JP2559754B2 - 減感インキ - Google Patents

減感インキ

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JP2559754B2 JP62201944A JP20194487A JP2559754B2 JP 2559754 B2 JP2559754 B2 JP 2559754B2 JP 62201944 A JP62201944 A JP 62201944A JP 20194487 A JP20194487 A JP 20194487A JP 2559754 B2 JP2559754 B2 JP 2559754B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感圧複写紙に用いる減感効果に優れた減感イ
ンキに関する。更に詳細には無色ないし淡色の色素前駆
体とこれを発色させる顕色剤との組み合わせから成る感
圧複写紙用において、色素前駆体の発色の抑制、または
阻止するための減感インキに関する。
一般に感圧複写紙は、色素前駆体と称せられる電子供
与性の塩基性染料の溶液が内包されたマイクロカプセル
層を有するシート(以下、「CBシート」と称する)と電
子受容性の顕色剤塗布層を有するシート(以下、「CFシ
ート」と称する)とを組み合わせて使用される。また、
表面に顕色剤を、裏面に色素前駆体を含有するマイクロ
カプセルを塗布した紙(以下、「CFBシート」と称す
る)をCBシートとCFシートの間にはさんで使用すれば多
数枚の複写が可能である。
こうして使用する感圧複写紙において、複写不要な部
分に減感インキを印刷機等を使用してCFシートに塗布
し、色素前駆体の発色を抑制または阻止する。
〔従来の技術〕
減感剤について公知のものは、第4級アンモニア塩
(特公昭33−3921号)、2個のポリエチレンオキシ基を
有する第3級アミン(特公昭46−29546号)、尿素樹脂
の初期縮合物(特公昭46−35697号)、ポリエチレンオ
キシモノアルキルエーテル(特公昭47−38201号)、ポ
リアルキレンポリアミンのエチレンオキシド付加化合物
(特公昭49−23008号)、アルキレンジアミンのプロピ
レンオキシド付加化合物(特公昭49−23850号)、平均
分子量400〜5000のポリプロピレングリコール(特公昭5
5−1919号)、ポリアミンのグリシジルエステルまたは
グリシジルエーテル付加化合物(特公昭51−22416
号)、ジアゾビシクロアルケン類またはその塩(特公昭
54−26926号)、スピロアセタール系ジアミン(特公昭5
5−16188号)、活性水素ポリアミンとアルキレンオキシ
ド付加化合物(特公昭53−23724号)などが知られてい
る。これらの減感剤は凸版印刷、凹版印刷、平板印刷、
孔版印刷等の印刷方式に応じた印刷インキ、即ち減感イ
ンキに調製され使用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
近年、顕色剤の研究が進み、サリチル酸誘導体の多価
金属塩及び/またはサリチル酸共縮合樹脂の多価金属塩
を顕色剤として用いたCF及びCFBシートは発色能力や発
色像の安定性が向上し一部実用化されている。
例えば、特公昭51−25274号、同52−1327号、特開昭5
4−40898号、同61−100493号、特願昭61−18027号、同6
2−19673号等に提案された種々の置換基を有するサリチ
ル酸の多価金属塩、あるいはサリチル酸系縮合物の多価
金属塩などが代表的である。
これらのサリチル酸系多価金属塩を顕色剤とするCFシ
ート及びCFBシートはその顕色能力が大であるため、従
前、フェノール樹脂系顕色剤等に用いられた減感インキ
を用いた場合は色素前駆体に対する減感効果が不十分で
あり、インキの盛り量の増加させなければ、充分な効果
が得られない。
しかしインキの盛り量を多くすると乾燥速度が遅くな
り、乾燥不十分により裏移りしたり、インキが印刷され
ていない部分へブリードする等、印刷時にトラブルが発
生する。
また一部に提案されたアルキルアミンとエチレンオキ
シドあるいはプロピレンオキシドの付加物は、減感効果
の優れたものも存在するが一般に水に対する親和性が大
であり、特にオフセット印刷用インキとしては問題を残
していた。
〔問題を解決する手段〕
