JP2556002Y2 - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JP2556002Y2
JP2556002Y2 JP1992080472U JP8047292U JP2556002Y2 JP 2556002 Y2 JP2556002 Y2 JP 2556002Y2 JP 1992080472 U JP1992080472 U JP 1992080472U JP 8047292 U JP8047292 U JP 8047292U JP 2556002 Y2 JP2556002 Y2 JP 2556002Y2
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curved tube
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、可撓性チューブの外周
に保護用のコイル体を有する処置具挿通用チャンネルを
有する内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば体控内へ経内視鏡的に処置
具を導入する場合は、処置具を内視鏡の処置具挿通用チ
ャンネル内に挿入し、この処置具挿通用チャンネルを通
じて体控内に導き入れている。
【0003】また、処置具挿通用チャンネルを有する前
記内視鏡は操作部と挿入部とから構成されており、前記
処置具挿通用チャンネルは内視鏡の操作部から挿入部の
全長にわたって配設されている。
【0004】また、一般に、内視鏡は、挿入部が硬質な
硬性内視鏡と挿入部が軟質な軟性内視鏡とに大別され、
特に前記軟性内視鏡には、湾曲動作を行なう湾曲管の基
端に長尺な可撓管を接続してなる挿入部を有するものが
あり、このような内視鏡の場合、前記処置具挿通用チャ
ンネルは、内視鏡の挿入部の特に前記湾曲管の激しい湾
曲動作に伴って湾曲できるように、全長にわたって可撓
性の高いポリテトラフルオロエチレン等のチューブによ
って形成されており、これによって処置具挿通用チャン
ネルの充分な可撓性が確保されている。
【0005】しかしながら、処置具挿通用チャンネルを
全長にわたって単に可撓性の高いポリテトラフルオロエ
チレン等のチューブによって形成すると、長尺な可撓管
が曲がっている場合には、処置具挿通用チャンネル内へ
の処置具の挿通にともなって、処置具挿通用チャンネル
のチューブ(以下、チャンネルチューブという。)が処
置具との摩擦によりひきずられて前方に送り出され、こ
れによって先端側でチャンネルチューブが蛇行して、チ
ャンネルチューブへの処置具の挿通性が悪化するととも
に、挿入部内にチャンネルチューブとともに配設される
光学系部材や送気送水チューブといった他の内蔵物を圧
迫して損傷させるという問題があった。また、処置具か
ら手を離すと、先端側で蛇行しているチャンネルチュー
ブとともに処置具が手元側に戻ってしまい処置具を挿入
できないことがあった。
【0006】そこで、実公平1−30161号公報で
は、前記チャンネルチューブのうち前記湾曲管内に位置
する比較的短いチューブ部位を可撓性の高いポリテトラ
フルオロエチレンによって形成するとともに、前記可撓
管内から前記操作部内に位置する長尺なチューブ部位を
可撓性の低いポリテトラフルオロエチレンによって形成
し、処置具挿通用チャンネル内への処置具の挿通にとも
なう前記問題点の解決を図っている。
【0007】また、実公昭59−40002号公報で
は、チャンネルチューブの外周に螺旋状の溝を設けるこ
とによりチャンネルチューブの肉厚を薄くしてその可撓
性を高めるとともに、前記螺旋状の溝に沿って補強用コ
イルを巻き付けることによって湾曲管の湾曲あるいは可
撓管の曲がり作用によるチャンネルチューブの径方向の
変形を抑えてチャンネルチューブが腰折れすなわち挫屈
するのを防止している。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、実公平
1−30161号公報のものは、湾曲管を湾曲させた
り、可撓管を曲げたりねじったりした際に生じる処置具
