JP2556178B2 - 圧電素子の駆動装置 - Google Patents

圧電素子の駆動装置

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JP2556178B2 JP2186261A JP18626190A JP2556178B2 JP 2556178 B2 JP2556178 B2 JP 2556178B2 JP 2186261 A JP2186261 A JP 2186261A JP 18626190 A JP18626190 A JP 18626190A JP 2556178 B2 JP2556178 B2 JP 2556178B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は圧電素子の駆動装置に関し、更に詳細には低
消費電力、低発熱、低コストを実現し得る圧電素子の駆
動装置に関する。
[従来の技術] 圧電素子はコイルとともに充電及び放電を繰り返しつ
つ所定の周波数で共振し得るものである。しかしプリン
タにおける印字ワイヤの駆動に用いる場合など、一回の
変位における変位状態を所定の時間維持することを必要
とする場合もある。この様な場合の駆動装置として、例
えば特開昭63−130357号公報に示される装置が公知であ
る。
この装置は、第5図の様に構成される。即ち圧電素子
102には、スイッチングトランジスタ103のエミッタ−コ
レクタ間を介して電源101の電源端子に接続される。こ
のスイッチングトランジスタ103は駆動信号V2が入力さ
れた場合に圧電素子102に電源電圧を印加する。またこ
の圧電素子102にはダイオード110が前記スイッチングト
ランジスタ103がオン状態において逆方向に電圧がかか
る向きに並列接続されている。さらに前記圧電素子102
の非アース側端子には、コイル105の一端が接続され、
更にこのコイル105の他端は、ダイオード109を介して前
記電源101の電源端子に接続されている。このダイオー
ド109は、前記圧電素子102から電源端子側にのみ電流を
流す向きとなっている。
前記ダイオード109とコイル105の接続線は、スイッチ
ングトランジスタ106のコレクタに接続されている。こ
のスイッチングトランジスタのエミッタはアースに接続
され、ベースはスイッチングトランジスタ108のコレク
タに接続されている。このスイッチングトランジスタ10
8のエミッタは抵抗を介して圧電素子102の非アース側端
子に接続されている。前記スイッチングトランジスタ10
8のエミッタはスイッチングトランジスタ107のコレクタ
に接続され、エミッタはアースに接続されている。また
このスイッチングトランジスタ107のベースは解除信号V
3が入力されている。
以上の様な装置において、駆動信号V2がハイとなる
と、スイッチングトランジスタ103が導通状態となる。
すると前記電源端子からの電荷は、スイッチングトラン
ジスタ103を介して圧電素子102に充電され、圧電素子10
2が伸長すなわち変位する。
圧電素子102の励起を解除し収縮復帰させるときは前
記駆動信号V2をロウとするとともに前記解除信号V3をハ
イとする。すると新たな電荷の供給が遮断されるととも
に、前記スイッチングトランジスタ107が導通となる。
するとスイッチングトランジスタ108のベース電圧が0V
となる。一方スイッチングトランジスタ108のエミッタ
は前記充電状態にある圧電素子に接続されているため所
定の電圧がかかっている。そのためスイッチングトラン
ジスタ108のベース−エミッタ間に所定の電圧がかかり
スイッチングトランジスタ108が導通状態となる。従っ
て、スイッチングトランジスタ106のベースに前記圧電
素子102の端子電圧と同等の電圧がかかり、スイッチン
グトランジスタ106が導通状態となる。従って圧電素子1
02(ここではコンデンサと等価)とコイル105が直列に
並ぶ共振回路を形成することになる。そのためコイル10
5に流れる電流及び電圧はコイル105のインダクタンス及
び圧電素子102のキャパシタンスによって決まる所定の
周期の正弦波となり、その位相差は回路内の純抵抗成分
を無視すれば90度となる。またこのとき回路内に純抵抗
がほとんどないため回路内の損失はない。このようにコ
イル105にかかる電圧は正弦波状となるので、解除信号
