JP2551770B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

車両の操舵制御装置

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JP2551770B2
JP2551770B2 JP62023261A JP2326187A JP2551770B2 JP 2551770 B2 JP2551770 B2 JP 2551770B2 JP 62023261 A JP62023261 A JP 62023261A JP 2326187 A JP2326187 A JP 2326187A JP 2551770 B2 JP2551770 B2 JP 2551770B2
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    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2400/00Indexing codes relating to detected, measured or calculated conditions or factors
    • B60G2400/80Exterior conditions
    • B60G2400/84Atmospheric conditions
    • B60G2400/841Wind

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,車両の操舵装置に関するもので,更に詳し
くは,横風や突風等の外乱に対する車両挙動量の修正能
力が高く,かつ急操舵や大半径旋回等の操舵入力に対す
る車両の挙動変化の応答性に優れた車両の操舵装置に関
するものである。
〔従来の技術およびその問題点〕
一般に車両の運動性能及び操舵安定性は運転者のハン
ドル操作すなわち操舵入力に対する車両のヨーレート
(車両の上方からみてその重心回りに生ずる回転角速
度)または横加速度(車両の重心に車両進行方向とは直
角方向,すなわち車両並進方向の加速度)の関係が重要
な要素となっている。
そして車両は,横風や路面摩擦係数などの外乱に影響
されることなく,操舵入力に対応した素早い運動や直進
走行時にその進路が運転者の意志のままに直進するよう
な安定性を確保されるのが理想である。
ところで,車両に上記のような運動性や安定性を持た
せるために特開昭60−161266号のように,フィードフォ
ワード型制御とフィードバック型制御を組み合わせた装
置が考案されており,この装置では第2図に示すように
ハンドル角からヨーレートまたは横加速度の係数倍を減
じた値に,前記減じた値の微分値を加えた値で制御する
方法や,第3図に示すようなハンドル角と該ハンドル角
の微分値に係数をかけた値の和をフィードフォワード信
号として後輪の補助操舵に用い,車両の挙動をネガティ
ブフィードバック信号として前輪の補助操舵に用いるよ
うに制御する方法を用いることにより,フィードバック
制御とフィードフォワード制御を兼ね備えた制御を行
い,それによってフィードフォワード型制御の欠点とフ
ィードバック型制御の欠点をそれぞれ行ち消すように制
御するとしている。
しかしながら,上記補助操舵装置においては,例えば
運転者が障害物回避のような急操舵を実施した場合は,
上記微分値の影響による制御量で補助操舵量が急激に増
加するので車両が急激に方向を転換し始め,これによっ
て運転者に極度の精神的負担を増加し,ひいてはハンド
ルの切り過ぎによる安定性の欠如からの突発事故を誘発
しかねない。また,高速道路などの比較的大きな半径で
旋回するときには,上記微分値はほとんど車両の運動に
影響を与えず,その結果として,フィードフォワード信
号が小さくなり,車両全体として考えるとアンダーステ
アを増加することとなり,その結果車両の運動性は悪化
する。更に,横風や轍,段差などの影響により車両に外
力が加わる場合,運転者はこれらの不意の外乱に対して
慌てて当て舵等をするため,この急激な当て舵の影響に
よる前記微分値の増加で実舵角は切り増し過ぎて予想以
上の運動を引き起こす可能性がある。
前記不具合は,従来装置の補助操舵装置ではハンドル
角の値とハンドル角の微分値に係数を掛けた値の2つを
用いてフィードフォワード制御を行ったため,通常の操
舵装置と比較して微分値の影響が大きく出過ぎてしま
い,思うような制御を行うことが出来ないことに起因す
る。また微分値にかかる係数を小さくすると車両全体の
ゲインが低下し,制御系全体としてみるとフィードバッ
ク制御とあまり変わらないものとなってしまう。すなわ
ち,最適な制御は上記補助操舵装置では達成されないこ
とになる。
また,第3図のような補助操舵装置では前後輪それぞ
れ独立に異なった制御を行うため,前輪の動きと後輪の
動きをそれぞれ制御しなおかつ装置も複雑化してくるた
め,それらに伴う重量増加などの影響で本来目標とした
制御効果が得られない場合が多い。
〔発明の目的〕
本発明の目的は,横風や外乱などに対する車両の挙動
修正能力が高く,かつ操舵入力に対する車両の挙動変化
の応答性を高めるような制御を操舵系に与えることによ
り,最適な操舵を可能とすることである。
上記従来技術の不具合は,フィードフォワード制御
に,単にハンドル角の値とハンドル角の微分値に係数を
掛けた値の2つを用いたためである。そこで,本発明者
等はこのフィードフォワード制御の中に,これら2つの
値のみならずハンドル角の係数倍の値を加えた制御を行
うことにより上記不具合を解決し,これらフィードフォ
ワード制御とフィードバック制御を組み合わせた制御
で,よりよい操縦性,安定性を車両に与えることに着眼
した。
すなわち,運転者が急操舵をした場合には,車両が急
激に方向を転換するのを防ぐために,ハンドル角の微分
値を加えるだけではなく,例えばハンドル角の係数倍の
値により車両の急激な挙動の変化を抑えることが出来,
その結果として運転者の精神的な負担を低くすることが
出来,ひいては車両を安全に走行させると共に切り始め
のみ早く動かすことが可能となる。
また,上記大半径での旋回に於いては,ハンドル角の
係数倍の値により,車両のアンダーステアを減少させ,
車両の運動特性を悪化させることなくかつフィードフォ
ワード制御による安定性の確保を成され,外乱に非常に
強くかつ応答性も高い車両の補助操舵を行うことが可能
となる。
そして,車両に横風や突風のような外力が働き運転者
がこの不意の外乱に対し当て舵などをしたときは,ハン
ドル角の係数倍により,微分値の影響を押さえより安定
な運動を提供することが可能となる。
〔発明の説明〕
第1発明の説明 本発明の車両の操舵制御装置は,第1図に示すように
車両の操舵量を制御する操舵制御装置において,ハンド
ルの操舵角を検出する操舵センサIと,車両の挙動量を
検出する挙動センサIIと,前記操舵センサより出力され
た操舵角信号をそのまま出力する操舵角信号回路III11
と,前記操舵角信号を係数G1倍する第1係数器III12
有する操舵角信号演算回路III13と,前記操舵角信号か
ら操舵角速度信号を演算する微分回路III14と該操舵角
速度信号を係数G2倍する第2係数器III15とからなる操
舵角速度信号演算回路III16と,前記操舵角信号回路III
11と前記操舵角信号演算回路III13と前記操舵角速度信
号演算回路III16とから得られる信号を加算する加算器I
II17とからなり,該加算信号をフィードフォワード制御
信号として発生させるフィードフォワード信号演算手段
III1と,前記挙動センサより出力される挙動量信号を係
数G3倍する第3係数器III21を有する挙動量信号演算回
路III22からなり,該挙動量信号演算回路III22から得ら
れる信号をフィードバック制御信号として発生させるフ
ィードバック信号演算手段III2と,前記フィードフォワ
ード信号演算手段III1と前記フィードバック信号演算手
段III2から出力された信号を加減算して操舵制御信号と
する加減算器III31を有する制御信号演算手段III3とか
らなる制御手段IIIと,前記制御手段IIIの出力である操
舵制御信号をパワー増幅する駆動手段IVと,前記駆動手
段IVにて増幅された出力を転舵角に変換して前輪または
後輪の少なくとも何れか一方の転舵輪を制御するアクチ
ュエータ手段Vとを具備してなる。
上記構成よりなる本発明の車両の操舵制御装置の作用
および効果は,次の通りである。すなわち,操舵センサ
Iに於いて,ハンドルにおける操舵角を操舵角に相当す
る電気信号などに変換する。また,挙動センサIIに於い
て,車両の挙動変化量を前記変化量に相当する電気信号
などに変換する。そして,これら前記操舵センサI及び
挙動センサIIから出力された電気信号などを制御手段II
Iに於いて,操舵角に対する車両の挙動を最適にするた
め,操舵角を微分的に切り増し,切り戻しするための微
分回路III14と第2係数器III15とからなる操舵角速度信
号演算回路III16と,操舵角の実舵角に対する大きさ
(係数G1)を補正するための第1係数器III12を有する
操舵角演算回路III13と,操舵角をそのまま後段の制御
手段に伝える操舵角信号回路III11からなるフィードフ
ォワード信号演算手段III1でハンドル操舵量以上の舵角
を与えることにより操舵に対する車両の応答性を高め,
車両の挙動を検出する挙動センサIIからの信号にフィー
ドバック量を決定する係数G3を乗算する第3係数器III
21を有する挙動量信号演算回路III22からなるフィード
バック信号演算手段III2で車両挙動量が突変した時これ
を抑えるように操舵することにより車両の安定性を向上
させる。
すなわち,ハンドル操舵量δは前記フィードフォワー
ド信号演算手段III1により,δ+G1・+G2・δという
値のフィードフォワード信号に変換される。このフィー
ドフォワード信号とフィードバック信号演算手段から発
生される信号を前記制御信号演算手段III3に於いて加減
算して操舵制御信号を発生させる。
前記操舵制御信号を駆動手段IVに於いてアクチュエー
タを駆動するためのアクチュエータ駆動信号に増幅し,
