JP2551711Y2 - ポンプ用マグネットカップリング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ポンプ用マグネットカップリング、特
に、駆動軸に固定したカップリング本体に永久磁石を固
定する手段に関する。

〔従来の技術〕

第３図と第４図は従来のマグネットポンプを示すもの
である。

第３図において、１はポンプケーシング、２はモータ
ハウジングで、図では一体に画いてあるが、実際は適当
な個所で分離できるように別々に形成し、仕切り３によ
り完全に遮断してケーシング１内の水がハウジング２内
に入らないようにしてある。

４はケーシング１内において、仕切り３およびケーシ
ング１に固定した羽根車軸で、その外周にスリーブを介
して羽根車６を回転自在に装着する。

羽根車６の後部には永久磁石７を埋め込んだボス８を
一体に設け、このボス８が仕切り３に設けた円筒部10内
にはまる。

上記永久磁石７は羽根車軸４と同芯の円筒状のもの、
または複数の永久磁石７を軸４と同芯の円筒状に配置し
た埋込んだものである。

11は駆動軸９に固定したカップリング本体で、前記円
筒部10に被さる円筒形状を有し、その内側に円形環状の
永久磁石12を固定し、羽根車６のボス８内の永久磁石７
と磁力により結合するように位置させて筒型マグネット
カップリングＡを構成する。

従って、ボス８、円筒部10は磁石７、12の磁力結合を
妨げないように、ステンレス板またはプラスチックなど
の非磁性または弱磁性材料を用いる。

上記のポンプにおいて、図示省略してあるモータで駆
動される駆動軸９によりカップリング本体11を回転させ
ると、磁石７、12の磁力結合により羽根車６が回転し、
ケーシング１の吸込口15から吸い込んだ水を羽根車６を
経て吐出口16へと送り出す。

第４図に示す従来例はディスク型のマグネットカップ
リングＢを用いた場合であって永久磁石７、12が共に円
板状であるから仕切り３も平板状であり、磁石12とカッ
プリング本体11の間に鉄板などの強磁性の補助ヨーク13
を挟んでいる点が第 図のものと異なるが、マグネット
カップリングＢやポンプとしての作用は第３図のものと
同じであるから説明は省略する。

上記のような従来のマグネットポンプのマグネットカ
ップリングＡ、Ｂにおいて、カップリング本体11に対す
る永久磁石の固定は、永久磁石の外面に溝状の係合部を
設け、カップリング本体11の一部を屈曲させて形成した
係合片を上記係合部に係合させることにより、回転方向
及び軸方向に一体に固定するようにしていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、カップリング本体11内に嵌挿する永久磁石
７は、製造工程において外周精度が出し難く、永久磁石
７の外径の誤差が大きすぎるとカップリング本体内に挿
入することができないと共に、逆に外径の誤差が小さす
ぎると、カップリング本体内で永久磁石にガタツキが生
じるという問題がある。

そこで、この考案の課題は、永久磁石の外径の誤差を
カップリング本体側で吸収することができ、カップリン
グ本体に対する永久磁石の固定が円滑に行なえるポンプ
用マグネットカップリングを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案は、ポンプケ
ーシングとモータハウジングとを仕切りにより水密的に
遮断し、ポンプケーシング内の羽根車に固定した永久磁
石とモータハウジング内の駆動軸に固定した永久磁石と
でマグネットカップリングを構成し、上記駆動軸端に鋼
板製のカップリング本体を固定し、このカップリング本
体内に収納した永久磁石の一部に溝状の係合部を設け、
この係合部に、前記カップリング本体の一部を屈曲させ
て形成した係合片を係合させてカップリング本体と永久
磁石を回転方向及び軸方向に一体に固定したポンプ用マ
グネットカップリングにおいて、カップリング本体の周
壁にこの周壁の一部を内側に突出させ、カップリング本
体の内部に収納する永久磁石の外周面を支持する複数の
寸法調整部を設けた構成を採用したものである。

〔実施例〕

以下に、この考案の実施例を添付図面の第１図と第２
図に基づいて説明する。

第１図に示す第１実施例及び第２図の第２の実施例に
おいて、カップリング本体21は鋼板をプレス成形して得
られたもので、中央にモータ軸を固定する軸孔20を設
け、円筒状の周壁22の端縁に複数の係合片23を設けてあ
る。

また、周壁22内にはめる円筒状の永久磁石17の端面に
は前記係合片23に一致する凹状の係合部24を設ける。

この両実施例では本体21の周壁22内に磁石17をはめた
のち、各係合片23を内側へ曲げて各係合部24に係合させ
ることにより、カップリング本体21に永久磁石17が回転
方向及び軸方向に固定化される。

両実施例において、カップリング本体21の周壁22に永
久磁石17を嵌合保持するための寸法調整部30が設けられ
ている。

すなわち、永久磁石17には外径寸法に誤差があり、カ
ップリング本体21に永久磁石17を嵌挿したときの上記誤
差を寸法調整部30で吸収するものであり、第１図に示す
ものは、周壁22に複数個所の切れ目31を入れ、それより
外側の部分を内側へ突出するよう屈曲させて寸法調整部
30とし、永久磁石17の挿入時この調整部30に磁石17の外
周が圧接し、調整部30の突出量の変化により磁石17を保
持し、その内周面を周壁22と同芯に保つ。

第２図のものは周壁22にコ字形の切れ目32を設け、そ
の内側の部分を内方に曲げて調整部30としたものであ
る。

なお、ディスクタイプのマグネットカップリングの場
合、永久磁石を異方性に使用して伝達トルクをアップす
るために、第４図のような補助ヨーク13が必要となる
が、本体11を鋼板製にすれば、補助ヨークは不要とな
る。

また、カップリング本体21と駆動軸９の結合は軸孔20
の部分を第２図のようにボス型にして駆動軸を圧入固定
したり、軸孔20をボス型にせずにボルト・ナットで固定
するなどの任意の構成になし得る。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によると、カップリング本体
に対する永久磁石の固定において、カップリング本体の
周壁に永久磁石の外周面を支持する寸法調整部を設けた
ので、永久磁石の外径に誤差があってもカップリング本
体内への永久磁石の取付けが支障なく行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は第１の実施例を示す縦断側面図、（ｂ）
は同上の正面図、第２図（ａ）は第２の実施例を示す横
断側面図、（ｂ）は同上の外観を示す側面図、第３図と
第４図は従来のポンプの各例を示す縦断側面図である。 １……ポンプケーシング、２……モータハウジング、３
……仕切り、６……羽根車、７、12、17……永久磁石、
11、21……カップリング本体、22……周壁、23……係合
片、24……係合部、30……寸法調整部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ポンプケーシングとモータハウジングとを
   仕切りにより水密的に遮断し、ポンプケーシング内の羽
   根車に固定した永久磁石とモータハウジング内の駆動軸
   に固定した永久磁石とでマグネットカップリングを構成
   し、上記駆動軸端に鋼板製のカップリング本体を固定
   し、このカップリング本体内に収納した永久磁石の一部
   に溝状の係合部を設け、この係合部に、前記カップリン
   グ本体の一部を屈曲させて形成した係合片を係合させて
   カップリング本体と永久磁石を回転方向及び軸方向に一
   体に固定したポンプ用マグネットカップリングにおい
   て、カップリング本体の周壁にこの周壁の一部を内側に
   突出させ、カップリング本体の内部に収納する永久磁石
   の外周面を支持する複数の寸法調整部を設けたことを特
   徴とするポンプ用マグネットカップリング。