JP3476067B2 - モータの制御装置 - Google Patents

モータの制御装置

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JP3476067B2 JP22505899A JP22505899A JP3476067B2 JP 3476067 B2 JP3476067 B2 JP 3476067B2 JP 22505899 A JP22505899 A JP 22505899A JP 22505899 A JP22505899 A JP 22505899A JP 3476067 B2 JP3476067 B2 JP 3476067B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧縮機のように回転
に対して負荷の大きさが周期的に変化する装置を駆動す
るブラシレスモータを制御するモータの制御装置に関
し、特にインバータ回路を用いてモータのトルクを制御
することで、装置の低振動化を図ったモータの制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機や冷蔵庫等には圧縮機が一般
的に用いられている。圧縮機は冷凍サイクルの重要な構
成部品であり、冷媒を圧縮して高温・高圧状態にして熱
交換を行っている。通常この圧縮動作は大きく3つの過
程に分かれ、まず圧縮機内部のシリンダ内に冷媒を満た
す吸入過程と、次にシリンダ内の冷媒を圧縮する圧縮過
程と、最後に圧縮した冷媒を圧縮機から外部に放出する
吐出過程とから成る。
【0003】また、圧縮機はその圧縮機構により、ロー
タリ方式、レシプロ方式、スクロール方式等などがあ
る。なかでもロータリ方式は他方式に比べ、構造が簡単
で部品点数も少なく、低コストであり、シリンダ部分の
構造により圧縮効率も良く、高効率化が容易である。
【0004】但し、このロータリ方式では1回の吸入・
圧縮・吐出の過程で負荷変動する。また、圧縮動作を行
うために、偏心したロータリピストンがシリンダ内部で
モータによって回転する。この負荷変動と回転軸の偏心
により圧縮機で振動や騒音が大きくなるという問題があ
った。
【0005】この問題に対処するため、シリンダ部分を
2つとして、ロータリピストンを180度回転をずらし
て、お互いの振動を打ち消すようにしたツインロータリ
方式が実用化されているが、シリンダが1つのシングル
ロータリ方式に比べ、構造が複雑になるのでコストが上
がり、効率も低下するといった問題があった。
【0006】そのためシングルロータリ方式でモータの
トルクを制御して振動・騒音を抑制することが考えられ
ている。これは、負荷トルクの大きい位置では、モータ
のトルクを大きくし、逆に負荷トルクの小さくなる位置
では、モータのトルクをカットして、1回転中のロータ
速度を一定にして、振動を低減させるものである。
【0007】また、モータの運転範囲を広げ、能力を可
変するためにインバータ回路がモータを駆動するために
用いられてきている。更に効率向上のため、モータには
誘導モータから磁石を用いたブラシレスモータが用いら
れるようになっている。ブラシレスモータはステータの
巻線に交流電圧を印加して回転磁界を発生させ、ロータ
に設けられている磁石によってロータが回転するモータ
である。
【0008】このブラシレスモータではモータに印加す
る電圧又は電流でトルクの制御ができるので、振動を低
減させるトルク制御が容易に行える。但し、ブラシレス
モータは誘導モータとは異なり同期モータであるので、
回転しているロータ位置に同期させて各相のステータ巻
線に通電する必要がある。
【0009】空気調和機や冷蔵庫等で使用されている圧
縮機では、内部が高温になるため、ホールIC(集積回
路)等のロータ位置を検出するセンサを設けることが困
難である。そのため、ステータ巻線の誘起電圧を検出し
てロータ位置信号とする検出方法が一般的に用いられて
いる。この検出方法は、3相巻線の2相に通電し残り1
相の無通電巻線を利用して、ロータ側磁石により生じる
誘起電圧を検出してロータ位置を確定するものである。
そして、ロータ位置に同期するように次に通電する相が
順次切り替えられていく。
【0010】以上のような1回転中に負荷変動が大きい
シングルロータリ方式の圧縮機において、誘起電圧によ
りロータ位置を検出して駆動するブラシレスモータを用
いたトルク制御技術の従来例には、特公平6−4891
6号等がある。
【0011】この特公平6−48916号では、モータ
の制御装置はブラシレスモータに加わる負荷の変動の周
期をn分割し、分割された相隣り合う区間で回転速度が
等しくなるように、n分割した区間毎に設定されている
電流データ又は電圧データを修正し、その修正されたデ
ータで速度制御を行っている。
【0012】このとき、この分割された区間での回転速
度は、ブラシレスモータの誘起電圧の検出により得られ
たロータ位置信号から算出される場合が多い。この方法
では、ブラシレスモータのU、V、Wの各相の誘起電圧
と、各相巻線から結線された仮想中性点の基準電圧とを
比較して、ロータ位置信号としている。
【0013】しかし、誘起電圧を検出するために、3相
