JP2551132B2 - 電動機の駆動制御装置 - Google Patents

電動機の駆動制御装置

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JP2551132B2 JP1018763A JP1876389A JP2551132B2 JP 2551132 B2 JP2551132 B2 JP 2551132B2 JP 1018763 A JP1018763 A JP 1018763A JP 1876389 A JP1876389 A JP 1876389A JP 2551132 B2 JP2551132 B2 JP 2551132B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、圧縮機などの被動機を駆動する電動機の駆
動制御装置に関するものである。
(従来の技術) 一般に、空気調和装置に設けられる圧縮機は電動機に
よって駆動されており、該電動機は駆動制御装置によっ
て制御されている。該駆動制御装置は、例えば、第18図
に示すように、電源(a)から供給される電力を電力変
換器(b)で所定の電力に変換して直流モータ(c)に
供給する一方、速度設定器(d)の指令値に基づいて制
御器(e)が電力変換器(b)を制御し、直流モータ
(c)への供給電力を制御して該直流モータ(c)の回
転速度を指令値に一致させるようにし、圧縮機(f)を
駆動制御している。
また、特開昭61−173690号公報に開示されているよう
に、電源より清流回路、平滑コンデンサ及びインバータ
を介して同期電動機に電力を供給する一方、該同期電動
機の電機子巻線端子電圧を検出して回転速度をマイクロ
コンピュータで演算し、速度設定器の設定値と比較して
回転速度の電流指令値を電流制御部に出力する。そし
て、該電流制御部において、同期電動機の巻線電流と電
流指令値とを比較してドライブ回路にチョッパ信号を出
力し、該ドライブ回路がインバータを制御して同期電動
機の回転速度を指令値に一致させるようにし、圧縮機を
駆動制御している。
(発明が解決しようとする課題) 上述した電動機の駆動制御装置において、圧縮機を駆
動すると、該圧縮機の吸入・圧縮によって電動機の1回
転中で負荷トルクが変動(脈動)することになり、電動
機の電圧を一定に制御した場合、電動機の角速度は1回
転中で上記負荷トルク変動によって変動することにな
る。この速度変動に起因して電動機の逆起電力が変化
し、損失にかかわる電動機の電流が変化し、電流の実効
値が大きくなっていた。そして、電動機の銅損は電流の
実効値の2乗に比例するため、負荷トルクの変動(脈
動)に応じて損失が大きくなり、電動機効率が悪いとい
う問題があった。更に、電流の実効値が大きいため、電
力変換器の素子容量が大きくなるという問題があった。
特に、特開昭61−173690号公報の駆動制御装置は、負
荷トルク変動に追従して電動機の回転速度を変化させて
おり、上述した如く電動機の電流実効値が大きく、電動
機効率が悪いと共に、大なる素子容量の電力変換器を要
するという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、負荷の
脈動成分に追従しないように電動機の供給電流を制御す
ることにより、電動機効率の向上を図ると共に、電力変
換器の素子容量の低減を図ることを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明が講じた手段は、
フィードバック信号より負荷変動に伴う変動成分を除去
し、このフィードバック信号に基づいて指令値を制御
し、上記負荷の変動成分に伴って変動しない電流が電動
機に供給されるようにしたものである。
すなわち、本発明者らは、従来より電動機、特に誘導
電動機において、供給電流を制御して電動機のトルクを
制御するという基本的発想が存在しない状態より、長年
の研究の結果、電動機の1回転中での負荷変動に追従し
ないように供給電流を一定に制御し、電動機を一定トル
クで駆動させると、該電動機効率が著しく向上するとい
う点を見出したものである。
そこで、請求項1に係る発明が講じた手段は、先ず、
被動機と、該被動機を駆動する電動機とが設けられてい
る。更に、上記被動機における負荷変動に対応して変動
する変動量を検出する変動検出器が設けられている。加
えて、該変動検出器が検出した変動量に基づき、上記負
荷変動のうちの電動機の1回転中における負荷変動に起
因して生ずる電動機への供給電流の変動を阻止し、上記
電動機の1回転中における該電動機への供給電流を一定
に保持するようにフィードバック信号を出力して上記電
動機を制御する変動除去制御手段が設けられた構成とし
ている。
具体的に、請求項2に係る発明が講じた手段は、圧縮
機(3)と、該圧縮機(3)を駆動する電動機(2)と
が設けられている。更に、上記圧縮機(3)における負
荷変動に対応して変動する上記電動機(2)の回転速度
に関する変動量を検出する変動検出器(11)が設けられ
ている。加えて、該変動検出器(11)が検出した変動量
に基づき、上記圧縮機(3)の負荷変動のうちの電動機
(2)の1回転中における負荷変動に起因して生ずる電
動機(2)の電機子電流の変動を阻止し、電動機(2)
の1回転中における該電動機(2)への供給電流を一定
に保持するようにフィードバック信号を出力して上記電
動機(2)を制御する変動除去制御手段(13)が設けら
れた構成としている。
また、上記請求項2の発明においけ、請求項3に係る
発明が講じた手段は、変動検出器(11)が、電動機
(2)の回転速度に伴って変化する電機子電圧を検出す
るように構成され、また、請求項4に係る発明が講じた
手段は、変動検出器(11)が、電動機(2)の回転速度
を検出するように構成されている。
また、請求項5に係る発明が講じた手段は、上記請求
項3の発明において、変動除去制御手段(13)が、変動
検出器(11)の検出速度値より圧縮機(3)の負荷変動
のうちの電動機(2)の1回転中における負荷変動に伴
う変動成分を除去した電圧フィードバック信号を出力す
るように構成され、また、請求項6に係る発生が講じた
手段は、請求項4の発明において、変動除去制御手段
(13)が、変動検出器(11)の検出電圧値より圧縮機
(3)の負荷変動のうちの電動機(2)の1回転中にお
ける負荷変動に伴う変動成分を除去した電圧フィードバ
ック信号を出力するように構成されている。
また、請求項7〜9に係る発明が講じた手段は、上記
請求項2における電動機(2)を交流モータ(31)とし
たものであって、該請求項7に係る発明が講じた手段
は、先ず、圧縮機(3)と、該圧縮機(3)を駆動する
交流モータ(31)と、該交流モータ(31)に交流電力を
供給する電力変換器(52)とが設けられている。更に、
上記圧縮機(3)における負荷変動に対応して変動する
電力変換器(52)の直流部電流を検出する変動検出器
(54)が設けられている。加えて、該変動検出器(54)
が検出した検出電流値に基づき、上記圧縮機(3)の負
荷変動のうちの交流モータ(31)の1回転中における負
荷変動に起因して生ずる交流モータ(31)への供給電流
の変動を阻止し、交流モータ(31)の1回転中における
該交流モータ(31)への供給電流を一定に保持するよう
にフィードバック信号を出力して上記交流モータ(31)
を制御する変動除去制御手段(57)とが設けられた構成
としている。
また、請求項8に係る発明が講じた手段は、先ず、圧
縮機(3)と、該圧縮機(3)を駆動する交流モータ
(31)とが設けられている。そして、該交流モータ(3
1)の回転速度を検出する変動検出器(34)が設けられ
ている。更に、上記交流モータ(31)のトルク電流と励
磁電流とを制御して該交流モータ(31)をベクトル制御
する制御器(32)が設けられている。加えて、上記変動
