JP2555371B2 - 高吸油量粉末シリカの製造方法 - Google Patents

高吸油量粉末シリカの製造方法

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JP2555371B2 JP62226492A JP22649287A JP2555371B2 JP 2555371 B2 JP2555371 B2 JP 2555371B2 JP 62226492 A JP62226492 A JP 62226492A JP 22649287 A JP22649287 A JP 22649287A JP 2555371 B2 JP2555371 B2 JP 2555371B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高吸油量粉末シリカの製造方法に関するも
ので、より詳細には、比較的安価に容易に入手し得る酸
性火山岩を原料として常圧あるいは加圧での処理により
高吸油量粉末シリカを製造する方法に関する。
(従来の技術) 従来、高吸油性粉末シリカは、新聞用紙、その他の印
刷用紙における軽量化に伴なうインキ裏抜防止用の内填
剤として広く使用され、その製造コスト低減が望まれて
いる。
高吸油性粉末シリカの製造法の代表的なものとして
は、ケイ石等のシリカ原料から乾式法或いは湿式法で
ケイ酸ソーダを製造し、このケイ酸ソーダを酸で中和処
理して非晶質シリカとする方法や、ケイ酸原料と消石
灰とを反応させてケイ酸カルシウムを合成し、得られた
ケイ酸カルシウムと酸と反応させてカルシウム分を溶出
させる方法等が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前記の方法はケイ酸分をケイ酸ソー
ダの溶液とするために高価なソーダ原料を比較的多量必
要とし、またケイ酸ソーダの生成に際しても溶融処理や
オートクレーブ処理を必要とする等、エネルギーコスト
や処理の容易さの点でも未だ改善すべき余地がある。
一方、前記の方法は、ケイ酸カルシウムの合成に未
だ難点があり、例えばオートクレーブ中で200℃で10時
間の反応を行わせなければならない(特開昭62−41712
号公報参照)等、やはり処理コストが高く、大量生産に
は不向きである。
酸性火山岩は、火山活動が活発な本邦においては、大
量にしかも安価に入手し得るシリカ原料であり、この原
料を用いて常圧処理により高吸油量シリカ粉末が得られ
れば、印刷用紙の内填剤として紙の軽量化の促進に役立
つことになる。
従って、本発明の目的は、比較的安価に且つ容易に入
手される酸性火山岩をシリカ原料として、常圧あるいは
加圧により高吸油性粉末シリカを製造し得る方法を提供
することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、微粉砕されたSiO2含有量が80重量%
以上の酸性火山岩と水酸化カルシウムとを水性スラリー
状で且つ加圧下あるいは常圧下に反応させて、トバーモ
ライト型ケイ酸カルシウムを生成させ、得られるケイ酸
カルシウムを、生成カルシウム塩が水溶性であるような
酸で処理して高吸油性シリカを生成させることを特徴と
する高吸油量粉末シリカの製造方法が提供される。
(作用) 本発明は、酸性火山岩と水酸化カルシウムとが水性媒
体中常圧条件下に容易に反応してトバーモライト(Tobe
rmorite)型ケイ酸カルシウムを容易に生成するという
知見に基づくものである。
酸性火山岩は、マグマの内軽質のものが冷却されて固
結したものであり、その主体となるものはα−クリスト
バライトである。このα−クリストバライトは、粘土鉱
物中に混在するα−クリストバライトに比して高度に結
晶化しているという特徴を有する。このように酸性火山
岩中のα−クリストバライトは、高度に結晶化している
ことから、反応性に劣ることが予想される。しかるに、
意外にも、酸性火山岩は水酸化カルシウムと加圧下は、
いうにおよばず常圧下においても反応することが見出さ
れたのである。この事実は現象として見出されたもので
あり、その理由付けは未だ十分に行われていないが、次
のようなものと考えられる。即ち酸性火山岩を微粉砕処
理することにより、α−クリストバライトの活性な表面
が形成されこの活性な表面を通して水酸化カルシウムが