のうち2相に通電し、残った1相の無通電区間を設けて
検出しているが、その1相は他の2相と完全に独立した
巻線でないために、他の巻線に流れる電流により無通電
区間の誘起電圧にも影響がでる。4極のロータの場合、
ロータの1回転でN極とS極が2回ずつ1つの相巻線に
誘起電圧を引き起こすので、その相巻線の誘起電圧はN
極期間とS極期間が交互に2周期分現れる。このような
誘起電圧が3相分得られるため、誘起電圧のゼロクロス
点を基準とするとロータの回転位置は12個の区間に分
割される。
【0014】通常3相巻線はスター結線されており、各
相巻線を結線した仮想中性点の電圧は、1回転で120
度ずつ位相がずれた3相の誘起電圧による影響と、通電
相の巻線による影響を受けることになる。このため、仮
想中性点には、4極のモータであるときには、モータの
回転数に対して3相×2周期=6倍の周波数の高調波リ
プルが生じる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなリプル分
の影響をフィルタ回路等で直流にしても直流成分が残
り、この直流成分によって基準電圧が変動する。また、
基準電圧を検出する基準電圧検出回路の素子のばらつき
によっても同様に基準電圧は変動する。基準電圧が変動
すれば、この基準電圧と各相巻線を比較して得られる位
置信号が変動する。
【0016】図19は基準電圧の変動とロータ位置信号
による各区間の間隔との関係を説明するための図であ
る。ロータが一定の回転数で回転している場合で説明す
る。Eu、Ev、EwはそれぞれU相、V相、W相の誘
起電圧である。基準電圧Aは変動のないときの理想的な
基準電圧である。このとき、誘起電圧Eu、Ev、Ew
と基準電圧Aを比較することで誘起電圧Eu、Ev、E
wの1周期を6分割した区間のロータ位置検出間隔T0
〜T5が得られる。間隔T0〜T5は等間隔である。
【0017】基準電圧Bのように基準電圧Aから上側に
変動した場合、誘起電圧Eu、Ev、Ewと基準電圧B
を比較することでロータ位置検出間隔T’0〜T’5が得
られる。誘起電圧Eu、Ev、Ewは基準電圧Bより高
い区間が短く、基準電圧Bより低い区間が長くなってい
るので、ロータ位置検出間隔T’0〜T’5は1区間おき
に短くなったり長くなったりする。この結果ロータ位置
の検出が不正確になり、振動が大きくなる。
【0018】上記特公平6−48916号のように隣り
合う区間の速度を検出していく制御を行っているときに
は、図19に示すようにロータ位置検出間隔は基準電圧
の変動の影響を受け、各区間の正確な速度を測定するこ
とが困難になってくる。速度が正確に検出できなけれ
ば、各区間の速度変化から求められる1回転中の負荷変
動を正確に検出できないことになり、この不正確な負荷
変動に基づいてブラシレスモータの電圧又は電流を補正
すると振動が益々増大してしまうおそれがあった。
【0019】基準電圧を巻線の仮想中性点でなく、イン
バータ回路の入力電圧を分圧して基準電圧を決める方法
もあるが、この場合でも、基準電圧が入力電圧の1/2
に正確に分圧されていなければ、これと誘起電圧を比較
して得られる区間に同様に交互に間隔の長短が現れる変
動が生じていた。
【0020】更に、負荷変動に対してブラシレスモータ
に印加する電圧または電流を制御すると、制御しない場
合に比べて、モータに流れる電流(以下「モータ電流」
という)のピーク値が増大する。これは負荷トルクの変
動により負荷トルクが平均トルクの2〜3倍にもなるた
め、モータの制御装置はロータの速度を一定にしようと
すると、負荷トルクの大きい区間ではモータ電流を多
く、負荷トルクの小さい区間ではモータ電流を少なくす
るように制御するからである。
【0021】このため負荷が重くなると、同じ回転数を
維持してもモータに流れる電流やインバータ回路に流れ
る電流のピークが大きくなり、モータの減磁やインバー
タ回路の過電流検出により運転を停止させなければなら
なくなる場合がある。そのため、連続して運転が行えな
くなるという問題があった。また、そのような大きな電
流が流れる可能性があるため素子の温度上昇や破壊とい
う問題もあった。
【0022】また、誘起電圧を検出する方法では、各相
が完全に独立した巻線でないため通電区間から無通電区
間に移行する際のモータ電流及び回生電流の大きさによ
り、誘起電圧は影響を受けるので、ロータ位置信号が早
く検出されたり、遅く検出されたりしていた。このため
位置検出間隔が変動し正確なトルク制御が行えていなか
った。
【0023】本発明は上記課題を解決するもので、基準
電圧の変動による影響を受けることなく、負荷の変動に
応じて確実に振動や騒音を抑えるようにブラシレスモー
タを制御するモータの制御装置を提供することを目的と
する。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、回転により負荷に周期的な変動が現
れる装置を駆動するブラシレスモータを駆動するインバ
ータ回路と、基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
前記ブラシレスモータの誘起電圧を検出する誘起電圧検
