JP2559607Y2 - エアバッグ用ステアリング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、車両に搭載されるステ
アリング構造であって、特にエアバッグを装着せしめる
エアバッグ用ステアリング構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】車両の衝突事故発生時に、搭乗者の安全
を高めるために設備されるエアバッグを装着するための
従来のエアバッグ用ステアリングとしては、例えば図１
に示す如き構造のものがある。

【０００３】つまり、１は車両に搭載されるステアリン
グホイールであり、２は、内部にバッグ・インフレータ
等を収納し、表面がパット部材にて形成されたエアバッ
グモジュールであり、そのエアバッグモジュール２は、
前記ステアリングホイール１の中央部に、スポーク３を
介して一体に形成されているモジュール取付部４の内部
に配置固定されるものである。

【０００４】５はオーディオ・空調コントロール等の操
作を行うための夫々のスイッチユニットであり、これら
のスイッチユニット５を前記モジュール取付部４の外側
部に装備する場合は、まず前記エアバッグモジュール２
を、モジュール取付部４より外した後に、前記モジュー
ル取付部４の内側から取付ねじ６によって取付けられる
ものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な従来のエアバッグ用ステアリングにあっては、モジュ
ール取付部４の形状の違い（スポーク３が３本の場合、
４本の場合であるときの形状変化）によってエアバッグ
モジュール２の形状も変更ある場合には、エアバッグモ
ジュール２形状は、上記スポーク数に応じてそれぞれ違
う形状のものに構成しなければならないため、作業ライ
ンが分割される等のことから製品コストが高くなってし
まうという問題点があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案は、このような
従来の問題点に着目してなされたもので、ステアリング
ホイールの中央部に形成されているモジュール取付部に
位置せしめたモジュールを、そのモジュール取付部に被
着される定形状のモジュール取付枠によって止着し得る
構造となして、どのような形状のステアリングにも単一
構造（形状）のエアバッグモジュールを設備することが
できるようにし、経済性に優れたエアバッグ用ステアリ
ングを提供することにある。

【０００７】

【実施例】以下に本考案を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。

【０００８】図２において、１１は車両に搭載されるス
テアリングホイールであり、このステアリングホイール
１１の中央部にはエアバッグモジュール１２を固定する
エアバッグモジュール取付部１３が４本のスポーク１４
を介して、ステアリングホイール１１と一体に設けられ
ている。

【０００９】エアバッグモジュール１２の構成は、エア
バッグカバー１５と、このエアバッグカバー１５内に順
次配置収納されるバッグ１６、ブラケット１７、インフ
レータ１８とからなっていて、このエアバッグモジュー
ル１２は同一構造、同一形状の単一構造体である。１９
はステアリングパット部材であって、このステアリング
パット部材１９の中央部には、前記エアバッグモジュー
ル取付部１３に取付けられたエアバッグモジュール１２
の正面部を露呈する開口２８が形成され、さらに該ステ
アリングパット部材１９の周縁で上記エアバッグモジュ
ール１２の外側縁を囲むようにして、前記ステアリング
ホイール１１と一体に結合されるエアバッグモジュール
１２に対してのフィニッシャー的作用を有するものであ
って、このステアリングパット部材１９には、前記４本
のスポーク１４に対応する４本のスポーク嵌合部２０が
形成されているものである。

【００１０】この実施例におけるステアリングパット部
材１９にはオーディオ・空調等のコントロール用スイッ
チユニットを取付けないタイプであるが、例えば１個乃
至２個のスイッチユニットをステアリングに取付け使用
するときは、図３及び図４に示すように、ステアリング
パット部材１９の裏側よりスイッチユニット２１を取付
ねじ２２で締着する構成とすると共に、上記ステアリン
グパット１９のスイッチユニット２１の操作片２３に対
応する個所を薄肉構造２４として、ステアリングパット
部材１９の表側よりスイッチユニット２１を押動操作す
ることができるように各種ステアリングパット部材１９
が予め構成されている。なお２５はスイッチユニット２
１より引き出されているリード線の先端に接続されてい
るコネクタを示す。

