JP2004284807A - エレベータの除塵装置 - Google Patents

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Kiichiro Kondo
喜一郎 近藤
Takao Watanabe
隆雄 渡邊
Kotaro Matsuo
耕太郎 松尾
Hiroshi Chihara
弘 千原
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Abstract

【課題】フィルタに蓄積した塵埃の点検を不要とし、また、フィルタの交換頻度回数を低減することができるエレベータの除塵装置を得る。
【解決手段】エレベータのかご室2の天井3の一側に開口する吸気口4と他側に開口する排気口5とをかご室2の外方で連通する通風路6,7と、この通風路6,7の途中に設けられ、かご室2内の空気を吸気口4から吸い込み排気口5から吐き出す空調機8と、吸気口4側の通風路6,7に設けられ、循環する外気を濾過して塵埃を取り除くフィルタカセット10とを備え、フィルタカセット10は、長尺帯状のフィルタ体11と、このフィルタ体11の長手方向一端側が巻回されて回転時にフィルタ体11を巻き取る巻き取りロール13と、フィルタ体11の長手方向他端側が巻回されて回転時にフィルタ体11を送り出す供給ロールとを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータのかご室内の空気を循環させながら空気中の塵埃を取り除くエレベータの除塵装置に関し、特にこの除塵装置の濾過手段の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エレベータのかご室に空調装置を設置することにより、かご室内の冷暖房や除湿等を行えるようにしたエレベータが普及しつつある。そして、エレベータのかご室の天井に吸気口と排気口と形成し、この吸気口と排気口とをかご室の外方で連通する通風路を設け、この通風路の途中に冷房装置を設置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−92060号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の従来のエレベータの空調装置は、空調装置に設けられたフィルタには空気中から集塵した塵埃が付着する。そして、この塵埃の堆積量が多くなると空気の通過が悪くなり空調効率が低下する。そのため、フィルタを適宜清掃したり交換したりするなどして、ろ過能力が過度に低下しないように保全管理する必要がある。しかしながら、空調装置のフィルタの定期点検及び取り外し清掃作業等に関しては、空調装置がエレベータの上部に設置してあるので多大の労力を必要とし問題であった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、フィルタに蓄積した塵埃の点検を不要とし、また、フィルタの交換頻度回数を低減することができるエレベータの除塵装置を得ることを目標としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータの除塵装置は、エレベータのかご室の天井の一側に開口する吸気口と天井の他側に開口する排気口とをかご室の外方で連通する通風路と、通風路の途中に設けられ、かご室内の空気を吸気口から吸い込むとともに空気を排気口からかご室内に吐き出す空気循環機と、吸気口側の通風路に設けられ、循環する外気を濾過して塵埃を取り除くフィルタカセットとを備えたエレベータの除塵装置において、フィルタカセットは、長尺帯状のフィルタ体と、このフィルタ体の長手方向一端側が巻回されて回転時にフィルタ体を巻き取る巻き取りロールと、フィルタ体の長手方向他端側が巻回されて回転時にフィルタ体を送り出す供給ロールとを有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明のエレベータの除塵装置の実施の形態1を示すかご室上部の縦断面図である。また、図2は図1のフィルタカセットの正面図である。図3は図1のフィルタカセットの平面図である。図4は図3のIV−IV線に沿う矢視断面図である。本実施の形態の除塵装置1に関して以下に説明する。図1において、エレベータのかご室2の天井3の一側に吸気口4が形成されている。一方、天井3の他側に排気口5が形成されている。吸気口4と排気口5は、吊天井17の陰に隠れて乗客からは見えない位置に形成されている。
