JP2551910Y2 - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は磁気ヘッド装置に係り、
特にヘッドコアのギャップ部を清掃する機構を具備した
磁気ヘッド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】記録再生装置に適用されたヘッドコアの
記録媒体と摺接するギャップ部には、記録媒体に対する
データの記録再生の際に常に記録媒体が摺動することに
より双方の間の摩擦により生ずる塵、磁粉等及び外部か
ら記録媒体に付着して運ばれる塵等が付着する。これら
の塵、磁粉等がヘッドコアのギャップ部に付着したまま
放置するとヘッドコアの記録再生性能が悪くなるととも
に、これらの塵、磁粉等を介して記録媒体が摺動するこ
とにより更に互いの摩擦により双方が削られヘッドコ
ア、記録媒体双方の寿命を縮めることになる。

【０００３】これらの問題が生じないように、ヘッドコ
アのギャップ部を清掃することが従来おこなわれてい
る。これは、例えば綿棒等の清掃手段を使用し人手によ
りおこなわれていた。しかるにカーステレオ等の、他の
構造物に一体的に組み込まれた構成とされた記録再生装
置に適用された磁気ヘッドに関しては、容易にヘッドコ
アのギャップ部に清掃手段を挿入することができないた
め、ギャップ部を清掃することが困難であった。この問
題に対して、記録媒体のマガジンを記録再生装置に対し
て着脱する際にヘッドコアのギャップ部が自動的に清掃
部材にて清掃される機構を備えた磁気ヘッド装置が考案
されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかるに上記従来の磁
気ヘッド装置では、ヘッドコアのギャップ部に付着して
いる異物を除去するための清掃部材がギャップ部に押し
付けられるため、磁気ヘッドの位置が本来の設置位置か
らずれ、これにより記録媒体との摺動位置がずれヘッド
コアの位置ズレギャップ部の角度ズレ等が生じ磁気ヘッ
ドの性能に悪影響を与えるという問題点があった。

【０００５】本考案は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、ヘッドコアのギャップ部の清掃に際して磁気ヘ
ッドの性能に悪影響を与えるおそれがない磁気ヘッド装
置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の考案は、
記録媒体に摺接することにより上記記録媒体に対して信
号の記録再生をおこなうギャップ部を有するヘッドコア
を有する磁気ヘッドと、回動操作されることにより上記
ヘッドコアのギャップ部を清掃するワイパを有するワイ
パ機構と、上記ワイパ機構を実質的に上記磁気ヘッドに
支持させる支持機構とを有する磁気ヘッド装置であっ
て、上記支持機構は、実質的に上記磁気ヘッドに固定さ
れ上記ワイパ機構が遊嵌されたシャフトと、上記ワイパ
機構の回動中心線と平行な方向の移動を可能とする移動
空間と、弾性復元力により回動中心線に平行な上記ヘッ
ドコア側の方向に上記ワイパ機構を押圧する弾性体製の
押圧手段を有する構成である。

【０００７】請求項２記載の考案は、外部からの回動操
作を前記ワイパ機構に伝達する弾性体製の緩衝部材を有
してなる構成である。

【０００８】請求項３記載の考案は、前記支持機構を接
地する接地部材を有してなる構成である。

【０００９】

【作用】請求項１記載の考案では、ワイパ機構が実質的
に磁気ヘッドに支持されるため、ワイパの押圧により磁
気ヘッドの位置がずれるということがない。また、押圧
手段の弾性復元力がワイパ機構を介してワイパに伝達さ
れ、ワイパがヘッドコアのギャップ部を所定の押圧力で
押圧する。

【００１０】請求項２記載の考案では、外部からの回動
操作の押圧力が緩衝されてワイパ機構に伝達される。

【００１１】請求項３記載の考案では、支持機構が帯電
することがない。

【００１２】

【実施例】図１は、本考案の一実施例の支持機構の断面
図を示す。同図中、合成樹脂製のヘッド取付け台１５に
設けられた段部１５ａに略円柱形状とされ金属製のシャ
フト１が固定されている。また、このヘッド取付け台１
５にはヘッドコア１２が装着された磁気ヘッド１０ａが
固定されている。このシャフト１の上部には、ワイパ機
構１４の支持部１４ｃ、円筒形状の金属製カラー２、コ
イルバネ３（前記押圧手段）がそれぞれ遊嵌された軸部
１ａが円柱形状に突出して設けられている。更に軸部１
ａの上端部の中央には内面にネジが形成されビス４が螺
着されたビス孔１ｂが設けられている。

