JP2555268Y2 - 田植機における苗載せ台横送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、植付部及び左右方向に
横移動する苗載せ台を有する田植機の苗載せ台横送り装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、田植機の苗載せ台の横送り装置
は、苗載せ台に対して平行状の横送りネジを設けて、同
横送りネジに送り部材を螺着して、同送り部材を介して
苗載せ台を横方向に移動させる構造のものが存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術においては、横送りネジと送り部材との間にガタが発
生して、苗載せ台を正確に横送りすることができないも
のであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、植付部、及び
左右方向に横移動する苗載せ台を設けて、同苗載せ台を
所定量だけ往復移動させる田植機において、苗載せ台を
横送りする横送りチェンに、苗載せ台と連結するスライ
ド部材を設けると共に、同スライド部材は、横方向に配
設する固定軸上を左右動する如く構成したことを特徴と
する田植機における苗載せ台横送り装置を提供せんとす
るものである。

【０００５】

【作用】苗載せ台を横送りする横送りチェンが左右方向
に移動すると、同横送りチェンに設けるスライド部材が
一体となって移動する。この場合に、同スライド部材
は、横方向に配設する固定軸上を左右に移動しながら苗
載せ台を所定量だけ往復移動させるものである。そし
て、苗載せ台上の苗を植付爪により切断しなが植付け作
業を行うものである。

【０００６】

【実施例】本考案の実施例を図面に基づき具体的に説明
すると、図１及び図２において、１は歩行形田植機であ
って、機体２の前部にはエンジン３及びトランスミッシ
ョンケース４を搭載していると共に、機体２の後部には
植付部５と、後方に傾斜した苗載せ台６を連結してい
る。

【０００７】７はエンジン３とトランスミッションケー
ス４とを連動連結する動力伝動装置であって、８はテン
ションクラッチ、９はトランスミッションケース４の入
力軸で、一側に入力プーリ10を設けていると共に、他側
には油圧ポンプ11を配設している。

【０００８】12は第２軸で中間部に主クラッチ13を設け
ている。14は主軸ギヤ、15は主軸ギヤ14に噛合う２軸第
１ギヤ、16は２軸第２ギヤで内部に主クラッチ13を内装
している。17は２軸第３ギヤ、18は２軸第４ギヤであ
る。19は第３軸で、前記２軸第２ギヤ16に噛合う二段ギ
ヤ20,21 を遊転状に軸架していると共に、変速用ホーク
22を摺動自在に軸架している。

【０００９】23は第４軸で、変速ギヤ24を摺動自在に軸
架していると共に、同第４軸23の両側にはサイドクラツ
機構25,25 を設けている。また、変速ギヤ24は大径ギヤ
24-1と小径ギヤ24-2より構成されている。

【００１０】26は第４軸23の左右両側に連結する駆動軸
であって、スイング軸27を経由して左右の車軸28,28 を
駆動自在としている。29は第５軸で、２軸第２ギヤ16と
２軸第３ギヤ17に噛合って植付部５の株間を変速する株
間変速ギヤ30を摺動自在に軸架している。

【００１１】また、同株間変速ギヤ30は、２軸第２ギヤ
16及び２軸第３ギヤ17と噛合自在となっている。31は第
６軸で植付クラッチ32を装着している。33は第５軸29と
第６軸31との間に設ける株間変速装置で、２個の変速ギ
ヤ34,35 を交換自在に設けている。

【００１２】36は変速ギヤ34,35 を覆うカバー、37は一
対の傘歯車38,39 にて構成された植付駆動部、40はスベ
リクラッチ機構、41は植付駆動軸で、変速用駆動ギヤ4
2,43を前後方向に摺動自在に軸架している。

【００１３】また、44は２個の変速ギヤ45,46 を固着す
る横送り駆動軸で、前記変速用駆動ギヤ42,43 を変速ギ
ヤ45,46 に選択的に噛合せることにより苗載せ台ｂの横
送り量を変更自在としている。

【００１４】そして、横送り駆動軸44の後部には往復ネ
ジ溝47を有するネジ軸48を一体的に形成して、同ネジ軸
48には前後移動部材49を螺着している。

【００１５】また、上記ネジ軸48は機体２の略中央部2-
1 に前後方向に配設されている。

【００１６】また、50はネジ軸48の上部に略平行状に設
けた作動チェンで、前後に位置させたスプロケット51,5
2 に巻掛けられていると共に、同作動チェン50の一側と
前記前後移動部材49とは連結されている。53はスプロケ
ット52に連結すると共に、上部に駆動スプロケット54を
有する回動縦軸で、同駆動スプロケット54には左右方向
に張設された横送りチェン55が巻掛けられている。56は
同横送りチェン55を左側位置にて支持するスプロケッ
ト、57は同横送りチェン55を右側位置にて支持するスプ
ロケット、58はチェン張りである。そして、同横送りチ
ェン55は、平面視で三角形状に張設されながら、同横送
りチェン55の後部位置55-1には苗載せ台６を左右方向に
移動させるスライド部材59を固着している。そして、上
記横送りチェン55やスライド部材59などにより苗載せ台
６を横送りするための苗載せ台横送り装置60を構成して
いる。

【００１７】61は、ネジ軸48の後部を支持する軸受部、
62は往復ネジ溝47に嵌まるガイドピン、63はネジ軸48の
外周をカバーするゴム製の蛇腹である。

【００１８】また、64は、車輪駆動軸26とスイング軸27
とを接続するギヤボックスで、ベベルギヤ65,66 を噛合
せ状に設けている。67はスイング軸27をカバーするパイ
プで、後端に車軸28を軸支する車軸ケース68を固着して
いる。

