JP2555799B2 - 画質改善装置 - Google Patents

画質改善装置

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JP2555799B2
JP2555799B2 JP3145514A JP14551491A JP2555799B2 JP 2555799 B2 JP2555799 B2 JP 2555799B2 JP 3145514 A JP3145514 A JP 3145514A JP 14551491 A JP14551491 A JP 14551491A JP 2555799 B2 JP2555799 B2 JP 2555799B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビジョン(TV)
受像機、ヒデオテープレコーダ(VTR )等の各種ビデオ
機器、及び、画像データを扱う各種画像処理装置等に好
適な画質改善装置に関する。そして、この発明は、特に
エッジ強調を観賞者に違和感を与えることなく自然な形
で行い、再生画像の鮮鋭度及び解像度を改善できると共
に、ディジタル回路化に適した画質改善装置を提供する
ことを目的としている。
【0002】
【従来の技術】従来、画質改善のために用いられる輪郭
補正では、2次微分処理によって輪郭補正成分を求め、
この補正成分を元の信号に適量付加していた。この方法
による輪郭補正では輪郭補正成分である2次微分波形
が、元の信号の波形変化部(エッジ部)の中点よりもか
なり外側にピークを持つ波形となる。従って、この2次
微分波形を元の信号に付加すると、プリシュートやオー
バーシュートが発生することがあり期待する程の画質改
善効果が得られず、さらに、再生画像のエッジに白と黒
の縁どりができるなどの不自然な輪郭補正となることが
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、信号の波形変化部(エッジ部)の中点位
置に波形段差を付加することによるエッジ強調により、
プリシュートやオーバーシュートによる不自然な輪郭補
正を防ぎ、観賞者に対して違和感を与えることなく、か
つ自然な形で鮮鋭度及び解像度を向上させることができ
ると共に、デジタル回路化に適した画質改善装置とする
には、どのような手段を講じればよいかという点にあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために本発明は、入力信号に対し、順次に所定の遅
延時間を与える偶数(2M、但しMは2以上の整数)個
の直列接続の遅延回路と、前記入力信号と前記遅延回路
の偶数(2M)個の各出力信号とより成る奇数(2M+
1)個の信号群を第1の信号群とし、前記第1の信号群
の時間的に隣接する2つの信号間で差をとることにより
第1の差分値信号を得る減算器を、偶数(2M)個連ね
て成る第1の減算器群と、前記第1の減算器群から得ら
れる偶数(2M)個の前記第1の差分値信号より成る信
号群を、第1の差分値信号群とし、前記第1の差分値信
号群の時間的に隣接する2つの信号間で差をとることに
より第2の差分値信号を得る減算器を、奇数(2M−
1)個連ねて成る第2の減算器群と、前記第2の減算器
群から得られる奇数(2M−1)個の前記第2の差分値
信号より成る信号群を、第2の差分値信号群とし、前記
第1及び第2の差分値信号群の、各前記第1の差分値信
号と各前記第2の差分値信号との値の組合せに応じて変
化する制御信号を得る制御信号形成回路と、前記第1の
信号群と前記制御信号とが供給され、前記入力信号の波
形変化部の中点位置に波形段差を付加した出力信号を得
るように、前記制御信号に応じて、前記第1の信号群の
中の1つの信号を選択して出力する信号選択回路とより
構成したことを特徴とする画質改善装置を提供するもの
である。
【0005】
【実施例】図1に、この発明の画質改善装置の第1実施
例を、図2に第2実施例をそれぞれ示す。また、図3は
制御信号形成回路の具体的な構成例を示す図、図4は信
号選択回路の具体的な構成例を示す図、図5及び図6は
第1実施例の動作説明図、図7〜図9は第2実施例の動
作説明図である。図5〜図9の動作説明図では、具体的
