JP2552272B2 - 自動火災報知装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【技術分野】 本発明は、室内の天井などに取り付けられた感知器に
より煙や熱を検知し、その検出信号を受信機へ伝送して
火災を報知する自動火災報知装置に関する。

【背景技術】

従来の自動火災報知装置にあっては、例えばイオン化
式煙感知器や光電式煙感知器、熱感知器などの複数機種
の感知器を受信機との間のアナログ信号用の信号回線に
つないである場合、各感知器の機種によって火災検知時
の出力レベルなどが異なるので、予め各感知器の機種に
ついての情報を受信機に知らせておく必要がある。この
ため従来の自動火災報知装置では、感知器のヘッドと伝
送ベースとの間に機種判別用のアナログ信号を出力する
マイナス接続端子を設け、この端子電圧を感知器の機種
により変化させて感知器の機種を識別する方法が採用さ
れていた。つまり、感知器の端子としては、電源供給用
の＋端子と−端子の他に感知器からアナログの検出信号
を出力する端子と上記機種識別用のマイナス接続端子と
を必要としており、アナログ端子としては検出信号を出
力する端子と機種識別用のマイナス接続端子とが必要と
なり、これに応じて感知器と受信機との間の信号回線も
複数回線が必要となっていた。 また、各感知器の機種を各感知器のアドレスと共に受
信機に記憶させることも考えられる。しかし、このよう
に受信機に予め感知器の機種を入力して記憶させておく
方式であると、感知器を増設した場合や、感知器を異な
る機種のものと交換した場合には、その都度受信機の記
憶データを変更しなければならず、面倒であった。 次に、自動火災報知装置が誤りなく動作するかどうか
適宜試験する必要があるが、従来の自動火災報知装置に
おいては、本体制御盤もしくは中継器に設けられた受信
機までしか動作試験を行うことができなかった。つま
り、感知器と受信機との間では動作試験は行なわれてい
なかった。

【発明の目的】

本発明は叙上のような技術的背景に鑑みて為されたも
のであり、その目的とするところは感知器の機種設定や
動作確認などを簡単に行えるようにすると共に信号回線
の回線数も減らすことができるようにすることにある。