検出器(34)の検出速度値に基づき、上記圧縮機(3)
の負荷変動のうちの交流モータ(31)の1回転中におけ
る負荷変動に起因して生ずる交流モータ(31)への供給
電流の変動を阻止し、交流モータ(31)の1回転中にお
ける該交流モータ(31)への供給電流を一定に保持する
ようにフィードバック信号を出力して上記制御器(32)
のトルク指令値を制御する変動去除手段(35)が設けら
れた構成としている。
また、請求項9に係る発明が講じた手段は、先ず、圧
縮機(3)と、該圧縮機(3)を駆動する交流モータ
(31)とが設けられている。そして、該交流モータ(3
1)の回転速度を検出する変動検出器(45)が設けられ
ている。更に、上記交流モータ(31)の1次鎖交流磁束
ベクトルと瞬時トルクとを制御して該交流モータ(31)
を瞬時トルク制御する制御器(41)が設けられている。
加えて、上記変動検出器(45)の検出速度値に基づき、
上記圧縮機(3)の負荷変動のうちの交流モータ(31)
の1回転中における負荷変動に起因して生ずる交流モー
タ(31)への供給電流の変動を阻止し、交流モータ(3
1)の1回転中における該交流モータ(31)への供給電
流を一定に保持するように速度フィードバック信号を出
力して上記制御器(41)のトルク指令値を制御する変動
去除手段(46)とが設けられた構成としている。
(作用) 上記構成によれば、本発明では、電源より電力変換器
等を介して制御電力が電動機、例えば、直流モータ
(2)或いは誘導電動機(31)に供給されて該電動機が
回転して圧縮機(3)等の被動機が駆動する。そして、
上記電力変換器等は制御器等の制御信号に基づいてスイ
ッチング動作し、電動機を駆動制御しており、例えば、
直流モータ(2)を電圧制御し、また、誘導電動機(3
1)をf/v制御、ベクトル制御或いは瞬時トルク制御して
いる。
一方、上記電動機は、圧縮機(3)の負荷が空調負荷
等による基本変動成分と、吸入・圧縮等による電動機の
1回転中における負荷変動(以下、脈動という。)によ
る変動成分(以下、脈動成分という。)とを含んでお
り、この負荷を受けることになり、回転速度等が負荷変
動に伴って変動する。そして、この回転速度等の変動量
を変動検出器、例えば、速度検出器(11等)が検出して
フィードバック信号を出力する。その後、このフィード
バック信号より変動除去手段、例えば、ローパスフィル
タ(12等)によって上記負荷の脈動成分に伴う変動成分
を除去又は抽出し、このフィードバック信号を受けて制
御器等の指定値が制御され、該制御器等が電動機への供
給電流が負荷の脈動成分に伴って変動しないように電力
変換器等を制御し、例えば、直流モータ(2)の電機子
電流、誘導電動機(31)のトルク電流等を脈動しないよ
うに制御する。
(発明の効果) 従って、本発明の電動機の駆動制御装置によれば、圧
縮機(3)などの被動機における負荷変動に伴って変動
しないように電動機の供給電流を制御するようにしたた
めに、電動機電流の実効値を小さくすることができるの
で、電動機損失を低減することができることになり、電
動機効率を従来に比して著しく向上させることができ
る。
また、電動機電流のピーク値を抑制することができる
ので、電力変換器の素子容量を低減することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
(第1実施例) 本実施例は、請求項1〜6に係る発明の実施例であ
り、第2図(a),(b)に示すように、(1)は、直
流モータ(2)を駆動制御する駆動制御装置であって、
該直流モータ(2)には、被動機で且つ空気調和装置に
設けられる圧縮機(3)が連結され、上記直流モータ
(2)を制御して圧縮機(3)を駆動制御するように構
成されている。
上記直流モータ(2)は、永久磁石を界磁としている
電動機であって、交流電源(4)より電力変換器(5)
を介して電力が供給されている。該電力変換器(5)
は、交流電源(4)からの交流電力を整流回路(5a)
(5)及び平滑コンデンサ(5b)を介して直流電力に変
換し、スイッチング用トランジスタ(5c)に供給すると
共に、該トランジスタ(5c)のオン・オフ動作によるチ
ョッパ動作によって制御電力を上記直流モータ(2)に
供給するように構成され、上記トランジスタ(5c)のオ
フ時における直流モータ(2)の残留磁気をフリーホイ
ールダイオード(5d)によって除去している。
更に、上記電力変換器(5)のトランジスタ(5c)
は、制御器(6)が出力する制御信号によって制御され
ており、該制御器(6)は、速度設定器(7)と比較器
(8)とPI調節器(9)とスイッチング信号発生回路
(10)とより構成されている。
該速度設定器(7)は、圧縮機(3)が所定容量で駆
動するように直流モータ(2)の目標速度が設定され、
該目標速度に相当する電圧設定値の出力するように構成
されている。そして、害速度設定器(7)が出力する電
圧設定値は、上記比較器(8)で後述するフィ−ドバッ
ク信号の電圧値と比較され、上記PI調節器(9)で増幅
された後、上記スイッチング信号発生回路(10)に入力
されるように成っている。該スイッチング信号発生回路
(10)は、電圧制御型発振回路(VCO)であり、上記PI
調節器(9)からの電圧指令値に対応して上記トランジ
スタ(5c)にチョッパ信号を出力しており、該トランジ
スタ(5c)のオン・オフ動作して制御して直流モータ
(2)への供給電力、つまり、電機子電流を制御するよ
うに構成されている。
一方、上記直流モータ(2)には、タコジェネレータ
等の速度検出回路(11)が接続され、該速度検出回路
(11)は、上記圧縮機(3)における負荷変動に対応し
て変動する直流モータ(2)の回転速度を検出し、該回
転速度の変動量を検出する変動検出器を構成しており、
上記回転速度に対応した電圧値のフィードバック信号を
出力するように構成されている。そして、該速度検出器
(11)のフィードバック信号は、脈動除去回路(12)に
入力され、該脈動除去回路(12)は、ローパスフィルタ
等であって、上記圧縮機(3)における負荷の脈動成
分、つまり、圧縮機(3)の1回転中での負荷変動に伴
う変動成分(脈動成分)を除去したフィードバック信号
を上記比較器(8)に出力するように構成されている。
この脈動除去回路(12)と上記制御器(6)とによって
変動除去制御手段(13)が構成されている。
この脈動除去回路(12)は、本発明の最も特徴とする
ところであるので、上記直流モータ(2)の回転速度変
動について説明する。
先ず、上記圧縮機(3)は、空調負荷等の変化によっ
て生じる基本変動成分の負荷(基本変動負荷)と、該基
本変動負荷より高周期で変動する脈動負荷、つまり、吸
入・膨張で生じるピストンからの脈動負荷とを生起して
いる。そして、上記直流モータ(3)の回転速度は、上
記圧縮機(3)の基本変動負荷と脈動負荷とに伴って変
動することになり、特に、脈動負荷によって直流モータ
(2)の1回転中に生ずる速度変動となり、上記速度検
出回路(11)は、基本変動負荷と脈動負荷とに対応した
変動成分を含むフィードバック信号を出力することにな
る。
そこで、上記脈動除去回路(12)は、脈動負荷に伴う
変動成分を除去し、上記スイッチング信号発生回路(1
0)が上記脈動負荷に伴う変動に追従しないチョッパ信
号を出力し、電力変換器(5)の出力電圧を制御し、直
流モータ(2)の電機子電流が上記脈動負荷に伴って変
動しないように構成されている。
ここで、上述した如く本発明の特徴である電機子電流
を一定にするようにした基本原理について説明する。
先ず、一般に直流モータ(2)の電圧方程式は次式に
示すように、 Vf:界磁電圧 Va:電機子電圧 if:界磁電流 ia:電機子電流 ω:回転角速度 P:微分記号=d/dt Ra:電機子の抵抗 La:電機子の自己インダクタンス M:界磁と電機子の相互インダクタンス となる。