出回路と、前記基準電圧と前記誘起電圧を比較してロー
タ位置信号を出力する比較手段と、相切換タイミングが
前記ロータ位置信号に同期した駆動信号を生成するとと
もに該駆動信号におけるPWMの平均デューティに補正
量を施す制御部とを備えたモータの制御装置において、
前記制御部は前記ロータ位置信号に基づいて前記変動の
周期を複数区間に分割するとともに前記各区間の時間間
隔を検出し、前記各区間について前後の対称な区間の時
間間隔の差を求め、一回転前における前後の対称な区間
の時間間隔の差が大きい場合には補正量を大きくし、差
が小さい場合には補正量を小さくするように前記各区間
の駆動信号を生成するようにしている。
【0025】このような構成によると、モータの制御装
置は制御部でロータ位置信号に基づいて回転による負荷
の変動の周期を複数の区間に分割するとともに各区間の
時間間隔を検出する。各区間について前後の対称な区間
の時間間隔の差を求める。負荷が変動すると各区間の時
間間隔が変化するので、その求められた時間間隔の差も
負荷の変動を表したものとなる。また、基準電圧が変動
してもその指定された区間ではその基準電圧の変動によ
る影響が同じになるので、その差には基準電圧の変動に
よる影響がキャンセルされる。この値に基づいて制御部
が駆動信号を生成する。従って、モータの制御装置は基
準電圧の変動の影響を受けずにモータを制御することが
できる。
【0026】また、第2の発明では、第1の発明におい
て、前記差は前記各区間について1つ後の区間の時間間
隔Tn+1から1つ前の区間の時間間隔Tn-1を減算したT
n+1-Tn-1であるようにしている。
【0027】このような構成によると、制御部は各区間
について直後の区間の時間間隔Tn+1と直前の区間の時
間間隔Tn-1の差Tn+1−Tn-1を求める。負荷が増大す
るときには時間間隔が大きくなるので、差Tn+1−Tn-1
は正の値となり、負荷が減少するときには時間間隔が小
さくなるので、差Tn+1−Tn-1は負の値となる。制御部
がこの差の絶対値が小さくなるように駆動信号を生成す
れば、負荷の変動に対してもブラシレスモータの回転速
度は安定し、振動が低減される。
【0028】また、第3の発明では、第1の発明におい
て、前記差は前記各区間について1つ後の区間の時間間
隔Tn+1と2つ後の区間の時間間隔Tn+2をK(但し、K
≧1)で割ったものとの和から1つ前の区間の時間間隔
n-1と2つ前の区間の時間間隔Tn-2をKで割ったもの
との和を減算した((1/K)・Tn+2+Tn+1)−(T
n-1+(1/K)・Tn-2)であるようにしている。
【0029】このような構成によると、各区間について
((1/K)・Tn+2+Tn+1)−(Tn-1+(1/K)
・Tn-2)によって時間間隔の差を求めているので、T
n+1−Tn-1で時間間隔の差を求める場合に比べて、多く
の区間の時間間隔の差を利用して負荷のトルクによって
は負荷トルクの変動を顕著にすることができる場合があ
る。また、Kの値の設定によっても負荷トルクの変動を
顕著にすることができる。これにより、負荷の変動に対
しての制御の精度向上が可能である。
【0030】また、第4の発明では、第2の発明又は第
3の発明において、前記制御部は前記差が正であるとき
には前記平均デューティをα倍(α〉1)し、前記差が
負であるときには前記平均デューティを1/β倍(β〉
1)するようにしている。
【0031】このような構成によると、負荷が増大する
ときには時間間隔の差が正となるので制御部は駆動信号
を第1の信号としてモータに小さい電流又は電圧を印加
する。これにより、モータより出力されるトルクが小さ
くなる。一方、負荷が減少するときには時間間隔の差が
負となるので制御部は駆動信号を第2の信号としてもー
たに大きい電流又は電圧を印加する。これにより、モー
タより出力されるトルクが大きくなる。このようにし
て、モータの制御装置はブラシレスモータの回転速度を
安定させる。
【0032】また、第5の発明では、第2の発明又は第
3の発明において、前記制御部は時間間隔の差による駆
動信号の補正を正の一定値補正、無補正、負の一定値補
正の3値化によって行い、その差の絶対値が補正を施す
必要がある閾値を超えるか否かによって補正状態を前記
3つの状態に切り替えるようにしている。
【0033】このような構成によると、補正が簡単にな
る。
【0034】また、第6の発明では、第1の発明におい
て、前記制御部は前記ロータ位置信号から前記ブラシレ
スモータの回転数を検出し、前記回転数が3500rp
より小さいときには前記回転数に比例する数値で前記
補正量を除算するようにしている。
【0035】このような構成によると、制御部はロータ
位置信号からブラシレスモータの回転数を検出し、回転
数が所定値になるまでは回転数が大きくなるに従って駆
動信号を時間間隔の差に依存しない状態に近づけ、その
所定値を超えると駆動信号を時間間隔の差に依存しない
状態とする。ブラシレスモータの回転数が大きくなるに
従ってロータピストンの慣性により偏心荷重の影響が小
さくなるので、時間間隔の差がなくなり、時間間隔の差
に依存しない状態で運転してもよくなってくる。更に、
