JP2552367B2 - 電動伸縮形アンテナ用クラッチ - Google Patents

電動伸縮形アンテナ用クラッチ

Info

Publication number
JP2552367B2
JP2552367B2 JP1233450A JP23345089A JP2552367B2 JP 2552367 B2 JP2552367 B2 JP 2552367B2 JP 1233450 A JP1233450 A JP 1233450A JP 23345089 A JP23345089 A JP 23345089A JP 2552367 B2 JP2552367 B2 JP 2552367B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driven
clutch
clutch element
base body
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1233450A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0396101A (ja
Inventor
清 手塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Harada Industry Co Ltd
Original Assignee
Harada Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Harada Industry Co Ltd filed Critical Harada Industry Co Ltd
Priority to JP1233450A priority Critical patent/JP2552367B2/ja
Publication of JPH0396101A publication Critical patent/JPH0396101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2552367B2 publication Critical patent/JP2552367B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Aerials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば自動車などに装備される電動伸縮形
アンテナに好適な電動伸縮形アンテナ用クラッチに関す
る。
[従来の技術] 電動伸縮形アンテナは、モータを正回転または逆回転
させると、テレスコープ式のアンテナ素子が伸長または
縮小するように構成されている。アンテナ素子が伸長動
作または縮小動作を完了すると、このアンテナ素子はそ
れ以上は動作しない。このためアンテナ素子が伸長動作
完了状態または縮小動作完了状態になると、モータには
過大な荷重が急激に加わることになる。したがってこの
状態を放置すると、モータ巻線には過大な電流が流れつ
づけ、巻線の焼損などを招く。このような事態を回避す
るために、通常はモータ側とアンテナ側との中間にクラ
ッチを介在させている。
このクラッチは、アンテナの伸長動作または縮小動作
が完了したときに、駆動側クラッチ要素と従動側クラッ
チ要素とがスリップ動作して、モータ側とアンテナ側と
の結合を解除するものである。
従来の一般的なクラッチは、円盤状をなす駆動側クラ
ッチ板および従動側クラッチ板の各接合面に、互いに噛
合状態を呈する凹凸部を設け、この凹凸部を設けた接合
面どうしが圧接状態となるように、上記両クラッチ板の
背面を蓄勢された板ばね等により押圧する如く構成され
ている。
[発明が解決しようとする課題] 上記のように構成された従来のクラッチには、次のよ
うな欠点がある。
すなわち、従来のクラッチは駆動側クラッチ板および
従動側クラッチ板の各接合面どうしが直接接合しあうも
のとなっており、接合部が単一である。したがってアン
テナ素子が伸長動作または縮小動作を完了してクラッチ
が外れた状態になると、伸長時であっても縮小時であっ
ても上記単一の接合部が正方向または逆方向にスリップ