回路例の動作説明としてデジタル回路の動作説明をする
場合でも、理解しやすいように、その回路の信号波形を
アナログ波形で示してある。また、図5〜図9では、説
明を分かりやすくするために、波形傾斜部の段差を誇張
して表現してある。まず、図1に示す第1実施例につい
て説明する。1〜4は同一の遅延時間を有する遅延回
路、5〜11は減算器、12は制御信号形成回路、13
は信号選択回路である。なお、説明の便宜上、各回路自
体の処理時間による信号の遅れ、及びその遅れを単に補
正するためだけに通常用いられる遅延回路等は、省略す
るものとする。この画質改善装置の扱う入力信号として
は、テレビジョン信号における輝度信号等を想定してい
る。ラインL1から入来する入力信号S1が、図5
(a)に示すようなパルス波形の場合を扱うことにす
る。この信号は、帯域4MHzのNTSC方式の輝度信
号の一例である。入力信号S1は、遅延回路1に供給さ
れる。遅延回路1の有する遅延時間Tは、
【0006】
【数1】
【0007】である。この遅延時間Tの値は、色副搬送
波(周波数fSC)の1/8周期に相当する。また、遅延
時間Tの値は、TV信号を量子化するときの通常の標本
化周期(1/( 4fSC) )の1/2である。遅延回路1
で、時間Tだけ遅延した出力信号S2を図5(b)に示
す。次段の遅延回路2は、遅延回路1と同一機能の回路
であり、供給された信号S2をさらに時間Tだけ遅延し
た信号S3(図5(c)参照)を出力する。次段の遅延
回路3は、やはり遅延回路1と同一機能の回路であり、
供給された信号S3をさらに時間Tだけ遅延した信号S
4(図5(d)参照)を出力する。次段の遅延回路4
も、やはり遅延回路1と同一機能の回路であり、供給さ
れた信号S4をさらに時間Tだけ遅延した信号S5(図
5(e)参照)を出力する。これらの信号S1〜S5
は、第1の信号群を成す。減算器5は、入力信号S1か
ら遅延回路1の出力信号S2を減算し、次式に示す信号
D1を出力する。信号S1と信号S2とは時間差Tであ
り、第1の信号群において時間的に隣接した信号であ
る。
【0008】
【数2】 D1=S1−S2
【0009】減算器6は、減算器5と同一の機能を有
し、遅延回路1の出力信号S2から遅延回路2の出力信
号S3を減算し、次式に示す信号D2を出力する。
【0010】
【数3】 D2=S2−S3
【0011】減算器7は、減算器5と同一の機能を有
し、遅延回路2の出力信号S3から遅延回路3の出力信
号S4を減算し、次式に示す信号D3を出力する。
【0012】
【数4】 D3=S3−S4
【0013】減算器8も、減算器5と同一の機能を有
し、遅延回路3の出力信号S4から遅延回路4の出力信
号S5を減算し、次式に示す信号D4を出力する。
【0014】
【数5】 D4=S4−S5
【0015】これらの信号D1,D2,D3,D4は、
第1の差分値信号であり、第1の差分値信号群を成す。
また、減算器5〜8は、第1の減算器群を成す。減算器
9は、減算器5と同一の機能を有し、減算器5の出力信
号D1から減算器6の出力信号D2を減算し、次式に示
す信号D5を出力する。
【0016】
【数6】 D5=D1−D2
【0017】減算器10も、減算器5と同一の機能を有
し、減算器6の出力信号D2から減算器7の出力信号D
3を減算し、次式に示す信号D6を出力する。
【0018】
【数7】 D6=D2−D3
【0019】減算器11も、減算器5と同一の機能を有
し、減算器7の出力信号D3から減算器8の出力信号D
4を減算し、次式に示す信号D7を出力する。
【0020】
【数8】 D7=D3−D4
【0021】これらの信号D5,D6及びD7は第2の
差分値信号であり、第2の差分値信号群を成す。また、
減算器9〜11は、第2の減算器群を成す。信号D1,
D2,D3,D4,D5,D6,D7の波形図を、それ
ぞれ図5(f)〜(i)、及び図6(j)〜(l)に示
す。第1の減算器群(減算器5〜8)による第1の差分
処理の周波数特性g1を位相項を除いて表すと次式、
【0022】
【数9】 1=−j2sin(πf/(4fsc))
【0023】に示すような正弦波状の微分特性になる。
第2の減算器群(減算器9〜11)による第2の差分処
理の周波数特性g2を位相項を除いて表すと次式、