α−クリストバライト中のケイ酸の網目構造をアタック
して、ケイ酸カルシウムの前駆体が形成され、これによ
り常にケイ酸の新しい面が表出することにより比較的温
和な条件においても反応が円滑に進行するものと認めら
れる。
本発明によれば、酸性火山岩と水酸化カルシウムとを
水性スラリー中で加圧下あるいは常圧下で反応させるこ
とにより先ず、トバーモライト型ケイ酸カルシウムを生
成させる。トバーモライト型ケイ酸カルシウムは、単鎖
状のSiO四面体層がCaOの八面体層をサンドイッチした三
層構造を基本骨格とし、この基本骨格がC軸方向に積層
された構造を有するが、本発明によるケイ酸カルシウム
は、この基本骨格の形成はほぼ完全であるが、C軸方向
への積層が不完全なものと認められる(第2図参照)。
それ故、本発明によるトバーモライト型ケイ酸カルシ
ウムを、生成カルシウム塩が水溶性であるような酸で処
理すると、CaO八面体層が溶出されて、層状シリカの一
次粒子が形成され、これが凝集して生成するシリカの二
次粒子は大きな吸油量を示すものと考えられる。
(発明の好適態様) 本明細書において、%は特記しない限り重量基準であ
る。
本発明に用いる酸性火山岩は、α−クリストバライト
を主体としており、一般にSiO2の含有量が80%以上、特
に90%以上である。酸性火山岩の化学組成の一例を第1
表に、またそのX線回折像を第3図に示した。この酸性
火山岩は、20%の水性分散液としたとき、一般に4.0乃
至2.5のpHを示す。
本発明によれば、先ずこの酸性火山岩を微粉砕する。
微粉砕の程度は、メジアン径が5μm以下、特に3μm
以下となるように行うのがよい。微粉砕は乾燥粉砕で行
うこともできるが、一般にはボールミル、サンドグライ
ンダーミル等を用いて湿式粉砕で行うことが望ましい。
湿式粉砕には通常の水を用いることもできるが、石灰乳
を含有する水を用いて湿式粉砕すると、メカノケミカル
的に微粉砕が可能となる。粉砕に用いる石灰乳はCa(O
H)を5乃至15%で含有するものが望ましい。湿式粉
砕後の水性スラリーは、例えば325メッシュの振動篩に
通し、更に液体サイクロン等に通して分級を行い、水酸
化カルシウムとの反応に供する。
本発明においては、このようにして得られた微粉砕酸
性火山岩の水性スラリーと水酸化カルシウムとを加圧下
あるいは常圧下で反応させることが重要な特徴である。
この反応により、α−クリストバライトに特有のX−線
回折ピークがかなり消失し、代りにトバーモライト型ケ
イ酸カルシウムが生成するが、このトバーモライト型ケ
イ酸カルシウムは、水熱合成法によるものに比して、C
軸方向への積層の程度、即ち[002]面の回折ピークが
殆どないか、あるとしても小さいことが特徴である。
反応に際して、両者の比率は、SiO2/CaOのモル比が3/
1乃至1/1.特に2.0/1乃至1.0/1の範囲にあることが、高
吸油量シリカを経済的に製造する上で重要である。即
ち、CaOの比率が上記範囲よりも少ない場合には、原料
酸性火山岩中のα−クリストバライトを有効に破壊し、
トバーモライト型ケイ酸カルシウムに組替えることが困
難となり、最終的に得られる非晶質シリカも吸油量が小
さく、白色度に劣ったものとなる傾向がある。一方、Ca
Oを上記範囲よりも多い量で使用しても、トバーモライ
ト型ケイ酸カルシウムの生成や最終非晶質シリカの吸油
量や白色度の点で格別の利点が得られず、しかも用いた
CaO成分は結局はカルシウム塩として除去されるもので
あるから、経済的には不利となる。
本発明においては、酸性火山岩と水酸化カルシウムと
を式 Lcri=(Is−It)/Is×100 …(1) 式中、Lcriはα−クリストバライトの消費率を、Is
原料酸性火山岩のα−クリストバライトの(101)面の
ピークの高さを表わし、Itは反応生成物のα−クリスト
バライトの(101)面のピークの高さを表わす で定義されるα−クリストバライトの消失率が(Lcri
が60%以上、特に70%以上となるように反応させること
が望ましい。
本発明の方法において、最終的に得られる非晶質シリ
カの吸油量は、微粉砕酸性火山岩と水酸化カルシウムと
を反応させる際の水分量と密接に関連することがわかっ
た。即ち、水分量が或る一定の限度迄は、水分量が増大