挿通用チャンネルのねじれや曲げをチャンネルチューブ
の可撓性の低い可撓管内部位で吸収することができない
ため、チャンネルチューブの可撓性の高い湾曲管内部位
に負担が生じ、この部位がねじれて潰れてしまう虞があ
った。また、この場合、チャンネルチューブの可撓性の
高い湾曲管内部位は、湾曲管の繰り返し湾曲によって押
し潰されて偏平し処置具の挿通性を悪化させてしまった
り、ワイヤ受け部材等の他の内蔵物から受ける力に対す
る耐性が弱かった。また、チャンネルチューブの可撓性
の低い可撓管内部位が挿入部の曲げ動作に追従できず破
損してしまう虞もあった。
【0009】そこで、チャンネルチューブを全長にわた
って可撓性の低い材料で形成し、実公昭59−4000
2号公報に示すようにチャンネルチューブの外周に螺旋
状の溝を設けてこの溝に補強用コイルを巻装したものが
あるが、湾曲管内に位置するチャンネルチューブのコイ
ル巻装部の可撓性を高くするために肉厚を全長にわたっ
て薄くすると、可撓管内から操作部内に位置するチャン
ネルチューブの部位が可撓管のねじりや曲げによる影響
を吸収することができずに潰れてしまうことがある。ま
た、逆に、可撓管内から操作部内に位置するチャンネル
チューブの部位が可撓管のねじりや曲げによる影響に対
して十分耐えられるように、肉厚を全長にわたって厚く
すると、今度は、湾曲管内に位置するチャンネルチュー
ブのコイル巻装部の可撓性が低くなり、湾曲管の湾曲動
作に支障をきたす虞がある。また、チャンネルチューブ
の全長にわたってコイルを巻装した場合には、加工性、
組立性が悪くコストが高かった。
【0010】本考案は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、湾曲管や可撓管の湾
曲動作を妨げることのない充分な可撓性を有するととも
に処置具の挿通性が良好で挫屈や破損のない安価な処置
具挿通用チャンネルを備えた内視鏡を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案は、湾曲動作を行なう湾曲管の基端に可撓管
を接続してなる挿入部と、この挿入部の手元側に設けら
れた操作部とを備え、全長にわたって同質の材料により
形成された可撓性チューブの少なくとも前記湾曲管に位
置する部位の外周に保護用のコイル体が巻装された処置
具挿通用チャンネルを前記操作部から前記挿入部の全長
にわたって配設した内視鏡において、前記処置具挿通用
チャンネルを形成する前記可撓性チューブのうち前記可
撓管から前記操作部に位置するチューブ部位の肉厚を前
記湾曲管に位置するチューブ部位の肉厚よりも厚く形成
したものである。
【0012】
【作用】上記構成により、湾曲管内に位置する処置具挿
通用チャンネルの部位は、可撓性を高くするために肉厚
が薄く形成されているので、湾曲管の湾曲動作を妨げる
ことなくスムーズに湾曲する。また、湾曲管内に位置す
る処置具挿通用チャンネルの外周には保護用のコイルが
巻装されているため、この部位の処置具挿通用チャンネ
ルの径方向の変形が極力防止され、腰折れすなわち挫屈
が防止される。すなわち、湾曲管の繰り返し湾曲によっ
て押し潰されて偏平したり、それによって処置具の挿通
性を悪化させてしまったり、あるいは、ワイヤ受け部材
等の他の内蔵物から受ける力によって破損してしまった
りすることがない。
【0013】また、可撓管内に位置する処置具挿通用チ
ャンネルの部位を湾曲管内に位置する処置具挿通用チャ
ンネルの部位と同質の材料によって形成することによ
り、この部位の可撓性を可撓管の湾曲動作に追従できる
程度にすることができる。また、可撓管内に位置する処
置具挿通用チャンネルの部位は、湾曲管内に位置する処
置具挿通用チャンネルの部位よりも肉厚が厚く形成され
ているため、可撓管のねじりや曲げによる影響を十分吸
収することができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本考案の実施例を説
明する。図1、図2および図7は本考案の第1の実施例
を示すものである。図7に示すように、本実施例の内視
