JP2551785B2 - 減衰力可変式サスペンション制御装置 - Google Patents

減衰力可変式サスペンション制御装置

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JP2551785B2
JP2551785B2 JP62267633A JP26763387A JP2551785B2 JP 2551785 B2 JP2551785 B2 JP 2551785B2 JP 62267633 A JP62267633 A JP 62267633A JP 26763387 A JP26763387 A JP 26763387A JP 2551785 B2 JP2551785 B2 JP 2551785B2
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suspension
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G17/00Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load
    • B60G17/015Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
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    • B60G2500/10Damping action or damper

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は建造物あるいは走行装置の支持装置にあっ
て、外力または外乱(路面)の影響により振動を生じて
いる場合の振動制御装置に関する。
(従来の技術) 本発明者等は、先に、振動体のサスペンションにあっ
て、外力または外乱の影響により振動が生じている場合
の振動の抑制ないしは防振効果を奏する目的で、わずか
な消費エネルギーにより振動体の振動に伴う状態量の変
化をもとに最適な状態とするための目標制御力を演算
し、振動体のサスペンションの減衰力を目標制御力に追
従するように制御し、振動特性の改良および振動体の振
動量を低減する装置を開発した(特開昭62−108319号公
報参照)。
この振動制御装置は、第2図に示すように、振動体を
支えるサスペンションの特性に影響を与える物理量を検
出するとともに、サスペンションの動きを示す状態検出
手段Iと、制御手段IIと、制御手段IIの出力信号をパワ
ー増幅する駆動手段IIIと、パワー増幅手段IIIの出力に
基づきサスペンションの特性を連続的に可変制御するア
クチュエータ手段とを備え、サスペンションに働く外力
または外乱を考慮した目標制御力と検出した制御力との
差に応じた制御力を等価的に発生するようにサスペンシ
ョンの特性を連続的に可変制御するので、結果的にサス
ペンションに目標制御力を等価的に付加することにより
振動を抑圧するものである。
この従来の振動制御装置は、外力または外乱を考慮し
てきめ細かに物理量が制御でき、かつエネルギー消費を
おさえ、構成を簡単にし、動力源,配管等の重量,スペ
ース,コストを低減するものである。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この従来の装置では振動体の状態量の
変化量に基づき、目標制御力を演算するので、次のよう
な問題点があった。すなわち、 (1)状態量の変化に伴う制御であるので、変化検出に
対する制御に時間遅れが生じ、状態の突変に対する制御
の立上りが迅速でない。
(2)サスペンション毎の振動制御であり、車両の全体
の動きを想定した状態量の変動を予測することはできな
いので、相関連した動きに対する追従性が著しく低い。
本発明はこれらの問題点を解決し、車両走行時の路面
突起、段差等の外力および突風による外乱をはじめとす
る過渡的入力に対する車両の振動応答特性を大幅に改善
することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、状態検出手段I,状態量変化予測手段I′,
制御手段II,駆動手段III,アクチュエータ手段IVを具備
する。
すなわち、状態検出手段Iは車両を支えるサスペンシ
ョンの特性に影響を与える物理量を検出するとともにサ
スペンションの動きを示す状態量および車両の走行状態
を示す状態量を検出するものであり、状態量変化予測手
段I′は状態検出手段Iにより検出された現在までの車
両の走行状態を示す状態量から、来るべき車両の運動状
態の変化を所定の演算により予測演算するものである。
制御手段IIは、状態検出手段Iにより検出された現在
の状態量と状態量変化予測手段I′により予測演算され
た車両の来るべき状態量の変化量とから、来るべき車両
の運動状態を判別する状態判別手段II01と、状態検出手
段Iにより検出された物理量と状態判別手段II01が判別
した車両の来るべき運動状態とに基づいて最適な目標制
御力を演算する目標制御力演算手段II02と、状態検出手
段Iが検出した物理量に対応した検出制御力を演算する
検出制御力演算手段II2と、目標制御力と検出制御力と
の偏差を演算する偏差演算手段II3とを具備してなるも
のである。
