JPH05169686A - 圧電素子駆動回路 - Google Patents

圧電素子駆動回路

Info

Publication number
JPH05169686A
JPH05169686A JP14831992A JP14831992A JPH05169686A JP H05169686 A JPH05169686 A JP H05169686A JP 14831992 A JP14831992 A JP 14831992A JP 14831992 A JP14831992 A JP 14831992A JP H05169686 A JPH05169686 A JP H05169686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
temperature
time
voltage
laminated piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14831992A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Iriguchi
明 入口
Masashi Suzuki
正史 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP14831992A priority Critical patent/JPH05169686A/ja
Publication of JPH05169686A publication Critical patent/JPH05169686A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電素子が温度によってその静電容量が変化
しても、常に最適なパルス幅で駆動できる駆動回路を提
供することを目的とする。 【構成】 温度センサ3は、高熱伝導性樹脂19により
ほぼ積層圧電素子1と同一温度に保たれている。制御回
路をなす制御装置2内のROMには、温度センサ3の出
力に対応した最適な設定オン時間Tonが記憶されてい
る。この値はπ√LC/2に対応するものである。そし
て印字時には、その時点における温度センサ3の出力す
る値に応じた設定オン時間Tonによりパルス幅が決定
される。従って、駆動パルス幅はその時点の積層圧電素
子1の温度に依らず絶えず最適となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電素子の駆動時間を
制御する圧電素子駆動回路に係り、特に、動作安定化を
実現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電圧を印加することにより伸
長・収縮(変位)する圧電素子を、プリンタのドットイ
ンパクト印字ヘッドのアクチュエータとして使用する技
術が知られている。この圧電素子の駆動回路に関し、ト
ランジスタ等のスイッチ素子の開閉により圧電素子がコ
イルとともに充電及び放電を繰り返すように構成された
ものにおいて、該素子への電圧印加の時間、タイミング
を所定の状態に制御して低消費電力、低発熱を図ること
が提案されている(例えば、特開平2−119276号
公報参照)。
【0003】また、本出願人は、先に特願平2−186
260号および特願平2−271646号にて提案して
いるように、コイルを用いた圧電素子への電圧の印加
(すなわち充電)及び放電では、圧電素子の静電容量C
とコイルのインダクタンスLの積によって充電および放
電時間が決定される。特に前述出願中の回路構成におい
ては、前記時間はどちらもπ√LC/2以下となる。な
お、√LCは平方根LCである。この時間より充放電の
ためのトランジスタ等のスイッチ素子の駆動時間が短く
ても、コイルに残留する電流エネルギーによって目的電
圧に達することができる(但し、駆動時間はπ√LC/
3以上である必要がある)。ところが、圧電素子の電圧
が、充電時は電源電圧に、放電時は零に達する前に、ス
イッチ素子の駆動が中止されることになるので、目的電
圧に達する時間は、駆動を始めてからπ√LC/2より
経過した時刻となる。このことは、充放電に時間がかか
ることになり、そのため次のような問題を発生する。す
なわち、圧電素子をドットマトリクスプリンタの印字ヘ
ッドのアクチュエータに使用した場合、充放電の時間は
印字速度に影響を与える。従って、充放電のためのスイ
ッチ素子の駆動時間はπ√LC/2以上とするのが望ま
しい。
【0004】一方、上述の出願明細書に記載した通り、
π√LC/2以上の時間駆動すると目的の電圧に達した
後、コイルとトランジスタやダイオードで形成される閉
回路を電流が流れる。すると、コイルやトランジスタ、
ダイオードが有する抵抗成分によって発熱し、コイルの