鏡1は、撮像素子を組み込んだ電子内視鏡であり、挿入
部2と操作部3とから内視鏡本体が構成されている。
【0015】操作部3には湾曲操作ノブ4、吸引装置7
等の各種装置が配置されている。また、この操作部3
は、内視鏡1からの撮像信号を光源装置を内設したビデ
オプロセッサ9に伝送するユニバーサルコード6が接続
されている。ビデオプロセッサ9は、内視鏡1からの撮
像信号を処理する信号処理回路を有しており、処理した
信号はビデオプロセッサ9に接続されたモニタ10に伝
送されて画像表示される。これによって、操作者は内視
鏡1が挿入される内部の様子を観察することができる。
【0016】また、挿入部2内には処置具(図示せず)
を内視鏡1の先端へと案内する処置具挿通用チャンネル
8が配設されている。また、操作部3には処置具挿通用
チャンネル8に連通する処置具挿通口5が設けられてい
る。
【0017】図2に示すように、挿入部2は、長尺な可
撓管11と、操作ワイヤ12の操作によって湾曲し得る
湾曲管13とからなり、湾曲管13先端には対物レンズ
等の光学要素を組み込んだ先端構成部14が設けられて
いる。可撓管11および湾曲管13は管状部材15の外
周に樹脂製の外皮16を積層して構成されるが、湾曲管
13は可撓管11よりも可撓性が高く形成されている。
【0018】湾曲管13の内部には複数の湾曲駒17…
が挿入部2の長手軸方向に並べられている。湾曲駒17
…は、ステンレス製の管状のものであり、その隣接する
端部同志がリベット18により回動自在に連結されるこ
とによって湾曲自在となっている。また、最先端の湾曲
駒17は先端構成部14の基端部に嵌着されている。ま
た、挿入部2内には例えば上下に偏って配置された4本
(1本は図示せず)の湾曲操作ワイヤ12が挿通して配
設されている。この湾曲操作ワイヤ12の先端は湾曲管
13内に配設された最先端の湾曲駒17に別々に接着固
定されている。そして、湾曲操作ワイヤ12は、例えば
湾曲駒17の内周壁に設けられたワイヤ受け部19で支
持されつつ湾曲駒17と接続して湾曲管13内を挿通さ
れるとともに、可撓管11に配設された例えば図示しな
いガイドパイプによって可撓管11内を案内され、その
基端側は操作部3の湾曲操作ノブ4によって操作される
図示しないワイヤ操作機構に接続されている。したがっ
て、湾曲操作ノブ4を回動操作して湾曲操作ワイヤ12
のいずれか1本を手元側に引けば、その向きに湾曲管1
3を湾曲させることができる。このとき、他の湾曲操作
ワイヤ12は繰り出される。
【0019】湾曲管13の先端に設けられた先端構成部
14の第1の通孔20には、ビデオプロセッサ9の光源
装置に前記ユニバーサルコード6を介して接続されたラ
イトガイド21がライトガイド口金22によって装着さ
れており、これによって、前記光源装置からの照明光を
レンズ23を介して体内に照射できるようになってい
る。
【0020】さらに、先端構成部14の第2の通孔24
には2つの対物レンズ25が嵌め込まれており、これら
対物レンズ25の手元側には撮像素子26が設けられて
いる。したがって、前記ライトガイド21を介して体内
に導かれた照明光によって照射された対象物の物体光は
対物レンズ25を介して撮像素子26の受像面に結像し
て光電変換され、その撮像信号は電気ライン27とユニ
バーサルコード6を介してビデオプロセッサ9に伝送さ
れ処理される。ビデオプロセッサ9で処理して得た映像
信号はTVモニター10に送られ、このTVモニター1
0上に内視鏡1による観察像として画像表示される。
【0021】また、内視鏡1には操作部3から挿入部2
の全長にわたって処置具挿通用チャンネル8が設けられ
ている。処置具挿通用チャンネル8は全長にわたって同
質の材料により形成された可撓性チューブ36から成
る。また、処置具挿通用チャンネル8を形成する前記可
撓性チューブ36のうち可撓管11内から操作部3内に
位置するチューブ部位36bの肉厚は、湾曲管13内に
位置するチューブ部位36aの肉厚よりも厚く形成され
ている。
【0022】すなわち、可撓性チューブ36のうち湾曲
管13内とこれを若干越えた範囲に位置するチューブ部