駆動手段IIIは制御手段IIの出力である両制御力の偏
差信号をパワー増幅するものである。
アクチュエータ手段IVはパワー増幅された出力に基づ
きサスペンションに働く外力または外乱を考慮した目標
制御力に対する現実の検出した制御力の偏差に応じた制
御力を等価的に発生すべくサスペンションの特性を連続
的に可変制御するものである。
そして、これらの手段により、車両全体および各輪の
サスペンションの状態量の変化度合から、来るべき車両
の状態量の変化分を予測し、その変化分を考慮した状態
量と物理量とに応じた最適目標制御力を予測演算するこ
とにより、車両の来るべき運動状態に即した最適な目標
制御力を発生させ、サスペンションの特性を連続的に最
適可変制御するものである。
また、本発明の一実施態様によれば、状態量変化予測
手段は、前記状態検出手段により検出された現在までの
走行状態を示す状態量と車両の状態を決定する制御量と
の対応関係に基づき、来るべき車両の運動状態の変化を
予測演算するよう構成される。
(発明の作用および効果) 上記構成よりなる本発明の作用および効果は次のとお
りである。
振動体mを支えるサスペンションに働く外力または外
乱によって生じる振動体の振動を考慮した時系列の最適
な目標制御力uは、アクティブ制御を前提とした場合
に、例えば第3図における運動方程式は次式のようにな
る。
m=u(x,,) ……(1) ただし、xは外力または外乱によるサスペンション変
位、はサスペンション速度、は振動体に与えられる
加速度である。すなわち、目標制御力uはx,,の関
数である。
ここで、更に目標制御力uを一般的な形で示すと、次
のようになる。
ここで、giとは最適な振動抑制を与えるための寄与ゲ
イン係数であり、xiとは本振動系を記述し得る全ての状
態量であり、前記のサスペンション変位,速度および加
速度はもちろんのこと、サスペンション各部間の伝達等
もこれに含まれるのが通例である。すなわち、最適目標
制御力uは、振動体mの状態物理量xiを瞬時瞬時に検出
し、それぞれの寄与度によって係数giを与えることによ
り、いわゆる瞬時状態フィードバック制御系を構成する
ことになり、本質量振動系に対して最適な振動抑制を与
えることができるものである。
一方、以上の瞬時状態フィードバック制御系の最適ゲ
イン設定部にあって、状態量あるいは次いで変化する状
態量変化を予測する状態量変化予測手段により得た信号
より、状態量の変化に先立って設定ゲインおよびその後
のゲイン調整の時間的タイミングを制御することができ
る。
この目標制御力uに対して、サスペンションに作用し
ている物理量fを状態検出手段I内のセンサで検出し、
その偏差ε(=u−f)を偏差演算手段II3で演算し、
その出力を駆動手段IIIでパワー増幅し、サスペンショ
ンに取付けてあるアクチュエータ手段IVを駆動し、物理
量fを連続的に制御御する。
すなわち、最適な目標制御力u(x,,)から物理
量fに関する力を抽出し、その物理量を制御することに
より、従来の振動制御装置に比べ、外力または外乱を考
慮してきめ細かに物理量fが制御でき、かつエネルギー
消費をおさえ、構成を簡単にし、動力源,配管等の重
量,スペース,コストを低減するものである。
このように本発明においては、状態量変化予測手段
I′により、振動体の因って来たるべき状態量の変化お
よび応答を予測し、あるいは振動体への外力ないし外乱
の規模を予測し、制御手段II内の状態判別手段II01によ
り振動体の最適目標制御力を来たるべき状態量の変化量
分を見越して正確に修正することにより、振動制御効果
を著しく改良することができる。
すなわち、予測された状態量変化予測値に従って、最
適制御目標力を演算する際の最適ゲイン係数値を予め設
定した値に急変させるとともに、必要に応じて最適目標
制御力を増減することにより、振動体への外力あるいは
外乱による振動を大幅に低減することができる。
以上のように、本発明は、車両走行時の路面突起,段
差等の外力および突風による外乱はじめとする過渡的入
力に対する車両の振動応答が著しく改良できる。
(実施例) 本発明の実施例の概略構成図を、第3図(a)および
(b)に示す。また、第4図は第3図(b)に示す制御
装置を制御する電子制御装置を示すブロック線図であ
る。
これらの図において、1は作動流体としてのオイルを
貯容するリザーブタンクを示しており、2fr,2fl,2rr,2r
lはそれぞれ図には示されていない車両の右前輪,左前
輪,右後輪,左後輪に対応して設けられたアクチュエー
タを示している。各アクチュエータは、第3図(a)に
示すように、車両の車体およびサスペンションアームに
それぞれ連結されたシリンダ3とピストン4とによりな
っており、これらにより確定された作動流体室としての
シリンダ室5に対しオイルが給排されることにより、そ
れぞれ対応する位置の車高を増減し得るようになってい
る。なお、アクチュエータは作動流体室に対しオイルの
如き作動流体が給排されることにより対応する位置の車
高を増減し、また、車輪のバウンドおよびリバウンドに
応じてそれぞれ作動流体室内の圧力が増減するよう構成
されたものである限り、例えば油圧ラム装置の如き任意
の装置であってもよい。
リザーブタンク1は、途中にオイルポンプ6,流量制御
弁7、アンロード弁8,逆止弁9を有する導管10により分
