JP2552294Y2 - 天井埋込形空気調和機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は天井内に埋込むことによ
って設置される天井埋込形空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の天井埋込形空気調和機の１例が図
３に示されている。天井１内に埋設されたユニット本体
２の内部には熱交換器７、ドレンパン10、送風機６、モ
−タ５、導風板12等が配置され、このユニット本体２に
はその下部開口を覆う天井パネル８が着脱自在に装着さ
れている。

【０００３】天井パネル８の中央部には吸込口３が形成
され、この吸込口３の両側には吹出口４が形成されてい
る。吸込口３には吸込グリル11が嵌合され、吸込グリル
の上側にエアフィルタ13が着脱自在に係止されている。

【０００４】モ−タ５によって送風機６を駆動すると、
室９内の室内空気が吸込口３から吸込グリル11及びエア
フィルタ13を通過し、導風板12に案内されて送風機６に
吸入されて付勢される。次いで、熱交換器７を流過する
過程で冷却又は加熱されることにより調和空気となって
吹出口４から室９内に吹き出される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】上記天井埋込形空気調
和機の累積運転時間が長くなると、エアフィルタ13はこ
れに捕捉された塵埃によって目詰まりして通気抵抗が増
大するのみならず空気調和機の能力が低下する。

【０００６】そこで、エアフィルタ13が目詰まりする度
に又は予め設定した累積運転時間が経過する度に、作業
者が脚立上に乗って天井パネル８又はエアフィルタ13を
取り外した後、エアフィルタ13を洗浄したり、新しいエ
アフィルタに交換していたため、エアフィルタ13の洗
浄、交換には多大の手数及び時間を要するという問題が
あった。

【０００７】そして、天井パネル８及びエアフィルタ13
は大型で大重量であり、しかも、この着脱作業は脚立上
の高所作業になるため、危険であり、かつ、多大の労力
を要するという問題があった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は上記課題を解決
するために提案されたものであって、第１の考案の要旨
とするところは、熱交換器、送風機等を内蔵したユニッ
ト本体を天井内に埋設し、このユニット本体の下部に天
井パネル又はエアフィルタを着脱自在に装着してなる天
井埋込形空気調和機において、上記ユニット本体にモ−
タによって正逆回転駆動される回転ドラムを設け、この
回転ドラムに一端が巻着されたワイヤの他端を上記天井
パネル又はエアフィルタに連結するとともに、上記ワイ
ヤの繰出完了に伴って移動したワイヤに係合して上記モ
ータを停止するリミットスイッチを上記回転ドラムのワ
イヤ繰出位置の近傍に設置したことを特徴とする天井埋
込形空気調和機にある。

【０００９】第２の考案の要旨とするところは、熱交換
器、送風機等を内蔵したユニット本体を天井内に埋設
し、このユニット本体の下部に天井パネル又はエアフィ
ルタを着脱自在に装着してなる天井埋込形空気調和機に
おいて、上記ユニット本体にモ−タによって正逆回転駆
動される回転ドラムを設け、この回転ドラムに一端が巻
着されたワイヤの他端を上記天井パネル又はエアフィル
タに連結するとともに、上記ワイヤの途中にフックを設
け、このフックと係合したとき上記モータを停止するリ
ミットスイッチを上記ユニット本体に設置したことを特
徴とする天井埋込形空気調和機にある。

【００１０】

【作用】本考案においては、モータによって回転ドラム
を正逆回転駆動すると、ワイヤが回転ドラムに巻き取ら
れ又は回転ドラムから巻き戻され、これに伴って天井パ
ネル又はエアフィルタが昇降する。

【００１１】そして、請求項１の考案においては、ワイ
ヤが繰出完了に伴って移動したときこのワイヤに係合す
るリミットスイッチによりモータが停止せしめられる。

【００１２】また、請求項２の考案においては、ワイヤ
の途中に設けたフックにリミットスイッチが係合したと
きこのリミットスイッチによりモータが停止せしめられ
る。

【００１３】

【実施例】本考案の第１の実施例が図１に示され、(A)
は空気調和機の縦断面図、(B) は要部の略示的側面図で
ある。図１(A) に示すように、ユニット本体２の頂板2a
の下面にはモータ20によって正逆回転駆動される１つの
回転ドラム21が取り付けられている。

【００１４】この回転ドラム21には複数本のワイヤ22の
一端が巻着され、これら複数本のワイヤ22の他端は天井
パネル８の複数個所に連結されている。なお、ワイヤ22
は少なくとも３本以上用いるのが望ましく、これらワイ
ヤ22はそれぞれユニット本体２の適当個所に設置された
ガイドローラ23を経て天井パネル８の外周縁の複数個所
に止着するのが望ましい。

【００１５】回転ドラム21のワイヤ繰出位置の近傍には
図１(B) に示すように、ワイヤ22の繰出完了に伴って移
動したワイヤ22に係合してモータ20を停止するリミット
スイッチ35が設置されている。

【００１６】しかして、モータ20を逆転すると、回転ド
ラム21が逆転し、この回転ドラム21から複数本のワイヤ
22が巻き戻されて天井パネル８が水平状態のまま降下す
る。そして、床上の適当な高さに到達したとき、モータ
20が停止して床上の作業者が天井パネル８からエアフィ
ルタ13を取り外してこれを洗浄し又は新しいエアフィル
タと交換する。