電流エネルギーが減少する。すると、トランジスタの駆
動を中止した後の電源へ回生できるエネルギーが減少す
ることになる。以上の理由により、圧電素子の充放電の
ためのスイッチ素子の駆動は、丁度、π√LC/2なる
時間行うことが望ましいことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、充放電
のためのトランジスタの駆動を丁度π√LC/2なる時
間に制御しようとした場合、次のような解決課題が生じ
る。すなわち、圧電素子に電圧を印加すると、圧電素子
の電極間に電界が発生することにより、極性を有する誘
電体が回転する。この回転により、圧電素子の圧電効
果、すなわち電圧を印加すると圧電素子が伸長または収
縮(圧電効果にはこの逆、すなわち変形による電圧の発
生もあるが、ここでは論じないことにする)するが、同
時に発熱も生じる。一方、圧電素子は温度により圧電素
子の圧電体の誘電率が異なるため、温度によって圧電素
子の静電容量が変化する。これに伴って、圧電素子の静
的ストロークなど基本的特性が変化し、常時同じ駆動条
件で印字を行っていると印字ヘッド内の温度が高いとき
と低いときでインパクト力が変動し印字結果に差が生じ
ていた。
【0006】このように、圧電素子を駆動することによ
り圧電素子より熱が発生するため、前述の最適なトラン
ジスタの駆動時間が変化することになる。もちろん、圧
電素子に電圧検知回路を付加し、目的電圧に達した時点
で駆動を中止するようにすればよいが、例えば、この圧
電素子を24ピンのドットマトリクスプリンタの印字ヘ
ッドに使用すれば、個々に駆動タイミングが異なるため
に、電圧検知回路を24回路用意しなければならないこ
とになり、プリンタ価格の上昇を招く。
【0007】さらに、従来では圧電素子より発生する熱
で印字ヘッド内の温度が高くなり過ぎた時、印字を中断
して印字ヘッド内の温度を下げる、すなわちトランジス
タの駆動時間を一定にし、温度を変化させることが知ら
れているが、印字ヘッド内の温度に応じて圧電素子に電
圧を印加するトランジスタの駆動時間を変更するように
はされていなかった。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するもの
で、圧電素子の温度に応じて変化する最適駆動時間を常
に与えることができ、温度変化に対して安定動作し、か
つ省電力が図れる圧電素子駆動回路を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、圧電素子と、制御信号に応答して
開閉することにより前記圧電素子に直流電源より電圧を
印加し、該圧電素子の充電或いは放電を制御するスイッ
チ素子を有した圧電素子駆動回路において、前記圧電素
子の温度に相当する信号を発生する温度信号発生手段
と、前記圧電素子の充電或いは放電時に印加される電圧
の駆動時間が前記温度信号発生手段により発生した信号
に応じて決定される所定の時間になるように、前記スイ
ッチ素子に制御信号を出力するパルス制御手段とを備え
たものである。
【0010】さらに、請求項2の発明は、圧電素子と、
制御信号に応答して開閉することにより前記圧電素子に
直流電源より電圧を印加し、該圧電素子の充電或いは放
電を制御するスイッチ素子を有した圧電素子駆動回路に
おいて、前記圧電素子の温度に相当する信号を発生する
温度信号発生手段と、前記圧電素子の圧電素子の充電開
始から放電開始までの時間が前記温度信号発生手段によ
り発生した信号に応じて決定される所定の時間になるよ
うに、前記スイッチ素子に制御信号を出力するパルス制
御手段とを備えたものである。
【0011】
【作用】上記の請求項1記載の構成によれば、圧電素子
は、該圧電素子の温度に相当する信号に応じて決定され
る所定の時間のパルス幅で充電あるいは放電される。こ
れにより圧電素子は該圧電素子の温度によって容量成分
が変動するにも拘らず、最適な時間のパルス幅で、駆動
され、圧電素子の温度による変位力やストロークの変動
は補正されることになる。
【0012】また、請求項2記載の構成によれば、上記
信号に応じて、圧電素子の充電開始から放電開始までの
時間が変更される。これにより圧電素子の温度による圧
電素子が充電され変位している時間の変動ひいては圧電
素子のストロークの変動を補正することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。図1は本圧電素子駆動回路を示す。
ここに示す圧電型アクチュエータは、ドットマトリクス
プリンタの印字ヘッド等に使用され、多数の圧電素子P
が一直線方向に沿って積層されて成る積層圧電素子1を
備えている。図2は、図1の回路構成を示すブロック図
である。
【0014】図1において、直流電源V、スイッチ素子