【0008】
かご室2の上方外方に空気循環機としての空調機8が配設されている。吸気口4と空調機8との間に両者を連通するように吸気ダクト6が設けられている。また、排気口5と空調機8との間に両者を連通するように排気ダクト7が設けられている。
【0009】
空調機8は、かご室2内の空気を吸気口4から吸い込み、この吸い込んだ空気に対して除湿或いは冷却等をした後、この空気を排気口5からかご室2内に吐き出す。空調機8は、このようにしてかご室2内の空気を循環させながらかご室2内の空調をする。吸気口4、吸気ダクト6、排気ダクト7及び排気口5は、循環する空気の通風路を形成している。
【0010】
天井3の吸気口4が形成された位置のかご室2外方側の面3aに、フィルタカセット10が着脱自在に設けられている。フィルタカセット10は、長尺帯状の、例えばサラン材からなるメッシュ地のフィルタ体11を有している。このフィルタ体11の長手方向の一端側は、巻き取りロール13に巻回されている。また、他端側は、供給ロール12に巻回されている。図4に示されるように、両ロール12、13の近傍には、フィルタ体11に所定の張力を与え、且つ所定の濾過領域面11aに広げる目的で、供給ロール側ガイドローラ12aと巻き取りロール側ガイドローラ13aが設けられている。巻き取りロール13には、駆動手段としての巻き取りモータ15が接続されている。そして、巻き取りモータ15には、制御手段としての制御器20が電気的に接続されている。
【0011】
制御器20は、フィルタカセット10を手動モードと自動モードとの間で切り換える手動・自動切換スイッチ20a、設定時間毎に巻き取りモータ15を駆動動作させるためのタイマ20b、及びフィルタ体11の巻き取り回数を計数するカウンタ20cを有している。
【0012】
次に、動作を含めてさらに説明する。エレベータのかご室2の天井3の一方に開口して設けられた吸気口4に連通する吸気ダクト6の吸気口4側にフィルタカセット10を取付ける。このフィルタカセット10は、中央に開口部10bが形成された取付枠10aを有している。そして、上述のように、長尺帯状のフィルタ体11と、このフィルタ体11の長手方向一端側が巻回されて回転時にこのフィルタ体11を巻き取る巻き取りロール13と、フィルタ体11の長手方向他端側が巻回されて回転時にフィルタ体11を送り出す供給ロール12とを有している。図3及び図4に示されるように、フィルタ体11は、供給ロール側ガイドローラ12aと巻き取りロール側ガイドローラ13aに支持されて、開口部10bに略一致する濾過領域面11aに広がる。そして、この濾過領域面11aには、図4に矢印で示すように通風路を循環する空気が通過する。
【0013】
制御器20は、空調機8が動作中の条件でタイマ20bを作動させる。タイマ20bの作動時間が予め設定されている設定時間、例えば20時間に達すると、制御器20は、巻き取りモータ15に対して駆動指令を発する。
【0014】
制御器20から駆動指令が発せられると、巻き取りモータ15は、予め設定された時間だけ駆動し、巻き取りロール13を所定回転数回転させてその後停止する。これにより、巻き取りロール13がフィルタ体11を所定長さ巻き取るとともに、供給ロール12が連動して回転し巻装状態のフィルタ体11を所定長さ送り出す。このようにして、フィルタカセット10は、巻き取りモータ15によって巻き取りロール13を所定量回転させることにより、長尺なフィルタ体11のうち塵埃に汚染されている部分を巻き取って、供給ロール12に巻回されていた未汚染部分を開口部10bを被覆するろ過領域に、濾過領域面11aとして露出させることができるので、煩雑な清掃作業を行うことなく、フィルタカセット10のろ過能力を良好な状態に保つことができる。
【0015】
しかも、このフィルタカセット10においては、制御器20が所望の周期ごとに巻き取りモータ15に対し駆動指令を発するので、エレベータによってばらつきがあるフィルタ体11の汚染進行速度に応じて前記周期を設定しておくことにより、どのようなエレベータであっても常に適切なタイミングで、フィルタ体11の汚染されている部分を巻き取って汚染されていない部分をろ過領域に露出させることができる。それゆえ、例えばフィルタ体11の汚染進行速度が速いエレベータの場合であっても、それに応じて巻き取りを行う周期を設定しておけば、ろ過能力が不所望に低下することなく良好に運転することができる。