動作し、各接合面に設けてある凹凸部が激しく擦れ合
う。その結果、アンテナ素子の伸長動作および縮小動作
が行なわれる毎に、上記各接合面の凹凸部に磨耗が生じ
ることになる。この摩耗により、比較的短い期間内にク
ラッチ圧力が規定レベル以下になり、正常なクラッチ機
能を発揮できなくなるという欠点があった。
また上記凹凸部が擦れ合うことにより、かなり大きな
騒音が発生するという欠点があった。
また上記構成の従来型のクラッチは、単一の接合部が
正逆方向にスリップ動作する構造のものであるため、ア
ンテナ素子の伸長時のクラッチ圧力と縮小時のクラッチ
圧力とを、所要の異なるレベルに適確に設定することが
困難であった。したがって通常の場合は伸長時のクラッ
チ圧力と縮小時のクラッチ圧力とは同じレベルに設定さ
れていた。つまり本来は縮小時のクラッチ圧力は伸長時
のクラッチ圧力に比べて小さくてよいにも拘らず、伸長
時と同じクラッチ圧力に設定されていた。このため接合
部に無用な圧接力が働くことになり、この点でも摩耗を
増大させていた。
また従来型のクラッチは、クラッチが外れた状態では
凹凸部が単に瞬時的に係合離脱を繰り返す構造であるた
め、アンテナ素子が伸長動作または縮小動作を完了した
時の慣性モーメントを吸収して衝撃を緩和する緩衝機能
を、上記クラッチに持たせることは困難であった。した
がって従来のクラッチには緩衝装置としての利用は考え
られなかった。
本発明の目的は、以下の〜を満たす電動伸縮形ア
ンテナ用クラッチを提供することにある。
各接合面の摩耗が少なく、所定のクラッチ機能を長
期間にわたって安定に発揮することができること、 クラッチが外れた状態での騒音が小さいこと。
アンテナ素子の伸長時のクラッチ圧力と縮小時のク
ラッチ圧力とを、所要の異なるレベルに適確に設定する
ことができ、接合部に無用な圧接力が働くのを回避でき
ること。
アンテナ素子の伸長動作完了時または縮小動作完了
時における緩衝装置としても利用可能であること。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決し目的を達成するために、本発明では
次のような手段を講じた。
モータ動力により回転する有底筒状の駆動側基体と、
この駆動側基体の開口部に対し当該開口部を対向して配
置され且つ回転することによりアンテナ素子を伸長また
は縮小させる有底筒状の従動側基体と、前記駆動側基体
と前記従動側基体との間に介在し上記駆動側基体の回転
力を上記従動側基体に伝達するクラッチ要素とを備えた
ものとする。
そして前記クラッチ要素は、前記駆動側基体の開口部
内にスラスト方向へは摺動自在でラジアル方向へは回転
不能な状態に収容され且つ外表面に円周方向に沿って正
回転方向を向く第1の鋸歯部を設けた円盤状をなす駆動
側クラッチ要素と、前記従動側基体の開口部内にスラス
ト方向へは摺動自在でラジアル方向へは回転不能な状態
に収容され且つ外表面に円周方向に沿って正回転方向を
向く第2の鋸歯部を設けた円盤状をなす従動側クラッチ
要素と、一側面に前記第1の鋸歯部と噛合する第3の鋸
歯部を有し他側面に前記第2の鋸歯部と噛合する第4の
鋸歯部を有する円盤状をなす中間クラッチ要素と、この
中間クラッチ要素を前記駆動側クラッチ要素と前記従動
側クラッチ要素とで挾圧保持する如く前記駆動側クラッ
チ要素の背面と前記駆動側基体の底面との間に圧縮介挿
された駆動側スプリングおよび前記従動側クラッチ要素
の背面と前記従動側基体の底面との間に圧縮介挿された
従動側スプリングと、からなるものとする。
[作 用] 上記手段を講じた結果、次のような作用が生じる。す
なわち本クラッチは、駆動側クラッチ要素と中間クラッ
チ要素との間、および従動側クラッチ要素と中間クラッ
チ要素との間の二個所に接合部を有している。そして上
記二つの接合部がアンテナ素子の伸長時と縮小時とで、
それぞれ独立にスリッブ動作することになる。したがっ
て各接合部での摩耗が従来の二分の一となる。かくして
所定のクラッチ圧力が長期間にわたって安定に生じるこ
とになる。
また各鋸歯部は各クラッチ要素の一側面に円周方向に
沿って設けられているため、各鋸歯部のテーパ面は、
「捩じれ成分」を含んだ歪曲面となっている。このた
