JP2554700Y2 - 自転車のボトムブラケット用ユニット部品 - Google Patents

自転車のボトムブラケット用ユニット部品

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JP2554700Y2
JP2554700Y2 JP1988096708U JP9670888U JP2554700Y2 JP 2554700 Y2 JP2554700 Y2 JP 2554700Y2 JP 1988096708 U JP1988096708 U JP 1988096708U JP 9670888 U JP9670888 U JP 9670888U JP 2554700 Y2 JP2554700 Y2 JP 2554700Y2
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crankshaft
cylinder
steel ball
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司 竹下
和人 谷野
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ダイベア 株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、自転車のボトムブラケット用ユニット品に
関するものである。
(従来の技術) 自転車の軽快な走行にとっては、クランク軸が滑らか
に回転することが必須条件であることから、従来、第4
図に示すように、クランク軸2とボトムブラケットハン
ガー部23との間に、鋼球6を保持するための保持用わん
17,17を備えたものが知られている。すなわち、このボ
トムブラケット用ユニットは、クランク軸2の両端にク
ランク取付部2a,2bを設けており、このクランク取付部
を除くクランク中央部2cの外周面の両側に湾曲隆起部2
d,2eを設けている。
一方、ボトムブラケットハンガー部23には、両端部23
a,23bの内周面に雌ねじ23e,23fを刻設している。また、
前記保持用わん17には、ボトムブラケットハンガー部23
側の雌ねじ23e,23fに螺入される雄ねじ17a,17bを外周に
形成するとともに、内側に湾曲部17c,17dを形成してい
る。つまり、クランク軸2の湾曲隆起部2d,2eに鋼球6
を保持した状態で、保持用わん17を螺入し、鋼球6を保
持用わん17にて抱き込み保持するものである。これによ
って、保持用わんの締付力を調節し、クランク軸の回転
を調節可能となしている。
このように構成した場合は締付力の加減によりクラン
ク軸の回転トルクを調節できるが、保持用わん17の締付
力を最適値にして各人に適した回転の円滑さを得るのは
極めて高度の熟練を要する技術であった。つまり、保持
用わん17の締付力を強くすると、クランク軸2の回転が
重くなる。
一方、弱くすると回転は軽くなるがクランク軸に軸方
向のガタつきが生じる。これがため、最適の締付を行
い、走行において軽快であって、しかも、軸方向のガタ
つきのない良好な状態を維持するように締付けるには、
相当の熟練を要するものであった。
また、従来微調整のできないハンガー部の構造が提案
されている(実開昭59−8881号公報参照)。この公報に
記載されたものは、クランク軸の外周面の両側位置に鋼
球溝を設ける一方、シリンダの内周の両側位置に鋼球の
保持溝を凹設している。そして、この保持溝に適数個の
鋼球を保持した状態でクランク軸にシリンダを被嵌する
ものである。さらに、このシリンダを押さえ用わんおよ
びロックリングにて、ハンガー部の内周に螺着するよう
になっていて、押さえ用わんの螺着締付の強弱が、クラ
ンク軸の回転に影響を与えない構成となっている。
(考案が解決しようとする問題点) しかし、前記公報に記載されたボトムブラケットハン
ガー部の構造では、クランク軸の軸方向のガタツキが生
じ、サイクリング用自転車のような長時間使用する自転
車においては足の回転の安定感を損ない疲労感を生
じ、、しかもクランク軸に固定されているギヤがクラン
ク軸とともに軸方向にガタつくことにより、変速ギヤと
チェーンとの噛み合わせが軸方向にズレるためチェーン
がギヤから外れやすくなる問題点がある。
(問題点を解決するための手段) そこで、考案者らは、クランク軸の軸方向へのガタツ
キについて研究したところ、自転車のボトムブラケット
ハンガー部においては、人の足による踏力を原動力と
し、かつ、クランク軸の滑らかな回転を確保するために
は、鋼球とクランク軸の鋼球溝との間、および鋼球とシ
リンダの保持溝との間を完全に密着状態にすることは好
ましくなく、径方向の隙間(ラジアルスキマ)を必要と
するものであること、クランク軸の鋼球溝およびシリン
ダの保持溝の曲率半径を鋼球の曲率半径よりわずかに大
きく形成する必要があること、鋼球溝および保持溝の曲
率半径を鋼球の曲率半径よりわずかに大きく形成してお
いて、かつ、実開昭59−8881号の公報に記載されたよう
に鋼球溝の間隔と保持溝の間隔とを一致させた構造であ
ると、軸方向の隙間(アキシャルスキマ)Asがラジアル
スキマRsの6〜7倍程度になるので(第5図参照)、ラ
ジアルスキマRsを軽快な回転を確保するのに十分な隙間
とすると、クランク軸の軸方向のガタツキが生じ前記し
た問題点が発生することがわかった。
かといって、軸方向のガタを小さくしようとしてラジ
アルスキマを小さくすると、軽快な回転を確保できない
だけでなく、ラジアルスキマが過少となって軌道面に剥
離が生じることになる。
本考案は、上記の考察に基づき考案したもので、人力
によって軽快な回転を達成し得るラジアルスキマが確保
でき、しかも、アキシャルスキマが小さく維持されてク
ランク軸の軸方向のガタつきがほとんど生じないように
したものである。
本考案を第3図を参照して説明すると、本考案は、自
転車のボトムブラケット用ユニット品のクランク軸
(2)の外周面の軸方向2箇所に形成された軌道溝
(4)(4)および、シリンダ(3)の内周面の軸方向
2箇所に形成された保持溝(5)(5)の曲率半径を鋼
球の曲率半径よりわずかに大きく形成するとともに、軌
道溝(4)(4)の間隔(A)を、保持溝(5)(5)
の間隔(B)より僅かに大きく形成するか又は僅かに小
さく形成したことを特徴とする。
なお、前記軌道溝の間隔(A)は前記保持溝の間隔
(B)より好ましくは、軌道溝および保持溝と鋼球との
なす接触角が5°乃至35°となるように、両端方向均等
に僅かに大きく又は小さく形成される。
(作用) 上記の構成によると、鋼球6は、保持溝5と軌道溝4
とに接触角αをもって接触することとなるので、人力で
