JP4109943B2 - オートフォーカスカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートフォーカスカメラに関し、更に詳しくはスナップモードを備えたオートファーカスカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のコンパクトカメラでは、被写体に自動的にピントを合わせるオートフォーカス機構を搭載したものが多いこのようなオートフォーカスカメラでは、レリーズボタンの押圧に応答して被写体までの距離を測定し、この測距結果に基づいて撮影レンズの一部または全部を移動させる合焦動作を行った後に露光を行う。
【0003】
ところで、上記のようなオートフォーカスカメラでは、周知のように撮影画面の一部、例えば中央部が被写体距離を測定するための測距エリアとされており、測距時にはこの測距エリアにピントを合わせようとする主要被写体が重なるようにフレーミングしなければならない。しかし、例えば2人の主要被写体が並んだ状態で撮影を行うときに、2人の主要被写体の間の背景に測距エリアが重なってしまい、主要被写体にピントが合わず背景にピントが合った、いわゆる中抜けと呼ばれる撮影になってしまうことが多々あった。また、動きの早い主要被写体に測距エリアを重ねることは難しく、結果的に主要被写体にピントが合わない撮影となる問題もある。
【0004】
さらに、オートフォーカスカメラでは、レリーズボタンの押圧に応答して測距を行い、この測距結果に基づいて撮影レンズの合焦動作を行ってから、シャッタ羽根の開閉して露光を行う。このため、レリーズボタンの押圧操作から実際に露光が行われるまでのレリーズタイムラグが大きくシャッタチャンスを逃しやすいという問題もあった。
【0005】
上記のような問題を解決するカメラとして、スナップモードを搭載したものが知られている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載されたカメラでは、電源をオンとした後に、スナップモード設定ボタンを押圧操作するとスナップモードに設定される。そして、スナップモード下では、撮影レンズのフォーカスレンズがパンフォーカス位置にセットされた状態で撮影待機状態とされる。そして、レリーズボタンを押圧すると、撮影レンズのピント合わせのための合焦動作を行わずに露光が行われる。このようにして、レリーズタイムラグを小さくすると同時に、レリーズボタンの操作後に合焦動作を行うことなくほとんどの場合の主要被写体にピントが実質的に合った撮影が行われるようにしている。
【0006】
また、スナップモード下でのストロボ撮影では、被写体距離に応じた絞り開口径となったときに一定光量のストロボ光を被写体に向けて照射することにより、ストロボ光による露光量を適正なものとする、いわゆるフラッシュマチック制御によりストロボ光による露光量を制御している。
【0007】
【特許文献1】
特許第2840646号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スナップモードの1つの利点は、上記のように主要被写体が測距エリアから外れても良好なピント状態で撮影可能なことであり、そのような撮影を想定している。しかし、フラッシュマチック制御を行う場合には主要被写体までの被写体距離情報が必要になるが、スナップモード下では主要被写体までの被写体距離情報が正しく取得できないことが高い頻度で発生し、ストロボ光による露光量が適正に行えないといった問題があった。また、測距を行う必要があるが主要被写体が測距エリアから外れている場合や主要被写体の光の反射状態等の影響で、測距が正しく行えなかったり、測距が繰り返し行われてその分レリーズタイムラグを大きくしてしまう等の問題も発生する。
【0009】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、スナップモード下のストロボ撮影で良好な画質のプリント写真が得られ、またレリーズタイムラグを小さくするのに有利なオートフォーカスカメラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、ストロボ装置は、スナップモード下では、スナップ用露光基準距離を被写体距離としてストロボ発光するべき絞り開口径が決められ、前記スナップ用露光基準距離を、スナップ用フォーカス基準距離よりも大きく設定したものである。
【0011】
請求項2記載の発明では、スナップ用露光基準距離と前記スナップ用フォーカス基準距離との少なくともいずれか一方を、データ書き換えが可能な記憶手段に記憶したものである。
【0012】
請求項3記載の発明では、少なくともスナップモードに設定されていることを含む撮影情報を表示する表示手段と、この表示手段を照明する照明手段とを備えており、スナップモードが設定または解除される毎に前記照明手段によって前記表示手段を照明するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明を実施したカメラの正面側を図1に、背面側を図2にそれぞれ示す。カメラボディ2の前面には撮影レンズ3,ファインダ5の対物側窓5a,測光窓6,測距用の投光窓7と受光窓8,ストロボ発光部9が設けられている。上面には2個のレリーズボタン11が設けられている。なお、この例ではレリーズボタン11を2個設けているが、1個であってもよい。
【0014】