【0024】
【数10】 2=2(1−cos(πf/(4fsc))
【0025】に示すような正弦波状の高域濾波器の特性
となる。第1の差分値信号が1次微分信号、第2の差分
値信号が2次微分信号に相当する。これらの差分値信号
波形の特徴は、入力信号の波形変化部に有意な値が得ら
れることである。次段の制御信号形成回路12には、減
算器5〜11の各出力信号D1〜D7が供給される。そ
して、制御信号形成回路12では、各入力信号D1〜D
7の値の組合わせに応じて、制御信号Scを形成する。
制御信号Scは、次式(数11)に示す5つの信号Sc
1,Sc2,Sc3,Sc4,Sc5 から成る、ローアクティブ
(負論理)のロジック信号である。信号Sc1,Sc2,S
c3,Sc4,Sc5 の各波形図をそれぞれ図6(q)、
(p)、(o)、(n)、(m)に示す。
【0026】
【数11】
【0027】以上のように、(イ)信号D2,D3,D
4,D6,D7の値が、共に正または共に負で同極性と
なる第1の条件が成り立つとき、信号Sc5 が0(Lo
w)となり、(ロ)信号D2,D3,D6の値が、共に
正または共に負で同極性となり、かつ、第1の条件が成
り立たないとき、信号Sc4 が0(Low)となり、
(ハ)信号D1,D2,D3の値が、共に正または共に
負で同極性の値であり、かつ、信号D5,D6の値が同
時に正または同時に負である同極性の値であり、なおか
つ、信号D5,D6の値が信号D1,D2,D3の値の
極性と異なる極性の値となる第2の条件が成り立つと
き、信号Sc1 が0(Low)となり、(ニ)信号D
2,D3の値が、共に正または共に負で同極性であり、
かつ、信号D6の値が信号D2,D3とは異なる極性の
値のとなり、なおかつ、第2の条件が成り立たないと
き、信号Sc2 が0(Low)となり、(ホ)信号D1
〜D7の値の組合わせが上記以外の組合わせのとき、信
号Sc3が0(Low)となる。制御信号形成回路12
を実現する回路例を図3に示す。図3において、変換器
2−1〜2−7は、信号D1〜D7を、正のときは1
0、零のときは00、負のときは01に変換し、それを
2bit化された信号として出力する。各変換器の変換
表を表1に、信号D1〜D7の2bit化された信号を
次式(数12)にそれぞれ示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【数12】
【0030】変換器2−1〜2−7は、TTL−IC
や、ROMなどによるテーブル・ルックアップ方式で実
現できると共に、PLA( Programable Logic Array)
等でも実現できる。7つの変換器出力は、AND回路2
−8〜2−23、NOR回路2−24〜2−27、NA
ND回路2−28を経て、次式に示す制御信号Sc1,S
c2,Sc3,Sc4,Sc5 となる。
【0031】
【数13】
【0032】なお、図3上では、各信号名Sc1 〜Sc
5 は、単なる名称として記載してあるが、上式(数1
3)では、その信号の使用目的を明確に表現するため
に、ローアクティブの負論理の論理式(即ち、バーを付
して)で記載してある。前述の信号D1〜D7は、高域
濾波器の働きをする減算器の出力信号であるため、一般
的にみて、高周波雑音成分を多く含んでいる危険性があ
る。こうした雑音成分に対する制御信号形成回路12の
性能を向上させるため、変換器2−1〜2−7における
基準値を、0でなく小さな正の値β(高周波雑音成分の
レベル程度の値)に設定する。そして、変換器2−1〜
2−7は、信号D1〜D7をβより大のときは10、β
以下で−β以上のときは00、−βより小のときは01
に変換し、2bit化された信号として出力する。この
基準値βの設定により、制御信号形成回路12は、耐雑
音性能が向上する。なお、基準値βの値は、変換器によ
って異なる値に設定してもよい。ここで図1にもどっ
て、信号S1、S2、S3、S4、S5、及び制御信号
Sc(信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc4,Sc5 )は、次段
の信号選択回路13に供給される。信号選択回路13
は、制御信号Scに応じて、信号S1〜S5の内の1つ