岐点11に連通接続されている。ポンプ6はエンジン12に
より駆動されることにより、リザーブタンク1よりオイ
ルを汲み上げて高圧のオイルを吐出するようになってお
り、流量制御弁7はそれよりも下流側の導管10内を流れ
るオイルの流量を制御するようになっている。アンロー
ド弁8は逆止弁9よりも下流側の導管10内の圧力を検出
し、該圧力が所定値を越えた時には導管13を経てポンプ
6よりも上流側の導管10へオイルを戻すことにより、逆
止弁9よりも下流側の導管10内のオイルの圧力を所定値
以下に維持するようになっている。逆止弁9は、分岐点
11よりアンロード弁8へ向けて導管10内をオイルが逆流
することを阻止するようになっている。
分岐点11は、それぞれ途中に逆止弁14および15,電磁
開閉弁16および17,電磁流量制御弁18および19を有する
導管20および21により、アクチュエータ2frおよび2flの
シリンダ室5に連通接続されている。また、分岐点11は
導管22により分岐点23に接続されており、分岐点23はそ
れぞれ途中に逆止弁24および25,電磁開閉弁26および27,
電磁流量制御弁28および29を有する導管30および31によ
り、それぞれアクチュエータ2rrおよび2rlのシリンダ室
5に連通接続されている。
かくして、アクチュエータ2fr,2fl,2rr,2rlのシリン
ダ室5には、導管10,20〜22,30,31を経てリザーブタン
ク1より選択的にオイルが供給されるようになってお
り、その場合のオイルの供給およびその流量は、後に詳
細な説明する如く、それぞれ開閉弁16,17,26,27および
流量制御弁18,19,28,29が制御されることにより適宜に
制御される。
導管20および21のそれぞれ流量制御弁18および19とア
クチュエータ2frおよび2flとの間の部分は、それぞれ途
中に電磁流量制御弁32および33,電磁開閉弁34および35
を有する導管36および37により、リザーブタンク1に連
通する復帰導管38に連通接続されている。同様に、導管
30および31のそれぞれ流量制御弁28および29とアクチュ
エータ2rrおよび2rlとの間の部分は、それぞれ途中に電
磁流量制御弁39および40,電磁開閉弁41および42を有す
る導管43および44により、復帰導管38に連通接続されて
いる。
かくして、アクチュエータ2fr,2fl,2rr,2rlのシリン
ダ室5内のオイルは、導管36〜38,43,44を経て選択的に
リザーブタング1へ排出されるようになっており、その
場合のオイルの排出およびその流量は、後に詳細に説明
する如く、それぞれ開閉弁34,35,41,42および流量制御
弁32,33,39,40が制御されることにより適宜に制御され
る。図示の実施例においては、開閉弁16,17,26,27,34,3
5,41,42は常閉型の開閉弁であり、それぞれ対応するソ
レノイドに通電が行われていない時には、図示の如く閉
弁状態を維持して対応する導管の連通を遮断し、対応す
るソレノイドに通電が行われている時には開弁して、対
応する導管の連通を許すようになっている。また、流量
制御弁18,19,28,29,32,33,39,40は、それぞれ対応する
ソレノイドに通電される駆動電流の電圧または電流のデ
ューティが変化されることにより絞り度合を変化し、こ
れにより、対応する導管内を流れるオイルの流量を制御
するようになっている。
導管20,21,30,31には、それぞれ逆止弁14,15,24,25よ
りも上流側の位置にてアキュムレータ45〜48が連通接続
されている。各アキュムレータは、ダイヤフラムにより
互いに分離されたオイル室49と空気室50とよりなってお
り、ポンプ6によるオイルの脈動,アンロード弁8の作
用に伴う導管10内の圧力変化を補償し、対応する導管2
0,21,30,31内のオイルに対し蓄圧作用をなすようになっ
ている。
導管20,21,30,31のそれぞれ流量制御弁18,19,28,29と
対応するアクチュエータとの間の部分には、それぞれ途
中に可変絞り装置51〜54を有する導管55〜58により主ば
ね59〜62が接続されており、また、導管55〜58のそれぞ
れ可変絞り装置と主ばねとの間の部分には、それぞれ途
中に常開型の開閉弁63〜66を有する導管67〜70により副
ばね71〜74が接続されている。主ばね59〜62は、それぞ
れダイヤフラムにより互いに分離されたオイル室75と空
気室76とよりなっており、同様に副ばね71〜74は、それ
ぞれダイヤフラムにより互いに分離されたオイル室77と
空気室78とよりなっている。
かくして、第3図(a)に示すように、車輪のバウン
ドおよびリバンウドに伴い、各アクチュエータのシリン
ダ室5の容積が変化すると、シリンダ室およびオイル室
75,77内のオイルが可変絞り装置51〜54を経て相互に流
通し、その際の流通抵抗により振動減衰作用が発揮され
る。この場合、各可変絞り装置の絞り度合がそれぞれ対
応するモータ79〜82によって制御されることにより、減
衰力Cが連続的に無段階に切り換えられるようになって
おり、また、開閉弁63〜66がそれぞれ対応するモータ83
〜86によって選択的に開閉されることにより、ばね定数
Kが高,低の二段階に切り換えられるようになってい
る。なお、モータ79〜82およびモータ83〜86は、車両の
ノーズダイブ,スクオート,ロールを低減すべく、後に
