JP2556331B2 - 水中又は水性分散液中のアクリロニトリルの除去方法 - Google Patents
水中又は水性分散液中のアクリロニトリルの除去方法Info
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- JP2556331B2 JP2556331B2 JP62188589A JP18858987A JP2556331B2 JP 2556331 B2 JP2556331 B2 JP 2556331B2 JP 62188589 A JP62188589 A JP 62188589A JP 18858987 A JP18858987 A JP 18858987A JP 2556331 B2 JP2556331 B2 JP 2556331B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は水中又は水性分散液中の遊離アクリロニトリ
ルの除去方法に関するものである。
ルの除去方法に関するものである。
(従来の技術) ABS樹脂、AS樹脂あるいはアクリロニトリル−ブタジ
エン共重合ゴム(NBR)等のポリマーの原料としてアク
リロニトリルは工業的に広く利用されている。これらの
ポリマーは通常水を媒体とする懸濁重合あるいは乳化重
合によって製造される。アクリロニトリルは重合終了後
の水中あるいは水性分散液中に残存する未反応のアクリ
ロニトリルを減圧あるいは水蒸気蒸留による通常のスト
リッピング操作によって完全に除去することは極めて困
難である。
エン共重合ゴム(NBR)等のポリマーの原料としてアク
リロニトリルは工業的に広く利用されている。これらの
ポリマーは通常水を媒体とする懸濁重合あるいは乳化重
合によって製造される。アクリロニトリルは重合終了後
の水中あるいは水性分散液中に残存する未反応のアクリ
ロニトリルを減圧あるいは水蒸気蒸留による通常のスト
リッピング操作によって完全に除去することは極めて困
難である。
健康、安全上、残存アクリロニトリルを如何にして低
減するかは重要な問題であり、種々の方法が提案されて
いる。その一つとして特開昭55−65207号公報には亜硫
酸アルカリ等を添加して水中の遊離アクリロニトリルと
反応させ、該アクリロニトリルを検出できない量まで低
減せしめる方法が開示されている。この方法は有効であ
るが、実用的にはかなり長時間の処理時間と残存アクリ
ロニトリル量を基準にして化学量論的(モル)当量から
6倍モル程度のかなり大量の亜硫酸アルカリの使用を必
要とする等の問題がある。
減するかは重要な問題であり、種々の方法が提案されて
いる。その一つとして特開昭55−65207号公報には亜硫
酸アルカリ等を添加して水中の遊離アクリロニトリルと
反応させ、該アクリロニトリルを検出できない量まで低
減せしめる方法が開示されている。この方法は有効であ
るが、実用的にはかなり長時間の処理時間と残存アクリ
ロニトリル量を基準にして化学量論的(モル)当量から
6倍モル程度のかなり大量の亜硫酸アルカリの使用を必
要とする等の問題がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは前記欠点を解決すべく鋭意研究の結果、
スルホキシル酸塩又はそのアルデヒド誘導体もしくは亜
ニチオン酸塩を用いることにより添加量を少なくし、短
時間の処理で残存アクリロニトリルを低減させ得ること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到っ
た。
スルホキシル酸塩又はそのアルデヒド誘導体もしくは亜
ニチオン酸塩を用いることにより添加量を少なくし、短
時間の処理で残存アクリロニトリルを低減させ得ること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到っ
た。
(問題点を解決するための手段) かくして本発明によれば、遊離アクリロニトリルを含
有する水又は水性分散液にスルホキシル酸塩又はそのア
ルデヒド誘導体、もしくは亜ニチオン酸塩を添加するこ
とを特徴とする水中又は水性分散液中のアクリロニトリ
ルの除去方法が提供される。
有する水又は水性分散液にスルホキシル酸塩又はそのア
ルデヒド誘導体、もしくは亜ニチオン酸塩を添加するこ
とを特徴とする水中又は水性分散液中のアクリロニトリ
ルの除去方法が提供される。
本発明で使用されるスルホキシル酸塩及び亜ニチオン
酸塩はそれぞれスルホキシル酸(H2SO2)、亜ニチオン
酸(H2S2O4)のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あ
るいはアンモニウム塩であり、ナトリウム塩が特に代表
例として挙げられる。
酸塩はそれぞれスルホキシル酸(H2SO2)、亜ニチオン
酸(H2S2O4)のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あ
るいはアンモニウム塩であり、ナトリウム塩が特に代表
例として挙げられる。
又、スルホキシル酸塩のアルデヒド誘導体としてはホ
ルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート二水塩(CH
2OHSO2Na・2H2O)、ホルムアルデヒド亜鉛スルホキシレ
ート〔Zn(SO2CH2OH)2〕、ホルムアルデヒド塩基性亜
鉛スルホキシレート〔Zn(OH)SO2CH2OH〕などが例示さ
れる。以下ではこれらの化合物をAN除去剤と称する。
ルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート二水塩(CH
2OHSO2Na・2H2O)、ホルムアルデヒド亜鉛スルホキシレ
ート〔Zn(SO2CH2OH)2〕、ホルムアルデヒド塩基性亜
鉛スルホキシレート〔Zn(OH)SO2CH2OH〕などが例示さ
れる。以下ではこれらの化合物をAN除去剤と称する。
本発明方法は水中又は水性分散液中にアクリロニトリ
ル(以下ANと略記する)が含まれるものであればアクリ
ロニトリル含有重合体の製造プロセス、アクリロニトリ
ル製造プロセスのいずれにも適用可能である。例えば、
AN製造排水中のANの除去、AN含有ガスのガススクラバ
ー、各種AN含有ポリマーの製造における種々の排水(AB
S樹脂分離排水、NBRラテックスの凝固排水、ポリマー洗
浄排水、重合缶洗浄排水等)中のANの除去、NBRラテッ
クス中の未反応ANの除去、ABS懸濁液中の未反応のANの
除去等に使用することができるが、これらの例示に限定