の信号を選択出力する。信号選択回路13の出力So
は、次式(数14)に示すものとなる。
【0033】
【数14】
【0034】即ち、信号選択回路13は、制御信号Sc
1 が0(Low)のとき、信号S1を選択出力し、制御
信号Sc2 が0(Low)のとき、信号S2を選択出力
し、制御信号Sc3 が0(Low)のとき、信号S3を
選択出力し、制御信号Sc4 が0(Low)のとき、信
号S4を選択出力し、制御信号Sc5 が0(Low)の
とき、信号S5を選択出力する。
【0035】信号選択回路13を実現する回路例を図4
(b)に示す。ブロック3−101〜3−105はスイ
ッチ回路である。各スイッチ回路3−101〜3−10
5には、信号S1〜S5、及び制御信号Sc1 〜Sc5
がそれぞれ供給され、制御信号Sc1 〜Sc5 の内の1
つが0(Low)のとき、その制御信号が供給されてい
るスイッチ回路がオンとなり、信号S1〜S5の内のど
れか1つが、共通化された出力端子から出力される。各
スイッチ回路3−101〜3−105は、同一構成の回
路である。図4(a)に、スイッチ回路3−101〜3
−105の具体的回路例として、スイッチ回路3−10
1を代表例として示す。信号S1、Soは8bit、2
の補数表示のものとする。ブロック3−10〜3−17
は制御端子付のバッファ回路であり、共通化された制御
端子には、制御信号Sc1 が供給されている。この制御
信号Sc1 が0(Low)のときに、入力信号S1、即
ち、S10(LSB)〜S17(MSB)は、そのまま出力
So(即ち、So0 (LSB)〜So7 (MSB))と
して出力される。制御信号Sc1 が1(High)のと
きには、出力はトライステートまたはハイインピーダン
ス状態となる。こうして得られる信号選択回路13の出
力信号So(この画質改善装置の出力)は、図6(r)
に示す波形となる。
【0036】この出力波形Soを入力波形S1(図5
(a)参照)と比較すると、出力波形Soは、入力波形
S1の波形変化部(エッジ部)のほぼ中間点に波形段差
が付加され、波形変化部が急峻化されており、適格にエ
ッジ強調された波形となっていることがわかる。出力信
号Soを再生すれば、輪郭補正された再生画像が得られ
る。また、この画質改善装置のエッジ強調処理は、図6
(r)に示す出力波形Soからもわかるように、従来の
輪郭補正のようなプリシュート、オーバーシュートなど
の原信号の振幅を越えたエッジ強調処理とならず、原信
号の振幅内のエッジ強調処理である。従って、この画質
改善装置を組込んだ機器を、ディジタル回路で構成した
場合でもオーバーフローの問題が発生せず、その機器
は、良好な画質改善が行える。さらに、上記のように、
エッジ強調処理により、プリシュートやオーバシュート
が発生しないので、自然で違和感のない輪郭補正された
再生画像が得られる。こうして、ラインL2から出力さ
れる信号Soは、エッジ強調が行われた結果、新たな側
波帯成分が形成され、入力信号S1が本来有する帯域を
越えたスペクトルが新たに付加された信号となる。この
新たなスペクトルの付加は、等価的に、原信号の解像度
が向上したとの印象を観賞者に与え、画像の鮮鋭度を改
善する働きをしている。
【0037】ここで、出力信号Soの波形変化部の急峻
さ(エッジ強調の度合)は、エッジ強調前の元の信号に
おける波形変化部が有する周波数特性に依存している。
元の信号の波形の立上がり部及び立下がり部(エッジ
部)が、より急峻な傾斜であれば、より強い度合のエッ
ジ強調が行われ、一方、より緩かな傾斜に対しては、よ
り弱い度合のエッジ強調が行われる。このように、エッ
ジ強調処理の度合は、入力信号の周波数に依存し、入力
信号と完全な相関関係があるので、この画質改善装置
は、観賞者に対して違和感を与えることなく、自然な形
で、鮮鋭度及び解像度を向上させることができる。
【0038】また、図示した実施例の各構成要素自体
は、市販のIC等を用いて簡単な回路構成で実現できる
ので、装置全体を低コストで、容易に製造できる。
【0039】次に、この発明の第2実施例を図2に示
す。1〜4,5a,6aは同一の遅延時間を有する遅延
回路、7a〜13a,14〜17は減算器、18は制御
信号形成回路、19は信号選択回路である。第2実施例