説明する如く、車速センサ95,操舵角センサ96,スロット
ル開度センサ97,制動センサ98よりの信号に基づき、電
子制御装置102により制御されるようになっている。
更に、各アクチュエータ2fr,2fl,2rr,2rlに対応する
位置には、それぞれ車高センサ87〜90が設けられてい
る。これらの車高センサは、それぞれシリンダ3とピス
トン4、または図には示されていないサスペンションア
ームとの間の相対変位を測定することにより、対応する
位置の車高を検出し、該車高を示す信号を第4図に示さ
れた電子制御装置102へ出力するようになっている。
電子制御装置102は、第4図に示されている如く、マ
イクロコンピュータ103を含んでいる。マイクロコンピ
ュータ103は、第4図に示されている如き一般的な構成
のものであってよく、中央処理ユニット(CPU)104と、
リードオンリメモリ(ROM)105と、ランダムアクセスメ
モリ(RAM)106と、入力ポート装置107および出力ポー
ト装置108とを有し、これらは双方性のコモンバス109に
より互いに接続されている。
入力ポート装置107には、車室内に設けられ運転者に
より操作される車高選択スイッチ110より、選択された
車高がハイ(H),ノーマル(N),ロー(L)の何れ
であるかを示すスイッチ関数の信号が入力されるように
なっている。また、入力ポート装置107には、車高セン
サ87,88,89,90によりそれぞれ検出された実 際の車高H
fr,Hfl,Hrr,Hrlを示す信号、車速センサ95,操舵角セン
サ96,スロットル開示センサ97,制動センサ98によりそれ
ぞれ検出された車速V,操舵角δ(右旋回が正),スロッ
トル開度θ,制動状態を示す信号が、それぞれ対応する
増幅器87a〜90a,95a〜99a,マルチプレクサ111,A/Dコン
バータ112を経て入力されるようになっている。
ROM105は、車高選択スイッチ110がハイ,ノーマル,
ローに設定されている場合における前輪および後輪の目
標車高としての基準車高HhfおよびHhr,HnfおよびHnr,Hl
fおよびHlr(Hhf>Hnf>Hlf,Hhr>Hnr>Hlr)を記憶し
ている。CPU104は、演算結果に基づき、各アクチュエー
タに対応して設けられた開閉弁および流量制御弁へ、出
力ポート装置108,それぞれ対応するD/Aコンバータ117a
〜117hおよび118a〜118h,増幅器119a〜119hおよび120a
〜120hを経て選択的に制御信号を出力し、また、可変絞
り装置51〜54を駆動するモータ79〜82および開閉弁63〜
66を駆動するモータ83〜86へ、出力ポート装置108,それ
ぞれ対応するD/Aコンバータ121a〜121hおよび123〜123
h,増幅器122a〜122hおよび124a〜124hを経て選択的に制
御信号を出力するようになっている。
出力ポート装置108に接続された表示器116には、車高
選択スイッチ110により選択された基準車高が、ハイ,
ノーマル,ローの何れであるかが表示されるようになっ
ている。
次に、第5図に示されたフローチャートを参照して、
第3図(b),第4図に示された本発明の実施例装置の
動作について説明する。
まず、ステップP1で初期設定されたのち、ステップP2
では第4図中に示す各センサからの信号を読み込む。
次いで、車両状態量の予測演算(ステップP21)を実
施する。ここでは、加速,減速,路面突起段差お
よび操舵ロールの各々の関連センサからの信号処理を
行い、車両状態量の変化予測を演算するための演算式あ
るいはマップを用意しておく。
上記〜の状態についての状態変化予測の関係を、
次の表に示す。
予測された運動状態変化fと走行状態を示す状態量v
および車両の状態を決定する制御量αとの関係を表わす
マップとしては、実験により予め定めておく。その1例
を第11図に示す。なお、これらの各マップは、次式で近
似できるのでこの式により予測演算するようにしてもよ
い。
fi=αv(ai+αv+biα+civ−di) ただし、ai,bi,ci,diは定数である。
次に、車両状態量の演算(ステップP3)を実施する。
すなわち、時々刻々変化する車両の各4輪の懸架装置に
取付けた後述の状態量センサにより、所定の演算により
車両状態量を算出する。
次いで、車両の走行状態を判定する(ステップP4)。
ここでは、車両が走行状態にあるか否かの判定を行い、
所定の車速以下である場合は、減衰弁位置を初期化する
(ステップP5)。
一方、走行状態である判定後においては、ステップP6
P81において、加速状態か操舵状態か突起段差への乗越
み状態かあるいは減速状態かを判定する。
次いで、各々の判定に基づいて、ステップP9では予測
状態に従って目標制御力算定のための最適ゲインを算出
する。ここでは、予め最適ゲインを各場合について算出
しておき、メモリーマップに入れておいてもよい。
次いで、ステップP6〜P81のいずれの判定において
も、状態量予測演算値がいき値を上まわらない場合に
は、ステップP10で各輪独立の制御目標力の最適ゲイン
を算出する。ここでは、予め最適ゲインを各場合につい
て算出しておき、メモリーマップに入れておいてもよ
い。
次に、ステップP9,P10で求めた最適ゲインを加算し、
最適ゲインを算出する(ステップP11)。
以下、ステップP21およびP6〜P81において求める、走
