JP2555302Y2 - 温風暖房機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は石油ファンヒータ等の温風暖房機に係り、特
に温風吹出口を本体ケースの前面に幅広く形成すること
ができるようにした温風暖房機に関する。

（ロ）従来の技術 この種の温風暖房機としては、例えば、実開昭63−15
5947号公報にて開示されているように、前面に温風吹出
口を設けた本体ケース内の前後に、燃焼筒とカートリッ
ジタンクを配置するとともに、この燃焼筒とカートリッ
ジタンクとの間に温風用送風機を配置することにより、
温風吹出口を本体ケースの前面に幅広く形成することが
できるようにしたものが知られている。

（ハ）考案が解決しようとする課題 ところが、上述した従来構成のものでは、本体ケース
内の前後方向に、燃焼筒と温風用送風機とカートリッジ
タンクとをその順に並べて配置しているため、本体ケー
スの奥行きが必要以上に長くなっていた。従って、この
温風暖房機をその後部が壁等に接するように室内に設置
した場合、その前方部が壁の前方へ大きく突出するな
ど、邪魔になりやすく且つ設置状態が不安定になる欠点
があった。

本考案は上述の実情に鑑みてなされたものであり、奥
行きを小さくしながら全体をコンパクトにしつつ、温風
用送風機におよぼす燃焼筒からの輻射熱の影響を低減で
きるようにし、しかも、温風騒音も低減できる温風暖房
機の提供を目的としている。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案は、前面に温風吹出口を有する本体ケースと、
この本体ケース内に設けたバーナ及び燃焼筒と、この燃
焼筒の側方の本体ケース内に配置したプロペラファンを
有する温風用送風機と、前記燃焼筒を囲むように本体ケ
ース内に設けられ、プロペラファンからの室内空気流を
温風吹出口に導く送風ダクトと、前記燃焼筒の後方の本
体ケース内に配置され、バーナに供給する燃料を貯溜す
るカートリッジタンクとを備え、前記プロペラファンの
中心を燃焼筒の中心よりもカートリッジタンク側にずら
すとともに、前記燃焼筒とカートリッジタンクとの間に
位置する送風ダクトの後部壁を、前記プロペラファンか
ら離れるに従って温風吹出口側に近ずくように傾斜させ
た構成である。

（ホ）作用 このように構成すると、温風用送風機が燃焼筒の側方
に配置された分だけ本体ケースの奥行きを小さくでき、
しかも、横幅の広いカートリッジタンクの手前の空間を
有効に利用して燃焼筒と温風用送風機を並置しているの
で、本体ケースの平面視形状が正方形に近くなり、機器
のコンパクト化が図れ、且つ安定的に設置することが可
能となる。

また、プロペラファンの中心を燃焼筒の中心よりもカ
ートリッジタンク側にずらしたことにより、温風用送風
機におよぼす燃焼筒からの輻射熱の影響が低減され、プ
ロペラファン回転用のモータを保護できる。

さらに、燃焼筒とカートリッジタンクとの間に位置す
る送風ダクトの後部壁を、プロペラファンから離れるに
従って温風吹出口側に近ずくように傾斜させたことによ
り、送風ダクトの後部壁と燃焼筒との間に送り込まれる
温風空気は層流に近くなり、プロペラファンから離れた
送風ダクトのコーナ部での渦の発生が抑制されるととも
に、プロペラファンを有する温風用送風機を温風吹出口
に直交するように燃焼筒の側方に配置したにも係わら
ず、送風ダクト内の送風空気をスムーズに温風吹出口へ
導くことができ、その結果、送風騒音が低下する。

（ヘ）実施例 以下本考案の一実施例を第１図ないし第３図に基づい
て説明する。図において、（１）は温風暖房機の本体ケ
ースで、その前面には温風吹出口（２）が幅広く形成さ
れている。（３）は本体ケース（１）内に設けられた燃
料を気化して燃焼させるバーナである。（４）はバーナ
（３）の下に配置された給気用送風機で、前記バーナ
（３）に燃焼用空気を供給するものである。（５）は本
体ケース（１）内の後部に配置したカートリッジタンク
で、このカートリッジタンク（５）内にはバーナ（３）
に供給するための燃料が貯溜されている。そして、この
カートリッジタンク（５）から流下した燃料は一定量だ
け固定タンク（７）に保有され、電磁ポンプ（８）によ
り汲み上げられて燃料供給管（９）からバーナ（３）へ
供給される。（10）はバーナ（３）の上部周囲を囲むよ
うに設けた円筒状の燃焼筒で、その上面には燃焼排ガス
を流出させる開口（11）を設けている。（12）は前記燃
焼筒（10）の上に配置した遮熱板である。（13）は燃焼
筒（10）を囲む如く本体ケース（１）内に設けた送風ダ
クトで、その前面開口部は前記温風吹出口（２）に連通
されている。そして、この送風ダクト（13）の後部壁
（13A）は第２図で示すようにその左端部が斜め前方に
向うような傾斜面となっている。すなわち、前記燃焼筒
（10）とカートリッジタンク（５）との間に位置する送
風ダクト（13）の後部壁（13B）を、後述する温風用送
風機（14）のプロペラファン（14B）から離れるに従っ
て前記温風吹出口（２）側に近ずくように傾斜させてい
る。（14）は前記燃焼筒（10）に向けて送風し、前記送
風ダクト（13）内に室内空気流を送り込む温風用送風機
で、モータ（14A）とこのモータ（14A）にて回転される
プロペラファン（14B）とから構成されている。そし
て、この温風用送風機（14）は第２図で示すように燃焼
筒（10）の側方の本体ケース（１）内に配置され、且
つ、その中心を燃焼筒（10）の中心に対してカートリッ
ジタンク（５）側にずらして設けてある。（15）は温風
用送風機（14）に対応させて本体ケース（１）の側面に
設けた空気取入口、（16）はこの空気取入口（15）に設
けた着脱可能な蓋板で、多数の通気小孔（17）（17）を
密に穿った多孔板で構成しているが、フィルターであっ
てもよい。また、（18）はタンク仕切板である。

