JP2551729Z - - Google Patents
Info
- Publication number
- JP2551729Z JP2551729Z JP2551729Z JP 2551729 Z JP2551729 Z JP 2551729Z JP 2551729 Z JP2551729 Z JP 2551729Z
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- incinerator
- combustion
- combustion furnace
- waste
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 claims description 79
- 239000010920 waste tyre Substances 0.000 claims description 31
- 239000002699 waste material Substances 0.000 claims description 21
- 239000004033 plastic Substances 0.000 claims description 4
- 229920003023 plastic Polymers 0.000 claims description 4
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 89
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 11
- 239000000779 smoke Substances 0.000 description 9
- ATUOYWHBWRKTHZ-UHFFFAOYSA-N propane Chemical compound CCC ATUOYWHBWRKTHZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 8
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 8
- PPBRXRYQALVLMV-UHFFFAOYSA-N styrene Chemical compound C=CC1=CC=CC=C1 PPBRXRYQALVLMV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 6
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 5
- 238000003915 air pollution Methods 0.000 description 3
- 238000003912 environmental pollution Methods 0.000 description 3
- 239000006260 foam Substances 0.000 description 3
- 239000007921 spray Substances 0.000 description 3
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 2
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 2
- 230000035943 smell Effects 0.000 description 2
- 239000002341 toxic gas Substances 0.000 description 2
- 210000001503 Joints Anatomy 0.000 description 1
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000003213 activating Effects 0.000 description 1
- 239000003610 charcoal Substances 0.000 description 1
- 239000000498 cooling water Substances 0.000 description 1
- 230000001808 coupling Effects 0.000 description 1
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 1
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 1