されるものではない。
ル(以下ANと略記する)が含まれるものであればアクリ
ロニトリル含有重合体の製造プロセス、アクリロニトリ
ル製造プロセスのいずれにも適用可能である。例えば、
AN製造排水中のANの除去、AN含有ガスのガススクラバ
ー、各種AN含有ポリマーの製造における種々の排水(AB
S樹脂分離排水、NBRラテックスの凝固排水、ポリマー洗
浄排水、重合缶洗浄排水等)中のANの除去、NBRラテッ
クス中の未反応ANの除去、ABS懸濁液中の未反応のANの
除去等に使用することができるが、これらの例示に限定
されるものではない。
本発明方法においてはANを含む水又は水性分散液にAN
除去剤が添加される。AN除去剤は水溶液として添加する
のが望ましい。
除去剤が添加される。AN除去剤は水溶液として添加する
のが望ましい。
AN含有重合体ラテックス等にAN除去剤を添加すること
により、該重合体が凝固あるいは析出する恐れのある場
合には系のpHを調節したり、予め該ラテックス等に非イ
オン系の界面活性剤等の安定化剤を添加して安定化させ
ておくことが望ましい。
により、該重合体が凝固あるいは析出する恐れのある場
合には系のpHを調節したり、予め該ラテックス等に非イ
オン系の界面活性剤等の安定化剤を添加して安定化させ
ておくことが望ましい。
AN除去剤の使用量は存在するANの1モル当り0.5モル
以上、好ましくは1〜6モルである。
以上、好ましくは1〜6モルである。
処理温度も特に限定されないが0〜95℃の範囲が望ま
しい。処理時間は、存在するANの量、AN含有液の種類等
によって多少の相違はあるが通常30分〜6時間である。
処理はAN除去剤添加後、前記処理時間の間攪拌を継続す
ることによって達成される。
しい。処理時間は、存在するANの量、AN含有液の種類等
によって多少の相違はあるが通常30分〜6時間である。
処理はAN除去剤添加後、前記処理時間の間攪拌を継続す
ることによって達成される。
(発明の効果) 本発明方法は水あるいは水性分散液中の遊離アクリロ
ニトリルをアクリロニトリル除去剤と反応させることに
より他の物質に転換させ、遊離アクリロニトリル量を低
減させる技術であり、特にアクリロニトリルを共重合体
成分として含む共重合体ラテックス中の遊離アクリロニ
トリル低減方法として使用することができる。
ニトリルをアクリロニトリル除去剤と反応させることに
より他の物質に転換させ、遊離アクリロニトリル量を低
減させる技術であり、特にアクリロニトリルを共重合体
成分として含む共重合体ラテックス中の遊離アクリロニ
トリル低減方法として使用することができる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
実施例1及び2、比較例1 固形分30重量%、ガスクロマトグラフで測定した遊離
アクリロニトリル含有量が600mg(ラテックス1kg中の)
のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)ラ
テックス250gに、遊離アクリロニトリル1モルに対し1
モルの亜ニチオン酸ナトリウム、ナトリウムホルムアル
デヒドスルホキシレート又は亜硫酸水素ナトリウムを含
む水溶液を添加し、撹拌下に室温で処理した。結果を第
1表に示す。
アクリロニトリル含有量が600mg(ラテックス1kg中の)
のアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)ラ
テックス250gに、遊離アクリロニトリル1モルに対し1
モルの亜ニチオン酸ナトリウム、ナトリウムホルムアル
デヒドスルホキシレート又は亜硫酸水素ナトリウムを含
む水溶液を添加し、撹拌下に室温で処理した。結果を第
1表に示す。
実施例3〜4、比較例2 水1kgにアクリロニトリルを600mg溶解した水溶液250g
を実施例1及び2、比較例1と同様にして処理を行っ
た。結果を第1表に示す。
を実施例1及び2、比較例1と同様にして処理を行っ
た。結果を第1表に示す。
第1表より、NBRラテックス及びアクリロニトリル含
有水共に本発明の除去剤の使用は公知の除去剤の使用に
比して、同一の使用量において著しいアクリロニトリル
除去効果を有することがわかる。
有水共に本発明の除去剤の使用は公知の除去剤の使用に
比して、同一の使用量において著しいアクリロニトリル
除去効果を有することがわかる。
Claims (1)
- 【請求項1】アクリロニトリルを含有する水又は水性分
散液にスルホキシル酸塩もしくはそのアルデヒド誘導
体、または亜ニチオン酸塩を添加することを特徴とする
水中又は水性分散液中のアクリロニトリルの除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62188589A JP2556331B2 (ja) | 1987-07-28 | 1987-07-28 | 水中又は水性分散液中のアクリロニトリルの除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62188589A JP2556331B2 (ja) | 1987-07-28 | 1987-07-28 | 水中又は水性分散液中のアクリロニトリルの除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6431805A JPS6431805A (en) | 1989-02-02 |
JP2556331B2 true JP2556331B2 (ja) | 1996-11-20 |
Family
ID=16226311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62188589A Expired - Lifetime JP2556331B2 (ja) | 1987-07-28 | 1987-07-28 | 水中又は水性分散液中のアクリロニトリルの除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2556331B2 (ja) |
-
1987
- 1987-07-28 JP JP62188589A patent/JP2556331B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6431805A (en) | 1989-02-02 |
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