であるトランジスタTr1、コイルLおよび圧電素子P
が順次直列に接続され、直流電源Vの負極側と圧電素子
Pの負極となるべき電極側とは接地されている。多数の
極めて薄い圧電素子Pは互いに電気的には並列に接続さ
れ、積層圧電素子1を構成している。トランジスタTr
1の順方向は直流電源Vの正極側から圧電素子Pの正極
となるべき電極側に向かう順方向(以下、回路の順方向
という)としている。
【0015】さらに、トランジスタTr1とコイルLの
接続点は、スイッチ素子であるトランジスタTr2を経
て接地されている。トランジスタTr2の順方向はトラ
ンジスタTr1とコイルLの接続点から接地点に向かう
方向としている。トランジスタTr1,Tr2にはそれ
ぞれダイオードD1,D2が並列に接続されており、各
ダイオードD1,D2の順方向は各トランジスタの順方
向と逆方向とされている。
【0016】また、直流電源Vの正極側と圧電素子Pの
正極となるべき電極側とはダイオードD3で接続されて
おり、そのダイオードD3の順方向は回路の順方向と逆
方向となっている。また、圧電素子Pには並列にダイオ
ードD4が接続されており、その順方向は圧電素子Pの
負極となるべき電極側から正極となるべき電極側に向か
う方向とされている。
【0017】トランジスタTr1,Tr2の遮断状態と
導通状態の切り換えを行うトランジスタ制御装置2(以
下、単に制御装置という)は、パルス制御手段を構成
し、1チップのマイクロコンピュータ等で成り、タイマ
2aを内蔵している。この制御装置2は本回路を搭載す
るドットマトリクスプリンタの全体の制御をも担うもの
である。
【0018】さらに、本実施例の駆動回路においては、
積層圧電素子1の温度を検出する温度センサ3が印字ヘ
ッド内に配設されており、この温度センサ3の出力信号
は増幅器4とA/D変換器5で処理され、制御装置2に
入力させている。この温度センサ3、増幅器4、A/D
変換器5は24個(24ピンの場合)の積層圧電素子1
に対して共通のものを用いる。温度センサ3の設置場所
として、全ての積層圧電素子1を放熱用シリコン内に浸
している場合では、その放熱用シリコン内とする。ま
た、その場合、全ての積層圧電素子1から等距離の位置
であることが望ましい。また、制御装置2を成すマイク
ロコンピュータに内蔵のROMには、温度とトランジス
タTr1,Tr2の駆動時間との関係を示したテーブル
が記憶されている。
【0019】上記テーブルは次のようにして作成され
る。まず、温度センサ3の出力する値をA/D変換器5
で変換した値(デジタル値)をインデックス値とする。
そしてそのインデックス値(i)に対応する温度におけ
る圧電素子の静電容量C(I)を求める。これはカタロ
グデータであってもよいが、望ましくは印字ヘッド内と
同一条件(同一圧量状態)で実測することが望ましい。
そして、その静電容量C(I)とコイルのインダクタン
ス値Lとの積の平方根に円周率πを掛けた値の2分の1
の値Ton(i)を計算する。そして前記インデックス
値毎にその計算された値Ton(i)を記憶するのであ
る。また、同一条件且つ同一のコイルを用いた場合に、
圧電素子に蓄積された電荷が放電され零に至るまでの時
間を実測してもよい。但し、実際には後で述べるフロー
チャートのステップS4,S8の処理に都合のよいタイ
マ設定値に換算してテーブルは作成される。
【0020】図2は上記圧電素子駆動回路を示すブロッ
ク図である。積層圧電素子1の温度を印字ヘッド内に設
けられた温度センサ3により検出する。この温度の情報
は増幅器4、A/D変換器5を介して温度に相当する信
号として制御装置2に入力される。制御装置2は温度信
号に基づく圧電素子Pの最適駆動条件のパルス信号を出
力する。このパルス信号によりトランジスタTr1,T
r2rからなるドライバ2´を動作させ、積層圧電素子
1を駆動させる。
【0021】次に、本発明の駆動回路によって駆動され
る圧電素子を用いたドットマトリクスプリンタ用の印字
ヘッドを図面を参照して説明する。図3は印字ヘッドの
構成を示す断面図、図4はその印字ヘッドに配設されて
いる印字ユニットの構成を示す側面図である。これらの
図において、印字ヘッド10は、複数個の印字ユニット
11と、この複数の印字ユニット11を放射状に位置決
め支持する円環状のリング12が固定された円盤状のユ
ニット保持部材13(以下、ヘッド本体部という。)
と、印字ユニット11の外周を覆う円筒状のカップ形状
をなすカバー14とを主体として構成されている。
【0022】前記円盤状のヘッド本体部13の前側面に
は、各印字ユニット11の印字ワイヤ15を移動案内す
るための所定数の案内板16が内設された中空状のノー
ズ部17が突設され、さらに、ヘッド本体部13の内面
側には、ゴムスペーサ18を挾んでリング12がねじ等
