JP2553873B2 - 小型船の機関室 - Google Patents

小型船の機関室

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JP2553873B2 JP62180277A JP18027787A JP2553873B2 JP 2553873 B2 JP2553873 B2 JP 2553873B2 JP 62180277 A JP62180277 A JP 62180277A JP 18027787 A JP18027787 A JP 18027787A JP 2553873 B2 JP2553873 B2 JP 2553873B2
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、小型船の機関室であって、特に、機関と
減速逆転機とが自在継手を介して離れて配置されたもの
に関する。
従来の技術 従来の小型船においては、例えば、特開昭60−183291
号公報にも示されているように、機関と減速逆転機とが
相互に直結されており、そのため、機関室はそれほど大
きくなく、その上部の甲板への騒音透過量も比較的少な
く、甲板上での騒音についてそれほど配慮する必要はな
かった。
しかしながら、最近、機関室の高さを低くするため、
機関のクランク軸とプロペラシャフトとを相互に傾斜さ
せる所謂アングルドライブやV形ドライブ形式のものが
採用されるようになっている。このような、アングルド
ライブ或いはV形ドライブにおいて、船体振動を低減す
るため機関を防振支持すると同時に機関と減速逆転機と
を自在継手を介して離して配置すると、必然的に、これ
らの機関及び減速逆転機を収納する機関室の前後方向の
長さが長くなり、機関室側に対応する甲板面積も大きく
なるため、その甲板側への機関室からの騒音の透過量が
大きくなるという不都合があり、そのような騒音対策が
必要となってきている。
この発明は、減速逆転機と機関とを離して配置した小
型船において、甲板側への騒音透過量を低減させること
を目的としてなされたものである。
問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、この発明では、機関
(1)と減速逆転機(3)とが自在継手(4)を介して
離れて配置された小型船の機関室(2)において、機関
(1)側と減速逆転機(3)側とを隔壁(14)で仕切
り、且つ、少なくとも減速逆転機(3)側の天井壁部を
二重壁とすることにより、機関(1)上方部の甲板
(7)と減速逆転機(3)との間に遮音材料からなる遮
音壁を設けるとともに、減速逆転機側室(13)上部の二
重壁部分を機関側室(12)への換気用ダクト(17)とす
るとともに、この換気用ダクト(17)と、減速逆転機側
室(13)上部に設けられた操舵室(10)上部の消音ボッ
クス(21)とを、その操舵室(10)側壁に形成した連絡
用ダクト(20a)(20b)を介して連結させるとともに、
この消音ボックス(21)に換気の入口(25)・出口(2
6)を形成した小型船の機関室構造が得られる。
作用 この発明によれば、上記のように、減速逆転機(3)
と甲板(7)側との間に遮音壁(14)(16)が形成され
ているため、少なくともこの遮音壁が形成されている部
分については、機関室(2)と甲板(7)との間が二重
の壁構造となっていることとなり、それだけ甲板(7)
側への騒音透過量が減少することになる。
実施例 この発明の実施例について説明すると、第1図は、こ
の発明により、遮音壁を減速逆転機側室と機関側室との
間、及び、減速逆転機側室の天井壁部の双方に設けたも
のを示している。図において、(1)は、機関室(2)
の前部側に、防振支持された機関であり、同じく機関室
(2)の後部側に取り付けられた減速逆転機(3)とこ
の機関(1)とが、自在継手(4)を介して相互に離し
て連結されている。(5)は、機関(1)のクランク軸
線と傾斜するように配置されたプロペラ軸であり、機関
室(2)より船体後方部へ突出し、その先端部にプロペ
ラ(6)が取り付けられる。機関室(2)は、甲板
(7)を構成する蓋(8)によって覆われており、この
蓋(8)の裏面に吸音材(9)が張り付けられている。
他方、減速逆転機(3)に対応する部分には、操舵室
(10)が設けられており、この操舵室(10)の床板(1
1)が減速逆転機(3)上方の天井壁になるが、この床
板(11)の裏面にも吸音材(9)が張り付けられてい
る。
このような構成において、この実施例では、まず、機
