JP2556679B2 - 炭酸カルシウム内填紙 - Google Patents

炭酸カルシウム内填紙

Info

Publication number
JP2556679B2
JP2556679B2 JP61120698A JP12069886A JP2556679B2 JP 2556679 B2 JP2556679 B2 JP 2556679B2 JP 61120698 A JP61120698 A JP 61120698A JP 12069886 A JP12069886 A JP 12069886A JP 2556679 B2 JP2556679 B2 JP 2556679B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium carbonate
paper
calcite
filler
opacity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61120698A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62282099A (ja
Inventor
敏男 藤原
知正 毎田
洋志 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruo Calcium Co Ltd
Original Assignee
Maruo Calcium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruo Calcium Co Ltd filed Critical Maruo Calcium Co Ltd
Priority to JP61120698A priority Critical patent/JP2556679B2/ja
Publication of JPS62282099A publication Critical patent/JPS62282099A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2556679B2 publication Critical patent/JP2556679B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はカルサイト型柱状炭酸カルシウムを填料とし
て含有する新規な内填紙に関し、更に詳しくは工業的に
有利な内填紙に関するものである。
「従来技術と問題点」 通常、印刷用紙には、紙の光学的及び物理的性質を改
善する目的で、一般の上質紙、中質紙で5〜25%の填料
が抄き込まれている。主な填料としてはタルク、クレー
等がある。又、昨今の製紙業界の動向として、紙の品質
及びコストダウンの見地から中性紙化が進んでおり、こ
の用途では従来サイズ剤の関係で使用出来なかった炭酸
カルシウムが使われるようになって来た。一方、ライス
ペーパー、インディアンペーパー等の薄紙の分野では、
従来から紙の白色度、不透明度等の向上の目的で炭酸カ
ルシウムが使用されていた。ここで使用される炭酸カル
シウムは一般に軽質炭酸カルシウムと呼ばれるもので、
Ca(OH)とCO2ガスを反応させて作られる。このもの
は一次粒子径が1〜2μm前後の紡錘形状をしたもので
ある。この軽質炭酸カルシウムは薄紙に使用すると、他
の填料に比較して不透明性、白色度が優れている。しか
し、これでも不透明性、白色度に関しては不十分なた
め、酸化チタンを併用して所望の不透明性、白色度を維
持している。即ち、現在の軽質炭酸カルシウムでは高価
な酸化チタンを併用せざるを得ないため、非常にコスト
アップとなる。従って、従来からより不透明度、白色度
の良好な填料の開発が望まれていた。
一方、特開昭57−71499号にはアラゴナイト系柱状炭
酸カルシウムを填料として含有した充填紙が提案されて
いる。しかし乍ら、後に評述する様に、アラゴナイト
結晶は非常に不安定で水分や高温等により容易にカルサ
イト結晶に移行し、従ってこれを含有した紙の物性も不
安定とならざるを得ない、分散性及び粒子の均一性に
おいて必ずしも満足できるものではない、アゴラナイ
ト結晶はカルサナイト結晶に比し、比重が大きく、従っ
て、一定の容積量内填すればアラゴナイト結晶内填紙は
カルサイト結晶内填紙に比べて重くなり、輸送や取り扱