また、トルク(T)は、 T=M・if・ia …(2) であり、機械出力Poは、 Po=ω・T …(3) である。
そして、上記界磁を永久磁石で構成すると、上記各式
における界磁電流(if)は、一定となり、if=If(一
定)となり、(1)式より電機子回路の電圧方程式は、
次式に示すように、 Va=ω・M・If+(Ra+P・La)・ia …(1)−1 となり、この(1)−1式の等価回路は、第3図に示す
ようになる。また、一般に、脈動負荷(TL)を受ける直
流モータ系のブロック線図は、第4図に示すようにな
る。尚、第4図における(J)は回転部分の慣性モーメ
ントである。
次いで、上記脈駆動負荷(TL)を駆動する直流モータ
(2)の瞬時損失について検討すると、この瞬時損失
(PLOSS)は、次式に示すように、 PLOSS=Ra・ia2 …(4) となる。
また、上記第4図のブロック線図より、TL→iaの伝達
関数のブロック線図を求めると、第5図に示すようにな
り、この第5図のブロック線図より明らかなように、脈
動負荷(TL)が加わると、該脈動負荷(TL)に従って電
機子電流(ia)も変動することになる。
一方、上記第4図のブロック線図において、一般に、
負荷の回転速度(ω)の平均値が一定となるようにフィ
ードバック制御しており、次式に示すように制御してい
る。
▲▼= …(5) :平均トルク そこで、直流モータ(2)の発生トルク(T)は、機
械回転角2πを周期とする繰り返し波形となるので、
(2)式より電機子電流(ia)も発生トルク(T)に従
って変化し、所定期間(0〜τ秒)、例えば、2π回転
する期間において、次式(6)が成立することになる。
また、上記瞬時損失(PLOSS)は、(4)式より、 となる。
従って、上記(6)式より電機子電流(ia)の平均値
を一定に保ちつつ実効値を最小にすると、(7)式より
瞬時損失(PLOSS)が低減されることになる。この原理
に基づいて本発明は、電機子電流(ia)が脈動負荷(T
L)の変動に追従して変動しないように一定に保持する
ようにしている。
次に、この駆動制御装置(1)の制御動作について、
第6図に示すブロック線図と共に説明する。
先ず、交流電流(4)より交流電力が電力変換器
(5)に供給され、該交流電力は、整流回路(5a)及び
平滑コンデンサ(5b)によって直流電力に変換されてト
ランジスタ(5c)に供給される。そして、該トランジス
タ(5b)は、スイッチング信号発生回路(10)のチョッ
パ信号によってオン・オフ動作し、制御電力が直流モー
タ(2)に供給されて該直流モータ(2)が回転駆動
し、圧縮機(3)が駆動することにより、該圧縮機
(3)より直流モータ(2)は基本変動負荷及び脈動負
荷を受けることになる。
つまり、直流モータ(2)は、電機子に電圧(Va)が
印加されると、(1)−1式に基づいて電機子電流(i
a)が流れ、(2)式に基づいてトルク(T)が発生
し、基本変動負荷の他に脈動負荷(TL)を受けて回転角
速度(ω)が変化することになる。
一方、上記直流モータ(2)の回転速度(回転角速
度)は、速度検出回路(11)によって検出され、回転速
度に対応した電圧値のフィードバック信号が出力され
る。そして、このフィードバック信号は、圧縮機(3)
の基本変動負荷及び脈動負荷(TL)に伴う変動成分を含
んでおり、このフィードバック信号は、脈動除去回路
(12)において、上記脈動負荷(TL)に伴う変動成分が
除去されて比較器(8)に入力される。
この比較器(8)においては、速度設定器(7)より
目標速度に対応した電圧設定値が入力されており、この
電圧設定値は、上記フィードバック信号とを比較され、
PI調節器(9)で増幅された後、スイッチング信号発生
回路(10)に入力される。そして、該スイッチング信号
発生回路(10)は、PI調節器(9)の電圧指令値に対応
したチョッパ信号を上記トランジスタ(5c)に出力して
該トランジスタ(5c)をオン・オフ動作させ、直流モー
タ(2)の電機子電流(ia)を制御して回転速度を指令
値に制御している。
つまり、上記スイッチング信号発生回路(10)は、脈
動負荷(TL)に伴う変動には追従しないチョッパ信号を
出力し、直流モータ(2)の電機子電流(ia)が脈動負
荷に伴って変動しないようにし、換言すると、モータ1
回転中の負荷変動には追従しないようにし、例えば、空
調負荷変動などの基本変動負荷等に従って直流モータ
(2)の電機子電流(ia)を変化させ、回転速度を制御
することになる。
従って、上記直流モータ(2)の電機子電流(ia)が
脈動負荷(TL)に従って変動しないので、上記(7)式
より瞬時損失(PLOSS)を低減することができるので、
電動機効率の向上を図ることができる。
また、上記直流モータ(2)の電機子巻線は、電力変
換器(5)の各素子に直結されているので、該各素子に
電機子電流(ia)と同じ電流値の電流が流れることにな
り、電力変換器(5)の電流定格(Is)は、電機子電流
(ia)に比例し(Is∝iaのピーク値)、次式に示すよう
に、 Is=K・ia|peak …(8) ただし、K>1 の関係になる。
一方、電力変換器(5)の各素子に印加される電圧
は、電源電圧(V)によって定められ、電源電圧(V)
の最大値で規定されるので、素子容量(Ps)は、(8)
式と同様に次式に示す関係となる。
ps∝iaのピーク値 …(9) Ps=(K・ia|peak)Vmax =K′・ia|peak …(9)−1 この(9)−1式より電機子電流(ia)を上述の如く
一定に保持してピーク値を低減しているので、上記電力
変換器(5)の素子容量を低減することができる。
第7図は、変形例を示すブロック図であり、上記実施
例は、直流モータ(2)の回転速度に対応した電圧値を
フィードバックしたのに代り、検出速度(ω)を設定値
(ω′)より減算した後、この速度指令値をPI制御して
増幅し、脈動負荷に伴う変動成分を除去した電流の指令
値(i′)を電流ループに出力するようにしている。
また、他の変形例として、変動検出器が直流モータ
(2)の回転速度に伴って変化する電機子電圧を検出す
るようにしてもよい。
(第2実施例) 本実施例は、第8図及び第9図に示すように、電動機
にブラシレスDCモータ(21)を適用したものである。
該ブラシレスDCモータ(21)は、4極の永久磁石を界
磁としており、交流電源(4)より電力変換器(22)を
介して交流電力が供給されると共に、圧縮機(3)が連
結されている。該電力変換機(22)は、交流電源(4)
からの交流電力を整流回路(22a)及び平滑コンデンサ
(22b)を介して直流電力に変換してインバータ(22c)
に供給するように構成されている。そして、該インバー
タ(22c)は、6つのトランジスタ(TR1〜TR6)と6つ
の還流ダイオード(D1〜D6)とより構成された120度通
電形インバータであって、出力する交流電圧は、直流電
圧(Ed)の正電位側トランジスタ(TR1〜TR3)の通電期
間(電気角120度)がパルス幅変調を受けてチョッパ動
作して制御されるように成っている。
また、上記直流電圧の負電位側トランジスタ(TR4〜T
R6)の共通エミッタ端子と、還流ダイオード(D4〜D6)
の共通アノード端子との間に、低抵抗(R1)が接続され
ており、上記ブラシレスDCモータ(21)の電機子巻線に
流れる電機子電流は、上記低抵抗(R1)にも流れること
になり、該低抵抗(R1)の電圧降下により電機子電流が
検出されるように構成されている。
更に、上記インバータ(22c)のトランジスタ(TR1〜
TR6)は、制御器(23)が出力する制御信号によって制
御されており、該制御器(23)は、速度設定器(24)
と、演算回路(25)と、電流制御回路(28)と、トラン
ジスタ順次駆動回路(29)とより変動除去制御手段を構
成している。該速度設定器(24)は、圧縮機(3)が所