- 230000005183 environmental health Effects 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 239000003779 heat-resistant material Substances 0.000 description 1
- 230000001771 impaired Effects 0.000 description 1
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 1
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 1
- 239000002984 plastic foam Substances 0.000 description 1
- 229920002223 polystyrene Polymers 0.000 description 1
- 238000005507 spraying Methods 0.000 description 1
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 1
- 239000008261 styrofoam Substances 0.000 description 1
- 230000001629 suppression Effects 0.000 description 1
- 239000002351 wastewater Substances 0.000 description 1
Description
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、廃タイヤの焼却処理を焼却炉内部で行い、該廃タイヤの燃焼時に発
生する黒煙等のガス体を、前記焼却炉近傍の燃焼炉内に送り込み、該燃焼炉内で
ガス体を完全燃焼させることによりガス体中の有害物質を除去するように構成さ
れた焼却炉構造に関し、さらに詳細には、有害物質を含有した前記ガス体を更な
る手段を講ずることにより完全燃焼させ、しかる後、無害化した該ガス体の外部
排出を行うことにより大気汚染等の環境公害に寄与できるようにした焼却炉構造
に関する。 【0002】 【従来の技術】 近年、産業や経済が発展する中で、一般乗用車やトラック等の自動車需要が増
大している傾向にあるが、これに伴い該自動車の廃タイヤが増大し、更にこれを
多消費経済構造が支えることにより、該廃タイヤが増大の一途をたどり、他の廃
棄物の増大と同様に深刻な社会問題となっている。 【0003】 この増大した廃タイヤは、主に所定の廃棄物処理場に運ばれ焼却処理されてい
るが、該廃タイヤは、焼却処理を行うと多量の黒煙を発生すること等の理由から
焼却処理が非常に困難であるため、山林等に不法投棄する悪質業者も出現してお
り、環境問題上、該廃タイヤ処理が重要課題となっている。 【0004】 従来、このような問題を解決するため、各種焼却炉が開発され、実用に供され
ている。 【0005】 例えば、密閉された焼却炉内において、外気を流入させることにより廃タイヤ
燃焼を行うとともに、該燃焼により発生したガス体を、上方或いは側方から水噴
霧が成される室内に送出し、これによりガス体に含有される有害物質を該噴霧水
に付着させ、有害物質の除去を行うようにした装置が知られている。 【0006】 更に、従来においては、図3に示すような焼却炉が開発されており、各方面に
提供されている。 【0007】 該焼却炉Aは、円筒状を成した焼却炉1と、円筒状を成すとともに上部に煙突
5が立設された燃焼炉2と、を通路3を介して連結することにより構成され、前
記焼却炉1内にて廃タイヤを燃焼させ、該燃焼により発生した黒煙等のガス体を
送風機7により燃焼炉2内に送り込むとともに、該燃焼炉2内にて該ガス体を完
全燃焼させることにより、該ガス体中に含有される有害物質の除去を行い、しか
る後、前記煙突5から該ガス体を外部排出するような構造であった。 【0008】 【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、従来の如くして廃タイヤの焼却処理をするものや上記従来の焼
却炉構造においては、以下に記すような問題点があった。 【0009】 則ち、廃タイヤを単に焼却処理すると、前記の如く該廃タイヤ燃焼時に、黒煙
等の悪臭を有する有毒性ガスを発生し、環境衛生を害する等の問題点があった。 【0010】 また、前記のように、廃タイヤの焼却を行うと燃焼時に黒煙等の悪臭を有する
有毒ガスを発生するため、法の規制等により、住宅街はもちろん住宅街近傍でも
、該廃タイヤを焼却不能であるという問題点があった。 【0011】 また、噴霧される水により有害物質の除去を行う装置においては、発生するガ
ス体の流速が極めて高速であり、延いてはガス体と該噴霧水との接触時間が極短