これによりモータ電流が上昇するが、回転数が大きくな
りモータ電流の変動を抑制することで、モータの減磁や
インバータ回路の過電流の検出によって運転が停止して
しまうことのないようにしている。
【0036】また、第7の発明では、第1の発明乃至第
6の発明のいずれかにおいて、前記基準電圧生成回路は
前記ブラシレスモータの各相巻線をスター結線した仮想
中性点の電圧を前記基準電圧とするようにしている。
【0037】このような構成によると、各相の巻線がス
ター結線されていることによって仮想中性点から基準電
圧が得られる。
【0038】また、第8の発明では、第1の発明乃至第
6の発明において、前記基準電圧生成回路は前記インバ
ータ回路に入力される電圧を分圧して前記基準電圧とす
るようにしている。
【0039】このような構成によると、インバータ回路
に入力される電圧を分圧することによって基準電圧が得
られる。
【0040】また、第9の発明では、第1の発明乃至
の発明のいずれかにおいて、前記インバータ回路に流
れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記制御部は
前記電流検出手段で検出された電流が大きくなるに従っ
前記補正量を小さくするようにしている。
【0041】このような構成によると、モータの制御装
置は電流検出手段でインバータ回路に流れる電流を検出
し、その検出された電流が大きくなるに従って駆動信号
を時間間隔の差に依存しない状態に近づけるので、モー
タの負荷が大きい場合に、モータの減磁やインバータ回
路の過電流等によって運転停止になるのが抑制される。
【0042】また、第10の発明では、第1の発明乃至
第3の発明のいずれかにおいて、交流を直流に整流して
前記インバータ回路に供給する整流回路と、前記交流の
電流を検出する電流検出手段とを備え、前記制御部は前
記電流検出手段で検出された電流が大きくなるに従って
前記補正量を小さくするようにしている。
【0043】このような構成によると、モータの制御装
置は電流検出手段で整流回路に印加される交流の電流を
検出し、その検出された電流が大きくなるに従って駆動
信号を時間間隔の差に依存しない状態に近づけるので、
モータの負荷が大きい場合に、モータの減磁やインバー
タ回路の過電流等によって運転停止になるのが抑制され
る。
【0044】また、第11の発明では、第1の発明乃至
第3の発明のいずれかにおいて、前記ブラシレスモータ
に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記制御
部は前記電流検出手段で検出された電流が大きくなるに
従って前記補正量を小さくする
【0045】このような構成によると、モータの制御装
置は電流検出手段でブラシレスモータに流れる電流を検
出し、その検出された電流が大きくなるに従って駆動信
号を時間間隔の差に依存しない状態に近づけるので、モ
ータの負荷が大きい場合に、モータの減磁やインバータ
回路の過電流等によって運転停止になるのが抑制され
る。
【0046】また、第12の発明では、第1の発明乃至
第8の発明のいずれかにおいて、前記インバータ回路に
流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記電流検
出手段で検出された電流が大きくなるに従って前記制御
部は前記時間間隔を小さくする
【0047】このような構成によると、ロータ位置検出
回路はモータに流れる電流によって出力するロータ位置
信号によって位相の遅れや進みが生じる場合があったと
しても、制御部は時間間隔Tnを修正して正確な検出を
行うことで、振動を抑制する。
【0048】また、第13の発明では、第1の発明乃至
第5の発明のいずれかにおいて、前記制御部は前記ブラ
シレスモータの回転数ごとに効率最大の転流タイミング
位相を記憶しているとともに、その検出回数に対応する
効率最大の転流タイミング位相を用いて前記ブラシレス
モータに通電する転流タイミングを修正するようにして
いる。
【0049】このような構成によると、制御部がロータ
位置信号からモータの回転数を検出し、回転数に応じて
転流タイミングを調整する。転流タイミングの調整によ
ってモータのトルクを制御できるので、例えば効率が最
大となるように転流タイミングを制御することによって
モータ電流を低減し、過電流状態で運転が停止してしま
わないようにする。
【0050】また、第14の発明では、第9の発明乃至
第11の発明のいずれかにおいて、前記制御部は前記ブ
ラシレスモータの回転数ごとに効率最大の転流タイミン
グ位相とトルク最大の転流タイミング位相とを記憶して
いるとともに、前記検出された電流の大きさで前記効率
最大の転流タイミング位相かトルク最大の転流タイミン
グ位相かを選択して前記ブラシレスモータに通電する転
流タイミングを修正するようにしている。
【0051】このような構成によると、モータの制御装
置は例えば電流が小さいときにはモータの出力するトル
クが最大となるように転流タイミングを調整し、電流が
大きいときは効率が最大となるように転流タイミングを
調整することでモータ電流を抑制し過負荷状態等でも過