は、第1実施例(図1参照)と類似した構成である。第
2実施例の第1実施例との相違点は、遅延回路の個数で
ある。第2実施例の遅延回路1〜6aの個数は、第1実
施例と同様偶数個であるが、第1実施例よりも2個多
い。第1の差分処理を行なう減算器7a〜12a(第1
の減算器群)も、やはり第1実施例と同様偶数個である
が2個多い。第2の差分処理を行なう減算器13a〜1
7(第2の減算器群)も、やはり第1実施例と同様奇数
個であるが2個多い。第2実施例において、入力信号S
1を図7(a)に示す信号とし、遅延回路1〜6aの遅
延時間を前記式(数1)で与えたとき、時間Tづつ遅延
した信号S2〜S7の波形図を図7(b)〜(g)に示
す。時間Tずつ隔てた遅延回路1〜6aの各入出力信号
S1〜S7を用いて、第1の差分処理を行なう減算器7
a〜12aの各出力信号D1〜D6は次式で表される。
また、各出力信号D1〜D6の波形図を図8(h)〜
(m)に示す。
【0040】
【数15】 D1=S1−S2 D2=S2−S3 D3=S3−S4 D4=S4−S5 D5=S5−S6 D6=S6−S7
【0041】第2の差分処理を行なう減算器13a〜1
7の各出力信号D7〜D11は次式で表される。この出
力信号D7〜D11の波形図を図8(n)〜(r)に示
す。
【0042】
【数16】 D7 =D1−D2 D8 =D2−D3 D9 =D3−D4 D10=D4−D5 D11=D5−D6
【0043】次段の制御信号形成回路18には、第1の
差分値信号D1,D2,D3,D4,D5,D6及び、
第2の差分値信号D7,D8,D9,D10,D11が
供給される。そして、制御信号形成回路18は、各信号
の値の組合せに応じて、制御信号Sc(Sc1,Sc2,S
c3,Sc4,Sc5,Sc6,Sc7 )を形成している。各制
御信号の成立条件は次式で表される。
【0044】
【数17】
【0045】制御信号Sc7 〜Sc1 の波形図をそれぞ
れ図9(s)〜(y)に示す。制御信号形成回路18の
耐雑音性能を向上させるためには、図1の説明で述べた
ように、制御信号形成回路18内の変換器に、雑音除去
のための基準値βを設定して、信号D1〜D11の振り
分けをすればよい。次段の信号選択回路19には信号S
1〜S7及び制御信号Sc(Sc1 〜Sc7 )が供給さ
れ、7つの制御信号Scn (n=1 〜7 )の1つがLOW
(0)となることで、これに対応して信号Sn(n=1 〜
7 )が選択され、図9(z)に示すような出力信号So
が得られる。この第2実施例で得られるの出力信号So
の波形エッジの急峻さは、第1実施例で得られる出力信
号So(図6(r))の波形エッジの急峻さよりも更に
急峻化されている。このことから、遅延回路の個数を増
加させることにより、より大きなエッジ強調量が得られ
ることがわかる。従って、遅延回路の個数を増減させる
ことにより、この画質改善装置は、エッジ強調量を調節
できる。第2実施例は、もちろん、この他にも第1実施
例と同一の効果を有する。
【0046】上記の遅延回路の個数の増減手法を、さら
に一般化することは容易である。即ち、入力信号に対
し、順次に所定の遅延時間を与える偶数(2M、但しM
は2以上の整数)個の直列接続の遅延回路と、前記入力
信号と前記遅延回路の偶数(2M)個の各出力信号とよ
り成る奇数(2M+1)個の信号群を第1の信号群と
し、前記第1の信号群の時間的に隣接する2つの信号間
で差をとることにより第1の差分値信号を得る減算器
を、偶数(2M)個連ねて成る第1の減算器群と、前記
第1の減算器群から得られる偶数(2M)個の前記第1
の差分値信号より成る信号群を、第1の差分値信号群と
し、前記第1の差分値信号群の時間的に隣接する2つの
信号間で差をとることにより第2の差分値信号を得る減
算器を、奇数(2M−1)個連ねて成る第2の減算器群
と、前記第2の減算器群から得られる奇数(2M−1)
個の前記第2の差分値信号より成る信号群を、第2の差
分値信号群とし、前記第1及び第2の差分値信号群の、
各前記第1の差分値信号と各前記第2の差分値信号との
値の組合せに応じて変化する制御信号を得る制御信号形
成回路と、前記第1の信号群と前記制御信号とが供給さ