行状態を予測判定する機構を説明する。
加速判定(ステップP6)は、スロットル開度センサ97
の信号もしくはそのセンサ信号を微分した値を求め、そ
の値が所定の値以上となった時に加速状態に入るものと
判定する。
次に、操舵判定(ステップP7)は、車速センサ95の信
号と操舵角センサ96および操舵角センサ96の信号の微分
値により、その3種の信号に対して求められる予測ロー
ル角に基づき、その値が所定の値以上となった時に操舵
旋回状態に入るものと判定する。
次に、突起段差判定(ステップP8)は、前方路面セン
サ94により、所定の値以上となった時に突起段差状態に
入るものと判定する。
また、減速判定(ステップP81)は、制動センサ98の
信号もしくはその信号を微分した値を求め、その値が所
定の値以上となった時に減速状態に入るものと判定す
る。
ここで、第6図を用いて突起段差対応制御の制御系の
説明を行う。
突起段差の認知信号|x001|により、いき値D以上の突
起段差を認識すると、次に、車速vとセンサの前輪から
の距離l、ホイルベースLより求まる時間t1,t2(t1=l
/v,t2=L/v)を設定する。
次に、前2輪と後2輪の状態フィードバックゲイン
を、第6図中のタイミングチャートのように、現状ゲイ
ンより図中KFSゲイン,KFHゲイン、その後現状ゲインと
いうように切り換える。
すなわち、前2輪,後2輪がそれぞれ突起段差に乗り
込む場合に、状態量のゲイン係数を低く、乗り越した後
に、減衰を高めるために状態量のゲイン係数を高く設定
し、衝撃的に伝わる振動レベルを低減し、衝撃後のばね
上振動の減衰を速やかにするものである。
すなわち、車両の走行状態に伴って、状態フィードバ
ックゲインの内容を、予測される走行状態に適合するよ
うに制御するものでる。
以上のようにして得られた駆動信号により、本発明の
制御装置のうちの単輪部分が如何に制御されるかの原理
を説明する。なお、第4図の実施例においては、状態量
変化予測手段I′および制御手段IIは、すべてCPU104,R
OM105,RAM106等からなるマイクロコンピュータによって
実行されるのに対し、第7図では説明の便宜上状態量変
化予測手段I′、状態判別手段II01およびゲイン選択部
のみがマイクロコンピュータ270によって処理されるよ
う示されている。
状態検出手段Iは、第7図に示すように、サスペンシ
ョンの車輪を回転可能に支持するサスペンションアーム
262および車体フレーム263との間に挿置して相対変位を
検出するポテンショメータ210と、ポテンショメータ210
に接続され自動車の走行時における車軸と車体との相対
変位yを表わす信号を出力するアンプ220と、アンプ220
の出力する相対変位yを微分して相対速度を検出する
微分器230と、油圧シリンダ310に取付けて作用している
車輪荷重を検出するための圧力センサ211aと、圧力より
車輪荷重wを検出するアンプ221aと、アキュームレータ
320の油室の入口に取付けて減衰力を検出するための圧
力センサ211bと、その圧力センサ211bに接続されその出
力を増幅するアンプ221bと、そのアンプ221bの出力とア
ンプ221aの出力との差として減衰力fcを検出する差動ア
ンプ231と、車体に取付けて加速度を検出する加速度セ
ンサ212と、加速度センサ212に接続して増幅するアンプ
222と、その出力を積分してバネ上速度を検出する
積分器232aと、その出力をさらに積分してバネ上変位x2
を検出する積分器232bと、アキュームレータ320のガス
室に取付けてガス温度tを検出する温度センサ213と、
温度センサに接続されそのセンサ出力を増幅するアンプ
223と、自動車のミッションの出力軸に取付けて車速v
を検出する前述の車速センサ214と、変位センサ256と、
変位を表わす信号を出力するアンプ224とから成る。そ
の変位センサ256は、第9図(b)に示すような、リニ
アアクチュエータ255とバルブボディ259より成るアクチ
ュエータ手段IVにおいて、油路150を連続に開閉して可
変オリフィスとするスプール258の変位を検出するもの
である。
状態量変化予測手段I′と状態判別手段II01は、前記
車速vと相対変位y,車輪荷重w,ガス温度tを取込む入力
部271と、その入力に基づいて状態量の変化予測と状態
の判別を行ない最適なゲインを選択する演算処理部272
と、最適ゲインおよび演算処理部272の各演算法および
予め演算に必要な定数等を記憶している記憶部273と、
演算処理部272で選択された最適ゲインを出力する出力
部274より構成されるマイクロコンピュータ270から成
る。なお、第4図で示す実施例では、目標制御力演算手
段II02,偏差演算手段II3,符号調整手段II4,その他の演
算部もマイクロコンピュータの機能によって構成されて
いる。
各4輪に対応するマイクロコンピュータ270で行う機
能を、第8図のフローチャートに沿って詳細に説明す
る。
予め車輪サスペンションを線形2自由度モデルに置き
換え、前記アクティブ制御のサスペンションを想定し
て、線形2乗形式最適制御法を用いて、k2とmの組合せ
で相対変位y,相対速度,バネ上変位x2,バネ上速度
2,減衰力fcに対する最適ゲインG1〜G5を算出し、記憶
させた前記記憶部273より読み出し、前記出力部274より
出力させる。