め、クラッチが外れた状態における各鋸歯部のテーパ面
どうしの係合離脱動作とくに衝接動作が比較的ソフトに
行なわれる。したがって従来の凹凸部どうしの係合離脱
動作に比べると、クラッチが外れた状態での騒音が小さ
いものとなる。
また二つの接合部がそれぞれ独立にスリップ動作する
構造になっているため、各接合部における鋸歯部の寸法
形状等を所要のものとなすことにより、アンテナ素子の
伸長時のクラッチ圧力と縮小時のクラッチ圧力とを所要
の異なるレベルに適確に設定することができる。その結
果、接合部に無用な圧接力が働くのを回避でき、その分
だけ摩耗を低減できる。
また本クラッチの接合部は、各鋸歯部のテーパ面どう
しが圧接摺動するように、駆動側クラッチ要素の背面と
駆動側基体の底面との間、および従動側クラッチ要素の
背面と従動側基体の底面との間に、駆動側スプリング,
従動側スプリングをそれぞれ圧縮介挿したものであるか
ら、クラッチが外れた状態において、クラッチ要素は軸
方向に沿ってリニアな後退動作を行なう。そこでこのリ
ニアな後退動作を利用することにより、アンテナ素子が
伸長動作または縮小動作を完了した時の慣性モーメント
を吸収し、衝撃を緩和する緩衝機能を持たせることが可
能となる。したがって本クラッチは、アンテナ素子の伸
長動作完了時または縮小動作完了時における緩衝装置と
しても利用することができる。
[実施例] 第1図〜第5図は本発明に係わる電動伸縮形アンテナ
用クラッチの一実施例を示す図で、第1図は分解斜視図
であり、第2図は右半面と左半面とを異なる位置で切断
して示す断面図である。また第3図は駆動側クラッチ要
素、従動側クラッチ要素、中間クラッチ要素を分解しか
つ直線的に展開して示す図、第4図はアンテナ素子伸長
完了時における中間クラッチ要素30Cと従動側クラッチ
要素30Bとの動きを示す図である。さらに第5図は鋸歯
部の一部を切欠して示す斜視図である。
第1図および第2図に示すように,本実施例のクラッ
チは、大別するとモータ動力により回転する有底円筒状
の駆動側基体10と、この駆動側基体10の開口部10aに対
し、当該開口部20aを対向させて配置され且つ回転する
ことによりアンテナ素子(不図示)を伸長または縮小さ
せる有底円筒状の従動側基体20と、前記駆動側基対10と
前記従動側基体20との間に介在し上記駆動側基体10の回
転力を上記従動側基体20に伝達するクラッチ要素30とか
ら構成されている。
駆動側基体10は、本実施例においては後述するウォー
ムギア51と噛合するウォームホィールを構成するもので
あって、硬質合成樹脂等の材料にて有底円筒状に一体成
形され、その中心部に軸筒部11を有し、その外周面にギ
ヤ部12を有している。上記軸筒部11はアンテナ素子伸縮
機構40のフレーム41,42間に支持された軸芯43に対して
回転自在に嵌め込まれている。またギヤ部12はモータ回
転軸50の駆動部に設けられたウォームギヤ51に噛合して
いる。
従動側基体20は、本実施例においては平歯車を構成す
るものであって、駆動側基体10と同様に硬質合成樹脂等
の材料にて有底円筒状に一体成形され、その中心部に軸
筒部21を有し、その外周面にギヤ部22を有している。上
記軸筒部21は前記軸芯43に対して回転自在に嵌め込まれ
ている。またギヤ部22はアンテナ素子伸縮操作用のラッ
ク付きロープ60のラック61に噛合している。
クラッチ要素30は、円盤状をなす駆動側クラッチ要素
30Aと、円盤状をなす従動側クラッチ要素30Bと、円盤状
をなす中間クラッチ要素30Cと、駆動側スプリング30M
と、従動側スプリング30Nとからなっている。上記駆動
側クラッチ要素30A,従動側クラッチ要素30B,中間クラッ
チ要素30Cはそれぞれ硬質合成樹脂等の材料で一体成形
されている。
駆動側クラッチ要素30Aは、その中心孔を前記駆動側
基体10の軸筒11に嵌合させた状態で、上記駆動側基体10
の開口部内に、スラスト方向へは摺動自在でラジアル方
向へは回転不能な如く収容されている。そしてその外表
面(図中上面)には、第3図示の如く円周方向に沿って
正回転方向aを向く第1の鋸歯部31が設けられている。
従動側クラッチ要素30Bは、その中心孔を前記従動側
基体20の軸筒21に嵌合させた状態で、上記従動側基体20