本発明者等はこのような問題解決のために種々の検討
を行い、部分構造(I) −OCHR1CHR2CH2NH2 (I) (R1,R2は水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル
基を示す。)を有するポリエーテルアミン誘導体とα,
β−不飽和カルボン酸あるいはα,β−不飽和ニトリル
誘導体とを付加反応させて得られる化合物を主成分とす
る減感インキにより前記諸問題を解決できることを見出
し本発明を完成した。
本発明に於いて用いられる部分構造(I)を有するポ
リエーテルアミン誘導体は部分構造(II) −(OCH2CHR3nOH (II) (式中、R3は水素原子、または炭素数1〜5の低級アル
キル基を示し、nは1〜100の整数値を示す。)を有す
るポリエーテルアルコールをα,β−不飽和ニトリル誘
導体に共役付加させたのちシアノ基を還元して容易に得
ることができる。ポリエーテルアミン誘導体として具体
的には 等があげられ、k〜nが1〜100の種々の分子量のもの
が容易に合成可能である。
一方、α,β−不飽和カルボン酸あるいはニトリル誘
導体は以下の一般式で表されるものが例示される。
CH2=CHCOOR1 CH2=C(CH3)COOR1 CH3CH=CHCOOR1 CH2=CHCN CH2=C(CH3)CN CH2=CHCONR2R3 CH2=C(CH3)CONR2R3 ここでR1は炭素数1〜20のアルキル基、置換アルキル
基(置換基としては、水酸基、アミノ基、エーテル基
等)、アルキレン基、シクロアルキル基、アラルキル
基、アリール基を示し、R2、R3は水素、炭素数1〜20の
アルキル基、置換アルキル基(置換基としては、水酸
基、アミノ基、エーテル基等)、ヒドロキシアルキル
基、アミノアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル
基、アラルキル基、アリール基を示し、アルキル基がN
を介して環を形成してもよい。
これらのなかで特に好ましいα,β−不飽和カルボン
酸あるいはα,β−不飽和ニトリル誘導体の具体的な化
合物としてはメチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、ラウリルアクリレートステアリルアクリレー
ト、グリセリントリアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、エチルメタクリレート、ヘキシルメ
タクリレート、ポリプロピレンジメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート、ブチルクロトネー
ト、オクチルクロトネート、ラウリルクロトネート、グ
リセリンモノクロトネート、アクリルニトリル、メタク
リルニトリル、クロチルニトリル、アクリルアミド、メ
チルアクリルアミド、オクチルアクリルアミド、シクロ
ヘキシルアクリルアミド、2−メトキシエチルアクリル
アミド、3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシ
フェニルアクリルアミド、4−トリルアクリルアミド、
ナフチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミ
ド、アクリロイルモルフォリン、オクチルメタクリルア
ミド、N−メチル−N−メタクリロイルピペラジンN,N
−ジブチルクロトン酸アミドなどがあげられ、それぞ
れ、単一で用いてもよいし、必要に応じては1種以上を
用いることもできるが、勿論これらに限定されることは
ない。
本発明において減感剤として用いられる物質は一般に
淡色あるいは淡黄色の油状物として得られるが、減感イ
ンキ調製に用いられるビヒクル樹脂との親和性が大き
く、また種々の印刷法に適した程よい親水法、および親
油性を有している。
本発明の減感インキは、減感剤成分である化合物を減
感インキの不揮発性成分中10〜60重量%、望ましくは30
〜50重量%含有する。
本発明の減感インキを得るための減感剤以外の成分と
して (1)ビヒクル樹脂として、ロジン変性フェノール樹
脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンエステル樹脂、