【００１３】図２は本考案の一実施例の平面図を示し、
図３は図２の側面図及び縦断面図を示す。同図の磁気ヘ
ッド装置１０は、大略ヘッドコア１２及びシールドケー
ス１３を有する磁気ヘッド１ａと、ワイパ機構１４と、
ヘッド取付け台１５とを有する。

【００１４】ヘッドコア１２は、方向Ｘに走行する記録
媒体の磁気テープに摺接することにより磁気テープに対
して信号の記録再生をおこなう湾曲形状のギャップ部１
２ａを有する構成である。シールドケース１３は、磁気
テープに摺接し磁気ヘッド１２のギャップ部１２ａを露
出する露出孔１３ｂを有し、ヘッドコア１２のギャップ
部１２ａの曲率半径と略等しい湾曲形状を有する摺接面
１３ａを有しヘッドコア１２を覆う構成である。ワイパ
機構１４は、シールドケース１３が固定された後述する
ヘッド取付け台１５に直線Ａを中心に回動自在に支持さ
れ回動操作されることによりヘッドコア１２のギャップ
部１２ａを清掃するブラシ１４ａ（前記ワイパ）を有す
る構成である。ヘッド取付け台１５の前方にはテープガ
イド１６が一体的に形成されている。このテープガイド
１６は、シールドケース１３に固定され磁気テープのヘ
ッドコア１２のギャップ部１２ａに対する摺接位置を規
制しアジマス調整をおこなう屈曲部１６ａ、１６ｂ及び
磁気ヘッド１０ａのＸ方向の位置ズレを防止するヘッド
ガイド１６ｃ、１６ｄを有する。

【００１５】また、シールドケース１３の摺接面１３ａ
の湾曲中心は磁気テープの記録面に平行で磁気テープの
ヘッドコア１２のギャップ部１２ａに対する摺動方向に
直交する方向の前記直線Ａである。更にワイパ機構１４
のブラシ１４ａの先端の回動半径がシールドケース１３
の摺接面３ａの湾曲形状の曲率半径Ｒより若干小さく、
この小さい分ブラシ１４ａがシールドケース１３の摺接
面１３ａあるいはヘッドコア１２のギャップ部１２ａに
所定の押圧力にて押圧される。

【００１６】上記構成の磁気ヘッド装置１０において、
記録媒体の磁気テープは、図２中、Ｘ方向に走行する構
成とされている。即ち、磁気テープは例えばテープガイ
ド１６のガイドアーム１６ａ、ガイド板１６ｃ、ヘッド
コア１２のギャップ部１２ａ、テープガイド１６のガイ
ド板１６ｄ、ガイドアーム１６ｂの順に当接しながら走
行する。

【００１７】テープガイド１６のガイドアーム１６ａ、
１６ｂ、及びガイド板１６ｃ、１６ｄの先端の磁気テー
プか摺動する部分は磁気テープの幅と略同幅に切り欠か
れており、これらが４箇所にて磁気テープの走行位置を
規制するため、確実なアジマス調整をおこなうことがで
きる。また、アジマス調整用のテープガイド１６に磁気
ヘッド１０ａを固定し更にテープガイド１６が一体的に
形成されたヘッド取付け台１５にワイパ機構１４を支持
するようにしたため、ヘッドコア１２をシールドケース
１３内に固定することによりブラシ１４ａがギャップ部
１２ａを押圧してもヘッドコア１２の位置がずれること
がない。また、ワイパ機構１４が外部から操作されその
衝撃等でヘッドコア１２の位置がずれた場合でも、ヘッ
ドコア１２が固定された磁気ヘッド１０ａが取付けられ
たテープガイド部１６の位置がともにずれるため、磁気
テープに対するヘッドコアの位置ズレ、ギャップ部の角
度ズレ等が生ずることがない。

