、室温において
、カーボンサセプター上にSiウェーハを載置した後、ベルジャーを閉じ、N2ガ
ス約100l/min、5分で炉内の大気ガスを置換し、続いてH2ガス約100l/min、5分
でガス置換した。この段階で炉内中の水分子濃度は5ppm以下となった。 次に、H2ガスを約90l/minで流入させつつ、約20分間で1000℃に昇温させた所
、昇温と共に水分子濃度は、増大し最大値で約20ppmに達した後、徐々に減少し
ていったが、5ppm以下となるには1000℃に達した後、なお10分以上を要した。 昇温により発生する水分子は、炉を主要構成する所のカーボンサセプター及び
石英ベルジャーの表面に、大気開放時に吸着し昇温により脱離したものである。 カーボンサセプターからの脱ガス温度は約100℃をピークとして50〜250℃に渡
ることを昇温脱離分析によって明らかにした。また、脱ガス量は、大気開放時間
に依存し、大気開放時間が長くなるにしたがって脱ガス量が増大することも明ら
かになった。 【0020】 以上の知見から、炉のウェーハを載置する際サセプター温度を300℃に保持す
ることにより大気開放時の水分子の吸着を抑制することが可能となる。 また、300℃保持が困難な場合には可能な限り大気開放時間を短くし、750〜80
0℃に昇温した後、10分〜30分間保持することにより水分子を脱離及び置換した
後、所望する加熱温度に昇温する方法によっても水分子の濃度を5ppm以下とする
ことが可能である。 上記保持温度(750〜800℃)に於いては、雰囲気中の水分子の濃度は5ppmを超え
るが、この温度に於いてはSiウェーハは、自然酸化膜に覆われていて、H2及び
水分子との反応はほとんど進行しない。 また、減圧CVD炉等によって水素雰囲気熱処理を行なう場合にも、例えば60
0〜800℃の温度でSiウェーハをローディングしたのち充分の時間ガス置換する
ことによってSiウェーハとの反応をほとんど起こすことなく雰囲気中の水分子
濃度を5ppm以下に制御可能であることを確認した。 【0021】 【発明の効果】 この発明は、シリコン基板を、水、酸素等の大気中不純物を水分子換算で5ppm
以下とし、あるいはさらに、シリコン基板中に含まれる電気的活性不純物と同種
の不純物ガスを所定の濃度含む水素雰囲気中で加熱処理することによって、950
℃〜1050℃で生じるマイクロラフネスの劣化防止の効果がある。 この発明は、公知のいずれの構成の熱処理炉でも実施でき、半導体素子の能動
領域であるウェーハ表面近傍の結晶品質を向上させることで、半導体素子の特性
及び歩留を飛躍的に向上させることが可能になる。
子の能動領域であるウェーハ表面近傍の結晶品質を向上させることで、半導体素
子の特性及び歩留を飛躍的に向上させることを可能とする、半導体ウェーハの製
造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 LSI、VLSI等のMOS型高集積デバイスの基本構造は、MOS型トラン
ジスター及びMOS型キャパシター等から構成されており、該トランジスターの
ゲート部には、シリコン基板を熱酸化して成長させた厚さ数100Åの薄い熱酸化
膜(ゲート酸化膜)が用いられている。 該ゲート酸化膜の絶縁耐圧特性は、用いられるシリコン基板の表面近傍の結晶
品質に強く依存しており、LSI、VLSI等の高集積デバイスの信頼性及び歩
留を大きく左右する。 【0003】 このような問題を解決する方法として、例えば、特開昭60-231365号公報、特
開昭61-193456号公報、特開昭61-193458号公報、特開昭61-193459号公報、特開
昭62-210627号公報、特開平2-177542号公報に示される如く、シリコン基板を水
素雰囲気中で、950℃〜1200℃の温度で5分以上加熱することにより、シリコン基
板表面に存在するシリコン酸化膜やシリコン酸化物パーティクル及びシリコン基
板表面近傍に存在する酸素析出物を水素還元効果により除去する水素ガス雰囲気
