JP2559960Y2 - バッテリ残量表示装置 - Google Patents

バッテリ残量表示装置

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JP2559960Y2
JP2559960Y2 JP10915291U JP10915291U JP2559960Y2 JP 2559960 Y2 JP2559960 Y2 JP 2559960Y2 JP 10915291 U JP10915291 U JP 10915291U JP 10915291 U JP10915291 U JP 10915291U JP 2559960 Y2 JP2559960 Y2 JP 2559960Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、バッテリ残量表示装置
に関し、特に電源電池を内蔵するカメラにおいて、バッ
テリの残量を撮影可能なフィルム本数で表示するように
した装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のカメラのオートフォーカス(A
F)化に伴い、電磁シャッタやフィルム送給を行なうた
めのモータ駆動および露出制御回路の作動に加え、レン
ズをAF駆動するためにも電源が必要になっており、こ
れらの作動を支障なく行なうために電源電圧が規定値以
上に保持されていることが必要である。
【0003】従来、電源電池を内蔵するカメラにおいて
は、電源電池がまだ使用可能か否かを表示するために電
源電池の電圧をメータあるいは発光ダイオード等によっ
て表示することが行なわれていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の装置では、電源電池の現在の電圧レベルを大まか
に知ることはできるが、電源電池の残量が後どの位あり
かつ後どの位の本数のフィルムを撮影できるかは知るこ
とができなかった。このため、撮影中に突然電池がなく
なり、以後の撮影が不可能になることがあり、これを防
止するためには撮影者は常に余分の電池を所持している
必要があった。
【0005】本考案の目的は、このような従来例の装置
における問題点に鑑み、電源電池を内蔵するカメラにお
いて、バッテリの残量を撮影可能なフィルム本数で表示
できるようにし、もって電源電池の交換時期などを的確
に知ることができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決のため
に、本考案の第1の態様に係わるバッテリ残量表示装置
は、カメラに内蔵された電源電池の条件を設定する手段
と、カメラが消費する電流の消費電流積を積算する手段
と、前記電源電池の条件および前記消費電流積にもとづ
き前記電源電池の残量を計算する手段と、カメラの撮影
条件を検出する手段と、前記電源電池の残量および前記
カメラの撮影条件にもとづき撮影可能なフィルム本数を
計算する手段と、計算された前記撮影可能なフィルム本
数を表示する手段とを具備することを特徴とする。
【0007】また、少なくとも前記電源電池に関する温
度条件を検出する温度検出手段をさらに設け、該温度条
件にもとづき前記電源電池の条件その他を補正すると好
都合である。
【0008】さらに、前記電源電池を交換した時に前記
電源電池の条件および/または積算された前記消費電流
積をリセットするよう構成することも可能である。
【0009】さらに、本考案の第2の態様に係わるバッ
テリ残量表示装置は、電源電池の条件を設定する手段
と、該電源電池の電圧を測定する手段と、前記電源電池
の条件および前記電源電池の電圧から電池残量率を計算
する手段と、カメラの撮影条件を検出する手段と、カメ
ラの撮影条件から撮影持続時間を計算する手段と、前記
撮影持続時間および前記電源電池の残量率に基づき撮影
可能なフィルム本数を計算する手段と、計算された撮影
可能なフィルム本数を表示する表示手段とを具備するこ
とを特徴とする。
【0010】 この場合、前記電源電池の条件お
よび前記電源電池の電圧から電池残量率を計算する手段
は新品電池の決められた終止電圧までの放電時間と電源
電池の測定時点の電圧から同一の終止電圧までの放電時
間の比率を計算する手段を具備すると好都合である。
【0011】また、前記カメラの撮影条件を検出する手