カメラボディ2の背面には、ファインダ5の接眼側窓5b,電源ボタン12,スナップモードボタン13,裏蓋14が設けられており、裏蓋14にはズームボタン15,LCD(液晶ディスプレイ)16,入力キー17が設けられている。カメラボディ2の側面には、開閉操作部材18が設けられ、これを操作することにより裏蓋14が開き、カメラボディ2の内部に写真フイルム20(図3参照)を装填することができる。
【0015】
電源操作部材としての電源ボタン12を押圧する毎にカメラの電源がオフからオンへ、オンからオフへ切り換わる。撮影レンズ3は、ズームレンズであり、カメラの電源がオフのときにはその鏡胴21がカメラボディ2の内部に収納された沈胴位置とされ、電源がオンとされるとカメラボディ2の前面に繰り出されて、スーム位置が広角端にセットされる。ズーム操作部材としてのズームボタン15を操作することにより、その操作方向に応じて撮影レンズ3が望遠端または広角端に向けてズーミングされる。電源がオフとされと、撮影レンズ3は沈胴位置に戻される。
【0016】
このカメラは、撮影モードとして通常モードとスナップモードとを選択できる。撮影モードの選択は、スナップモードボタン13を押圧することにより選択できる。通常モードは、レリーズボタン11の押圧操作に応答して被写体距離,被写体輝度の測定を行い、被写体距離に基づいて撮影レンズ3のピント合わせを行った後に、被写体輝度に基づいた露出値で写真フイルム20に露光を与えるモードである。
【0017】
一方、スナップモードは、予め撮影レンズ3が所定の被写体距離(スナップ用フォーカス基準距離)にピントが合う状態とされており、レリーズボタン11の押圧操作に応答して被写体輝度の測定だけを行い、この後直ちに被写体輝度に基づいた露出値で写真フイルム20に露光を与えるモードである。なお、通常モードでは、撮影レンズ3のズーミングを自由に行えるが、スナップモードでは広角端だけが利用可能になっている。
【0018】
測光窓6の奥には、被写体からの光を受光する受光素子が配されており、この受光素子で被写体輝度を測定する。また、測距用の投光窓7の奥には投光器が、受光窓8の奥には受光器がそれぞれ配されており、投光器から被写体に向けて測距光を投光し、被写体で反射されたその測距光を受光器で受光することによって被写体距離を測定する。なお、他の方式で被写体距離を測定してもよい。
【0019】
ストロボ発光部9は、撮影に同期してストロボ光を被写体に向けて照射する。ストロボ発光は、例えばストロボ発光させてもその効果がないような明るい被写体輝度の場合の他は、ストロボ発光が行われるようにされている。具体的には、測定された被写体輝度が、ストロボ発光させてもその効果がないような明るい被写体輝度である第1基準値以下の場合にストロボ発光を行う。このようにして、ほとんどの場合にストロボ発光を行うことにより、例えば明るい場合には逆光時の主要被写体の影を消したり、暗い場合には露光不足とならないようにストロボ光を広く利用する。
【0020】
なお、この例では、ストロボ発光の要否を判断する条件として、上記のように第1基準値に対する測光した被写体輝度の大小を用いているが、逆光シーンであるか否か、被写体距離がストロボ光の有効な距離であるか否か、手ブレなく露光できる被写体輝度であるか否かなどの様々な条件に基づいてストロボ発光の要否を判断してよく、また各種の条件を合わせて判断してもよい。
【0021】
また、ストロボ発光の形態として、強制発光させる強制発光モードや発光を禁止する発光禁止モード等を選択できるようにしてもよく、日中シンクロモードや夜景シンクロモードを選択できるようにしてもよい。
【0022】
レリーズボタン11は、半押し位置と、この半押し位置からさらに押し込まれた全押し位置とに押圧操作可能とされている。前述のように、通常モード下でレリーズボタン11を半押しとすると、被写体輝度及び被写体距離の測定が行われ、さらに押し込んで全押しとすると測定された被写体距離にピントが合うように撮影レンズ3が駆動されてから、測定された被写体輝度に対して適正露光となる露出値で撮影が行われる。
【0023】
スナップモード下では、レリーズボタン11を半押しとすると、被写体輝度だけの測定が行われ、さらに押し込んで全押しとすると、測定された被写体輝度に対して適正露光となる露出値で撮影が行われる。
【0024】
LCD16には、セルフタイマのオン・オフ,撮影済みのコマ数,電池の残量,撮影モードなどの撮影に関する情報が表示される。LCD16には撮影モードとしては、通常モード時には「AF」のマーク16aが表示され、スナップモード時には「SNAP SHOT」のマーク16bが表示される。なお、図2では説明のために、各マーク16a,16bを同時に表示した状態で描いてある。このLCD16は、電源がオンとされる毎、スナップモードボタン13が押圧される毎、すなわちスナップモードの設定・解除毎にバックライト23(図3参照)によって一定時間だけ照明されるが、バックライト23による照明がなくても表示を視認できるようにされている。
【0025】
操作キー17を操作することにより、セルフタイマのオン・オフなどの各種設定を行うことができる。接眼側窓5bに近接して、ストロボ発光に関する状態を表示するLED24aと、オートフォーカスに関する状態を表示するLED24bとが配されている。
【0026】
LED24aは、ストロボ発光が可能な状態となると点灯するが、充電レベルがストロボ発光可能な状態になっていないことに起因して露光動作(撮影)が禁止されたときには点滅して警告する。LED24bは、測距が行えたときに点灯し、例えば被写体が近すぎる等の理由によって測距が正しく行えなかった場合に点滅して警告する。
【0027】