目標制御力演算手段II02は、前記マイクロコンピュー
タ270の出力部274より出力された最適ゲインG1〜G5とそ
れに対応する状態信号より、次式に従い、最適目標制御
力uを算出するための各輪毎に5個の乗算器241〜245と
加算器250とから成る。
すなわち、第1輪から第4輪について最適目標制御力
をu1,u2,u3,u4とすると、次式のようになる。
u1=(G11+K11)y+(G12+K12)+G13x2 +G14 +(G15+K15)fc u2=(G21+K21)y+(G22+K22)+G23x2 +G24 +(G25+K25)fc u3=(G31+K13)y+(G32+K14)+G33x2 +G34 +(G35+K16)fc u4=(G41+K24)y+(G42+K24)+G43x2 +G44 +(G45+K26)fc 一方、バネ上振動モデル(バウンス・ピッチ,ピッチ
ロール)では、記号の取り方により、次のように表記で
きる。
u1=G11y+G12+(G13+K11)x12 +(G14+K1212+(G15+K15)f1c u2=G21y+G22+(G22+K21)x22 +(G24+K2222+(G25+K25)f2c u3=G31y+G32+(G33+K31)x32 +(G34+K2332+(G35+K16)f3c u4=G41y+G42+(G43+K41)x42 +(G44+K2442+(G45+K26)f4c これを一般的に次のように表記して以下説明する。
u=G1・y+G2・+G3・x2+G4+G5・fc ……
(3) 偏差演算手段II3は、最適目標制御力演算手段II13
り出力される最適な目標制御力uに対して制御しようと
する減衰力fcとの偏差εを算出する偏差器251から成
る。
符号調整手段II4は、偏差器251の出力εにサスペンシ
ョン相対速度を掛け合せる乗算器252から成る。乗算
器252は、目標制御力uに対する偏差εに応じて減衰力
制御を行う上で、目標制御力に対する偏差εが減衰力に
よって制御できるか否かを判別し、かつ、制御可能な場
合には減衰力の増減方向を決める信号を出力し、また、
制御不能な場合には減衰力を減少させ、零に近付ける方
向の信号を出力させることである。
表および第9図を用いて、乗算器252による符号調整
機能を説明する。目標制御力uを車体に対して垂直方向
の上向きに正をとり、また、サスペンションの相対速度
を気液流体サスペンションの縮み方向に正をとると
き、目標制御力uと相対速度がともに同方向、例えば
油圧シリンダ310のピストンが上向き(正方向)に動
き、目標制御力uも上向き(正方向)である場合には、
油圧シリンダ310内の油が相対速度に比例してオリフ
ィス330を通りアキュームレータ320に流入するので、そ
のオリフィス330の開度を制御信号により変えることに
より、油圧シリンダ310内の圧力、すなわち減衰係数を
上向き(正方向)の減衰力fcの大きさを変えることがで
きる。この場合、偏差器251の出力εが正(u>fc)で
はオリフィス開度を閉方向とし、減衰係数を大きくして
減衰力を増加させ、εが負(u<fc)ではそれを開方向
とし、減衰係数を小さくして減衰力を減少させるような
制御信号を出力すればよい。また、油圧シリンダ310の
ピストンが下向き(負方向)に動き、目標制御力uも下
向き(負方向)である場合には、上記とは逆に、油がア
キュームレータ320からオリフィス330を通り油圧シリン
ダ310内に流入するので、同様にオリフィス開度を制御
することにより、下向き(負方向)の減衰力fcの大きさ
を変えることができる。この場合にも、εが正(−u>
−fc)ではオリフィス開度を開方向とし、減衰係数を小
さくして減衰力を減少させ、εが負(−u<fc)ではそ
れを閉方向とし、減衰係数を大きくしてサスペンション
に等価的に作用する減衰力を増加させるような制御信号
を出力すればよい。従って、目標制御力uとサスペンシ
ョン相対速度が同方向のときは、目標制御力uに基づ
いて減衰力fcを制御することができる。一方、目標制御
力uと相対速度が逆向き、例えば油圧シリンダ310の
ピストンが上向き(正方向)に動き、目標制御力uが下
向き(負方向)である場合には、油圧シリンダ310の油
がオリフィス330を介してアキュームレータ320に流入す
るので、オリフィス開度をある一定の開度にしておく
(制御をしない)と、相対速度とともに上向き(正方
向)の減衰力が作用することになり、目標制御力uに基
づいて減衰力を制御することができない。
そこで、オリフィス開度を制御信号により全開にし減
衰係数を最小にして、サスペンションに等価的に作用す
る正方向の減衰力fcを小さくしてやれば、あたかも制御
をしないときの減衰力fcに対して目標制御力uの方向に
力を作用させ、それを小さくしたことに相当する。この
ときの偏差器251の出力ε(=u−fc)は、目標制御力
uが負でfcが相対速度と同方向であることより正とな
るので、常に負となる。
また、油圧シリンダ310のピストンが下向き(負方
向)に動き、目標制御力の方向が上向き(正方向)であ
る場合にも、上記と同様に、目標制御力uに基づいて減
衰力を制御することができないので、制御信号によりオ
リフィス開度を全開とし減衰係数を最小にして、サスペ
ンションに等価的に作用する減衰力を小さくするのが望
ましい。このときの偏差器251の出力ε(=u−fc)