【００１８】ヘッドコア１２は、次述する構成とされ
る。磁性体性のコアが湾曲され、両端の互いに接した部
分が上記ギャップ部１２ａとされ、ギャップ部１２ａに
はギャップが形成されている。また、湾曲されたコアの
ギャップ部１２ａと反対側にはコイルが巻回されてい
る。

【００１９】上記構成のヘッドコア１２は、コアホルダ
１８を介してシールドケース１３の内部に装着される。
このコアホルダ１８は、本実施例の場合亜鉛鋳造品製と
され、シールドケース１３とヘッドコア１２との間に設
けられヘッドコアの位置決め固定用に供される。

【００２０】シールドケース１３の摺接面１３ａに設け
られた露出孔１３ｂは、ヘッドコア１２のギャップ部１
２ａの外形と略同一の形状を有し、ヘッドコア１２のギ
ャップ部１２ａが嵌着されたときに、ギャップ部１２ａ
と露出孔１３ｂの縁との間の隙間が僅かになるような構
成とされている。また、上記の嵌着状態でギャップ部１
２ａが摺接面１３ａから僅かに突出するような構成とさ
れている。

【００２１】磁気ヘッド１０ａの組み立て時に上記構成
のヘッドコア１２を前記コアホルダ１８を介してシール
ドケース１３に装着し、ギャップ部１２ａが露出孔１３
ｂに嵌着された状態とし、シールドケース１３内のヘッ
ドコア１２とコアホルダ１８を除いた隙間に樹脂を注入
し互いを固定するとともにこの間に異物が侵入すること
を防止する。上記固定が終了した後、シールドケース１
３の摺接面１３ａから僅かに突出したヘッドコア１２の
ギャップ部１２ａを摺接面１３ａとともに研摩し、摺接
面１３ａとギャップ部１２ａとが同一曲面となり、前記
直線Ａを中心とした曲率半径Ｒの湾曲形状となるように
する。

【００２２】上記構成とすることにより磁気テープはヘ
ッドコア１２のギャップ部１２ａ及びシールドケース１
３の摺接面１３ａ上を円滑に摺動し、磁気テープがギャ
ップ部１２ａと摺接面１３ａとの互いの境目に係合して
も磁気テープが損傷されることがない。

【００２３】ヘッドコア装置１０が適用された磁気テー
プ記録再生装置に磁気テープのマガジンが着脱されたと
き及び磁気テープの反転時に図示しない磁気テープ記録
再生装置の機構により自動的にワイパ機構１４が左右に
操作され、ヘッドコア１２のギャップ部１２ａに付着し
ている塵、磁粉等がブラシ１４ａにて取り払われる。こ
の清掃動作が終了すると磁気テープがヘッドコア１２の
ギャップ部１２ａに摺接するための走行空間を確保する
ためにワイパ機構１４は左右の何れかに寄せられる。

【００２４】ここで図１において、軸部１ａの高さに比
し、ワイパ機構１４の支持部１４ｃ及びカラー２のそれ
ぞれの厚さを加えた高さがｄ（前記移動空間）だけ低い
構成である。したがってワイパ機構１４はこの差ｄだけ
回動中心方向、即ち図１中の上下方向に移動可能であ
る。他方、コイルバネ３はビス４の下面とワイパ機構１
４の支持部１４ｃとの間に挟まれカラー２の外周方向を
取り囲むようにして配設されている。このコイルバネ３
はその弾性復元力によりワイパ機構１４を回動中心線Ａ
に平行する方向のヘッドコア１２側、即ち図１中の下方
に押圧力を加えている。上記構成のヘッドコア装置１０
では、ワイパ機構１４の支持部１４ｃとシャフト１との
接触面のうちヘッドコア１２のギャップ部１２ａと最も
離れた点Ｓを支点として「てこの原理」により、上記コ
イルバネ３のワイパ機構１４の支持部１４ｃを下方向に
押圧する力がブラシ１４ａに伝達される。即ち支持部１
４ｃが下方に押圧されることによりブラシ台１４ｄが下
方に押圧されるとともにヘッドコア１２のギャップ部１
２ａに押圧される。このようにブラシ１４ａにはコイル
バネ３の弾性復元力に応じた所定の押圧力が常に加えら
れるため、ブラシ１４ａがヘッドコア１２のギャップ部
１２ａ上を摺動することによりヘッドコア１２のギャッ
プ部１２ａに付着した塵、磁粉等が確実に取り払われ
る。