【発明の開示】

本発明の自動火災報知装置は、感知器１と受信機２と
をアナログ信号伝送用の信号回線３により接続して感知
器１が出力するアナログの検出信号を感知器１から受信
機２へ伝送できるようにした自動火災報知装置におい
て、感知器１の機種識別のための一定レベルの信号と、
感知器の火災検知時に出力する検出信号と同じレベルの
信号と、感知器の予報、火災検知及び防排煙連動動作時
に出力する検出信号と同じレベルの予報レベル、火災検
知レベル及び防排煙連動レベルの信号とを電源投入時に
前記信号回線３により前記検出信号に代えて感知器１か
ら受信機２へ出力させるようにして成ることを特徴とす
るものである。しかして、電源投入時には感知器１の検
出信号の代わりに一定レベルの信号を感知器１から受信
機２へ送ることにより、感知器の機種設定や動作確認な
どを行えるものである。即ち、電源立ち上がり時の一定
レベルの信号として感知器１の機種によってレベルの異
なる種別信号をアナログ信号用の信号回線３から受信機
２へ伝送することにより、検出信号を送る信号回線３を
利用して感知器１の機種設定をするための信号を受信機
２へ伝送することができ、従来よりもアナログ信号用の
信号回線３を減らすことができると共に感知器１の増設
や機種変更などにも簡単に対応することができるのであ
る。また、感知器１から、電源立ち上がり時の一定レベ
ルの信号として火災検知時の検出信号と同じレベルの信
号を出力させることにより、信号回線３を利用して受信
機２と感知器１との間における火災試験を行うこともで
き、さらに一定レベルの信号として感知器１の予報、火
災検知及び防排煙連動動作時に出力する検出信号と同じ
レベルの予報レベル、火災検知レベル及び防排煙連動レ
ベルの信号を順次出力させることにより信号回線３を利
用して自動火災報知装置の動作試験を行うことができる
ものである。 以下本発明の実施例を添付図に基いて詳述する。第２
図には、自動火災報知装置のシステムを示してある。受
信機２は本体制御盤ないしは中継器に設けられており、
イオン化式感知器や光学式感知器、熱感知器などの複数
機種の感知器１と受信機２との間はアナログ信号伝送用
の信号回線３（多重伝送線）により結ばれており、受信
機２と各感知器１との間で時分割多重伝送方式によりア
ナログ信号を伝送することができるようになっている。
一方、感知器１は、第１図に示すように、設置箇所にお
ける煙や熱を検知してその検出信号を電気的なアナログ
信号として出力する検出信号出力部４と、電源スイッチ
がオンになって電源が投入された時あるいは信号回線３
が復旧して電源オフの状態からオンに投入（再投入）さ
れた時に電圧の立ち上がりを検出する電源立ち上がり検
出部５と、タイマー部６と、感知器１の機種により異な
ると共に機種により定まった一定レベルの信号（以下、
種別信号という。）を出力するようになった特性信号出
力部７とからなっている。 しかして、電源がオフの状態から投入されて電源が立
ち上がると、感知器１の電源立ち上がり検出部５がこれ
を検知してタイマー部６をスタートさせると共に特性信
号出力部７を駆動させて特性信号出力部７から種別信号
を出力する。スタートしたタイマー部６はＨ信号を出力
するので、ANDゲート８からはＬ信号が出力されて検出
信号出力部４の検出信号はANDゲート８を通過できず、
このためORゲート９の出力からは特性信号検出部７から
出力された種別信号が感知器１の出力として信号回線３
へ出力可能な状態となる。一方、受信機２からは信号回
線３へ、スタート信号→アドレス信号→制御信号という
順序に信号が伝送され、受信機２からのアドレス信号で
指定された感知器１の出力信号は信号回線３にのり、受
信機２はその感知器１から出力されているアナログの種
別信号にアクセス可能となり、アドレス信号で指定した
感知器１の機種を判断及び記憶するのである。こうし
て、複数個の感知器１が次々とアクセスされて受信機２
に感知器１の種別が入力記憶されるのである。感知器１
のタイマー部６のタイマー設定時間は、上記のように全
ての感知器１がアクセスされるのに要する時間となって
おり、このタイマー設定時間が経過すると、タイマー部
６は停止してＬ信号を出力すると共に特性信号出力部７
はＬとなり、ANDゲート８及びORゲート９からは検出信
号出力部４からの検出信号が出力され、時分割多重伝送
方式により各感知器１による監視態勢に移行し、受信機
２は各感知器１の機種に応じて検出信号を判断して火災
か否かを判定するのである。なお、感知器１の機種を設
定するには、回線復旧等の断処理などを行って電源を立
ちあげれば良く、また電源断は電圧変化でも良い。 また、図示しないが、電源投入後のタイマー部６が駆
動されている時間内には特性信号出力部７から、その感
知器１が火災発生時に火災を検出して出力する検出信号
と同じ一定レベルの信号を出力するようにしている。そ
のため、電源投入時に各感知器１の火災試験を行うこと
ができ、常に自動火災報知装置の火災試験を行ってから
使用することができ、自動火災報知装置の信頼性を高め
ることができるものである。 更に、種別信号については図示を省略しているが、第
４図に示すように、電源投入時にタイマー部６を駆動し
ている一定時間内に時間区分して感知器の予報、火災検
知及び防排煙連動動作時に出力する検出信号と同じレベ
ルの予報レベル、火災検知レベル及び防排煙連動レベル
の信号を信号回線３へ出力できるようにしたものであ
る。ここに、予報動作とは感知器１が異常を検出してい
るが確定するまでに至っていない段階で予報信号を出力
して警戒を促すものであり、火災検知動作とは火災発生
と判断した時点で出力信号を出して火災警報などを出す
ものであり、更に防排煙連動動作とは検出信号に連動し
て防火シャッターを閉じたり、排煙設備を駆動させたり
するものであり、各感知器１が火災を検知した時に誤動
作なく所定の動作を行えるか否かの動作試験を電源立ち
上がり時に行うことにより、自動火災報知装置の信頼性
を高めることができるものである。なお、この場合には
タイマー部６が駆動されている設定駆動時間内に各感知
器１が何サイクルも受信機２によりアクセスされる必要
がある。

【発明の効果】

本発明は、叙述のごとく構成されているから、電源投
入時には感知器の検出信号の代わりに感知器の機種識別
のための一定レベルの信号と、感知器の火災検知時に出
力する検出信号と同じレベルの信号と、感知器の予報、
火災検知及び防排煙連動動作時に出力する検出信号と同
じレベルの予報レベル、火災検知レベル及び防排煙連動
レベルの信号とを前記信号回線により感知器から受信機
へ出力させるようにしているから、検出信号を送る信号
回線を利用して感知器の機種を設定するための信号を受
信機へ伝送することでき、従来よりもアナログ信号用の
信号回線を減らすことができるとともに、信号回線を利
用して受信機と感知器との間における火災試験を行うこ
ともでき、さらに信号回線を利用して自動火災報知装置
の動作試験を行うことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における感知器のブロック
図、第２図は同上の自動火災報知装置の概略構成図、第
３図は同上の感知器からの出力を示す波形図、第４図は
本発明の他例における感知器の出力を示す波形図であ
る。 １……感知器、２……受信機、３……信号回線。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】感知器と受信機とをアナログ信号伝送用の
   信号回線により接続して感知器が出力するアナログの検
   出信号を感知器から受信機へ伝送できるようにした自動
   火災報知装置において、感知器の機種識別のための一定
   レベルの信号と、感知器の火災検知時に出力する検出信
   号と同じレベルの信号と、感知器の予報、火災検知及び
   防排煙連動動作時に出力する検出信号と同じレベルの予
   報レベル、火災検知レベル及び防排煙連動レベルの信号
   とを電源投入時に前記信号回線により前記検出信号に代
   えて感知器から受信機へ出力させて前記感知器の火災試
   験並びに前記自動火災報知装置の動作試験を行うように
   して成ることを特徴とする自動火災報知装置。