電流を検出して運転が停止してしまうことがないように
なる。
【0052】
【0053】
【0054】
【発明の実施の形態】<第1の実施形態>以下、本発明
の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1
は本発明の第1の実施形態の圧縮機用モータの制御装置
のブロック図である。図1において、1は商用電源によ
る交流電源である。2は交流電源1からの交流電圧を直
流電圧に変換する整流回路である。3は整流回路2で整
流された直流電圧のリプルを平滑する平滑回路であり、
コンデンサで構成されている。なお、図1では整流回路
2と平滑回路3は全波整流回路を構成するように示して
いるが、これらは倍電圧整流回路であってもよい。
【0055】4はインバータ回路であり、平滑回路3で
平滑された直流電圧がラインf、gを通して入力され
る。インバータ回路4において、4aはNPN型トラン
ジスタ(又はIGBT、MOS−FET)であり、コレ
クタが直流電圧の上位側が入力されるラインfに接続さ
れ、ベースがドライブ回路11に接続され、エミッタが
インバータ回路4内の点aに接続されている。
【0056】4bはNPN型トランジスタ(又はIGB
T、MOS−FET)であり、コレクタがラインfに接
続され、ベースがドライブ回路11に接続され、エミッ
タがインバータ回路4内の点bに接続されている。4c
はNPN型トランジスタ(又はIGBT、MOS−FE
T)であり、コレクタがラインfに接続され、ベースが
ドライブ回路11に接続され、エミッタがインバータ回
路4内の点cに接続されている。
【0057】4dはNPN型トランジスタ(又はIGB
T、MOS−FET)であり、コレクタが点aに接続さ
れ、ベースがドライブ回路11に接続され、エミッタが
直流電圧の下位側が入力されるラインgに接続されてい
る。4eはNPN型トランジスタ(又はIGBT、MO
S−FET)であり、コレクタが点bに接続され、ベー
スがドライブ回路11に接続され、エミッタがラインg
に接続されている。
【0058】4fはNPN型トランジスタ(又はIGB
T、MOS−FET)であり、コレクタが点cに接続さ
れ、ベースがドライブ回路11に接続され、エミッタが
ラインgに接続されている。NPN型トランジスタ4a
〜4fにはそれぞれ回生電流を流して素子を保護するた
めのダイオード4g〜4lが並列に接続されている。
【0059】5は3相のブラシレスモータであり、U相
の巻線LuとV相の巻線LvとW相の巻線Lwで構成さ
れている。巻線Luの一端は点aに接続され、他端は中
性点Nに接続されている。巻線Lvの一端は点bに接続
され、他端は中性点Nに接続されている。巻線Lwの一
端は点cに接続され、他端は中性点Nに接続されてい
る。6は力率を改善するためのリアクタ等の力率改善回
路であり、交流電源1と整流回路2の間に挿入されてい
る。
【0060】20はブラシレスモータ5の各相巻線L
u、Lv、Lwに生じる誘起電圧を検出してロータ位置
信号を出力するロータ位置検出回路である。ロータ位置
検出回路20において、7aはU相巻線Luに生じる誘
起電圧Euを検出する誘起電圧検出回路であり、不要な
周波数成分を除去するために抵抗とコンデンサから成る
RCフィルタ(図示せず)を有している。7bはV相巻
線Lvに生じる誘起電圧Evを検出する誘起電圧検出回
路であり、不要な周波数成分を除去するためのRCフィ
ルタ(図示せず)を有している。7cはW相巻線Lwに
生じる誘起電圧Ewを検出する誘起電圧検出回路であ
り、不要な周波数成分を除去するためのRCフィルタ
(図示せず)を有している。
【0061】8は各相巻線Lu、Lv、Lwの入力側を
結線することによって仮想中性点をつくって基準電圧V
refを出力する基準電圧検出回路である。9aは誘起
電圧Euと基準電圧Vrefとを比較してロータ位置信
号Huを出力する比較検出回路である。9bは誘起電圧
Evと基準電圧Vrefとを比較してロータ位置信号H
vを出力する比較検出回路である。9cは誘起電圧Ew
と基準電圧Vrefとを比較してロータ位置信号Hwを
出力する比較検出回路である。ロータ位置信号Hu、H
v、Hwは後述のようにロータ位置に応じたパルス信号
である。ブラシレスモータ5のロータ磁極が4極の場
合、ロータが1回転で比較検出回路9a〜9cより3相
×4極=12個のパルス信号が出力される。
【0062】10は制御部であり、ロータ位置信号H
u、Hv、Hwに基づいてインバータ回路4の各NPN
型トランジスタ4a〜4fを駆動するための駆動信号D
a〜Dfを作成し、ドライブ回路11に出力する。制御
部10で駆動信号Da〜Dfは数〜数十kHzでPWM
(パルス幅変調)チョッピングされ、ブラシレスモータ
5の回転数が制御部10が目標とする回転数になるよう
にPWMのデューティを変更する。
【0063】ドライブ回路11は駆動信号Da〜Dfを
それぞれ増幅してNPN型トランジスタ4a〜4fのベ
ースに供給する。駆動信号Da〜Dfのデューティが変
更されることによってNPN型トランジスタ4a〜4f
はON・OFFの時間割合が変更されるので、ブラシレ
スモータ5に印加される電圧又は電流が変更される。こ