するにつれて、非晶質シリカの吸油量も増大する傾向が
認められるが、水分量が一定の限度を越えると、前記ケ
イ酸原料と水酸化カルシウムとの反応が進行しにくくな
り、吸油量はかえって低下する傾向が認められる。かか
る見地から、酸性火山岩と水酸化カルシウムとは、固形
分当りの水分量が4.5乃至30ml/g、特に6.5乃至19ml/gの
範囲内となる条件下に反応させることが望ましい。
酸性火山岩と水酸化カルシウムとの反応は加圧下ある
いは常圧下で行わせる。反応温度は、一般に80乃至200
℃、特に90乃至150℃の範囲が適当であり、反応時間は
温度によっても相違するが、一般に4乃至15時間の範囲
からα−クリストバライトと消失率(Lcri)が60%以上
となる時間を選ぶのがよい。反応の進行の程度は、反応
と共に液のpHが次第に低下することによっても知ること
ができる。
生成したケイ酸カルシウムを、中和により生成するカ
ルシウム塩が水溶性であるような酸で中和処理し、非晶
質シリカを生成させる。酸としては、硫酸は不適当であ
り、塩酸、硝酸等の一塩基性無機酸及び有機酸が使用さ
れる。中和処理は生成したケイ酸カルシウムに酸を添加
することにより容易に行われる。酸の添加は液のpHが4.
0乃至7.0程度になる迄行うのがよい。
生成物を濾過し、水洗し、乾燥し、必要により分級し
て最終製品とする。
本発明による非晶質シリカのX−線回折像を第1図
に、中間体であるケイ酸カルシウムのX−線回折像を第
2図に、出発原料である酸性火山岩のX線回折像を第3
図に夫々示す。これらのX線回折像から、本発明による
非晶質シリカは、2θ=15〜30度の範囲に、非晶質シリ
カに特有のブロードなパターンを示すと共に、残留α−
クリストバライトのピークをも示すことが明らかであ
る。
また、本発明による非晶質シリカの電子顕微鏡写真を
第4図に、中間体であるケイ酸カルシウムの電子顕微鏡
写真を第5図に夫々示す。第4図から層状非晶質シリカ
による特有の二次粒子構造がわかる。
本発明による非晶質シリカは、一般に200ml/100g以
上、特に250乃至350ml/100gの吸油量(JIS K5101 119)
を有する。また、このものはハンター白色度計で求め
て、75%以上、特に80乃至85%の白色度を有する。コー
ルターカウンター法で測定したメジアン径は一般に3乃
至15μmである。BET法で求めた比表面は300乃至400m2/
gの範囲であり、水銀圧入法で求めた細孔半径75Å以上
のマクロポアの容積率は3.0乃至4.0cc/gのオーダーであ
る。
本発明による非晶質シリカは、上記特性を有すること
から、製紙用填料、農薬用填剤、各種樹脂及びゴム用充
填剤等の用途に有用である。
(発明の効果) 本発明は、比較的安価に且つ容易に入手し得る酸性火
山岩を原料とし、製造操作の容易な常圧法ケイ酸カルシ
ウム合成法と酸処理とを組合わせることにより、高吸油
量非晶質シリカを製造することができた。
試験方法 本明細書における各項目の試験方法は下記によった。
1.吸油量 JIS K5101顔料試験方法にて測定した。供試料1gとし
た。
2.ハンター白色度 東京電色(株)製オートマチック反射計TR−600型を
用いた。
3.平均粒子径(メジアン径) コールターカウンター社製コールターカウンターモデ
ルTA−II型を用いて測定した。
分散媒体として、コールターカウンター専用分散溶液
であるISOTON IIを用いた。
4.比表面積 各粉体の比表面積は窒素ガスの吸着によるBET法によ
った。
5.細孔容積 細孔容積の測定は、水銀圧入式ポロメーター(イタリ
ー国カルロエルバ社AG65型)を用い、試料の細孔半径75
000〜75Å迄の容積を求めた。
6.X線回折 理学電機(株)製X線回折装置(X線発生装置4036A
1,ゴニオメーター2125D1,計数装置5071)を用いた。
回折条件は下記の通りである。
ターゲット Cu フィルター Ni 検出器 SC 電圧 35KVP 電流 15mA カウント・フルスケール 8000c/s 時定数 1sec 走査速度 2゜/min チャート速度 2cm/min 放射角 1゜ スリット巾 0.3mm 照角 6゜ 測定回折角範囲 5゜〜40゜ (20) α−クリストバライトの消費率(Lcri)の算出方法 上記X線回折条件により得た原料酸性火山岩のX線回
