JP2560096B2 - 内燃機関用複合ピストンの製造方法 - Google Patents

内燃機関用複合ピストンの製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、内燃機関に使用されるアルミ合金製ピスト
ンの一部分、つまり、当該ピストンに対してトップリン
グが嵌まる溝を刻設する部分や、クラウン部分を、異質
金属によって補強するようにした複合ピストンの製造方
法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、内燃機関に使用されるアルミ合金製ピストンの
うち当該ピストンに対してトップリングが嵌まる溝を刻
設する部分の補強には、当該部分に鉄系ニレジスト製の
リング体を鋳込むのが一般的であったが、リング体とア
ルミ合金との結合性が低く、且つ、トップリングが嵌ま
る溝の加工が困難であり、しかも、前記鉄系ニレジスト
製のリング体はコストが高く、且つ、ピストンの重量が
増大する等の問題があった。
そこで、先行技術としての、特開昭59−212159号公報
又は特開昭60−118367号公報等は、発泡ニッケル等のニ
ッケル多孔体を使用し、このニッケル多孔体を、ピスト
ンを鋳造するための金型内のうち当該ピストンに対して
トップリングが嵌まる溝を刻設する部分に配設したの
ち、前記金型内に、溶融アルミ合金を加圧状態(約400k
g/cm2以上の圧力)で充填することを提案している。
そして、このニッケル多孔体とアルミ合金との結合を
強固にするために、前記鋳造後において約450〜550℃の
温度で1〜10時間の間にわたって加熱処理を施すことに
より、ニッケルとアルミの合金層を生成するようにして
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、ここに使用するニッケルは、それ自体、高価
であると共に、鋳造後において前記のような長い時間に
わたる加熱処理を必要するので、製造コストが大幅にア
ップするばかりか、ニッケルは比重が大きいから、ピス
トンの重量が可成りアップするのであった。
また、アルミ合金製のピストンのうちトップリングが
嵌まる溝を刻設する部分やクラウン部分を、多孔体によ
って補強することの別の意味には、ピストンのうちトッ
プリングが嵌まる溝を刻設する部分やクラウン部分にお
ける熱膨脹を、多孔体によって抑制すること、及び、ピ
ストンへの熱伝達を低減することにあるが、前記ニッケ
ルは、熱膨脹係数及び熱伝導率が大きいので、このニッ
ケルの多孔体によって熱膨脹を抑制すること、熱伝達を
阻止することの効果は低いのであった。
本発明は、ニッケルよりも軽く廉価で、且つ、熱膨脹
係数及び熱伝達率が小さい鉄の多孔体を使用して、アル
ミ合金製ピストンのうちトップリングが嵌まる溝を刻設
する部分やクラウン部分を補強することを提案するもの
である。
しかし、鉄の多孔体の製造に際しては、発泡剤による
直接発泡方法では発泡することができず、また、ニッケ
ルのように、発泡合成樹脂の表面にニッケルを電気メッ
キし、次いで、加熱によって合成樹脂を焼失すると云う
方法を採用することができないのである。
そこで、本発明者は、鉄の多孔体を得ること、及びこ
の鉄の多孔体とアルミ合金とを強固に結合することにつ
いて種々研究した結果、本発明を完成するに至った。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、酸化鉄の粒状物を高温で還元焼
成して多孔性の補強体を形成し、この多孔性の補強体
を、ピストンを鋳造するための金型内のうち当該ピスト
ンを補強する部分に配設したのち、前記金型内に、溶融
アルミ合金を注入して加圧するか、又は溶融アルミ合金
を加圧状態で充填するものである。
〔作用〕
このように、酸化鉄の粒状物を高温で還元焼成する
と、酸化鉄は鉄に還元する。この補強体を、金型内にお
ける所定の箇所に配設して、金型内に、溶融アルミ合金
を注入して加圧するか、又は溶融アルミ合金を加圧充填
することにより、溶融アルミ合金は、補強体内に浸透
し、補強体における還元鉄と合金化して凝固するから、
高温強度に優れ、且つ、熱膨脹が低いアルミ合金ピスト
ンを得ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を、アルミ合金製ピストンのう
ちトップリングが嵌まる溝を刻設する部分やクラウン部
分を補強する場合に適用した図面について説明する。
先づ、粒径が約1〜1000ミクロン、好ましくは、約45
ミクロンの鉄のミル・スケールの粒状物(若干の炭素と
珪素とを含む)を、第1図に示すように、円筒形に固め
成形して、多孔性の円筒形成形体1を製作する。この固
め成形に際しては、体積率(成形体の体積に対するミル
・スケールの体積の割合)を約23〜50%に、つまり、気
孔率を約50〜77%にする。
この多孔性の円筒形成形体1を、第2図に示すよう
に、耐熱体製の円筒形サガー2内に入れると共に、当該
円筒形成形体1の外側と内側との両方に、コークスの粉
末と石灰との混合物3を充填したのち、約1100〜1150℃
の温度で、数10時間にわたって加熱するという還元焼成
を行うことにより、外径がDで内径がdの円筒形の多孔
性補強素材4を得る。
この還元焼成により、各ミル・スケールの粒状物は、
互いに結合されると共に、各ミル・スケールは酸素が除
かれて鉄に還元することにより、鉄の多孔体が得られ
る。
次いで、この円筒形の多孔性補強素材4を、第3図に
示すように、その軸方向に沿って適宜長さ(l)ごとに
輪切り状に切断することにより、外径がDで内径がdで
幅がlの多孔性のリング状補強体5を得る。