図3に上記カメラの要部構成を示す。操作部25は、レリーズボタン11,電源ボタン12,スナップモードボタン13,ズームボタン15,操作キー17とこれらに連動したスイッチ等から構成されており、各ボタン11〜13,15,操作キ−17の操作に応じた信号をマイクロコンピュータ30に送る。
【0028】
マイクロコンピュータ30は、操作部25からの信号に応じて各部を制御する。このマイクロコンピュータ30は、モード設定制御手段となっており、通常モード下でスナップモードボタン13が押圧されると撮影モードをスナップモードとし、またスナップモード下でスナップモードボタン13が押圧されると撮影モードを通常モードとし、さらに電源がオフのときにスナップモードボタン13が押圧されると電源をオン、すなわち各部を撮影可能な状態にしてから撮影モードをスナップモードとし、そして撮影モードに応じた指示を各部に与える。また、マイクロコンピュータ30は、露光動作を許容するか禁止するかを制御する露光動作制御手段でもある。
【0029】
マイクロコンピュータ30には、ROM31,RAM32が接続されている。ROM31には、撮影シーケンスを行うためのプログラムが記憶されており、このプログラムにしたがってマイクロコンピュータ30がカメラの各部を制御する。RAM32は、撮影シーケンスの実行に必要な各種データが一時的に記憶されるワークメモリとして用いられる。
【0030】
また、マイクロコンピュータ30には、EEPROM33が接続されている。このEEPROM33には、スナップモード時に用いるピント合わせ用の被写体距離であるスナップ用フォーカス基準距離と、スナップモード時に用いるストロボ光による露光制御のための被写体距離であるスナップ用露光基準距離がスナップモードのパラメータとして予め書き込まれている。
【0031】
データの書き換えが可能なEEPROM33にスナップモードのパラメータを書き込んでおくことにより、一般的に利用される写真フイルムの露光許容範囲が変化したときに、パラメータを書き換え可能として容易に対応できるようにしている。なお、EEPROM33の代わりに、EPROM,フラッシュメモリー等のデータの書き換えが可能な記憶手段を用いることができる。
【0032】
LED駆動回路34は、LED24a,24bの点灯を制御し、前述のようにストロボ発光,測距に関する状態に応じてLED24a,24bを点灯、点滅させる。LCD16は、電源がオンの間に各種マークを表示し、バックライト23は、電源がオンとなった直後及びスナップモードボタン13の押圧毎に点灯してLCD16を照明する。このバックライト23は、その点灯時間がマイクロコンピュータ30に内蔵されたタイマ(図示省略)に基づいて制御され、一定の時間例えば10秒間だけ点灯される。なお、露光動作が禁止された場合の警告手法は,各種のものを用いることができ、例えば警告音を発生させてもよい。
【0033】
ストロボ装置35は、ストロボ発光部9の内部に配されたストロボ放電管やストロボ発光に先立って充電されるメインコンデンサ35a,この充電を行う充電回路,メインコンデンサ35aの充電レベル(充電電圧)を調べる回路,マイクロコンピュータ30からのシンクロ信号に応答してメインコデンサ35aの電荷をストロボ放電管で放電させてストロボ発光させるトリガ回路等から構成されている。
【0034】
ストロボ装置35は、マイクロコンピュータ30から指示によりメインコンデンサ35aを所定の充電レベルまで充電する。この充電の指示は、電源がオンとなる毎、レリーズボタン11が半押しとされる毎にストロボ装置35に出されるが、例えば所定の周期で出してもよい。ストロボ装置35は、メインコンデンサ35aの充電レベルを調べ、その情報をマイクロコンピュータ30に送る。
【0035】
マイクロコンピュータ30は、測光した被写体輝度が前述の第1基準値よりも高いときにはストロボ非発光と判断し、そうでない場合にはストロボ発光と判断する。マイクロコンピュータ30は、ストロボ非発光と判断した場合には露光動作を許容し、ストロボ発光と判断した場合には、充電レベルの情報に基づきストロボ発光が可能であるか否かを調べる。充電レベルを調べ、充電レベルが所期の発光量でストロボ発光が可能なレベルのときには露光動作を許容し、所期の発光量でストロボ発光が可能でないレベルのときには、さらに被写体輝度を第2基準値と比較する。この比較において、マイクロコンピュータ30は、被写体輝度が第2基準値よりも高ければ露光動作を許容し、第2基準値以下であれば露光動作を禁止する。
【0036】
第2基準値は、ストロボ撮影時の最も低速なシャッタ速度と最も明るい絞り値の組み合わせにより決定される被写体輝度に近い値(少なくとも前記被写体輝度に対して−1EV以上が望ましい)に設定されている。従来のように、充電レベルに依存して露光動作を禁止してしまうとシャッタチャンスを逃しやすいが、このように所期の発光量でストロボ発光が可能でなくても、適度な露光量が得られるときに露光動作を許容すれば、プリント時の補正により良好な画質のプリント写真を作成できるようにしながら、シャッタチャンスを逃しにくくできる。なお、通常モード下では、充電レベルが低いときに被写体輝度にかかわらず露光動作を禁止してもよい。
【0037】
測光部36は、測光窓6の奥に配された受光素子を含み、レリーズボタン11の半押しに応答して被写体輝度の測定を行い、その測光結果をマイクロコンピュータ30に送る。マイクロコンピュータ30は、測光部36で測光された被写体輝度に応じたシャッタ速度と絞り値の組み合わせを算出する。
【0038】
測距部37は、後述するフォーカス駆動部42とともにオートフォーカス機構を構成している。この測距部37は、投光窓7,受光窓8の奥に配された測距用の投光器,受光器等を含み、被写体距離を測定し、その測距結果をマイクロコンピュータ30に送る。測距部37は、通常モード下でレリーズボタン11が半押しされたときにだけ測距を行い、スナップモード時には測距を行わない。