段は、フィルム一本当たりの撮影枚数の入力手段および
確認手段、撮影モード確認手段、レンズ側がAFモード
時にスキャンを一回行なわせるためのスキャン指令手
段、該スキャン時間を測定する手段、および該スキャン
時の消費電流を測定する手段などによって構成すること
ができる。
【0012】さらに、前記撮影持続時間の計算手段はフ
ィルム一本を撮影するのに要する撮影時間の計算手段、
フィルム一本を撮影するのに要する消費電流積の計算手
段、前記撮影時間の計算手段および消費電流積の計算手
段からフィルム一本を撮影するのに要する平均消費電流
を計算する手段、該平均消費電流から負荷抵抗を計算す
る手段、該負荷抵抗に基づき撮影持続時間を計算する手
段を具備すると好都合である。
【0013】また、この場合も少なくとも前記電源電池
に関する温度条件を検出する温度検出手段をさらに設
け、該温度条件に基づき少なくとも前記電源電池の条件
を補正すると好都合である。
【0014】
【作用】上記第1の態様に係る構成においては、前記電
源電池の条件を設定する手段によって、例えば、電池の
種類、本数等が設定される。また、カメラが消費する電
流の消費電流積が積算され、前記電源電池の条件から決
まる電池の容量および前記消費電流積にもとづき電源電
池の残量が計算される。また、カメラの撮影条件、例え
ば、レンズの種類、使用状態、カメラの自動巻き上げ、
自動巻き戻し、シャッタスピード等が検出され、前記電
源電池の残量および前記カメラの撮影条件にもとづき撮
影可能なフィルム本数が計算されかつ表示される。これ
により、カメラの電源電池で後どの位のフィルム本数が
撮影可能かを直接確認することができ、電池の交換時期
等を的確に予測できる。
【0015】また、前記温度検出手段を設けることによ
り、電源電池の電流供給能力が温度条件によって補正さ
れより的確な電池残量が検出される。なお、温度検出手
段は電源電池に関する温度条件のみではなく例えばカメ
ラの他の部分の温度を検出するようにしてもよく、この
場合は温度条件にもとづく消費電流等も加味してさらに
的確な残量表示が可能となる。
【0016】さらに、電源電池を交換した時に前記電源
電池の条件および/または積算された前記消費電流積が
リセットされるようにすることにより電源電池の交換に
応じて各条件が初期化されより的確なバッテリ残量表示
が行なわれる。
【0017】また、上述の本考案の第2の態様に係わる
バッテリ残量表示装置においては、前記電池残量率を計
算する手段は、例えば、新品電池の決められた終止電圧
までの放電時間と電源電池の測定時点の電圧から同一の
終止電圧までの放電時間との比率によって電池残量率を
求める。また、前記撮影持続時間を計算する手段は、例
えば、フィルム一本を撮影するのに要する撮影時間とフ
ィルム一本を撮影するのに要する消費電流積からフィル
ム一本を撮影するのに要する平均消費電流を計算する。
そして、該平均消費電流から負荷抵抗を求め、該負荷抵
抗に基づき電池の持続時間すなわち撮影持続時間を求め
る。この場合、電池の負荷抵抗と持続時間の相関データ
は予めメインCPUなどに記憶しておく。このようにし
て求めた撮影持続時間および電源電池の残量率をかけ合
せることにより電源電池の残りの持続時間が得られ、こ
の残りの持続時間をフィルム一本の撮影に要する時間で
除算することにより撮影可能なフィルム本数に対応する
数値を得ることができる。
【0018】なお、この場合も前記温度検出手段により
電源電池の電流供給能力が温度条件によって補正される
ようにすることによってより的確な電池残量の検出が可
能となる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例を説明
する。電源電池の撮影に使用できる電池容量を表現する
単位として、消費電流と使用時間の積、即ち消費電流積
を使用することができる。本出願人の実験によれば、電
源電池の条件、使用するレンズの撮影条件、例えば、無
限遠から至近距離まで合焦光学系を往復させてからレリ
ーズする等、カメラ側の条件、例えば、自動巻き上げ、
自動巻き戻し、シャッタスピード等、フィルム一本当り
の撮影枚数条件、撮影時の温度条件等が決まっておれ
ば、撮影可能なフィルム本数はほぼ一定になることが判
