JP2553946Y2 - 両開きコンソールボックスのロック構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、両開きコンソールボックスのロック構造
に関する。

（従来の技術） 通常、自動車のコンソールには、シフトレバーやパー
キングブレーキレバー等のレバー類を覆った簡単な構造
のものから、計器板の一部を構成する大型の構造のもの
まであるが、いずれのコンソールでも、リッドを備えた
小物入れ用のコンソールボックスを設ける一方、車両の
慣性力等によってリッドが開放してしまわないようにリ
ッドにロック機構を設けるのが一般的である。

例えば、従来この種のロック機構としては、リッドと
コンソール本体間に左右のヒンジ機構を設け、左側又は
右側のヒンジ機構を構成するロッドを操作ノブによって
摺動させてストライカーから離脱させ、もってリッドを
運転席及び助手席の両側から開閉できるようにした両開
きコンソールボックスのロック機構が知られている（実
開昭60-24657号公報、実開平2-30741号公報参照）。

（考案が解決しようとする課題） しかるに、上記従来公報記載のロック機構では、ヒン
ジ機構を構成するロッドを曲成し、これを摺動させて本
体側ストライカーと係合離脱させるようにしていたの
で、その機構上、ロッド本体部分からロッド係合部分に
真直に力が作用しにくく、又ロッド本体部分の少しの回
転によってロッド係合部分が位置ずれしやすく、その結
果ロッドの摺動を正確にガイドしないと、リッドをロッ
クする際にロッド係合部が本体側ストライカーから位置
ずれし、確実にロックできないおそれがあるという問題
があった。

この考案は、かかる点に鑑み、簡単な構成でリッドを
簡単かつ確実にロックできるようにした両開きコンソー
ルボックスのロック構造を提供することを課題とする。

（課題を解決するための手段） そこで本考案に係る両開きコンソールボックスのロッ
ク構造は、 コンソールボックスの上部開口をリッドで封鎖し、該
リッドを選択的に右開きまたは左開きとすることができ
る両開きコンソールボックスにおいて、 上記リッドのコンソールボックスへの枢着部材として
解除可能なロック部材を、上記リッドの前後左右の略四
隅部に設け、ロック状態では上記リッドを上記コンソー
ルボックスに枢着し、 他方、上記ロック部材はそれぞれ対応するレバーで操
作できるようにするとともに、上記リッドの左側または
右側にそれぞれ位置する２個のレバーは対応する２個の
ロック部材が同時にロック解除となるように連動し、左
右側いずれか１側のロック解除状態では上記リッドはロ
ック状態のロック部材を枢着点としてロック解除側から
ロック側に開放可能で、 上記リッドの前後左右の略四隅部に上記各レバーの操
作ノブを設け、そのいずれか１つを操作することによ
り、リッドの前後左右いずれからでも該リッドを選択的
に右開きまたは左開きとすることができるように構成し
たことを特徴とすることを要旨とする。

ここでコンソールリッドは左右開き又は前後開きのい
ずれであってもよく、例えばコンソールリッドが車体前
後方向に長い場合にはコンソールリッドの長辺側に一対
のレバーを設けると左右開きに、短辺側に一対のレバー
を設けると前後開きになる。

また、操作ノブは連携された一対のレバーの両方に設
ければよく、例えば操作ノブをレバー対の両方に設け、
それをリッドの四隅部分に配置するようにすると、前部
座席側及び後部座席側のいずれからでもリッドを容易に
開閉操作できるものである。

（作用） 本考案において、一方の辺部側の操作ノブを操作する
と、対応する一対のレバーが連動してロック解除方向に
揺動し、そのロック部材とストライカーとの係合が解除
されてコンソールリッドが他方の一対のストライカー回
りに開放可能となる。他方、コンソールリッドを閉鎖す
ると、レバーのロック部材がストライカーと係合してコ
ンソールリッドがロックされる。

このように本考案においては、摺動ロッドに代えて揺
動レバーを使用するようにしたことから、構造が極めて
簡単であり、しかもレバーのロック部材がストライカー
から位置ずれすることなく確実にロックされる。また、
４隅部に設けた操作ノブにより前後座席部から容易に両
開き操作が可能であり、操作性にすぐれる。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す具体例に基づいて詳細に説
明する。