折スペクトルのα−クリストバライトの面指数(101)
の基線からピークの頂点までの高さをIs、反応生成物の
α−クリストバライトの面指数(101)の基線からピー
クの頂点までの高さをItとする。次式よりα−クリスト
バライトの消費率(Lcri)を求めた。
Lcri=(Is−It)/Is×100 (参考例) 本発明に用いる酸性火山岩スラリーの製造方法を下記
の参考例で説明する。
参考例1 群馬県草津町に産出する酸性火山岩(水分14%,SiO2
含有量90.2%)をハンマーで砕いた後、10メッシュ標準
フルイを通過させた後、590gを採取し、内容量7のポ
ットミルにとり、イオン交換水1100gを加え、直径約1cm
の朝鮮ボールと共に、10時間湿式粉砕し、325メッシュ
標準フルイを通過させ、固形分濃度(110℃乾燥)30
%、平均粒子径(メジアン径)4.8μm、20%水性分散
液pH3.2の酸性火山岩スラリーを得た。
また本品をX線回折にて分析したてところ、α−クリ
ストバライトを主成分とし、α−トリディマイトを副成
分とする岩石であった。
参考例2 湿式粉砕の時間を15時間とした以外は、参考例1と同
様の条件及び操作で、固形分濃度(110℃乾燥)30%、
平均粒子径(メジアン径)2.6μm、20%水性分散液pH
3.0の酸性火山岩スラリーを得た。
参考例3 参考例1に示した酸性火山岩(水分14%,SiO2含有量8
0.3%)を用いた以外は、参考例1と同様の条件及び操
作で、固形分濃度(110℃乾燥)30%、平均粒子径(メ
ジアン径)4.6μm、20%水性分散液pH2.6の酸性火山岩
スラリーを得た。
また本品をX線回折にて分析したところ、α−クリス
トバライトを主成分とし、α−トリディマイトを副成分
とする岩石であった。
参考例4 参考例3に示した酸性火山岩を用いて、湿式粉砕の時
間を15時間とした以外は、参考例1と同様の条件及び操
作で、固形分濃度(110℃乾燥)30%、平均粒子径(メ
ジアン径)2.4μm、20%水性分散液pH2.5の酸性火山岩
スラリーを得た。
参考例5 参考例1に示した酸性火山岩をハンマーで砕いた後、
10メッシュ標準フルイを通過させた後、290g(SiO2含有
量3.74mol)を内容量7のポットミルにとり、SiO2/Ca
Oのモル比1.0、固形分当りの水分量6.5ml/gとなるよう
に、水酸化カルシウム(試薬1級Ca(OH)、含有量9
5.0%)292gとイオン交換水3783gを加え、直径約1cmの
朝鮮ボールと共に、10時間湿式粉砕し、325メッシュ標
準フルイを通過させ、固形分濃度(110℃乾燥)13.3
%、平均粒子径(メジアン径)2.6μm、10%水性分散
液pH13.2の酸性火山岩と水酸化カルシウムの混合スラリ
ーを得た。
参考例6 参考例1に示した酸性火山岩を用いて、湿式粉砕の時
間を7時間とした以外は、参考例1と同様の条件及び操
作で、固形分濃度(110℃乾燥)30%、平均粒子径(メ
ジアン径)5.9μm、20%水性分散液pH3.9の酸性火山岩
スラリーを得た。
参考例7 参考例3に示した酸性火山岩を用いて、湿式粉砕の時
間を7時間とした以外は、参考例1と同様の条件及び操
作で、固形分濃度(110℃乾燥)30%、平均粒子径(メ
ジアン径)5.8μm、20%水性分散液pH2.8の酸性火山岩
スラリーを得た。
参考例8 鹿児島県日置郡東市来町長里地区に産出する酸性火山
岩質軽石(水分14%、SiO2含有量76.2%)を用いた以外
は、参考例1と同様の条件及び操作で、固形分濃度(11
0℃乾燥)30%、平均粒子径(メジアン径)2.2μm、20
%水性分散液pH4.8の酸性火山岩質軽石スラリーを得
た。
また本品をX線回折にて分析したところ、火山ガラス
を主成分とし石英、長石、α−クリストバライトを副成
分とする岩石であった。
(実施例) 本発明の高吸油量粉末シリカの製造方法に関する実施
例及び比較例を以下に説明すると共に、これらの実施例
及び比較例から得られた生成物の中間生成ケイ酸カルシ
ウムのα−クリストバライトの消費率(Lcri)、酸添加
後の溶液のpH、吸油量、比表面積、細孔容積、ハンター
白色度、平均粒子径(メジアン径)及びX線回折等の結
果について表2にまとめて示す。
実施例1 参考例1で得た酸性火山岩スラリー166.67g(SiO2