によって締着されている。さらに複数個の印字ユニット
11がリング12にねじ等により放射状に配設固定され
ている。
【0023】カバー14と印字ユニット11の隙間には
放熱用の高熱伝導性樹脂(シリコンゴム等)19が充填
され、積層圧電素子1の駆動に伴う熱をカバー14から
放熱し印字ヘッド10の温度上昇を押さえている。さら
に、本実施例では、この高熱伝導性樹脂19の内部で、
放射状に配置された各印字ユニット11と等距離の位置
に温度センサ3が設けられている。この温度センサ3は
ヘッド基板20を通して不図示のケーブルによって制御
装置2に温度の情報を送っている。なお、温度センサ3
は印字ヘッド10内に複数個取り付けて局部的な温度上
昇を検出するようにしてもよい。
【0024】カバー14とヘッド本体部13の隙間には
スペーサ21が挟まれており、さらにカバー14の底板
部22とヘッド基板20の隙間には基板スペーサ23が
挟まれている。また、積層圧電素子1に接続された端子
24は各印字ユニット11への通電のために取り付けら
れており、各端子24のリード線25はカバー14の底
板部22の外側に設けられたリード線25の位置決め用
のスペーサである基板スペーサ23を介してヘッド内部
から出し、プリンタ本体からの駆動ケーブルと繋ぐため
の基板であるヘッド基板20に半田付けされている。さ
らには、カバー14と高熱伝導性樹脂19を介した印字
ユニット11の後端部との間には、積層圧電素子1が伸
びた時に生じる変形を押さえるためにリング状のベース
11aが配設されている。なお、温度センサ3の出力用
と印字ヘッド10の駆動用のケーブルは別部品でも同部
品でもよい。
【0025】また、各印字ユニット11は積層圧電素子
1を支持フレーム30に支持させてなり、支持フレーム
30の上部には積層圧電素子1の伸縮を拡大して印字ワ
イヤ15に伝達するための運動伝達機構31が配設支持
されている。支持フレーム30はさらに、積層圧電素子
1の長手方向両側及び後端部を囲むように、メイン支柱
部30aと副支柱部30bと後端部30cとでコの字型
に一体形成されており、さらに、後端部30cの上部に
は温度補償材30dが配設されている。
【0026】また、温度補償材30dが配設されている
理由を以下に説明する。積層圧電素子1から完全に電圧
が除去されても、積層圧電素子1に正方向の残留歪が残
り、しかも、この残留歪は積層圧電素子1の温度が高い
程小さくなる。そのため、たとえ積層圧電素子1に印加
される電圧の大きさが一定に制御され、積層圧電素子1
の変位量が一定に制御されたとしても、温度が高い時に
は、積層圧電素子1の最大変位位置が正規位置に到達し
得ず、温度が高い程正規位置と最大変位位置との間に残
る未到達距離が増大する。このような事態の発生を回避
するために温度補償材30dは設けられている。温度補
償材30dは、それの温度が高い程大きく膨脹するもの
とされ、この温度補償材30dが、積層圧電素子1の変
位方向に直列に配置されている。つまり、積層圧電素子
1の未到達距離を、温度補償材30dの膨脹長さで補償
することにより、温度変化に起因して積層圧電素子1の
最大変位位置が変動することがないようにしているので
ある。
【0027】一方、運動伝達機構31は以下の構成でな
る。積層圧電素子1の温度補償材30dに接しない他端
面には、四節リンク機構32により積層圧電素子1の伸
長方向に対してのみ移動可能な可動子33が圧着されて
いる。この可動子33は、その片側がメイン支柱部30
aの一側上部と所定の間隔を持って対向している。メイ
ン支柱部30aと可動子33との対向面には略π字型の
対をなす第1、第2板ばね34、35を固着するための
ばね取り付け面が、積層圧電素子1の伸縮方向に平行に
形成されている。
【0028】メイン支柱部30aのばね取り付け面に
は、第1板ばね34がその一側板面に面当たりした状態
にて、ろう付け等によって固着されている。可動子33
のばね取り付け面には、第2板ばね35がその一側板面
に面当たりした状態にて、ろう付け等によって固着され
ている。第1、第2板ばね34、35は、その上部の先
端連設部36で一体とされ、この一体とされた部分がア
ーム37に形成された溝に挿入され、ろう付け等によっ
て固着されている。
【0029】さらに、アーム37の先端には印字ワイヤ
15の基端がろう付け等によって固着されている。また
アーム37には、第1、第2板ばね34、35の弾性に
よってアーム37の復帰時に当接支持するためにバック
ストッパ38aが配設され、同様に副支柱部30bに低
反発ゴム樹脂又は金属製のバックストッパ38bが配設
されている。
【0030】以上の構成でなる本実施例の印字ヘッド1
0において、印字のデータに基づく信号が制御装置2か
ら各印字ユニット11に出力され、圧電素子Pの両電極