時間であるため、前記室内においてガス体中の有害物質を完全に除去することは
できないという問題点があった。 【0012】 また、前記装置においては、水を噴霧させるための配管設備を要するとともに
、使用後の汚染水処理においても苦慮するという問題点があった。 【0013】 一方、図3に示す如くの焼却炉構造は、焼却炉1内の廃タイヤに点火すること
により廃タイヤの燃焼が始まると、黒煙の外部排出、及び火炎噴射による危険性
等から該焼却炉1の扉を開放することができない。 【0014】 このため、途中、プラスチックや発泡スチロール等、他の廃材を焼却する必要
が生じた場合、燃焼炉側に該廃材を投入して焼却しなければならないが、該燃焼
炉内で他の廃材焼却を行うと、該燃焼炉内で発生したガス体は燃焼処理されるこ
となく外部排出されてしまい、延いては大気汚染等の公害を引き起こすという問
題点があった。 【0015】 本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、廃タイヤや他の廃材を焼却
処理するに際して発生するガス体を、完全燃焼させるような手段を講ずることに
より、該ガス体中に含有される有害物質の外部排出を防止し、延いては大気汚染
等の環境公害に寄与できるように構成された焼却炉構造を提供するものである。 【0016】 【課題を解決するための手段】 本考案は上記課題を達成するため、廃タイヤを焼却するための焼却炉と、この
焼却炉で発生したガス体を燃焼させると共に必要に応じてプラスチック等の廃材
を燃焼可能な燃焼炉とを連結して構成される焼却炉構造において、前記燃焼炉の
下流側に該燃焼炉内でプラスチック等の廃材を燃焼させた場合に発生する未処理 のガス体を燃焼処理するためのガス燃焼部を設けたことを特徴とする焼却炉構造
を提供するものである。 【0017】 【作用】 本考案における焼却炉構造は、焼却炉(第一燃焼部)で発生したガス体を燃焼
炉(第二燃焼部)において燃焼処理し、更に、該燃焼炉で発生したガス体をガス
燃焼部(第三燃焼部)において燃焼処理し、略無害化したガス体を外部排出する
ように働く。 【0018】 則ち、第一燃焼部においては、廃タイヤへの点火を行うとともに、外気流入を
行うことにより該廃タイヤの焼却処理が成されるように働き、更に、該第一燃焼
部で発生したガス体は、外気とともに第二燃焼部に送出され、且つ点火されるこ
とにより該第二燃焼部内で完全燃焼するように働き、なお且つ前記第二燃焼部に
おいては、他の廃材の焼却処理が成されるように働くとともに、該第二燃焼部で
発生したガス体には第三燃焼部内にて点火が成されることにより、該第三燃焼部
内で完全燃焼するように働き、延いては略無害化したガス体の外部排出が可能と
なるように働く。 【0019】 本考案においては、前記第三燃焼部が設けられることにより、第二燃焼部にお
いて他の廃材焼却が可能となるように働き、延いては設備の有効利用が可能とな
る。 【0020】 なお、前記ガス体への点火は、プロパンガス等を利用した点火装置が利用され
るが、ガス体への点火が完了すれば、その後はガス体自体が燃焼するため、前記
プロパンガス等の燃料を多量に消費することはない。 【0021】 【実施例】 以下本考案に係わる焼却炉構造の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 【0022】 図1は本考案に係わる焼却炉構造の実施例を示す正面図、図2は本考案の要部
を示す断面図である。 【0023】 本実施例に係わる焼却炉構造Bは、廃タイヤtの焼却を行う焼却炉10と、該
焼却炉10から発生するガス体gの燃焼を行う燃焼炉20と、を通路43を介し
て連結するとともに、前記燃焼炉20上方に、該燃焼炉20で未処理とされたガ
ス体g´を燃焼処理するように構成したガス燃焼部30を設けることにより構成
されている。 【0024】 前記焼却炉10は、図1に示すように、上方に廃タイヤtを投入するための投
入口18が開口された円筒形状を成す本体11と、前記投入口18を閉塞するた
めの上蓋13とにより構成され、該焼却炉10内部にて廃タイヤtの焼却処理が
成されるようになっている。 【0025】 該本体11においては、壁内部に冷却水が循環して成る水冷室16が周設され
ることにより、焼却炉10内部の燃焼熱による外壁面加熱が防止可能なように構
成されているとともに、下方には送風機55から外気の送り込みが成される送風
室17が形成されることにより、廃タイヤtの燃焼を助長することができるよう
に構成されている。 【0026】 該送風機55は、本体11側面下方に取付られており、該送風機55の送風管
55aが本体11側面を貫通し、前記送風室17内において該送風管55a先端
が開口するように構成されている。 【0027】 また、前記本体11側面下方には、開閉自在な開閉扉15が取付られており、
