JP2555748B2 - 車両の舵角制御装置 - Google Patents

車両の舵角制御装置

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JP2555748B2
JP2555748B2 JP1315097A JP31509789A JP2555748B2 JP 2555748 B2 JP2555748 B2 JP 2555748B2 JP 1315097 A JP1315097 A JP 1315097A JP 31509789 A JP31509789 A JP 31509789A JP 2555748 B2 JP2555748 B2 JP 2555748B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明はタイロッドから出力されるステアリング装
置の操舵出力に対して発生する車輪の舵角を制御する車
両の舵角制御装置に関する。
(従来の技術) 一般に、自動車等の車両の前輪用のサスペンション機
構としてストラット式サスペンションが多く使用されて
いる。ところで、車両は第11図に示すように前輪aが最
大舵角状態にステアリング操作された場合であってもこ
の前輪aと車体のサイドフレームbとの間には適宜の隙
間Sが形成され、前輪aと車体のサイドフレームbとの
間が直接的に干渉することがないように設計されてい
る。この場合、ストラット式サスペンションではこのサ
スペンション機構の上下ストローク変位(バンプ状態お
よびリバウンド状態)時には上下ストローク変位が0の
場合(中立位置で保持されている場合)に比べて前輪a
全体が車幅方向内方に向けて変位する。そのため、前輪
aの最大舵角はサスペンション機構の上下ストローク変
位が最大の状態でも前輪aと車体のサイドフレームbと
の間が直接的に干渉することがないように設定されるの
で、サスペンション機構が中立位置で保持されている状
態では前輪aと車体のサイドフレームbとの間の隙間S
が比較的大きな状態で保持されることになる。しかしな
がら、前輪aが最大舵角状態にステアリング操作され、
かつサスペンション機構が中立位置で保持されている状
態で、前輪aと車体のサイドフレームbとの間に隙間S
を比較的大きな状態で確保させた場合には前輪aの最大
舵角が比較的小さくなるので、車両の旋回時の最小旋回
半径が大きくなり、車両の旋回性能の向上を図るうえで
問題があった。
また、前輪aが最大舵角状態にステアリング操作さ
れ、かつステアリング機構が中立位置で保持されている
状態で、前輪aと車体のサイドフレームbとの間の隙間
Sを限界状態まで縮小させた場合にはサスペンション機
構の上下ストローク変位が発生した際に発生する前輪a
全体の車幅方向内方への変位によって前輪aが車体のサ
イドフレームbに干渉してしまう問題がある。
また、ステアリング装置の操舵出力に対して発生する
車輪の舵角を制御する車両の舵角制御装置として従来か
ら特開昭64−22611号公報に開示された構成の装置が知
られている。これは、車速及び舵角に応じてサスペンシ
ョンアームの車体側取付け位置を車幅方向に変位させる
ものであり、大舵角時等に旋回内輪側のサスペンション
アームを車幅方向外方に向けて変位させることにより、
車輪の最大舵角を増大させて最小旋回半径を縮小させる
ようになっている。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来構成のものにあってはシリンダ装置等のアク
チュエータを使用してサスペンション機構全体を車幅方
向に変位させる機構になっているので、サスペンション
アームの車体側取付け位置の変位にともないサスペンシ
ョンのアライメントが大きく変化し、安定したサスペン
ション性能を確保できなくなるおそれがあった。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、サス
ペンション機構の上下動に応動してナックルアーム長を
適切に変化させることができ、サスペンション機構の上
下動によるトー変化を最小限とし、サスペンション機構
が中立位置における最大舵角の増加と、サスペンション
ストローク時の車体との干渉防止を両立させることがで
きるとともに、車両の旋回性能の向上を図ることがで