【0039】
撮影レンズ3と写真フイルム20との間には、絞り羽根を兼ねたシャッタ羽根を備えたシャッタ装置38が配されており、このシャッタ装置38は、シャッタ駆動回路39によって駆動される。シャッタ駆動回路39は、測光部36で測定された被写体輝度に応じてマイクロコンピュータ30で決められたシャッタ速度と絞り値とがセットされ、レリーズボタン11が全押しとされたときに、そのシャッタ速度と絞り値とでシャッタ装置38を駆動し、写真フイルム20に露光を与える。なお、被写体輝度が前述の最も低速なシャッタ速度と開放絞りに対応する被写体輝度よりも暗い場合には、この最も低速なシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせて露光が行われる。また、最も低速なシャッタ速度としては、手ブレの限界となるシャッタ速度が設定されている。
【0040】
シャッタ装置38は、シャッタ羽根の開閉時にシャッタ羽根が形成する絞り開口径、すなわち絞り値に応じた絞り信号をマイクロコンピュータ30に出力する。この絞り信号に基づいて、マイクロコンピュータ30は、ストロボ発光のタイミングを制御、すなわちシンクロ信号を出力する。
【0041】
給送機構41は、1コマの撮影が行われる毎に写真フイルム20を1コマ分搬送し、全コマの撮影が完了すると撮影済みとなった写真フイルム20をパトローネ(図示省略)に巻き戻す。
【0042】
フォーカス駆動部42は、撮影レンズ3のピント合わせを行うためのモータや、その回転を撮影レンズ3に伝える機構等から構成されている。通常モード下では、フォーカス駆動部42は、レリーズボタン11が全押しされたときに、測距部37による測距結果に基づいて撮影レンズ3を駆動し、測距された被写体にピントが合致させるように合焦動作を行う。また、フォーカス駆動部42は、スナップモードとなったときに、マイクロコンピュータ30によってEEPROM33から読み出されたスナップ用フォーカス基準距離にピントが合致するように撮影レンズ3を駆動する。これにより、スナップモード下では、常にスナップ用フォーカス基準距離にピントが合致する状態とされる。
【0043】
ズーム駆動部43は、撮影レンズ3のズーミングを行うためのモータや、その回転を撮影レンズ3に伝える機構等から構成されている。通常モード下では、ズーム駆動部43は、ズームボタン15の操作に応じて撮影レンズ3を望遠側にまたは広角側にズーミングする。スナップモード下では、ズーム駆動部43は、撮影レンズ3を広角端に保持する。
【0044】
図4に撮影レンズ3のレンズ構成の一例を示すように、撮影レンズ3は、第1レンズ3aと第2レンズ3bとからなる2群2枚構成となっている。また、図5に第1レンズ3a,第2レンズ3bの焦点距離の変化にともなう移動曲線を示す。なお、図5では、符号Fa,Ca,Saで示す曲線が第1レンズ3aの移動曲線であり、符号Fb,Cb,Sbで示す曲線が第2レンズ3bの移動曲線である。移動曲線Fa,Fbは、最も遠距離にピントを合わせたときの、移動曲線Ca,Cbは最も近距離にピントを合わせたときのものである。また、移動曲線Sa,Sbは、フォーカス待機位置を示しており、このフォーカス待機位置は、各レンズ3a,3bの移動時の基準位置であり、このフォーカス待機位置からの移動量を制御することで所望とする被写体距離にピントが合致するように各レンズ3a,3bがセットされる。なお、各レンズ3a,3bがフォーカス待機位置となっていることは、図示しないセンサで検出される。
【0045】
撮影レンズ3は、広角端から望遠端に向けてのスーミング時には、全体的に被写体側に移動しながら第1レンズ3aと第2レンズ3bとが徐々に近づくように駆動される。電源ボタン12を押圧して電源がオンとなるとと同時に通常モードとなる場合や、スナップモードから通常モードに移行する場合には、各レンズ3a,3bは広角端のフォーカス待機位置に移動されて、その位置に保持される。この通常モード下でズームボタン15を操作すると、その操作に応じて、各レンズ3a,3bが移動曲線Sa,Sbに沿って移動し、レリーズボタン11の全押しにより、測距された被写体距離に応じた位置に各レンズ3a,3bがそれぞれ移動され、露光完了後にフォーカス待機位置に戻される。
【0046】
スナップボタン13を押圧して電源がオンとなるとと同時にスナップモードとなる場合や、通常モードからスナップモードに移行する場合には、撮影レンズ3は、広角端のフォーカス待機位置に移動されてから、スナップモード位置にセットされる。すなわち、各レンズ3a,3bが広角端のフォーカス待機位置に移動されてから、広角端を維持したままスナップ用フォーカス基準距離にピントが合致する符号SNa,SNbで示すスナップモード位置に移動される。
【0047】
なお、撮影レンズ3のレンズ構成は上記の2群2枚構成に限られず、各種のものを用いることができるのはいうまでもない。また、単焦点の撮影レンズであってもよい。さらに、スナップモードに設定した際に、撮影レンズ3をスナップモード位置にセットする代わりに、例えばレリーズボタン11の半押し、あるいは全押しに応答して、撮影レンズ3をスナップモード位置にセットしてもよいが、レリーズタイムラグを小さくすることを考慮すれば、スナップモードに設定した際に撮影レンズ3をスナップモード位置にセットするのが好ましい。
【0048】