焼却処理後において残存した鋼線や炭等を該開閉扉15を開放し、清掃すること
により除去できるように構成されている。 【0028】 一方、前記燃焼炉20は、円筒形状に形成された耐熱材料から成る燃焼室であ り、側面に廃材を投入するための図示しない廃材投入口が開閉自在に設けられた
構成を成し、焼却炉10で発生したガス体gを燃焼させるとともに、他の廃材を
焼却させるための機能を兼ね備えている。 【0029】 該燃焼炉20と前記焼却炉10は、載置台41上に設置されるとともに、通路
43を介して連通され、且つ該通路43は、焼却炉10、及び燃焼炉20とフラ
ンジ継手44a,44bによりそれぞれ連結されている。 【0030】 該通路43には、焼却炉10側面に取付られた送風機57の送風管57aが貫
通されており、焼却炉10内で発生したガス体gを外気とともに燃焼炉20方向
に送出するように構成されるとともに、該通路43内にて前記ガス体gへの点火
が成されるように構成されている。 【0031】 則ち、前記通路43内には、焼却炉10或いは燃焼炉20近傍に配されるプロ
パンガス等が収納されたガスボンベ50から延在されるガス配管52が貫通され
、図示しない点火装置により該プロパンガスに点火されるとともに、該火炎によ
って、前記送風管57aから送出される外気により燃焼炉20内に流入するガス
体gに点火が成されるように構成されている。 【0032】 これにより、ガス体gが燃焼炉20内において燃焼し、該燃焼熱等が燃焼炉2
0上部に立設されている煙突45から外部排気されるようになっている。 【0033】 なお、前記煙突45には、ガス燃焼部30が介在されており、燃焼炉20内に
おいて発泡スチロール等の廃材を焼却処理した際に発生するガス体g´を燃焼処
理できるように構成されている。 【0034】 該ガス燃焼部30は、図1乃至図2に示すように略箱形状を成しており、フラ
ンジ継手46a,46bの結合により煙突45間に連結されているとともに、前
記ガスボンベ50から延在されるガス配管53が該ガス燃焼部30内に貫通され
、 該ガス燃焼部30に併設された点火装置31により、ガス配管53から噴出され
るプロパンガスに点火が成され、更に該火炎によりガス体g´に点火が成される
ように構成されている。 【0035】 これにより、ガス体g´がガス燃焼部30内において燃焼し、延いては該ガス
体g´が完全燃焼し、該ガス体g´中の有害物質が除去されるようになるため、
前記燃焼炉20内において発泡スチロール等の廃材を焼却しても煙突45より有
害物質を含有した黒煙等のガス体g´が外部排出されることがなくなる。 【0036】 次に、本考案に係わる焼却炉構造Bの使用方法、使用状況について説明する。 【0037】 先ず、図示しないレッカー車等により、焼却炉10の上蓋13を取外すととも
に、廃タイヤtを該投入口18から投入させ、しかる後、該上蓋13を再度閉塞
し、更に人手作業により上蓋13の締着を行う。 【0038】 廃タイヤtの焼却炉10内搬入が完了したら、送風機55を起動させるととも
に、ガスボンベ50から延在されるガス配管51先端より前記ガスボンベ50内
のプロパンガスを噴出させ、図示しない点火装置により該プロパンガスへの点火
を行い、該火炎により廃タイヤtの燃焼を開始させる。 【0039】 廃タイヤtが燃焼することによりガス体gの発生が成されたら、送風機57を
起動させることにより該ガス体gを外気とともに燃焼炉20内に送出させ、且つ
該ガス体gに通路43部において図示しない点火装置により点火させ、燃焼炉2
0内においてこれを燃焼させる。 【0040】 その後、発泡スチロール等の廃材を焼却するに際し、燃焼炉20に取付られた
図示しない廃材投入口を開放し、廃材の投入を行う。 【0041】 燃焼炉20内において、前記廃材の燃焼が始まり、黒煙等のガス体g´が煙突 45先端より排気され始めたら、前記点火装置31によりガス配管53から噴出
されるプロパンガスへの点火を行い、該火炎によりガス体g´を燃焼させる。 【0042】 これにより、ガス体g´が完全燃焼し、含有される有害物質の除去が成され、
延いては煙突45から排出される排気の無害化が成されるようになる。 【0043】 なお、本考案は、上記の如く構成されるものに限定されるものではなく、以下
に記すように構成してもよい。 【0044】 則ち、前記ガス燃焼部30は、燃焼炉20上方に設けられ、自然に上昇するガ
ス体g´に点火するようにしているが、送風機57により焼却炉10から燃焼炉
20内にガス体gを送出する如く、送風機を利用してガス体g´を燃焼炉20側
方等に送出し、点火させるように構成することも可能である。 【0045】 また、前記ガス燃焼部30は、略箱形状に形成されたものを煙突45間に介在