間に電圧が印加されると、その積層圧電素子1は、その
積層方向、すなわち図3、図4において矢印D方向に所
定長さだけ伸び、これに伴って可動子33が四節リンク
機構32に案内されながら矢印D方向に押し上げられ
る。これにより、可動子33に固着している第2板ばね
35が撓み、同時に第1板ばね34も撓む。
【0031】この動作により、アーム37に矢印X方向
に回転モーメントが生じ、アーム37が傾動され、その
結果、印字ワイヤ15が駆動され、その先端は印字位置
まで前進される。このようにして、第2板ばね35が湾
曲状に撓むことにより、アーム37が傾動し、積層圧電
素子1の伸びが著しく拡大されて印字ワイヤ15に伝達
される。
【0032】なお、圧電素子Pの電荷が放電されると、
積層圧電素子1は元の状態に収縮される。すると、可動
子33、第1板ばね34、第2板ばね35、アーム37
が元の状態に戻され、印字ワイヤ15が後退復帰され
る。この時、アーム37側のバックストッパ38aと副
支柱部30b側のバックストッパ38bが当接しアーム
37は停止する。この際、積層圧電素子1は急速に伸縮
するが可動子33は僅かに遅れて復帰し、積層圧電素子
1と可動子33の間に間隙が瞬時形成され、積層圧電素
子1に引っぱり応力が働くことが阻止される。
【0033】図7は、圧電素子の温度と印字ワイヤのイ
ンパクト力との関係を示す図、図8は、積層圧電素子1
の温度と積層圧電素子1の静的ストロークとの関係を示
す図である。これらの図に示されるように、積層圧電素
子1の温度上昇に伴い、印字ワイヤ15のインパクト力
は減少する。また、積層圧電素子1の温度上昇に伴って
積層圧電素子1の静的ストロークは小さくなる。このよ
うな特性を示すのは、積層圧電素子1の静電容量Cが温
度上昇と共に増大するため、充電に時間を要するように
なるからである。本発明は圧電素子のこのような特性を
考慮して、圧電素子の駆動を制御するものである。
【0034】制御装置2は温度に対応した圧電素子Pの
充電時間(t1時間)、放電時間(t3時間)を変更
し、この時間に相当するパルス信号を発生する。よって
圧電素子Pの静電容量が温度によって変動しても十分な
充放電ができ、特に、充電時間(t1時間)を温度上昇
と共に長くすることで、インパクト力の変動を押さえる
ことができる。
【0035】また、圧電素子は温度による静電容量の変
化の他に、温度により同様に変位量が変動することが知
られている。すなわち、高温時には一般に低温時に比べ
同一駆動電圧における変位量が小さくなる。そこで本実
施例においては、充電開始から放電開始までの時間(t
2時間)を変更し、温度による積層圧電素子1のストロ
ークの変動を補正する。すなわち、図6において、温度
上昇に応じてトランジスタTr2をオンさせるタイミン
グつまり放電開始時間を遅らせることで、積層圧電素子
1が伸長している時間を長くする。これにより、印字ワ
イヤ15がプラテンを押圧している時間が長くなり、温
度上昇で低下するインパクト力を補足することができ
る。
【0036】さらに、前述の充電時間(t1時間)、放
電時間(t3時間)を長くする時間設定に加えて、放電
までの時間(t2時間)を長くするようにする。これに
より積層圧電素子1が高温になっても、十分な充放電が
でき、インパクト力の低下を補足することができ、より
安定した印字結果を得ることができる。制御装置2は、
温度センサ3により測定された温度に応じてROMテー
ブル(実際の値に関しては後述する)より前記時間t2
を読み出し、その時間t2に応じて前記充電パルスの発
生時点から放電パルス発生するまでの時間を制御する。
【0037】温度に応じて変更する充電開始から放電開
始までの時間(t2時間)の設定例を示すと、次のよう
になる。
【0038】
【表1】
【0039】以下に、駆動制御回路の動作を、図5に示
す処理手順に従って概略説明する。まず、制御装置2
は、温度センサ3からの温度信号をA/D変換器5を経
て入力し、これを読み取る(ステップS1、以下S1と
記す。以下同様。)。この読み取られた値は全ての積層
圧電素子1の温度の平均に対応する。次に、ROMテー
ブルから、検出された温度に対応するt1,t2が検索
される(S2)。制御装置2はトランジスタTr1をオ
ンさせ(S3)、上記の設定オン時間t1だけ待機する
(S4)。これらのS3,S4の処理によりトランジス
タTr1はオン時間t1だけ導通することになる。これ
により、直流電源VよりトランジスタTr1、コイルL
を経て圧電素子Pに電流が流れ込み、従ってコイルLと
圧電素子Pは共振しつつ充電され、積層圧電素子1が変
位(伸長)する。これにより印字動作が行われる。
【0040】なお、圧電素子Pの両端電位差がほぼ直流
電源Vの電圧に達すると、すなわち、設定オン時間To