マレイン酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、テルペン化
フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、アルキッド樹脂等の
インキ用樹脂が一般に用いられ、減感インキ(不揮発分
中)の10〜50重量%、好ましくは、15〜30重量%含有さ
れる。
(2)印刷適性、白色度、陰蔽力を向上させるための顔
料として、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸
化マグネシウム、タルク、シリカ、炭酸カルシウムが10
〜50重量%、望ましくは15〜30重量%含有される。
その他、必要に応じてグリコール系溶剤、アマニ油、
キリ油、大豆油等の乾性油、綿実油、菜種油、米ぬか油
等の半乾性油、パラフィン類、金属石鹸類、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、滑剤、蛍光増白剤などを併用すること
ができる。
さらにフレキソあるいはグラビア印刷用にインキの作
成には、低級アルコール類、エステル類、ケトン類など
の揮発性溶剤を加えて、粘度と揮発速度を調節して用い
る。
本発明の減感インキを得るには、公知の各種方法を用
いることが可能であり、また必要に応じて公知の減検剤
と併用してもよい。
〔作用および効果〕
本発明のポリエーテルアミン誘導体とα,β−不飽和
カルボン酸あるいはα,β−不飽和ニトリル誘導体とを
反応せしめて得られる物質を有効成分とする減感インキ
は、凸版、ドライオフセット印刷に限らず、フレキソ、
グラビア、オフセット印刷等種々の印刷機でも印刷可能
なインキ物性を備えることが可能である。
本発明の減感インキの減感作用は、酸性顕色剤の発色
サイト(酸点)を減感剤のアミン成分が中和することに
より顕色剤を不活性化させるためと考えられる。
本発明の減感インキはクレー系(例えば酸性白土、活
性白土、アタパルジャイト)、フェノールホルムアルデ
ヒド樹脂系の顕色剤などに対しても優れた減感効果を有
するが、とりわけサリチル酸誘導体の多価金属塩、ある
いはサリチル酸共縮合樹脂の多価金属塩などに対して
は、優れた減感効果とあいまって減感印刷部の経時的変
化(着色)も極めて少ない。
本発明の減感インキは、一般に感圧色素(色素前駆
体)として広く用いられる各種のフルオラン系、トリア
リルメタンフタリド系、ピリジルフタリド系、アシルロ
イコフェノチアジン系、ローダミンアリニノラクタム系
化合物に対し、顕色剤面に塗布されて、優れた減感効果
(発色防止効果)を発揮する。
本発明の減感インキに用いる増感剤は、一般に水に対
する溶解度が極めて小さいため、グラビア、フレキソ、
凸版印刷方式による増感印刷はもちろん、湿式オフセッ
ト印刷においても優れた印刷適性を備え、少量の盛り量
で充分な減感効果を有するので印刷の高速化に対応でき
る。
本発明の減感インキを塗布したCFシートおよびCFBシ
ートは経時黄変、臭気も無く良好な印刷面が得られる。
本発明の減感インキは顕色剤塗布面(CF面)に盛り量
が0.5/cm2以上、好ましくは1〜5g/cm2印刷することに
より充分な減感効果を発揮することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例および比較例により詳しく説明
する。
実施例および比較例で用いるCB、CFシートは次のよう
に作成した。
CBシートの作成 エチレン無水マレイン酸の10%水溶液100部および水2
40部を混合し、10%水酸化ナトリウム水溶液でpHを4.0
とし、この中に3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオランを5重量%溶解したアルキルナフタ
レン200部をホモミキサーで乳化した後、固形分50%の
メチル化メチルロールメラミン水溶液(三井東圧化学
「ユーラミンT−530」)60部を加え、撹拌下55℃で3
時間保持して、平均粒径が5.0μのマイクロカプセル液
を得た。
このマイクロカプセル液100部に小麦粉澱粉粒20部と2
0%酸化澱粉粉20部、水116部を加えた後撹拌し、40g/m2
の紙に固形分として5g/m2になるように塗布してCBシー
トを得た。
CFシート(A)の作成 3,5−ジベンジルサリチル酸の亜鉛塩を少量の高分子