位36a(以下、湾曲チューブ36aという。)は、湾
曲管13の湾曲動作に伴って湾曲できる十分な可撓性を
有するように、ポリテトラフルオロエチレンによって肉
厚が薄く形成されている。湾曲チューブ36aの先端側
は、先端構成部14の処置具挿通孔28に嵌着された口
金29の基端部外周に例えば圧入することにより接続さ
れている。
【0023】一方、可撓性チューブ36のうち可撓管1
1内から操作部3内に位置するチューブ部位36b(以
下、チャンネルチューブ36bという。)すなわち湾曲
チューブ36a以外の部位は、可撓管11がねじれたり
ループをかけられたりあるいはループを解除する際にお
いて十分小さな円弧状をとることに鑑み、十分な耐性を
有する座屈しにくい肉厚に形成されているとともに可撓
管11の湾曲動作に追従できる程度に可撓性を有する肉
厚に形成されている。すなわち、湾曲チューブ36aと
同質なポリテトラフルオロエチレンによって形成され、
かつ、湾曲チューブ36aよりも肉厚が厚くなってい
る。
【0024】なお、湾曲チューブ36a内における処置
具の挿通性を良くするために湾曲チューブ36aの内径
は、チャンネルチューブ36bの内径より大きく形成さ
れている。
【0025】湾曲チューブ36aとチャンネルチューブ
36bは、連結パイプ30によって接結されている。ま
た、操作部3内のチャンネルチューブ36bの基端側
は、操作部3内に配置されたY字型の管路31の先端管
路部31aと連結パイプ32を介して接続されている。
管路31は処置具挿通用管路部31bと吸引管路部31
cとに分岐しており、処置具挿通用管路部31bは処置
具挿通孔5に連通するとともに、吸引管路部31cは吸
引装置7へと通じている。
【0026】図1は処置具挿通用チャンネル8を示した
ものである。湾曲チューブ36aは、両端の僅かな部位
を除いた範囲L1の外周に、断面が弧状で深さが略均一
な螺旋溝33を有している。この螺旋溝33が形成され
た範囲L1は湾曲管13の長さよりも長くなっている。
また、螺旋溝33にはピアノ線やバネ用ステンレス鋼線
等で形成された挫屈防止用の弾性コイル34が溝底に密
着した状態で巻回されている。コイル34の端部は湾曲
チューブ36aに傷を付けないように例えば面取りをし
てある。さらに、コイル34の端部は、湾曲管13の湾
曲動作によってコイル34がずれたりしないように、湾
曲チューブ36aに対して1〜3ピッチ分だけ接着固定
してある。なお、螺旋溝33とコイル34との間には湾
曲チューブ36aの軸線方向に隙間39が設けられてい
る。
【0027】また、螺旋溝33が形成される湾曲チュー
ブ36aの外周面には、範囲L1よりも若干長い範囲L
2にわたって、接着性を良くするための例えばテトラエ
ッチ処置が施されている。また、コイル34上には比較
的柔くかつ弾性を有する樹脂35がコーティングされて
おり、コイル34が湾曲チューブ36aの螺旋溝33か
ら脱落するのを防いでいる。なお、樹脂35は範囲L2
とほぼ同じ範囲にわたってコーティングされている。
【0028】湾曲チューブ36aとチャンネルチューブ
36bとを繋ぐ連結パイプ30は、湾曲管13に十分近
い位置で湾曲チューブ36aとチャンネルチューブ36
bとを接続している。また、連結パイプ30の両端には
それぞれ径方向外側に傾斜するテーパ部30a,30b
が設けられている。そして、このテーパ部30a,30
bの外周部に湾曲チューブ36aとチャンネルチューブ
36bとをそれぞれ圧入して接着固定することによりこ
れらのチューブ36a,36bの抜けを防止している。
さらに、連結パイプ30に接続される湾曲チューブ36
aの基端とチャンネルチューブ36bの先端との間には
若干の隙間が設けられ、この隙間に接着剤が充填される
とともに湾曲チューブ36aとチャンネルチューブ36
bのパイプ連結部外周にも接着剤が塗布されることによ
って、湾曲チューブ36aとチャンネルチューブ36b
とを連結パイプ30に対して外側から押さえ付けて、チ
ューブ36a,36bの連結パイプ30に対する抜けを
防止する構造となっている。なお、湾曲チューブ36a