れにより、ブラシレスモータ5の回転数及びトルクを制
御することができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明では、
ブラシレスモータの誘起電圧を誘起電圧検出回路で検出
し、この検出された誘起電圧を基準電圧生成回路から得
られる基準電圧と比較手段で比較することで、ロータ位
置を検出する。このように検出されたロータ位置信号に
基づいて制御部はモータの1周期を複数区間に分割する
とともに各区間の時間間隔を検出し、それぞれの区間に
ついて一回転前における前後の対称な区間の時間間隔の
差を求め、その差に基づいて駆動信号を生成する。この
とき、駆動信号におけるPMWの平均デューティの補正
量を前記差が大きいときは大きくし、差が小さいときに
は小さくする。基準電圧に変動があっても時間間隔の差
では変動分がキャンセルされる。そのため、1回転中の
負荷変動によるロータ位置の変動を正確に検出すること
ができるので、その差に基づいて駆動信号を生成するこ
とで振動を確実に抑制できる。また、誘起電圧検出回路
はロータ位置の検出を正確にするために特別な位相補償
回路等を必要としないので、低コストで制御を行うこと
ができる。
【0065】誘起電圧Euと基準電圧Vrefを比較し
た結果がロータ位置信号Huの波形である。誘起電圧E
uが基準電圧Vrefより高いときにHighになり、
逆に低いときにLowになる。これにより、磁極の変化
する誘起電圧Euのゼロクロス点で、立ち上がり又は立
ち下がりエッジのパルスが得られる。
【0066】ロータ位置信号Hvは誘起電圧Evと基準
電圧Vrefを比較した結果であり、誘起電圧Evのゼ
ロクロス点で、立ち上がり又は立ち下がりエッジのパル
スが得られる。ロータ位置信号Hwは誘起電圧Ewと基
準電圧Vrefを比較した結果であり、誘起電圧Ewの
ゼロクロス点で、立ち上がり又は立ち下がりエッジのパ
ルスが得られる。誘起電圧Eu、Ev、Ewは互いに1
20度ずつ位相がずれている。そのため、これらのエッ
ジのパルスはロータが1回転すると12個発生する。
【0067】従って、制御部10はロータの絶対位置を
12個の区間で検出できる。但し、誘起電圧Eu、E
v、Ewとロータ位置信号Hu、Hv、Hwがそれぞれ
同位相となるように図示しているが、実際は誘起電圧検
出回路7a、7b、7cの構成によって位相のずれが生
じる場合がある。
【0068】制御部10はこのようにして得られたロー
タ位置信号Hu、Hv、Hwに基づいて駆動信号Da〜
Dfを作成する。ロータ位置信号Huの立ち上がりエッ
ジ30が入力されると、制御部10は駆動信号DaをP
WMチョッピングした波形とする。これにより、NPN
型トランジスタ4aはON・OFFを繰り返す。PWM
のデューティは回転数とトルクを制御するために後述の
ようにして設定される。
【0069】次にロータ位置信号Hvの立ち上がりエッ
ジ31が入力されると、駆動信号DaをLowにし、駆
動信号DbをPWMチョッピングした波形とする。これ
により、NPN型トランジスタ4aはOFFされ、NP
N型トランジスタ4bがON・OFFを繰り返す。
【0070】次にロータ位置信号Hwの立ち上がりエッ
ジ32が入力されると、制御部10は駆動信号DbをL
owにし、駆動信号DcをPWMチョッピングした波形
とする。これにより、NPN型トランジスタ4bはOF
Fされ、NPN型トランジスタ4cはON・OFFを繰
り返す。
【0071】次に再びロータ位置信号Huの立ち上がり
エッジ33が入力されると、駆動信号DcをLowに
し、駆動信号DaをPWMチョッピングした波形とす
る。これにより、NPN型トランジスタ4cはOFFさ
れ、NPN型トランジスタ4aはON・OFFを繰り返
す。以後、制御部10はこの一連の動作を繰り返す。
【0072】これにより、駆動信号Da、Db、Dcが
順番にPWMチョッピングした波形となり、ロータが1
回転するたびにそれぞれ2回ずつPWMチョッピングし
た波形が現れる。
【0073】また、ロータ位置信号Huの立ち下がりエ
ッジ34が入力されると、制御部10は駆動信号Ddを
Highにし、それまでHighであった駆動信号Df
をLowにする。これにより、NPN型トランジスタ4
dがONされ、NPN型トランジスタ4fがOFFされ
る。
【0074】次にロータ位置信号Hvの立ち下がりエッ
ジ35が入力されると、制御部10は駆動信号DdをL
owにし、駆動信号DeをHighにする。これによ
り、NPN型トランジスタ4dはOFFされ、NPN型
トランジスタ4eはONされる。次にロータ位置信号H
wの立ち下がりエッジ36が入力されると、制御部10
は駆動信号DeをLowにし、駆動信号DfをHigh
にする。これにより、NPN型トランジスタ4eがOF
Fされ、NPN型トランジスタ4fがONされる。
【0075】次に再びロータ位置信号Huの立ち下がり
エッジ37が入力されると、制御部10は駆動信号Df
をLowにし、駆動信号DdをHighにする。制御部
10はこの一連の動作を繰り返す。このように制御部1
0はロータ位置信号Hu、Hv、Hwのエッジが入力さ
れるごとにインバータ回路4のNPN型トランジスタ4