定容量で駆動するようにブラシレスDCモータ(21)の目
標速度が設定され、該目標速度に相当する設定値を出力
するように構成されている。そして、該速度設定器(2
4)が出力する設定値は、上記演算回路(25)の比較器
(25a)で後述するフィードバック信号と比較され、上
記演算回路(25)のPI調節器(25b)で増幅された後、
電流指令値(i′)として電流制御回路(28)に入力さ
れるように成っている。
また、上記演算回路(25)の比較器(25a)及びPI調
節器(25b)は、マイクロコンピュータで構成されてお
り、該マイクロコンピュータには、図示しないが、CP
U、プログラムデータを記憶したROM及び処理データを記
憶するRAMなどが内蔵され、演算回路(25)が上記トラ
ンジスタ順次駆動回路(29)に制御信号を出力するよう
に成っている。
更に、上記電流制御回路(28)は、第10図に示すよう
に、D/A変換器(28a)、増幅器(28b)、電流比較器(2
8c)、比較器(28d)及び三角波発振器(28e)より構成
されている。該D/A変換器(28a)は、上記マイクロコン
ピュータのPI調節器(25b)からの電流指令値(i′)
をアナログ変換して電流比較器(28c)に出力する一
方、上記増幅器(28b)は、上記低抵抗(R1)の電圧降
下として得られる電機子電流を増幅して電流比較器(28
c)に出力するように成っている。
そして、該電流比較器(28c)は、電流検出値と電流
指令値とを比較して比較器(28d)に出力しており、該
比較器(28d)は、三角波発振器(28e)が出力する三角
波信号と電流比較器(28c)の出力信号とを比較してチ
ョッパ信号を上記トランジスタ順次駆動回路(29)に出
力するように成っている。このチョッパ信号によりトラ
ンジスタ順次駆動回路(29)がインバータ(22c)のト
ランジスタ(TR1〜TR6)をオン・オフ制御し、ブラシレ
スDCモータ(21)の電機子電流を制御するようにしてい
る。
一方、上記ブラシレスDCモータ(21)の電機子巻線電
圧(VA〜VC)より変動検出器を構成する角度検出回路
(26)は、回転子である電機子の回転角度を検出して角
度信号を上記演算回路(25)に含まれる速度検出回路
(25c)に出力するように構成されている。該速度検出
回路(25c)は、上記PI調節器(25b)等と共にマイクロ
コンピュータで構成され、ブラシレスDCモータ(21)の
回転速度を算出して、フィードバック信号をローパスフ
ィルタ(25d)に出力するように成っている。
該ローパスフィルタ(25d)は、本発明の特徴とする
ところで、上記第1実施例と同様に上記速度検出回路
(25c)のフィードバック信号には、圧縮機(3)の脈
動負荷に伴う変動成分が含まれているので、該変動成分
を除去したフィードバック信号を上記比較器(25a)に
出力するように構成されている。そして、上記PI調節器
(25b)は、脈動負荷に伴う変動成分を除いた電流指令
値を出力し、上記ブラスレスDCモータ(21)の電機子電
流が脈動負荷に伴って変動しないように構成されてい
る。
ここで、第1実施例と同様にブラシレスDCモータ(2
1)において、電機子電流が脈動しないようにした基本
的原理について説明する。
先ず、第1実施例の(1)〜(7)式は直流モータ
(2)に関するもので、交流電動機にそのまま適用する
ことはできない。そこで、2相交流についても回転座標
変換(d−q変換)を適用すると、その回転座標変換行
列は次式に示すように、 となり、この座標変換は絶対変換であるので、この変換
前後における電力は不変である。
そこで、上記ブラシレスDCモータ(21)を固定円筒界
磁形同期電動機と考えると、上記回転座標変換を適用す
ると共に、2相回転機のインピーダンス行列より電圧方
程式及び出力方程式は次式に示すように、 T=M・If・iq …(12) となる。但し、上記(11)式、(12)式において、界磁
には、永久磁石を用いて界磁電流(if)は一定とし(if
=If=一定)、d軸の電機子電流(id)は、トルク
(T)の発生に無関係であるので零となるよう制御して
いるものとしている。
この(11)式及び(12)式と、第1実施例における
(1)式及び(2)式と対比すると、直流モータ(2)
における電機子電流(ia)と、ブラシレスDCモータ(2
1)におけるd軸の電機子電流(iq)とは、全く同じく
促えることができる。従って、上記(11)式よりブラシ
レスDCモータ(21)の瞬時損失(PLOSS)は次式に示す
ように、 PLOSS=Ra・iq2 …(13) となり、第1実施例における直流モータ(2)と同様
に、id=一定とすることにより瞬時損失(PLOSS)が低
減される。この原理に基づいてブラシレスDCモータ(2
1)の電機子電流(id)が脈動負荷の変動に追従して変
動しないようにしている。
次に、このブラシレスDCモータ(21)の制御動作につ
いて説明する。
先ず、上記交流電流(4)より供給される交流電力
は、整流回路(22a)及び平滑コンデンサ(22b)によっ
て直流値に変換されてインバータ(22c)に供給され
る。そして、該インバータ(22c)の各トランジスタ(T
R1〜TR6)は、トランジスタ順次駆動回路(29)の出力
信号でオン・オフ動し、上記直流値を再び交流値に変換
して制御電力がブラシレスDCモータ(21)に供給されて
該ブラシレスDCモータ(21)が回転し、圧縮機(3)が
駆動することになる。
一方、角度検出回路(26)によってブラシレスDCモー
タ(21)の電機子巻線端子電圧(VA〜VC)から電機子の
回転角度が検出され、該角度検出回路(26)の角度信号
によって速度検出回路(25c)がブラシレスDCモータ(2
1)の回転速度を算出する。そして、該速度検出回路(2
5c)が出力するフィードバック信号は、第1実施例と同
様に圧縮機(3)における基本変動負荷と脈動負荷に伴
う変動成分を含んでおり、この脈動負荷に伴う変動成分
がローパスフィルタ(25d)で除去されて比較器(25a)
に入力される。
その後、この比較器(25a)において、速度設定器(2
4)の設定値とフィードバック信号の検出値とが比較さ
れ、PI調節器(25b)より電流指令値(i′)が出力さ
れる。そして、この電流指令値(i′)は、D/A変換器
(28a)でアナログ変換され、この電流指令値と低抵抗
(R1)の電圧降下で検出された電機子電流とが電流比較
器(28c)で比較された後、比較器(28d)で三角波発振
器(28e)の三角波信号と比較され、チョッパ信号がト
ランジスタ順次駆動回路(29)に出力される。このチョ
ッパ信号によりトランジスタ順次駆動回路(29)が、各
トランジスタ(TR1〜TR6)をオン・オフ動作させ、ブラ
シレスDCモータ(21)の回転速度が指令値に制御され
る。
その際、上述したようにフィードバック信号より脈動
負荷による変動成分が除去されているので、ブラシレス
DCモータ(21)の電機子電流は脈動負荷に追従しないよ
うに制御されることになる。
従って、上記(13)式に示す瞬時損失(PLOSS)が低
減され、電動機効率を著しく向上させることができると
共に、電力変換器(22)の素子容量を低減することがで
きる。
(第3実施例) 本実施例は、第11図に示すように、請求項(1)及び
(8)に係る発明の実施例であり、電動機に誘導電動機
(31)を適用すると共に、該誘導電動機(31)を制御器
(32)がベクトル制御するようにしたものである。
上記誘導電動機(31)は、交流電源(4)より電力変
換器(33)を介して交流電力が供給されると共に、圧縮
機(4)が連結されている。そして、該電力変換器(3
3)は、上記圧縮機(4)からの交流電力をサイリスタ
整流回路(33a)で直流電力に変換し、リアクトル(33
b)で平滑にしてインバータ(33c)に供給するように構
成されている。該インバータ(33c)は、自励式電流イ