とチャンネルチューブ36bのパイプ連結部外周に糸を
巻き付け、その外周に接着剤をぬって固定することによ
チューブ36a,36bの連結パイプ30に対する抜
けを防止しても良い。
【0029】次に、上記構成の内視鏡の作用を説明す
る。操作部3の湾曲操作ノブ4を回動操作すると、操作
ワイヤ12が索引されて湾曲管13が牽引された操作ワ
イヤ12の方向に湾曲する。この時、湾曲管13内の処
置具挿通用チャンネル8を構成する湾曲チューブ36a
は、可撓性を高くするために肉厚が薄く形成されている
ので、湾曲管13の湾曲動作を妨げることなくスムーズ
に湾曲する。
【0030】また、湾曲チューブ36aは、その外周に
設けた螺旋溝33によっても、溝加工がされていない場
合に比べてその肉厚が部分的に薄くなっているため、そ
の分可撓性が高くなっており、湾曲管13の湾曲に伴っ
て十分湾曲できる状態にある。また、その一方で、螺旋
溝33にはコイル34が溝底に密着した状態で巻回され
ているため、湾曲チューブ36aの径方向の変形は極力
防止され、湾曲チューブ36aの腰折れ、すなわち挫屈
は防止される。すなわち、湾曲管の繰り返し湾曲によっ
て押し潰されて偏平したり、それによって処置具の挿通
性を悪化させてしまったり、あるいは、ワイヤ受け部材
等の他の内蔵物から受ける力によって破損してしまった
りすることがない。
【0031】また、螺旋溝33とコイル34との間で湾
曲チューブ36aの軸線方向に設けた隙間39は、湾曲
チューブ36aの湾曲時に、湾曲チューブ36aの湾曲
内側の側壁の縮みに対して逃げとして作用するため、コ
イル34が湾曲チューブ36aの湾曲内側の側壁の縮み
を妨害してその可撓性を滅殺してしまうことを防止す
る。
【0032】また、可撓管11内の処置具挿通用チャン
ネル8を構成するチャンネルチューブ36bは、湾曲チ
ューブ36aと同質の材料によって可撓管11の湾曲動
作に追従できる程度に可撓性を有する肉厚に形成されて
いるとともに湾曲チューブ36aよりも肉厚が厚く形成
されているため、可撓管11のねじりや曲げによる影響
を十分吸収することができる。したがって、可撓管11
の湾曲動作に追従できずにチャンネルチューブ36b自
らが破損してしまったり、処置具挿通用チャンネル8の
ねじれや曲げをチャンネルチューブ36bで吸収できな
いことによって湾曲チューブ36aをねじって潰してし
まうということがない。
【0033】また、湾曲チューブ36aとチャンネルチ
ューブ36bはともにポリテトラフルオロエチレンで形
成されているため、摩擦係数が小さく、処置具をスムー
ズに挿通させることができる。さらに、湾曲チューブ3
6aの内径はチャンネルチューブ36bの内径より大き
いため、湾曲チューブ36aが湾曲しても、処置具はス
ムーズに湾曲チューブ36a内を通過できる。
【0034】また、材質を変えることによって処置具挿
通用チャンネル8の湾曲管部位と可撓管−操作部間部位
の可撓性を変化させるのではなく、処置具挿通用チャン
ネル8を形成するチューブの肉厚を変化させることによ
ってチャンネル8各部の可撓性を変化させるようにした
ため、チャンネルチューブの湾曲管部位を可撓性の高い
材料で形成するとともにチャンネルチューブの可撓管部
位を可撓性の低い材料で形成する従来のものに比べてコ
ストが安く済む。さらに、本実施例の処置具挿通用チャ
ンネル8は全長にわたってコイルを巻装する必要がない
ため加工、組立が簡単である。なお、本実施例の場合、
湾曲チューブ36aとチャンネルチューブ36bとは連
結パイプ30で接続されているので、この部分で折れに
くい。
【0035】以上説明したように、本実施例の内視鏡1
の処置具挿通用チャンネルは、材質を変えることによっ
て処置具挿通用チャンネル8の湾曲管部位と可撓管−操
作部間部位の可撓性を変化させるのではなく、処置具挿
通用チャンネル8を形成するチューブの肉厚を変化させ
ることによってチャンネル8の各部の可撓性を変化させ
るようにしたため、加工が簡単でコストが安く、しか
も、前述したような構成により湾曲管や可撓管の湾曲動
作を妨げることのない充分な可撓性を有するとともに処