の軽快な回転を達成するのに十分なラジアルスキマを確
保できるとともに、クランク軸に対してシリンダ3が右
方向に移動するときは第6図の左側の保持溝5が鋼球6
に当接することによって移動が阻止され、クランク軸に
対してシリンダ3が左方向に移動するときは右側の保持
溝5が鋼球6に当接することによって左行移動が阻止さ
れることにより、アキシャルスキマが小さくなり、クラ
ンク軸の軸方向のガタツキが小さい。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
本考案に係る自転車のボトムブラケット用ユニット品
は、第1図ないし第3図に示しており、自転車のボトム
ブラケット1に設けられたクランク軸2とシリンダ3と
を備え、この両者にそれぞれ形成された軌道溝4および
保持溝5に、鋼球6を2列配置する構成となっている。
ボトムブラケット1はクランク軸2を保持するもの
で、円筒状のハウジング7に立てパイプ接続用ラッグ9
および2個の後パイプ接続用ラッグ10,10を突設した構
成とされている。そして、第2図に示すように、前記ハ
ウジング7の両端には、内周に雌ねじ7a、7bを刻設して
おり、この雌ねじにロックリング11,12を螺入して後述
のシリンダ3を保持するようになっている。つまり、こ
のロックリング11は、シリンダ3を組付けるためのもの
である。
クランク軸2は、第2図および第3図に示す如く、そ
の両端にクランク取付部2a,2bが形成されている。そし
て、一方のクランク取付部2aにクランク20を取付け、他
方のクランク取付け部2bには、ギヤ14を一体的に設けた
クランク21を取付けている。さらに、前記両クランク取
付部2a,2bを除くクランク中央部2cにおいて、その両側
位置の円周半円状の軌道溝4,4が凹設されている。
シリンダ3は、その内周面の両側位置に、保持溝5,5
を設けており、この保持溝と前記軌道溝4,4との間に鋼
球6…が配置されるようになっている。なお、この保持
溝5および前記軌道溝4の曲率半径は、鋼球6の表面の
曲率半径より僅かに大となしている。
つまり、鋼球はクランク軸2の軸方向において2列の
配置とされ、それぞれリテーナ15によって保持された状
態で、鋼球6と保持溝5との間に接触角をもって接する
ようになされる。詳細に説明すると、まず、クランク軸
2の軌道溝4,4に鋼球6を配置しておき、シリンダ3を
所定温度で加熱した状態でクランク軸2に被嵌する。次
に、シリンダ3を冷却することにより、このシリンダを
収縮させる。すると、シリンダ3はクランク軸2の軸方
向および半径方向ともに収縮し、前記軌道溝4,4間のピ
ッチA、すなわち、谷部4aと谷部4aとの距離が、前記保
持溝5,5間のピッチB、つまり、谷部5aと谷部5aとの距
離より僅かに大きく保たれる。これによって、鋼球6は
その接触点Pが所定の接触角をもって接することにな
る。つまり、鋼球6のボールラインは、クランク軸2の
軸線に対して垂直な垂線に、傾きαを有して接してい
る。
なお、前記シリンダ3の両端部3a,3bには、かしめて
装着する弾性シール部材16が用いられる。つまり、シリ
ンダ3の内周面に設けた掛止溝3c,3dとクランク軸2と
の間に、かしめながら装着することによって弾発係止す
るものである。これによって、シリンダ3内に水や、ご
みが侵入するのを確実に防止することができる。
上記の構成によれば、鋼球6は、接触角αをもって保
持溝5と軌道溝4に接触していることとなるので、人の
踏力での軽快な回転に十分なラジアルスキマを確保でき
るとともにアキシャルスキマを小さくすることができ
る。すなわち第6図に誇張して図示するように、鋼球6
a、6bの廻りに所定のスキマ(数10μm程度)を設けた
場合、シリンダ3が軸方向右側に移動しようとすると鋼
球6aがシリンダ3に当接され、一方、シリンダ3が軸方
向左側に移動しようとすると鋼球6bがシリンダ3に当接
されるので、実開昭59−8881号公報の考案のようにアキ
シャルガタの問題が生じないのである。
別言すると、クランク軸が軸方向のガタツキを生じな
いようにアキシャルスキマを小さく設定しても、実開昭
59−8881号の考案のようにクランク軸2の回転を阻害す
ることがなく、自転車の人力による回転駆動時において
も固さを感じることがなく、長時間走行するサイクリン
グなどにおいても安定した回転を得られ、疲労感を生じ
ることがないものである。
なお、図示の例では、鋼球6と軌道溝4、保持溝5と
の関係を、クランク軸2の軸方向において外向きの接触
角となるようにしているが、組付け時に、クランク軸を
冷却してから鋼球を入れ、その後常温に戻すことにより
組付けるなどすることにより、シリンダ3の保持溝5の
ピッチBをクランク軸の軌道溝Aより大きくして内向き
の接触角となるようにしてもよい。
(考案の効果) 本考案は、以上のとおり、自転車のボトムブラケット
のクランク軸の外周面の軸方向2箇所に形成された軌道
溝および、シリンダの内周面の軸方向2箇所に形成され
た保持溝の曲率半径を鋼球の曲率半径よりわずかに大き
く形成するとともに、軌道溝の間隔を、保持溝の間隔よ
り僅かに大きく形成するか又は僅かに小さく形成したこ
とにより、鋼球は、保持溝と軌道溝とに接触角をもって
接触することとなるので、人力での軽快な回転を達成す
るのに十分なラジアルスキマを確保できるとともに、ア
キシャルスキマが小さくなり、クランク軸の軸方向のガ
タツキを小さくすることができ、サイクリング用自転車
のような長時間使用する自転車においても足の回転の安
定感を損なったり疲労感を生じさせたりすることがな
く、しかもクランク軸に固定されているギヤがクランク
軸とともに軸方向にガタつくことにより、変速ギヤとチ
ェーンとの噛み合わせが軸方向にズレてチェーンがギヤ
から外れやすくなることもない。
さらに、クランク軸にシリンダを予め装着しておくユ
ニット品としておくことができるから、製作時に最適値
に調節しておくことができ、第4図で説明した従来の技
術のように、最良の回転感を得るために熟練を要せず、
多くの自転車使用者に軽快でガタツキのないボトムブラ
ケットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本考案の実施例を示し、第1図は
ボトムブラケットの斜視図、第2図はボトムブラケット
用ユニット品を装着した状態の断面図、第3図はボトム
ブラケット用ユニット品の断面図、第4図は従来のユニ
ット部品の断面図、第5図は従来技術における鋼球とシ
リンダとクランク軸の関係を示す概略図、第6図は本考
案における鋼球とシリンダとクランク軸の関係を示す概
略図を図示したものである。 1…ボトムブラケット、2…クランク軸 3…シリンダ、4…軌道溝 5…保持溝、6…鋼球