明した。これを具体的に表現すると次式のようになる。 N=K(C0−CT)/[CS・n1+C1(3+n1)+C2 +(IB+IL){tr(3+n1)+ts・n1+tR+tH}] …(1) この式においては、各変数は以下のように定義してい
る。 N:撮影可能なフィルム本数 K:温度補正係数 n1:フィルム一本当りの撮影枚数 IB:半押し電流、即ち測光、測距、表示、ボディ側C
PUの消費電流等 IL:レンズ側回路の消費電流 ts:レンズのスキャン、即ち無限→至近→無限への合
焦光学系の駆動、に要する時間 tr:レリーズおよびフィルム1枚分の巻き上げに要す
る時間 tR:自動巻き戻しに要する時間 tH:半押しオフ後の表示ホールド時間 CS:合焦光学系の無限→至近→無限に至るスキャンに
要するレンズの消費電流積 C1:フィルム巻き上げ1サイクル、即ちレリーズおよ
び1枚巻き上げ、に要する消費電流積 C2:フィルム撮影後の自動巻き戻しに要するフィルム
1本分の消費電流積 CT:撮影に使用した総消費電流積 C0:電源電池の撮影可能な電流積、即ち初期の容量
【0020】図1は、上式の内容について詳しく説明す
るために典型的な撮影条件のパターンを示す。同図に示
されるように、カメラにフィルムを入れてシャッターボ
タンを押した時、あるいは蓋を閉じた時に、フィルム3
コマ分が自動的に空送りされて撮影可能な状態になる。
実際の撮影では撮影のインターバルは一定ではなく、か
つすべての撮影がAF撮影とは限らないが、本件の場合
は撮影条件のパターン化を行なうことで撮影可能なフィ
ルム本数を計算することにする。そこで、撮影は合焦光
学系を無限遠から至近距離までモータ駆動により往復
(スキャン)させた後レリーズしかつモータ駆動で自動
巻き上げを行なうパターンを繰り返し、フィルム1本当
りの撮影可能枚数のレリーズを終了したら直ちにモータ
駆動で巻き戻してフィルム1本分の撮影を完了するもの
とする。これをフィルム撮影のワンサイクルとし、この
パターンを繰り返していくものとする。
【0021】本考案の第1の態様においては、このよう
な撮影パターンに基づき消費電流とその消費時間の積、
すなわち消費電流積を計数して電源電池の使用容量を算
出するとともに、使用初期の電池容量C0を設定してお
き、ここから使用容量を減じることで電池の残量を計算
し、この残量を撮影可能なフィルム本数で表示する。こ
の方法は、例えばレンズ交換を行なわないカメラにおけ
る使用に適している。
【0022】これに対し、例えばレンズ交換を行なうカ
メラのように撮影に使用されるレンズの駆動に要するフ
ィルム1駒当たりの消費電流積の大きさが変化するカメ
ラでは、前記電源電池の使用初期の電池容量C0の値が
該消費電流積の大きさによって変化することが本考案者
の実験により明らかとなった。従って、レンズ交換を行
なうカメラにおいては、例えば1駒当たりの消費電流積
が小さいレンズに比べ該消費電流積が大きいレンズで使
用可能な初期容量C0の値は小さくなる。このことは、
電池メーカーが発行する電池の特性からも推定できる。
【0023】そこで、本考案の第2の態様においては、
フィルム一本を撮影するのに要する撮影時間およびフィ
ルム一本を撮影するにの要する消費電流積を計算し、こ
れらの撮影時間および消費電流積からフィルム一本を撮
影するのに要する平均消費電流を計算し、該平均消費電
流から負荷抵抗を求める。そして、予め設定された負荷
抵抗と電池持続時間との関係を用いて、前記負荷抵抗か
ら電池の持続時間すなわち撮影持続時間を計算する。ま
た、電源電池の電圧を測定し、この電源電池の電圧から
電池残量率を求める。そして、前記撮影持続時間および
前記電源電池の残量率から撮影可能なフィルム本数を計
算しかつ表示する。
【0024】このような方法による撮影可能フィルム本
数Nは、次の式によって表わされる。 N=K×h×(Hs−H1)/(Hs×H0) …(2) Cf=CS・n1+C1(3+n1)+C2+(IB+IL) {tr(3+n1)+ts・n1+tR+tH}…(3) H0=tr(3+n1)+ts・n1+tR+tH …(4) i=Cf/H0 …(5) R=V/i …(6) これらの式において、各変数は以下のように定義する。