【0016】
一方、巻き取りロール13による巻き取り動作が1回行われる毎に、カウンタ20cは、動作回数を1加算する。そして、この動作回数が設定回数(1つのフィルタカセット10が巻き取り動作を行え得る回数)に達すると、図示しない表示灯が点灯し、自動運転が停止するのでフィルタカセット10を交換する。そのため、フィルタ体11の全てが巻き取られ、未汚染部分がない状態で長時間放置されることが無くなり装置の機能性が向上する。
【0017】
このように、フィルタカセット10は、煩雑な清掃が不要であるだけでなく、前記周期を予め設定しておきさえすれば自動的にフィルタ体11の巻き取り交換が行えるというものなので、保全管理の作業性を著しく向上させることができる。
【0018】
このような構成の本実施の形態の除塵装置1は、エレベータのかご室2の天井3の一側に開口する吸気口4とこの天井の他側に開口する排気口5とをかご室2の外方で連通する通風路としての吸気ダクト6及び排気ダクト7と、この通風路の途中に設けられ、かご室2内の空気を吸気口4から吸い込むとともに、この空気を排気口5からかご室2内に吐き出す空気循環機としての空調機8と、吸気口4側の通風路に設けられ、循環する外気を濾過して塵埃を取り除くフィルタカセット10とを備え、フィルタカセット10は、長尺帯状のフィルタ体11と、このフィルタ体11の長手方向一端側が巻回されて回転時にフィルタ体11を巻き取る巻き取りロール13と、フィルタ体11の長手方向他端側が巻回されて回転時にフィルタ体11を送り出す供給ロールとを有する。そのため、煩雑な清掃が不要となる。
【0019】
さらに、フィルタカセット10は、巻き取りロール13を回転駆動する駆動手段としての巻き取りモータ15と、タイマ20bを有しこの巻き取りモータ15に対して予め設定した所定周期ごとに駆動指令を発する制御手段としての制御器20とを有する。そのため、フィルタの掃除が長期間不要となり、フィルタ取換えに要する作業が軽減されると共に、循環空気は常に未汚染のフィルタによって除塵されるので常に清浄な空気を乗客室に供給できる効果がある。
【0020】
尚、本実施の形態においては、空気循環機としての空調機8を備えているが、除塵機能だけを考えた場合には、少なくとも空気を循環させる機能を有すればよいので必ずしも空調機8でなくともよく、例えば、送風機、冷房機等であってもよい。
【0021】
また、本実施の形態の巻き取りモータ15は、制御器20から駆動指令が発せられると、予め設定された時間だけ駆動し、巻き取りロール13を所定回転数回転させてその後停止するが、これに限らず、フィルタ体11の移動に伴い回転する検出ローラを設けたり、巻き取りロール13に立設したピンがスイッチを蹴るような構造を用いたりして、これらの検出信号によって巻き取りモータ15の作動時間を制御し、巻き取りロール13の回転回数が所望のものとなるようにしてもよい。
【0022】
実施の形態2.
図5はこの発明のエレベータの除塵装置の実施の形態2を示すかご室上部の縦断面図である。また、図6は図5のフィルタカセットの正面図である。上述実施の形態1の除塵装置1おいては、フィルタカセット10は、天井3の吸気口4が形成された位置のかご室2外方側の面3aに、天井3と吸気ダクト6に挟まれて設けられていたが、本実施の形態の除塵装置101においては、フィルタカセット10は、天井3の吸気口4が形成された位置のかご室2内部側の面3bに設けられている。そして、本実施の形態の除塵装置101は、フィルタカセット10の下方に配設されたカバー16をさらに有している。
【0023】
図6に示されるように、カバー16は、天井3から支持されてフィルタカセット10の下方に所定の間隔を空けて設けられ、フィルタカセット10から落下した塵埃を捕獲する。尚、カバー16は、かご室2内から容易に着脱自在、または容易に開閉自在に設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0024】
このような構成の除塵装置101においては、フィルタカセット10は、天井3の吸気口4が形成された位置のかご室2内部側の面3bに設けられているので、制御器20の設定操作が容易にできるとともに、フィルタカセット10の交換を容易に行うことができる。
【0025】
実施の形態3.