nが経過すると、制御装置2はトランジスタTr1をオ
フとし(S5)、次に、充電開始からt2時間経過する
まで待機する(S6)。なお、バラツキ等により時間t
1経過より前に積層圧電素子1の電位差が直流電源Vの
電圧に達したならば、コイルLの作用により電流はダイ
オードD3、トランジスタTr1を介した閉電流ループ
を流れ続け、コイルLに流れる電流が保持される。この
状態では、コイルL、ダイオードD3、直流電源V、及
びダイオードD2を含む閉回路によりコイルLの電気エ
ネルギーは直流電源Vに回生される。このトランジスタ
Tr1のオフ状態では、圧電素子Pの電圧は、その電気
エネルギーが消費されるにつれて低下する。その後、制
御装置2はトランジスタTr2のベースをハイとし、こ
れをオンさせ(S7)、設定の時間t1だけ待機する
(S8)。これにより、圧電素子Pに充電されている電
荷を放電し、積層圧電素子1の変位を初期位置に復帰さ
せる。その後、トランジスタTr2をオフさせる(S
9)。以上で1回のインパクト動作が終了する。なお、
特願平2−186260号で本出願人が示したようにト
ランジスタTr2をオフにした後の一定時間経過後、再
び同トランジスタTr2をオンにするようにしてもよ
い。
【0041】図6は、以上のように動作させた時の、圧
電素子Pの電圧とトランジスタTr1,Tr2のオン・
オフのタイムチャートであり、(a)は低温度時、
(b)は高温度時を示す。このように高温度時には低温
度時に比べて、圧電素子Pの静電容量成分Cが大きくな
っていることから、トランジスタTr1,Tr2のオン
のデューティは長くなる。トランジスタTr1はオンの
時(t1時間)そのベースに電源電圧より低い電圧を、
オフの時、電源電圧と同じ電圧をかけることになる。ト
ランジスタTr2はオンの時(t3時間)そのベースに
電源電圧より低い電圧を、オフの時、電源電圧と同じ電
圧をかけることになる。これらのオン・オフの時間設定
は制御装置2によって決定され、タイマ2aによって変
更される。
【0042】上記実施例にあっては、温度による静電容
量の変動を充電時間t1及び放電時間t3で補正し、ま
た温度による圧電素子の変位量の変動を充電パルスの発
生時点より放電パルスを発生させるまでの時間t2によ
り補正する例を示したが、本発明は上記実施例に限定さ
れるものではなく、他の構成も考えられる。一般に充電
時間を長くすれば、印字ワイヤ突出スピードが高くな
り、印打力が増す。また充電パルスの発生時点より放電
パルスを発生させるまでの時間t2を長くすれば、印字
ワイヤが押し付けられる時間が長くなり、印打力が増
す。しかし用紙厚等種々の要因により、最適となる印打
力を得るためのt1,t2の組み合わせは異なる。そこ
で、予め実際に用いられる印字用紙により各温度に対す
る最適な上記t1,t2の組み合わせを予め実験により
求め、それを基に温度と最適なt1,t2の関係を示す
ROMテーブルを作成してもよい。なお、本出願人が実
験により求めた最適値を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】また一般に、静電容量が変動すると印字ワ
イヤの復帰速度が変動する。このため、印字ワイヤをバ
ウンドさせることにより次回の印打時の印打力を補うよ
うに構成した装置にあっては、そのバウンド時点がず
れ、適切な印打力を得ることができない場合があった。
そこで、高温時には、放電時間を前記π√LC/2より
も意識的に短くすることにより、印字ワイヤの復帰スピ
ードを遅らせ、バウンドの時点を調整することも考えら
れる。
【0045】また、本発明は他に種々の変形が可能であ
る。本実施例では24個の圧電素子を放熱用シリコンゴ
ム等でなる高熱伝導性樹脂19で覆うことにより、全て
同一温度と仮定しているが、厳密には多少の差が生じ
る。そこで、より高い精度で実現するためには、個々の
積層圧電素子1に近接して個別の温度センサを設けるこ
とも考えられる。さらに、例えば、上記実施例では積層
圧電素子1の温度の測定に温度センサ3を用いた例を示
したが、特開昭61−112649号公報に示されるよ
うな構成、すなわち、温度センサ3を用いず、印字ヘッ
ドの印字動作に伴って印字されるドット数を逐次加算す
るカウンタ手段と、所定時間を計測する時間計測手段
と、この時間計測ごとに前記カウンタ手段のカウント値
から所定値を減算す減算手段とを用い、これらより得ら
れる値より、印字ヘッドの温度を推定できる。この方式
を用いてTon時間等を制御するようにしてもよい。
【0046】また、実開平2−68134号公報に示さ
れるように、圧電素子に直列に抵抗を接続し、この電流
値を測定することにより、圧電素子Pの温度を推定でき
るので、その電流値より最適のTon時間等を求めるよ
