JP2555092B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は複写機、フアクシミリ、プリンター、印刷機
等の画像形成装置に関するものである。

従来技術 従来複写機においては複写紙がカールした状態で後の
行程へ進行する場合に、ジャムやコピー疵等を発生する
という問題があった。

特に両面複写機の場合、片面の複写をして一旦中間ト
レイへスタックし、再給紙して反対面の複写をする際
に、複写紙のカールにより中間トレイへのスタッキング
不良を生じ、再給紙不良となったり、ジャム、コピー
疵、耳折、複写紙と画像の整列不良等を発生するという
問題があった。

反転装置を用いて片面複写をした複写紙を反転して給
紙する場合には複写紙のカールにより反転不良ジャム、
コピー疵、耳折などを発生するという問題があった。

複写機にソータやフイッニッシャーを接続した場合、
複写紙のスタック不良、コピー疵、折れ等を発生すると
いう問題があった。

これ等の問題点を解消するためにカール矯正装置が色
々提案された。例えば一定のカール方向に対してのみ反
対方向のストレスを加える方法や、搬送経路を２種類設
け、紙のカールを選別し、そのカール方向に応じて搬送
路別に分け、カールを矯正する方法等が提案されてい
る。

実際には複写紙等のシートの種類、含水分率によって
カール方向及びカール量が異なり、斯かる矯正方法では
全てのカールを矯正することはできず、全てのカールを
矯正するには大きなストレスを加えたり大量の熱等が必
要となり、非常にコストが高く複雑なものとなるという
欠点があった。

目的 本発明は上記の従来の問題点を解消し、シートのカー
ルを矯正する簡単な装置を提供することを目的とする。

構成 本発明は上記の目的を達成するために給紙トレイ内に
設けられた湿度調整手段と、シートカール量測定手段の
出力に応じて前記湿度調整手段を制御する制御手段とを
有することを特徴とする。

本発明の構成及び作用の詳細を図に示す実施例に基づ
いて説明する。

第１図において複写機としての画像形成装置１は原稿
台２の自動原稿給紙装置３と原稿を照明露光する光学装
置４と、光学装置４により露光される原稿画像を潜像と
して作像し更に顕像化する作像装置５と複写紙等のシー
ト給紙装置６と給紙装置６より給紙されるシートを案内
搬送するシート搬送路７と、該シート搬送路７の途中に
設けられた転写部８と定着部９及びカール検出部10と、
シート搬送路７により案内されるシートを排出する排紙
トレイ11とを有する。

両面複写のために排紙トレイ11とは別にシート搬送路
７により搬送されるシートを一次貯留する中間トレイ12
を設け、切換爪13により排紙トレイ11と中間トレイ12は
シート搬送路７に切換え接続されることができる。

中間トレイ12からは給紙手段14及び接続路15によりシ
ートが表裏反転した状態で前記シート搬送路７に送られ
表面と同様シートの裏面が転写部８において作像装置５
よりトナー像を転写され、定着部９で定着され排紙トレ
イ11に排出される。

作像装置５は公知の手段を利用することができる。第
１図では感光体16にOPCベルトを用い、帯電部17、露光
部18、現像部19、転写部８、クリーニング部20が配置さ
れている。

複写機１には大容量給紙装置21と、ソーター22、フイ
ニッシャー23等の公知の後処理装置とを付加的に組付け
ることができる。

給紙装置６より給送さる複写紙は転写部８において作
像装置５よりトナー像を転写され、定着部９において定
着される。定着部９において加熱されると、熱による加
熱効果及び含水分量の変動（蒸発）によってシートにカ
ールが発生する。このカールの程度はカール検出部10に
おいて検出される。

カール検出部10には例えば第２図〜第４図に示すよう
なカール量検出装置が設けられる。

カール量検出装置25は熱定着装置９、例えば熱ローラ
定着装置を通過した転写紙24の経路に設けられた２対の
搬送ローラ対26と27と、その間に設けられたカール量検
知センサ28及びその支持移動装置より成る。第１搬送ロ
ーラ対26の挟持部の直後には用紙先端検知センサ29が設
けられ、第１搬送ローラ対26と第２搬送ローラ対27との
中間には、用紙先端検知センサ29から搬送方向にL₁離れ
た位置にカール量検知センサ28が設けられている。

第１搬送ローラ対26から送り出された転写紙24の先端
を用紙先端検知センサ29が検知してからL₁/A秒後にカー
ル量検知センサ28が作動し、L₂/A秒後検知を停止する。
ただし、Ａは機械内の線速（mm/s）であり、L₂は転写紙
の搬送方向の長さである。