【００１９】そして、同車軸ケース68の内部にはベベル
ギヤ69,70 を噛合せ状に設けている。71は機体の両側に
設ける走行用車輪である。

【００２０】また、50-1は作動チェン50のうち、スプロ
ケット51,52 に噛合わない部分、即ち、直線部分に設け
る板状リンクで、前後方向に長く構成されている。72は
操縦ハンドルで主クラッチレバー73などを装着してい
る。74はフロート、75は植付爪である。

【００２１】また、図６において、59A は苗載せ台横送
り装置60に設ける固定軸で、苗載せ台６と平行で、か
つ、横送りチェン55に沿って配設されている。そして、
同固定軸59A 上には、上記スライド部材59が左右自在に
嵌装されている。59B は固定軸59A の両端を支持する支
持杆、59C は横送りチェン55にスライド部材59を固定す
る固定ボルト、6-1 は苗載せ台６よりスライド部材59側
へ突設する連結片で、平面視でコ字状の嵌合部6-3 を形
成しながら同嵌合部6-3 にスライド部材59の突片59-1を
嵌装している。6-2 は連結片6-1 の両側に設ける調整ネ
ジである。

【００２２】また、上記横送りチェン55の上部はカバー
体55-2により覆われている。

【００２３】また、図７において、58-1はチェン張り58
を常時張り状態に押圧するカム体で、同カム体58-1に設
けるゆるやかな傾斜面58-2がチェン張り58の背面に当接
して同チェン張り58を横送りチェン55側に押圧してい
る。58-3はカム体58-1を引張るスプリングである。

【００２４】したがって、上記実施例においては、エン
ジン３の動力はトランスミッションケース４の入力軸９
に導かれる。そして、同入力軸９より第２軸12に伝達さ
れ、さらに第３軸19と第４軸23に伝達される。この場合
に変速ギヤ24を摺動させることにより左右の車輪駆動軸
26,26 を前進３速と後進１速に変速するものである。

【００２５】また、第５軸29上の株間変速ギヤ30と株間
変速装置33により植付駆動軸41を変速自在にしている。
さらに、横送り駆動軸44の回転を変速用駆動ギヤ42,43
と変速ギヤ45,46 により変速を行って、苗載せ台６の横
送り量を変更自在とし、かつ、植付駆動軸41と連動連結
する横送り駆動軸44のネジ軸48は、機体２の略中央部2-
1 に配設されており、同ネジ軸48の回動により前後移動
部材49が作動する。

【００２６】そして、回動縦軸53及び駆動スプロケット
54が回動して横送りチェン55を左右方向に往復移動させ
る。また、同横送りチェン55の移動によりスライド部材
59が固定軸59A 上をスライドする。これと同時に苗載せ
台６側の連結片6-1 を横方向に移動させて苗載せ台６全
体を所定量だけ往復移動させるものである。

【００２７】したがって、苗載せ台６は、苗載せ台横送
り装置60により機体左右方向に順次作動しながら植付爪
75により苗の植付け作業を行うものである。

【００２８】また、横送りチェン55を張り状態にするチ
ェン張り58は、カム体58-1をスプリング58-3により引張
っているために、同カム体58-1の傾斜面58-2がチェン張
り５８を強く押圧しており、これにより横送りチェン５
５は常時張り状態となるものである。

【００２９】以上の如く、上記実施例によれば、苗載せ
台６を横送りする横送りチェン55に、苗載せ台６と連結
するスライド部材59を設けると共に、同スライド部材59
は、横方向に配設する固定軸59A 上を左右動する如く構
成した田植機における苗載せ台横送り装置であるから、
スライド部材59が固定軸59A により確実に保持されなが
ら左右方向に所定量だけ往復移動することができ、した
がって、苗載せ台６の横移動が円滑にできて苗の植付が
正確に行なわれるものである。

【００３０】また、スライド部材59を固定軸59A 上にて
摺動させるから、横送りチェンの変形を防止することが
できるものである。

【００３１】

【考案の効果】本考案によれば、苗載せ台を横送りする
横送りチェンに、苗載せ台と連結するスライド部材を設
けると共に、同スライド部材は、横方向に配設する固定
軸上を左右動作する如く構成した田植機における苗載せ
台横送り装置であるから、スライド部材が固定軸により
確実に保持されながら左右方向に所定量だけ往復移動す
ることができ、したがって、苗載せ台の横移動が円滑に
できて苗の植付が正確に行われるものである。

【００３２】また、スライド部材を固定軸上に摺動させ
るから、横送りチェンの変形を防止することができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を装備する田植機の全体側面図。

【図２】同平面図。

【図３】トランスミッションケースの断面平面図。

【図４】車輪駆動部の断面平面図。

【図５】ネジ軸部の断面図。

【図６】苗載せ台の横送り装置の一部断面側面図。

【図７】横送りチェンのチェン張り取付け状態を示す断
面平面図。

【符号の説明】

５ 植付部 ６ 苗載せ台 55 横送りチェン 59 スライド部材 59A 固定軸

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 植付部(5) 、及び左右方向に横移動する
   苗載せ台(6) を設けて、同苗載せ台(6) を所定量だけ往
   復移動させる田植機において、苗載せ台(6)を横送りす
   る横送りチェン(55)に、苗載せ台(6) と連結するスライ
   ド部材(59)を設けると共に、同スライド部材(59)は、横
   方向に配設する固定軸(59A) 上を左右動する如く構成し
   たことを特徴とする田植機における苗載せ台横送り装
   置。