a〜4fのスイッチングの切り替えによってブラシレス
モータ5に流れる電流を転流させる。
【0076】これにより、期間T0ではNPN型トラン
ジスタ4aがPWMチョッピングされた駆動信号Daで
ON・OFF制御され、NPN型トランジスタ4eがO
Nされているので、インバータ回路4から供給される電
流が矢印Auの向きに流れ、ブラシレスモータ5におい
て巻線Lu、中性点N、巻線Lvの順に流れ、更に矢印
Avの逆向きに流れてインバータ回路4に戻る。
【0077】次の期間T1ではNPN型トランジスタ4
aがPWMチョッピングされた駆動信号DaでON・O
FF制御され、NPN型トランジスタ4fがONされて
いるので、インバータ回路4から供給される電流が矢印
Auの向きに流れ、ブラシレスモータ5において巻線L
u、中性点N、巻線Lwの順に流れ、更に矢印Awの逆
向きに流れてインバータ回路4に戻る。
【0078】次の期間T2ではNPN型トランジスタ4
bがPWMチョッピングされた駆動信号DbでON・O
FF制御され、NPN型トランジスタ4fがONされて
いるので、インバータ回路4から流れる電流が矢印Av
の向きに流れ、ブラシレスモータ5において巻線Lv、
中性点N、巻線Lwの順に流れ、更に矢印Awの逆向き
に流れてインバータ回路4に戻る。
【0079】次の期間T3ではNPN型トランジスタ4
bがPWMチョッピングされた駆動信号DbでON・O
FF制御され、NPN型トランジスタ4dがONされて
いるので、インバータ回路4から供給される電流が矢印
Avの向きに流れ、ブラシレスモータ5において巻線L
v、中性点N、巻線Luの順に流れ、更に矢印Auの逆
向きに流れてインバータ回路4に流れる。
【0080】次の期間T4ではNPN型トランジスタ4
cがPWMチョッピングされた駆動信号DcでON・O
FF制御され、NPN型トランジスタ4dがONされて
いるので、インバータ回路4から供給される電流が矢印
Awの向きに流れ、ブラシレスモータ5において巻線L
w、中性点N、巻線Luの順に流れ、更に矢印Auの逆
向きに流れてインバータ回路4に戻る。
【0081】次の期間T5ではNPN型トランジスタ4
cがPWMチョッピングされた駆動信号DcでON・O
FF制御され、NPN型トランジスタ4eがONされて
いるので、インバータ回路4から供給される電流が矢印
Awの向きに流れ、ブラシレスモータ5において巻線L
w、中性点N、巻線Lvの順に流れ、更に矢印Avの逆
向きに流れてインバータ回路4に戻る。
【0082】次の期間T6から再び期間T0からの動作を
繰り返す。これにより、インバータ回路4はブラシレス
モータ5を駆動する。PWM信号のデューティを変更す
ることで、ブラシレスモータ5に流れる電流又は実質的
に印加される電圧を変更することができる。これによ
り、制御装置はブラシレスモータ5の回転数及びトルク
を制御することができる。
【0083】図2ではインバータ駆動信号Da〜Dcの
みにPWMチョッピングしているが、インバータ駆動信
号Dd〜DfのみにPWMチョッピングしてもよいし、
全てのインバータ駆動信号Da〜DfにPWMチョッピ
ングしてもよい。ロータ位置信号Hu、Hv、Hwはロ
ータの絶対位置と同期しており、ロータの1回転を12
個の区間に分割でき、12個のロータ位置位置検出間隔
0〜T11として検出できる。
【0084】図3は1回転中の負荷トルクと本実施形態
の動作を示す波形図である。1回転中の負荷トルク曲線
Lは、圧縮機の1回転中の負荷トルクの変動を示してい
る。圧縮機は1回転中に吸入、圧縮、吐出の3つの過程
があるため負荷トルクが大きく変動する。吸入状態から
冷媒が圧縮機で圧縮されていくに従い負荷トルクは急激
に増加し、吐出弁が開き冷媒が吐出されると、負荷トル
クは減少していく。
【0085】このとき、1回転中に使われるPWM信号
のデューティが一定であれば、負荷トルクが変動する
と、その変動分だけ実際にブラシレスモータ5に印加さ
れるトルクが減少し、ロータの角加速度も小さくなる。
負荷トルクが大きく変化する区間(角加速度の変化が大
きく変化する区間)は、速度つまりロータ位置信号H
u、Hv、Hwから検出される位置検出間隔Tnも大き
く変化する。これにより、1回転中のロータ位置検出間
隔Tnから負荷変動状態を検出できる。
【0086】しかし、上記従来技術のように相隣り合う
区間の間隔を利用して負荷を検出すると、基準電圧の変
動によって位置検出間隔が影響を受けてしまっていた。
そこで、本実施形態では、区間nの状態Tnを検出する
際に、その前後の区間の位置検出間隔Tn+1、Tn-1の差
ΔTn=Tn+1−Tn-1を演算する。これらの位置検出間
隔Tn+1、Tn-1の両者にもたらされる基準電圧の変動の
影響は等しいので、差ΔTnには基準電圧の変動分をキ
ャンセルでき、負荷変動のみによる位置検出間隔Tnの
変動分を検出することができる。
【0087】制御部10はこの差ΔTnを求めるため
に、ロータが1回転する前の位置検出間隔Tnを記憶し
ている。そして、制御部10は1回転前の間隔Tn-1
n+1を現在の間隔Tn-1、Tn+1とみなして位置検出間
隔差ΔTnを求める。
【0088】制御部10は位置検出間隔差ΔTnが所定