き、またサスペンションのアライメント変化を防止して
安定したサスペンション性能を確保することができ、加
えて舵角制御時の作動効率の向上を図ることができる車
両の舵角制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は車輪を回転自在に支持すると共に同車輪が
操舵可能となるようサスペンション機構を介して車体に
支持されたナックルと、同ナックルに設けられるナック
ルアームとタイロッドとの間に設けられ同タイロッドの
外端と上記ナックルの操舵回動中心線との距離を上記サ
スペンション機構の上下動に応じて可変させるナックル
アーム長可変機構と、同ナックルアーム長可変機構を作
動させる作動機構とを具備し、上記作動機構は上記ナッ
クルに回動可能に取付けられた回動軸と、一端をサスペ
ンションアームに連結されると共に他端を上記回動軸の
軸端部に第1のボールジョイント部を介して揺動可能に
連結されサスペンションアームの揺動を上記回動軸に回
動動作として伝達する出力ロッドと、一端を上記回動軸
の軸端部に第2のボールジョイント部を介して揺動可能
に連結されると共に他端を上記ナックルアーム長可変機
構に連結され上記回動軸の回動動作を上記ナックルアー
ム長可変機構に伝達する操作ロッドとを備え、上記第1
のボールジョイント部と第2のボールジョイント部とを
上記回動軸を挟んで両側にそれぞれ上記回動軸に対して
オフセット状態で配置させ、かつそのオフセット量を上
記第1のボールジョイント部側に比べて第2のボールジ
ョイント部側を大きくした状態で設定したものである。
(作用) この発明ではナックルアーム長可変機構がサスペンシ
ョン機構が略中立位置で保持されている状態でタイロッ
ドと外端とナックルの操舵回動中心線との距離を最小状
態で保持させ、サスペンション機構の上下ストローク変
位時には作動機構によって上記距離を増大させることに
より、サスペンション機構の略中央位置における実質的
なナックルアーム長を最小状態で保持させ、サスペンシ
ョン機構の上下ストローク変位時に上記実質的なナック
ルアーム長を増大させる。そして、前輪が最大舵角状態
にステアリング操作された状態で、サスペンション機構
の略中立位置における前輪と車体のサイドフレームとの
間の隙間を縮小させて前輪の最大舵角を大きく設定させ
るとともに、サスペンション機構の上下ストローク変位
が発生した際に前輪が車体のサイドフレームに干渉する
ことを効果的に防止する。さらに、タイロッド出力に対
する前輪の舵角を制御させることにより、サスペンショ
ン機構全体を制御させる場合のようなサスペンションの
アライメント変化を防止して安定したサスペンション性
能を確保させる。また、回動軸の軸端部に配置された第
1のボールジョイント部と第2のボールジョイント部と
を上記回動軸を挟んで両側にそれぞれ上記回動軸に対し
てオフセット状態で配置させ、かつそのオフセット量を
上記第1のボールジョイント部側に比べて第2のボール
ジョイント部側を大きくした状態で設定することによ
り、第1のボールジョイント部に入力される作動機構の
出力ロッドの小さな変位を増幅させた状態で第2のボー
ルジョイント部から操作ロッド側に伝達させ、舵角制御
時の作動効率の向上を図るようにしたものである。
(実施例) 以下、この発明の一実施例を第1図乃至第10図を参照
して説明する。
第1図は前輪aのストラット式サスペンション機構の
要部構成を示すもので、1はサスペンション機構本体の
ストラットアッセンブリ、2はロワアーム、3はストラ
ットアッセンブリ1およびロワアーム2によって車体4
に対して上下ストローク変位自在に支持されたナック
ル、5はこのナックル3に回転自在に支持された車輪で
ある。この場合、ナックル3は下部アーム部3aがボール
ジョイント6を介してロワアーム2の外端に支持され、
上部アーム部3bがボルト7,7によってストラットアッセ
ンブリ1の下端に固定されている。なお、第1図中で、
Aはロワアーム2の内端の車体取付け部の中心、Bはボ
ールジョイント6の中心、Cは車体4とストラットアッ
センブリ1との連結部の中心をそれぞれ示すものであ
る。そして、ナックル3はCB線によって形成されるキン
グピン軸回りに旋回可能に支持されている。
また、ナックル3の中央部には略円筒状に形成された