の開口部内に、スラスト方向へは摺動自在でラジアル方
向へは回転不能な如く収容されている。そしてその外表
面(図中下面)には、第2図示の如く円周方向に沿って
同じく正回転方向aを向く第2の鋸歯部32が設けられて
いる。ただし上記第2の鋸歯部32は、第1の鋸歯部31と
対向するように図中下側面に形成されている。
中間クラッチ要素30Cは、一側面に前記第1の鋸歯部3
1と噛合する第3の鋸歯部33を有しており、他側面に前
記第2の鋸歯部32と噛合する第4の鋸歯部34を有してい
る。
駆動側スプリング30Mおよび従動側スプリング30Nは、
例えば弾性金属線材を螺旋状に巻回したコイルスプリン
グであり、中間クラッチ要素30Cが第3図に太矢印で示
すように前記駆動側クラッチ要素30Aと前記従動側クラ
ッチ要素30Bとで挾圧保持される如く上記各要素30A,30B
に対し押圧力を与えるものである。すなわち、駆動側ス
プリング30Mは前記駆動側クラッチ要素30Aの背面と前記
駆動側基体10の内底面との間に圧縮介挿されている。ま
た従動側スプリング30Nは前記従動側クラッチ要素30Bの
背面と前記従動側基体20の内底面との間に圧縮介挿され
ている。なお35および36は駆動側クラッチ要素30Aの背
面および従動側クラッチ要素30Bの背面にそれぞれ設け
たコイルスプリング保持溝である。
次に上記の如く構成された本実施例の動作を説明す
る。本クラッチをアンテナ素子伸縮機構40に実装し、ア
ンテナ素子(不図示)を伸長させるべくモータ回転軸50
をa方向に正回転させると、その回転力がウォームギヤ
51,ギヤ部12を介して駆動側基体10に伝達される。駆動
側基体10がa方向に正回転すると、その回転力は駆動側
クラッチ要素30Aに伝わる。駆動側クラッチ要素30Aがa
方向に正回転すると、この駆動側クラッチ要素30Aの第
1の鋸歯部31に対し一方の鋸歯部33がスリップ不能な向
きに噛合している中間クラッチ要素30Cがa方向に正回
転する。中間クラッチ要素30Cが回転すると、この中間
クラッチ要素30Cの他方の鋸歯部34に対し第2の鋸歯部3
2が噛合している従動側クラッチ要素30Bが回転しようと
する。ただしこのとき、鋸歯部34に対し鋸歯部32はスリ
ップ可能な向きに噛合している。したがって従動側基体
20で駆動しようとしているアンテナ素子側の負荷条件如
何等によっては接合部C2にスリップが起こり得る。しか
るにアンテナ素子の伸長動作期間中においては、アンテ
ナ素子側の荷重が比較的小さいため、接合部C2に働く従
動側スプリング30Nの復元力による係止力が上記荷重を
上回っている。このため接合部C2にスリップは生じず、
従動側クラッチ要素30Bは中間クラッチ要素30Cと共にa
方向に正回転する。従動側クラッチ要素30Bが回転する
と、これに伴なって従動側基体20がa方向に正回転す
る。このため従動側基体20のギヤ部22にラック61が噛合
しているラック付きロープ60は、従動側基体20の回転に
伴なって矢印Oで示すロープ長手方向(外方)へ移送さ
れ、アンテナ素子を伸長動作させる。
アンテナ素子の伸長動作が完了すると、従動側基体2
0、従動側クラッチ要素30Bの回転も停止する。この状態
はアンテナ素子側の荷重が過大となり、その荷重が従動
側スプリング30Nの復元力による係止力を上回った状態
である。したがって第3図において駆動側クラッチ要素
30Aおよび中間クラッチ要素30Cが共に矢印aの方向へ回
転を続けるのに対し、従動側クラッチ要素30Bは回転停
止状態を保つ。このため鋸歯部32と鋸歯部34のテーパ面
どうしが強い摩擦を生じながら係合離脱動作を繰り返し
て摺動する。このときの係合離脱動作の1ステップに着
目すると、第4図に示すように中間クラッチ要素30Cが
矢印X方向へ進むのに伴なって、鋸歯部34の各テーパ面
と鋸歯部32の各テーパ面との相対的摺接動作により従動
側クラッチ要素30Bは従動側スプリング30Nの復元力に抗
して矢印+Y方向(軸方向)へ、また中間クラッチ要素
30Cは駆動側クラッチ要素30Aと共に駆動側スプリング30
Mの復元力に抗して上記とは反対に−Y方向へリニアな
動きにて後退する。中間クラッチ要素30Cが鋸歯部32,34
