JP2559232B2

JP2559232B2 - ホツトメルト接着剤用除去剤

Info

Publication number: JP2559232B2
Application number: JP62165402A
Authority: JP
Inventors: 秀仁金沢; 和夫野口
Original assignee: Taiho Kogyo Co Ltd
Current assignee: Taiho Kogyo Co Ltd
Priority date: 1987-07-03
Filing date: 1987-07-03
Publication date: 1996-12-04
Anticipated expiration: 2011-12-04
Also published as: JPS6411181A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、ホットメルト接着剤用除去剤に関するも
のである。

（従来の技術）一般の接着剤が、溶剤の揮散や化学反応等により硬化
して接着するのに対し、ホットメルト接着剤は加熱溶融
し冷却することによって硬化し接着するので、硬化機構
の特異さから、接着が速い、接着性の範囲が広く、安全
無害で経済的である等多くの優れた特徴を有している。
このため、近年ホットメルト接着剤の利用分野も、食
品、薬品、おもちゃ、各種部品類のカートン及びシール
や、各種紙器の製函、段ボールケースの封函等の包装、
製袋用、電話帳、雑誌、単行本等の無線綴及び表紙くる
み、各種書類の背綴等の製本用、家具、キャビネット類
の縁貼、合成用中芯の貼り、化粧紙や装飾品のはりつ
け、アルミサッシの接着等、木工建築用、その他製缶
用、製靴用、自動車用、電気部品用、日曜大工関係等の
一般工作用等広い分野に拡大し、その需要も増大して来
たが、同時にホットメルト接着剤による問題も生じてい
る。

即ち、ホットメルト接着剤は室温で固体の熱可塑性材
料よりなり、例えばポリエチレン及びその共重合体、ポ
リエステル系、ポリ酢酸ビニル及びその共重合体、ブチ
ラール系、ポリメチルメタクリレート系、ポリビニルエ
ーテル系、ポリウレタン系、ポリカーボネート系のもの
が広く使用されている。

これらのホットメルト接着剤は、一般にアプリケータ
ー呼ばれる塗布機の中で溶融し、溶融状態のまま直接被
着体に塗布し、冷却固化する。

溶融状態のホットメルト接着剤は完全に被着体に塗布
されればよいが、実際には被着体から流れ落ちたり、滲
出たり等で、被着体以外の場所、例えば塗布機の金属部
分や合成樹脂部分等に付着することがある。

塗布機等に付着したホットメルト接着剤は、瞬時に固
化し、塗布機を汚したり、トラブルの原因となるなどの
事態を生ずる。しかし、固化したホットメルト接着剤は
その性質上除去するのは困難であり、再び熱をかけて溶
融して拭き取ったり、固化した状態のまま削り取ったり
する除去方法では危険で手間が掛り過ぎるし、又完全に
除去することができない。

（発明が解決しようとする問題点）したがって、固化したホットメルト接着剤を化学的に
溶解して除去する方法が考えられるが、ホットメルト接
着剤の主成分が樹脂であることから、例えば塗布機の合
成樹脂の部分に付着したホットメルト接着剤を溶解して
除去しようとする場合、ホットメルト接着剤を溶かすと
同時に合成樹脂の部分も溶かしてしまうという問題が起
こってしまう。

このようにホットメルト接着剤を完全に除去し、しか
も除去部分の材質を侵さない条件を満足するホットメル
ト接着剤用除去剤が望まれるが、未だ充分なものが得ら
れていない。

（問題点を解決するための手段）以上の問題点を解決するために、この発明は、ハロゲ
ン化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ベンゼン
系芳香族化合物の１種又は２種以上を組合せてなる極性
有機溶剤と、パラフィン、シクロパラフィンの１種又は
２種以上を組合せてなる無極性有機溶剤とに油溶性のシ
リコーンオイルを配合してなるホットメルト接着剤用除
去剤を提案するものである。

この発明で使用できる極性有機溶剤はホットメルト接
着剤を溶解する性質を有するもので、例えば塩化メチ
ル、ジクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリク
ロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−
テトラクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジ
クロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
チレン、塩化プロピル、塩化イソプロピル、1,2−ジク
ロロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、クロロベ
ンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、クロロトルエ
ン、クロロナフタレン等のハロゲン化合物、ジエチルエ
ーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジオキサン、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチ
ルエーテル等のエーテル化合物、ギ酸エステル、酢酸エステル、酪酸エステル、ステア
リン酸エステル、安息香酸エステル、エチレングリコー
ルエステル等のエステル化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ブ
チルベンゼン等のベンゼン系芳香族化合物の１種又は２
種以上を組合せて用いることができ、その添加量は、こ
の発明に係る除去剤の施される樹脂面に対する影響、毒
性等の点から70％以下にすることが望ましい。

無極性有機溶剤としては、例えばC₁₂〜C₁₆ノルマルパ
ラフィン、同じくイソパラフィン等のパラフィン、シク
ロヘキサン等のシクロパラフィンの１種又は２種以上を
組合せて用いることができ、その添加量は上記理由から
30％以上が望ましい。

更に、上記極性有機溶剤と無極性有機溶剤の他に、油
溶性のシリコーンオイルを加えることにより、除去面が
シリコーンオイルによってコーティングされ、再びホッ
トメルト接着剤が付着しにくくなるため、ホットメルト
接着剤の除去剤にホットメルト接着剤の再付着防止性を
付与することができ、また除去面は艶が出て、外観もき
れいに見えるようになる。