センタボス部3cが設けられている。このセンタボス部3c
の内周にはベアリング8のアウタハウジングが嵌着され
ており、ベアリング8のインナハウジングは車輪5のホ
イールハブ9の外周に嵌着されている。そして、ナック
ル3はベアリング8を介してホイールハブ9を回転自在
に支持するようになっている。さらに、ホイールハブ9
の中心部にはドライブシャフト10の出力端が嵌着されて
いる。そして、ホイールハブ9はこのドライブシャフト
10から駆動力を受けて回転するようになっている。ま
た、ホイールハブ9に形成される円環フランジ部9aには
ディスクブレーキ装置11(第2図および第3図に示す)
のブレーキディスク12がボルトによって固定されている
とともに、さらにこの円環フランジ部9aに植設されたハ
ブボルト13とホイールナット14とによって車輪のホイー
ル15がホイールハブ9に固定されている。
さらに、ナックル3の後端部には第2図および第3図
に示すように車体後方に延設されたナックルアーム16が
設けられている。このナックルアーム16の先端にはピボ
ット軸17を介して略L字状の補助リンク18の上端のジョ
イントヨーク19が枢支されている。この場合、ピボット
軸17は第3図に示すように水平面内において車幅方向に
対して角度γだけ傾斜させた状態で配置されている。そ
して、第4図に示すようにステアリング装置のラック20
の移動動作に応動して車幅方向に変位するタイロッド21
の外端が補助リンク18にボールジョイント部22を介して
連結されている。なお、これらのピボット軸17、補助リ
ンク18およびボールジョイント部22によって補助リンク
18の揺動動作にともないタイロッド21の外端とナックル
3の操舵回動中心線(CB線)との距離を可変させるナッ
クルアーム長可変機構23が形成されている。
また、補助リンク18のジョイントヨーク19を形成する
二又状の連結端部24,25間には第5図に示すようにナッ
クルアーム16の先端が挿入されている。さらに、これら
の二又状連結端部24,25およびこの二又連結端部24,25間
のナックルアーム16の先端の連結端部26の各ピボット軸
挿入孔24a,25a,26a内に圧入状態で挿入されるピボット
軸17は次のように形成されている。すなわち、このピボ
ット軸17の挿入方向に対して先端部側に配置されるジョ
イントヨーク19の一方の連結端部24のピボット軸挿入孔
24a内に圧入される第1の圧入部17aの外径寸法d1、ナッ
クルアーム16先端の連結端部26のピボット軸挿入孔25a
内に圧入される第2の圧入部17bの外径寸法d2およびジ
ョイントヨーク19の他方の連結端部25のピボット軸挿入
孔25a内に圧入される第3の圧入部17cの外径寸防d3が d1<d2<d3 の関係でそれぞれ設定されている。この場合、二又状連
結端部24,25およびこの二又状連結端部24,25間のナック
ルアーム16の先端の連結端部26の各ピボット軸挿入孔24
a,25a,26aの内周面にはリング状のブッシュ24b,25b,26b
がそれぞれ嵌着されており、ピボット軸17はこれらのブ
ッシュ24b,25b,26bを介して各ピボット軸挿入孔24a,25
a,26a内に圧入されている。さらに、このピボット軸17
とブッシュ24b,25b,26bとの摺動面にはグリース等の潤
滑剤が充填されている。
また、ジョイントヨーク19の一方の連結端部24とナッ
クルアーム16の連結端部26との接合面およびジョイント
ヨーク19の他方の連結端部25とナックルアーム16の連結
端部26との接合面にはピボット軸17を囲む状態でシール
材挿入溝が形成されており、これらのシール材挿入溝内
にシール材27が装着されている。さらに、ピボット軸17
の両端部にはキャップ28がそれぞれ圧入され、グリース
等の潤滑剤の漏出やダストの侵入が防止されている。
また、補助リンク18のジョイントヨーク19には後方に
向けて延設された後方延設部29が形成されている。この
後方延設部29には第6図に示すようにテーパ状の連結ア
ーム挿入孔29aが形成されている。この連結アーム挿入
孔29a内には連結アーム30の上端部が挿入されている。
この連結アーム30の上端部は固定ナット31によって補助
リンク18に固定されている。さらに、この連結アーム30