上記構成において、バーナ（３）が燃焼を開始する
と、その燃焼排ガスは燃焼筒（10）内を上昇して開口
（11）から送風ダクト（13）内に流出する。そして、燃
焼排ガスは、温風用送風機（14）から送風ダクト（13）
内に送り込まれた室内空気流と混合して温風となり、温
風吹出口（２）より室内に放出されて温風暖房を行うも
のである。

上記実施例によれば、バーナ（３）に供給する燃料を
貯溜したカートリッジタンク（５）を燃焼筒（10）の後
方に配置し、燃焼筒（10）に向けて送風する温風用送風
機（14）を燃焼筒（10）の側方に配置しているので、本
体ケース（１）の奥行き寸法は、温風用送風機（14）が
燃焼筒（10）の側方に配置された分だけ小さくなり、し
かも、横幅の広いカートリッジタンク（５）の手前の空
間を有効に利用して燃焼筒（10）と温風用送風機（14）
を並置しているので、本体ケース（１）はその平面視形
状が正方形に近づき、全体をコンパクトにすることがで
きるとともに、安定的に設置することもできる。

また、温風用送風機（14）の中心が燃焼筒（10）の中
心よりもカートリッジタンク（５）側にずれているの
で、温風用送風機（14）におよぼす燃焼筒（10）からの
輻射熱の影響を低減でき、モータ（14A）を保護するこ
とができる。

さらに、前記燃焼筒（10）とカートリッジタンク
（５）との間に位置する送風ダクト（13）の後部壁（13
B）を、温風用送風機（14）のプロペラファン（14B）か
ら離れるに従って温風吹出口（２）側に近ずくように傾
斜させた構成としているので、前記送風ダクト（13）の
後部壁（13B）と燃焼筒（10）との間に送り込まれる送
風空気を、層流に近くすることが可能となり、プロペラ
ファン（14B）から離れた位置にある送風ダクト（13）
のコーナ部での渦の発生が抑制されるとともに、プロペ
ラファン（14B）を有する温風用送風機（14）を温風吹
出口（２）に直交するように燃焼筒（10）の側方に配置
したにも係わらず、送風ダクト（13）内の送風空気をス
ムーズに温風吹出口（２）へ導くことができるため、送
風騒音を低減できる。

（ト）考案の効果 本考案は以上の説明から明らかにように、前面に温風
吹出口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設け
たバーナ及び燃焼筒と、この燃焼筒の側方の本体ケース
内に配置したプロペラファンを有する温風用送風機と、
前記燃焼筒を囲むように本体ケース内に設けられ、プロ
ペラファンからの室内空気流を温風吹出口に導く送風ダ
クトと、前記燃焼筒の後方の本体ケース内に配置され、
バーナに供給する燃料を貯溜するカートリッジタンクと
を備え、前記プロペラファンの中心を燃焼筒の中心より
もカートリッジタンク側にずらすとともに、前記燃焼筒
とカートリッジタンクとの間に位置する送風ダクトの後
部壁を、前記プロペラファンから離れるに従って温風吹
出口側に近ずくように傾斜させた構成としたことによ
り、次のような効果を奏する。

本体ケースの奥行きを小さくできるとともに、平面視
形状が正方形に近くなり、全体がコンパクトで、かつ、
安定設置可能な温風暖房機となせる。

温風用送風機のプロペラファンの中心を、燃焼筒の中
心よりもカートリッジタンク側にずらしているので、温
風用送風機におよぼす燃焼筒からの輻射熱の影響を低減
でき、温風用送風機のモータを保護できる。

燃焼筒とカートリッジタンクとの間に位置する送風ダ
クトの後部壁を、プロペラファンから離れるに従って温
風吹出口側に近ずくように傾斜させているので、プロペ
ラファンを有する温風用送風機を温風吹出口と直交する
ように燃焼筒の側方に配置したにも係わらず、送風騒音
を低下できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す温風暖房機の縦断面
図、第２図は同じく要部を切欠して示す平面図、第３図
は同じく正面図である。 （１）……本体ケース、（２）……温風吹出口、（３）
……バーナ、（５）……カートリッジタンク、（10）…
…燃焼筒、（13）……送風ダクト、（13B）……後部
壁、（14）……温風用送風機、（14B）……プロペラフ
ァン。

フロントページの続き (72)考案者 岡田 英夫 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)考案者 新井 孝夫 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭62−127454（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−159151（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面に温風吹出口を有する本体ケースと、
   この本体ケース内に設けたバーナ及び燃焼筒と、この燃
   焼筒の側方の本体ケース内に配置したプロペラファンを
   有する温風用送風機と、前記燃焼筒を囲むように本体ケ
   ース内に設けられ、プロペラファンからの室内空気流を
   温風吹出口に導く送風ダクトと、前記燃焼筒の後方の本
   体ケース内に配置され、バーナに供給する燃料を貯溜す
   るカートリッジタンクとを備え、前記プロペラファンの
   中心を燃焼筒の中心よりもカートリッジタンク側にずら
   すとともに、前記燃焼筒とカートリッジタンクとの間に
   位置する送風ダクトの後部壁を、前記プロペラファンか
   ら離れるに従って温風吹出口側に近ずくように傾斜させ
   たことを特徴とする温風暖房機。