は、目標制御力uが正でfcが相対速度と同方向である
ことより負となるので、常に正となる。従って、目標制
御力uと相対速度の向きが逆方向のときは、目標制御
力uに基づいて減衰力の制御をすることができないの
で、制御信号によりオリフィス開度を全開とし減衰力を
小さくすればよいことになる。
以上述べたように、各状態の偏差器251の出力εに対
する減衰力およびオリフィス開度の制御方向をまとめる
と、表のようになる。このロジックを基本的に達成する
ためには、εの符号に減衰力と同方向であるサスペンシ
ョン相対速度の符号を掛け合せることにより、その出
力がオリフィス開度の制御方向と対応した制御信号とな
る。ここでは、制御信号が減衰力の増減方向を決めるも
のであればよく、また、目標制御力に対する偏差ε信号
に対するノイズの比、すなわちSN比をよくするために、
乗算器252でεに直接相対速度を掛け合せたεを制
御信号とした。
積分手段II5は、演算増幅器と積分ゲインを決める抵
抗RとコンデンサCから構成される積分器253から成
り、乗算器252の出力εを時間積分して目標制御力u
に対する減衰力fcとの偏差εのオフセット(残留偏差)
をなくすために、サスペンションの減衰力を検出し、フ
ィードバックして積分入力とするとともに、制御系の応
答性および安定性の観点から、積分ゲインKK(=1/CR)
をKK=2400とした。また、積分器253自身のドリフトを
防止するために、その出力を抵抗で入力へフィードバッ
クした。
駆動手段IIIは、前記積分器253の出力に対してアクチ
ュエータ手段IVのスプール変位信号をネガティブフィー
ドバックし、その偏差信号に比例した電流を出力する駆
動回路254から成る。
アクチュエータ手段IVは、第9図(b)に示すよう
に、サスペンションアーム262と車体フレーム263に取り
付けた気液流体サスペンションの油圧シリンダ310と一
体と成したバルブボディ259と、アキュームレータ320の
油室と油圧シリンダ310の油室とをバルブボディ259の中
を通して連通させる油路150と、その油路150を連続に開
閉して可変オリフィスとするスプール258と、そのスプ
ール258と一体と成したリニアアクチュエータ255のムー
ビングコイル257と、そのムービングコイル257に流れる
駆動回路254の出力である電流に応じてそれに作用する
力を与える永久磁石260と、リニアアクチュエータ255に
取り付けてムービングコイルに作用する力を抑制するた
めにスプールの変位を検出する変位センサ256と、変位
を表わす信号を出力するアンプ224とから成る。
第10図を用いて、アクチュエータ手段IVの制御入力で
ある前記制御手段IIの乗算器252の出力εを時間積分
した∫εdtに対するスプールの動きを説明する。第10
図の横軸に制御入力∫εdtを、縦軸にスプール変位xs
とオリフィス開度aおよびスプール変位に対する減衰係
数Cを示す。乗車時の乗心地を確保するために、制御入
力∫εdtが零のときにはスプール変位信号を駆動回路
254にフィードバックしてスプール変位xsを中立位置
(0%)に保ち、乗心地を満足するようなオリフィス開
度、すなわち減衰係数Cを与えた。そのときの減衰係数
Cの値は、サスペンションの相対速度の関数である。
次に、乗算器252の正出力(+ε)に対しては制御入
力も正(+∫εdt)となるので、スプール変位xsはε
に応じて中立位置より油路150を全閉(xs=−100%)
方向に移動し、オリフィス開度aを小さくし、減衰係数
Cを上げて減衰力を増加させる。また、乗算器252の負
の出力(−ε)に対しては制御入力も負(−∫εd
t)となるので、スプール変位xsはεに応じて中立位
置より油路350を全開(xs=+100%)方向に移動し、オ
リフィス開度aを大きくし、減衰係数Cを下げて減衰力
を減少させる。
本実施例の作用は次のとおりである。
路面からの外力または外乱に対して、マイクロコンピ
ュータ270で車速センサ214の出力vと、アンプ221aで検
出した車輪荷重wと、直線型ポテンショメータで検出し
た相対変位yと、温度センサ213で検出したガス温度t
に基づいて、相対変位y,相対速度,バネ上変位x2,バ
ネ上速度2,減衰力fcに対する最適ゲインG1〜G5を出力
し、前記(3)式に基づいて算出する最適な目標制御力
uを加算器250より出力する。この目標制御力uの出力
に対して制御しようとする減衰力fcとの偏差をとり、そ
の偏差に乗算器252で相対速度を掛け合せて減衰力の制
御信号に変え、その出力に応じて積分器253,駆動回路25
4を経てリニアアクチュエータ255に電流を与え、スプー
ル258を移動させることにより減衰係数が変わり、減衰
力fcを連続的に変えることができる。
上述の作用を有する本発明の実施例の装置は、気液流
体サスペンションにおいて最適ゲインを常に選択でき、
それによって算出した最適目標制御力uの信号に基づい
て減衰力fcを連続的に制御するので、あらゆる走行状態
に適応することができ、その結果、乗心地や走行安定性
等をはるかに向上させることができるという利点があ
る。
また、符号調整手段II4の乗算器252で、目標制御力に
対する偏差εとサスペンションの相対速度との積ε
としたことにより、偏差εに比べ信号レベルが上がるの
で、信号に対するノイズ比、すなわちSN比のよい制御信