させるように構成しているが、例えば、煙突45にガス配管53を貫通させると
ともに、該近傍に点火装置31のみを配するが如く構成とし、ガス燃焼部30を
単に煙突45の一部とするようにした構成も可能である。 【0046】 更に、前記ガス体g´に点火させる点火装置31は、既存の装置を適宜採用可
能であるとともに、燃料においてもプロパンガス以外を採用可能である。 【0047】 【考案の効果】 本考案に係わる焼却炉構造は、上記のように構成されているため、以下に記載
するような効果を有する。 【0048】 (1)本考案に係わる焼却炉構造は、焼却炉内で発生した黒煙等のガス体を燃
焼炉内において燃焼処理し、更に、該燃焼炉内で発生したガス体をガス燃焼部に
おいて燃焼処理し、略無害化したガス体を煙突から外部排出するように構成され ているため、該焼却炉構造の使用により、環境衛生を害することなく廃タイヤ処
理が行えるようになるという優れた効果を有する。 【0049】 (2)また、本考案においては、燃焼炉近傍にガス燃焼部が設けられるように
構成され、該ガス燃焼部により燃焼炉内で発生したガス体を燃焼処理するため、
燃焼炉での廃材焼却を行うことができ、延いては設備の有効使用が図れるように
なるとともに、環境公害にも寄与できるという優れた効果を有する。 【0050】 (3)また、本考案は、煙突間に略箱形状のガス燃焼部を介在させ、該箇所に
てガス体を燃焼させるという極めて簡易な構造で、有害物質を含有したガス体の
外部排出を抑えることができるという優れた効果を有する。
生する黒煙等のガス体を、前記焼却炉近傍の燃焼炉内に送り込み、該燃焼炉内で
ガス体を完全燃焼させることによりガス体中の有害物質を除去するように構成さ
れた焼却炉構造に関し、さらに詳細には、有害物質を含有した前記ガス体を更な
る手段を講ずることにより完全燃焼させ、しかる後、無害化した該ガス体の外部
排出を行うことにより大気汚染等の環境公害に寄与できるようにした焼却炉構造
に関する。 【0002】 【従来の技術】 近年、産業や経済が発展する中で、一般乗用車やトラック等の自動車需要が増
大している傾向にあるが、これに伴い該自動車の廃タイヤが増大し、更にこれを
多消費経済構造が支えることにより、該廃タイヤが増大の一途をたどり、他の廃
棄物の増大と同様に深刻な社会問題となっている。 【0003】 この増大した廃タイヤは、主に所定の廃棄物処理場に運ばれ焼却処理されてい
るが、該廃タイヤは、焼却処理を行うと多量の黒煙を発生すること等の理由から
焼却処理が非常に困難であるため、山林等に不法投棄する悪質業者も出現してお
り、環境問題上、該廃タイヤ処理が重要課題となっている。 【0004】 従来、このような問題を解決するため、各種焼却炉が開発され、実用に供され
ている。 【0005】 例えば、密閉された焼却炉内において、外気を流入させることにより廃タイヤ
燃焼を行うとともに、該燃焼により発生したガス体を、上方或いは側方から水噴
霧が成される室内に送出し、これによりガス体に含有される有害物質を該噴霧水
に付着させ、有害物質の除去を行うようにした装置が知られている。 【0006】 更に、従来においては、図3に示すような焼却炉が開発されており、各方面に
提供されている。 【0007】 該焼却炉Aは、円筒状を成した焼却炉1と、円筒状を成すとともに上部に煙突
5が立設された燃焼炉2と、を通路3を介して連結することにより構成され、前
記焼却炉1内にて廃タイヤを燃焼させ、該燃焼により発生した黒煙等のガス体を
送風機7により燃焼炉2内に送り込むとともに、該燃焼炉2内にて該ガス体を完
全燃焼させることにより、該ガス体中に含有される有害物質の除去を行い、しか
る後、前記煙突5から該ガス体を外部排出するような構造であった。 【0008】 【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、従来の如くして廃タイヤの焼却処理をするものや上記従来の焼
却炉構造においては、以下に記すような問題点があった。 【0009】 則ち、廃タイヤを単に焼却処理すると、前記の如く該廃タイヤ燃焼時に、黒煙
等の悪臭を有する有毒性ガスを発生し、環境衛生を害する等の問題点があった。 【0010】 また、前記のように、廃タイヤの焼却を行うと燃焼時に黒煙等の悪臭を有する
有毒ガスを発生するため、法の規制等により、住宅街はもちろん住宅街近傍でも
、該廃タイヤを焼却不能であるという問題点があった。 【0011】 また、噴霧される水により有害物質の除去を行う装置においては、発生するガ
ス体の流速が極めて高速であり、延いてはガス体と該噴霧水との接触時間が極短
時間であるため、前記室内においてガス体中の有害物質を完全に除去することは
できないという問題点があった。 【0012】 また、前記装置においては、水を噴霧させるための配管設備を要するとともに