この例では、撮影レンズ3の広角端での焦点距離が24mmとなっており、スナップ用フォーカス基準距離を2mに設定している。許容錯乱円径を0.05mm程度とした場合に、スナップ用フォーカス基準距離を2mに設定すると、絞り値F5.6のときに1mから無限遠までの被写体距離の範囲でピントの状態の良好な写真が得られる。なお、0.05mm程度の許容錯乱円径は、サービスサイズのプリント写真を鑑賞するのには十分な値である。
【0049】
スナップ用フォーカス基準距離は、スナップ撮影で出現頻度の高い被写体距離の範囲が焦点深度内に収まるように設定するのがよい。焦点深度は、絞り値,撮影レンズの焦点距離、及び許容する錯乱円径によって変わるから、これらを考慮してスナップ用フォーカス基準距離を決める必要がある。撮影レンズの焦点距離、許容する錯乱円径を一定とした場合、開放絞りのときに最も焦点深度が浅くなるから、開放絞りのときにスナップ撮影で出現頻度の高い被写体距離の範囲が収まるようにするのが好ましい。
【0050】
また、近距離側、遠距離側のいずれを優先するかによってスナップ用フォーカス基準距離を前後させることができる。しかしなが、実用的な絞り値の範囲では、スナップ用フォーカス基準距離が1〜5mの範囲外であると、スナップモードの目的にあった写真が得られなくなるので、スナップ用フォーカス基準距離は1〜5mの範囲で設定するのがよい。
【0051】
前述のストロボ装置35は、シャッタ羽根が形成する絞り開口が被写体距離に応じた径に達したタイミングでストロボ発光し、一定光量のストロボ光を照射しすることによって適正露光量を得る、いわゆるフラッシュマチック制御のものが用いられている。したがって、マイクロコンピュータ30は、通常モード下でストロボ発光する場合には、絞り開口径が漸増していく過程で、その絞り開口径が測距した被写体距離に応じたものとなったことを絞り信号から検知したときにストロボ装置35にシンクロ信号を送る。なお、絞り開口径が漸減していく過程でストロボ発光を行ってもよい。
【0052】
通常モードでは、上記のフラッシュマチック制御によって、ストロボ光で適正露光が得られるようにされる。スナップモードでは、フラッシュマチック制御に用いる被写体距離として、予め決められた前述のスナップ用露光基準距離が用いられる。このようにスナップモードでは、スナップ用露光基準距離が用いることによって、測距動作が繰り返し行われてことでレリーズタイムラグが長くなるのを防止するとともに、ほとんどの撮影で良好な画質のプリント写真が得られるようにしている。
【0053】
ストロボ撮影を行う場合には、比較的に近い主要被写体を撮影する場合であり、フォーカス基準距離についても、その被写体距離の前後で良好なピント状態とことが好ましい。したがって、ストロボ撮影を考慮すると、フォーカス基準距離は、スナップモードでストロボ撮影が想定される主要被写体に良好なピントが得られように比較的に近い距離に設定するのがよい。
【0054】
また、一般的に利用されるネガフイルムは、露出アンダー側よりも露光オーバー側に広いラチチュードを有しており、このようネガフイルムの利用を前提とした場合、スナップモードで撮影が想定される被写体距離範囲に対して、露光アンダーよりも露光オーバとなる頻度が高くなるように設定するのが好ましい。このため、スナップ用フォーカス基準距離よりもスナップ用露光基準距離を大きく設定する。この例では、前述のようにフォーカス基準距離を2mに設定し、スナップ用露光基準距離を3mに設定してある。
【0055】
次に上記構成の作用について図6ないし図10を参照しながら説明する。マイクロコンピュータ30は、電源のオン,オフにかかわりなく、図6に示される手順を実行している。また、マイクロコンピュータ30は、電源のオン,オフ,撮影モードにかかわりなく、スナップモードボタン13が押圧操作されると、割り込みを発生させて、図7に示される処理を行う。また、撮影待機状態では、レリーズボタン11及びズームボタン15の操作が監視され、ズームボタン15が操作されると、図8に示す処理を、レリーズボタン11が押圧操作されると図9の処理を行う。
【0056】
例えば電源がオフの状態で電源ボタン12を押圧操作すると、図6に示されるように、電源がオンとされてから、初期動作が行われ、この初期動作で撮影シーケンスの実行に必要な各種パラメータの読み出しや初期化、各部の初期化、LCD16の各種マークの表示,ストロボ装置35への充電の指示,撮影レンズ3の沈胴位置から広角端への繰り出し等が順次に行われる。
【0057】
この初期動作において、スナップモードであるか否かを表すスナップモードフラグ(以下、SMFと称する)が、スナップモードでないこと、すなわち通常モードを表す「0」に設定される。そして、LCD16の表示の際には、SMFが「0」となっているので、通常モードであることを示す「AF」のマーク16aが表示される。また、充電の指示によりメインコンデンサ35aの充電が開始され、この充電はメインコンデンサ35aの充電レベルが所定レベルに達するまで継続される。
【0058】
初期動作の完了後には、バックライト23が一定時間例えば10秒間だけ点灯され、LCD16が照明される。これにより、電源がオンとなったことがユーザに知らされる。バックライト23の点灯後、先にズーム駆動部42によって沈胴位置から広角端まで繰り出された撮影レンズ3は、フォーカス駆動部42によってフォーカス待機位置に各レンズ3a,3bがセットされる。そして、撮影待機状態となる。
【0059】
このようにして通常モードでの撮影待機状態となってから、ズームボタン15を押圧操作すると、図8に示されるように、SMFが「0」となっているからスームボタン15の操作方向に応じて撮影レンズ3は広角端,望遠端の間でズーミングされる。そして、ズーミングで焦点距離が変化しても、各レンズ3a,3bは、その焦点距離に応じたフォーカス待機位置に維持される。