【００２５】また、前述のごとく支持機構においてワイ
パ機構１４の支持部１４ｃが幅ｄの分移動可能なクリア
ランスが設けられコイルバネ３の押圧力により上記クリ
アランス内のバタツキが押さえられる。またコイルバネ
３の弾性変形により、ブラシ１４ａがヘッドコア１４の
ギャップ部１２ａ上を摺動する際のその摩擦抵抗の微妙
な変化等によりブラシ１４ａのヘッドコア１２のギャッ
プ部１２ａに対する傾斜角度が変化しブラシ台１４ｄと
ヘッドコア１２のギャップ部１２ａとの離隔距離が変化
することが許容される。これによりワイパ機構１４の回
動動作が円滑になされる。

【００２６】図１中、シャフト１の外周には上下に２箇
所の溝１ｃ、１ｄが円環形状に形成されている。このう
ち上部の溝１ｃには前記緩衝部材に該当するスプリング
５が嵌着される。

【００２７】図４の（Ａ）、（Ｂ）はそれぞれスプリン
グ５の平面図及び側面図を示す。同図に示すごとくスプ
リング５は弾性を有する金属の細棒（本実施例の場合、
外径０．４ｍｍ）が屈曲されることにより形成されてい
る。まず中央で湾曲され、更にその両端付近の一部分が
それぞれ内側に寄せられクランク状に折り曲げられてい
る。他方ワイパ機構１４の支持部１４ｃを中心としてブ
ラシ１４ａが固定されたブラシ台１４ｄの反対側には操
作部１４ｆが延出して形成されている。この操作部１４
ｆにはその両側が上方に折り曲げられ係止部１４ｇ、１
４ｈが設けられている。

【００２８】スプリング５は湾曲された中央部５ａがシ
ャフト１の上方の溝１ｃに嵌着され、更に両端付近のク
ランク部５ｂ、５ｃがワイパ機構１４の操作部１４ｆの
係止部１４ｇ、１４ｈに係止される。この場合、スプリ
ング５は中央部５ａが更に湾曲されるように弾性変形さ
れた状態である。したがってその弾性体製によってクラ
ンク部５ｂ、５ｃはそれぞれ係止部１４ｇ、１４ｈに対
して外側に押圧力を加えている。また、係止部１４ｇ、
１４ｈはスプリング５が上方に外れないようにそれぞれ
の上部に後方、即ち図１の右方向に延出した延出部１４
ｉ、１４ｊを有する。

【００２９】このようにスプリング５が嵌着されたワイ
パ機構１４の操作部１４ｆにおいて、スプリング５の先
端部５ｄ、５ｅに外部から駆動力が加えられることによ
り駆動される。即ち、図２においてワイパ機構１４が時
計回りに回動されるときは同図の上側の一端側の先端部
５ｄが外部から時計回りに押圧される。このときスプリ
ング５は中央部５ａが上記押圧により更に湾曲し、それ
にしたがって先端部５ｄは時計回り、即ち内側に移動
し、クランク部５ｃが係止部１４ｈから離間する。この
スプリング５の湾曲によりスプリング５の弾性復元力が
増し、この弾性復元力の増加により他端側のクランク部
５ｂが係止部１４ｇを押圧する力が増す。ここで最初に
外部から押圧された一端側の先端部５ｄに対する押圧力
がある大きさ以上になるとスプリング５の弾性復元力に
よって他端側の係止部１４ｇが受ける押圧力がワイパ機
構１４の支持部１４ｃとコイルバネ３及びシャフト１の
支持部１４ｃとの当接部の摩擦力に打ち勝ちワイパ機構
１４が時計回りに回動される。