うにしてもよい。また、充電と放電のそれぞれの時間は
回路特性等に合わせて適宜に異なってもよい。従って、
例えば、コイルLとして充電と放電とで別の部材を使用
する場合は、充電時間と放電時間とは異なったものとな
る。
【0047】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
圧電素子を駆動するに、圧電素子は温度によってその静
電容量成分が変化することから、その温度に応じて最適
な駆動時間は変化するが、該温度に相当する信号に応じ
て所定時間だけ駆動するようにしているので、常に、適
切な駆動時間を与えることができ、圧電素子の温度変化
に対して安定な動作が得られる効果がある。また、請求
項2の発明によれば、温度に対応して充電開始から放電
開始までの時間を変更することで、圧電素子が充電され
ている時間を長くすることで、圧電素子の温度上昇に伴
って低下するインパクト力を補正することができ、上記
同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による圧電素子駆動回路の電
気回路図である。
【図2】本実施例の圧電素子駆動回路のブロック図であ
る。
【図3】本実施例に用いられるドットマトリクスプリン
タの印字ヘッドを示す断面図である。
【図4】本実施例に用いられる印字ユニットを示す側面
図である。
【図5】本実施例の制御回路による制御動作の概略を示
すフローチャートである。
【図6】本実施例による圧電素子の駆動波形を示す図で
ある。
【図7】圧電素子の温度と印字ワイヤのインパクト力と
の関係を示す図である。
【図8】圧電素子の温度と圧電素子の静的ストロークと
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 積層圧電素子 2 制御装置(パルス制御手段) 3 温度センサ V 直流電源 Tr1,Tr2 トランジスタ(スイッチ素子)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子と、制御信号に応答して開閉す
    ることにより前記圧電素子に直流電源より電圧を印加
    し、該圧電素子の充電或いは放電を制御するスイッチ素
    子を有した圧電素子駆動回路において、前記圧電素子の
    温度に相当する信号を発生する温度信号発生手段と、前
    記圧電素子の充電或いは放電時に印加される電圧の駆動
    時間が前記温度信号発生手段により発生した信号に応じ
    て決定される所定の時間になるように、前記スイッチ素
    子に制御信号を出力するパルス制御手段とを備えたこと
    を特徴とする圧電素子駆動回路。
  2. 【請求項2】 圧電素子と、制御信号に応答して開閉す
    ることにより前記圧電素子に直流電源より電圧を印加
    し、該圧電素子の充電或いは放電を制御するスイッチ素
    子を有した圧電素子駆動回路において、前記圧電素子の
    温度に相当する信号を発生する温度信号発生手段と、前
    記圧電素子の圧電素子の充電開始から放電開始までの時
    間が前記温度信号発生手段により発生した信号に応じて
    決定される所定の時間になるように、前記スイッチ素子
    に制御信号を出力するパルス制御手段とを備えたことを
    特徴とする圧電素子駆動回路。
JP14831992A 1991-10-11 1992-05-13 圧電素子駆動回路 Pending JPH05169686A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14831992A JPH05169686A (ja) 1991-10-11 1992-05-13 圧電素子駆動回路

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29239791 1991-10-11
JP3-292397 1991-10-11
JP14831992A JPH05169686A (ja) 1991-10-11 1992-05-13 圧電素子駆動回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05169686A true JPH05169686A (ja) 1993-07-09

Family

ID=26478556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14831992A Pending JPH05169686A (ja) 1991-10-11 1992-05-13 圧電素子駆動回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05169686A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11317551A (ja) * 1998-02-10 1999-11-16 Robert Bosch Gmbh 圧電素子の充放電のための方法及び装置