れ、前記入力信号の波形変化部の中点位置に波形段差を
付加した出力信号を得るように、前記制御信号に応じ
て、前記第1の信号群の中の1つの信号を選択して出力
する信号選択回路とより、画質改善装置を構成すること
で、前記の入力信号のエッジが強調された出力信号を得
ることができる。
【0047】上記実施例では、入力信号として、テレビ
ジョン信号における輝度信号の簡単な波形例をあげた
が、本発明の画質改善装置はベースバンド系の映像信
号、RGB信号などにも適用できる。また、デジタル化
された画像データに対しては、本発明と等価な輪郭補正
処理、エッジ強調処理が、コンピュータを使用したソフ
トウェア処理によっても実現でき、本発明は、画像デー
タのソフトウェアによる加工処理にも応用できる。さら
にまた、本発明は、一搬のデジタル伝送通信系の波形劣
化を改善することにも有効である。
【0048】
【発明の効果】以上の通り本発明の画質改善装置は、以
下の効果を有する。 (イ)エッジ強調を、入力信号の波形の傾斜部分の中点
に波形段差を適格に付加することにより行い、その結
果、入力信号の有する周波数帯域外の周波数成分が付加
された出力信号が得られる。さらに、その出力信号に
は、プリシュート、オーバーシュートのような疑似輪郭
が付くことがないので、違和感のない自然な輪郭強調が
行える。 (ロ)従来の輪郭補正のようなプリシュート、オーバー
シュートなどの原信号の振幅を越えたエッジ強調となら
ず、原信号の振幅内のエッジ強調処理である。従って、
この画質改善装置を組込んだ機器を、デジタル回路で構
成した場合でもオーバーフローの問題が発生せず、その
機器は、良好な画質改善が行える。 (ハ)入力信号に対するエッジ強調の度合は、入力信号
の含有周波数に依存し、入力信号と完全な相関関係があ
るので、この画質改善装置は、観賞者に対して違和感を
与えることなく、自然な形で、鮮鋭度及び解像度を向上
させることができる。 (ニ)遅延回路の個数を調整すれば、エッジ強調量を調
節でき、観賞者は、自分の好みにあった最適なエッジ強
調量、即ち、自分の好みにあった画質を設定できる。 (ホ)本発明の画質改善装置における各構成要素自体
は、市販のIC等の汎用部品を用いて、簡単な回路構成
で実現できるので、装置全体を低コストで、容易に製造
できる。さらに、この画質改善装置は、幅広い用途を有
しているので工業上有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のブロック構成図である。
【図2】第2実施例のブロック構成図である。
【図3】制御信号形成回路の具体的な構成例を示す図で
ある。
【図4】信号選択回路の具体的な構成例を示す図であ
る。
【図5】第1実施例の動作説明図である。
【図6】第1実施例の動作説明図である。
【図7】第2実施例の動作説明図である。
【図8】第2実施例の動作説明図である。
【図9】第2実施例の動作説明図である。
【符号の説明】
1〜4 遅延回路 5〜11 減算器 12 制御信号形成回路 13 信号選択回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号に対し、順次に所定の遅延時間を
    与える偶数(2M、但しMは2以上の整数)個の直列接
    続の遅延回路と、 前記入力信号と前記遅延回路の偶数(2M)個の各出力
    信号との奇数(2M+1)個の信号より成る信号群を第
    1の信号群とし、 前記第1の信号群の時間的に隣接する2つの信号間で差
    をとることにより第1の差分値信号を得る減算器を、偶
    数(2M)個連ねて成る第1の減算器群と、 前記第1の減算器群から得られる偶数(2M)個の前記
    第1の差分値信号より成る信号群を、第1の差分値信号
    群とし、 前記第1の差分値信号群の時間的に隣接する2つの信号
    間で差をとることにより第2の差分値信号を得る減算器
    を、奇数(2M−1)個連ねて成る第2の減算器群と、 前記第2の減算器群から得られる奇数(2M−1)個の
    前記第2の差分値信号より成る信号群を、第2の差分値
    信号群とし、 前記第1及び第2の差分値信号群の、各前記第1の差分
    値信号と各前記第2の差分値信号との値の組合せに応じ