このアクチュエータ駆動信号をアクチュエータ手段Vに
於いて前輪又は後輪の少なくとも一方の転舵輪に最適な
転舵角を与えるようにアクチュエータを駆動する。
従来の技術では,フィードフォワード信号はハンドル
角の微分値に係数G2をかけた値を加えただけなので,例
えば急操舵を実施した場合にはハンドル角δとハンドル
角の微分値が出力され,これにより車両が大きく旋回
し始め,ドライバーにとっては思いがけない運動を発生
することとなり,ドライバーは煩雑なハンドル操作を余
儀なくされる。そのため,本発明では前記の影響をδ
の係数倍の値で上記悪影響を相殺し,優れた車両の操縦
安定性を確保することが可能となる。
すなわち,この様な車両の操舵制御装置を用いること
により,急操舵の場合には,車両が急激に方向を転換す
るのを防ぐために,ハンドル角の微分値を加えるだけで
はなく例えばハンドル角の係数倍の値を減ずることも可
能となるために,車両の急激な挙動の変化を抑えること
が出来,その結果として運転者の精神的な負担を低くす
ることが出来,ひいては車両を安全に走行させると共に
切り始めのみ早く動かすことが可能となる。
また,大半径での旋回に於いては,ハンドル角の係数
倍の値を加えることが可能になるため,車両のアンダー
ステアを減少させ,車両の運動特性を悪化させることな
くかつフィードフォワード制御による安定性の確保も成
され,外乱に非常に強くかつ応答性も高い車両の補助操
舵行うことが可能となる。
そして,車両に外力が働き運転者がこの不意の外乱に
対し当て舵などをしたときは,ハンドル角の係数倍の値
を減ずることにより,微分値の影響を押さえより安定な
運動を提供することが可能となる。
第2発明の説明 本発明の車両の操舵制御装置は、第4図に示すように
車両の操舵量を制御する操舵制御装置において、 ハンドルの操舵角を検出する操舵センサIと、 車両の挙動量を検出する挙動センサIIと、 前記操舵センサより出力された操舵角信号をそのまま
出力する操舵角信号回路III11と,前記操舵角信号を係
数G1倍する第1係数器III12を有する操舵角信号演算回
路III13と,前記操舵角信号から操舵角速度信号を演算
する微分回路III14と該操舵角速度信号を係数G2倍する
第2係数器III15とからなる操舵角速度信号演算回路III
16と,前記操舵角信号回路III11と前記操舵角信号演算
回路III13と前記操舵角速度信号演算回路III16とから得
られる信号を加算する加算器III17とからなり,該加算
信号をフィードフォワード制御信号として発生させるフ
ィードフォワード信号演算手段III1と, 前記挙動センサより出力される挙動量信号を係数G3
する第3係数器III21を有する挙動量信号演算回路III22
からなり,該挙動量信号演算回路III22から得られる信
号をフィードバック制御信号として発生させるフィード
バック信号演算手段III2と, 前記フィードフォワード信号演算手段III1と前記フィ
ードバック信号演算手段III2から出力された信号を加減
算して操舵制御信号とする加減算器III31を有する制御
信号演算手段とIII3, 車速や積載荷重等の車両状態量を検出する車両状態検
出センサVIまたは路面状況に関連する外部環境状態量を
検出する外部環境状態検出センサVIIの少なくとも一方
と第1係数器III12に接続され,前記接続されたセンサ
から得られた車両状態量信号または外部環境状態量信号
の少なくとも一方に基づいて第1係数器III12の係数を
変更するゲイン変更手段III4と, からなる制御手段IIIと、 前記制御手段IIIの出力である操舵制御信号をパワー
増幅する駆動手段IVと、 前記駆動手段IVにて増幅された出力を転舵角に変換し
て前輪または後輪の少なくとも何れか一方の転舵輪を制
御するアクチュエータ手段Vと、 を具備してなる。
すなわち,本第2発明の車両の操舵制御装置は,前記
第1発明の車両の操舵制御装置において,さらに,制御
手段IIIが,車速や積載荷重等の車両状態量を検出する
車両状態検出センサVIおよび/または路面状況などの外
部環境状態量を検出する外部環境状態検出センサVIIと
第1係数器III12に接続され,前記車両状態検出センサV
Iおよび/または外部環境状態検出センサVIIから得られ
た車両状態量信号および/または外部環境状態量信号に
基づいて第1係数器III12の係数G1を変更するゲイン変
更手段III4を具備してなる。
本発明の作用および効果について、前記第1発明の作
用および効果との相違点を中心に説明する。
操舵センサIに於いて,ハンドルにおける操舵角を操
舵角に相当する電気信号などに変換する。また,挙動セ
ンサIIに於いて,車両の挙動変化量を前記変化量に相当
する電気信号などに変換する。そして,これら前記操舵
センサI及び挙動センサIIから出力された電気信号など
を制御手段IIIに於いて,操舵角に対する車両の挙動を
最適にするため,操舵角を微分的に与えるための微分回
路III14と第2係数器III15とからなる操舵角速度信号演
算回路III16と,操舵角の実舵角に対する大きさを補正
するための第1係数器III12を有する操舵角信号演算回
路III13と,操舵角をそのまま後段の制御手段に伝える
操舵角信号回路III14からなるフィードフォワード信号
演算手段III1でハンドル操舵量δは前記フィードフォワ
ード信号演算手段III1により,δ+G1・+G2・δとい
う値のフィードフォワード信号に変換する。
また,車両の挙動を検出する挙動センサIIからの信号
にフィードバック量を決定するゲインG3を乗算する第3
係数器III21を有する挙動量信号演算回路III22からなる
フィードバック信号演算手段III2で車両挙動量αはG3
αという値のフィードバック信号に変換する。
そして,前記フィードフォワード信号とフィードバッ
ク信号を前記操舵信号演算手段III3の加減算器III31
加減算することにより操舵制御信号を発生させる。
前記操舵制御信号を駆動手段IVに於いてアクチュエー
タを駆動するためのアクチュエータ駆動信号に増幅し,
このアクチュエータ駆動信号をアクチュエータ手段Vに
於いて前輪又は後輪の少なくとも一方の転舵輪に最適な
転舵角を与えるようにアクチュエータを駆動する。
ところで,ゲイン変更手段III4は,車速,積載荷重,
等の車両状態量および/または路面状況などの外部環境
状態量によってこれらの信号に応じて係数(以下,ゲイ
ンという)G1を変化させることが可能である。このゲイ
ン変更手段III4によって,車両状態検出センサVI及び外
部環境状態検出センサVIIより発生する車速,積載荷
重,路面状況などに相当する電気信号などにより,車
速,積載荷重,路面状況の状態に応じてゲインG1の値を
変更することにより,車速が変化しても車両の操舵に対
する挙動の応答特性を一定にすることが可能となり,よ
り一層車両の操縦性や安定性を高めことが可能となる。
〔実施態様の説明〕
第1の実施態様 本発明の第1の実施態様は,前記第2発明の車両の操
舵制御装置において、制御手段のゲイン変更手段が,第
1係数器および第2係数器に接続して,前記接続された
センサから得られた車両状態量信号または外部環境状態
量信号の少なくとも一方に基づいて第1係数器および第
2係数器の係数を変更するようにしたものである。
すなわち、第5図のブロック図に示されるものであ
り,ゲイン変更手段III4が,第1係数器III12および第
2係数器III15に接続してなり,車両状態検出センサお
よび/または外部環境状態検出センサから得られた車両
状態量信号および/または外部環境状態量信号に基づい
て第1係数器III12および第2係数器III15の係数を変更
するようになしたものである。
このような構成上の特徴を有する第1の実施態様の作
用および効果について説明する。
フィードフォワード信号演算手段III1に含まれる第2
係数器III15のゲインG2は,第1係数器III12のゲインG1
が大きい時は前記ゲインG2も大きくし,逆に前記第1係
数器III12のゲインG1が小さい時は前記ゲインG2も小さ
くするように設定する。
上記のようにすることにより,例えば広い道路で運転
車に余裕のあるレーンチェンジのような操舵の微分値が
小さい場合において, 車両の状態検出センサおよび/または外部環境状態検
出センサから得られた車両状態量信号および/または外
部環境状態量信号に基づいて,車両の運動特性の劣化,
すなわち車両が運転車のハンドル操舵に敏感に対応しな
いような現象を引き起こさないように,操舵角信号の大
きさを補正するための第1係数器III12に加えて,操舵
角の微分値の大きさを補正する第2係数器III15の各々
のゲインG1およびG2を共に大きくし車両のアンダーステ
アを減少させるものである。
一方,高速走行時の緊急操舵のように急激な操舵角信
号や操舵角信号の微分値の立ち上がりに対して同様に,
第1係数器III12に加えて第2係数器III15の各々のゲイ
ンG1およびG2を共に小さくするように設定することによ
り車両のオーバーステア傾向を減少させ,車両に安定な
運動を与え,前記第2発明の車両の操舵制御装置と比べ
より一層の制御効果が得られ,よりよい車両の操縦性や
安定性を与えることが可能となる。
〔実施態様の説明〕
第2の実施態様 本発明の第2の実施態様は,前記第1実施態様の車両
の操舵制御装置において、制御手段のゲイン変更手段
が,第1係数器,第2係数器および第3係数器に接続し
て,前記接続されたセンサから得られた車両状態量信号
または外部環境状態量信号の少なくとも一方に基づいて
第1係数器と第2係数器および第3係数器の係数を変更
するようになしたものである。
すなわち、第6図のブロック図に示されるものであ
り,前述の第1の実施態様において,ゲイン変更手段II
I4が,第1係数器III12と,第2係数器III15,および第
3係数器III21に接続して,車両状態検出センサおよび
/または外部環境状態検出センサから得られた車両状態
量信号および/または外部環境状態量信号に基づいて第
1係数器III12と第2係数器III15および第3係数器III
21の係数を変更するようになしたものである。
このような構成上の特徴を有する第2の実施態様の作