関室(2)を、機関(1)を配置した機関側室(12)
と、減速逆転機(3)を配置した減速逆転機側室(13)
とに仕切るよう、これら機関(1)と減速逆転機(3)
との間が隔壁(14)によって仕切られるとともに、この
隔壁(14)を貫通して前記自在継手(4)が連結されて
おり、その自在継手(4)の周りに、機関側室(12)と
減速逆転機側室(13)とを連絡する換気用連絡孔(15)
が形成されている。更に、減速逆転機側室(13)の上部
には、前記床板(11)との間に間隔をおいてダクト形成
用の上部壁(16)が形成され、これによって、床板(1
1)と上部壁(16)との間に、床板(11)上方への騒音
の伝達を防止する前後方向の換気用消音ダクト(17)が
形成されている。第3図で示すように、換気用消音ダク
ト(17)は、その中間部に配置した境界壁(18)によっ
て左右に仕切られ、その一方が換気入口消音ダクト(17
a)、他方が換気出口消音ダクト(17b)とされて、その
前部が隔壁(14)の上方において機関側室(12)へ開口
している。これらの換気用消音入口・出口ダクト(17
a)(17b)の後端部分より連通して、操舵室(10)の側
壁部に、それぞれ入口及び出口用の連絡ダクト(20a)
(20b)が形成され、これらのダクト(20a)(20b)
が、略垂直に上方へ起ち上がった後、操舵室(10)の屋
根部に設けた消音ボックス(21)へ連通している。第2
図に示すように、この消音ボックス(21)は、対角線方
向の境界壁(22)によって、前部側の入口消音室(23)
と後部側の出口消音室(24)とに区画形成され、入口用
連絡ダクト(20a)の上部開口部がこの入口消音室(2
3)に開口し、同じく、出口用連絡ダクト(20b)の上部
開口部が、出口消音室(24)に開口している。これらの
入口・出口消音室(23)(24)には、その前側面又は後
側面に、入口(25)又は出口(26)が形成されるととも
に、第4図で示すように、その入口(25)又は出口(2
6)は、外部からの雨水や波しぶき等が侵入しないよ
う、多数の羽板(27)を配置したがらり構造となってい
る。また、第1図で示す減速逆転機側室(13)と出口消
音ダクト(17b)との境界の排出口(19)に換気ファン
(28)が取り付けられている。
第5図で示すように、機関側室(12)と減速逆転機側
室(13)とを仕切る隔壁(14)には、その中央部分に両
室(12)(13)を連絡する出入口(29)が形成され、こ
の出入口(29)を、蝶番(30)によって開閉自在に取り
付けられた遮音材料の扉(31)で覆っている。(32)
は、この扉(31)の下側における出入口(29)部分を覆
う下板を示している。(33)は、隔壁(14)を貫通して
設けた機関(1)の排気管である。
上記の構成によれば、機関室(2)内を換気するため
の空気は、消音ボックス(21)の入口(25)よりその消
音室(23)を通って、連絡ダクト(20a)から入口消音
ダクト(17)を通って機関側室(12)内に入る。そし
て、この機関側室(12)から、前記の連絡孔(15)を介
して減速逆転機側室(13)内に入ることになり、出口側
の換気消音ダクト(17b)から出口用連絡ダクト(20b)
を通って出口側消音室(24)に入り、その出口(26)よ
り後方へ排出される。このように、操舵室(10)上部に
設けた消音ボックス(21)より換気を取り入れ或いは排
出するようにしており、その出口(26)や入口(25)か
ら出た騒音は、甲板(7)上の作業者の上方を通り抜け
るので、甲板(7)上での騒音が大幅に低減される。ま
た、換気は、操舵室(10)上部の前部側に設けた入口
(25)より取り入れるので、操舵室(10)上部の高いと
ころにあって前方に遮るものがなく、換気の流入量が増
大するといった利点がある。出口(26)からの暖かい空
気の入口への回り込みもない。なお、消音ボックス(2
1)の底板即ち操舵室(10)の天井壁は、消音ダクト(1
7)と消音ボックス(21)による2重の消音機構によっ
て充分消音されているので、薄いものであっても操舵室
(10)内への騒音透過量は非常に少ないものとなる。
上記において、この実施例では、減速逆転機側室(1
3)と甲板(7)との間に、隔壁(14)と天井側の上部
壁(16)の双方を設けているが、その一方だけでも、甲
板(7)との間に遮音壁部分が存在することになるか
ら、甲板(7)側への騒音の透過量が減少することにな
る。
第6図及び第7図は、上記開閉扉(31)の他の取付け
方法を示したもので、柔軟な遮音材料からなる開閉扉