がハイとなった後、前記周期の4分の1の時間が経過す
ると前記コイルにかかる電圧が零となる。このとき前記
スイッチングトランジスタ108のエミッタが0Vとなるた
め、該スイッチングトランジスタ108がオフとなり、同
時にスイッチングトランジスタ106もオフとなる。する
とコイル105に蓄積された電流はすべてダイオード109を
介して電源に流れ込む。このため放電した電荷を消失す
ることがなく、低発熱、低消費電力を実現する。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら上記の様な装置では、多くのスイッチン
グトランジスタを用いるため、装置が複雑化し、低コス
トにて装置を提供することが困難であった。さらにこの
様に、多くのスイッチングトランジスタを用いるため、
各スイッチングトランジスタによる損失があり、低消費
電力化についても満足のいくものではなかった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもの
で、その目的は低消費電力の圧電素子駆動装置を低コス
トにて提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために本発明は、一方の端子Aが
圧電素子の端子Bに電気的に接続されるとともに、他方
の端子Cが電源と電気的に接続されたコイルと、該コイ
ルの端子Cと前記圧電素子の他方の端子Dと電気的に接
続して前記圧電素子と前記コイルとで共振回路を構成可
能なスイッチ手段と、前記スイッチ手段の導通時間を計
時するタイマーと、前記圧電素子の変位の解除が指示さ
れた場合に、スイッチ手段を導通させるとともにタイマ
ーの計時を開始させ、その後タイマーにより所定時間の
経過が指示されると、前記スイッチ手段を遮断する制御
手段とを備えている。
尚、このとき前記制御手段としてマイクロコンピュー
タを用い、タイマーはそのマイクロコンピュータに内蔵
されるものであるか、あるいはそのプログラムで構成さ
れることが望ましい。またこの場合マイクロコンピュー
タはこの圧電素子及び本駆動装置が組み込まれる装置自
身の制御をも行うものであることが望ましい。
[作用] 上記構成を有する本発明において、前記圧電素子の変
位の解除が指示された場合は、前記スイッチ手段を導通
させて圧電素子とコイルとから共振回路を構成し、圧電
素子を駆動するために電源から放出されたエネルギを蓄
積した圧電素子からエネルギをコイルに蓄積させる。ま
たこの時タイマーの計時を開始させ、その後タイマーに
より所定時間の経過が指示されると、制御手段が前記ス
イッチ手段を遮断する。すると、前記コイルに蓄積され
たエネルギが前記電源に供給される。
[実施例] 以下、本発明を、インパクト型ドットプリンタ用印字
ヘッドの印字ワイヤを駆動する圧電型アクチュエータの
駆動源である圧電素子の駆動回路に適用した場合におけ
る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
圧電型アクチュエータは多数の第1図に示す圧電素子
Pが一直線方向に沿って積層されて成る積層圧電素子10
を備えている。積層圧電素子10は、第2図に示す様に各
々が積層圧電素子10と平行に延び、かつ積層圧電素子10
を中心として積層方向と直角な方向に並ぶ2つのフレー
ム12,14に支持されている。
積層圧電素子10の両端面にはそれぞれ共に直方体状を
成す可動子16と温度補償材18とが固着されている。可動
子16の積層方向に平行な一側面が、互いに重ね合わせら
れた一対の板ばね20,22を介してフレーム12の面24に対
向させられ、また、温度補償材18の積層圧電素子10との
固着面とは反対側の背面が、フレーム12の面26に対向さ
せられている。可動子16と板ばね20、及び板ばね22とフ
レーム12の面24はそれぞれ互いに固着されているが、板
ばね20,22同志はそれらの面に沿って摺動可能に接触さ
せられている。また、フレーム12には、温度補償材18に
接触してそれを可動子16に接近させるピン28が固定され
ている。これにより、積層圧電素子10は、積層方向に僅
かな圧縮力が残る状態でフレーム12,14に取付けられて
いる。従って、積層圧電素子10に電圧が印加されて積層
圧電素子10が積層方向に延びれば、板ばね20が板ばね22