第１図ないし第５図は本考案の一実施例による両開き
コンソールボックスのロック構造を示す。図において、
フロアパネルのトンネル部（図示せず）には車室前部に
コンソール１が設けられ、該コンソール１には前部座席
間に小物入れ用のコンソールボックス２が形成されてい
る。

上記コンソールボックス２において、コンソール本体
３には車体前後方向に長くなった長方形状の凹部30が形
成され、該凹部30の上面にはこれを開閉する長方形状の
コンソールリッド４が配設されている。このコンソール
リッド４は硬質のリッドコア40の外側に発泡体41及びレ
ザー42を配設する一方、上記リッドコア40に凹部43を形
成しそこに硬板製カバー44を嵌合固定して構成されてい
る。

また、上記リッドコア40の凹部43内面には前後一対の
レバー５がコンソールリッド４の左右の両長辺に沿って
各々配列されて枢支ピン50によってリッド平面内で揺動
自在に支承されている。この二対のレバー５は各々内端
部を連結ピン51によって連結されて各対毎に相互に連携
され、又二対のレバー５間には各レバー５をロック方向
に付勢するコイルばね６が介設されている。また、二対
のレバー５にはその外端部に各々ロック部52が形成さ
れ、該ロック部52の先端部下面は傾斜ガイド面に設定さ
れ、又ロック部52の外側にはレバー５をロック解除方向
に揺動させる操作ノブ53が形成されている。

また、上記コンソール本体３には断面円形部材を用い
た平面Ｕ字状で側面逆Ｌ字状のストライカー７が上記凹
部30の四隅部近傍に固設され、上記コンソールリッド４
の下面四隅部には上記ストライカー７を収容しうる切り
欠き47が形成されており、上記各レバー５のロック部52
はリッドコア40とともに上記各ストライカー７を挟持
し、又ロック解除方向への摺動時にその挟持を解除し、
こうして上記ロック部52は上記ストライカー７に係脱可
能に係合されている。

さらに上記コンソール本体３には上記凹部30の後端縁
部内にダンパ８が揺動自在に内装され、該ダンパ８のロ
ッド80は上記凹部30後端縁の略中央部に形成された穴31
を挿通され、その先端はコンソールリッド４の裏面後端
縁の略中央部に回動可能に連結されており、該ダンパ８
は上記コンソールリッド４を開放方向に付勢するととも
に、該リッド４が開放された時にその開放位置を位置決
めするようになっている。

次に操作方法について説明する。

例えば前部助手席側からコンソールリッド４を開ける
場合、まず助手席側の操作ノブ53に手を添えて操作ノブ
53を内部に押し込めると（第２図の矢印Ａ参照）、助手
席側の前側レバー５が枢支ピン50の回りにコイルばね６
のばね力に抗してロック解除方向（第２図の矢印Ｇ参
照）に揺動し、同時に助手席側の後側レバー５も枢支ピ
ン50の回りにロック解除方向（第２図の矢印Ｈ参照）に
揺動し、両レバー５のロック部52がストライカー７から
外れてロックが解除される（第３図の一点鎖線Ｅ参
照）。

ロックが解除されると、ダンパー８のロッド80が伸び
てコンソールリッド４を押し上げ、するとロック状態に
ある他方の断面円形ストライカー７が回転軸となり、コ
ンソールリッド４は第１図及び第４図に示すようにスト
ライカー７の回りに回転してダンパ８のロッド80によっ
て位置決めされる位置まで開くこととなる。

操作ノブ53から手を離すと、レバー５はコイルばね６
のばね力によってロック方向に揺動復帰し、元のロック
位置に復帰する。

このような開放状態からコンソールリッド４を閉じる
と、ロック部52の先端傾斜面がストライカー７と当接し
（第３図の矢印Ｆ参照）、さらにリッド４が閉じられる
と、レバー５のロック部52がコイルばね６のばね力に抗
して内方に揺動され、コンソールリッド４が完全に閉じ
られると、レバー５のロック部52がストライカー７と合
致してロック位置に向けて復帰してストライカー７と係
合し、これによってコンソールリッド４がロックされ
る。