なお、前記式(1)と同じ変数は省略する。 Cf:フィルム一本の撮影に要する消費電流積 i:フィルム一本の撮影に要する平均消費電流 H0:フィルム一本の撮影に要する時間 R:平均電流を平均電圧で割って求めた負荷抵抗 V:電源電池の平均電圧 h:電池の負荷抵抗特性から求めた初期電圧から終止電
圧に達するまでの持続時間 Hs:電池の放電特性から求めた初期電圧から終止電圧
に達するまでの時間 H1:電池の放電特性から求めた初期電圧から測定電圧
に達するまでの時間
【0025】このように、式(2)では電池の持続時間
の残量をフィルム一本の撮影に要する時間で割って撮影
可能本数を求めている。これに対し、前記式(1)は電
池の電流積残量をフィルム一本の撮影に要する消費電流
積で割って撮影可能本数を求めている。なお、式(2)
における撮影条件のパターンは、式(1)の場合と同様
に図1に示すものを用いることができる。
【0026】図2は、上述のような撮影条件にもとづ
き、撮影時の消費電流と時間との関係を部分的に示すも
のである。カメラにフィルムを装填して、所定の空送
り、通常3コマ分、の後レリーズボタンを半押しする
と、図2の左端P1の部分に示すように半押しによる電
流が電源電池から流れることになる。この電流の内訳
は、ボディ側の分としての前記消費電流IBおよびレン
ズ側のCPUとメインCPUの通信で消費されるレンズ
側回路の前記消費電流ILとを合計した値である。
【0027】次に、図2のP2の位置は、合焦レンズを
モータによってスキャンさせた時の消費電流を示す。こ
の電流の内訳は、前記半押し電流とレンズの合焦光学系
の駆動用モータの駆動電流を合計したものである。
【0028】図2のP3は、レリーズとその後のフィル
ム1コマ分の自動巻き上げに使用される電流と前記半押
し電流とを合計したものである。レリーズボターンの半
押しによる電流は、半押しを解除して一定時間(tH)
経過すると電源がオフになるように設定されているか
ら、前記図1の撮影パターンにおいて、フィルムの巻き
戻しが完了した後tHの時間が経過するとゼロになる。
【0029】このような撮影動作に係わる消費電流と時
間の積である消費電流積は図2の斜線部分の面積で表わ
される。微小時間で見ると、微小時間とその時間中の消
費電流との積を表わす形はほぼ矩形となるから、消費電
流積の合計は消費電流を時間軸に沿って積分したものに
なる。
【0030】図3は、本考案の1実施例に係わるバッテ
リ残量表示装置を備えたカメラの概略の構成を示すもの
である。同図のカメラは、メインCPU11を中心に構
成され、該メインCPU11に各部の回路が接続されて
いる。即ち、レンズ鏡筒1を駆動するレンズ駆動用モー
タ2の駆動制御を行なうモータ駆動制御回路3、レンズ
側CPU4、露出処理回路5、測距回路6、フィルム送
給用モータ7を駆動するモータ駆動制御回路9、シャッ
タ駆動用モータ8を駆動するモータ駆動制御回路10が
メインCPU11に接続されている。また、LCD用電
源13によって動作し表示用LCD14を駆動するLC
D用マイクロコンピュータ(マイコン)12、電源回路
16、電源電池18の回路からカメラおよびレンズで消
費される消費電流積を計数する消費電流積カウンタ17
および温度センサ19もメインCPU11に接続されて
いる。また、LCD用マイコン12には電池条件その他
を設定する入力装置15が結合されている。さらに、電
源電池の電圧に対応する信号をCPU11に入力する電
源電圧測定回路20が設けられている。
【0031】メインCPU11は、電源電池18からの
電源を電源回路16を介して受けて作動する。消費電流
積カウンタ17は電源回路16と電源電池18との間に
設けられ、カメラおよびレンズで消費される消費電流積
をカウントする。カウンタ17で測定された消費電流積
の値は一定の時間ごとにメインCPU11に伝達され
る。なお、カウンタ17の値は電源電池を入れ換えると
リセットされるように構成することもできる。即ち、電
源電池18をカメラから外すと電源電圧がゼロボルトに
なるから、この時点でカウンタ17の計数値をクリアす
るようにすることができる。
【0032】メインCPU11に接続されたLCD用マ
イクロコンピュータ12は、表示用LCD14の表示を
制御するためのものである。このLCD用マイクロコン
ピュータ12は、例えばリチウム電池のような、専用の
電源13を備えている。この専用電源13によって、L
CD用マイクロコンピュータ12の駆動とLCD14の