の下端部には球状部30aが形成されている。この球状部3
0aはボールジョイント部22のジョイントケース32内に挿
入された状態で装着されている。このジョイントケース
32には外筒33が設けられている。この外筒33の下端部に
は下面開口部を閉塞する閉塞部材34が固定されている。
また、この外筒33の上端部には連結アーム30の揺動範囲
を規制するテーパ面状のストッパ部35が形成されてい
る。さらに、この外筒33の内部には連結アーム30の球状
部30aの保持部材36が装着されている。また、ジョイン
トケース22a内にはグリース等の潤滑剤が充填されてい
る。さらに、連結アーム30の外周面にはジョイントケー
ス22aの上端部と補助リンク18の延出部29との間にグリ
ース等の潤滑剤の漏出やダストの侵入を防止するフレキ
シブルなカバー37が装着されている。
一方、ナックル3の下部アーム部3aには揺動体38の回
動軸39が回動自在に連結されている。この揺動体38の回
動軸39は下部アーム部3aの基端部内側に突出し、車体の
キングピン軸であるCB線に対して略直交状態で配置され
ている。さらに、この回動軸39の内側の軸端部には揺動
体38の本体40が一体成形されている。この揺動本体40に
は第1,第2のボールジョイント部41,42のジョイントケ
ース41a,42aがそれぞれ一体に形成されている。この場
合、第7図に示すように第1のボールジョイント部41の
回転中心P2は回動軸39に対して車体後方向に所定距離L1
だけオフセット状態で配置され、かつ車体のキングピン
軸であるCB線の近傍位置に配置されている。また、第2
のボールジョイント部42の回転中心Q1は回動軸39に対し
て車体前方向に所定距離L2だけオフセット状態で配置さ
れている。そして、第1のボールジョイント部41の回転
中心P2のオフセット量L1に比べて第2のボールジョイン
ト部42側の回転中心Q1のオフセット量L2を大きくした状
態で設定されている。さらに、回動軸39の外側の軸端部
には第8図に示すように雄ねじ部39aが形成されてい
る。そして、この雄ねじ部39aにワッシャ43を介して固
定ナット44が螺着されて揺動体38が回動軸39を中心に回
動可能な状態でナックル3の下部アーム部3aに連結され
ている。この場合、下部アーム部3aにおけるワッシャ43
との接合面および揺動体本体40との接合面には回動軸39
を囲む状態でシール材挿入溝がそれぞれ形成されてお
り、これらのシール材挿入溝内にシール材45が装着され
ている。そして、このシール材45によって下部アーム部
3aに形成された回動軸39の挿入孔と回動軸39との間に充
填されたグリース等の潤滑剤の漏出やダストの侵入が防
止されている。なお、シール材挿入溝をワッシャ43およ
び揺動体本体40側の下部アーム部3aとの接合面に設け、
これらのワッシャ43および揺動体本体40側にシール材45
を装着する構成にしてもよい。
また、前方の第2のボールジョイント部42にはコント
ロールリンク(操作ロッド)46の前端が連結されてい
る。このコントロールリンク46の後端は補助リンク18の
ジョイントヨーク19の下方に延設された下方延設部47の
先端にボールジョイント部48を介して連結されている。
この場合、コントロールリンク46の両端には第9図に示
すような球状部46a,46bがそれぞれ形成されている。そ
して、コントロールリンク46の前端側の球状部46aが第
2のボールジョイント部42のジョイントケース42a内に
挿入されており、コントロールリンク46とジョイントケ
ース42aとの間が適宜の揺動角度で相対的に揺動可能に
保持されている。なお、コントロールリンク46の後端側
の球状部46bはボールジョイント部48のジョイントケー
ス48a内に同様に挿入されており、コントロールリンク4
6とジョイントケース48aとの間が適宜の揺動角度で相対
的に揺動可能に保持されている。
さらに、後方の第1のボールジョイント部41には車高
検出リンク(出力ロッド)49の上端が連結されている。
この車高検出リンク49の下端はロワアーム2の外端部に
取付けられたボールジョイント部50に連結されている。
この場合、車高検出リンク49の両端にもコントロールリ
ンク46と同様に球状部49a,49bがそれぞれ形成されてい