有量0.75mol)を1ガラス製ビーカーにとり、1段処
理としてSiO2/CaOのモル比1.0になるように、固形分濃
度15%の水酸化カルシウム乳(試薬1級、固形分当りの
Ca(OH)、分95.0%)389.95gとイオン交換水40.13g
を加え、マグネットスターラーにて5分間室温にて撹拌
した。この混合スラリーの固形分当りの水分量は4.5ml/
gであった。このビーカーをラップで包みマグネットス
ターラーにて、95℃の温度を保持しながら、15時間撹拌
し、反応スラリーを得た。この1段処理によって得られ
た反応スラリーを10g採取し、110℃にて乾燥し、X線回
折用試料とした。次いで、2段処理としてこの反応スラ
リーに6Nの塩酸(試薬一級HCl含有量36%)262.5mlを10
分間かけて滴下し、30分間撹拌を継続して行った。この
2段処理によって得られた生成物をろ過後、水洗を充分
に行って可溶性塩を洗い流し、130℃において10時間乾
燥して、45gの乾燥ケーキを得た。この乾燥ケーキ40gを
内容量1のポットミルにとり、直径約1cmの朝鮮ボー
ルとともに1時間粉砕し、白色微粉末シリカを得た。
実施例2 2のガラス製ビーカーを使用し、イオン交換水257.
06gを加え、酸性火山岩と水酸化カルシウムの混合スラ
リーの固形分当りの水分量を6.5ml/gにする以外は、実
施例1と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得
た。
実施例3 酸を塩酸から6Nの硝酸(試薬一級HNO3含有量61.0%)
に変更し、6Nの硝酸を262.5ml添加する以外は実施例2
と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得た。
実施例4 5のガラス製ビーカーを使用し、イオン交換水280
6.57gを加え、酸性火山岩と水酸化カルシウムの混合ス
ラリーの固形分当りの水分量を30ml/gにする以外は、実
施例1と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得
た。
実施例5 参考例1で得た酸性火山岩スラリー166.67g(SiO2
有量0.75mol)を1ガラス製ビーカーにとり、SiO2/Ca
Oのモル比2.0になるように、固形分濃度15%の水酸化カ
ルシウム乳(試薬1級、固形分当りのCa(OH)分95.0
%)194.97gとイオン交換水74.24gを加え、マグネット
スターラにて5分間室温にて撹拌した。この混合スラリ
ーの固形分当りの水分量は4.5ml/gであった。このビー
カーをラップで包みマグネットスターラにて、95℃の温
度を保持しながら、12時間撹拌し、反応スラリーを得
た。この反応スラリーを10g採取し、110℃にて乾燥し、
X線回折用試料とした。次いで、この反応スラリーに6N
の塩酸(試薬一級HCl含有量36.0%)131.3mlを5分間か
けて滴下し、30分間撹拌を継続して行った。得られた生
成物をろ過後、水洗を充分に行って可溶性塩を洗い流
し、130℃において10時間乾燥後同様に粉砕し、白色微
粉末シリカを得た。
実施例6 5のガラス製ビーカーを使用し、イオン交換水209
5.10gを加え、酸性火山岩と水酸化カルシウムの混合ス
ラリーの固形分当りの水分量を30ml/gにする以外は、実
施例5と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得
た。
実施例7 参考例1で得た酸性火山岩スラリー166.67g(SiO2
有量0.75mol)を1ガラス製ビーカーにとり、SiO2/Ca
Oのモル比3.0になるように、固形分濃度15%の水酸化カ
ルシウム乳(試薬1級、固形分当りのCa(OH)分95.0
%)129.98gとイオン交換水85.60gを加え、マグネット
スターラにて5分間室温にて撹拌した。この混合スラリ
ーの固形分当りの水分量は4.5ml/gであった。以下同様
にして、反応スラリーを得た。この反応スラリーを10g
採取し、110℃にて乾燥し、X線回折用試料とした。次
いで、この反応スラリーに6Nの塩酸87.5mlで同様に処理
をし、得られた生成物を同様にしてろ過後、水洗、乾
燥、粉砕し、白色微粉末シリカを得た。
実施例8 3製ビーカーを使用し、イオン交換水1857.85gを加