用および効果について説明する。
フィードバック信号演算手段III2に含まれる第3係数
器III21のゲインG3は前記フィードフォワード信号演算
手段III1に含まれる第1係数器III12および第2係数器I
II15のゲインG1およびG2の設定値が大きいとき,すなわ
ち運転者の与えた操舵角に対する車両の挙動の応答が高
い場合は,前記フィードバック信号演算手段III2の第3
係数器III21にかかるゲインG3の設定値を小さくし,前
記フィードフォワード信号演算手段III1の第1係数器II
I12および第2係数器III15のゲインG1およびG2の設定値
が小さい場合,すなわち運転者の与えた操舵角に対する
車両の挙動の応答が低い場合には,前記フィードバック
信号演算手段III2の第3係数器III21にかかるゲインG3
の設定値を大きくすることにより,前記第1の実施態様
よりもより一層の制御効果の向上を達成することができ
る。
〔実施態様の説明〕
第3の実施態様 本発明の第3の実施態様は,前述の本発明の第2発明
の車両の操舵制御装置、本発明の第1の実施態様および
第2実施態様の車両の操舵制御装置において、制御手段
のゲイン変更手段が,さらに操舵センサまたは操舵角速
度信号演算回路の少なくとも一方に接続して,前記接続
されたセンサから得られた車両状態量信号または外部環
境状態量信号の少なくとも一方,および前記操舵センサ
または操舵角速度信号演算回路の少なくとも一方から得
られた操舵角信号または操舵角速度信号の少なくとも一
方に基づいて係数器の係数を変更するようになしたもの
である。
すなわち、第7図のブロック図に示されるものであ
り,前述の本発明の第2発明の車両の操舵制御装置、本
発明の第1の実施態様および第2の実施態様において,
ゲイン変更手段III4が,車両状態検出センサVIおよび/
または外部環境状態検出センサVIIと,操舵センサIお
よび/または操舵角速度信号演算回路III16に接続し
て,車両状態検出センサVIおよび/または外部環境状態
検出センサVIIから得られた車両状態量信号および/ま
たは外部環境状態量信号,および操舵センサIおよび/
または操舵角速度信号演算回路III16から得られた操舵
角信号および/または操舵角速度信号に基づいて第1〜
第3係数器の係数(G1〜G3)を変更可能とするようにな
したものである。
この様な構成上の特徴を有する第3の実施態様につい
て作用及び効果を説明する。
制御手段IIIにおいて,ハンドルの操舵角に基づく制
御信号をフィードフォワード信号演算手段III1において
演算し,また車両の挙動量に基づく制御信号をフィード
バック信号演算手段III2によって演算し,前記二つの制
御信号を制御信号演算手段III3に於いて演算し,最適な
操舵を発生する。
また,制御手段IIIのゲイン変更手段III4によって,
前記フィードフォワード信号演算手段III1及びフィード
バック信号演算手段III2の係数器III12,III15,III21
かかる最適なゲインの値を設定する。
ところで,この様なゲインの値は単に車速,積載荷重
等の車両状態量や,路面状況などの外部環境状態量のみ
ならずドライバーの意志を反映しながら切り換えられる
ことが望ましく,ましてやこれが自動的に行われること
が望ましい。
そこで,本発明者等はドライバーの意志を反映するも
のとしてハンドルの操舵角やその操舵速度によって前記
ゲインの値を設定し直すようなゲイン変更手段III4を具
備した。
ゲイン変更手段III4は,ハンドルの操舵角が小さい時
はドライバーが車両を旋回させる意志がないものと判断
して前記ゲインG1,G2を小さな値に設定して,かつゲイ
ンG3を大きな値にする。また,ハンドルの操舵角が大き
くなったときはドライバーは明らかに車両を旋回させる
意志があると判断して前記ゲインG1,G2を大きな値に設
定し,かつゲインG3を小さな値に設定する。また,操舵
速度が速いときはドライバーは急な挙動を車両に要求し
ていると判断して,上記ハンドルの操舵角が大きいとき
と同様にゲインG1,G2,G3を設定する。
上記ゲイン変更手段III4を具備することにより,ハン
ドルの操舵角が小さい時はフィードフォワード信号演算
手段III1から発生するフィードフォワード信号を小さく
し,かつフィードバック信号演算手段III2から発生する
フィードバック信号を大きくすることにより,操舵制御
信号はフィードバック信号の影響の強い信号となり車両
の安定性が一層向上する。また,ハンドルの操舵角が大
きいときやハンドルの操舵角速度が大きいときはフィー
ドフォワード信号演算手段III1から発生するフィードフ
ォワード信号を大きくし,フィードバック信号演算手段
III2から発生するフィードバック信号を小さくすること
により操舵制御信号はフィードフォワード信号の影響の
強い信号となり車両の応答性が一層向上する。
すなわち,ハンドルの操舵角や操舵速度によって車両
の安定性や応答性がそれぞれ向上するようになり,一層
の制御効果の向上が可能となる。
〔実施態様の説明〕
第4の実施態様 本発明の第4の実施態様は,前述の本発明の第2発明
の車両の操舵制御装置、本発明の第1の実施態様および
第2の実施態様において、制御手段のゲイン変更手段
が,さらに操舵センサまたは操舵角速度信号演算回路の
少なくとも一方,および挙動センサに接続して,前記接
続されたセンサから得られた車両状態量信号または外部
環境状態量信号の少なくとも一方,および前記操舵セン
サまたは操舵角速度信号演算回路の少なくとも一方から
得られた操舵角信号または操舵角速度信号の少なくとも
一方,および挙動センサから得られた挙動量信号に基づ
いて係数器の係数を変更するようになしたものである。
すなわち、第8図のブロック図に示されるものであ
り,前述の本発明の第2発明の車両の操舵制御装置、本
発明の第1の実施態様および第2の実施態様において,
ゲイン変更手段III4が,車両状態検出センサVIおよび/
または外部環境状態検出センサVIIと,操舵センサIお
よび/または操舵角速度信号演算回路III16,および挙動
センサIIに接続して,車両状態検出センサVIおよび/ま
たは外部環境状態検出センサVIIから得られた車両状態
量信号および/または外部環境状態量信号,および操舵
センサIおよび/または操舵角速度信号演算回路III16
から得られた操舵角信号および/または操舵角速度信
号,および挙動センサIIから得られた挙動量信号に基づ
いて第1〜第3係数器の係数(G1〜G3)を変更可能とす
るようになしたものである。
この様な構成上の特徴を有する第4の実施態様につい
て作用及び効果を説明する。
制御手段IIIにおいて,車両の状態量に基づく制御信
号をフィードフォワード信号演算手段III1において演算
し,また車両の挙動量に基づく制御信号をフィードバッ
ク信号演算手段III2によって演算し,前記二つの制御信
号を制御信号演算手段III3に於いて演算し,最適な操舵
制御信号を発生する。
また,制御手段IIIのゲイン変更手段III4によって,
前記フィードフォワード信号演算手段III1及びフィード
バック信号演算手段III2の係数設定器III12,III15,III
21にかかる最適なゲインG1,G2,G3の値を設定する。
しかしながら,車速や車両のハンドルの操舵角や操舵
角速度からこれらゲインの値を決定すると,操舵角や操
舵角速度を検出すべき操舵センサIまたは車速センサVI
に故障が発生した場合,これを保証すべき機能を制御手
段IIIでは持たず,操舵制御角は制御されるべき値と異
なった値を示し,非常に危険な状況に運転者を追い込
む。
また,操舵センサIから発生する操舵角信号や操舵角
速度信号のみでは測定(推測)できない車両の挙動をゲ
イン変更手段III4のゲイン変更のための情報として入力
することにより,より正確な制御を可能とする。
すなわち,車両の挙動量と車両の状態量等を前記ゲイ
ン変更手段III4の入力に与えることにより,一層安全
で,なおかつ複雑な制御が比較的簡単な機構で可能とな
り,これによって制御効果も一層向上させることが可能
となる。
〔実施態様の説明〕
第5の実施態様 本発明の第5の実施態様は,前述の本発明の第2発明
の車両の操舵制御装置、本発明の第1の実施態様ないし
第4実施態様において、ゲイン変更手段が,車両状態検
出センサ,外部環境検出センサ,操舵センサ,挙動セン
サ等から得られた車両状態量信号,外部環境状態量信
号,操舵角信号,操舵角速度信号,車両挙動量信号の少
なくとも一つの信号から車両の状況が人間の感覚で現在
どのレベルにあるのかを判定する状態感覚判定手段と,
該状態感覚判定手段結果を車両の安定性及び速応性の必
要度合に置き換える関数を用いることによって車両の安
定性及び速応性の必要度合を判定する車両状態判定手段
と,該車両状態判定手段で求められた車両状態判定値か
らゲインを決定し,前記係数器に出力するゲイン決定手
段とからなることを特徴とする。
すなわち,第9図のブロック図に示されたものであ
り,前述の本発明の第2発明の車両の操舵制御装置、本
発明の第1の実施態様ないし第4の実施態様におけるゲ
イン変更手段III4が,車速や積載荷重等の車両状態量を
検出する車両状態検出センサVI及び/または路面状況,
降雨量,外気温等の外部環境状態量を検出する外部環境
状態検出センサVII及び/または操舵センサI及び/ま
たは操舵角速度信号演算回路III16及び/または挙動セ
ンサIIの少なくとも一つ,及び第1係数器III12及び/
または第2係数器III15及び/または第3係数器III21
接続して,車両状態検出センサVI及び/または外部環境
状態検出センサVII及び/または操舵センサI及び/ま
たは操舵角速度信号演算回路III16及び/または挙動セ
ンサIIの少なくとも一つから得られた信号から車両の状
況が人間の感覚で現在どの状況にあるのかを判定する状
況感覚判定手段III41と,前記状況感覚判定手段III41
ら得られた判定結果に基づいて車両の安定性及び速応性
の必要度合を判定する車両状態判定手段III42と,前記
車両状態判定手段III42で求められた判定値に基づいて
ゲインG1〜G3を決定し,前記第1係数器III12及び/ま