号εが得られる。さらに、その信号を時間積分する積
分器253により、乗心地に影響するバネ上振動のふわふ
わ成分(0.2Hz〜2Hz)を最適な振動レベルに制御するの
に有害なオフセット(残留偏差)をなくすことができ
る。従って、目標制御力uのふわふわ成分に追従した減
衰力の制御を可能にし、最適な振動レベルにすると同時
に、減衰力制御に悪影響を及ぼす高い周波数のノイズに
対してはゲインが小さく、振動制御に必要な周波数に対
しては十分にゲインが高いので、制御系の安定性を向上
させることができるという利点がある。
また、減衰力fcを制御するアクチュエータ手段IVは、
リニアアクチュエータで発生する力に対してリターンス
プリングを用いる代わりに、スプールの変位をフィード
バックしているため、わずかな電気エネルギーでスプー
ルを動かすことができ、それによって発明する力を有効
に利用できるので、応答性が向上し、周波数の高い細か
な振動まで制御でき、かつ、油圧源,空気圧源等の動力
源が不要で、それによる配管等の重量,スペース,コス
トの低減をはかれるという利点がある。
なお、本発明の符号調整手段II4では乗算器252を用い
たが、徐算器でもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を示すブロック図、 第2図は従来技術を示すブロック図、 第3図(a)は本発明を自動車に適用した実施例の振動
制御装置におけるサスペンションの位置を示す図、同図
(b)は実施例の制御機構の概略を示す図、 第4図は第3図(b)に示す制御機構を制御する電子制
御装置を示すブロック図、 第5図は本実施例の動作を説明するための動作フロー
図、 第6図は突起段差対応制御の制御系の動作を説明するた
めの図、 第7図は第4図の実施例における単輪部分の制御を説明
するための図、 第8図は第7図の動作の流れを示す動作フロー図、 第9図(a)は本発明の実施例の自動車気液流体サスペ
ンションの概略構成図、同図(b)はアクチュータ手段
の断面図、 第10図は制御入力とオリフィス開度、スプール変位、減
衰係数の関係を示す特性図、 第11図は状態予測を行なうための実験的に求めたマップ
を示す図である。 I……状態検出手段、I′……状態量変化予測手段、II
……制御手段、II01……状態判別手段、II02……目標制
御力演算手段、II2……検出制御力演算手段、II3……偏
差演算手段、III……駆動手段、IV……アクチュエータ
手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三戸 利泰 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両を支えるサスペンションの特性に影響
    を与える物理量を検出するとともにサスペンションの動
    きを示す状態量および車両の走行状態を示す状態量を検
    出する状態検出手段と、 該状態検出手段により検出された現在までの車両の走行
    状態を示す状態量から、来るべき車両の運動状態の変化
    を所定の演算により予測演算する状態量変化予測手段
    と、 前記状態検出手段により検出された現在の状態量と前記
    状態量変化予測手段により予測演算された車両の来るべ
    き状態量の変化量とから、来るべき車両の運動状態を判
    別する状態判別手段と、前記状態検出手段により検出さ
    れた物理量と前記状態判別手段が判別した車両の来るべ
    き運動状態とに基づいて最適な目標制御力を演算する目
    標制御力演算手段と、前記状態検出手段が検出した物理
    量に対応した検出制御力を演算する検出制御力演算手段
    と、前記目標制御力と検出制御力との偏差を演算する偏
    差演算手段とを具備する制御手段と、 該制御手段の出力である両制御力の偏差信号をパワー増
    幅する駆動手段と、 パワー増幅された出力に基づきサスペンションに働く外
    力または外乱を考慮した目標制御力に対する現実の検出
    した制御力の偏差に応じた制御力を等価的に発生すべく
    サスペンションの特性を連続的に可変制御するアクチュ
    エータ手段とからなり、 車両全体および各輪のサスペンションの状態量の変化度
    合から、来るべき車両の状態量の変化分を予測し、その
    変化分を考慮した状態量と物理量とに応じた最適目標制
    御力を予測演算することにより、車両の来るべき運動状
    態に即した最適な目標制御力を発生させ、サスペンショ
    ンの特性を連続的に最適可変制御することを特徴とする
    減衰力可変式サスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】前記状態量変化予測手段は、前記状態検出
    手段により検出された現在までの走行状態を示す状態量
    と車両の状態を決定する制御量との対応関係に基づき、
    来るべき車両の運動状態の変化を予測演算することを特
    徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の減衰力可変式
    サスペンション制御装置。
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