え、酸性火山岩と水酸化カルシウムの混合スラリーの固
形分当りの水分量を30ml/gにする以外は、実施例7と同
様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得た。
実施例9 参考例2で得た酸性火山岩スラリーを用いた以外は、
実施例1と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得
た。
実施例10 参考例2で得た酸性火山岩スラリーを用いた他は、実
施例4と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得
た。
実施例11 参考例3で得た酸性火山岩スラリー166.67g(SiO2
有量0.67mol)を1ガラス製ビーカーに取り、SiO2/Ca
Oのモル比が1.0になるように固形分濃度15%の水酸化カ
ルシウム乳(試薬一級固形分当りのCa(OH)分95.0
%)348.35gとイオン交換水47.36gを加え、マグネット
スターラにて5分間室温にて撹拌した。この混合スラリ
ーの固形分当りの水分量は4.5ml/gであった。以下同様
にして95℃で15時間撹拌し、反応スラリーを得た。この
反応スラリーを10g採取し、110℃にて乾燥し、X線回折
用試料とした。次いでこの反応スラリーを6Nの塩酸(試
薬一級、HCl含有料36.0%)234.5mlで同様に処理をし、
得られた生成物を同様にしてろ過後、水洗、乾燥、粉砕
し、白色微粉末シリカを得た。
実施例12 5ガラス製ビーカーを使用し、イオン交換水2654.7
3gを加え酸性火山岩と水酸化カルシウムの混合スラリー
の固形分当りの水分量を30ml/gにする以外は、実施例11
と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得た。
実施例13 参考例3で得た酸性火山岩スラリー166.67g(SiO2
有量0.67mol)を1ガラス製ビカーにとりSiO2/CaOの
モル比が2.0になるように固形分濃度15%の水酸化カル
シウム(試薬一級 固形分当りのCa(OH)分95.0%)
174.18gとイオン交換水77.87gを加え、マグネットスタ
ーラにて5分間室温にて撹拌した。この混合スラリーの
固形分当りの水分量は、4.5ml/gであった。以下同様に
して95℃で12時間撹拌し、反応スラリーを得た。この反
応スラリーを10g採取し、110℃にて乾燥し、X線回折用
試料とした。次いでこの反応スラリーを6Nの塩酸117.3m
lで同様に処理をし得られた生成物を同様にしてろ過
後、水洗、乾燥、粉砕し、白色微粉末シリカを得た。
実施例14 5ガラス製ビーカーを使用し、イオン交換水2019.1
8gを加え酸性火山岩と水酸化カルシウムの混合スラリー
の固形分当りの水分量を30ml/gにする以外は実施例13と
同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得た。
実施例15 参考例4で得た酸性火山岩スラリーを用いた以外は、
実施例11と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得
た。
実施例16 参考例4で得た酸性火山岩スラリーを用いた以外は、
実施例12と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得
た。
実施例17 参考例5で得た酸性火山岩と水酸化カルシウムの混合
スラリー751.88gを2ガラス製ビーカーにとり、ビー
カーをラップで包み、マグネットスターラにて95℃の温
度を保持しながら8時間撹拌し、反応スラリーを得た。
この反応スラリーを10g採取し、110℃にて乾燥し、X線
回折用試料とした。次いでこの反応スラリーを6Nの塩酸
225.8mlで同様に処理をし得られた生成物を同様にろ過
後、水洗、乾燥、粉砕し、白色微粉末シリカを得た。
実施例18 参考例1で得た酸性火山岩スラリーを用い、オートク
レーブ(耐圧硝子工業(株)製TAS−1型)にて温度150
℃、圧力4kg/cm2、反応時間6時間にて酸性火山岩スラ
リーと水酸化カルシウム乳の反応を行い、反応スラリー
を2ガラス製ビーカーに移し換えた以外は、実施例2