図7はこの発明のエレベータの除塵装置の実施の形態3を示すかご室上部の縦断面図である。本実施の形態の除塵装置201においては、フィルタカセット10は、吸気ダクト6の水平部6aにフィルタ体11の濾過領域面11aが鉛直となるように設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0026】
このような構成の除塵装置201においては、フィルタカセット10は、吸気ダクト6の水平部6aにフィルタ体11の濾過領域面11aが鉛直となるように設けられているので、濾過領域面11aに堆積した塵埃が脱落しても吸気口4からかご室2内に落下することなく、乗客に不快を感じさせない効果がある。また、脱落した塵埃は水平部6aに残留するので定期点検の際に除去することができる。
【0027】
【発明の効果】
この発明の除塵装置は、エレベータのかご室の天井の一側に開口する吸気口とこの天井の他側に開口する排気口とをかご室の外方で連通する通風路としての吸気ダクト及び排気ダクトと、この通風路の途中に設けられ、かご室内の空気を吸気口から吸い込むとともに、この空気を排気口からかご室内に吐き出す空気循環機としての空調機と、吸気口側の通風路に設けられ、循環する外気を濾過して塵埃を取り除くフィルタカセットとを備え、フィルタカセットは、長尺帯状のフィルタ体と、このフィルタ体の長手方向一端側が巻回されて回転時にフィルタ体を巻き取る巻き取りロールと、フィルタ体の長手方向他端側が巻回されて回転時にフィルタ体を送り出す供給ロールとを有するので、煩雑な清掃が不要となり、さらに、フィルタカセットは、巻き取りロールを回転駆動する駆動手段としての巻き取りモータと、タイマを有しこの巻き取りモータに対して予め設定した所定周期ごとに駆動指令を発する制御手段としての制御器とを有する。そのため、フィルタの掃除が長期間不要となり、フィルタ取換えに要する作業が軽減されると共に、循環空気は常に未汚染のフィルタによって除塵されるので常に清浄な空気を乗客室に供給できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のエレベータの除塵装置の実施の形態1を示すかご室上部の縦断面図である。
【図2】図1の除塵装置のフィルタカセットの正面図である。
【図3】図1の除塵装置のフィルタカセットの平面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う矢視断面図である。
【図5】この発明のエレベータの除塵装置の実施の形態2を示すかご室上部の縦断面図である。
【図6】図5の除塵装置のフィルタカセットの正面図である
【図7】この発明のエレベータの除塵装置の実施の形態3を示すかご室上部の縦断面図である。
【符号の説明】
1,101,201 除塵装置、2 かご室、3 天井、4 吸気口(通風路)、5 排気口(通風路)、6 吸気ダクト(通風路)、6a 吸気ダクト水平部(通風路)、7 排気ダクト(通風路)、8 空調機(空気循環機)、10 フィルタカセット、10a 取付枠、10b 開口部、11 フィルタ体、12供給ロール、12a 供給ロール側ガイドローラ、13 巻き取りロール、13a 巻き取りロール側ガイドローラ、15 巻き取りモータ(駆動手段)、16 カバー、17 吊天井、20 制御器(制御手段)、20a 手動・自動切換スイッチ、20b タイマ、20c カウンタ。

Claims (5)

  1. エレベータのかご室の天井の一側に開口する吸気口と該天井の他側に開口する排気口とを前記かご室の外方で連通する通風路と、
    前記通風路の途中に設けられ、かご室内の空気を前記吸気口から吸い込むとともに該空気を前記排気口から前記かご室内に吐き出す空気循環機と、
    前記吸気口側の通風路に設けられ、循環する外気を濾過して塵埃を取り除くフィルタカセットとを備えたエレベータの除塵装置において、
    前記フィルタカセットは、長尺帯状のフィルタ体と、このフィルタ体の長手方向一端側が巻回されて回転時に該フィルタ体を巻き取る巻き取りロールと、前記フィルタ体の長手方向他端側が巻回されて回転時に該フィルタ体を送り出す供給ロールとを有する
    ことを特徴とするエレベータの除塵装置。
  2. 前記フィルタカセットは、前記巻き取りロールを回転駆動する駆動手段と、タイマを有し前記駆動手段に対して予め設定した所定周期ごとに駆動指令を発する制御手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの除塵装置。
  3. 前記フィルタカセットは、前記天井の前記吸気口が形成された位置のかご室内部側の面に設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータの除塵装置。
  4. 前記フィルタカセットの下方に設けられ、該フィルタカセットから落下した塵埃を捕獲するカバーをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項3に記載のエレベータの除塵装置。
  5. 前記フィルタカセットは、前記通風路の水平部に前記フィルタ体の濾過領域面が鉛直となるように設けられている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエレベータの除塵装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110002307A (zh) * 2019-03-25 2019-07-12 上海富士电梯有限公司 基于图像识别的电梯维修保护系统
JP2020040821A (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 三菱電機エンジニアリング株式会社 送風システム
CN114132817A (zh) * 2021-11-10 2022-03-04 董喆 一种干湿双吸收效率高的室内吸尘装置
KR102427129B1 (ko) * 2022-06-17 2022-07-29 에이원엘리베이터 주식회사 필터 모듈을 포함하는 승강 시스템

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