いにおいて不利であり、輸送コストも大きくなる、等の
問題を孕んでいる。
「問題を解決するための手段」 本発明者らは、かかる実情に鑑み、薄紙等に高い不透
明性、白色度を付与する填料を得んとして鋭意研究を重
ねた結果、特定形状のカルサイト型柱状炭酸カルシウム
が所期の目的を達成させることを知見し、本発明を完成
させたものである。
即ち、本発明は短径0.02〜2μm、長径0.1〜20μm
でアスペクト比が4以上であるカルサイト型柱状炭酸カ
ルシウムを填料として含有することを特徴とする炭酸カ
ルシウム内填紙を内容とするものである。
本発明に用いられる特定形状のカルサイト型柱状炭酸
カルシウムは本発明者らが先に特許出願した下記の如き
方法(特願昭60−156782、同61−51209、同61−51210)
によって製造される。
(1)第1方法(化合) 炭酸ガスと水酸化カルシウムを反応させて炭酸カルシ
ウムを生成させるにあたり、水酸化カルシウムの炭酸化
率が60%以下の段階で炭酸ガスと水酸化カルシウムとの
反応を一時中断させた後反応を終了させる。
(2)第2方法(Mg塩及びCl化合物の添加) 炭酸ガスと水酸化カルシウムを気液反応させて炭酸カ
ルシウムを生成させるにあたり、炭酸化反応が終結する
以前又は以後にマグネシウム塩及び塩素化合物から選択
される少なくとも1種を添加する。
(3)第3方法(熟成) 炭酸ガスと水酸化カルシウムを気液反応させて炭酸カ
ルシウムを生成させるにあたり、得られた炭酸カルシウ
ムスラリーの粘度がB型粘度計の60rpmで測定して1000c
p以上のスラリーを、更にスラリー全体が均一になる程
度以上の撹拌力を加えて熟成する。
上記第1、第2、第3の各方法のうち少なくとも1つ
の方法、好ましくは2つ又は3つの方法を組み合わせて
実施することにより、本発明に使用するカルサイト型の
柱状炭酸カルシウムを得ることが出来る。
こうして出来た柱状炭酸カルシウムを、より生産効率
を上げ且つより均一な粒子径にするために次のような工
程を追加することも可能である。具体的には柱状炭酸カ
ルシウムスラリーに水酸化カルシウムスラリーを炭酸カ
ルシウム/水酸化カルシウム=1mol/0.1〜10mol程度割
合の範囲で混合し、この混合スラリーに炭酸ガスを導入
することにより、均一なカルサイト結晶の柱状炭酸カル
シウムを生成させることが出来る。
本発明に用いられるカルサイト型柱状炭酸カルシウム
は短径0.02〜2μm、長径0.1〜20μmでアスペクト比
が4以上のものである。短径、長径が共に上記範囲にお
いては不透明度が極大となり、当該範囲を外れると不透
明度が低下する。又、アスペクト比が4未満となると、
不透明性が不十分となるばかりでなく、抄紙時の歩留が
低下する。
本発明の内填紙は従来の方法と同一の方法によって製
造することができる。即ち、パルプと本発明の填料とを
所定の混合した後、水、サイズ剤、助剤、その他必要に
応じて公知の添加剤を加えて叩解し、抄紙し乾燥する。
「作用・効果」 薄紙の場合、用途、種類によって異なるが不透明度を
必要とする場合は、通常パルプ100部に対して酸化チタ
ンを5〜12部内填している。昨今、酸化チタンが高騰し
ているためこれを内填している内填紙は非常にコストア
ップとなる。本発明の填料を使用すれば、酸化チタンを
全量、もしくは大部分代替することが出来る。これによ
って大幅なコストダウンが可能となる。こうして作った
紙は紙質、印刷適性に関して従来処方のものと比べて全
く問題ない。
又、紙を抄紙するときの作業性については、従来から
使用されている立方体、及び紡錘形の軽質炭酸カルシウ
ムに比べて本発明に使用するカルサイト型柱状炭酸カル
シウムは歩留がよい。これは柱状という粒子形状及び良
好な分散性により、パルプ繊維上に吸着され易くなるた
めと思われる。また、ワイヤの摩耗性は従来の紡錘形等
の粒子形のものに比べてワイヤ摩耗性は少なく、良好で
ある。
ところで、柱状形状をした炭酸カルシウムを薄紙に配
合すると不透明性が向上することは特開昭57−71499に
開示されている。しかし乍ら、本発明と特開昭57−7149
9との根本的な相違は、本発明はカルサイト結晶の炭酸
カルシウムであるのに対し、特開昭57−71499はアラゴ
ナイト結晶である点にある。この結晶の相違は填料とし
て使用した場合、効果について次のような著差がある。
第1は、カルサイト結晶の炭酸カルシウムは比重が2.