【0060】
通常モードの撮影待機状態で、レリーズボタン11を半押しとすると、図9に示されるように、最初にストロボ装置35に充電の指示が与えられる。この指示によりストロボ装置35は、メインコンデンサ35aの充電を開始し、自然放電等による放電分を補う。次にSMFが「0」となっているから、測光部36,測距部37が作動されて被写体輝度と被写体距離の測定がそれぞれ行われる。
【0061】
レリーズボタン11がさらに押し込まれて全押しとされると、測光により得られた被写体輝度(測光値)と第1基準値とが比較される。この比較において、被写体輝度が第1基準値よりも高い場合には、ストロボ非発光と判断されて露光動作が許容される。そして、測距された被写体距離にピントが合致するように撮影レンズ3の各レンズ3a,3bがフォーカス駆動部42によって移動されてから、測定された被写体輝度に基づいて決められた絞り値とシャッタ速度でシャッタ装置38が駆動されて写真フイルム20に露光が与えられる。この場合には、ストロボ発光は行われない。
【0062】
また、被写体輝度が第1基準値以下の場合には、次にメインコンデンサ35aの充電レベルが所期の発光量でストロボ発光可能なレベルであるかが判断される。発光可能な充電レベルのときには、露光動作が許容される。さらに、発光可能な充電レベルに達してないとき例えばレリーズボタン11を半押した時点でメインコンデンサ35aの充電レベルが著しく低下しており、レリーズボタン11の半押しから全押しされまでの間に充電レベルが発光可能なレベルにまで達しないとき等では、続いて被写体輝度と第2基準値とが比較される。そして、この比較において被写体輝度が第2基準値よりも高い場合には、ストロボ発光が行われなくても、大きく露光アンダーとなることはないとして露光動作が許容される。
【0063】
上記ののようにストロボ発光と判断されて露光動作が許容された場合には、いずれの場合にも測距された被写体距離にピントが合致するように撮影レンズ3がフォーカス駆動部42によって移動されてから、露光動作が実行される。そして、このときの露光動作では、図10に示される手順に基づいて、まずストロボ発光の発光タイミングが決定される。通常モード(SMF=0)では、レリーズボタン11を半押しした時点で測定された被写体距離に対して適正露光が得られるように発光タイミングの絞り値が決められる。すなわち、一定なストロボ光の発光量に応じたガイドナンバーを測定した被写体距離で除算することで得られる絞り値をストロボ発光の発光タイミングとする。
【0064】
発光タイミングの絞り値が決定された後、測光された被写体輝度に基づいて決められた絞り値とシャッタ速度でシャッタ装置38が駆動されて、絞り羽根を兼ねたシャッタ羽根の開閉が行われ写真フイルム20に露光が与えられる。このようにシャッタ羽根の開閉動作が行われている期間中には、シャッタ羽根が形成する絞り開口の径に応じた絞り信号がマイクロコンピュータ30によって監視され、先に決められた発光タイミングの絞り値の大きさに達したことを検知すると、マイクロコンピュータ30は、シンクロ信号をストロボ装置35に出力する。
【0065】
これにより、発光タイミングとして決められた絞り値となっているときに一定光量のストロボ光が被写体に向けて照射され、結果として測定した被写体距離の被写体は適正な露光量で露光される。また、充電レベルが発光可能なレベルに達していないが露光動作が許容された場合には、ストロボ発光しても所期の発光量を得られなかったり、ストロボ発光が行われないこともあるが、この場合でもほぼ適正といえる露光が行うことができる。
【0066】
ストロボ発光の有無にかかわらず露光が完了すると、フォーカス駆動部42によって、撮影レンズ3がフォーカス待機位置に戻されてから、給送機構41が作動されて写真フイルム20が1コマ分送られて、次のコマの撮影待機状態となる。
【0067】
一方、発光可能でない充電レベルであり、かつ被写体輝度が第2基準値以下の場合には、撮影禁止処理が実行されて露光は行われない。この撮影禁止処理では、LED24aが一定の時間だけ点滅させられ、ユーザに露光が行われなかったことの警告がなされる。また、撮影禁止処理により、撮影レンズ3がフォーカス待機位置に戻されてから、撮影待機状態となる。
【0068】
スナップモードで撮影を行う場合には、電源がオフのときにはスナップモードボタン13を押圧する。また、電源がオンとなっている場合で通常モードからスナップモードに移行する場合であっても、スナップモードボタン13を押圧すればよい。
【0069】
スナップモードボタン13を押圧すると、前述したように割り込みによって、図7に示される処理が行われる。まず、電源がオンとなっているか否かが調べられる。例えば電源がオフのときにスナップモードボタン13を押圧した場合では、電源をオンとしてから上記同様に初期動作が行われ、この初期動作によって撮影レンズ3は沈胴位置から広角端にまで繰り出される。そして、この初期動作の完了直後にSMFがスナップモードを表す「1」に設定される。
【0070】
また、通常モードでスナップモードボタン13を押圧した場合には、次にSMFが「1」であるか否かが調べられる。すなわち、スナップモードボタン13の押圧操作がスナップモードに移行するための操作であるか、解除するための操作であるかが調べられる。この場合には、SMFが通常モードであることを表す「0」となっているので、スナップモードに移行するための操作であると判断され、SMFが「1」に設定される。
【0071】