表示とが行なわれる。LCD用マイクロコンピュータ1
2には、入力装置15が接続されており、この入力装置
によって電源電池18の容量のチェック、時間や日付の
表示、電源電池の条件の設定、使用フィルムの条件、例
えば撮影枚数等、の設定等を行なう。
【0033】メインCPU11にはまた、露出処理回路
5、測距処理回路6が接続されており、これらからそれ
ぞれ露出情報および測距情報等の撮影情報がメインCP
U11に伝達される。なお、メインCPU11に接続さ
れているレンズ鏡筒1の駆動用のモータ駆動制御回路
3、フィルム送給用モータ7を駆動制御するモータ駆動
制御回路9、シャッタ駆動用モータ8を駆動制御するモ
ータ駆動制御回路10等については従来のものと同様で
よく、これらの説明は省略する。
【0034】メインCPU11にはさらにレンズ側CP
U4が接続されており、レンズ固有の情報、例えば収
差、ギヤ比、像面移動係数等、をメインCPU11に伝
達する。また、温度センサ19がメインCPUに接続さ
れており、撮影時の温度、例えば電源電池付近の温度、
等をメインCPU11に伝達する。
【0035】以上のような構成を有するカメラにおい
て、前記式(1)および(2)に基づき電源電池の残量
を撮影可能なフィルム本数として表示用LCD14に表
示するまでの動作を説明する。まず、撮影可能なフィル
ム本数を算出するための前記(1)式または(2)式の
各変数の内、IB、IL、tr、tR、tH、C1、C
2についてはそれほどのバラツキがでないから、予め所
定の数値に定めておき、メインCPU11内に固定デー
タとして記憶させておく。そして、電池条件としては、
例えば電源電池18を新しくカメラに入れた時に、入力
装置15によって設定を行なうようにする。これは、電
池の種類、本数によって電圧と電池容量が異なるためで
ある。ここでは、通常のマンガン電池、アルカリ電池、
ニカド電池などの電池の種類を選択する方式で入力する
ものとする。この場合、電池に例えばバーコードその他
の識別標識を設け、カメラ側で電池条件を自動的に設定
するよう構成することも可能である。
【0036】なお、メインCPU11には、(1)で撮
影本数を求める場合には電池の種類ごとの撮影可能容
量、すなわち初期容量C0を予めデータとして記憶させ
ておく。これに対し、(2)式で撮影本数を求める場合
には図4の電池の電圧と放電時間の相関データおよび図
5の電池の負荷抵抗と持続時間の相関データをメインC
PU11に予め記憶させておく必要がある。
【0037】図4に示される電池の放電特性グラフにつ
き説明する。電池は、一定の負荷抵抗があると徐々に放
電しながら電圧を下げるので、使用可能な終止電圧まで
の放電時間Hsは電池の種類が決まればほぼ一定にな
る。そこで、図4に示されるような放電特性を電池ごと
にデータとしてCPU11に内蔵しておけば、使用電池
の電圧を測定して初期からの放電時間に換算することが
できるので、新品電池の電池容量に対する使用電池の残
りの容量の割合、すなわち電池残量率[(Hs−H1)
/Hs]を計算することができる。
【0038】次に、図5に示される負荷抵抗特性のグラ
フは、横軸に電池の負荷抵抗、縦軸に持続時間を取り終
止電圧を一定にした時の相関グラフである。このグラフ
から、負荷抵抗が大きくなると持続時間が長くなること
がわかる。すなわち、電池の負荷抵抗Rは、前記(6)
式で求めていることから、撮影に要する平均電流値iが
大きくなればなるほど持続時間、すなわち撮影持続時
間、が短くなる。また、図5においてR1、R2の(R
1<R2)互いに異なる負荷抵抗につき持続時間h1、
h2を求め使用可能な消費電流積を計算してみると、平
均電流値iの小さいほうが使用可能な消費電流積が大き
くなることが判明した。この関係は、前記(1)式で撮
影可能本数を計算する場合には考慮されていない。従っ
て、前記(1)式で撮影可能本数を求める場合はレンズ
交換を行なわないカメラに適している。これに対し、
(2)式は、レンズ交換を行なうカメラであっても撮影
可能本数を的確に求めることができる。
【0039】また、前記入力装置15でフィルム一本当
たりの撮影枚数を入力するようにする。このデータは、
変更しなければそのまま残り、変更の場合は上書きされ
るデータとする。消費電流積測定回路17のカウント値