他方、運転席側からコンソールリッド４を開ける場合
には上記とは反対に運転席側の前側操作ノブ52を操作す
ればよく（第２図の矢印Ｂ参照）、すると上記と同様の
動作によってコンソールリッド４が上記とは反対側から
開く（第４図の三点鎖線参照）。

また、後部座席側からコンソールリッド４を開ける場
合、今度は後側の操作ノブ53を上記と同様に操作すれば
よく（第２図の矢印Ｃ、Ｄ参照）、今度も上記と同様の
動作によってコンソールリッド４を左側又は右側のいず
れからでも開くことができる。

以上のような本実施例の両開きコンソールボックスの
ロック構造では、従来のような摺動ロッドに代えて揺動
レバー５を使用し、該レバー５のロック部52とコンソー
ル本体３側のストライカー７とを係脱可能に係合させる
とともに、コイルばね６によってレバー５のロック部52
を常にロック位置に保持するようにしたので、レバー５
のロック部52がストライカーから位置ずれすることはな
く、コンソールリッド４を閉じた時ににリッド４を確実
にロックできる。

また、本実施例の両開きコンソールボックスのロック
構造では、レバー５にロック部52と操作ノブ53を形成
し、しかも前後のレバー５を相互に連携させるようにし
たので、装置を極めて簡単に構成でき、その結果安価に
製作できるとともに、耐久性及び信頼性を保証できる。

また、本実施例の両開きコンソールボックスのロック
構造では、操作ノブ53を前後のレバー５に各々設け、該
操作ノプ53をコンソールリッド４の四隅部分に配置する
ようにしたので、前部座席側からだけではなく、後部座
席側からもコンソールリッド４を容易に開閉操作でき
る。

（考案の効果） 以上のように、本考案に係る両開きコンソールボック
スのロック構造によれば、一端にロック部材を有する二
対のレバーをコンソールリッドに枢着し、ロック部材を
リッドの略四隅部分に位置させるとともに、一対のレバ
ーを相互に連携させ、少なくとも一方に操作ノブを形成
し、さらにコンソール本体側には断面円形のストライカ
ーをロック部材に対応する位置に固設し、操作ノブのい
ずれか１つの操作によって対応する一対のレバーを連動
してロック解除方向に揺動させてロック部材とストライ
カーとの係合を解除し、コンソールリッドを他方の一対
のストライカー回りに開閉可能となすようにしたので、
簡単な構成でコンソールリッドを確実にロックできる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるロック構造を備えた両
開きコンソールボックスを示す概略斜視図、第２図は上
記ロック構造を示す平面構成図、第３図は上記ロック構
造を示す正面断面構成図、第４図はリッドが開いた状態
の上記ロック構造を示す断面構成図、第５図は上記ロッ
ク構造を示す側面断面構成図である。 ２……コンソールボックス、３……コンソール本体、４
……コンソールリッド、５……レバー、52……ロック
部、53……操作ノブ、６……コイルばね、７……ストラ
イカー。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンソールボックスの上部開口をリッドで
   封鎖し、該リッドを選択的に右開きまたは左開きとする
   ことができる両開きコンソールボックスにおいて、 上記リッドのコンソールボックスへの枢着部材として解
   除可能なロック部材を、上記リッドの前後左右の略四隅
   部に設け、ロック状態では上記リッドを上記コンソール
   ボックスに枢着し、 他方、上記ロック部材はそれぞれ対応するレバーで操作
   できるようにするとともに、上記リッドの左側または右
   側にそれぞれ位置する２個のレバーは対応する２個のロ
   ック部材が同時にロック解除となるように連動し、左右
   側いずれか１側のロック解除状態では上記リッドはロッ
   ク状態のロック部材を枢着点としてロック解除側からロ
   ック側に開放可能で、 上記リッドの前後左右の略四隅部に上記各レバーの操作
   ノブを設け、そのいずれか１つを操作することにより、
   リッドの前後左右いずれからでも該リッドを選択的に右
   開きまたは左開きとすることができるように構成したこ
   とを特徴とする両開きコンソールボックスのロック構
   造。