中で半導体基板を熱処理する技術が提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 シリコン基板を水素雰囲気中で加熱する際、雰囲気中に酸素、水等の大気中不
純物が微量混入することにより、シリコンウェーハがくもり、マイクロラフネス
を悪化させることがある。ここでマイクロラフネスとは、高さ数Å〜数10Å程度
の微小な表面荒さのことを言う。 【0005】 このようなマイクロラフネスの劣化は、水素雰囲気熱処理の有効温度域の中で
も特に、低温の950℃〜1050℃の温度域で著しく見られる。 マイクロラフネスの劣化により、改善しようとしたゲート酸化膜の絶縁耐圧特
性が逆に劣化するという問題があった。 【0006】 この水素雰囲気熱処理をデバイスプロセス投入前の処理として用いる場合、シ
リコン基板の表面近傍の結晶品質の改質により有効な高温域(1050℃〜1200℃)を
利用できる。 この温度域においては、水素の還元効果の他に、CZ-Si基板中に含まれてい
る酸素不純物の外方拡散の効果により、シリコン基板表面の結晶性はより向上す
るという利点がある。 【0007】 この発明は、この水素雰囲気処理における低温域でのマイクロラフネスの劣化
という問題を解決することを可能とする半導体ウェーハの製造方法を提供するも
のである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 発明者らは、水素雰囲気処理に於ける低温域でのマイクロラフネスの劣化を解
決する半導体ウェーハの製造方法の提供を目的に、水素雰囲気処理条件について
種々検討した結果、水素ガス雰囲気中での加熱処理において、水、酸素等の大気
中ガス分子の濃度を水換算で5ppm以下とすることにより、基板表面が不均一に酸
化されてマイクロラフネスが劣化する反応を抑制可能であることを知見し、この
発明を完成した。 【0009】 すなわち、この発明は、水素ガス雰囲気中で半導体基板を熱処理する方法にお
いて、加熱雰囲気中の水のガス分子濃度を5ppm以下となして熱処理することを特
徴とする半導体ウェーハの製造方法である。 詳述すると、CZ-Si半導体基板をエピタキシャル反応炉や減圧CVD炉等を
用いて、水素ガス雰囲気中で加熱する半導体ウェーハの製造方法において、熱処
理中の雰囲気中に、水、酸素等の大気中のガス分子が水換算で5ppm以下となして
熱処理することを特徴とする。 【0010】 また、この発明は、上記の構成の半導体ウェーハの製造方法において、 熱処理 温度が950℃〜1200℃であること、 半導体 基板を載置する載置台の温度を300℃以上に保持すること、 基板をローディングする際の炉内温度が300℃以上である炉において、 300℃〜800℃の温度で半導体基板をローディングした後、窒素、Ar、Heなどの
不活性ガス置換すること、 を特徴とする半導体ウェーハの製造方法を併せて提案する。 【0011】 【作用】 この発明は、水素ガス雰囲気中での加熱処理によって、例えば、CZ-Si基板
表面に存在するSi酸化物パーティクル及びCZ-Si基板表面近傍のバルク中に
存在する微小酸素析出物を水素還元によって消滅させることができる。 さらに、加熱中の雰囲気中で水、酸素等の大気中ガス分子の濃度を水分子換算
で5ppm以下とすることによって、シリコン基板表面が不均一に酸化された後、水
素還元されて、シリコン基板表面のマイクロラフネスを劣化させるといった反応
を抑制することができる。 【0012】 この発明において、水素雰囲気熱処理における雰囲気中の水又は酸素分子の濃
度を水分子換算で5ppm以下とする方法は、公知のいずれの熱処理炉でも実施でき
、特に限定しないが、例えば、一般的なエピタキシャル反応炉を用いる場合、半
導体基板をローディングする際に大気開放するため、水分子を吸着することが懸
念されるが、サセプター上に半導体基板を載置する際のサセプター温度を300℃
以上に保持することにより大気開放時の水分子の吸着を抑制することが可能とな