ンバータであって、直流電力を再び交流電力に変換して
上記誘導電動機(31)に供給しており、上記制御器(3
2)の制御信号により整流回路(33a)で出力交流電流
が、インバータ(33c)で出力交流の位相がそれぞれ制
御されるように成っている。
一方、上記制御器(32)は誘導電動機(31)をベクト
ル制御しており、そこで、このベクトル制御の原理につ
いて説明する。
先ず、上記誘導電動機(31)における一次電流ベクト
と2次磁束ベクトルとの関係は次に示すよう
に、 M・={1+(L2/R2)P+j(L2/R2)ω
…(14) R2:2次巻線抵抗 L2:2次巻線自己インダクタンス M:1次、2次巻線間相互インダクタンス ωS:すべり角速度 P:d/dt となる。この(14)式より、 M・1γ={1+(L2/R2)P} …(15) M・1δ=j(L2/R2)ω …(16)1γ :1次電流ベクトルの励磁成分電流1δ :1次電流ベクトルのトルク成分電流 となり、第12図に示すγ−δ平面上の瞬時値電流ベクト
ル図が得られる。
そして、上記(14)〜(16)式より誘導電動機(31)
の瞬時トルク(T)及び2次磁束ベクトル()は次
式に示すように、 T=(M/L2)1δ …(17) =[M/{1+(L2/R2)}]1γ …(18) となる。また、上記滑り角速度(ω)は次式示すよう
に、 ω=(M/()}1δ ={L2/(L2・R2)2 2}T …(19)2 :2次電流ベクトル となる。
従って、トルク基準(T)及び2次磁束基準(
に一致した瞬時トルク(T)及び2次磁束ベクトル(
)を有するように誘導電動機(31)を運転するために
は、上記(17),(18)式より励磁成分電流(1γ
とトルク成分電流(i1δ)とを合成した1次電流
)と、(19)式の滑り角速度(ω)及び誘導電動
機(31)の運転角速度(ω)の合成角速度(ω=ω
+ω)を有する交流を供給すればよいことになる。
この原理に基づいて上記制御器(32)等の構成を説明
する。
先ず、上記誘導電動機(31)には変動検出器であるタ
コジェネレータ等の速度検出器(34)が連結されて運転
角速度(ω)が検出され、該速度検出器(34)の速度
信号が変動除去手段であるローパスフィルタ(35)に入
力される。この速度検出器(34)の速度信号には、第1
及び第2実施例に説明したように、圧縮機(3)の基本
変動負荷及び脈動負荷に伴う変動成分が含まれている。
そして、上記ローパスフィルタ(35)は、本発明の特徴
とするところで、上記速度検出器(34)の速度信号より
脈動負荷に伴う変動成分を除去したフィードバック信号
を出力しており、具体的に、カットオフ周波(f1)が誘
導電動機(31)の回転周波数(fa)より小さく設定され
ている(f1<fa)。
一方、上記制御器(32)に含まれる速度設定器(32
a)より運転角速度の設定値が出力されており、この設
定値と上記ローパスフィルタ(35)からのフィードバッ
ク信号の検出値とが比較器(32b)で比較され、PI調節
器(32c)で増幅されてトルク基準であるトルク指令値
(T′)が出力されるように構成されている。更に、上
記制御器(32)に含まれる2次磁束設定器(32d)より
2次磁束(ψ)の設定値(ψ′)が出力されてお
り、この2次磁束設定値(ψ′)を受けて励磁成分演
算回路(32e)が上記(18)式に基づいて励磁成分電流
(i1γ)を、また、上記2次磁束設定値(ψ′)と
トルク指令値(T′)とを受けてトルク成分演算回路
(32f)が上記(17)式に基づいてトルク成分電流(i
1δ)をそれぞれ算出している。
その際、このトルク成分電流(i1γ)は、上述した
ローパスフィルタ(35)において圧縮機(3)の脈動負
荷に伴う変動成分が除去されているので、該脈動負荷に
伴って変動しない電流値となっている。更に、上記2次
磁束設定値(ψ′)とトルク指令値(T′)とを受け
て滑り演算回路(32g)が上記(19)式に基づいて滑り
角速度(ω)を算出するように構成されている。そし
て、上記励磁成分電流(i1γ)とトルク成分電流(i
1δ)とより加算器(32h)が1次電流 を算出し、電流制御回路(32i)がこの1次電流(i1
と電流検出器(32j)の帰還信号とを誤差増幅して上記
電力変換器(33)に制御信号を出力するように構成され
ている。
更に、上記滑り角速度(ω)と運転角速度(ω
とより加算器(32k)が合成角速度(ω)を算出し、
この合成角速度(ω)に対応し周波数を周波数制御回
路(32l)が上記電力変換器(33)に出力しており、該
電力変換器(33)の制御によって運転角速度及び2次磁
束ベクトルが設定値に一致するように誘導電動機(31)
が制御されている。
尚、(32m)は、電流制御回路(32i)の出力をオン・
オフさせる制御信号を該電流制御回路(32i)に出力す
るロジック回路であって、運転スイッチ(32n)の開閉
に従って運転停止時には誘導電動機(31)に流す電流を
絞って該電流を流さないように、運転時には誘導電動機
(31)に電流を流すようにしている。
ここで、上述した各実施例と同様に誘導電動機(31)
においてトルク成分電流(i1γ)が脈動しないように
した基本的原理について説明する。
先ず、誘導電動機(31)の電圧方程式は次式に示すよ
うに、 R2:2次巻線抵抗 L2:2次巻線自己インダクタンス i1γ:1次電線のγ軸成分(トルク成分電流) i1δ:1次電線のδ軸成分(励磁成分電流) i2γ:2次電線のγ軸成分 i2δ:2次電線のδ軸成分 ωm:運転角速度 ω1:1次角周波数 ω2:2次角周波数 となり、2次角周波数(ω)は次のように、 ω=ω−ω …(21) となり、トルク(T)は次式に示すようになる。
T=n・M(i1γ・i2δ−i1δ・i2δ) …(2
2) また、誘導電動機(31)の瞬時損失(PLOSS)は次式
に示すように、 となる。
そして、本実施例の制御器(32)のようにベクトル制
御してトルクを線形に制御していると、次式の関係が成
り立つことになる。
1γ∝T i2γ=−(M/L2)・i1γ …(24) i2γ=0 この(24)式を上記(22),(23)式に代入すると、 T=(n・M2/L2)・i1δ・i1γ …(22)−1 PLOSS={R1+R2(M/L2)2i1γ +R1・i1δ (2
3)−1 この(23)−1式において、励磁成分電流(i1δ
が励磁成分演算回路(32e)等で一定に制御されている
と、トルク成分電流(i1γ)を一定に制御することに
より瞬時損失(PLOSS)が低減されることになる。この
原理に基づいて誘導電動機(31)における1次電流であ
るトルク成分電流(i1γ)が脈動負荷に追従して変動
しないようにしている。
次に、この誘導電動機(31)のベクトル制御動作につ
いて説明する。
先ず、交流電源(4)から供給される交流電力は電力
変換器(33)を介して誘導電動機(31)に供給されてい
る。そして、該誘導電動機(31)の運転角速度(ω
が速度検出器(34)によって検出されており、該速度検
出器(34)のフィードバック信号はローパスフィルタ
(35)によって圧縮器(3)の脈動負荷に伴う変動成分
が除去される。
その後、上記ローパスフィルタ(35)からフィードバ
ック信号と速度設定器(32a)の設定値とが比較器(32
b)で比較され、PI調節器(32c)のトルク指令値
(T′)と2次磁束設定器(32d)の2次磁束設定値
(ψ′)とよりトルク成分演算回路(32f)が脈動負
荷に伴って変動しないトルク成分電流(i1γ)を算出
する。また、上記2次磁束設定値(ψ′)より励磁成
分演算回路(32e)が励磁成分電流(i1δ)を算出
し、このトルク成分電流(i1γ)と励磁成分電流(i
1δ)とより加算器(32h)が1次電流(i1)を算出し
て電流制御回路(32i)が電力変換器(33)の電流を制
御している。
一方、上記トルク指令値(T′)と2次次磁束設定値
(ψ′)とより滑り演算回路(32g)が滑り角速度