の1ピッチ分進むと鋸歯部どうしが段差部に落ち込み、
軸方向の元の位置へ復帰する。つまり最初の噛合状態に
戻る。このようにして従動側クラッチ要素30Bと従動側
基体20を除いたモータ側の部分のみが回転する。つまり
クラッチが外れた状態となり、アンテナ側とモータ側と
の結合が解除される。
このような状態になった後、周知の上限リミットスイ
ッチが作動し、モータの電源が遮断される。かくして駆
動側基体10および駆動側クラッチ要素30Aおよび中間ク
ラッチ要素30Cの回転動作は停止する。なおアンテナ素
子は電動伸縮形アンテナ用クラッチのクラッチ圧力およ
びウォームホィールとしてのギヤ部12とウォームギヤ51
とのギヤ構造に基づく逆転阻止力伸長状態に保持され
る。
アンテナ素子を縮小すべくモータ回転軸50を逆回転さ
せると、駆動側基体10および駆動側クラッチ要素30Aは
前述したアンテナ素子の伸長動作時とは反対方向へ回転
する。駆動側クラッチ要素30Aが逆回転すると、この駆
動側クラッチ要素30Aの鋸歯部31に対し一方の鋸歯部33
が噛合している中間クラッチ要素30Cが回転しようとす
る。このとき鋸歯部31と33とはスリップ可能な向きで噛
合している。したがってアンテナ素子側の負荷条件次第
によってはスリップが起こり得る。しかるにアンテナ素
子の縮小動作中においては、アンテナ素子側の荷重が比
較的小さく、接合部C1に働く駆動側スプリング30Mの復
元力による係止力が上記荷重を上回っている。このため
中間クラッチ要素30Cは駆動側クラッチ要素30Aと共に回
転する。中間クラッチ要素30Cが回転すると、この中間
クラッチ要素30Cの他方の鋸歯部34に対し第2の鋸歯部3
2がスリップ不能な向きに噛合している従動側クラッチ
要素30Bが回転する。かくして従動側基体20は駆動側基
体10と同一方向へ回転する。したがって、アンテナ素子
の縮小動作が行なわれる。アンテナ素子の縮小動作が完
了すると、前述した場合と同様にクラッチが外れた状態
になる。ただし今回の場合は第1の鋸歯部31と第3の鋸
歯部33との間の接合部C1でスリップが起こる。その後、
下限リミットスイッチの動作によるモータ電源の遮断,
駆動側基体10および駆動側クラッチ要素30Aの回転停
止,アンテナ素子の縮小状態の保持、という一連の動作
がアンテナ素子の伸長動作が完了したときと同様に行な
われる。
上述した本実施例によれば、次のような作用効果が期
待できる。本実施例のクラッチは、駆動側クラッチ要素
30Aと中間クラッチ要素30Cとの間、および従動側クラッ
チ要素30Bと中間クラッチ要素30Cとの間の二個所に接合
部C1,C2をそれぞれ有している。そして上記二つの接合
部C1,C2がアンテナ素子の伸長時と縮小時とで、それぞ
れ独立に、かつ選択的にスリップ動作する。したがって
各接合部C1,C2での摩耗が従来の二分の一となる。かく
して所定のクラッチ圧力が長期間にわたって安定に生じ
ることになる。
また各鋸歯部31〜34は、各クラッチ要素30A,30B,30C
の一側面に、円周方向に沿って設けられているため、各
鋸歯部のテーパ面は、「捩じれ成分」を含んだ歪曲面と
なっている。すなわち第5図に示すように、テーパ面T
の高さHは一定で、内径側のピッチP1が外径側のピッチ
P2よりも小さい。このため内径側の傾斜角度θ1が外径
側の傾斜角度θ2よりも大きくなり、「捩じれ成分」を
含んだ歪曲面となる。したがってクラッチが外れた状態
における各鋸歯部31〜34のテーパ面どうしの係合離脱動
作とくに衝接動作が比較的ソフトに行なわれる。その結
果、従来の凹凸部どうしの係合離脱動作に比べると、ク
ラッチが外れた状態での騒音が小さいものとなる。
また二つの接合部がそれぞれ独立にかつ選択的にスリ
ップ動作する構造になっているため、各接合部における
鋸歯部の寸法・形状を所要のものにすれば、アンテナ素
子の伸長時のクラッチ圧力と縮小時のクラッチ圧力とを
所要の異なるレベルに適確に設定ることができる。その
結果、縮小時のクラッチ圧力を従来よりも小さく設定す
ることができ、接合部に無用な圧接力が働くのを回避で
き、その分だけ摩耗を低減できる。
また本クラッチの接合部は、各鋸歯部のテーパ面どう
しが圧接摺動するように、駆動側クラッチ要素30Aの背