置具の挿通性が良好で挫屈や破損がないという利点があ
る。
【0036】図3は本考案の第2の実施例を示すもので
ある。本実施例の内視鏡は処置具挿通用チャンネル8に
おける湾曲チューブ36aとチャンネルチューブ36b
との接続方法が第1の実施例と異なるのみであり、その
他の構成は第1の実施例と同一である。
【0037】すなわち、図3に示す処置具挿通用チャン
ネル8は、湾曲チューブ36aとチャンネルチューブ3
6bとを直接に接続して形成されている。この場合、チ
ャンネルチューブ36bの先端部の内面にはチャンネル
チューブ36bの内面を全周にわたって削ることにより
形成された段差部46が設けられている。そして、この
段差部46の削り深さは湾曲チューブ36aの肉厚と同
一になっており、湾曲チューブ36aの基端部を段差部
46に嵌め合わせて接着固定することによりチャンネル
チューブ36bの内径と湾曲チューブ36aの内径とを
同じくしている。湾曲チューブ36aの基端部と段差部
46とを嵌め合わせ接着する接着剤45は、チャンネル
チューブ36bの先端面と湾曲チューブ36aの外周面
との間にも塗布されている。なお、段差部46の内面と
湾曲チューブ36aの基端部外周面には接着しやすいよ
うに例えばテトラエッチ処理が施されている。
【0038】以上の構成では、処置具挿通用チャンネル
8の外径がチャンネルチューブ36bの外径と同一にな
るので挿入部2の細径化に貢献することができる。ま
た、チャンネルチューブ36bは素材を切断し先端側に
段差部を設けただけのものであり、また、第1の実施例
のように連結パイプ30も要らないので部品点数が少な
く安価で済む。また、湾曲チューブ36aとチャンネル
チューブ36bとの接続部の内面には段差がないので、
この部分での処置具の引掛かりが防止されスムーズな処
置具の挿通が可能となる。チャンネルチューブ36bの
端面と湾曲チューブ36aの外周面との間にも接着剤4
5を塗布して強固に固定しているので、チャンネルチュ
ーブ36bと湾曲チューブ36aとの抜けが確実に防止
される。
【0039】図4は本考案の第3の実施例を示すもので
ある。本実施例では、湾曲チューブ36aの基端部がチ
ャンネルチューブ36bの先端部内に嵌着され、湾曲チ
ューブ36aの基端面49が処置具が引掛からないよう
に内方に向けて傾斜するテーパ面に形成されている。湾
曲チューブ36aの基端部外周面とチャンネルチューブ
36bの先端部内周面には、接着しやすいように、例え
ばテトラエッチ処理が施されている。また、チャンネル
チューブ36bの先端面と湾曲チューブ36aの外周面
との間には接着剤45が塗布されている。それ以外の構
成は第1の実施例と同一である。この構成では、湾曲チ
ューブ36aの基端面49が処置具が引掛からないよう
に内方に向けて傾斜するテーパ面に形成したため処置具
の挿通がスムーズとなる。
【0040】図5には内視鏡1の先端構成部14と湾曲
チューブ36aとの接続部が示されている。先端構成部
14の処置具挿通孔28に嵌着された口金29は先端構
成部14の基端端面付近で全周にわたり半田付け固定
(図中の黒い部分)されている。口金29と嵌合する湾
曲チューブ36a先端部の口金嵌合部59と湾曲チュー
ブ36aの先端面60にはチューブ素材の接着性を高め
るテトラエッチ処理が施されている。なお、コイル34
の表面にコーティングされる樹脂35は弾性接着剤であ
ってもよく、この場合、図示のようにコイル34の素線
の頂点にも弾性接着剤が薄くコーティングされ、かつ、
コイル34の素線間ではコイル34の素線の頂点よりも
低く(径方向で小さく)弾性接着剤がコーティングされ
る。
【0041】湾曲チューブ36aは、先端に位置するコ
イル34と口金29の後端部29aとが一致するまで、
口金29に嵌合挿入される。湾曲チューブ36aと口金
29との固定には接着剤が用いられる。この接着剤の塗
布は、湾曲チューブ36aと口金29との嵌合部分(図
中45)と、湾曲チューブ36aの先端面60と先端構
成部14の基端面との間の部分(図中46)の両方にな
される。なお、口金29と嵌合する湾曲チューブ36a