に対して相対的に正方向(図において上方)へ移動し、
一方、積層圧電素子10から電圧が除去されて積層圧電素
子10が縮めば、板ばね20が板ばね22に対して逆方向へ移
動することとなる。
尚、積層圧電素子10から完全に電圧が除去されても、
積層圧電素子10に正方向の残留歪が残り、しかも、この
残留歪は積層圧電素子10の温度が高い程小さくなる。そ
のため、積層圧電素子10に印加される電圧の大きさが一
定に制御され、積層圧電素子10の変位量が一定に制御さ
れても、温度が高い場合には積層圧電素子10の最大変位
位置が正規位置に到達し得ず、温度が高い程正規位置と
最大変位位置との間に残る未到達距離が増大する。この
ような事態の発生を回避するために前記温度補償材18が
設けられている。温度補償材18は、それの温度が高い程
大きく膨脹するものとされ、この温度補償材18が、積層
圧電素子10の変位方向に直列に配置されている。つま
り、積層圧電素子10の未到達距離を、温度補償材18の膨
脹長さで補償することにより、温度変化に起因して積層
圧電素子10の最大変位位置が変動することがないように
されているのである。
前記フレーム14は積層圧電素子10より長い長手形状を
成す弾性変型可能な板材で構成されており、フレーム14
はフレーム12の温度補償材18に近接する部分と可動子16
とを連結している。フレーム14の機能は後に説明する。
一対の板ばね20,22の積層圧電素子10の側と端部とは
反対側の端部(図において上側の端部)に、直線的に延
びる溝32を有する保持部材34が嵌合されている。溝32の
幅は板ばね20,22の板厚の和より大きくされるととも
に、各板ばね20,22とそれに対向する溝32の側面とが互
いに固着されている。保持部材34からはアーム36が延び
出させられており、このアーム36の先端に印字ワイヤ38
が固定されている。この印字ワイヤ38は印字リボンを介
して印字用紙に対向させられている。
従って、積層圧電素子10が延びて板ばね20が板ばね22
に対して相対的に上方へ滑り、保持部材34が図において
溝32の中心線をほぼ中心として反時計方向に回動させら
れると、印字ワイヤ38が印字リボンを介して印字用紙に
押し付けられ、印字用紙上にドットが印刷される。この
状態から積層圧電素子10が縮めば、保持部材34が時計方
向に回動させられる結果、印字ワイヤ38が非作用位置に
復帰する。印字ワイヤ38の非作用位置は、フレーム14に
固定の低反発性ゴム製ストッパ40にアーム36が当接する
ことによって規定される。
以上の説明から明らかなように、圧電型アクチュエー
タは、積層圧電素子10の変位を一対の板ばね20,22、保
持部材34及びアーム36によって拡大して印字ワイヤ38に
伝達するものなのである。
尚、印字ワイヤ38が印字用紙に押し付けられれば、可
動子16に、可動子16をそれの中心部をほぼ中心として図
において反時計方向に回動させる向きのモーメントが生
じ、積層圧電素子10が積層方向と交差する方向に屈曲さ
せられるおそれがある。しかし、本実施例においては、
積層圧電素子10が延びれば、それに応じてフレーム14が
弾性的に延びる結果、可動子16にそれを時計方向に回動
させる向きのモーメントが生ずるから、互いに逆向きの
モーメントが相殺することとなり、積層圧電素子10が屈
曲することなく直線的に伸縮することが可能となってい
る。
次に、積層圧電素子10の駆動回路を第1図に示す。こ
の実施例においては、出力電圧Eの直流電源51、トラン
ジスタTr1、コイル53及び圧電素子Pが順次直列に接続
され、直流電源51の負極側と圧電素子Pの負極となるべ
き電極側とが接地されている。トランジスタTr1の順方
向は直流電源51の正極側から圧電素子Pの正極となるべ
き電極側に向かう順方向(以下、回路の順方向という)
とされている。
さらに、トランジスタTr1とコイル53の接続点はトラ
ンジスタTr2を経て接地されている。トランジスタTr2の
順方向はトランジスタTr1とコイル53の接続点から接地
点に向かう方向とされている。トランジスタTr1,Tr2に
はそれぞれダイオードD1,D2が並列に接続されており、
それぞれのダイオードD1,D2の順方向はそれぞれのダイ
オードが並列に接続されているトランジスタの順方向と
逆方向とされている。そして、直流電源51の正極側と圧