と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得た。
実施例19 参考例1で得た酸性火山岩スラリーを用い、オートク
レーブ(耐圧硝子工業(株)製TAS−1型)にて温度150
℃、圧力4kg/cm2、反応時間4時間にて酸性火山岩スラ
リーと水酸化カルシウム乳の反応を行い、反応スラリー
を3ガラス製ビーカーに移し換えた以外は、実施例8
と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得た。
実施例20 参考例3で得た酸性火山岩スラリーを用い、オートク
レーブ(耐圧硝子工業(株)製TAS−1型)にて温度150
℃、圧力4kg/cm2、反応時間6時間にて酸性火山岩スラ
リーと水酸化カルシウム乳の反応を行い、反応スラリー
を2ガラス製ビーカーに移し換えた以外は、実施例11
と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得た。
実施例21 参考例3で得た酸性火山岩スラリーを用い、オートク
レーブ(耐圧硝子工業(株)製TAS−1型)にて温度150
℃、圧力4kg/cm2、反応時間4時間にて酸性火山岩スラ
リーと水酸化カルシウム乳の反応を行い、反応スラリー
を5ガラス製ビーカーに移し換えた以外は、実施例14
と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得た。
比較例1 参考例1で得た酸性火山岩スラリー166.67g(SiO2
有量0.75mol)を5ガラス製ビーカーにとり、SiO2/Ca
Oのモル比が3.5になるように固形分濃度15%の水酸化カ
ルシウム乳(試薬一級固形分当りのCa(OH)分95.0
%)111.41gとイオン交換水1789.93gを加え、マグネッ
トスターラにて5分間室温にて撹拌した。この混合スラ
リーの固形分当りの水分量は、30ml/gであった。このビ
ーカーをラップで包み、マグネットスターラにて95℃の
温度を保持しながら10時間撹拌し、反応スラリーを得
た。この反応スラリーを10g採取し、110℃にて乾燥し、
X線回折用試料とした。次いでこの反応スラリーに6Nの
塩酸71.4mlを5分間かけて滴下し、30分間撹拌を継続し
て行った。得られた生成物をろ過後、実施例と同様にし
て、白色微粉末シリカを得た。
比較例2 1ガラス製ビーカーを使用し、酸性火山岩と水酸化
カルシウムの混合スラリーの固形分当りの水分量を4.1m
l/gにする以外は実施例1と同様の条件及び操作で白色
微粉末シリカを得た。
比較例3 5ガラス製ビーカーを使用し、イオン交換水3349.0
2gを加え、酸性火山岩と水酸化カルシウムの混合スラリ
ーの固形分当りの水分量を35ml/gにする以外は実施例1
と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得た。
比較例4 参考例6で得た酸性火山岩スラリーを用いた以外は、
実施例4と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得
た。
比較例5 参考例7で得た酸性火山岩スラリーを用いた以外は、
実施例14と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカを得
た。
比較例6 参考例8で得た酸性火山岩質軽石スラリー166.67g(S
iO2含有量0.63mol)を5ガラス製ビーカーにとり、Si
O2/CaOのモル比1.0になるように、固形分濃度15%の水
酸化カルシウム乳(試薬一級 固形分当りのCa(OH)
分95.0%)327.56gとイオン交換水2578.80gを加え、マ
グネットスターラにて5分間室温にて撹拌した。この混
合スラリーの固形分当りの水分量は、30ml/gであった。
このビーカーをラップで包み、マグネットスターラにて
95℃で15時間撹拌し、反応スラリーを得た。この反応ス
ラリーを10g採取し、110℃にて乾燥し、X線回折用試料
とした。次いでこの反応スラリーに6Nの塩酸220.5mlを1
0分間かけて滴下し、30分間撹拌を継続して行った。得
られた生成物をろ過後、実施例と同様にして、白色微粉
末シリカを得た。