【００１７】洗浄又は交換が終了すれば、エアフィルタ
13は天井パネル８に再び取り付けられ、そこでモータ20
を正転させることにより回転ドラム21が正転して回転ド
ラム21に複数本のワイヤ22が同時に巻き取られる。これ
によって天井パネル８が水平状態のまま上昇してユニッ
ト本体２の下面に到達したとき、モ−タ20を停止し、必
要あれば、モータ20又は回転ドラム21を錠止することに
よってその回転を阻止する。

【００１８】天井パネル８を降下させる場合、回転ドラ
ム21は図１(B) に示すように矢印方向に回転し、ワイヤ
22は実線で示すように回転ドラム21の下側から繰り出さ
れる。そして、ワイヤ22の一端が回転ドラム21に止着さ
れているため、天井パネル８の降下してワイヤ22の繰出
しが完了すると、ワイヤ22は矢印方向に回転する回転ド
ラム21に巻き取られることによって破線で示すように回
転ドラム21の上側に移動してリミットスイッチ35に接触
してこれを作動させることによりモータ20を停止させ
る。

【００１９】かくして、天井パネル８の降下完了によっ
て自動的にモータ20が停止するので、降下状態を目視し
て所定の高さに降下したときモータ20を停止するという
わずらわしさがなくなる。

【００２０】図２に本考案の第２の実施例が示されてい
る。ワイヤ22の途中にフック36を設けるとともにこのフ
ック36と係合してモータ20を停止させるリミットスイッ
チ37がユニット本体２に設置されている。

【００２１】しかして、天井パネル８の所定の高さに降
下したときフック36がリミットスイッチ37と係合してモ
ータ20が自動的に停止する。フック36のワイヤ22への取
付位置を変更することによって天井パネル８の降下高さ
を自由に変更できる。

【００２２】上記実施例においては、複数本のワイヤ22
を天井パネル８に連結しているが、エアフィルタ13の複
数個所に連結することができ、この場合はエアフィルタ
13及びこれに固定されている吸込グリル11等のみを昇降
させることができる。

【００２３】

【考案の効果】本考案においては、ユニット本体にモ−
タによって正逆回転駆動される回転ドラムを設け、この
回転ドラムに一端が巻着されたワイヤの他端を天井パネ
ル又はエアフィルタに連結したため、モータによって回
転ドラムを正逆回転させることによってエアフィルタ又
は天井パネルを昇降させることができ、従って、エアフ
ィルタの洗浄又は交換の手数及び時間が低減するととも
にこれら作業を容易、かつ、安全に行うことが可能とな
る。

【００２４】また、ワイヤの繰出完了に伴って移動した
ワイヤに係合してモータを停止するリミットスイッチを
回転ドラムのワイヤ繰出位置の近傍に設置したため、天
井パネル又はエアフィルタを自動的に所定の降下位置に
停止させることができ、従って、作業者が降下状態を終
始目視しながらモータを停止するという操作が不要とな
る。

【００２５】また、ワイヤの途中にフックを設け、この
フックと係合したときモータを停止するリミットスイッ
チをユニット本体に設置したため、天井パネル又はエア
フィルタを自動的に所定の降下位置に停止させることが
できるとともにフックのワイヤへの取付位置を変更する
ことによって天井パネル又はエアフィルタの降下位置を
容易に変更できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示し、(A) は空気調和
機の縦断面図、(B) は要部の略示的側面図である。

【図２】本考案の第２の実施例を示す要部の略示的側面
図である。

【図３】従来の空気調和機の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 天井 ２ ユニット本体 ７ 熱交換器 ６ 送風機 20 モータ 21 回転ドラム 22 ワイヤ ８ 天井パネル 13 エアフィルタ 35 リミットスイッチ

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱交換器、送風機等を内蔵したユニット
   本体を天井内に埋設し、このユニット本体の下部に天井
   パネル又はエアフィルタを着脱自在に装着してなる天井
   埋込形空気調和機において、 上記ユニット本体にモ−タによって正逆回転駆動される
   回転ドラムを設け、この回転ドラムに一端が巻着された
   ワイヤの他端を上記天井パネル又はエアフィルタに連結
   するとともに、上記ワイヤの繰出完了に伴って移動した
   ワイヤに係合して上記モータを停止するリミットスイッ
   チを上記回転ドラムのワイヤ繰出位置の近傍に設置した
   ことを特徴とする天井埋込形空気調和機。
2. 【請求項２】 熱交換器、送風機等を内蔵したユニット
   本体を天井内に埋設し、このユニット本体の下部に天井
   パネル又はエアフィルタを着脱自在に装着してなる天井
   埋込形空気調和機において、 上記ユニット本体にモ−タによって正逆回転駆動される
   回転ドラムを設け、この回転ドラムに一端が巻着された
   ワイヤの他端を上記天井パネル又はエアフィルタに連結
   するとともに、上記ワイヤの途中にフックを設け、この
   フックと係合したとき上記モータを停止するリミットス
   イッチを上記ユニット本体に設置したことを特徴とする
   天井埋込形空気調和機。