たは第2係数器III15及び/または第3係数器III21に出
力するゲイン決定手段III43を有するものである。
この様な構成上の特徴を有する第5の実施態様につい
て作用及び効果を説明する。
ゲイン変更手段III4は,先ず車両状態検出センサVI,
外部環境状態検出センサVII,操舵センサI,操舵角速度信
号演算回路III16,挙動センサIIから得られた車速,積載
荷重,路面状況,降雨量,外気温,操舵角,操舵角速
度,挙動量等の車両状態量信号,外部環境状態量信号,
操舵角信号,操舵角速度信号,車両挙動量信号の少なく
とも一つの信号を読み込む。
次に,状態感覚判定手段III41に於いて前記読み込ん
だ信号に対して車両の状況が,例えば車速がどの程度大
きいのか,積載荷重がどの程度重いのか,操舵角がどの
程度大きいのか等の現在の状況を判定する。
次に,車両状態判定手段III42に於いて判定された状
況から多少の曖昧さを許容した挙動量毎に予め設定した
〔(I)〜(VIII)に例示〕判断条件に従い車両に対す
る速応性の必要度合Mを算出する。
(I)車速が速ければ速応性を低下させる。
(II)積載荷重が重ければ速応性を低下させる。
(III)路面状況が滑り易ければ速応性を低下させる。
(IV)降雨量が多ければ速応性を低下させる。
(V)外気温が低ければ速応性を低下させる。
(VI)操舵角が大きければ速応性を向上させる。
(VII)操舵角速度が大きければ速応性を向上させる。
(VIII)挙動量が大きければ速応性を低下させる。
例えば判断条件(I)に従うのであれば,「車速があ
る程度(即ち前記状態感覚判定手段III41に於いて判定
された状況に対する値)速ければ,それに見合う割合だ
け速応性を低下させる」という形で表される。すなわ
ち,例えば第9図に示されるようにセンサで読み込んだ
車速が,人間の感覚から速いという判定値に対してどの
程度速いかという割合を状態感覚判定手段III41で求め
る。次いで,この状態感覚判定手段III41で求められた
割合の値から車両の速応性をどの程度向上させなければ
ならないかという必要度合(この場合は速応性の必要度
合)Mに置き換える関数演算部III421を備える車両状態
判定手段III42で求める。
次いで,ゲイン決定手段III43に於いて前記求められ
た必要度合Mに基づいて,現在の状況に適したゲインG1
〜G3を決定し,各々を第1〜第3係数器III12,III15,II
I21の少なくとも一つに出力する。
以上のようなゲイン変更手段III4を具備することによ
り,表現の困難な状況に於いても(例えば車速がある程
度大きいとか,ハンドル角がある程度大きいなど)正確
な制御値を与えることが可能になり,ありとあらゆる状
態を確実にコントロールすることが可能となり,より一
層の制御効果を求めることが可能となる。
〔実施態様の説明〕
第6の実施態様 本発明の第6の実施態様は,前述の本発明の第5の実
施態様において、ゲイン変更手段のゲイン決定手段が,
予め車両の安定性及び速応性の必要度合の状態で車両の
運動性を最適な状態にするゲインの値を検算し,この演
算結果を記憶する記憶部と,車両状態判定手段で得られ
た判定値に基づいて前記必要度合の状態で演算されたゲ
インの値を前記記憶部から選択してゲインを抽出するゲ
イン抽出部からなることを特徴とする。
すなわち,第10図のブロック図に示されたものであ
り,前述の第5の実施態様のゲイン変更手段III4に含ま
れるゲイン決定手段III43が,予め車両の安定性及び速
応性の必要度合に基づいてゲインの値を演算し,この演
算された値を記憶する記憶部III4と,車両状態判定手段
III42で得られた判定値に基づいて記憶部III44からゲイ
ンの値を抽出するゲイン抽出部III45を有するものであ
る。
この様な構成上の特徴を有する第6の実施態様につい
て作用及び効果を説明する。
ゲイン決定手段III43は,前記車両状態判定手段III42
より出力される車両の安定性及び速応性の必要度合を読
み込む。また,ゲイン決定手段III43の記憶部III44には
予め演算された前記必要度合に対応するゲインG1n〜G3n
が記憶されている。これらゲインG1n〜G3nは,車両の安
定性及び速応性の必要度合に応じて車両の運動性を最適
な状態にするためのゲインの値であり,nは記憶されてい
る必要度合に対応するゲインの数を示している。
ゲイン抽出部III45では,前記読み込んだ必要度合の
値を元に,予め記憶されているゲインの値で現在の状況
に最も近い状況に適するゲインの値を抽出して第1〜第
3係数器III12,III15,III21に出力する。
以上のようなゲイン決定手段III43を具備することに
より,車両の安定性及び速応性の必要度合に応じたゲイ
ンの値を素早く第1〜第3係数器III12,III15,III21
与えることが出来るゲイン変更手段III4を有することが
可能となり,状況に応じた制御が可能となる。
〔実施態様の説明〕
第7の実施態様 本発明の第7の実施態様は,前述の本発明の第5の実
施態様において、ゲイン変更手段のゲイン決定手段が,
予めゲイン変更手段内に記憶されている安定性向上ゲイ
ンの値及び速応性向上ゲインの値に上記判定した必要度
合に応じた重みづけをして現在の状況に見合うゲインを
演算するゲイン演算手段によりゲインを決定することを
特徴とする。
すなわち、第11図のブロック図に示されるものであ
り,前記第5の実施態様のゲイン変更手段III4に含まれ
るゲイン決定手段III43が,予め車両の安定性を最も高
める安定性向上ゲイン及び車両の速応性を最も高める速
応性向上ゲインの二つの値を記憶部III44に記憶し,こ
れら二つの値を車両状態判定手段III42で得られた判定
値に基づいて重みづけをし,現在の状況に見合うゲイン
を演算するゲイン演算部III46とを有するものである。
この様な構成上の特徴を有する第7の実施態様につい
て作用及び効果を説明する。
ゲイン決定手段III43は,前記車両状態判定手段III42
より出力される車両の安定性及び速応性の必要度合を読
み込む。また,ゲイン決定手段III43の記憶部III44
は,ゲインを決定するために基本となり,予め演算され
た車両の安定性を最も高める安定性向上ゲインG10
G30,及び車両の速応性を最も高める速応性向上ゲインG
11〜G31が記憶されている。
ゲイン演算部III46では,車両の安定性あるいは速応
性をどの程度高めなければならない状態なのかを示す前
記読み込んだ必要度合の値を元に,安定性の必要度合に
見合う重みを安定性向上ゲインG10〜G30に掛け合わせ,
速応性の必要度合に見合う重みを速応性向上ゲインG11
〜G31に掛け合わせる。そして,これらの掛け合わせた
結果を加え合わせて必要度合に応じたゲインの値G1〜G3
を算出し,第1〜第3係数器III12,III15,III21に出力
する。
以上のようなゲイン決定手段III43を具備することに
より,車両の安定性及び速応性の必要度合に応じたゲイ
ンの値を簡単に第1〜第3係数器III12,III15,III21
与えることが出来るゲイン変更手段III4を有することが
可能となり,状況に応じた制御が可能となる。また,大
量のデータを予め記憶部III44に記憶させる必要がない
ため,ゲイン変更手段III4が小さくなり,コスト及びス
ペース的に非常に効率のよいものを制作することが出来
る。
〔実施例〕
第1実施例 本発明の第4実施態様,第6実施態様及び第8実施態
様に属する第1の実施例の車両の操舵制御装置を,第12
図ないし第14図を用いて説明する。
本実施例の車両の操舵制御装置は,車両の前輪操舵装
置に適用したもので,基本的には第7図に示される第4
実施態様に属し,操舵センサIと,挙動センサIIと,制
御手段IIIと,駆動手段IVと,アクチュエータ手段V
と,前輪操舵機構VIと,車速センサVIIとからなる。
操舵センサIは,第12図に示すようにハンドルの操舵
角を測定するためにハンドルと同軸上に取り付けられて
いる。
挙動センサIIは,車両のヨーレートを検出して前記
ヨーレートを表す信号を出力するヨーレートセンサII
1からなり,車両重心位置に取り付けられている。
制御手段IIIは,フィードフォワード信号演算手段III
1と,フィードバック信号演算手段III2と,制御信号演
算手段III3と,ゲイン変更手段III4とからなる。
フィードフォワード信号演算手段III1は,前記操舵セ
ンサ1から出力された操舵角δに相当する電気信号をそ
のまま通す操舵角信号回路III11と,前記操舵センサI
から出力される操舵角δに相当する信号をG1倍する第1
係数器III12とからなる操舵角信号演算回路III13と,前
記操舵センサIから出力される操舵角δに相当する信号
より操舵角速度に相当する信号を演算する微分回路II
I14と,前記微分回路III14から出力される操舵角速度
に相当する信号をG2倍する第2係数器III15とからなる
操舵角速度信号演算回路III16と,前記第1係数器III12
および第2係数器III15から出力される信号と操舵角信
号回路III11から出力される信号を加算する加算器III17
とからなる。
フィードバック信号演算手段III2は,2個の係数器III
21,III23と,一次遅れフィルタIII24と,前記係数器III
21,III23から出力される信号を加算する加算器III25
を有する挙動量信号回路III22からなる。一次遅れフィ
ルタIII24は,前記ヨーレートを表す信号からヨー角
ψに相当する擬似ヨー角を表す信号を出力するもので
ある。
第13図(a)に示すように,一般にヨーレートから
ヨー角ψを求めるためには積分回路101を通過させる。
しかしながら,前記ヨーレートセンサII1において生ず
る若干のノイズの影響でヨー角ψに定常偏差が生じる可
能性がある。そこで,前記積分回路101の後段に第13図
(b)に示すような効果を持つハイパスフィルタ102を
具備することにより,前記定常偏差をなくすことが可能
となる。ところで,第13図(a)に示したブロック図は
等価的に第13図(c)の様に一次遅れフィルタ103と係
数器104によって置換することが可能である。そこで,
前記積分回路101とハイパスフィルタ102を一次遅れフィ