ここで、使用する油溶性のシリコーンオイルとして
は、離型性に優れたものがよく、例えばジメチルシリコ
ーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、メチルフ
ェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイ
ル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、オレフィン変
性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、
α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、アルコール
変性シリコーンオイル、メトキシ変性シリコーンオイル
及びハイドロ化シリコーンオイル等を一種又は二種以上
組合せて使用することができ、その添加量は0.1〜５％
が望ましく、0.1％以下では再付着防止効果がなく、５
％以上添加しても効果は変わらず、逆に使用後べた付き
等の問題が起こる。

なお、この発明に係る除去剤は、その特性を損なわな
い程度に、防黴剤、防錆剤等を配合することができる。

（発明の効果）即ち、この発明に係る除去剤はホットメルト接着剤を
溶解できる極性有機溶剤と樹脂面に対して溶解力のない
無極性有機溶剤からなるため、ホットメルト接着剤の付
着した部分の材質を侵さず、ホットメルト接着剤のみを
化学的に溶解除去することが可能となる。

更に、上記除去剤組成に油溶性のシリコーンオイルを
加えたので、除去面がシリコーンによってコーティング
され、再びホットメルト接着剤が付着しにくくなるた
め、ホットメルト接着剤の再付着防止性を付与すること
ができ、また除去面はシリコーンオイルにより艶が出
て、外観も美麗になる。

したがって、この発明に係るホットメルト接着剤の除
去剤によれば、塗布機等に付着し、汚れ、トラブルの原
因となるホットメルト接着剤を付着した部分の材質を侵
さず、容易に溶解除去することができる。

更に、除去剤組成中に油溶性のシリコーンオイルを加
えることによりシリコーンオイルが除去面をコートし、
ホットメルト接着剤の再付着が防止されるとともに、除
去面に艶が出て外観上美麗になる。

（実施例）以下、この発明の実施例を示すが、この発明は勿論こ
れらの実施例に限定されるものではない。

配合例１テトラクロロエチレン 30％ノルマルパラフィン（C₈〜C₁₂） 69％ジメチルシリコーンオイル（300cs）１％配合例２トルエン 20％シクロヘキサン 40％ノルマルパラフィン（C₈〜C₁₅） 38％アルキル変性シリコーンオイル 2％配合例３安息香酸 20％ジエチルエーテル 20％ノルマルパラフィン（C₁₀〜C₁₃） 58％ジメチルシリコン（1000cs） 1％エポキシ変性シリコーンオイル 1％比較配合例１ジクロロメタン 30％フロンソルヘント113 70％比較配合例２ジクロロメタン 30 ％フロンソルベント113 69.8％ジメチルシリコン（1000cs） 0.2％比較配合例３トルエン 80％ノルマルパラフィン（C₈〜C₁₂） 20％比較配合例４プロピルアルコール 30％ノルマルパラフィン（C₈〜C₁₂） 70％上記の配合によって得られた試料を用い、下記（１）
〜（３）の試験を行なった。

（１）ホットメルト接着剤の除去能力試験合成樹脂の中から有機溶剤に弱いアクリルを選らび、
アクリル板に溶融したホットメルト接着剤（エチレンビ
ニル共重合体を主成分とするもの）を一定量宛塗布し、
冷却固化させた後、上記試料をしみ込ませた布で、それ
ぞれ固化したホットメルト接着剤を擦り、その落ち具合
を観察した。更に、落ちた場合、除去後のアクリル板の
変化も同時に観察した。その結果を表１に示す。

○：容易に除去できた。

△：落ちにくいが長時間擦り続ければ、除去できた。

×：全く、或は殆ど除去できなかった。

○、△についてはアクリル板の変化を記載した。

（２）合成樹脂に対する影響上記試料にそれぞれポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹
脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリカーボネート樹脂の６種類を完全に浸漬し、60℃雰
囲気下で24時間放置した後、それぞれの合成樹脂の変化
を観察した。その結果を表２に示す。

◎：全く、或は殆ど侵されず、使用に耐え得る。

○：若干作用を受けるが、条件により使用に耐え得る。

△：作用を受けるので、使用しない方がよい。

×：侵されるので、使用できない。

（３）再付着防止性試験（１）の試験終了後、ホットメルト接着剤を除去した
後に再び溶融したホットメルト接着剤を塗布し、完全に
冷却固化した後、手によって簡単に剥すことができるか
否かを判定した。その結果を表３に示す。

○：容易に剥れた。

△：少し剥しにくいが、剥れた。

×：手では全く剥すことができなかった。

表１〜３より明らかなように、無極性溶剤を少なくと
も30％以上含有すると、合成樹脂に対する影響を可成り
減らすことが可能となり、シリコーンオイルが再付着防
止作用を有している。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ハロゲン化合物、エーテル化合物、エステ
ル化合物、ベンゼン系芳香族化合物の１種又は２種以上
を組合せてなる極性有機溶剤と、パラフィン、シクロパ
ラフィンの１種又は２種以上を組合せてなる無極性有機
溶剤とに油溶性のシリコーンオイルを配合してなるホッ
トメルト接着剤用除去剤。