る。そして、この車高検出リンク49の上端側の球状部49
aは第1のボールジョイント部41のジョイントケース41a
内に適宜の揺動角度で相対的に揺動可能に挿入されてお
り、下端側の球状部49bはボールジョイント部50のジョ
イントケース50a内に適宜の揺動角度で相対的に揺動可
能に挿入されている。なお、これらの揺動体38、回動軸
39、第1,第2のボールジョイント部41,42、コントロー
ルリンク46、車高検出リンク49、ボールジョイント部50
によってナックルアーム長可変機構23を作動させる作動
機構51が形成されている。
そして、車高検出リンク49はロワアーム2の上下変位
に応じて揺動体38を回動軸39を中心に回動させるように
設けられており、さらにこの揺動体38の回動動作に連動
してコントロールリンク46が車体前後方向に進退駆動さ
れるとともに、このコントロールリンク46によって補助
リンク18がピボット軸17を中心に揺動駆動されるように
なっており、これによりボールジョイント部22の中心H
点の位置が制御され、実質的なナックルアーム長が可変
制御されるようになっている。この場合、これらの車高
検出リンク49、揺動体38、コントロールリンク46は車両
の空車状態に対応するロワアーム2の角度位置(中立位
置)において実質的なナックルアーム長が最短になるよ
うに配置されている。
次に、上記構成の作用について説明する。
まず、第1図乃至第4図に示す中立位置からサスペン
ション機構がバンプ方向(第1図中でBM方向)にストロ
ークした場合には第1図中でA点を中心にロワアーム2
上方に回動する。そして、このロワアーム2の回動動作
に連動して車高検出リンク49を介して揺動体38が回動軸
39を中心に第2図中で反時計方向に回動駆動される。さ
らに、この揺動体38の回動動作に連動してコントロール
リンク46が車体後方向に押圧駆動されるとともに、この
コントロールリンク46によって補助リンク18がピボット
軸17を中心に第2図中で反時計方向に揺動駆動される。
そのため、この補助リンク18の揺動動作に連動してボー
ルジョイント部22を介してタイロッド21の外端が車体後
方に移動操作され、タイロッド21の外端のボールジョイ
ント部22の中心H点の位置とナックル3の操舵回動中心
線(CB線)との間の距離である実質的なナックルアーム
長が長くなるので、この場合にはタイロッド21の出力に
対して車輪5に発生する舵角が減少することになる。
また、中立位置からサスペンション機構がリバウンド
方向(第1図中でRB方向)にストロークした場合には第
1図中でA点を中心にロワアーム2が下方に回動する。
この場合にはロワアーム2の回動動作に連動して車高検
出リンク49を介して揺動体38が回動軸39を中心に第2図
中で時計方向に回動駆動される。この場合も揺動体38の
回動動作に連動してコントロールリンク46は車体後方向
に押圧駆動される。そのため、この場合もコントロール
リンク46によって補助リンク18がピボット軸17を中心に
第2図中で反時計方向に揺動駆動されるので、この補助
リンク18の揺動動作に連動してボールジョイント部22を
介してタイロッド21の外端が車体後方に移動操作されて
実質的なナックルアーム長が長くなり、この場合にもタ
イロッド21の出力に対して車輪5に発生する舵角が減少
することになる。
そこで、上記構成のものにあってはサスペンション機
構が略中立位置で保持されている状態でナックルアーム
長可変機構23によってタイロッド21の外端とナックル3
の操舵回動中心線(CB線)との距離を最小状態で保持さ
せ、サスペンション機構の上下ストローク変位時には作
動機構51によってこの距離を増大させることができるの
で、サスペンション機構の略中立位置における実質的な
ナックルアーム長が最小状態で保持させ、サスペンショ
ン機構の上下ストローク変位時に実質的なナックルアー
ム長を増大させることができる。そのため、前輪が最大
舵角状態にステアリング操作された状態で、サスペンシ
ョン機構の略中立位置における前輪と車体のサイドフレ
ームとの間の隙間を前輪と車体のサイドフレームとの干
渉が発生しない限界まで縮小させて前輪の最大舵角を大
きく設定させた場合であってもサスペンション機構の上
下ストローク変位が発生した際に車輪全体の内方変位に