電素子Pの正極となるべき電極側とはダイオードD3で接
続されており、そのダイオードD3の順方向は回路の順方
向と逆方向となっている。またダイオードD3と逆方向に
トランジスタTr3が接続されている。また、圧電素子P
には並列にダイオードD4が接続されており、その順方向
は圧電素子Pの負極となるべき電極側から正極となるべ
き電極側に向かう順方向とされている。尚、積層圧電素
子10を構成する多数の圧電素子Pは互いに並列に接続さ
れている。
トランジスタTr1,Tr2,Tr3の遮断状態と導通状態の切
り換えはトランジスタ制御回路55(以下、単に制御回路
55という)によって行われる。この制御回路55は、同時
に本装置を搭載するインパクト型プリンタの全体の制御
をも担うもので、マイクロコンピュータより構成され
る。この制御回路55は、タイマー55aを内蔵している。
次に制御回路55に制御について説明する。第3図は、
プリンタの所定のドット数を印字するための所定印字素
子の駆動の制御を抜粋して示すフローチャートである。
尚、この制御回路はこのフローチャートに示される制御
の他に、他の印字素子の駆動及び他のプリンタの制御を
も同時に行う。
まず印字素子の駆動が指示されると、制御回路55はト
ランジスタTr1を導通状態とする(S1)。すると直流電
源51で発生した電荷は、トランジスタTr1とコイル53を
介して前記圧電素子Pに流れ込む。従ってこの圧電素子
Pが変位し、この変位は印字ワイヤ38を突出させる。こ
の印字ワイヤ38は印字リボンを介してプラテン上に載置
された印字用紙を押打する。
制御回路51は圧電素子Pに十分な電荷が蓄積されるま
で待機する(S2)。すると、コイル53の作用により、電
流はダイオードD3及びトランジスタTr1を介した閉電流
ループを流れ続け、コイル53を流れる電流が保持され
る。
そして圧電素子Pに十分に電荷が蓄積された後、前記
制御装置51はトランジスタTr1を遮断するとともにトラ
ンジスタTr3を導通させる(S3)。すると、前記コイル5
3の作用により該コイル53に電流が流れ続け、その電流
は、ダイオードD3,直流電源51,ダイオードD2を介した閉
電流ループ内を流れ続け、やがて減衰する。この間に圧
電素子Pによりわずかに電流が消費されるが、この電流
は前記直流電源51からトランジスタTr3を介して圧電素
子Pに供給される。つまり、この間前記圧電素子Pの変
位は保持されたままとなる。
制御回路55はコイル53に流される電流が減衰し、且つ
印字に必要な変位時間の間待機(S4)し、その後前記制
御回路55は、前記トランジスタTr3を遮断するとともに
微少時間おくれて前記トランジスタTr2を導通させる(S
5)。すると圧電素子に蓄積された電荷はコイル53及び
トランジスタTr2を介した閉電流ループを流れる。この
ときこの閉電流ループ内に純抵抗はほとんどないので電
気エネルギーの熱消費はほとんどない。そして前記圧電
素子Pに蓄積されていた電荷に起因する電気エネルギー
は、後述する所定時間の後に、すべてコイル53近傍の磁
気エネルギーとしてコイル53に蓄積される。
そして、前記制御回路55は、この瞬間まで待機し(S
6)、前記トランジスタTr2を遮断する(S7)。すると前
記コイル53の作用により前記コイル53の電流が流れ続け
ようとするため、この電流はダイオードD1を介して前記
直流電源Eに還元される。つまり前記コイル53に蓄積さ
れた電気エネルギーはすべて直流電源51に還元される。
では次に、圧電素子Pの放電のために、トランジスタ
Tr2を閉じる時間、即ちS6における待機時間について説
明する。
まず、トランジスタTr2を閉じると(時刻t=0)、
圧電素子P(キャパシタンスC)、コイル53及びトラン
ジスタTr2より成る閉回路が形成され、圧電素子Pに蓄
えられている静電エネルギーによって、圧電素子Pより
コイル53に電流が流れる。このトランジスタを閉じる時
刻をt=0とし、コイル53にトランジスタTr2側より圧
電素子P側に流れる電流をi(t)とすれば、トランジ
スタTr2などに抵抗成分がないと仮定することによって
前述の閉回路より、キルヒホックの第2法則より次式を
得ることができる。
ただし、ここで、Lはコイル53のインダクタンス,Cは
圧電素子Pの静電容量を表す。
いま、ここで圧電素子Pの電荷をq(t)とすると、