は、撮影に使用した総消費電流積CTを表すことにな
る。
【0040】次に、バッテリチェック、即ちバッテリ残
量を撮影可能なフィルム本数で表示させる動作を行なう
場合につき説明する。まず、入力装置15に含まれる入
力ボタン等の手段によりバッテリチェックを指令する
と、メインCPU11はモータ駆動制御回路3にスキャ
ン指令信号を出し、レンズがAFモードであれば前述の
ようにレンズ駆動用モータ2によりレンズ鏡筒1の合焦
レンズを無限遠から至近距離まで往復駆動させる。この
スキャンを行なうことで、メインCPU11ではスキャ
ン時間tsを測定する。また、メインCPU11はスキ
ャン時の消費電流積をカウンタ17からのデータによっ
て算出し、このスキャン時の消費電流積から前記IB、
ILを減算することにより、CSの値を算出する。レン
ズがMFモードであれば、前記tsおよびCSの値はゼ
ロになるようプログラムを設定しておく。また、レンズ
がCPUを持たないマニュアルレンズである場合は、前
記IL、tsおよびCSの値がゼロになるように設定し
ておく。
【0041】次に、メインCPU11は、温度センサ1
9から入力される撮影時の温度を基にその温度での補正
係数Kを算出する。一般に、低温時は常温時あるいは高
温時に比較して、駆動系の負担が重くなることや電池自
体の電流供給能力低下のために電池消耗が激しくなる。
特に、−5℃以下になるとその度合が大きくなる。しか
しながら、この電池消耗の程度は電池の種類によってか
なり異なる。例えば、ニカド電池は他の種類の電池に比
べて温度低下による影響を受けにくい。そこで、本考案
においては、電池種類別に温度による撮影可能フィルム
本数の変化を実験で求め、電池種類別に温度による補正
係数Kを算出できるようにメインCPU11の中に補正
係数Kの算出プログラムを設けている。このようにし
て、温度センサ19から入力される撮影時の温度を基に
その温度での補正係数が算出される。
【0042】また、メインCPU11の中には撮影可能
本数を算出する式(1)または(2)〜(6)がプログ
ラムされている。以上により、例えばカメラに新しい電
源電池を入れた時、消費電流積測定回路17のカウンタ
の値が0になり、カウントを開始する。この時、同時に
入力装置15によって電池の種類や撮影枚数などを入力
する。さらに、フィルムを入れて撮影を開始してから、
適当な時にバッテリチェックを行なうと、前述のように
レンズがAFモードの時には、スキャンを一回行なう。
これが終了すると、前記構成によってメインCPU11
は、前記式(1)または式(2)によって撮影可能本数
を算出し、LCD用マイクロコンピュータ12にその情
報を出力する。LCD用マイクロコンピュータ12で
は、この情報を表示用LCD14で出力できるように処
理してから該表示用LCD14に転送し、該表示用LC
D14が撮影可能なフィルム本数の形で電池残量を表示
する。
【0043】なお、前記電源電池の条件および/または
積算された前記消費電流積などはカメラに新しい電源電
池を入れた時にリセットするのではなくて、例えば何ら
かのリセットスイッチを操作することによりリセットさ
れるようにしてもよい。この場合は、電源電池を使用途
中でカメラからいったん取出し、再びカメラに入れた場
合などにも電池残量が的確に算出できる。
【0044】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、電池残
量を撮影可能なフィルム本数の形で直接確認できるか
ら、電源電池の交換時期等を的確に判断することが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的な撮影パターンを示す説明図である。
【図2】典型的なカメラの撮影動作時における消費電流
と経過時間との関係を示すグラフである。
【図3】本考案の1実施例に係わるバッテリ残量表示装
置を備えたカメラの概略の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】電池の放電時間対電圧特性、すなわち放電特性
を示すグラフである。
【図5】電池の負荷抵抗対持続時間特性、すなわち負荷