よって前輪が車体のサイドフレームに干渉することを効
果的に防止することができる。したがって、従来のよう
な不具合を発生させることなく、効率よく実用域におけ
る最大舵角を増大させて車両の最小旋回半径を減少させ
ることができる。特に、車両の最小旋回半径の減少を求
められる車庫入れ時や狭い路地の走行時等のような状況
ではサスペンション機構の上下ストローク変位が格別に
大きく変化することはないので、サスペンション機構の
上下ストローク変位が大きくなった場合であっても何等
不具合を発生するおそれがない。
また、上記構成のものにあっては油圧制御や電子制御
を使用する必要がなく、機械的な構成だけで上記作用を
実現できるので、構成が簡単で信頼性に優れるととも
に、コスト低下が図れる。
さらに、実質的なナックルアーム長を変化させてタイ
ロッド21の出力に対する前輪の舵角を制御させるように
したので、サスペンション機構全体を制御させる場合の
ように制御状態に応じてキャンバ、キャスタ等のサスペ
ンションのアライメント変化を防止することができ、安
定したサスペンション性能を確保させることができる。
また、回動軸39の軸端部に配置された第1のボールジ
ョイント部41と第2のボールジョイント部42とを回動軸
39を挟んで両側にそれぞれ回動軸39に対してオフセット
状態で配置させ、かつそのオフセット量を第1のボール
ジョイント部41側(L1)に比べて第2のボールジョイン
ト部42側(L2)を大きくした状態で設定したので、第1
のボールジョイント部41に入力される作動機構51の車高
検出リンク49の小さな変位を増幅させた状態で第2のボ
ールジョイント部42からコントロールリンク46側に伝達
させることができ、舵角制御時の作動効率の向上を図る
ことができる。そのため、特にFF車のように車輪5の周
囲空間が狭い場合であっても作動機構51をコンパクトに
配設することができる。
また、回動軸39の内側の軸端部に揺動対38の本体40を
一体成形するとともに、この揺動体本体40に第1,第2の
ボールジョイント部41,42のジョイントケース41a,42aを
それぞれ一体に形成したので、揺動体本体40をコンパク
トに成形することができる。さらに、コントロールリン
ク46の両端に球状部46a,46bをそれぞれ形成し、コント
ロールリンク46の前端側の球状部46aを第2のボールジ
ョイント部42のジョイントケース42a内に挿入させ、コ
ントロールリンク46とジョイントケース42aとの間を適
宜の揺動角度で相対的に揺動可能に保持させるととも
に、このコントロールリンク46の後端側の球状部46bを
ボールジョイント部48のジョイントケース48a内に同様
に挿入させ、コントロールリンク46とジョイントケース
48aとの間を適宜の揺動角度で相対的に揺動可能に保持
させたので、コントロールリンク46と第2のボールジョ
イント部42のジョイントケース42a,48aとの間に作用す
る曲げモーメントを小さくすることができ、リンク機構
の小形化を図ることができる。
また、揺動体38の回動軸39を車体のキングピン軸であ
るCB線に対して略直交状態で配置するとともに、第1の
ボールジョイント部41の回転中心P2を回動軸39に対して
車体後方向に所定距離L1だけオフセット状態で配置し、
かつ車体のキングピン軸であるCB線の近傍位置に配置し
たので、サスペンションのアライメント変化を効果的に
防止することができ、一層安定したサスペンション性能
を確保させることができる。この場合、特に第10図中に
実線の特性曲線で示すようにトーインの変化を略一定状
態で保持させることができ、同図中に点線の特性曲線で
示す従来例のようにサスペンション機構の上下ストロー
ク変化に応じてトーインが比較的大幅に変化して走行安
定性が損なわれることを防止することができる。
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
い。例えば、上記実施例では揺動体38、回動軸39、第1,
第2のボールジョイント部41,42、コントロールリンク4
6、車高検出リンク49、ボールジョイント部50によって
ナックルアーム長可変機構23を作動させる作動機構51を
形成したものを示したが、油圧アクチュエータ等の駆動
手段を設け、この駆動手段によって強制的にナックルア