アニオン系界面活性剤の存在下に、サンドグラインディ
ングミルを用いて湿式微粉枠を行い、固形分40重量%の
水性懸濁液を作成した。
該水性懸濁液を用いて、下記組成の水性塗料(固形分
30%)を作成し、40g/m2の上質紙の乾燥塗布量が5.5g/m
2となるように、塗布乾燥してCFシート(A)を作成し
た。
水性塗料の組成 固形重量部 軽質炭酸カルシウム 100 顕色剤 20 接着剤 酸化澱粉 8 合成ラテックス 8 CFシート(B)の作成 3,5−ジベンジルサリチル酸の亜鉛塩の代わりにサリ
チル酸−α,α′ジメトキシ−p−キシレン−メシチレ
ン共縮合樹脂の亜鉛塩を用いて同様にしてCFシート
(B)を作成した。
合成例1 ポリエーテルアミンの合成 ポリプロピレングリコール(平均分子量425)42.5gを
テトラヒドロフラン100mlに溶解し、カリウム t−ブ
トキシド1.0gを加えた。この溶液にアクリルニトリル1
1.7gを加え、50℃で12時間攪拌した。終了後、反応液を
300mlの半ば飽和した食塩水に注ぎ、有機層を分離し
た。有機層に含まれる揮発成分を減圧で除き、油状物5
2.8gを得た。
この油状物を200mlの乾燥エーテルに溶解し水素化ア
ルミニウムリチウム7.6gを少量ずつ加えた後、室温で1
時間攪拌した。この溶液に酢酸エチル10mlを少量ずつ加
え過剰の還元剤を不活化した後5mlの水を加えた。この
反応液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後溶媒
を減圧留去してポリプロピレンオキシジアミン51.9gを
得た。
ポリエーテルアミンとα,β−不飽和カルボン酸誘導体
あるいはニトリル誘導体との付加反応 前述のようにして得られたポリプロピレンオキシジア
ミン27gにアクリル酸ブチル25.6gを加え、100℃で24時
間撹拌した。未反応モノマーを減圧で除去し下記化合物
(A)51.9gを得た。
合成例2〜5 合成例1と同様にして化合物(B)〜(E)を得た。
化合物(D) C4H9OCH2CH2OCH(CH3)CH2CH2N(CH2CH2COOC12H25 実施例1 合成例1で得た減感剤40部およびバインダーとてロジ
ン変性マレイン酸樹脂30部を加熱溶解したワニスに、酸
化チタン40部を加え、3本ロールミルで混練して減感イ
ンキを得た。これをCFシート(A)およびCFシート
(B)上にウェットオフセット印刷機により3.5g/m2
刷した。
得られたそれぞれの減感印刷紙とCB紙を組み合わせて
線圧100kg/cmのスパーカレンダーロールを通過させて発
色操作を行い、一昼夜放置後の発色濃度値(マクベス濃
度Vis値)で測色して減感効果を評価した。
実施例2〜5 合成例2〜5で得た減感剤を用いた以外は実施例1と
同様にして減感効果を評価した。
比較例1〜3 減感剤未使用、減感剤として公知の2個のポリエチレ
ンオキシ基を有する第3級アミンまたはポリプロピレン
グリコールを用いた以外は実施例1と同様にして減感効
果を評価した。
得られた結果を第1表に纏めて示す。
第1表の数値は減感効果を示し、数字が小さいほどそ
の効果が大きく、実施例1〜5の0.05〜0.07という値は
完全に減感していることを意味する。
比較例2の減感インキはオフセット印刷時に水負けし
て印刷適性を得ることができなかった。また比較例3の
ポリプロピレングリコールを用いた減感インキは、サリ
チル酸多価金属塩および/またはサリチル酸共縮合樹脂
多価金属塩系顕色剤に対する減感効果が十分ではない。
実施例においてはオフセットインキおよび該インキを
用いた減感印刷紙の例を示したが、本願はオフセットイ
ンキに限定されず、凸版印刷用、フレキソ印刷用、グラ
ビア印刷用インキをも包含するものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分構造(I) −OCHR1CHR2CH2NH2 (I) (式中、R1,R2は水素原子または炭素数1〜5の低級ア
    ルキル基を示す。) を有するポリエーテルアミン誘導体とα,β−不飽和カ
    ルボン酸あるいはα,β−不飽和ニトリル誘導体とを付
    加反応させて得られる化合物を含有することを特徴とす
    る減感インキ。
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