面と駆動側基体10の底面との間、および従動側クラッチ
要素30Bの背面と従動側基体20の底面との間に、駆動側
スプリング35および従動側スプリング36をそれぞれ圧縮
介挿したものである。したがってクラッチが外れた状態
において、第4図にその一例を示すように、クラッチ要
素30Aないし30Cはスリップが生じた接合部を境として軸
方向に沿って反対方向へリニアな後退動作を行なう。そ
こでこのリニアな後退動作を利用し、各鋸歯部のテーパ
面どうしの圧接摺動が一つの鋸歯部内でのみ行なわれる
ように、駆動側クラッチ要素30Aおよび従動側クラッチ
要素30Bの後退許容量を規制すれば、アンテナ素子が伸
長動作または縮小動作を完了した時の慣性モーメントを
スプリング30Mおよび30Nで吸収して衝撃を緩和する緩衝
機能を持たせることが可能となる。したがって本クラッ
チは、アンテナ素子の伸長動作完了時または縮小動作完
了時に、モータに流れる過大電流を検知してモータ電源
を遮断するようにした電子制御方式の電動伸縮形アンテ
ナにおける緩衝装置としても利用することが可能とな
る。
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であ
るのは勿論である。
[発明の効果] 本発明によれば、各接合面の摩耗が少なく所定のクラ
ッチ機能を長期間にわたって安定に発揮することがで
き、クラッチが外れた状態での騒音が小さく、アンテナ
素子の伸長時のクラッチ圧力と縮小時のクラッチ圧力と
を所要の異なるレベルに適確に設定することができ、接
合部に無用な圧接力が働くのを回避できる上、アンテナ
素子の伸長動作完了時または縮小動作完了時における緩
衝装置としても利用可能な電動伸縮形アンテナ用クラッ
チを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は本発明の一実施例に係る電動伸縮形ア
ンテナ用クラッチを示す図で、第1図は上記クラッチの
分解斜視図、第2図は右半面と左半面とを異なる位置で
切断して示す上記クラッチの断面図、第3図は駆動側ク
ラッチ要素と従動側クラッチ要素と中間クラッチ要素と
の三者を分離し且つこれらを直線的に展開して示す図、
第4図はアンテナ素子伸長完了時における中間クラッチ
要素と従動側クラッチ要素との動きを示す図、第5図は
鋸歯部の一部を切欠して示す斜視図である。 10……駆動側基体、11……軸筒部、12……ギヤ部、20…
…従動側基体、21……軸筒部、22……ギヤ部、30……ク
ラッチ要素、30A……駆動側クラッチ要素、30B……従動
側クラッチ要素、30C……中間クラッチ要素、31〜34…
…第1〜第4の鋸歯部、35……駆動側スプリング、36…
…従動側スプリング、37,38……スプリング保持溝、40
……アンテナ素子伸縮機構、41,42……フレーム、50…
…モータ回転軸、51……ウォームギヤ、60……ラック付
きロープ、61……ラック。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータ動力により回転する有底筒状の駆動
    側基体と、この駆動側基体の開口部に対し当該開口部を
    対向して配置され且つ回転することによりアンテナ素子
    を伸長または縮小させる有底筒状の従動側基体と、前記
    駆動側基体と前記従動側基体との間に介在し上記駆動側
    基体の回転力を上記従動側基体に伝達するクラッチ要素
    とを備え、 前記クラッチ要素は、前記駆動側基体の開口部内にスラ
    スト方向へは摺動自在でラジアル方向へは回転不能な状
    態に収容され且つ外表面に円周方向に沿って正回転方向
    を向く第1の鋸歯部を設けた円盤状をなす駆動側クラッ
    チ要素と、前記従動側基体の開口部内にスラスト方向へ
    は摺動自在でラジアル方向へは回転不能な状態に収容さ
    れ且つ外表面に円周方向に沿って逆回転方向を向く第2
    の鋸歯部を設けた円盤状をなす従動側クラッチ要素と、
    一側面に前記第1の鋸歯部と噛合する第3の鋸歯部を有
    し他側面に前記第2の鋸歯部と噛合する第4の鋸歯部を
    有する円盤状をなす中間クラッチ要素と、この中間クラ