【００３０】更にワイパ機構１４が回動されブラシ台１
４ｄがガイド板１６ｄに当接するとガイド板１６ｄに係
止されワイパ機構１４はそれ以上回動することができな
くなる。本来この状態では既に外部からスプリング５の
先端部５ｄを押圧する動作は停止される。しかし仮にこ
の状態で更にスプリング５の先端部５ｄが外部から押圧
されても、ある程度まではスプリング５の中央部５ａが
弾性変形することによりこの押圧力が吸収され、したが
ってワイパ機構のブラシ台１４ｄがヘッドガイド１６ｄ
を損傷したり、テープガイド１６部の位置が所定の設置
位置からずらされる等の問題が生ずることが防止され
る。

【００３１】上記動作はワイパ機構１４が反時計回りに
回動される場合も回動方向が異なることを除いて実質的
に同一であるので、その説明を省略する。

【００３２】このように外部からスプリング５に加えら
れた押圧力はまずスプリング５を弾性変形させるように
作用する。したがってワイパ機構１４のブラシ台１４ｄ
がヘッドコア１２のギャップ部１２ａまたはシールドケ
ース１３の摺接面１３ａ上を摺動している際、互いの摩
擦抵抗の変化等によりワイパ機構１４の回動動作に制動
力が加わった場合でも、スプリング５が弾性変形して湾
曲することによりその衝撃が吸収される。また、同様に
ブラシ１４ａをシールドケース１３の摺接面１３ａの左
右の何れかに退避させる時にブラシ台１４ｄがテープガ
イド部１６のヘッドガイド１６ｃ、１６ｄに当接した
際、その衝撃がスプリング５により吸収される。したが
って、ワイパ機構１４に関わる機構が衝撃を受けること
がない。

【００３３】なお、本実施例ではワイパ機構１４はヘッ
ド取付け台１５により支持される構成であるが、ワイパ
機構１４が直接磁気ヘッド１０ａに支持される構成であ
っても、上記スプリング５を設けることにより外部から
の操作の駆動力が緩衝され、操作の駆動力によってヘッ
ドコア１２の位置がずれることが防止される。

【００３４】シャフト１の下側の溝１ｄには接地部材６
が圧入される。本実施例では磁気ヘッド装置１０が合成
樹脂製のヘッド取付け台１５に一体的に形成されたテー
プガイド部１６に固定され、ワイパ機構１４（通常金属
製）が合成樹脂製のヘッド取付け台１５に固着される構
成であるため、ワイパ機構１４が接地されない。このよ
うな状態としておいた場合、磁気ヘッド装置１０が適用
された記録再生装置内の他の回路から誘導ノイズを拾
い、あるいはワイパ機構１４のブラシ台１４ｄと磁気テ
ープとの摺動摩擦によってワイパ機構１４が帯電する場
合がある。これがヘッドコア１２にノイズを与えること
になり、磁気ヘッド１０ａの性能に悪影響を与える場合
がある。したがって接地部材６にてワイパ機構１４を接
地する必要がある。

【００３５】図５の（Ａ）、（Ｂ）はそれぞれ接地部材
６の平面図及び側面図である。接地部材６は薄い銅板
（本実施例の場合、厚さ０．２ｍｍ）を屈曲することに
より形成されている。略長方形の銅板が中央付近で２箇
所鋭角に折り曲げられ、更にその一端側が鈍角にＶ字形
に突出して折り曲げられ圧入部６ａが形成されている。
この圧入部６ａには更にＵ字形に切り欠かれ切欠部６ｂ
が形成されている。また、他端側６ｃにはビス孔６ｄが
形成されている。

【００３６】上記構成の接地部材６は、その一端側の圧
入部６ａの切欠部６ｂがシャフト１の溝１ｄに圧入され
る。ここで溝１ｄの幅に比して接地部材６の圧入部６ａ
の高さが大きい構成とされているため、圧入部６ａを溝
１ｄに圧入することにより圧入部６ａが弾性変形し、そ
の弾性復元力により溝１ｄ内に固定され容易には外れな
い状態となる。このように仮に固定しておき、後述する
ごとく他端側６ｃが固着されるときまで、接地部材６が
ヘッドコア装置１０から外れて紛失することを防止す
る。