抵抗特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 レンズ鏡筒 2 レンズ駆動用モータ 3 モータ制御回路 4 レンズ側CPU 5 露出処理回路 6 測距処理回路 7 フィルム送給用モータ 8 シャッタ駆動用モータ 9 フィルム送給用モータ駆動制御回路 10 シャッタ駆動用モータ駆動制御回路 11 メインCPU 12 LCD用マイクロコンピュータ 13 LCD用電源 14 表示用LCD 15 入力装置 16 電源回路 17 消費電流積測定回路 18 電源電池 19 温度センサ 20 電源電圧測定回路

Claims (8)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源電池を内臓するカメラにおけるバッ
    テリ残量表示装置であって、前記電源電池の条件を設定
    する手段と、カメラが消費する電流の消費電流積を積算
    する手段と、前記電源電池の条件および前記消費電流積
    にもとづき前記電源電池の残量を計算する手段と、カメ
    ラの撮影条件を検出する手段と、前記電源電池の残量お
    よび前記カメラの撮影条件にもとづき撮影可能なフィル
    ム本数を計算する手段と、計算された前記撮影可能なフ
    ィルム本数を表示する手段と、を具備することを特徴と
    するバッテリ残量表示装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記電源電池に関する温度条
    件を検出する温度検出手段をさらに備え、該温度条件に
    もとづき少なくとも前記電源電池の条件を補正する請求
    項1に記載のバッテリ残量表示装置。
  3. 【請求項3】 前記電源電池を交換したときに前記電源
    電池の条件および/または積算された前記消費電流積を
    リセットする請求項1または2に記載のバッテリ残量表
    示装置。
  4. 【請求項4】 電源電池を内蔵するカメラにおけるバッ
    テリ残量表示装置であって、前記電源電池の条件を設定
    する手段と、該電源電池の電圧を測定する手段と、前記
    電源電池の条件および前記電源電池の電圧から電池残量
    率を計算する手段と、カメラの撮影条件を検出する手段
    と、カメラの撮影条件から撮影持続時間を計算する手段
    と、前記撮影持続時間および前記電源電池の残量率に基
    づき撮影可能なフィルム本数を計算する手段と、該撮影
    可能なフィルム本数を表示する表示手段と、を具備する
    ことを特徴とするバッテリ残量表示装置。
  5. 【請求項5】 前記電源電池の条件および前記電源電池
    の電圧から電池残量率を計算する手段は新品電池の決め
    られた終止電圧までの放電時間と電源電池の測定時点の
    電圧から同一の終止電圧までの放電時間の比率を計算す
    る手段を具備する請求項4に記載のバッテリ残量表示装
    置。
  6. 【請求項6】 前記カメラの撮影条件を検出する手段は
    フィルム一本当たりの撮影枚数の入力手段および確認手
    段、撮影モード確認手段、レンズ側がAFモード時にス
    キャンを一回行なわせるためのスキャン指令手段、該ス
    キャン時間を測定する手段、および該スキャン時の消費
    電流を測定する手段を具備する請求項4に記載のバッテ
    リ残量表示装置。
  7. 【請求項7】 前記撮影持続時間の計算手段はフィルム
    一本を撮影するのに要する撮影時間の計算手段、フィル
    ム一本を撮影するのに要する消費電流積の計算手段、前
    記撮影時間の計算手段および消費電流積の計算手段から
    フィルム一本を撮影するのに要する平均消費電流を計算
    する手段、該平均消費電流から負荷抵抗を計算する手
    段、該負荷抵抗に基づき撮影持続時間を計算する手段を
    具備する請求項4に記載のバッテリ残量表示装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも前記電源電池に関する温度条
    件を検出する温度検出手段をさらに備え、該温度条件に
    もとづき少なくとも前記電源電池の条件を補正する請求
    項4に記載のバッテリ残量表示装置。
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