る。従って、炉体の加熱の有無にかかわらず、半導体基板の載置台が300℃以上
に保持されていれば、大気開放時の水分子の吸着を抑制することが可能となる。 【0013】 また、エピタキシャル反応炉の如く、基板をローディングする際の炉内温度が
室温から300℃未満である炉の場合は、サセプターなどの載置台に半導体基板を
載置した後、炉内の大気ガスを窒素ガスで置換し、さらに水素ガスで置換しなが
ら昇温し、750℃〜800℃に昇温した後、10分〜30分間保持することにより水分子
を脱離及び置換した後、所定温度に昇温させて、水分子及び酸素ガス分子濃度を
水分子換算で5ppm以下となすことができる。 【0014】 さらに、H2処理が可能なエピタキシャル炉以外の炉、例えば減圧CVD炉等
でもこの水素雰囲気熱処理を行なうことが可能であり、減圧CVD炉の如く、基
板をローディングする際の炉内温度が300℃以上である炉の場合は、300〜800℃
の温度でSiウェーハをローディングしたのち充分の時間、ガス置換することに
よってSiウェーハとの反応をほとんど起こすことなく雰囲気中の水分子濃度を
水分子換算で5ppm以下とすることが可能である。 【0015】 【実施例】 実施例1 以下、実施例1によって、水素雰囲気熱処理におけるマイクロラフネスと水分
子の濃度の関係を示す。 面方位(100)で鏡面仕上したCZ-Si単結晶ウェーハを、水を0ppm、5ppm、10p
pm、20ppmの濃度で含む水素ガス雰囲気中で1000℃、1050℃、1100℃、1150℃の4
つの温度で各々10分間加熱処理した。 レーザー表面検査装置を用いて、上記Siウェーハのマイクロラフネスを評価
した結果を図1に示す。図1の縦軸は、入射レーザー光の強度に対して、シリコン
ウェーハ表面で全反射された光を除く、乱反射光の強度の割合を示しており、こ
の値が大きいほど、Siウェーハ表面のマイクロラフネスが大きい。 図1中で●印は水濃度0ppm、○印は水濃度5ppm、□印は水濃度10ppm、△印は水
濃度20ppmの場合を示す。 【0016】 図1の結果から、低温ほど、また水の濃度が大きいほど、Siウェーハ表面のマ
イクロラフネスが劣化することを確認した。また、水の代わりに酸素を微量混入
させた場合も、水素との反応により水が生成するために同様にマイクロラフネス
の劣化が起こる。 以上のことから、加熱水素雰囲気中の水又は酸素濃度を水分子換算で5ppm以下
にすることによって、低温域でのマイクロラフネスの劣化を防止できる。 【0017】 実施例2 以下、実施例2によって、シリコンウェーハ表面のマイクロラフネスとMOS
ダイオードのゲート酸化膜耐圧特性との関係を示す。 実施例1で処理されたシリコンウェーハを950℃、35分間、ドライ酸素中で熱酸
化して、厚さ約250Åのゲート酸化膜を形成した後、減圧CVD炉でPoly-Si膜
を約4000Å堆積し、さらにPOCl3雰囲気でPoly-Si膜中にPをドープした。 これらのウェーハをさらにレジストコートマスク露光、現像、エッチング処理
を施して、面積8mm2のPoly-Siゲート電極を形成した。 これらのMOSダイオードのゲート酸化膜耐圧の良品率を図2に示す。良、不
良の判定は電界強度8Mv/cm未満で10μA以上の電流が流れたMOSダイオード
を不良とした。 【0018】 図2中で●印は水濃度0ppm、○印は水濃度5ppm、□印は水濃度10ppm、△印は水
濃度20ppmの場合を示す。 図2より実施例1でマイクロラフネスの劣化の著しいシリコンウェーハほど良品
率が低いことが分かる。このことから、シリコンウェーハ表面のマイクロラフネ
スが劣化することによって、ゲート酸化膜耐圧特性が劣化することが確認された
。さらに、加熱水素雰囲気中の水または酸素濃度を水分子換算で5ppm以下とする
ことによって、マイクロラフネスの劣化が防止され、酸化膜耐圧の劣化を防止す
ることができた。 【0019】 実施例3 実施例3によって、水素雰囲気熱処理に於いて、雰囲気中の水又は酸素分子の