    ッチ要素を前記駆動側クラッチ要素と前記従動側クラッ
    チ要素とで挾圧保持する如く前記駆動側クラッチ要素の
    背面と前記駆動側基体の内底面との間に圧縮介挿された
    駆動側スプリングおよび前記従動側クラッチ要素の背面
    と前記従動側基体の内底面との間に圧縮介挿された従動
    側スプリングと、からなることを特徴とする電動伸縮形
    アンテナ用クラッチ。
JP1233450A 1989-09-08 1989-09-08 電動伸縮形アンテナ用クラッチ Expired - Lifetime JP2552367B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1233450A JP2552367B2 (ja) 1989-09-08 1989-09-08 電動伸縮形アンテナ用クラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1233450A JP2552367B2 (ja) 1989-09-08 1989-09-08 電動伸縮形アンテナ用クラッチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0396101A JPH0396101A (ja) 1991-04-22
JP2552367B2 true JP2552367B2 (ja) 1996-11-13

Family

ID=16955235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1233450A Expired - Lifetime JP2552367B2 (ja) 1989-09-08 1989-09-08 電動伸縮形アンテナ用クラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2552367B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0396101A (ja) 1991-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0209666B1 (en) Angular position adjusting means
JPH03121946A (ja) 回動装置のトルクリミッタ機構
EP0617676A1 (en) Double enveloping worm and gear seat recliner
JP2017115404A (ja) 車両用ドア開閉装置
JPH08322189A (ja) 電動式リニアアクチュエータ
CN107264408A (zh) 视觉辨认装置的视觉辨认角度调整机构
JP2552367B2 (ja) 電動伸縮形アンテナ用クラッチ
JP4825331B2 (ja) 車両用アクティブサスペンション装置
JP4993225B2 (ja) 操作ハンドルのトルク解放機構
JP2780111B2 (ja) ねじり緩衝装置
JPWO2020032130A1 (ja) ステアリングホイールの電動位置調節装置
JP4116848B2 (ja) 小型モータ式電動アクチュエータ
JP2010106948A (ja) リミッタ付きダンパ
JP7343595B2 (ja) 駆動力伝達機構、及び入力要素から出力要素への回転運動の伝達を停止する方法
JP3436883B2 (ja) 回転方向切換機構
JP3612156B2 (ja) トルクコンバータのロックアップダンパー及びダンパー機構
JPH10309060A (ja) 電動式リニアアクチュエータ
JP2002059388A (ja) 回転型アクチュエータおよび回転型アクチュエータを有する歩行ロボット
JP3325083B2 (ja) クラッチ
JPH09222153A (ja) リニアアクチュエータ
JPH09224348A (ja) 電動式リニアアクチュエータ
JPH066570Y2 (ja) 電動伸縮アンテナ駆動制御装置
JPS635160A (ja) エンジン始動装置
JP2533217B2 (ja) 電動伸縮形アンテナ駆動制御装置
JPH0713288Y2 (ja) 電動伸縮アンテナ用クラッチ