(31)の上端を、前記出入口(29)の上部部分で隔壁
(14)へ固定し、その下側を、減速逆転機側室(13)側
へ折り曲げて開閉可能とし、閉じた状態においては下板
(32)や隔壁(14)のフック(35)へゴムバンド(34)
で連結しておき、開いた状態では、前記の仕切り壁(1
6)に取り付けたフック(36)へ同じくゴムバンド(3
4)を係止しておくようにしている。
第8図及び第9図は、この発明の別の実施例であり、
機関側室(12)と減速逆転機側室(13)とを仕切る隔壁
(14)の左右両側に、入口及び出口側の消音ボックス
(41)(42)を形成して、夫々前記の入口又は出口ダク
ト(17a)(17b)と連結させたものである。即ち、自在
継手(4)が通る中央部分を除いて、隔壁(14)の左右
両側を二重壁のボックス構造とし、それによって形成さ
れた入口側消音ボックス(41)の入口(43)を機関側室
(12)へ、出口側消音ボックス(42)の出口(44)を減
速逆転機側室(13)へ夫々開口したものである。それら
の入口(43)及び出口(44)には換気ファン(28)(2
8)が取り付けられるとともに、各ボックス(41)(4
2)の内面に吸音材(9)が貼り付けてある。
発明の効果 以上のように、この発明によれば、機関と減速逆転機
とが自在継手を介して離れて配置されたものにおいて、
減速逆転機側室と甲板との間に遮音壁を形成しているこ
とから、甲板側と機関室との間の一重壁構造の部分がそ
れだけ減少し、甲板側への騒音透過量が大幅に低減され
るという効果がある。また、操舵室上部に設けた消音ボ
ックスより換気を取り入れ或いは排出するようにしてい
ることから、その出口や入口から出た騒音は、甲板上の
作業者の上方を通り抜けるので、甲板上での騒音が大幅
に低減される。しかも、換気を取り入れる入口は、操舵
室上部に設けられているので、高いところにあって遮る
ものがなく、換気の流入量が増大するといった利点があ
る。加えて、消音ボックスの底板即ち操舵室の天井壁
は、消音ダクトと消音ボックスによる二重の消音機構に
よって充分消音されることになるので、薄いものであっ
ても操舵室内への騒音透過量は非常に少ないものとな
る。
更に、機関室は、消音ボックスに形成した換気の入口
・出口により、換気が良好に(特に航走中は顕著に)行
われることから、その室内容積を充分に小さくしても機
関の冷却性及び換気性能が損なわれることがなく、した
がって、その天井部を構成する蓋を低くして、その蓋の
上面の甲板の前方から後方床板面にかけて平坦面状に構
成でき、小型船でありながら、その甲板を含むその前後
周囲における漁労作業場所を広範に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例を示す小型船の要部縦断側
面図、第2図は、消音ボックスの平面図、第3図は、操
舵室の要部横断面図、第4図は、消音ボックスに形成し
た入口部分の拡大縦断面図、第5図は、船体を横断して
示す隔壁部分の左半部の正面図、第6図は、この発明の
他の実施例を示す隔壁部分の要部正面図、第7図は、同
じく隔壁部分の縦断面図、第8図は、この発明の別の実
施例を示す隔壁部分の垂直横断面を示し、第9図は、同
じく隔壁の上部部分で横断した水平横断面図である。 (1)……機関、(2)……機関室、 (3)……減速逆転機、(7)……甲板、 (10)……操舵室、(12)……機関側室、 (13)……減速逆転機側室、(14)……隔壁、 (16)……上部壁、 (17a)(17b)……換気用消音ダクト、 (20a)(20b)……連絡用ダクト、 (21)……消音ボックス。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関と減速逆転機とが自在継手を介して離
    れて配置された小型船の機関室において、機関側と減速
    逆転機側とを隔壁で仕切り、且つ、少なくとも減速逆転
    機側の天井壁部を二重壁とすることにより、機関上方部
    の甲板と減速逆転機との間に遮音材料からなる遮音壁を
    設けるとともに、減速逆転機側室上部の二重壁部分を機
    関側室への換気用ダクトとするとともに、この換気用ダ
    クトと、減速逆転機側室上部に設けられた操舵室上部の
    消音ボックスとを、その操舵室側壁に形成した連絡用ダ
    クトを介して連結させるとともに、その消音ボックスに
    換気の入口・出口を形成した小型船の機関室。
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