いずれの場合においても、SMFが「1」に設定された後に、撮影レンズ3が広角端であるか否かが調べられ、広角端でない場合に撮影レンズ3が広角端とされる。これにより、例えば通常モード下でスナップモードボタン13を押圧操作してスナップモードに移行する場合で、それまで撮影レンズ3が広角端に以外の位置にズーミングされている場合であっても、撮影レンズ3は広角端にセットされる。なお、電源がオフの状態でスナップモードボタン13を押圧した場合には、初期動作で撮影レンズ3が広角端にセットされているので、このときには広角端への移動は行われない。
【0072】
この後、バックライト23が10秒間点灯されてLCD16が照明される。この時点において、SMFが「1」に設定されることによりLCD16にスナップモードであることを示す「SNAP SHOT」のマーク16bが表示された状態となっているので、この表示とバックライト23の点灯によってスナップモードとなったことがユーザに知らされる。
【0073】
バックライト23を点灯させた後に、撮影レンズ3の各レンズ3a,3bは、いったんフォーカス待機位置に移動され、ここから移動量が制御されることで正確にスナップモード位置にまで移動されてセットされる。そして、スナップモードの撮影待機状態となる。
【0074】
スナップモードでの撮影は、フレーミングを決定して、レリーズボタン11を押圧する。レリーズボタン11を押圧すると、図9に示される処理が行われるが、SMFが「1」となっているので、レリーズボタン11の半押しに応答して、被写体輝度の測光だけが行われ、被写体距離の測距は行われない。したがって、被写体で反射された測距光を受光できないなどの理由により、測距動作が繰り返し行われることはない。
【0075】
この後にレリーズボタン11が全押しとされると、被写体輝度と第1基準値とが比較され、ストロボ発光の要否が判断される。これ以降の露光動作を許容するか、露光動作を禁止するかの判断は、上記の通常モード下の場合と同じであり、被写体輝度が第1基準値よりも高ければ、ストロボ非発光と判断するとともに露光動作が許容される。また、被写体輝度が第1基準値以下であって、充電レベルが発光可能なレベルである場合と、充電レベルが発光可能なレベルに達していないが被写体輝度が第2基準値よりも高い場合にはストロボ発光と判断されるとともに露光動作が許容される。そして、被写体輝度が第1基準値以下でストロボ発光と判断されたにもかかわらず、充電レベルが発光可能なレベルに達しておらず、しかも被写体輝度が第2基準値以下の場合には露光動作が禁止される。
【0076】
いずれの場合にも、露光動作が許容された場合には、この判断の直後に露光動作が行われる。すなわち、撮影レンズ3の合焦動作を行わずにスナップモード位置にセットした状態で露光動作を行う。この露光動作では、レリーズボタン11が半押しされたときに測定された被写体輝度に対して適正となる絞り値とシャッタ速度の組み合わせでシャッタ装置38が駆動されて写真フイルム20に露光が与えられる。
【0077】
もちろん、ストロボ発光と判断され場合には、実際の露光に先立って前述の図10に示される手順に基づいてストロボ発光の発光タイミングが決定される。このスナップモード(SMF=1)では、被写体距離としてスナップ用露光基準距離を用いて発光タイミングとする絞り値が決定される。したがって、ストロボ光の発光量に応じたガイドナンバーをスナップ用露光基準距離で除算することで得られる絞り値がストロボ発光の発光タイミングとされる。
【0078】
そして、上記のようにスナップ用露光基準距離を用いて発光タイミングとする絞り値を決定した後に、シャッタ装置38が駆動されて、シャッタ羽根の開閉動作中で先に決められた発光タイミングの絞り値の大きさに達した瞬間にマイクロコンピュータ30からのシンクロ信号がストロボ装置35に送られることにより、一定光量のストロボ光が被写体に向けて照射される。このようにして、スナップ用露光基準距離の被写体に対して適正露光が得られるタイミングでストロボ発光が行われて露光が行われる。
【0079】
もちろん、充電レベルが発光可能なレベルに達していないが露光動作が許容された場合には、ストロボ発光しても所期の発光量を得られなかったり、ストロボ発光が行われないこともある。しかし、このスナップモードの場合でもほぼ適正といえる露光を行うことができる。
【0080】
露光動作が禁止された場合では、撮影禁止処理が実行され、LED24aが一定の時間だけ点滅させられ、ユーザに露光が行われなかったことの警告がなされる。また、このスナップモードの撮影禁止処理では、撮影レンズ3がスナップモード位置に維持されて撮影待機状態となる。
【0081】
以上のようにスナップモードでは、測距、及びその測距結果に基づくピント合わせを行わない分、レリーズボタン11の押圧に応答して素早く露光動作が行うことができる。そして、電源がオフの場合であっても、スナップモードボタン13を押圧するだけで、電源がオンとなり、そしてスナップモードとなるから、電源がオフの状態から1回の押圧操作でスナップモードとなり、素早くスナップモードで撮影ができる。
【0082】
また、スナップモードでストロボ発光が行われる場合には、スナップ用露光基準距離の被写体に対して適正露光となるように発光タイミングが調節されるから、前述のようにストロボ撮影の対象となる被写体は、露光アンダーとなる確率が低くなり、多くの場合でプリント時の補正により好ましい画質を得ることができる。
【0083】
上記のようにスナップモード下で撮影が行われるが、スナップモードを解除する場合には、スナップモード下でスナップモードボタン13を押圧操作する。スナップモード下でスナップモードボタン13が押圧されると、その時点で図7に示される処理が行われて、SMFを「0」としてから、撮影レンズ3の各レンズ3a,3bがスナップモード位置からフォーカス待機位置に移動されてスナップモードから通常モードに移行する。