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端にはギヤとクランクとが取り付けら
    れ、他端には他のクランクが取り付けられ、中央部に複
    数個の鋼球(6)が配置されるクランク軸(2)と、前
    記鋼球(6)を介して前記クランク軸に外嵌されるシリ
    ンダ(3)とからなる自転車のボトムブラケット用ユニ
    ット品であって、 前記クランク軸(2)の外周面には、その軸方向2箇所
    に軌道溝(4)(4)が形成され、 前記シリンダ(3)の内周面には、その軸方向2箇所に
    前記軌道溝に対応した保持溝(5)(5)が形成され、 前記軌道溝および前記保持溝の軸方向断面における曲率
    半径が前記鋼球の曲率半径よりもわずかに大きく形成さ
    れ、 前記2箇所の軌道溝の間隔(A)が、前記2箇所の保持
    溝の間隔(B)より両端方向均等に僅かに大きく又は小
    さく形成されてなることを特徴とする 自転車のボトムブラケット用ユニット品
JP1988096708U 1988-07-21 1988-07-21 自転車のボトムブラケット用ユニット部品 Expired - Lifetime JP2554700Y2 (ja)

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JPH0217491U JPH0217491U (ja) 1990-02-05
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS598881U (ja) * 1982-07-08 1984-01-20 カジタ工業株式会社 自転車のハンガ−部の構造
DE3447150A1 (de) * 1984-12-22 1986-07-10 FAG Kugelfischer Georg Schäfer KGaA, 8720 Schweinfurt Zweireihige schraeglagerung in 0-anordnung

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JPH0217491U (ja) 1990-02-05

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