67であるが、アラゴナイトは2.85である。従って重量で
同一配合部数を内填した場合、カルサイトの方がアラゴ
ナイトに比べて容積が大きくなる。炭酸カルシウムにつ
いて云えば、内填紙の不透明性は容積に比例しており、
比重には関係ない。一般に隠ペイ性は屈折率に比例する
が、内填紙での不透明性は、炭酸カルシウムについて云
えば、粒子形状と分散性に関係しており、屈折率には殆
ど関係ない。
従って、カルサイト結晶の炭酸カルシウムと、アラゴ
ナイト結晶の炭酸カルシウムを同一容積量内填すれば、
粒子形状、分散性が同じであれば同じ不透明性が得られ
るが、紙の重さにおいてはカルサイト結晶の炭酸カルシ
ウムを内填した紙の方が軽くなる。今日、輸送運賃、持
ち運びのし易さ等の立場から、紙の軽量化が問題にされ
ているが、この問題を解決するためには出来るだけ比重
の軽い填料を使用せねばならない。即ち、特開昭57−71
499のようにアラゴナイト結晶の炭酸カルシウムを填料
として使用するより、カルサイト結晶の炭酸カルシウム
を使用する方が実用上極めて有利である。
第2は、アラゴナイト結晶はカルサイト結晶に比べて
結晶学的な立場から言えば、非常に不安定である。アラ
ゴナイト結晶は水分、高温等の状況下では容易にカルサ
イト結晶に移行する。従って、品質の安定性に関しては
カルサイトの方が数段優れている。使用する填料として
の炭酸カルシウムの物性が安定していると言うことは、
とりもなおさず紙の物性が安定すると言うことである。
第3に、本発明に使用するカルサイト型柱状炭酸カル
シウムは前記の如き方法によって得られ、アラゴナイト
結晶のものに比べて分散性及び粒子の均一性において優
れており、このことは填料として使用した場合、紙の不
透明性において、アラゴナイトより数段優れた効果が出
る。
「実施例」 以下、本発明を実施例、比較例を挙げて説明するが、
本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
参考例1(カルサイト型柱状炭酸カルシウムの製造) 濃度140g水酸化カルシウム/、、温度20℃に調整さ
れた水酸化カルシウムの水スラリー20に炭酸ガスの濃
度が30%の空気混合ガスを10000/hrの割合で5分間吹
込んだ。(連続的にガスを導入した後出の比較例1では
炭酸化に30分間を要した。従って、5分間ガス吹込み時
の炭酸化率は100%×5/30≒16.7%)。その後5分間ガ
スの導入を中止した後、再び10000/hrの割合でスラリ
ーPHが7になるまでガスを導入した。こうして出来た炭
酸カルシウムスラリーに塩化マグネシウムを60g投入し
てスラリー温度を40℃以上に保温しながら24時間撹拌放
置した。このときのスラリーのPHは10.0〜11.0の間にあ
るように調整した。
こうして生産した炭酸カルシウムスラリー10(炭酸
カルシウムとして1890g)に対して濃度140g水酸化カル
シウム/の水酸化カルシウムの水スラリーを20加え
て混合しながら炭酸ガスを導入して炭酸化を終結させ
た。
上記の如くして得られたカルサイト型柱状炭酸カルシ
ウムは短径0.15μm、長径2.0μm、アスペクト比が13.