【0084】
また、スナップモード下でズームボタン15を望遠側に操作しても、スナップモードが解除されて通常モードに移行する。図8に示されるように、スナップモード下でズームボタン15が望遠側に操作されると、SMFが「0」,撮影レンズ3の各レンズ3a,3bがフォーカス待機位置に移動されて通常モードに移行してから、直ちに望遠端に向けてのズーミングが行われる。なお、ズーム用のカムの一部をフォーカス用に流用する構成の場合には、フォーカス待機位置への移動ステップが省かれる。
【0085】
これによって望遠側にズーミングが必要になった撮影を素早く行うことができる。スナップモード下でスームボタン15を広角側に操作しても、撮影レンズ3の焦点距離はそのままであり、各レンズ3a,3bもスナップモード位置に維持される。
【0086】
なお、スナップモードでの撮影は、レリーズボタン11を押圧するだけで撮影が行え、近距離の主要被写体でなく遠距離の背景にピントが合ってしまうような誤測距が発生しないので他人に撮影を依頼するにも利用できる。
【0087】
図11は、スナップモード下で露光動作が行われる毎に撮影レンズ3の各レンズ3a,3bをフォーカス待機位置に一度戻してから、再度スナップモード位置にセットする例を示している。
【0088】
例えばスナップモード下で撮影レンズ3に予期せぬ力が加えられた場合に、各レンズ3a,3bがスナップモード位置からずれてしまうことがある。この場合、スナップ用フォーカス基準距離にピントが合致しない状態で撮影が継続されてしまうが、この例によれば露光動作が完了する毎に、撮影レンズ3がスナップ用フォーカス基準距離にピントが合致するように駆動されるから、たとえピント位置がずれても次回の撮影時には正しいピント状態で撮影を行うことができ、撮影の失敗を軽減できる。なお、充電レベルが発光可能なレベルに満たないため撮影が禁止された場合にも、同様な処理を行うのが好ましい。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のオートフォーカスカメラによれば、スナップモード用の被写体距離として予め決められたスナップ用フォーカス基準距離よりもスナップモード時のフラッシュマチック制御の際の被写体距離としてのスナップ被写体距離を大きく設定したから、ストロボ撮影時に露光アンダーの発生を少なくしプリント時の補正することで良好な画像が得られる露光オーバーとなる頻度を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカメラの正面側外観を示す斜視図である。
【図2】本発明を実施したカメラの背面側外観を示す斜視図である。
【図3】カメラの要部構成を示すブロック図である。
【図4】撮影レンズの構成の一例を示すものである。
【図5】撮影レンズの各レンズの移動曲線を示す説明図である。
【図6】マイクロコンピュータのメイン処理を示すフローチャートである。
【図7】スナップモードボタンが押圧されたときに行われる割り込み処理を示すフローチャートである。
【図8】ズームボタンの操作時に行われる処理を示すフローチャートである。
【図9】レリーズボタンが押圧されたときに行われる処理を示すフローチャートである。
【図10】ストロボ光の発光タイミングを決定するフローチャートである。
【図11】スナップモードでの露光完了毎に撮影レンズをフォーカス待機位置にいったん戻す例を示すものである。
【符号の説明】
3 撮影レンズ
9 ストロボ発光部
11 レリーズボタン
12 電源ボタン
13 スナップモードボタン
15 ズームボタン
16 LCD
23 バックライト
24a,24b LED
30 マイクロコンピュータ
33 EEPROM
35 ストロボ装置
37 測距部
42 フォーカス駆動部

Claims (3)

  1. 被写体までの距離を測定し、この測距結果に基づいて撮影レンズの合焦動作を行うオートフォーカス機構と、露光時に絞り開口が漸増または漸減していく過程で被写体距離に応じた絞り開口径となったときに一定光量のストロボ光を被写体に向けて照射することにより、ストロボ光による露光量を適正なものとするストロボ装置とを備えるとともに、予め決められたスナップ用フォーカス基準距離に合焦するように撮影レンズを設定した状態で、レリーズボタンの押圧に応答して露光動作を行うスナップモードを有し、露出アンダー側よりも露光オーバー側に広いラチチュードを有する撮影媒体に露光を与えるオートフォーカスカメラにおいて、
    前記ストロボ装置は、スナップモード下では、スナップ用露光基準距離を被写体距離としてストロボ発光するべき絞り開口径が決められ、前記スナップ用露光基準距離は、前記スナップ用フォーカス基準距離よりも大きく設定されることを特徴とするオートフォーカスカメラ。
  2. 前記スナップ用露光基準距離と前記スナップ用フォーカス基準距離との少なくともいずれか一方は、データ書き換えが可能な記憶手段に記憶されていることを特徴とする請求項1記載のオートフォーカスカメラ。
  3. 少なくともスナップモードに設定されていることを含む撮影情報を表示する表示手段と、この表示手段を照明する照明手段とを備えており、スナップモードが設定または解除される毎に前記照明手段によって前記表示手段が照明されることを特徴とする請求項1または2記載のオートフォーカスカメラ。
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