    て変化し、前記入力信号の波形変化部の中点位置に波形
    段差を付加させるべく前記第1の信号群の中の1つの信
    号を選択させるための制御信号を得る制御信号形成回路
    と、 前記第1の信号群と前記制御信号とが供給され、前記制
    御信号に応じて、前記入力信号の波形変化部の中点位置
    に波形段差を付加した出力信号を得るように前記第1
    の信号群の中の1つの信号を選択して出力する信号選択
    回路とより構成したことを特徴とする画質改善装置。
  2. 【請求項2】入力信号である第1の信号を所定時間遅延
    させた第2の信号と、前記第2の信号を前記所定時間遅
    延させた第3の信号と、前記第3の信号を前記所定時間
    遅延させた第4の信号と、前記第4の信号を前記所定時
    間遅延させた第5の信号とを出力する遅延回路と、前記
    第1の信号から前記第2の信号を減算して得た第6の信
    号を出力する第1の減算器と、前記第2の信号から前記
    第3の信号を減算して得た第7の信号を出力する第2の
    減算器と、前記第3の信号から前記第4の信号を減算し
    て得た第8の信号を出力する第3の減算器と、前記第4
    の信号から前記第5の信号を減算して得た第9の信号を
    出力する第4の減算器と、さらに、前記第6の信号から
    前記第7の信号を減算して得た第10の信号を出力する
    第5の減算器と、前記第7の信号から前記第8の信号を
    減算して得た第11の信号を出力する第6の減算器と、
    前記第8の信号から前記第9の信号を減算して得た第1
    2の信号を出力する第7の減算器と、前記第6、第7、
    第8、第9、第10、第11、及び第12の信号が供給
    され、前記第6、第7、第8、第9、第10、第11、
    及び第12の信号の値の組合わせに応じて変化する、制
    御信号である第13の信号を出力する制御信号形成回路
    と、前記第1、第2、第3、第4、第5、及び第13の
    信号が供給され、制御信号である前記第13の信号に応
    じて、前記第1、第2、第3、第4、及び第5の信号の
    内の1つを選択して出力する信号選択回路とより構成
    し、前記制御信号形成回路は、(イ)前記第7、第8、
    第9、第11、及び第12の5つの信号の値が同時に正
    または同時に負である同極性の値となる第1の条件が成
    り立つとき、前記信号選択回路が前記第5の信号を選択
    出力する制御信号を出力し、(ロ)前記第7、第8、及
    び第11の3つの信号の値が同時に正または同時に負で
    ある同極性の値となり、かつ、前記第1の条件が成り立
    たないとき、前記信号選択回路が前記第4の信号を選択
    出力する制御信号を出力し、(ハ)前記第6、第7及び
    第8の信号の値が同時に正または同時に負である同極性
    の値であり、かつ、前記第10及び第11の信号の値が
    同時に正または同時に負である同極性の値であり、なお
    かつ、前記第10及び第11の信号の値が前記第6、第
    7及び第8の信号の値の極性と異なる極性の値となる第
    2の条件が成り立つとき、前記信号選択回路が前記第1
    の信号を選択出力する制御信号を出力し、(ニ)前記第
    7及び第8の信号の値が同時に正または同時に負である
    同極性の値であり、かつ、第11の信号の値が、前記第
    7及び第8の信号の値の極性と異なる極性の値となり、
    なおかつ、前記第2の条件が成り立たないとき、前記信
    号選択回路が前記第2の信号を選択出力する制御信号を
    出力し、(ホ)前記第6、第7、第8、第9、第10、
    第11及び第12の7つの信号の値の組合わせが上記以
    外の組合わせのとき、前記信号選択回路が前記第3の信
    号を選択出力する制御信号を出力し、前記信号選択回路
    から、前記入力信号である第1の信号のエッジが強調さ
    れた出力信号を得ることを特徴とする画質改善装置。
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