、使用後の汚染水処理においても苦慮するという問題点があった。 【0013】 一方、図3に示す如くの焼却炉構造は、焼却炉1内の廃タイヤに点火すること
により廃タイヤの燃焼が始まると、黒煙の外部排出、及び火炎噴射による危険性
等から該焼却炉1の扉を開放することができない。 【0014】 このため、途中、プラスチックや発泡スチロール等、他の廃材を焼却する必要
が生じた場合、燃焼炉側に該廃材を投入して焼却しなければならないが、該燃焼
炉内で他の廃材焼却を行うと、該燃焼炉内で発生したガス体は燃焼処理されるこ
となく外部排出されてしまい、延いては大気汚染等の公害を引き起こすという問
題点があった。 【0015】 本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、廃タイヤや他の廃材を焼却
処理するに際して発生するガス体を、完全燃焼させるような手段を講ずることに
より、該ガス体中に含有される有害物質の外部排出を防止し、延いては大気汚染
等の環境公害に寄与できるように構成された焼却炉構造を提供するものである。 【0016】 【課題を解決するための手段】 本考案は上記課題を達成するため、廃タイヤを焼却するための焼却炉と、この
焼却炉で発生したガス体を燃焼させると共に必要に応じてプラスチック等の廃材
を燃焼可能な燃焼炉とを連結して構成される焼却炉構造において、前記燃焼炉の
下流側に該燃焼炉内でプラスチック等の廃材を燃焼させた場合に発生する未処理 のガス体を燃焼処理するためのガス燃焼部を設けたことを特徴とする焼却炉構造
を提供するものである。 【0017】 【作用】 本考案における焼却炉構造は、焼却炉(第一燃焼部)で発生したガス体を燃焼
炉(第二燃焼部)において燃焼処理し、更に、該燃焼炉で発生したガス体をガス
燃焼部(第三燃焼部)において燃焼処理し、略無害化したガス体を外部排出する
ように働く。 【0018】 則ち、第一燃焼部においては、廃タイヤへの点火を行うとともに、外気流入を
行うことにより該廃タイヤの焼却処理が成されるように働き、更に、該第一燃焼
部で発生したガス体は、外気とともに第二燃焼部に送出され、且つ点火されるこ
とにより該第二燃焼部内で完全燃焼するように働き、なお且つ前記第二燃焼部に
おいては、他の廃材の焼却処理が成されるように働くとともに、該第二燃焼部で
発生したガス体には第三燃焼部内にて点火が成されることにより、該第三燃焼部
内で完全燃焼するように働き、延いては略無害化したガス体の外部排出が可能と
なるように働く。 【0019】 本考案においては、前記第三燃焼部が設けられることにより、第二燃焼部にお
いて他の廃材焼却が可能となるように働き、延いては設備の有効利用が可能とな
る。 【0020】 なお、前記ガス体への点火は、プロパンガス等を利用した点火装置が利用され
るが、ガス体への点火が完了すれば、その後はガス体自体が燃焼するため、前記
プロパンガス等の燃料を多量に消費することはない。 【0021】 【実施例】 以下本考案に係わる焼却炉構造の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 【0022】 図1は本考案に係わる焼却炉構造の実施例を示す正面図、図2は本考案の要部
を示す断面図である。 【0023】 本実施例に係わる焼却炉構造Bは、廃タイヤtの焼却を行う焼却炉10と、該
焼却炉10から発生するガス体gの燃焼を行う燃焼炉20と、を通路43を介し
て連結するとともに、前記燃焼炉20上方に、該燃焼炉20で未処理とされたガ
ス体g´を燃焼処理するように構成したガス燃焼部30を設けることにより構成
されている。 【0024】 前記焼却炉10は、図1に示すように、上方に廃タイヤtを投入するための投
入口18が開口された円筒形状を成す本体11と、前記投入口18を閉塞するた
めの上蓋13とにより構成され、該焼却炉10内部にて廃タイヤtの焼却処理が
成されるようになっている。 【0025】 該本体11においては、壁内部に冷却水が循環して成る水冷室16が周設され
ることにより、焼却炉10内部の燃焼熱による外壁面加熱が防止可能なように構
成されているとともに、下方には送風機55から外気の送り込みが成される送風
室17が形成されることにより、廃タイヤtの燃焼を助長することができるよう
に構成されている。 【0026】 該送風機55は、本体11側面下方に取付られており、該送風機55の送風管
55aが本体11側面を貫通し、前記送風室17内において該送風管55a先端
が開口するように構成されている。 【0027】 また、前記本体11側面下方には、開閉自在な開閉扉15が取付られており、
焼却処理後において残存した鋼線や炭等を該開閉扉15を開放し、清掃すること