ルタ103と係数器104に置き換え,前述の効果を持たせる
ようにした。
制御信号演算手段III3は,前記フィードフォワード信
号演算手段III1より出力されるフィードフォワード制御
信号と,前記フィードバック信号演算手段III2より出力
されるフィードバック信号を加減算する加減算器III31
とからなる。
ゲイン変更手段III4は,前記操舵角δに相当する信号
と,操舵角速度に相当する信号と,車速u0に相当する
信号とを取り込む入力部201と,その入力に基づいて状
態を判別し,最適なゲインを算出する演算処理部202
と,最適なゲイン及び前記演算処理部202の演算法を記
憶している記憶部203と,前記演算処理部202で選択され
た最適ゲインを出力する出力部204とから構成されるマ
イクロコンピュータ200からなる。
マイクロコンピュータ200で行う機能を第14図のフロ
ーチャートに沿って詳細に説明する。
イグニッションキーONの時にP1で初期化を行う。この
初期化のルーチンでは,各種センサの状態を検出して,
異常のチェック及び各種初期値の値を設定する。
初期化ルーチンP1が終了すると,車速センサVIより車
速u0の値を読み込む(P2)。
この値より,係数W1を算出する(P3)。係数W1は車速
が低い場合(u0<40km/h)W1=1とし,車速が高い場合
(u0>120km/h)W1=0とし,その間を関数で連続的に
求める。
次に操舵センサIより操舵角δを読み込み(P4),係
数W2を算出する(P5)。ここで係数W2は操舵角が小さい
時(|δ|<δ1=15deg)W2=0とし,操舵角が大き
い時(|δ|>δ2=30deg)W2=1とし,この間を関
数で連続的に算出する。なお,係数W2は車速u0によって
変化させてもよく,車速が低いときはW2のしきい値δ1,
δ2を大きくし,車速が高いときはδ1,δ2を小さくす
る。
続いて,フィードフォワード制御手段III1の微分回路
III14から出力される操舵角速度を読み込み(P6),
係数W3を求める(P7)。係数W3は操舵角δと操舵角速度
より決定され,W3=W31×W32として求める。ここで,W3
1は操舵角δより決定され,操舵角δが非常に小さい時
(|δ|<δ3=7.5deg)W31=0とし,δがある程度
大きい時(|δ|>δ4=25deg)W31=1とし,この間
を関数で連続的になるように求める。同様に係数W32は
操舵角速度より決定され,が小さい時(||<
1=15deg/sec)W32=0とし,が大きい時(||>
2=30deg/sec)W32=1とする。尚,前記係数W2と同
様に係数W31,W32を車速によって変化させてもよい。
以上の各センサ等の信号を読み込み,係数W1,W2,W3を
算出した後係数M1,M2を算出する(P8,P9)。係数M1は,M
1=W1×W2,係数M2はM2=W1×W3の式より求められる。
上記係数M1,M2より真理値Mを算出する(P10)。真理
値Mは前記係数M1,M2の大きい値を用いる。
そして,この求めた真理値Mに従って最適なゲイン
G1,G2,G3,G4を係数器III12,III13,III21,III22に出力す
る(P11)。このとき最適なゲインを求める方法は, Gi=(1−M)×Gi0+M×Gi1 の式で与えられる。ここで,Gi0,Gi1はそれぞれ真理値M
がM=0,M=1の時の最適なゲインを示し,iはそれぞれ
1,2,3,4を表す。
このプログラムP11を実行した後実行する流れはプロ
グラムP2に戻り,これを繰り返す。
記憶部203には前述のδ1,δ2,δ3,δ4,1,2の外
に真理値Mが0の場合の最適なゲイン値G10,G20,G30,G
40と真理値が1の倍の最適なゲインの値G11,G21,G31,G
41及びプログラムP1〜P11を記憶させておく。
駆動手段IVは,前記制御手段IIIより出力された操舵
制御信号,すなわち前記転舵角に相当する信号を入力し
てアクチュエータ駆動信号に変換する増幅器IV1からな
る。
アクチュエータ手段Vは,前記駆動手段IVから出力さ
れた信号を前輪転舵角に変換するもので,油圧ピストン
V1と油圧アシスト機構V2とステッピングモータV3とギア
ボックスV4とからなる。
前輪操舵機構VIは前輪601と,ステアリングリンケー
ジ602と,ロッド603とからなる。
前記油圧アシスト機構V2は,油圧ポンプ501と,油圧
を一定の圧力に保つためのリリーフ弁502と,前記油圧
ポンプ501で生ずる油圧の変動を抑えるためのアキュム
レータ503と,前記油圧ピストンV1に油を供給する方向
を決定するサーボ弁504と,前記油圧ピストンV1に油圧
を供給するための油供給路505と前記油圧ピストンV1
ら排出される油とリリーフ弁502からの漏れ油を回収す
る油回収路506とこの油圧アシスト機構で使用する油を
貯蔵する油タンク507とからなる。
前輪601はステアリングリンケージ602によって車体に
転舵可能なように支持され,前記ステアリングリンケー
ジ間をロッド603と油圧ピストンV1で連結する。また,
ステッピングモータV3は,駆動手段IVからの前輪転舵角
に相当する信号によって制御され,サーボ弁504を駆動
すると共にギアボックスV4を介してロッド603を左右に
駆動する。これらの機構によってステッピングモータV3
は駆動手段IVからの信号に応じてロッド603を左右に動
かすと共に,油供給路505からの蓄圧された油をサーボ
弁504を動かすことにより油圧ピストンV1の室に供給す
ると共に他方の室を油回収路505により油タンク507に通
じさせ,前記油圧ピストンV1を駆動させ,ステッピング
モータV3に加わる力を補助し,前輪601を左右に転舵す
ることが可能となる。
また,車速センサVIIは自動車のミッションの出力軸
に取り付けられており,車速u0を検出して前記車速u0
表す信号を出力する。
上述の構成を有する第1実施例の作用は,次の通りで
ある。
ハンドルの操舵角を測定する操舵センサIと車両のヨ
ーレートを出力するヨーレートセンサII1からなる挙
動センサIIの各々の出力は,制御手段IIIのフィードフ
ォワード信号演算手段III1とフィードバック信号演算手
段III2に入力される。
フィードフォワード信号演算手段III1では操舵角δに
相当する信号と,微分回路III14を経て操舵角速度に
相当する信号とに分けられる。これらの信号は,自動車
のミッションに取り付けられた車速センサVIIによる車
速u0の信号と共に,ゲイン変更手段III4の入力部201に
入力される。
一方,フィードバック信号演算手段III2では,ヨーレ
ートに相当する信号と,一次遅れフィルタIII24を経
て擬似ヨー角を表す信号とに分けられる。
前述のゲイン変更手段III4の入力部201では,それの
入力に基づいて車両の状態を判別する。すなわち,車速
u0が低いか高いか,あるいは操舵角δが小さいか大きい
か,更に操舵角速度が小さいか大きいかを人間の評価
値に対応する各々0から1の間を連続的に変化する係数
W1,W2及びW3に置き換え,以下の要領で状態を判別す
る。
(I)もし,車速u0が大きければ安定性を高める。
(II)もし,車速u0が大きくなければ以下のルールに従
う。
(III)もし,操舵角|δ|が大きいならば応答性を高
める。
(IV)もし,操舵角|δ|が小さいならば安定性を高め
る。
(V)もし,操舵角|δ|がやや大きく,かつ操舵角速
度||が大きければ,応答性を高める。
(VI)もし,操舵角|δ|がやや大きく,かつ操舵角速
度||が小さければ,安定性を高める。
ここで車両の安定性を高めるとは,車両に横風等の外
乱が与えられた場合に速やかに進路を保持することを示
し,また応答性を高めるとは障害物等の緊急回避のため
のクイックレーンチェンジのような急操舵をした場合に
速やかに進路変更をすることを示している。
上記の(I)から(VI)までのロジックをここでは係
数M1=W1×W2,M2=W1×W3という演算により実施し,寄
与度指数すなわち真理値Mを係数M1,M2の最大値で決定
する。この真理値Mに従って最適なゲイン値を決定す
る。
真理値M=0に対応するG10,G20,G30及びG40,真理値
M=1に対応するG11,G21,G31及びG41は,予め記憶部20
3に記憶されており,演算処理部20で演算された最適な
ゲインの値を出力部204で出力する。
ゲイン変更手段III4の出力部204からの最適ゲイン出
力Gi(i=1〜4)は,フィードフォワード信号演算手
段III1の第1係数器III12,第2係数器III15及びフィー
ドバック信号演算手段III2の2個の係数器III21,III23
へ入力され,各々の信号δ,,,への最適ゲイン
を与える。
フィードフォワード信号演算III1の加算器III17では
上記操舵角信号δとその最適ゲインG1を掛け合わせた信
号G1・δと操舵角の微分値信号の最適ゲインG2を掛け
合わせた信号G2・とを加算することによりフィードフ
ォワード信号δ+G1・δ+G2・を制御演算手段III3
出力する。
一方,フィードバック信号演算手段III2の加算器III
25では上記ヨーレート信号と最適ゲインG3を掛け合わ
せた信号G3・と,擬似ヨー角信号と最適ゲインG4
掛け合わせた信号G4・を加算することによりフィード
バック信号G3・+G4・を制御信号演算手段III3に出
力する。
駆動手段IVは,制御信号演算手段III3からの操舵制御
信号 u=δ+G1・δ+G2・+G3・+G4・ によって,アクチュエータ手段Vを駆動し前輪操舵機構
VIを作動させ,所定の操舵制御を行うのである。
以上の動作により,前輪601はハンドル操舵角δと操
舵速度から算出されるフィードフォワード信号量と,
車両のヨーレートから算出されるフィードフォワード
信号量を加減算して得られた操舵制御信号の定数倍(ギ
アボックスV4のギア比)で転舵される。
これにより,本実施例装置を搭載した車両は例えば車
速が比較的低い状態で車両を速く動かすために運転者が
速く操舵したりハンドルを大きくきった場合は制御手段
IIIの係数器III12,III15,III21,III23に出力されるゲイ
ンG1,G2,G3,G4の値を真理値が1に近い場合のゲインの