の口金嵌合部59の外周にはテグス50が巻装されてい
る。
【0042】このような構成では、口金29に湾曲チュ
ーブ36aを挿入していく際に、湾曲チューブ36aの
先端面60で口金29の外周面に塗布された接着剤が拭
き取られて、湾曲チューブ36aと口金29との間の接
着力が失われたとしても、湾曲チューブ36aの先端面
60と先端構成部14との間にある接着剤によって、接
着力は確保される。この場合、口金29と湾曲チューブ
36aとの水密性も同様にして確保される。また、図6
のように接着剤を塗布してもよい。すなわち、湾曲チュ
ーブ36aの先端面60と口金29との間でも同様の効
果が得られる。
【0043】以上説明した接続方法によれば、湾曲チュ
ーブ36aと口金29との水密が確実に行え、湾曲チュ
ーブ36aと口金29との接続部における水漏れの発生
を無くすことが可能となる。また、湾曲チューブ36a
と口金29との接着強度が増加するため、口金29に対
する湾曲チューブ36aの抜け強度が向上するととも
に、湾曲チューブ36aのねじれに対する接着層の剥離
強度が向上する。また、万一、湾曲チューブ36aに圧
縮方向の力が加わり、口金嵌合部59のチューブ部位が
膨らんで接続口金29と湾曲チューブ36aとの間の接
着層が剥離しても、湾曲チューブ36aの先端面60よ
りも先方に塗布されている接着層によって、水密性の確
保と湾曲チューブ36aの抜け防止がなされる。なお、
以上説明した接続方法はチャンネルの接続のみならず、
送水チューブ、送気チューブ等、他のチューブの接続に
おいても適用できる
【0044】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の内視鏡の
処置具挿通用チャンネルは、材質を変えることによって
処置具挿通用チャンネルの湾曲管部位と可撓管−操作部
間部位の可撓性を変化させるのではなく、処置具挿通用
チャンネルを形成するチューブの肉厚を変化させること
によってチャンネルの各部の可撓性を変化させるように
したため、加工が簡単でコストが安く、しかも、湾曲管
や可撓管の湾曲動作を妨げることのない充分な可撓性を
有するとともに処置具の挿通性が良好で挫屈や破損がな
いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示す内視鏡の処置具挿
通用チャンネルの側断面図である。
【図2】本考案の第1の実施例を示す内視鏡の挿入部の
側断面図である。
【図3】本考案の第2の実施例を示す内視鏡の処置具挿
通用チャンネルの側断面図である。
【図4】本考案の第3の実施例を示す内視鏡の処置具挿
通用チャンネルの側断面図である。
【図5】(a)は処置具挿通用チャンネルと先端構成部
との接続を示す断面図、(b)は処置具挿通用チャンネ
ルの接続部付近の断面図である。
【図6】処置具挿通用チャンネルと先端構成部との接続
の他の例を示す断面図である。
【図7】内視鏡装置の全体構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1…内視鏡、8…処置具挿通用チャンネル、34…コイ
ル、36a…湾曲チューブ、36b…チャンネルチュー
ブ。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湾曲動作を行なう湾曲管の基端に可撓管
    を接続してなる挿入部と、この挿入部の手元側に設けら
    れた操作部とを備え、全長にわたって同質の材料により
    形成された可撓性チューブの少なくとも前記湾曲管に位
    置する部位の外周に保護用のコイル体が巻装された処置
    具挿通用チャンネルを前記操作部から前記挿入部の全長
    にわたって配設した内視鏡において、前記処置具挿通用
    チャンネルを形成する前記可撓性チューブのうち前記可
    撓管から前記操作部に位置するチューブ部位の肉厚を前
    記湾曲管に位置するチューブ部位の肉厚よりも厚く形成
    したことを特徴とする内視鏡。
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