この多孔性のリング状補強体5を、第4図に示すよう
に、ピストンを鋳造するために金型6内のうちピストン
に対してトップリングが嵌まる溝を刻設する部分に配設
したのち、前記金型6内に、溶融アルミ合金を、約400
〜1000kg/cm2の圧力の加圧状態で充填するか、又は、金
型6内に、溶融アルミ合金を注入したのち、中子型6aを
矢印で示すように押し込むことにより、約400〜1000kg/
cm2の圧力に加圧する。
すると、溶融アルミ合金は、前記多孔性のリング状補
強体5内に浸透し、補強体5における還元鉄と合金化し
て凝固するから、第5図に示すように、トップリングが
嵌まる溝を刻設する部分に、多孔性のリング状補強体5
を、一体的に鋳込んで成る複合ピストン7が得られる。
この場合、還元鉄とアルミ合金との合金化をより促進す
るには、前記補強体5を、金型6内において100〜300℃
に予熱してから、これに溶融アルミ合金を加圧充填する
か、又は、溶融アルミ合金を注入したのち加圧するよう
にすれば良い。
なお、鋳造後の複合ピストン7は、その外径を機械加
工するとき、第6図に示すように、その外面のうち前記
補強体5の部分にトップリングが嵌まる溝8を、当該補
強体5の以外の部分にセカンドリングが嵌まる溝9及び
オイルリングが嵌まる溝10を各々刻設するものである。
そして、ここに得られた複合ピストン7におけるトッ
プリングが嵌まる溝8の部分における耐摩耗性と引張強
度とを、前記補強体5を使用しないアルミ合金製ピスト
ンと比較する試験を行ったところ、常温における耐摩耗
性は約100%、400℃の温度における耐摩耗性は約800%
もアップし、常温における引張強度は約20%、400℃の
温度における引張強度は約100%もアップしたのであ
る。
また、トップリングが嵌まる溝8を加工するときの加
工性は、当該溝8を刻設する部分に、頭記した従来のよ
うに、炭素鋼のリング体を鋳込んだ場合に比べて、約50
〜200%もアップしたのであり、更にまた、前記補強体
5を鋳込んだ部分における熱膨脹係数は、補強体5を使
用しないアルミ合金製ピストンの場合に比較して、約70
〜80%に減少できるのであり、加えて、前記補強体5を
鋳込んだ複合ピストン7の重量は、補強体5を使用しな
いアルミ合金製ピストンに比べて約10%程度だけ増加す
るのみであった。
なお、前記多孔性リング状補強体5における気孔率
は、50〜77%にするのが好ましく、気孔率が50%未満で
あると、補強体5の組織内への溶融アルミ合金の浸透性
が悪くなるので、補強体5のアルミ合金に対する結合強
度が低下するし、補強体5の組織内に溶融アルミ合金を
一層浸透させるには溶融アルミ合金により高い圧力をか
けるようにしなければならないので、コストがアップす
るばかりか、ピストンの重量もアップするのであり、ま
た、気孔率が77%を越えると、補強体5による補強の効
果が低くなるのであって、最も好ましいのは、約70%の
前後であった。更にまた、前記還元焼成後における多孔
性補強素材4には、溶融アルミ合金の加圧充填に際して
形崩れすることを防止するために、約10〜500kg/cm2
度の圧縮強度が必要であった。
また、実験によると、補強体5における気孔率を高い
値にした場合、当該補強体5の温度が低い状態で、これ
に溶融アルミ合金の加圧充填すると、当該補強体5に形
崩れが発生したが、この場合、補強体5を約300℃に予
熱することにより、この形崩れを防止できるのであり、
300℃より高い温度の予熱は、コストのアップを招来す
るのみで不必要であった。
なお、前記実施例は、ピストンのうちトップリングが
嵌まる溝の部分を補強する場合を示したが、本発明は、
これに限らず、ピストンのうちそのクラウン部分を補強
する場合にも適用できることは云うまでもない。
〔発明の効果〕
以上の通り本発明によると、アルミ合金製ピストンの
うちトップリングが嵌まる溝等のように補強を必要とす
る部分を、鉄の酸化物を使用して強固に補強することが
できるのであり、ここに使用する酸化鉄は、前記先行技
術に使用するニッケルより遥かに安価であり、しかも、
鉄は、ニッケルよりも熱膨脹係数及び熱伝達率並びに比
重が小さいから、異質金属で補強した複合ピストンの製
造コストを低減できると共に、複合ピストンを軽量化で
きて、アルミ合金製ピストンの耐久性を更に向上できる
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例の工程図を示し、第1図は酸化鉄
の粒状物を固め成形した成形体の斜視図、第2図は還元
焼成の状態を示す縦断正面図、第3図は還元焼成した補
強素材から補強体を輪切りしている状態を示す斜視図、
第4図は金型による鋳造の状態を示す縦断正面図、第5
図及び第6図は複合ピストンの縦断正面図である。 1……円筒形成形体、2……還元焼成用サガー、3……
コークスの粉末と石灰との混合物、4……補強素材、5
……補強体、6……金型、6a……中子型、7……複合ピ
ストン、8……トップリング用溝、9……セカンドリン
グ用溝、10……オイルリング用溝。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化鉄の粒状物を高温で還元焼成して多孔
    性の補強体を形成し、この多孔性の補強体を、ピストン
    を鋳造するための金型内のうち当該ピストンを補強する
    部分に配設したのち、前記金型内に、溶融アルミ合金を
    注入して加圧するか、又は溶融アルミ合金を加圧状態で
    充填することを特徴とする内燃機関用複合ピストンの製
    造方法。
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