q(t)は次式となる。
これら(2)式及び(3)式を(1)式に代入するこ
とによって次式を得る。
この微分方程式(4)式を解いて、q(t)を求め
る。この式を解くために微分演算子pを導入する。この
微分演算子pは次式で表される。
(5)式を(4)式に代入することにより次式を得
る。
(6)式を解くと次式となる。
ただし、jは虚数単位である。ここで定数A1,A2を導
入すれば、g(t)は次式で表されることになる。
いま、さらに次式を定義する。
A=A1+A2 (9) B=j(A1−A2) (10) (9)式,(10)式,(11)式によって、(8)式は
次のように変形される。
q(t)=Acos ω0t+Bsin ω0t (12) この(12)式を(3)式に代入することによって、次
式を得る。
i(t)=ω[Bcos ω0t−Asin ω0t] (13) 次に、時刻t=0における初期条件について考える。
時刻t=0以前においては、印字を行うために、圧電素
子Pには電荷が蓄えられている。このとき圧電素子Pの
両端の電位差は電源電圧Eと等しくなっている。圧電素
子Pの静電容量はCであるので、時刻t=0における圧
電素子Pに蓄えられている電荷は次式で表される。
また、時刻t=0において、トランジスタTr2を閉じ
るため、時刻t=0にはまだコイル53に電流が流れてい
ないことになる。従って、時刻t=0におけるコイル53
に流れる電流は次式で表される。
(14)式,(15)式及びt=0を(12)式,(13)式
に代入することによって、定数A及びBは次の様にな
る。
A=CE (16) B=0 (17) (16)式及び(17)式を(12)式及び(13)式に与え
ることによって、次式が得られる。
q(t)=CEcos ω0t (18) i(t)=−ω0 CEsin ω0t (19) 一方、圧電素子Pの両端の電位差をv(t)とすれ
ば、v(t)は次式で表される。
(20)式に(18)式を代入すれば次式が得られる。
v(t)=Ecos ω0t (21) 従って、時刻t=0にトランジスタTr2を閉じると、
圧電素子Pの両端の電位差v(t)は、零に達するまで
(21)式で表される値をとることになる。
一方、圧電素子Pの両端の電位差v(t)が零に達す
る時刻は(21)式の右辺をとした式を解くことによって
得られることになる。
Ecos ω0t=0 (22) ここで、時刻t=0から最初に圧電素子Pの両端の電
位差v(t)が零に達するのは(24)式より時刻 であることがわかる。ωの値は(11)式で定義したの
て、この値を代入すれば、時刻 で得られる。
この時刻 にトランジスタTr2が開かれると、コイル53の電気エネ
ルギーによる電流i(t)が、トランジスタTr2を流れ
ることができなくなるため、コイル53,ダイオードD1,直
流電源51,ダイオードD4から成る閉回路を電流は流れる
ようになる。時刻t1をトランジスタTr2を開く時刻、す
なわち次式のように定義する。
一方、前述の閉回路より、キルヒホックの第2法則に
よって、次式が成り立つ。
(26)式を解いて次式を得る。
(27)式の初期条件について考えると、(19)式のt
(25)式のt1を代入すればよいことになる。従って、時
刻t1のi(t)の値i(t1)は次のようになる。
(28)式によって、(27)式の定数Kを消去すればt
=t1以降のi(t)は次式のようになることがわかる。
次に(29)式より、i(t)=0となるtを算出する
と次のようになる。
従って、時刻t=t1でトランジスタTr2を開くと時間 かかってコイル53の電流エネルギーを直流電源51に回生
することになる。
これらの動作の圧電素子Pの両端の電位差v(t)と
コイル53に流れる電流i(t)は第4図(a)のように
なる。
以上述べたことによれば、トランジスタTr2を時間 の間、閉じれば、特開昭63−130357号公報の装置(第5
図)で述べられているスイッチングトランジスタ106を
閉じた後、圧電素子Pの両端の電位差が零となる時にス
イッチングトランジスタ106を開くことと同じことにな
り、実施例によれば前記公報の装置で必要とした電位検
出手段が不要となるため、安価に同等の回路を実現する
ことができることになる。
しかしながら、ここで次の点について考慮する必要が
生じる。即ち、本発明によれば、トランジスタTr2を閉