(ω)を算出し、この滑り角速度(ω)に運転角速
度(ω)を加算して周波数制御回路(32l)が電力変
換器(33)に制御信号を出力し、上記誘導電動機(31)
が制御される。
従って、上述したようにトルク成分電流(i1γ)が
脈動負荷に追従して変動しないので、(23)−1式に示
す瞬時損失(PLOSS)が低減し、電動機効率が向上する
と共に、電力変換器(33)の素子容量が低減することに
なる。
第13図はベクトル制御における他の実施例を示し、前
実施例は励磁成分電流(i1δ)が一定とした場合であ
るのに代り、この実施例は変動する場合である。つま
り、励磁成分電流(i1δ)が変動する場合、上記(2
3)−1式の瞬時損失(PLOSS)も変化することになる。
その際、第1実施例における(6)式に対応して所定
期間(τ)において次式が成立し、 また、瞬時損失(PLOSS)は、(23)−1式より、 となる。
従って、この(26)式に示す瞬時損失(PLOSS)が最
小となるように、トルク成分電流(i1γ)及び励磁成
分電流(i1δ)を制御するようにしている。
すなわち、前実施例におけるトルク成分演算回路(31
f)よりトルク成分電流(i1γ)が算出されると、こ
のトルク成分電流(i1γ)の平均値が平均値演算回路
(37)によって算出され、この平均値より記憶回路(3
8)が平均値に対応した励磁成分電流(i1δ)を抽出
して加算器(32h)に出力するように構成されている。
この記憶回路(38)は、例えば、第14図に示すように、
上記(26)式に示す瞬時損失(PLOSS)が最小となるよ
うにトルク成分電流(i1γ)と励磁成分電流
(i1δ)との対応関係を記憶している。これにより瞬
時損失(PLOSS)が最小となるように誘導電動機(31)
が制御されることになる。
尚、上記記憶回路(38)に代えて、検出したトルク成
分電流(i1γ)と励磁成分電流(i1δ)とより(2
6)式の瞬時損失(PLOSS)が最小となる励磁成分電流
(i1δ)を算出する演算回路としてもよい。
(第4実施例) 本実施例は、第15図に示すように、請求項1及び9に
係る発明の実施例であり、誘導電動機(31)を制御器
(41)が瞬時トルク制御するようにしたものである。該
誘導電動機(31)は前実施例と同様に交流電源(4)よ
り電力変換器(42)の整流回路(42a)、平滑コンデン
サ(42b)及びインバータ(42c)を介して交流電力が供
給されている。
そこで、上記瞬時トルク制御の原理について説明する
(電気学会論文誌1986年1月号参照)。
この瞬時トルク制御は、誘導電動機(31)の瞬時磁束
と瞬時トルクとの制御を同時に行うようにしたものであ
り、先ず、インバータ(42c)のスイッチング関数(Sa,
Sb,Sc)が、正側スイッチがオンのとき1(Sa,Sb,Sc=
1)とし、不側スイッチがオンのとき0(Sa,Sb,Sc=
0)とすると、上記インバータ(42c)のスイッチング
モードが23通り存在し、該スイッチングモードに対応す
る誘導電動機(31)の1次電圧ベクトル(v1)は次式に
示すようになる。
そして、上記誘導電動機(31)の1次鎖交磁束ベクト
ル()は次に示すように、(Sa,Sb,Sc)t−∫R1・・dt+10
(28) t:時間 R1:1次巻線抵抗1 :一次電流ベクトル10 :t=0におけるの初期値 となり、1次鎖交磁束ベクトル()は1次電圧ベク
トル()の方向に変化することになる。
従って、1次電圧ベクトル()を適宜選択して出
力することによりほぼ一定の回転磁界を作ることができ
る。
また、d−q平面を考えた場合、各d−q平面位置で
1次電圧ベクトル()が異なるので、該d−q平面
を(2n−3)π/6≦α≦(2n−1)π/6(ただしn=1,
…,6)の6領域に分割し、各領域において1次鎖交磁束
ベクトル()が所定範囲内(1min<|1|<
1max)に納まるように1次電圧ベクトル()を選択
することにより、該1次鎖交磁束ベクトル()を制
御することができる。
一方、上記誘導電動機(31)の瞬時トルク(T)は次
に示すように、 T=Im(M・ ) …(29) Im:虚数部1 :1次電流の瞬時値 :2次電流の瞬時値の共役瞬時ベクトル M:1次,2次巻線間相互インダクタンス となる。
該(29)式は1次鎖交磁束ベクトル()を用いて
次式に示すように、 T=Im( ) …(30) に変形される。
従って、瞬時トルク(T)は1次鎖交磁束ベクトル
)によって変化するので、1次電圧ベクトル(
)を適宜選択することにより所定範囲に制御できるこ
とになる。
よって、上記1次鎖交磁束ベクトル()の絶対値
と瞬時トルク(T)との目標値に対する偏差値を算出す
ると共に、該1次鎖交磁束ベクトル()の領域を判
定して1次電圧ベクトル()を特定し、該1次電圧
ベクトル()に対応したスイッチング信号をインバ
ータ(42c)に出力することにより誘導電動機(31)を
回転制御することができる。
この原理に基づいて上記制御器(41)等の構成を説明
する。
先ず、上記インバータ(42c)の出力より誘導電動機
(31)の1次電圧及び1次電流が電圧検出器(43)及び
電流検出器(44)によって検出され、該1次電圧及び1
次電流より制御器(41)に含まれる3/2相変換器(41a,4
1b)が1次電圧ベクトル(d1,q1)及び1次電流ベ
クトル(d1,q1)を算出し、該1次電圧ベクトル
d1,q1)及び1次電流ベクトル(d1,q1)より
磁束算出回路(41c)が1次鎖交磁束ベクトル(d1,
q1)を算出するように構成されている。
そして、1次鎖交磁束ベクトル(d1,q1)より絶
対値算出回路(41d)が1次鎖交磁束ベクトル(
の絶対値|1|を、該1次鎖交磁束ベクトル(d1,
q1)と上記1次電流ベクトル(d1,q1)とよりトル
ク算出回路(41e)が瞬時トルク(T)を算出する一
方、上記1次鎖交磁束ベクトル(d1,q1)より領域
判別回路(41f)が該1次鎖交磁束ベクトル()の
方向、つまり、d−q平面上の領域を判別して制御回路
(41g)に領域信号を出力し、また、上記1次鎖交磁束
ベクトル()の絶対値|1|をコンパレータ(41
h)が予め設定された所定範囲と比較して該絶対値|1
|が上限値又は下限値になると限界信号を上記制御回路
(41g)に出力するように構成されている。
一方、上記電流検出器(44)の1次電流より変動検出
器である速度検出回路(45)が回転磁界の変化速度を検
出し、つまり、誘導電動機(31)では回転磁界と回転子
との間に滑りが存するものの、回転磁界が一定速度の場
合、回転子速度も一定となり、この回転子の速度を検出
するように構成されており、該速度検出回路(45)のフ
ィードバック信号は変動除去手段であるローパスフィル
タ(46)に入力されている。
該ローパスフィルタ(46)は、本発明の特徴とすると
ころであり、上記速度検出器(45)が出力する速度信号
には圧縮機(3)の脈駆動負荷に伴う変動成分が含まれ
ており、該変動成分を除去するように構成され、具体的
にはカットオフ周波数が回転周波数以下に設定され、脈
動周期内の速度リップルを除去するように成っている。
更に、上記ローパスフィルタ(46)が出力するフィー
ドバック信号の速度値は速度設定器(47)が出力する設
定値と比較器(48)で比較され、PI調節器(49)よりト
ルク指定値(T′)が上記制御器(41)に出力されるよ
うに構成されている。
そして、該トルク指定値(T′)は上記トルク算出回
路(41e)の瞬時トルク(T)と比較器(41i)で比較さ
れた後、コンパレータ(41j)で予め設定された範囲の
上限値又は下限値にトルクが達したか否かが判定されて
限界信号が上記制御回路(41g)に出力されるように構
成されている。該制御回路(41g)には、上述した1次
鎖交磁束ベクトル()の領域並びに絶対値|1|の
大きさ及びトルク値(T)の大きさに対応した1次電圧