により除去できるように構成されている。 【0028】 一方、前記燃焼炉20は、円筒形状に形成された耐熱材料から成る燃焼室であ り、側面に廃材を投入するための図示しない廃材投入口が開閉自在に設けられた
構成を成し、焼却炉10で発生したガス体gを燃焼させるとともに、他の廃材を
焼却させるための機能を兼ね備えている。 【0029】 該燃焼炉20と前記焼却炉10は、載置台41上に設置されるとともに、通路
43を介して連通され、且つ該通路43は、焼却炉10、及び燃焼炉20とフラ
ンジ継手44a,44bによりそれぞれ連結されている。 【0030】 該通路43には、焼却炉10側面に取付られた送風機57の送風管57aが貫
通されており、焼却炉10内で発生したガス体gを外気とともに燃焼炉20方向
に送出するように構成されるとともに、該通路43内にて前記ガス体gへの点火
が成されるように構成されている。 【0031】 則ち、前記通路43内には、焼却炉10或いは燃焼炉20近傍に配されるプロ
パンガス等が収納されたガスボンベ50から延在されるガス配管52が貫通され
、図示しない点火装置により該プロパンガスに点火されるとともに、該火炎によ
って、前記送風管57aから送出される外気により燃焼炉20内に流入するガス
体gに点火が成されるように構成されている。 【0032】 これにより、ガス体gが燃焼炉20内において燃焼し、該燃焼熱等が燃焼炉2
0上部に立設されている煙突45から外部排気されるようになっている。 【0033】 なお、前記煙突45には、ガス燃焼部30が介在されており、燃焼炉20内に
おいて発泡スチロール等の廃材を焼却処理した際に発生するガス体g´を燃焼処
理できるように構成されている。 【0034】 該ガス燃焼部30は、図1乃至図2に示すように略箱形状を成しており、フラ
ンジ継手46a,46bの結合により煙突45間に連結されているとともに、前
記ガスボンベ50から延在されるガス配管53が該ガス燃焼部30内に貫通され
、 該ガス燃焼部30に併設された点火装置31により、ガス配管53から噴出され
るプロパンガスに点火が成され、更に該火炎によりガス体g´に点火が成される
ように構成されている。 【0035】 これにより、ガス体g´がガス燃焼部30内において燃焼し、延いては該ガス
体g´が完全燃焼し、該ガス体g´中の有害物質が除去されるようになるため、
前記燃焼炉20内において発泡スチロール等の廃材を焼却しても煙突45より有
害物質を含有した黒煙等のガス体g´が外部排出されることがなくなる。 【0036】 次に、本考案に係わる焼却炉構造Bの使用方法、使用状況について説明する。 【0037】 先ず、図示しないレッカー車等により、焼却炉10の上蓋13を取外すととも
に、廃タイヤtを該投入口18から投入させ、しかる後、該上蓋13を再度閉塞
し、更に人手作業により上蓋13の締着を行う。 【0038】 廃タイヤtの焼却炉10内搬入が完了したら、送風機55を起動させるととも
に、ガスボンベ50から延在されるガス配管51先端より前記ガスボンベ50内
のプロパンガスを噴出させ、図示しない点火装置により該プロパンガスへの点火
を行い、該火炎により廃タイヤtの燃焼を開始させる。 【0039】 廃タイヤtが燃焼することによりガス体gの発生が成されたら、送風機57を
起動させることにより該ガス体gを外気とともに燃焼炉20内に送出させ、且つ
該ガス体gに通路43部において図示しない点火装置により点火させ、燃焼炉2
0内においてこれを燃焼させる。 【0040】 その後、発泡スチロール等の廃材を焼却するに際し、燃焼炉20に取付られた
図示しない廃材投入口を開放し、廃材の投入を行う。 【0041】 燃焼炉20内において、前記廃材の燃焼が始まり、黒煙等のガス体g´が煙突 45先端より排気され始めたら、前記点火装置31によりガス配管53から噴出
されるプロパンガスへの点火を行い、該火炎によりガス体g´を燃焼させる。 【0042】 これにより、ガス体g´が完全燃焼し、含有される有害物質の除去が成され、
延いては煙突45から排出される排気の無害化が成されるようになる。 【0043】 なお、本考案は、上記の如く構成されるものに限定されるものではなく、以下
に記すように構成してもよい。 【0044】 則ち、前記ガス燃焼部30は、燃焼炉20上方に設けられ、自然に上昇するガ
ス体g´に点火するようにしているが、送風機57により焼却炉10から燃焼炉
20内にガス体gを送出する如く、送風機を利用してガス体g´を燃焼炉20側
方等に送出し、点火させるように構成することも可能である。 【0045】 また、前記ガス燃焼部30は、略箱形状に形成されたものを煙突45間に介在
させるように構成しているが、例えば、煙突45にガス配管53を貫通させると
ともに、該近傍に点火装置31のみを配するが如く構成とし、ガス燃焼部30を