じる期間を時間によって制御するため、個々の圧電素子
Pの静電容量Cやコイル53のインダクタンスの個体差に
より前述した圧電素子Pの電荷が放電される時間 が個々の回路によって異なることになる。そこで、次に
トランジスタTr2が閉じられている時間が でない場合について説明する。
まず、トランジスタTr2を より長い時間閉じた場合について説明する。
トランジスタTr2を時間t=0に閉じたとすると、時
までは、前述した例と全く同様になるため、ここでは特
に説明をしない。
時刻 となると、圧電素子Pの両端の電位差が零となる。する
と、ダイオードD4が閉じるため、閉回路はコイル53,ス
イッチング素子Tr2,ダイオードD4で構成されるようにな
る。
トランジスタTr2やダイオードD4が理想的なスイッチ
ング素子であるとすればコイル53の電流エネルギーを消
費する要因がないため、圧電素子Pの両端の電位差v
(t)及びコイル53の電流i(t)は第4図(b)の実
線のようになる。しかしながら、実際はトランジスタTr
2,ダイオードD4,コイル53などは抵抗成分を持つため、
第4図(b)の破線のように、トランジスタTr3が閉じ
られている間に、コイル53の電流エネルギーが消費さ
れ、熱エネルギーに変換される。ただし、この変換され
る熱エネルギーは微少であり、本実施例の駆動回路より
の発熱の増加も微少であるため、大きな問題とはならな
い。
次に、トランジスタTr2を より短い期間閉じる場合について説明する。
時刻 にトランジスタTr2を開くと、その時刻t1におけるコイ
ル53に流れる電流i(t1)は(19)式より次のようにな
る。
一方、時刻t=t1でトランジスタTr2が開かれると、
コイル53の電流エネルギーによって、コイル53,ダイオ
ードD1,直流電源51及び圧電素子Pより成る閉回路に電
流が流れる。この閉回路について、キルヒホックの第2
法則より次式が成り立つ。
q(t−t1)を導入すれば次式が得られる。
この微分方程式を解いてq(t)を求める。まず過渡
項qt(t−t1)は、E=0とおいたときの同次式(4)
式の解となる。従って、(12)式より次のようになる。
q(t−t1)=Acos ω(t−t1) +Bsin ω(t−t1) (34) 一方定常解qsは次のようになる。
qs=CE (35) 従って一般解q(t−t1)は(34),(35)式より次
のようになる。
q(t−t1)=qs+qt(t−t1) =CE+Acos ω0t+Bsin ω0t (36) (36)式に(3)式を用いて次式を得る。
i(t−t1)=ω{Bcos ω(t−t1) −Asin ω(t−t1)} (37) 時刻t=t1の初期条件より次のようになる。
CEcos ω0t1=CE+A (38) −ω0 CEsin ω0t1=ω0B (39) (38),(39)式より次のようになる。
A=CE(cos ω0t−1) (40) B=−CEsin ω0t1 (41) (40),(41)式を(36),(37)式に代入すれば次
のようになる。
q(t−t1) =CE+CE(cos ω0t1−1)cos ω(t−t1) −CEsin ω0t1 sinω(t−t1) (42) i(t−t1) =−ω0 CEsin ω(t−t1) −ω0 CE(cos ω0t1−1)sin ω(t−t1) (43) (42)式と(20)式より次の式を得る。
v(t−t1) =E+E(cos ω0t1−1)cos ω(t−t1) −Esin ω0t1 sin ω(t−t1) (44) 従って、圧電素子Pの両端の電位差v(t)とコイル
53の電流i(t)は第4図(c)のようになる。ここで
v(t−t1)が極小となる時刻t=t2では次式が成り立
つ。
(45)式の左辺は次の様に変形できる。
いま、次式が成り立っている。
ω≠0 (47) C≠0 (48) E≠0 (49) 従って、(45),(46)式より次のようになる。
従って、次の二つの式のどちらかが成り立つことにな
る。
いま、ここで論じているのは、トランジスタTr3を より短い時間閉じている場合についてであるため、次式
が成り立つ。
従って、(52)式は成り立たず、(51)式が成り立つ
ことになる。従って、次のようになる。
次に、第4図(d)の様に時刻t=t2において、圧電
素子Pの両端の電位差v(t−t1)の値が零となるt1
求めることにする。