用紙先端検知センサ29としては普通の光電センサが使
用され、転写紙カール量検知センサ28としては、例えば
光マイクロメータを用いることができる。光マイクロメ
ータによって細く絞られたレーザビームを転写紙24の上
面に照射し、その反射散乱光の一部を受光面上に結像さ
せて転写紙の搬送路案内板30の表面からの高さ、すなわ
ちカール量を検知することができる。

カール量検知センサ28は、この実施例では、第２図乃
至第４図に示す如く、搬送方向に対し直角方向に延設さ
れた１対のガイド棒31、32に跨って摺動自在に設けられ
た２箇の支持部材33は、搬送方向の両側で機枠に軸支さ
れたプーリー34にループ状に巻回されたワイヤロープ35
の互いに対向する走行部に固定部材36により取付けられ
ている。プーリ34の一方はモータ37により回転駆動さ
れ、これによって、ワイヤロープ35が移動すると、２箇
の支持部材33は転写紙搬送路の中心線に関して対称状態
を保持しながら移動して互いに近接し、あるいは離隔す
る。

支持部材33に夫々固定されているカール量検知センサ
28は、転写紙24の幅の外側縁より若干内側に位置するよ
うに、複写サイズの選択に連動してモータ37が制御され
る。

第１搬送ローラ対26と第２搬送ローラ対27との間の転
写紙案内板30の幅は最小サイズの転写紙の幅よりも小さ
い寸法に設定されており、転写紙が搬送されるとき、必
ず転写紙の両側端縁部が自由な状態に保たれる。それに
よって、転写紙24がどの方向にカールしているかが２つ
のカール量検知センサ28の検知結果より検知することが
できる。

カール量検知センサ28により検知されるカール量は第
５図に示すように10枚の用紙を重ねておいたときの紙先
端の浮き上がり量ａで示す。

シートとして転写紙の例をとった場合、給紙時の含水
分量と定着後のカール量との間には第６図に示すような
関係が得られる。図中横軸は含水分量（％）を、縦軸は
カール量ａを表し、曲線Ａは１種類の紙Ｇ紙、曲線Ｂは
別の種類の紙Ｈ紙の特性を示す。この場合画像のある面
とは反対側へのカール（バックカール）のカール量は負
の値で示し、画像のある面の側へのカール（フェースカ
ール）のカール量は正の値で示す。

第６図の特性曲線よりシートの含水分量は７％以下程
度にするのが望ましい事が分る。

更に、転写紙の含水分量が雰囲気（相対湿度）により
変化する状態を測定すると例えば第７図に示すような関
係が得られた。図中横軸は相対湿度（％）、縦軸は含水
分量（％）を示す。曲線ＡはＧ紙の、曲線ＢはＨ紙の特
性曲線である。第７図より雰囲気の相対湿度によって同
じ紙でもカール量及びカールの方向が変化することが分
る。

一般的に複写紙は製造時は含水分量は６％前後にコー
トロールされており、その後も余分な吸湿をしない様に
包装は湿気を遮断できるように工夫されている。又複写
機も複写紙セットトレイの密閉性を保つようにしたりト
レイにヒータを設けて相対湿度を制御するものがある。

しかし複写紙が管理の不良により包装のない状態で放
置されたりすると高湿時に不要な水分を吸収し、このよ
うに水分を吸収した複写紙を用いると大きなカールを生
じ、各部で搬送不良を生じたりコピー疵を発生したりす
る。

定着後のシート、例えば複写紙のカール量は第６図に
示す如く含水分量が大きい領域でバックカールが極めて
大きくなる。そこで含水分量を７％以下に抑制するのが
よい。複写紙の含水分量を７％以下にするには給紙装置
６のトレイにおける相対湿度を第７図より約60％以下に
保つのがよい。

そこで給紙装置６に第８図に示す如く湿度調整手段と
してヒーター37を装着する。ヒーター37は各トレイの下
部に配置する方法と全トレイをまとめて１つのヒーター
を給紙装置６の下方に配置する方法とがある。

第１図において定着後のシートのカール量をカール検
出部10のカール量測定装置25により検出する。

第９図に示す制御装置においてカール量測定装置25か
らのカール量及びカール方向に関する情報が信号発生装
置38に送られる。該信号発生装置38は給紙装置６の各ト
レイに関するカール許容レベル設定装置39（ｎ個のトレ
イのときは許容レベル設定装置１〜許容レベル設定装置
ｎ）よりカールレベルの情報が入力される。信号発生装
置38では入力された情報に応じてカール量超過信号及び
カール方向信号を出力する。信号発生装置38からの信号
がヒータ制御装置40に送られ、夫々のヒータ41がON,OFF
制御される。

例えば第10図のフローに従いカール方向がフエースカ
ールの場合と、バックカールでもカール量が所定値を超
えていないときはヒータはOFFのままとし、バックカー
ルで所定値以下のカール量の場合にはヒータをONして相
対湿度を下げるようにする。