値にするため,車両は応答性が高くなりハンドルの操舵
に対し速く動くようになる。また,車速が比較的速い状
態で車両に横風や轍,段差などの影響による外力が作用
した場合には,運転者はその瞬間ほとんどハンドルを切
らないため,ゲインG1,G2,G3,G4の値はゲイン変更手段I
IIによって真理値Mが極めて0に近い値になっているた
め,車両は安定性が高くなり自動的に外乱を打ち消すよ
うに前輪を転舵する。
これとは逆に車速が比較的速い状態でハンドルを速く
きった状態では車両の応答性を高めると運転者が制御で
きないような場合が多いため,この現象を防ぐようにゲ
インG1,G2,G3,G4の値は真理値Mが0に近い場合のゲイ
ンの値に設定することにより,車両は安全に方向を変え
ることが可能となる。
すなわち,本実施例装置を搭載した車両に於いては,
車両の運転状態,運転者のハンドルの切り方に対応して
常に最適な車両運転特性を有するように制御されるとい
う特有の効果を有する。
第2実施例 本発明の第5実施態様及び第6実施態様に属する第2
実施例の車両の操舵制御装置を第15図および第16図を用
いて説明する。
本実施例の車両の操舵制御装置は,車両の前輪操舵装
置に適用したもので,基本的には第8図に示される第5
実施態様に属し,操舵センサIと,挙動センサIIと,制
御手段IIIと,駆動手段IVと,アクチュエータ手段V
と,車速センサVIと,雨滴センサVIIとからなる。
前記挙動センサIIは,第15図に示すように,車両の重
心回りの回転角速度を検出するヨーレートセンサII
1と,車両の左右並進方向の加速度を測定する横加速度
センサII2とからなる。
前記制御手段IIIは,フィードフォワード信号演算手
段III1と,フィードバック信号演算手段III2と,制御信
号演算手段III3と,ゲイン変更手段III4とからなる。
フィードフォワード信号演算手段III1は,前記操舵セ
ンサIから出力された操舵角δに相当する電気信号をそ
のまま通す操舵角信号回路II11と,前記操舵センサIか
ら出力される操舵角δに相当する信号G1倍する第1係数
器III12とからなる操舵角信号演算回路III13と,前記操
舵センサIから出力される操舵角δに相当する信号より
操舵角速度に相当する信号を演算する微分回路III11
と,前記微分回路III11から出力される操舵角速度に
相当する信号をG2倍する第2係数器III15とからなる操
舵角速度信号演算回路III16と,前記第1係数器III12
よび第2係数器III15から出力される信号と操舵角信号
回路III11から出力される信号を加算する加算器III17
からなる。
フィードバック信号演算手段III2は,4個の係数器III
21,III23,III26,III27と,一次遅れフィルタIII24,III
28と,積分回路III29,及び3個の加算器III20,III25,II
I30を有する挙動量信号回路III22からなる。
前記一次遅れフィルタIII24は,前記ヨーレートを
表す信号からヨー角ψに相当する擬似ヨー角を表す信
号を出力するものである。また,前記一次遅れフィルタ
III28は積分回路III29から算出された横速度に相当す
る信号から横変位yに相当する擬似横変位を表す信号
を出力するものである。これら一次遅れフィルタIII24,
III28の作用及び効果は第1実施例に示した通りであ
る。
また,係数設定器III21はヨーレートのフィードバッ
クゲインG3を,係数設定器III23はヨー角のフィードバ
ックゲインG4を,係数設定器III26は横速度のフィード
バックゲインG5を,係数設定器III27は横変位のフィー
ドバックゲインG6を各々の信号に掛け合わせるために用
いられ,これら4個の係数設定器III21,III23,III26,II
I27より出力される信号を加算するために前記加算器III
20,III25,III30は用いられる。
制御信号演算手段III3は,前記フィードフォワード信
号演算手段III1より出力される信号と,前記フィードバ
ック信号演算手段III2より出力される信号を加減算する
加減算器III31とからなる。
ゲイン変更手段III4は,前記操舵角δに相当する信号
と,操舵角速度に相当する信号と,車速u0に相当する
信号と,ヨーレートに相当する信号と,横加速度に
相当する信号と,降雨量rに相当する信号とを取り込む
入力部201と,その入力に基づいて状態を判別し,最適
なゲインを算出する演算処理部202と,最適なゲイン及
び前記演算処理部202の演算法を記憶している記憶部203
と,前記演算処理部202で選択された最適ゲインを出力
する出力部204とから構成されるマイクロコンピュータ2
00からなる。
マイクロコンピュータ200で行う機能は,第14図のフ
ローチャートで示したものとほぼ同じであるので,異な
る点を中心に第16図を用いながら詳細に説明する。
プログラムP1〜P7は第1実施例と同様の機能を行う。
プログラムP8に於いて,雨滴センサVIIからの出力を
読み込む。続いて,係数W4を算出する(P9)。係数W4は
降雨量rによって決定され,雨量が少ない時(r<r1=
1mm/H)W4=1とし,雨量が多い時(r>r2=10mm/H)W
4=0とする。そして,これらの間を関数で連続的に算
出する。
以上の各センサ等の信号を読み込み,係数W1,W2,W3,W
4を算出した後係数M1,M2を算出する(P10,P11)。係数M
1はM1=W1×W2×W4,係数M2はM2=W1×W3×W4の式より求
められる。
上記係数M1,M2より真理値Mを算出する(P12)。真理
値Mは前記係数M1,M2の大きい値を用いる。
そして,この求めた真理値Mに従って路面状況等の外
部環境が良好な場合の最適なゲインG1,G2,G3,G4,G5,G6
を算出する(P16)。このとき最適なゲインを求める方
法は, Gi=(1−M)×Gi0+M×Gi1 の式で与えられる。ここで,Gi0,Gi1はそれぞれ真理値M
がM=0,M=1の時の外部環境が良好な場合の最適ゲイ
ンを示し,iはそれぞれ1〜6を示す。
ここで,上述した最適なゲインGi(i=1〜6)はた
とえば以下の制御原理によって求められる。
重量m,ヨー慣性モーメントIzの車両のヨー方向,横方
向の2自由度の運動方程式は以下のように表される。
(但しこの車両は通常の2輪操舵車である。) m=2(Ff+Fr) …(1) Iz=2(af・Ff−ar・Fr) …(2) 但し,上述の記号は以下の通りである。
af:車両の前軸と重心間の距離 ar:車両の後軸と重心間の距離 cf:車両の前輪のコーナリングパワー cr:車両の後輪のコーナリングパワー Ff:車両の前輪のコーナリングフォース Fr:車両の後輪のコーナリングフォース u0:車速 ψ:車両のヨー角 :車両のヨーレート :車両のヨー角速度 y:車両の横変位 :車両の横速度 :車両の横加速度 δf:車両の前輪舵角 また,運転者の操舵パターンを考えると,以下のよう
な式で表される。
f=f(y,,ψ,,δf,f) …(3) そこで,(1)〜(3)の式を合わせ,運転者の操舵
パターンも含めた車両運動について,前輪操舵系に加え
られる時系列の最適な前輪点舵角の補助操舵量uを考え
ると,運動方程式は次式のようになる。
m=2(Ff+Fr+u・cf) …(4) Iz=2(afFf−arFr+u・afcf) …(5) f=f(y,,ψ,,δf,f,u) …(6) また,補助操舵量uは ここでgiとは最適な補助操舵角uを与えるための寄与
ゲイン係数であり,xiは本車両の運動を記述し得る全て
の状態挙動量であり,前記の車両横変位,車両横速度,
ヨー角,ヨーレート,運転者によって引き起こされるハ
ンドルの操舵角,操舵角速度などが含まれる。
次に,ヨーレートセンサII1及び横加速度センサII2
らの出力値,すなわちヨーレート及び横加速度を読
み込む(P14,P15)。続いて操舵制御信号δfを読み込
む(P16)。そして,前記読み込んだヨーレート及び
横加速度を前記操舵制御信号δfで除算し(P17,P1
8),その値を実舵角とヨーレート及び実舵角と横加速
度の定常的な車両操舵ゲインと比較する(P19,P20)。
そして,比較した結果から係数N1,N2を出力する(P21,P
22)。係数N1,N2は,前記除算した結果を定常的な車両
操舵ゲインで割った値の逆数を用いるが,前記N1,N2
1.5を越えたときはN1,N2をそれぞれ1.5とする。そし
て,これらN1,N2を前記算出したゲインG1〜G6にそれぞ
れ掛け合わし,係数設定器III12,III13,III21,III22,II
I23,III24に出力する(P23,P24)。
このプログラムP24を実行した後実行する流れはプロ
グラムP2に戻り,これを繰り返す。
記憶部203には前述のδ1,δ2,δ3,δ4,1,2,r1,r
2,実舵角とヨーレート及び実舵角と横加速度の定常的な
車両操舵ゲインの外に真理値Mが0の場合の最適なゲイ
ンの値G10,G20,G30,G40,G50,G60と真理値Mが1の場合
の最適なゲインの値G11,G21,G31,G41,G51,G61,及びプロ
グラムP1〜P22を記憶させておく。
駆動手段IVは,前記制御手段IIIより出力された操舵
制御信号,すなわち前輪転舵角に相当する信号と,アク
チュエータ手段Vに含まれるロッド変位系514からの信
号の差を取る減算器IV1と,その差の信号をアクチュエ
ータ手段Vに含まれるサーボ弁525に出力する信号に変
換する増幅器IV2からなる。
アクチュエータ手段Vは,前記駆動手段IVから出力さ
れた信号を前輪転舵角に変換するもので,前輪操舵機構
V1と,電気油圧制御機構V2とからなる。
前輪操舵機構V1は前輪511と,ステアリングリンケー
ジ512と,ロッド513と,ロッド変位計514からなる。
前記電気油圧制御機構V2は油圧ポンプ521と,油圧を
一定の圧力に保つためのリリーフ弁522と,前記油圧ポ
ンプ521で生ずる油圧の変動を抑えるためのアキューム
レータ523と,油圧ピストン524と,前記油圧ピストン52
4に油を供給する方向を決定するサーボ弁525と,前記油
圧ピストン524に油圧を供給するための油供給路526と前
記油圧ピストン524から排出される油とリリーフ弁522か