ーム長可変機構23を作動させて積極的に車両のトー変化
を制御する構成にしてもよい。さらに、その他この発明
の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿
論である。
[発明の効果] この発明によればサスペンション機構の上下動に応動
してナックルアーム長を適切に変化させることができ、
サスペンション機構の上下動によるトー変化を最小限と
し、サスペンション機構が中立位置における最大舵角の
増加と、サスペンションストローク時の車体との干渉防
止を両立させることができる。その結果、前輪が最大舵
角状態にステアリング操作された状態で、サスペンショ
ン機構の上下ストローク変位が発生した際に前輪が車体
のサイドフレームに干渉することを効果的に防止するこ
とができるとともに、前輪が最大舵角状態にステアリン
グ操作され、かつサスペンション機構が略中立位置で保
持されている状態における前輪と車体のサイドフレーム
との間の隙間を縮小させて前輪の最大舵角を大きく設定
させることができ、車両の旋回性能の向上を図ることが
でき、またサスペンションのアライメント変化を防止し
て安定したサスペンション性能を確保することができ、
加えて舵角制御時の作動効率の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第10図はこの発明の一実施例を示すもので、
第1図はストラット式サスペンション機構の要部構成を
一部断面にして示す後面図、第2図は第1図のII矢視側
面図、第3図は第2図のIII矢視側面図、第4図は舵角
制御装置全体の概略構成図、第5図はナックルアームと
補助リンクとの連結部構造を示す縦断面図、第6図は第
5図のVI−VI線断面図、第7図は揺動体の回動軸と第1,
第2の各ボールジョイント部との位置関係を示す概略構
成図、第8図は揺動体の回動軸のシール部構造を示す縦
断面図、第9図はコントロールリンクのジョイント部構
造を示す要部の縦断面図、第10図はサスペンション機構
の上下ストローク変位時のトーインの変化状態を示す特
性図、第11図は前輪が最大舵角状態にステアリング操作
された状態を示す概略構成図である。 1……ストラットアッセンブリ、2……ロワアーム、3
……ナックル、4……車体、23……ナックルアーム長可
変機構、39……回動軸、41……第1のボールジョイント
部、42……第2のボールジョイント部、46……コントロ
ールリンク、49……車高検出リンク、51……作動機構。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪を回転自在に支持すると共に同車輪が
    操舵可能となるようサスペンション機構を介して車体に
    支持されたナックルと、同ナックルに設けられるナック
    ルアームとタイロッドとの間に設けられ同タイロッドの
    外端と上記ナックルの操舵回動中心線との距離を上記サ
    スペンション機構の上下動に応じて可変させるナックル
    アーム長可変機構と、同ナックルアーム長可変機構を作
    動させる作動機構とを具備し、上記作動機構は上記ナッ
    クルに回動可能に取付けられた回動軸と、一端をサスペ
    ンションアームに連結されると共に他端を上記回動軸の
    軸端部に第1のボールジョイント部を介して揺動可能に
    連結されサスペンションアームの揺動を上記回動軸に回
    動動作として伝達する出力ロッドと、一端を上記回動軸
    の軸端部に第2のボールジョイント部を介して揺動可能
    に連結されると共に他端を上記ナックルアーム長可変機
    構に連結され上記回動軸の回動動作を上記ナックルアー
    ム長可変機構に伝達する操作ロッドとを備え、上記第1
    のボールジョイント部と第2のボールジョイント部とを
    上記回動軸を挟んで両側にそれぞれ上記回動軸に対して
    オフセット状態で配置させ、かつそのオフセット量を上
    記第1のボールジョイント部側に比べて第2のボールジ
    ョイント部側を大きくした状態で設定したことを特徴と
    する車両の舵角制御装置。
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