【００１１】図６はステアリングホイール１１に対して
固定するステアリングパット部材１９の固定手段を示す
もので、そのステアリングホイール１１には係止孔２６
を設けると共にステアリングパット部材１９にはその係
止孔２６に係止される係止爪２７を設けて、その係止爪
２７と係止孔２６との係止作用でステアリングパット部
材１９をステアリングホイールに着脱自在に止着せしめ
ることができるものである。

【００１２】このような実施例にあっては、ステアリン
グホイール１１の中央部に、エアバッグモジュール取付
部１３を設け、この取付部１３にエアバッグモジュール
１２を取付けた後、そのエアバッグモジュール１２の外
側よりステアリングパット部材１９を被着して、エアバ
ッグモジュール取付部１３とエアバッグモジュール１２
との相互間で生じる隙間等をステアリングパット部材１
９で隠蔽する構造であるから、そのエアバッグモジュー
ル取付部１３形状と、エアバッグモジュール１２形状と
の間に形状的相違があってもステアリングの外観が損な
われることがない。

【００１３】従ってエアバッグモジュール１２の形状、
構造を単一生産したものを、各種形状のステアリング、
例えば図２に示すような４本スポークを有するステアリ
ングホイールに、また図５に示すように３本スポークを
有するステアリングホイールに取付け使用することがで
きるので、エアバッグモジュール１２を単一生産するこ
とができ、これによってエアバッグモジュール１２の生
産性と経済性を高めることができる。

【００１４】またこの実施例にあっては、スイッチユニ
ット２１はステアリングパット部材１９の裏側に止着
し、そのステアリングパット部材１９の表側より、その
スイッチユニット２１の操作片２３を操作することがで
きるので、スイッチユニット２１はステアリングパット
部材１９により防水的に被覆されており、その結果、ス
イッチユニット２１の防水的保護が完ぺきである。

【００１５】

【考案の効果】以上のように本考案はステアリングホイ
ール１１の中央部にエアバッグモジュール１２が配置固
定されるエアバッグ用ステアリングにおいて、前記エア
バッグモジュール１２は、インフレータ１８、バッグ１
６、該インフレータ及びバッグを収納するカバー１５に
よって構成され、さらに該カバー１５の表側に、エアバ
ッグモジュール１２正面部を露呈するための開口２８が
形成され、かつステアリングホイール１１に取付けられ
るステアリングパット部材１９を被着せしめたエアバッ
グ用ステアリングであるから、これによれば、ステアリ
ングの形状が例えば３本スポーク、４本スポークの如く
相違されるものであっても、エアバッグモジュール１２
の形状を変更せしめる必要がなく、従って単一構造、形
状のエアバッグモジュール１２の生産が可能であること
から、該エアバッグモジュール１２の生産性、経済性が
高められるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例のエアバッグ用ステアリングを示した構
造説明図。

【図２】本考案実施例のエアバッグ用ステアリングを示
した構造説明図。

【図３】本考案他の実施例のステアリングパット構造の
説明図。

【図４】本考案のさらに他の実施例のステアリングパッ
ト構造の説明図。

【図５】本考案他の実施例のエアバッグ用ステアリング
を示した構造説明図。

【図６】本考案実施例のステアリングパット部材とステ
アリングホイールとの係止構造説明図。

【符号の説明】

１１…ステアリングホイール １２…エアバッ
グモジュール １３…エアバッグモジュール取付部 １４…スポーク １５…エアバッグカバー １６…バッグ １７…ブラケット １８…インフレ
ータ １９…ステアリングパット部材 ２０…スポーク
嵌合部 ２１…スイッチユニット ２２…取付ねじ ２３…操作片 ２４…薄肉構造 ２５…コネクタ ２６…係止孔 ２７…係止爪 ２８…開口

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステアリングホイール（１１）の中央部
   にエアバッグモジュール（１２）が配置固定されるエア
   バッグ用ステアリングにおいて、前記エアバッグモジュ
   ール（１２）は、インフレータ（１８）、バッグ（１
   ６）、該インフレータ及びバッグを収納するカバー（１
   ５）によって構成され、さらに該カバー（１５）の表側
   に、エアバッグモジュール（１２）正面部を露呈するた
   めの開口（２８）が形成されており、かつステアリング
   ホイール（１１）に取付けられるステアリングパット部
   材（１９）を被着せしめたことを特徴とするエアバッグ
   用ステアリング。