らの漏れ油を回収する油回収路527とこの電気油圧制御
機構V2で使用する油を貯蔵する油タンク528とからな
る。
前輪511はステアリングリンケージ512によって車体に
転舵可能なように支持され,前記ステアリングリンケー
ジ間をロッド513と油圧ピストン524で連結する。また,
サーボ弁525は,駆動手段IVからの前輪転舵角と前記制
御手段IIIからの出力の差,すなわち前輪転舵角偏差量
に相当する信号によって制御される。そして,このサー
ボ弁525によって油圧ポンプ521及びリリーフ弁522,アキ
ュームレータ523で一定圧力に加圧された油が油供給路5
26を通して油圧ピストン524の一方の室に供給され,他
方の室を油回収路527により油タンク528に通じさせ,前
記油圧ピストン524を駆動させ,ロッド513,ステアリン
グリンケージ512を通じて前輪511を左右に転舵すること
が可能となる。
また,車速センサVIは自動車のミッションの出力軸に
取り付けられており,車速u0を検出して前記車速u0を表
す信号を出力する。
また,雨滴センサVIIは自動車の前方にあって,雨や
湿度を検出して路面状態が滑り易いか否かの信号を出力
する。
上記構成からなる本実施例の作用及び効果は以下通り
である。
操舵センサIと挙動センサIIに属するヨーレートセン
サII1は第1実施例に示すものとほぼ同様であるが,挙
動センサIIには前記ヨーレートセンサII1の外に横加速
度センサII2があり,この横加速度センサII2は車両の左
右並進方向の加速度を測定するために用いられる。
ゲイン変更手段III4の入力部201は第1実施例に用い
た操舵角δに相当する信号,操舵角速度に相当する信
号,車速u0に相当する信号の外に挙動センサIIのヨーレ
ートセンサII1及び横加速度センサII2より出力されるヨ
ーレートに相当する信号と横加速度に相当する信
号,及び雨滴センサVIIから出力される降雨量rに相当
する信号が入力される。
一方フィードバック信号演算手段III2ではヨーレート
に相当する信号と,一次遅れフィルタIII24を経て擬
似ヨー角を表す信号,及び横加速度に相当する信号
から積分回路III29を経て横加速度を表す信号と,一
次遅れフィルタIII28を経て擬似横変位を表す信号と
に分けられる。
前述のゲイン変更手段III4の入力部201では,それの
入力に基づいて車両の状態を判別する。すなわち,車速
u0を低いか高いか,あるは操舵角δが小さいか大きい
か,操舵角速度が小さいか大きいか,更に降雨量rが
少ないか多いかを人間の評価値に対応する各々0から1
の間を連続的に変化する係数W1,W2,W3及びW4に置き換
え,以下の要領で状態を判別する。
(I)もし,車速u0が大きいか,あるいは降雨量が多け
れば安定性を高める。
(II)もし,車速u0が大きくなく,かつ降雨量が少なけ
れば以下のルールに従う。
(III)もし,操舵角|δ|が大きいならば応答性を高
める。
(IV)もし,操舵角|δ|が小さいならば安定性を高め
る。
(V)もし,操舵角|δ|がやや大きく,かつ操舵角速
度||が大きければ,応答性を高める。
(VI)もし,操舵角|δ|がやや大きく,かつ操舵角速
度||が小さければ,安定性を高める。
ここで車両の安定性を高めるとは,車両に横風等の外
乱が与えられた場合に速やかに進路を保持することを示
し,また応答性を高めるとは障害物等の緊急回避のため
のクイックレーンチェンジのような急操舵をした場合に
速やかに進路変更をすることを示している。
上記の(I)から(VI)までのロジックをここでは係
数M1=W1×W2×W4,M2=W1×W3×W4という演算により実
施し,寄与度指数すなわち真理値Mを係数M1,M2の最大
値で決定する。この真理値Mに従って最適なゲイン値を
決定する。
真理値M=0に対応するG10,G20,G30,G40,G50及び
G60,真理値M=1に対応するG11,G21,G31,G41,G51及びG
61は,予め記憶部203に記憶されており,最適なゲイン
の値は演算処理部202で演算する。
また,車両の挙動量に対する車両の応答性を一定の状
態にするように前記演算処理部202で演算された最適な
ゲインの値に対して重みづけをするように係数N1,N2
演算し,これら係数N1,N2を前記演算された最適なゲイ
ンの値に掛け合わせることにより,ハンドル角に対する
車両の応答性を一定にする。
そして,これら演算された最適なゲインの値は,ゲイ
ン変更手段III4の出力部204からの最適ゲイン出力G
i(i=1〜6)は,フィードフォワード信号演算手段I
II1の第1係数器III12,第2係数器III15及びフィードバ
ック信号演算手段III2の4個の係数器III21,III23,III
26,III27へ入力され,各々の信号,δ,,,へ
の最適ゲインを与える。
フィードフォワード信号演算手段III1は第1実施例と
全く同様の作用によってフィードフォワード信号δ+G1
・δ+G2・を制御信号演算手段III3に出力する。
一方,フィードバック信号演算手段III2の加算器III
25では上記ヨーレート信号と最適なゲインG3を掛け合
わせた信号G3・と,擬似ヨー角信号と最適なゲイン
G4を掛け合わせた信号G4・,及び横加速度信号との
最適なゲインG5を掛け合わせた信号G5・と,擬似横変
位信号と最適なゲインG6を掛け合わせた信号G6・を
加算することによりフィードバック信号G3+G4・+
G5・+G6・を制御信号演算手段III3に出力する。
駆動手段IVは,制御信号演算手段III3からの操舵制御
信号 δ=δ+G1・δ+G2・+G3・+G4・+G5・+
G6・ によって,アクチュエータ手段Vを駆動し前輪操舵機構
V1を作動させ,所定の操舵制御を行うのである。
すなわち,最適な前輪転舵制御角δは車両の状態挙
動量を瞬時瞬時に検出し,各々の寄与度によって係数gi
を与えることにより,運転者も含めた瞬時状態フィード
バック制御系を構成することになり,運転者が操舵を行
う車両に対して最適な転舵角制御を行うことができるも
のである。
また,雨滴センサからの降雨量rやヨーレートや横
加速度を制御手段IIIの入力値としているため,例え
ば路面が滑り易い状況の場合など通常の状況でないとき
の補正操舵量を加えることも可能となり,運転者に精神
的負担を掛けずに車両の応答性や安定性を調整し,天候
の路面の状態に合わせて最適な転舵角制御を行うことが
可能となる。
変形例 前記第1実施例及び第2実施例では,車両の前輪操舵
装置に適用したが,これを後輪操舵装置に適用すること
も可能である。
そこで,本発明の第4の実施態様及び第6の実施態様
に属する第1実施例の車両の操舵制御装置を車両の後輪
操舵装置に適用した変形例を,第17図を用いて説明す
る。
以下,前記第1実施例との相違点を中心に詳述する。
駆動手段IVは,前記制御手段IIIより出力された操舵
制御信号,すなわち後輪転舵角に相当する信号を入力し
てアクチュエータ駆動信号に変換する増幅器IV1からな
る。
アクチュエータ手段Vは,前記駆動手段IVから出力さ
れた信号を後輪転舵角に変換するもので,後輪操舵機構
V1と油圧アシスト機構V2とステッピングモータV3とから
なる。
前記後輪操舵機構Vは,後輪511と,ナックルアーム5
13,ロッド514,ギアボックス515,及び油圧ピストン516と
からなる。
前記油圧アシスト機構V2は,油圧ポンプ521と,油圧
を一定の圧力に保つためのリリーフ弁522と,前記油圧
ポンプ521で生ずる油圧の変動を抑えるためのアキュー
ムレータ523と,前記油圧ピストン516に油を供給する方
向を決定するサーボ弁524と,前記油圧ピストン516に油
圧を供給するための油供給路522と前記油圧ピストン516
から排除される油とリリーフ弁522からの漏れ油を回収
する油回収路526とこの油圧アシスト機構で使用する油
を貯蔵する油タンク527とからなる。
後輪511はナックル512によって車体に転舵可能なよう
に支持され,ナックルアーム513の間をロッド514と油圧
ピストン516で連結する。また,ステッピングモータV3
は,駆動手段IVからの後輪転舵角に相当する信号によっ
て制御され,サーボ弁524を駆動すると共にギアボック
ス515を介してロッド514を左右に駆動する。これらの機
構によってステッピングモータV3は駆動手段IVからの信
号に応じてロッド514を左右に動かすと共に,油供給路5
25からの蓄圧された油をサーボ弁524を動かすことによ
り油圧ピストン516の室に供給すると共に他方の室を油
回収路525により油をタンク527に通じさせ,前記油圧ピ
ストン516を駆動させ,ステッピングモータV3に加わる
力を補助し,後輪511を左右に転舵することが可能とな
る。
前輪操舵機構VIは前輪601と,ステアリングリンケー
ジ602と,ロッド603と,ラック604と,ピニオン605とか
らなり,前記前輪601はステアリングリンケージ602によ
って車体に転舵可能なように支持され,これらステアリ
ングリンケージ602間をロッド603とラック604で連結す
る。これらの機構によって前輪601はハンドルを転舵す
ることによりピニオン605が回転し,このピニオン605の
回転をラック604で直線運動に変換してロッド603を左右
に動かし,ステアリングリンケージ602を介して前輪601
は左右に転舵される。
また,車速センサVIIは自動車のミッションの出力軸
に取り付けられており,車速u0を検出して前記車速u0
表す信号を出力する。
以上の動作により,後輪511はハンドル操舵角δと操
舵速度から算出されるフィードフォワード信号量と,
車両のヨーレートから算出されるフィードバック信号
量を加減算して得られた操舵制御信号で転舵される。
これら後輪操舵装置では,制御手段IIIのマイクロコ
ンピュータ200に記憶されている真理値M=0及びM=
1の場合のゲインの値G10,G20,G30,G11,G21,G31が第1
実施例とは異なることを除けば同様の方法で制御可能と
なり,各種の状況に合わせた最適な後輪操舵角を発生さ
せることが可能である。
同様にして,本発明の第2実施例も後輪操舵装値に適
用することも可能である。
また,これら実施例には示さなかったが,前後輪共に