比較例7 参考例8で得た酸性火山岩質軽石スラリーを用い、オ
ートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製TAS−1型)にて
温度150℃、圧力4kg/cm2、反応時間6時間にて酸性火山
岩質軽石スラリーと水酸化カルシウム乳の反応を行い、
反応スラリーを5ガラス製ビーカーに移し換えた以外
は、比較例6と同様の条件及び操作で白色微粉末シリカ
を得た。
第1表 SiO2 80 〜95 重量% Al2O3 2.0 〜3.5 Fe2O3 0.10〜0.40 CaO 0.05〜0.20 MgO 0.01〜0.05 K2O 0.05〜0.20 Na2O 0.10〜0.40 灼熱減量 2.0 〜5.0
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例1で得た高吸油量粉末シリカのCu
−Kα線によるX線回折チャートである。 第2図は本発明実施例1で得た反応中間体であるトバー
モライト型ケイ酸カルシウムのCu−Kα線によるX線回
折チャートである。 第3図は本発明実施例1で用いた酸性火山岩のCu−Kα
線によるX線回折チャートである。 第4図は、本発明実施例1で得た高吸油量粉末シリカの
粒子構造を示す5千倍の走査型電子顕微鏡写真である。 第5図は、本発明実施例1で得た反応中間体であるトバ
ーモライト型ケイ酸カルシウムの粒子構造を示す5千倍
の走査型電子顕微鏡写真である。 第6図は原料酸性火山岩の2θ=17゜から26゜の間の回
折ピークと反応中間体ケイ酸カルシウムの2θ=19゜か
ら25゜の間の回折ピークを拡大した線図であり、α−ク
リストバライトの消費率(Lcri)の求め方を図示したも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−52605(JP,A) 特開 昭60−81013(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微粉砕されたSiO2含有量が80重量%以上の
    酸性火山岩と水酸化カルシウムとを水性スラリー状で且
    つ常圧あるいは加圧下に反応させて、トバーモライト型
    ケイ酸カルシウムを生成させ、得られるケイ酸カルシウ
    ムを、生成カルシウム塩が水溶性であるような酸で処理
    して高吸油性シリカを生成させることを特徴とする高吸
    油量粉末シリカの製造方法。
  2. 【請求項2】酸性火山岩がα−クリストバライトを主体
    とする鉱物である特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】酸性火山岩をメジアン径が5μm以下にな
    るように微粉砕し、水酸化カルシウムとの反応に供する
    特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】酸性火山岩と水酸化カルシウムとをSiO2/C
    aOのモル比が1.0乃至3.0となるように反応させる特許請
    求の範囲第1項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】酸性火山岩と水酸化カルシウムとを式 Lcri=(Is−It)/Is×100 式中、Isは原料酸性火山岩のα−クリストバライトの
    (101)面のピークの高さを表わし、Itは反応生成物の
    α−クリストバライトの(101)面のピークの高さを表
    す で定義されるα−クリストバライトの消失率が60%以上
    となるように反応させることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】酸性火山岩と水酸化カルシウムとを固形分
    当りの水分量が4.5乃至30ml/gとなる条件下において反
    応させることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】高吸油性シリカが200ml/100g以上の吸油量
    (JIS K5101)を有するものである特許請求の範囲第1
    項記載の製造方法。
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