3であった。
実施例1、比較例1〜3 参考例1で得られたカルサイト型柱状炭酸カルシウム
について抄紙試験を行った。
比較の為に、填料を全然使用しないもの(比較例
1)、従来から使用されている紡錘形の軽質炭酸カル
シウムを使用したもの(比較例2)、アラゴナイト結
晶の柱状炭酸カルシウムを使用したもの(比較例3)、
の三つのケースについて同様に試験した。試験方法及び
条件は下記の通りで、抄紙試験結果は第1表に示した。
使用パルプ:LBKP/NBKP=7/3 叩解度:300cc.cfs 抄紙機:手抄きマシン(120メッシュのスクリーン使
用) 脱水圧:5.0kg/cm2 乾燥機:ドラムドライヤー 乾燥温度140℃ 配合:パルプ(L/N=7/3) 100 部 CaCO3 60 部 水 パルプ濃度2.5% カチオンデンプン 1 サイズ剤(ハーサイズAK−188) 0.2 部 定着剤(カイメン577H) 0.05部 歩留向上剤(NR−11LH) 0.02部 第1表の試験結果よりカルサイト型柱状炭酸カルシウ
ムが従来品に比べて不透明度、紙S値、顔料S値におい
て優れていることがわかる。
尚、従来の紡錘形の軽質炭酸カルシウムに比べて、カ
ルサイト柱状炭酸カルシウムが分散性において優れてい
ることは、第1図(A)、(B)に示した粒度分布でも
判る。前述の如く、この分散性の差は紙の不透明度に関
係する。尚、粒度分布測定機種は島津製作所SA−CP2
(条件、セル回転速度1200rpm、セルの液面高さ3)を
用いた。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明に用いられるカルサイト柱状炭酸
カルシウムの粒度分布を示すグラフ、第1図(B)は紡
錘形の軽質炭酸カルシウムの粒度分布を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】短径0.02〜2μm、長径0.1〜20μmでア
    スペクト比が4以上であるカルサイト型柱状炭酸カルシ
    ウムを填料として含有することを特徴とする炭酸カルシ
    ウム内填紙。
JP61120698A 1986-05-26 1986-05-26 炭酸カルシウム内填紙 Expired - Lifetime JP2556679B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61120698A JP2556679B2 (ja) 1986-05-26 1986-05-26 炭酸カルシウム内填紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61120698A JP2556679B2 (ja) 1986-05-26 1986-05-26 炭酸カルシウム内填紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62282099A JPS62282099A (ja) 1987-12-07
JP2556679B2 true JP2556679B2 (ja) 1996-11-20

Family

ID=14792765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61120698A Expired - Lifetime JP2556679B2 (ja) 1986-05-26 1986-05-26 炭酸カルシウム内填紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2556679B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4892590A (en) * 1988-06-03 1990-01-09 Pfizer Inc. Precipitated calcium carbonate-cationic starch binder as retention aid system for papermaking
JP2728270B2 (ja) * 1988-09-30 1998-03-18 王子製紙株式会社 熱転写インク画像受容シート
WO1992021613A1 (en) * 1991-06-04 1992-12-10 Minerals Technologies, Inc. Precipitated calcium carbonate particles from basic calcium carbonate

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62282099A (ja) 1987-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU637082B2 (en) Paper manufacturing process, and papers obtainable by means of that process
JP2781010B2 (ja) 沈降炭酸カルシウムの製造法および結合剤組成物
EP0791685B1 (en) Procedure for adding a filler into a pulp based on cellulose fibres
JP5296278B2 (ja) 処理された新規な製紙用填料または顔料または鉱物、特に天然CaCO3を含有する顔料、その製造方法及びそれらを含有する組成物とその用途
US6623555B1 (en) Composite precipitated calcium carbonate/silicon compound pigment and method of making same
JPH0327676B2 (ja)
JPH04503536A (ja) 製紙方法および該方法によって得られる紙
EP0348366A2 (en) A process for the production of paper
US7083703B2 (en) Filler and a process for the production thereof
US4725318A (en) Filler for paper-making and neutral paper-making process by the use thereof
JP3582659B2 (ja) カルボキシメチルセルロース化合物による無機顔料の処理
JP2000506486A (ja) 酸耐性炭酸カルシウム組成物およびその使用
US6136085A (en) Silica-coated alkaline earth metal carbonate pigment
US2786758A (en) Method of preparing siliceous pigment and method of preparing paper from such pigment
JP2556679B2 (ja) 炭酸カルシウム内填紙
JPS62162098A (ja) 中性紙の製造方法
JPH1111941A (ja) 軽質炭酸カルシウムの製造方法
US2786757A (en) Method for preparing a paper product
US20070181275A1 (en) Use of calcuim carbonate particles in papermaking
WO2005100690A1 (en) Use of calcium carbonate particles in papermaking
JPS62207714A (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
EP2781651A1 (en) Process for fiber loading
JP2003063820A (ja) 針状軽質炭酸カルシウムの製造方法及び該炭酸カルシウムを含有する紙
US20040109811A1 (en) Process for reductive bleaching of alkaline earth metal carbonates
SU889771A1 (ru) Способ приготовлени бумажной массы