濃度を5ppm以下とする方法の一例を示す。 水分子の濃度は、炉排気部に設置されたサンプリングポートに、大気圧質量分
析器を接続することによって、連続的に測定した。 加熱炉として、容積100lの縦型のエピタキシャル反応炉を用い、室温において
、カーボンサセプター上にSiウェーハを載置した後、ベルジャーを閉じ、N2ガ
ス約100l/min、5分で炉内の大気ガスを置換し、続いてH2ガス約100l/min、5分
でガス置換した。この段階で炉内中の水分子濃度は5ppm以下となった。 次に、H2ガスを約90l/minで流入させつつ、約20分間で1000℃に昇温させた所
、昇温と共に水分子濃度は、増大し最大値で約20ppmに達した後、徐々に減少し
ていったが、5ppm以下となるには1000℃に達した後、なお10分以上を要した。 昇温により発生する水分子は、炉を主要構成する所のカーボンサセプター及び
石英ベルジャーの表面に、大気開放時に吸着し昇温により脱離したものである。 カーボンサセプターからの脱ガス温度は約100℃をピークとして50〜250℃に渡
ることを昇温脱離分析によって明らかにした。また、脱ガス量は、大気開放時間
に依存し、大気開放時間が長くなるにしたがって脱ガス量が増大することも明ら
かになった。 【0020】 以上の知見から、炉のウェーハを載置する際サセプター温度を300℃に保持す
ることにより大気開放時の水分子の吸着を抑制することが可能となる。 また、300℃保持が困難な場合には可能な限り大気開放時間を短くし、750〜80
0℃に昇温した後、10分〜30分間保持することにより水分子を脱離及び置換した
後、所望する加熱温度に昇温する方法によっても水分子の濃度を5ppm以下とする
ことが可能である。 上記保持温度(750〜800℃)に於いては、雰囲気中の水分子の濃度は5ppmを超え
るが、この温度に於いてはSiウェーハは、自然酸化膜に覆われていて、H2及び
水分子との反応はほとんど進行しない。 また、減圧CVD炉等によって水素雰囲気熱処理を行なう場合にも、例えば60
0〜800℃の温度でSiウェーハをローディングしたのち充分の時間ガス置換する
ことによってSiウェーハとの反応をほとんど起こすことなく雰囲気中の水分子
濃度を5ppm以下に制御可能であることを確認した。 【0021】 【発明の効果】 この発明は、シリコン基板を、水、酸素等の大気中不純物を水分子換算で5ppm
以下とし、あるいはさらに、シリコン基板中に含まれる電気的活性不純物と同種
の不純物ガスを所定の濃度含む水素雰囲気中で加熱処理することによって、950
℃〜1050℃で生じるマイクロラフネスの劣化防止の効果がある。 この発明は、公知のいずれの構成の熱処理炉でも実施でき、半導体素子の能動
領域であるウェーハ表面近傍の結晶品質を向上させることで、半導体素子の特性
及び歩留を飛躍的に向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
温度と乱反射光の強度との関係を示すグラフである。
【図2】
温度と酸化膜耐圧良品率との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 水素ガス雰囲気中で半導体基板を熱処理する方法において、加
熱雰囲気中の水分子及び酸素ガス分子濃度を水分子換算で5ppm以下となして熱処
理することを特徴とする半導体ウェーハの製造方法。 【請求項2】 基板をローディングする際の炉内温度が室温から300℃未満であ
る炉において、載置台に半導体基板を載置した後、炉内の大気ガスを不活性ガス
で置換し、さらに水素ガスで置換しながら昇温し、750℃〜800℃に昇温した後、
10分〜30分間保持することにより水分子を脱離した後、所定温度に昇温させて、
水分子及び酸素ガス分子濃度を水分子換算で5ppm以下となすことを特徴とする請
求項1記載の半導体ウェーハの製造方法。
Family
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