t=t2におけるv(t−t1)の値は次のようになる。
(56)式が零となるため、次のようになる。
E−2Esin ω0t1=0 (57) (49)式より(57)式は次のようになる。
(53)式より次のようになる。
従って、時刻 以後にトランジスタTr2を開けば、第4図(e)のよう
に、圧電素子の両端の電位差v(t)は零に達すること
になる。
ところで、時刻 にトランジスタTr2を開いたときのt2の値について考え
る。
(59)式を(55)式に代入すれば次のようになる。
ところで、第4図(a)のようにトランジスタTr2を の間、閉じていると、コイル53の電流i(t)が零にな
るまで の時間を要すが、第4図(d)のようにトランジスタTr
2を の間のみ閉じていると、コイル53の電流i(t)が零に
なるまで の時間で済む。このコイル53の電流i(t)が零になる
まで、次の駆動が行えないので、このように より短い駆動時間であれば、圧電素子Pの駆動の高速化
に有用となる。
以上説明したように本発明では、必ず の時間、トランジスタTr2を閉じている必要はなく、少
なくとも の時間、閉じていればよいことになる。
尚、本発明は上記構成に限定されるものではなく、種
々の変形が可能である。例えば、本実施例では、スイッ
チング用素子としてバイポーラ型のトランジスタを用い
た例を示したが、より消費電力を下げるために、電界効
果トランジスタを用いることも可能である。
[発明の効果] 以上説明した様に本発明によれば、一方の端子Aが圧
電素子の端子Bに電気的に接続されるとともに、他方の
端子Cが電源と電気的に接続されたコイルと、該コイル
の端子Cと前記圧電素子の他方の端子Dと電気的に接続
して前記圧電素子と前記コイルとで共振回路を構成可能
なスイッチ手段と、前記スイッチ手段の導通時間を計時
するタイマーと、前記圧電素子の変位の解除が指示され
た場合に、スイッチ手段を導通させるとともにタイマー
の計時を開始させ、その後タイマーにより所定時間の経
過が指示されると、前記スイッチ手段を遮断する制御手
段とを備えているので、圧電素子を駆動するために電源
から放出されたエネルギをコイルに蓄積でき、圧電素子
の駆動後コイルからエネルギを電源に供給することがで
きる。従って、低消費電力により圧電素子を駆動するこ
とができる。また従来のように多くのスイッチングトラ
ンジスタを必要としないため、回路構成を大幅に簡略化
することができる。また本発明において用いられるタイ
マーは、印字装置等において通常使われている制御装置
内に内蔵されているもの等を用いることにより、新規部
品を用意することなく本発明を用いた装置を構成するこ
とができる。この様に本発明の装置は部品数を少なくす
ることができ、製造コストを大幅に下げることができ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は上記実
施例の装置の電気的構成を示す回路図、第2図は本実施
例の駆動装置により駆動される圧電素子を用いたインパ
クト型ドットフリンタの印字素子の構成を示す正面図、
第3図は制御回路の制御を抜粋して表したフローチャー
トを示す図、第4図は電流及び電圧の変移を示す図であ
る。 また第5図は従来の装置の電気的構成を示す回路図であ
る。 図中、Tr2はスイッチ手段を構成するトランジスタ、53
はコイル、55aはタイマー、55は制御手段を構成する制
御回路である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の端子Aが圧電素子の端子Bに電気的
    に接続されるとともに、他方の端子Cが電源と電気的に
    接続されたコイルと、 該コイルの端子Cと前記圧電素子の他方の端子Dと電気
    的に接続して前記圧電素子と前記コイルとで共振回路を
    構成可能なスイッチ手段と、 前記スイッチ手段の導通時間を計時するタイマーと、 前記圧電素子の変位の解除が指示された場合に、スイッ
    チ手段を導通させるとともにタイマーの計時を開始さ
    せ、その後タイマーにより所定時間の経過が指示される
    と、前記スイッチ手段を遮断する制御手段とを備えるこ
    とを特徴とする圧電素子の駆動装置。
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