本制御装置を適用することは可能である。
これを実施するためには,制御手段IIIのマイクロコ
ンピュータ200に記憶されているゲインの値がそれぞれ
前後輪2種類有り,かつ第1実施例や第2実施例に示さ
れている前輪操舵装置と変形例に示された後輪操舵装置
を組み合わせることで実施可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概念を示す概略構成図,第2図および
第3図は従来技術を示す概略構成図,第4図は本発明の
第1の実施態様を示す概略構成図,第5図は本発明の第
2の実施態様を示す概略構成図,第6図は本発明の第3
の実施態様を示す概略構成図,第7図は本発明の第4の
実施態様を示す概略構成図,第8図は本発明の第5の実
施態様を示す概略構成図,第9図は本発明の第6の実施
態様を示す概略構成図,第10図は本発明の第7の実施態
様を示す概略構成図,第11図は本発明の第8の実施態様
を示す概略構成図,第12図ないし第14図は本発明の第1
実施例を示し,第12図はその全体を示すシステム図,第
13図は一次遅れフィルタの原理説明図,第14図はゲイン
変更手段のフローチャート,第15図および第16図は本発
明の第2実施例を示し,第15図はその全体を示すシステ
ム図,第16図はゲイン変更手段のフローチャート,第17
図は本発明の第1実施例の変形例の全体を示すシステム
図である。 I……操舵センサ,II……挙動センサ,III……制御手段,
III1……フィードフォワード信号演算手段,III11……操
舵角信号回路,III12……第1係数器,III13……操舵角信
号演算回路,III14……微分回路,III15……第2係数器,I
II16……操舵角速度信号演算回路,III17……加算器,III
2……フィードバック信号演算手段,III21……第3係数
器,III22……挙動量信号演算回路,IV……駆動手段,V…
…アクチュエータ手段
フロントページの続き (72)発明者 林 靖享 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 審査官 山口 直

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の操舵量を制御する操舵制御装置にお
    いて、 ハンドルの操舵角を検出する操舵センサと、 車両の挙動量を検出する挙動センサと、 前記操舵センサより出力された操舵角信号をそのまま出
    力する操舵角信号回路と,前記操舵角信号を係数倍する
    第1係数器を有する操舵角信号演算回路と,前記操舵角
    信号から操舵角速度信号を演算する微分回路と該操舵角
    速度信号を係数倍する第2係数器とからなる操舵角速度
    信号演算回路と,前記操舵角信号回路と前記操舵角信号
    演算回路と前記操舵角速度信号演算回路とから得られる
    信号を加算する加算器とからなり,該加算信号をフィー
    ドフォワード制御信号として発生させるフィードフォワ
    ード信号演算手段と, 前記挙動センサより出力される挙動量信号を係数倍する
    第3係数器を有する挙動量信号演算回路からなり,該挙
    動量信号演算回路から得られる信号をフィードバック制
    御信号として発生させるフィードバック信号演算手段
    と, 前記フィードフォワード信号演算手段と前記フィードバ
    ック信号演算手段から出力された信号を加減算して操舵
    制御信号とする加減算器を有する制御信号演算手段と, からなる制御手段と、 前記制御手段の出力である操舵制御信号をパワー増幅す
    る駆動手段と、 前記駆動手段にて増幅された出力を転舵角に変換して前
    輪または後輪の少なくとも何れか一方の転舵輪を制御す
    るアクチュエータ手段と、を具備してなることを特徴と
    する車両の操舵制御装置。
  2. 【請求項2】車両の操舵量を制御する操舵制御装置にお
    いて、 ハンドルの操舵角を検出する操舵センサと、 車両の挙動量を検出する挙動センサと、 前記操舵センサより出力された操舵角信号をそのまま出
    力する操舵角信号回路と,前記操舵角信号を係数倍する
    第1係数器を有する操舵角信号演算回路と,前記操舵角
    信号から操舵角速度信号を演算する微分回路と該操舵角
    速度信号を係数倍する第2係数器とからなる操舵角速度
    信号演算回路と,前記操舵角信号回路と前記操舵角信号
    演算回路と前記操舵角速度信号演算回路とから得られる
    信号を加算する加算器とからなり,該加算信号をフィー
    ドフォワード制御信号として発生させるフィードフォワ
    ード信号演算手段と, 前記挙動センサより出力される挙動量信号を係数倍する
    第3係数器を有する挙動量信号演算回路からなり,該挙
    動量信号演算回路から得られる信号をフィードバック制
    御信号として発生させるフィードバック信号演算手段
    と, 前記フィードフォワード信号演算手段と前記フィードバ
    ック信号演算手段から出力された信号を加減算して操舵
    制御信号とする加減算器を有する制御信号演算手段と, 車速や積載荷重等の車両状態量を検出する車両状態検出
    センサまたは路面状況に関連する外部環境状態量を検出
    する外部環境状態検出センサの少なくとも一方と第1係
    数器に接続され,前記接続されたセンサから得られた車
    両状態量信号または外部環境状態量信号の少なくとも一
    方に基づいて第1係数器の係数を変更するゲイン変更手
    段と, からなる制御手段と、 前記制御手段の出力である操舵制御信号をパワー増幅す
    る駆動手段と、 前記駆動手段にて増幅された出力を転舵角に変換して前
    輪または後輪の少なくとも何れか一方の転舵輪を制御す
    るアクチュエータ手段と、を具備してなることを特徴と
    する車両の操舵制御装置。
  3. 【請求項3】ゲイン変更手段が,第1係数器および第2
    係数器に接続して,前記接続されたセンサから得られた
    車両状態量信号または外部環境状態量信号の少なくとも
    一方に基づいて第1係数器および第2係数器の係数を変
    更してなることを特徴とする特許請求の範囲第(2)項
    記載の車両の操舵制御装置。
  4. 【請求項4】ゲイン変更手段が,第1係数器と,第2係
    数器,および第3係数器に接続して,前記接続されたセ
    ンサから得られた車両状態量信号または外部環境状態量
    信号の少なくとも一方に基づいて第1係数器と第2係数
    器および第3係数器の係数を変更してなることを特徴と
    する特許請求の範囲第(3)項記載の車両の操舵制御装
    置。
  5. 【請求項5】ゲイン変更手段が,さらに操舵センサまた
    は操舵角速度信号演算回路の少なくとも一方に接続し
    て,前記接続されたセンサから得られた車両状態量信号
    または外部環境状態量信号の少なくとも一方,および前
    記操舵センサまたは操舵角速度信号演算回路の少なくと
    も一方から得られた操舵角信号または操舵角速度信号の
    少なくとも一方に基づいて係数器の係数を変更してなる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(2)項ないし第
    (4)項の何れかに記載の車両の操舵制御装置。
  6. 【請求項6】ゲイン変更手段が,さらに操舵センサまた
    は操舵角速度信号演算回路の少なくとも一方,および挙
    動センサに接続して,前記接続されたセンサから得られ
    た車両状態量信号または外部環境状態量信号の少なくと
    も一方,および前記操舵センサまたは操舵角速度信号演
    算回路の少なくとも一方から得られた操舵角信号または
    操舵角速度信号の少なくとも一方,および挙動センサか
    ら得られた挙動量信号に基づいて係数器の係数を変更し
    てなることを特徴とする特許請求の範囲第(2)項ない
    し第(4)項の何れかに記載の車両の操舵制御装置。
  7. 【請求項7】ゲイン変更手段が,車両状態検出センサ,
    外部環境検出センサ,操舵センサ,挙動センサ等から得
    られた車両状態量信号,外部環境状態量信号,操舵角信
    号,操舵角速度信号,車両挙動量信号の少なくとも一つ
    の信号から車両の状況が人間の感覚で現在どのレベルに
    あるのかを判定する状態感覚判定手段と,該状態感覚判
    定手段結果を車両の安定性及び速応性の必要度合に置き
    換える関数を用いることによって車両の安定性及び速応
    性の必要度合を判定する車両状態判定手段と,該車両状
    態判定手段で求められた車両状態判定値からゲインを決
    定し,前記係数器に出力するゲイン決定手段とからなる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(2)項ないし第
    (6)項の何れかに記載の車両の操舵制御装置。
  8. 【請求項8】ゲイン変更手段のゲイン決定手段が,予め
    車両の安定性及び速応性の必要度合の状態で車両の運動
    性を最適な状態にするゲインの値を演算し,この演算結
    果を記憶する記憶部と,車両状態判定手段で得られた判
    定値に基づいて前記必要度合の状態で演算されたゲイン
    の値を前記記憶部から選択してゲインを抽出するゲイン
    抽出部からなることを特徴とする特許請求の範囲第
    (7)項に記載の車両の操舵制御装置。
  9. 【請求項9】ゲイン変更手段のゲイン決定手段が,予め
    ゲイン変更手段内に記憶されている安定性向上ゲインの
    値及び速応性向上ゲインの値に上記判定した必要度合に
    応じた重みづけをして現在の状況に見合うゲインを演算
    するゲイン演算手段によりゲインを決定することを特徴
    とする特許請求の範囲第(7)項に記載の車両の操舵制
    御装置。
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