【００３７】接地部材６の他端側６ｃは、ヘッド取付け
台１５の後方、即ち図２中の右側に延出して形成された
取付け座１５ｂの同図の上下にそれぞれに設けられた取
付け用孔部１５ｃ、１５ｄのうち、下側の取付け用孔部
１５ｃと接地部材６のビス孔６ｄが一致するように取付
け座１５ｂ上に配設される。なお、接地部材６が取付け
座１５ｂに配設される前に磁気ヘッド１０ａと磁気ヘッ
ド装置１０が適用される記録再生装置の回路とを接続す
るリードがシールドケース１３の後方に突出している端
子７に接続される際にそのリードの一端に設けられてい
る接地タグが取付け座１５ｂに配設される。

【００３８】更に磁気ヘッド装置１０が適用される記録
再生装置に磁気ヘッド装置１０が装着されるとき、ヘッ
ド取付け台１５の取付け座１５ｂの取付け用孔部１５
ｃ、１５ｄがビスにより所定の構造物に固着される際
に、接地部材６の他端側６ｃが前記リードの接地タグと
ともに取付け座１５ｂに同時に固着される。これにより
リードの接地タグを介してともに導電体製のシャフト１
及びワイパ機構１４が接地される。

【００３９】なお、本実施例では合成樹脂製のヘッド取
付け台１５が使用されたが、これに限らず金属製のヘッ
ド取付け台１５を使用してもよいし、あるいはヘッド取
付け台１５を特に使用せず例えばシールドケース１３の
後方を延出させ、その上に前記シャフト１を固着するこ
とによってワイパ機構を取り付ける構成としてもよい。

【００４０】

【考案の効果】上述の如く請求項１記載の考案によれ
ば、ワイパ機構の清掃によってもヘッドコアの位置がず
れないようにしたため磁気ヘッドの性能が損なわれるこ
とがなく、またワイパ機構の回動動作が円滑になされる
ようにしたため、ワイパ機構によるヘッドコアのギャッ
プ部の清掃が確実になされるとともに、ワイパ機構の回
動動作に要する電力を必要最小限とすることができる。

【００４１】請求項２記載の考案によれば、ワイパ機構
の回動操作によりヘッドコアの位置がずれたり損傷され
たりすることが防止されるため、磁気ヘッド装置の信頼
性の向上を図ることができる。

【００４２】請求項３記載の考案によれば、簡易な構成
で支持機構を介して誘導ノイズが侵入するこを防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の要部の支持機構の縦断面図
である。

【図２】本考案の一実施例の平面図である。

【図３】図２の側面図及び縦断面図である。

【図４】スプリングの構成を示す図である。

【図５】接地部材の構成を示す図である。

【符号の説明】

１ シャフト ２ カラー ３ コイルバネ ４ ビス ５ スプリング（緩衝部材） ６ 接地部材 １０ ヘッドコア装置 １２ ヘッドコア １２ａ ギャップ部 １４ ワイパ機構 １４ａ ブラシ １５ ヘッド取付け台 ｄ 移動空間

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−20514（ＪＰ，Ａ) 実開 昭50−75322（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭53−39418（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭35−6328（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体に摺接することにより該記録媒
   体に対して信号の記録再生をおこなうギャップ部を有す
   るヘッドコアを有する磁気ヘッドと、回動操作されるこ
   とにより該ヘッドコアのギャップ部を清掃するワイパを
   有するワイパ機構と、該ワイパ機構を実質的に該磁気ヘ
   ッドに支持させる支持機構とを有する磁気ヘッド装置で
   あって、 該支持機構は、 実質的に該磁気ヘッドに固定され該ワイパ機構が遊嵌さ
   れたシャフトと、 該ワイパ機構の回動中心線と平行な方向の移動を可能と
   する移動空間と、 弾性復元力により回動中心線に平行な該ヘッドコア側の
   方向に該ワイパ機構を押圧する弾性体製の押圧手段とを
   有する構成としてなる磁気ヘッド装置。
2. 【請求項２】 外部からの回動操作を前記ワイパ機構に
   伝達する弾性体製の緩衝部材を有してなる請求項１記載
   の磁気ヘッド装置。
3. 【請求項３】 前記支持機構を接地する接地部材を有し
   てなる請求項１記載の磁気ヘッド装置。