コピーを続ける間にトレイ内の相対湿度が下がって含
水分量が減り、定着後のカール測定量が所定値以下にな
るとヒータをOFFする。

給紙装置が複数段のトレイを有する場合には、各トレ
イに収容される用紙の外部における開放放置時間やその
開放時の湿度の変化等により、又紙の吸湿性の違いによ
り含水分量が異なり、カール量が異なる場合と含水分量
が同じでも紙質によってカール量が異なる場合があるの
で、各トレイについてカール量許容レベル設定を調節可
能にする。ときには紙が同じでも機械間でカール量にバ
ラツキを生ずる場合もあるので調節は必要である。調節
の必要があるのはトレイが複数段の場合には限らない。
特に複数のトレイに個別にヒータを設ける場合には各ヒ
ータを独立に制御できるようにするのが好ましい。

給紙装置６に設ける湿度調整手段としては第８図の例
に対して変形例として第11図の如くヒーター37の外に加
湿装置42を設けることがきる。トレイが複数段の場合に
は加湿装置42はダクト43により各トレイに接続されるこ
とができる。

定着後の紙のカール量は含水分量によりフエースカー
ルからバックカールへ変化し、高含水分量領域では大き
なバックカールを生じる。しかし定着の後の工程によっ
てはカールを生じていると、特にフェースカールを生じ
ていると処理がうまくいかない場合がある。フエースカ
ールの場合両面複写のために中間トレイにスタックする
とき、上方に凹状になり側壁への乗り上げや後の紙が先
行紙の下にもぐり込む現象等が発生しやすくなる。この
場合は高含水分量の領域だけでなく低含水分量領域も制
御する必要がある。

例えばＧ紙、Ｈ紙等の場合には第７図より40〜50％程
度に相対湿度を制御するのが望ましい。

このことから加熱して除湿するだけでなく加湿する必
要がある。このとき第11図の例が有効になる。加湿とし
ては超音波加湿器を用いることができる。

制御装置としては第12図に示す如く信号発生装置は加
湿制御装置44を付加的に設け、加湿器起動装置45と、複
数のトレイを個別制御する場合のダクト43に設けた弁46
の制御をする。

制御は例えば第13図のフローに従って行われ、測定し
たカールがバックカールであり所定量を超えている場合
はヒーターをONにし、相対湿度が下がってカール量が所
定量以下になった場合にヒーターをOFFにし、カールが
フエースカールであり所定量を超えている場合には加湿
器42を作動し、相対湿度が上ってカール量が所定量以下
になると作動停止する。

図では１台の加湿器を複数のトレイに共用する例を示
したが各トレイに個別に加湿器を設けることも可能であ
る。

なお、除湿器の例として加熱装置を示したが他の公知
の除湿装置が利用され得る。

効果 本発明によりカール量を測定し除湿するか又はカール
方向を考慮して除湿と加湿を選択作動することにより、
トレイの相対湿度を所定の値に保ってカール量を所定量
以下にすることが可能になった。

本発明によりフエースカールもバックカールも共に精
度よくコントロールすることが可能になった。

本発明により複数のトレイを個別に除湿、加湿制御で
きるので性質の違うトレイについていずれも良好にカー
ルをコントロールできるようになった。しかも各トレイ
について許容レベルを調節することができ、各トレイの
バラツキもなくすことができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る複写機の略説明図、第２図はカー
ル測定装置の正面略説明図、第３図は側面図、第４図は
平面図、第５図はカール量の説明図、第６図は紙の含水
分量とカール量の関係を示す特性曲線図、第７図は相対
湿度と紙の含水分量の関係を示す特性曲線図、第８図は
給紙装置の湿度調整装置の説明図、第９図は制御装置の
ブロック図、第10図は制御フロー図、第11図は給紙装置
の湿度調整装置の変形例の説明図、第12図は第９図，第
11図の装置の制御装置のブロック図、第13図は制御フロ
ー図である。 ６……給紙装置、6a,6b,6c……トレイ ７……シート搬送路、10……カール検出部 25……カール量測定装置 37……ヒータ（湿度調整手段） 42……加湿器（湿度調整手段）

フロントページの続き (72)発明者 室状 孝 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 実開 昭58−98523（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シート貯留用給紙トレイと、該給紙トレイ
   より給紙されるシートを案内搬送するシート搬送路と、
   該シート搬送路中に設けられたシートカール量測定手段
   とを有する画像形成装置において、 前記給紙トレイ内に設けられた湿度調整手段と、前記シ
   ートカール量測定手段の出力に応じて前記湿度調整手段
   を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形
   成装置。
2. 【請求項２】前記湿度調整手段が加熱装置として形成さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   の画像形成装置。
3. 【請求項３】前記湿度調整手段が除湿装置と加湿装置と
   により形成されていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項に記載の画像形成装置。