ベクトル()の電圧パターンが予め記憶されてお
り、1次鎖交磁束ベクトル()の領域信号並びに限
界信号及びトルクの限界信号より所定の1次電圧ベクト
ル()を抽出し、該次電圧ベクトル()に対応
したスイッチング信号をインバータ(42c)に出力する
ように構成されている。
そして、上記誘導電動機(31)の1次電流(i1)が脈
動負荷に伴って変動しないようにした基本的原理は第3
実施例において(22)−1,(23)−1式により説明した
原理と同じであり、つまり、トルクが線形に制御されて
いるので、そのまま適用できるからである。
次に、この誘導電動機(31)の瞬時トルク制御動につ
いて説明する。
先ず、該誘導電動機(31)は交流電源(4)より電力
変換器(42)を介して電力供給される一方、該誘導電動
機の1次電圧及び1次電流が電圧検出器(43)及び電流
検出器(44)によって検出され、該1次電圧及び1次電
流より3/2相変換器(41a,41b)を介して磁束算出回路
(41c)が1次鎖交磁束ベクトル(d1,q1)を算出す
る。そして、該1次鎖交磁束ベクトル(d1,q1)の
領域信号を領域判別回路(41f)が、また、限界信号を
絶対値算出回路(41d)を介してコンパレータ(41h)が
制御回路(41g)にそれぞれ出力し、更に、トルク算出
回路(41e)が1次鎖交磁束ベクトル(d1,q1)と1
次電流ベクトル(d1,q1)とより瞬時トルク(T)
を算出する。
一方、上記誘導電動機(31)における回転子の回転速
度が速度検出回路(45)によって検出され、該回転速度
のフィードバック信号がローパスフィルタ(46)に出力
される。そして、該ローパスフィルタ(46)が圧縮機
(3)の脈動負荷に伴う変動成分を除去し、この変動成
分が除去された速度値と速度設定値とが比較器(48)で
比較され、PI調節器(49)を介してトルク指令値
(T′)が出力される。続いて、このトルク指令値
(T′)とトルク算出回路(41e)の瞬時トルク(T)
とが比較器(41i)で比較された後、コンパレータ(41
j)がトルクの限界信号を制御回路(41g)に出力する。
その後、該制御回路(41g)が1次鎖交磁束ベクトル
)の領域信号及び限界信号とトルクの限界信号と
より所定の1次電圧ベクトル()に対応したスイッ
チング信号をインバータ(42c)に出力し、誘導電動機
(31)を制御する。
その後、圧縮機(3)の脈動負荷に伴って変動しない
ように1次電流を制御するので、電動機効率の向上並び
に電力変換器(42)における素子容量の低減を図ること
ができる。
(第5実施例) 本実施例は、第16図に示すように、請求項1及び7に
係る発明の実施例であり、誘導電動機(31)の1次周波
数と電圧とを制御器(51)が制御する所謂f/v制御方式
を適用したものである。
該誘導電動機(31)は、第4実施例等の同様に交流電
源(4)より電力変換器(52)の整流回路(52a)、平
滑コンデンサ(52b)及びインバータ(52c)を介して所
定の交流電力が供給され、該インバータ(52c)は制御
器(51)よりスイッチング信号が入力されて制御される
ように構成されている。
上記制御器(51)は、制御回路(51a)と速度設定器
(51b)とより成り、該制御回路(51a)は、内部構成を
図示しないが、1次周波数制御回路に構成されている。
そして、上記速度設定器(51b)が出力する電圧或いは
周波数等の速度設定値が比較器(53)において後述する
フィードバック信号の速度値と比較され、該比較器(5
3)が出力する速度指令値に基づいて上記制御回路(51
a)がインバータ(52c)を制御するように構成されてい
る。
一方、上記電力変換器(52)はインバータ(52c)の
入力側における直流部電流が変動検出器である電流検出
器(54)によって検出されており、該直流部電流がバン
ドパスフィルタ(55)に入力されるように成っている。
該バンドパスフィルタ(55)が本発明の特徴とすると
ころであり、該バンドパスフィルタ(55)は圧縮機
(3)の脈動負荷に伴う変動成分を含む直流部電流を検
出するように構成されており、具体的には、インバータ
(52c)のスイッチング周波数よりも低く、且つ負荷の
基本変動成分の周波数より大きい周波数の直流部電流の
みを抽出し、上記脈動負荷に伴う変動成分のみの直流部
電流が出力されうように構成されている。
更に、上記バンドパスフィルタ(55)の出力信号はPI
調節器(56)によって比例積分され、フィードバック信
号として上記比較器(53)に出力され、上記バンドパス
フィルタ(55)と比較器(53)とPI調節器(56)と上記
制御器(51)とで変動除去制御手段(57)が構成されて
いる。該変動除去制御手段(57)は、上記脈動負荷に起
因する変動成分のみのフィードバック信号が速度設定信
号より減算され、脈動負荷に伴って直流部電流が上昇す
ると該直流部電流が降下する指令信号を、逆に、脈動負
荷に伴って直流部電流が降下すると該直流部電流が上昇
する指令信号を制御器(51)に出力するように構成され
ている。
ここで、上記直流部電流が圧縮機(3)の脈動負荷に
伴って変動しないようにした基本的原理について説明す
る。
先ず、上記誘導電動機(31)の瞬時損失は第3実施例
における(23)式に示す通りとなり、トルクを線形に制
御していないf/v制御方式にあっては、1次電流(i
1γ,i1δ)及び2次電流(i2γ,i2δ)の何れかを
制御すると、トルクを制御することが可能となるかの判
定が極めて困難である。
ところが、第17図(a),(b)に示されているよう
に、誘導電動機における脈動負荷、つまり、トルク変動
波形と、電力交換器(52)における直流部電流の変動波
形とがほぼ一致していることが実験的に確認された。
尚、実験に用いた誘導電動機(31)は、かご形三相誘導
電動機で、極数が2P、定格出力が2.0KW、定格電力が194
V、定格周波数が75Hzである。
上記実験結果より明らかなように、脈動負荷に伴って
直流部電流も変動しており、該直流部電流を一定にする
ことにより瞬時損失が低減されるので、該直流部電流が
脈動負荷に追従して変動しないようにしている。
次に、この誘導電動機(31)の制御動作について説明
する。
先ず、誘導電動機(31)は、第4実施例等と同様に交
流電源(4)より電力変換器(52)を介して電力供給さ
れており、該電力変換器(52)のインバータ(52c)は
制御器(51)のスイッチング信号によって制御されてい
る。
一方、上記電動変換器(52)におけるインバータ(52
c)の入力側の直流部電流が電流検出器(54)によって
導出されて、バンドパスフィルタ(55)に入力される。
該バンドパスフィルタ(55)は直流部電流信号よりスイ
ッチング周波数などの高周波と脈動負荷に伴う変動成分
を含まない基本変動成分の低周波とを除去した電流部電
流信号を出力し、脈動負荷に伴う変動成分のみの直流部
電流信号が検出され、PI調節器(56)で比例積分された
後、比較器(53)において速度設定器(51b)の速度設
定値と比較される。そして、この速度設定値より脈動負
荷に伴う変動分が減算されて指令値として制御回路(51
a)に入力され、該制御回路(51a)は、脈動負荷に伴っ
て直流部電流が上昇すると該直流電流が降下するよう
に、また逆に、降下すると上昇するようにインバータ
(52c)を制御し、つまり、制御回路(51a)の入力指令
値を変動させて誘導電動機(31)の回転速度が制御され
る。
これにより、直流部電流が脈動負荷に追従しないの
で、電動機効率が向上するとともに、電力変換器(52)
の素子容量を低減することができる。
尚、上記各実施例において、被動機に圧縮機(3)を
用いたが、電動機の1回転中等で負荷変動を生じるポン
プなどであってもよい。
また、電動機は、動機電動機など各種の電動機であっ
てもよく、制御方式は実施例に限定されるものではな
い。