EP1057635A2 (en) * 1999-05-24 2000-12-06 Nec Corporation Piezoelectric element driving circuit and driving method
JP2012049789A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Murata Mfg Co Ltd 圧電デバイス

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11317551A (ja) * 1998-02-10 1999-11-16 Robert Bosch Gmbh 圧電素子の充放電のための方法及び装置
EP1057635A2 (en) * 1999-05-24 2000-12-06 Nec Corporation Piezoelectric element driving circuit and driving method
EP1057635A3 (en) * 1999-05-24 2002-04-10 Nec Corporation Piezoelectric element driving circuit and driving method
US6831392B2 (en) 1999-05-24 2004-12-14 Fuji Xerox Co., Ltd. Piezoelectric element driving circuit and driving method
JP2012049789A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Murata Mfg Co Ltd 圧電デバイス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5387834A (en) Piezoelectric element driving circuit
US4866326A (en) Driver circuit for piezoelectric actuator, and impact dot-matrix printer using the driver circuit
US4595854A (en) Drive circuit for piezoelectric stack
US6194811B1 (en) Drive apparatus
JP2890787B2 (ja) 圧電素子の駆動回路
JPH05169686A (ja) 圧電素子駆動回路
JPH02145346A (ja) 圧電アクチエータ励振方式
JPH01118447A (ja) インパクト型プリンタ
EP0335257B1 (en) Dot-matrix impact printer
US5205658A (en) Print gap detecting device in print head
US20100320984A1 (en) Apparatus including power supply circuit
US11020965B2 (en) Printing apparatus and print head heating method
JP2556178B2 (ja) 圧電素子の駆動装置
JPH0596758A (ja) 圧電素子をアクチユエータとした印字ヘツド
JP3276791B2 (ja) インクジェットヘッド駆動電源回路
JP3299257B2 (ja) インクジェットヘッド駆動電源回路
JP2000253683A (ja) 静電クランプ機構と該クランプ機構によるインチワーム機構、および静電クランプ方法と該方法を用いたインチワームの駆動方法
JPH05116349A (ja) ワイヤドツトプリンタの印字ヘツド駆動装置
JPS60203472A (ja) 抵抗発熱体の駆動パルスのパルス幅制御装置
JPH05104745A (ja) 圧電素子をアクチユエータとした印字ヘツド
KR870000854Y1 (ko) 압전자를 이용한 도트 매트릭스 프린터의 인자헤드
JPS5825445Y2 (ja) 発熱体制御回路
JPH058411A (ja) 印字ヘツドの温度検出装置
JPH04173256A (ja) ドットプリンターヘッドにおける印字制御装置
JP3871616B2 (ja) ソレノイドアクチュエータ駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20000328