単に煙突45の一部とするようにした構成も可能である。 【0046】 更に、前記ガス体g´に点火させる点火装置31は、既存の装置を適宜採用可
能であるとともに、燃料においてもプロパンガス以外を採用可能である。 【0047】 【考案の効果】 本考案に係わる焼却炉構造は、上記のように構成されているため、以下に記載
するような効果を有する。 【0048】 (1)本考案に係わる焼却炉構造は、焼却炉内で発生した黒煙等のガス体を燃
焼炉内において燃焼処理し、更に、該燃焼炉内で発生したガス体をガス燃焼部に
おいて燃焼処理し、略無害化したガス体を煙突から外部排出するように構成され ているため、該焼却炉構造の使用により、環境衛生を害することなく廃タイヤ処
理が行えるようになるという優れた効果を有する。 【0049】 (2)また、本考案においては、燃焼炉近傍にガス燃焼部が設けられるように
構成され、該ガス燃焼部により燃焼炉内で発生したガス体を燃焼処理するため、
燃焼炉での廃材焼却を行うことができ、延いては設備の有効使用が図れるように
なるとともに、環境公害にも寄与できるという優れた効果を有する。 【0050】 (3)また、本考案は、煙突間に略箱形状のガス燃焼部を介在させ、該箇所に
てガス体を燃焼させるという極めて簡易な構造で、有害物質を含有したガス体の
外部排出を抑えることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案に係わる焼却炉構造の実施例を示す正面図。
【図2】
本考案の要部を示す断面図。
【図3】
従来の焼却炉構造を示す正面図。
【符号の説明】
t 廃タイヤ
g ガス体
g´ ガス体
10 焼却炉
11 本体
13 上蓋
15 開閉扉
16 水冷室
17 送風室
18 投入口
20 燃焼炉
30 ガス燃焼部
31 点火装置
41 載置台
43 通路
44a フランジ継手
44b フランジ継手
45 煙突
50 ガスボンベ
51 ガス配管
52 ガス配管
53 ガス配管
55 送風機
55a 送風管
57 送風機
57a 送風管
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 廃タイヤを焼却するための焼却炉と、この焼却炉で発生したガ
ス体を燃焼させると共に必要に応じてプラスチック等の廃材を燃焼可能な燃焼炉
とを連結して構成される焼却炉構造において、前記燃焼炉の下流側に該燃焼炉内
でプラスチック等の廃材を燃焼させた場合に発生する未処理のガス体を燃焼処理
するためのガス燃焼部を設けたことを特徴とする焼却炉構造。
Family
ID=
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6324999B1 (en) | Incinerator for removing noxious substances | |
JP2551729Y2 (ja) | 焼却炉構造 | |
KR100562374B1 (ko) | 보조 소각로 | |
JP2551729Z (ja) | ||
KR20000032736A (ko) | 열매체 보일러 | |
JP2004085118A5 (ja) | ||
JP2831980B2 (ja) | 廃フロン処理方法 | |
JP2598971Y2 (ja) | 焼却炉構造 | |
KR102046329B1 (ko) | 온수 및 열풍용 소각 장치 | |
JP3100572B2 (ja) | 焼却炉 | |
KR200352792Y1 (ko) | 소각보일러의 배기가스 정화장치 | |
JPH10185142A (ja) | 排煙の二次焼却方法及び装置 | |
JP2974932B2 (ja) | 焼却炉 | |
JP3387860B2 (ja) | 廃棄物焼却装置 | |
FI91993C (fi) | Jälkipolttokammio erilaisia polttouuneja varten | |
JPH11190506A (ja) | ゴミ焼却装置 | |
JP3002971U (ja) | 車載移動式医療廃棄物等産業廃棄物巡回焼却処理装置 | |
JP4189818B2 (ja) | 焼却炉 | |
JP2007078337A (ja) | 焼却炉用助燃装置 | |
JPH07332632A (ja) | 可燃ゴミ焼却装置 | |
US4813360A (en) | Apparatus for burning waste products | |
JP2847470B2 (ja) | 可燃ゴミ焼却装置 | |
JP3318748B2 (ja) | 石油製品回転燃焼ストーブ | |
KR810000717Y1 (ko) | 고분자계 전용 진개 소각로 | |
JPH05248619A (ja) | 燃焼物の無煙燃焼装置および無煙燃焼方法 |