また、変動検出器は、電動機の回転速度を検出するも
のに限られず、負荷変動に対応して変動するものであれ
ばよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の構成を示すブロック図である。第2
図〜第17図は本発明の実施例を示し、第2図〜第7図
は、第1実施例を示しており、第2図(a)は、駆動制
御装置のブロック回路図、第2図(b)は、電力変換器
の回路図、第3図は、第1実施例を説明するための直流
モータの等価回路図、第4図、第5図、第6図は、第1
実施例を説明するためのブロック線図、第7図は、変形
例のブロック線図である。 第8図〜第10図は、第2実施例を示し、第8図は、駆動
制御装置のブロック回路図、第9図は、演算回路のブロ
ック回路図、第10図は、電流制御回路のブロック回路図
である。 第11図〜第14図は、第3実施例を示し、第11図は、駆動
制御装置のブロック回路図、第12図は、γ−δ平面上の
電流ベクトル図、第13図は、変形例の要部を示すブロッ
ク回路図、第14図は、励磁成分電流のトルク成分電流に
対する特性図である。 第15図は、第4実施例を示す駆動制御装置のブロック回
路図である。 第16図及び第17図は、第5実施例を示し、第16図は、駆
動制御装置のブロック回路図、第17図(a)は、誘導電
動機のトルク波形図、第17図(b)は、電力変換器の直
流部電流波形図である。 第18図は、従来の駆動制御装置を示すブロック回路図で
ある。 (1)……駆動制御装置、(2)……直流モータ、
(3)……圧縮機、(4)……電源、(5,22,33,42,5
2)……電力変換器、(5a)……スイッチング用トラン
ジスタ、(6,23,32,41,51)……制御器、(11,34,45)
……速度検出器、(12)……脈動除去回路、(13,57)
……変動除去制御手段、(21)……ブラシレスDCモー
タ、(22c,33c,42c,52c)……インバータ、(26)……
角度検出回路、(25d,35,46)……ローパスフィルタ、
(31)……誘導電動機、(54)……電流検出器。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被動機と、 該被動機を駆動する電動機と、 上記被動機における負荷変動に対応して変動する変動量
    を検出する変動検出器と、 該変動検出器が検出した変動量に基づき、上記負荷変動
    のうちの電動機の1回転中における負荷変動に起因して
    生ずる電動機への供給電流の変動を阻止し、電動機の1
    回転中における該電動機への供給電流を一定に保持する
    ようにフィードバック信号を出力して上記電動機を制御
    する変動除去制御手段と を備えていることを特徴とする電動機の駆動制御装置。
  2. 【請求項2】圧縮機(3)と、 該圧縮機(3)を駆動する電動機(2)と、 上記圧縮機(3)における負荷変動に対応して変動する
    上記電動機(2)の回転速度に関する変動量を検出する
    変動検出器(11)と、 該変動検出器(11)が検出した変動量に基づき、上記圧
    縮機(3)の負荷変動のうちの電動機(2)の1回転中
    における負荷変動に起因して生ずる電動機(2)の電機
    子電流の変動を阻止し、電動機(2)の1回転中におけ
    る該電動機(2)への供給電流を一定に保持するように
    フィードバック信号を出力して上記電動機(2)を制御
    する変動除去制御手段(13)と を備えていることを特徴とする電動機の駆動制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の電動機の駆動制御装置にお
    いて、 変動検出器(11)は、電動機(2)の回転速度に伴って
    変化する電機子電圧を検出することを特徴とする電動機
    の駆動制御装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の電動機の駆動制御装置にお
    いて、 変動検出器(11)は、電動機(2)の回転速度を検出す
    ることを特徴とする電動機の駆動制御装置。
  5. 【請求項5】請求項3記載の電動機の駆動制御装置にお
    いて、 変動除去制御手段(13)は、変動検出器(11)の検出電
    圧値より圧縮機(3)の負荷変動のうちの電動機(2)
    の1回転中における負荷変動に伴う変動成分を除去した
    電圧フィードバック信号を出力していることを特徴とす
    る電動機の駆動制御装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載の電動機の駆動制御装置にお
    いて、 変動除去制御手段(13)は、変動検出器(11)の検出速
    度値より圧縮機(3)の負荷変動のうちの電動機(2)
    の1回転中における負荷変動に伴う変動成分を除去した
    速度フィードバック信号を出力していることを特徴とす
    る電動機の駆動制御装置。
  7. 【請求項7】圧縮機(3)と、 該圧縮機(3)を駆動する交流モータ(31)と、 該交流モータ(31)に交流電力を供給する電力変換器
    (52)と、 上記圧縮機(3)における負荷変動に対応して変動する
    電力変換器(52)の直流部電流を検出する変動検出器
    (54)と、 該変動検出器(54)が検出した検出電流値に基づき、上
    記圧縮機(3)の負荷変動のうちの交流モータ(31)の
    1回転中における負荷変動に起因して生ずる交流モータ
    (31)への供給電流の変動を阻止し、交流モータ(31)
    の1回転中における該交流モータ(31)への供給電流を
    一定に保持するようにフィードバック信号を出力して上
    記交流モータ(31)を制御する変動除去制御手段(57)
    と を備えていることを特徴とする電動機の駆動制御装置。
  8. 【請求項8】圧縮機(3)と、 該圧縮機(3)を駆動する交流モータ(31)と、 該交流モータ(31)の回転速度を検出する変動検出器
    (34)と、 上記交流モータ(31)のトルク電流と励磁電流とを制御
    して該交流モータ(31)をベクトル制御する制御器(3
    2)と、 上記変動検出器(34)の検出速度値に基づき、上記圧縮
    機(3)の負荷変動のうちの交流モータ(31)の1回転
    中における負荷変動に起因して生ずる交流モータ(31)
    への供給電流の変動を阻止し、交流モータ(31)の1回
    転中における該交流モータ(31)への供給電流を一定に
    保持するようにフィードバック信号を出力して上記制御
    器(32)のトルク指令値を制御する変動去除手段(35)
    と を備えていることを特徴とする電動機の駆動制御装置。
  9. 【請求項9】圧縮機(3)と、 該圧縮機(3)を駆動する交流モータ(31)と、 該交流モータ(31)の回転速度を検出する変動検出器
    (45)と、 上記交流モータ(31)の1次鎖交流磁束ベクトルと瞬時
    トルクとを制御して該交流モータ(31)を瞬時トルク制
    御する制御器(41)と、 上記変動検出器(45)の検出速度値に基づき、上記圧縮
    機(3)の負荷変動のうちの交流モータ(31)の1回転
    中における負荷変動に起因して生ずる交流モータ(31)
    への供給電流の変動を阻止し、交流モータ(31)の1回
    転中における該交流モータ(31)への供給電流を一定に
    保持するように速度フィードバック信号を出力して上記
    制御器(41)のトルク指令値を制御する変動去除手段
    (46)と を備えていることを特徴とする電動機の駆動制御装置。
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