の範囲内(理想的にはゼロ)になるようにインバータ駆
動信号Da〜DfのPWMデューティDnを増減させ
る。ΔTnが大きい区間では、制御部10はブラシレス
モータ5が目標回転数になるように決定された平均デュ
ーティDavに加える補正量ΔDnを大きくする。一
方、ΔTnが小さい区間では、補正量ΔDnを小さくす
る。但し、ΔTnから補正量ΔDnを求める式は、1次
関数や2次間数等にフィットされる。
【0089】このようにPWMデューティDnをDav
+ΔDnとすることで、負荷トルクが増大するときには
ブラシレスモータ5より出力されるトルクを増大させ、
負荷トルクが減少するときにはブラシレスモータ5より
出力されるトルクを減少させる。これにより、ロータの
1回転中の負荷変動による回転速度変動がなくなり、振
動が低減される。
【0090】<第2の実施形態>次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。本実施形態が上記第1の実
施形態と異なる点は、位置検出間隔差ΔTnを求める計
算式であり、その他の点については上記第1の実施形態
と一致するので、説明を省略し、本実施形態においても
図1を用いて説明する。
【0091】図4は1回転中の負荷トルクと本実施形態
の動作を示す波形図である。1回転中の負荷トルク曲線
Lは、圧縮機の1回転中の負荷トルク変動を示してい
る。この負荷トルクの変動によってロータ位置信号H
u、Hv、Hwから検出される位置検出間隔Tnが変動
している。
【0092】区間nでの位置検出間隔差ΔTnを求める
ために、前後の区間の位置検出間隔Tn-1n+1の差と、
更にその区間の前後の位置検出間隔Tn+2、Tn-2の差を
利用する。このとき、Tn+2、Tn-2は位置検出間隔T
n+1、Tn-1よりも区間nより離れた区間の情報であるた
め、Tn+1、Tn-1よりも重みを1/2にして差を計算す
る。つまり、位置検出間隔差ΔTnは(1/2・Tn+2
n+1)−(Tn-1+1/2・Tn-2)として求める。
【0093】制御部10はこの差ΔTnを求めるため
に、ロータが1回転する前の位置検出間隔Tnを記憶し
ている。そして、制御部10は1回転前の間隔Tn-2
n-1、Tn+1、Tn+2を現在の間隔Tn-2、Tn-1
n+1、Tn+2とみなして位置検出間隔差ΔTnを求め
る。
【0094】制御部10は位置検出間隔差ΔTnが所定
の範囲内になるようにインバータ駆動信号Da〜Dfの
PWMデューティDnを増減させる。ΔTnが大きい区
間では、制御部 10は目標回転数になるように決定さ
れた平均デューティDavに加える補正量ΔDnを大き
くする。一方、ΔTnが小さい区間では、補正量ΔDn
を小さくする。但し、ΔTnから補正量ΔDnを求める
式は、1次関数や2次間数等でフィットされる。
【0095】このように本実施形態では多くの区間から
ΔTnが求められているので、負荷トルク変動の差を顕
著にすることができ、モータの制御装置の制御性能が向
上する。なお、重みを1/2にして計算したが、負荷ト
ルク曲線の形状により重みを1/1.5にしたり、1/
3にしたりすることでトルク変動を顕著になるようにし
ても構わない。従って、一般的に間隔差ΔTnを求める
式は、ΔTn=(1/K・Tn+2+Tn+1)−(Tn-1+1
/K・Tn-2)である。但し、K≧1である。
【0096】<第3の実施形態>次に、本発明の第3の
実施形態について説明する。本実施形態が上記第1の実
施形態と異なる点は、上記第1の実施形態のように位置
検出間隔差ΔTnからPWMデューティの増減量を求め
るのでなく、ΔTnが正の区間ではPWMデューティを
平均デューティDavのα(但し、α>1)倍とし、一
方ΔTnが負の区間ではPWMデューティを平均デュー
ティDavの1/β(但し、β>1)倍とするところで
ある。このようにPWMデューティDnを2値化して制
御する。その他の点については上記第1の実施形態と一
致するので、説明を省略し、本実施形態においても図1
を用いて説明する。
【0097】図5は本発実施形態の1回転中の動作を示
す波形図である。位置検出間隔差ΔTnが期間T0〜T2
では負の値であるため、制御部10はPWMデューティ
Dnを1/β・Davとする。次に位置検出間隔差ΔT
nが期間T3〜T8では正の値であるため、制御部10は
PWMデューティDnをα・Davとする。次に位置検
出間隔差ΔTnがT9〜T11では負の値であるため、制御
部10はPWMデューティDnを1/β・Davとす
る。αとβの値はPWMデューティDnを平均すると、
平均デューティDavに一致するように定められる。
【0098】このようにPWMデューティDnを2値化
することで制御が簡単になり、信頼性が向上し、低価格
なCPU(中央演算処理装置)でも制御できるようにな
る。また、αとβは定数であるため、PWMデューティ
の値の上限・下限が予め制御部10において把握されて
いるので、補正量の値が大きくなり過ぎて逆に振動が大
きくなることや制御が発散してしまう危険性も低減でき
る。
【0099】また、上記第2の実施形態で計算される位
置検出間隔差ΔTn=1/2・Tn+2+Tn+1)−(Tn-1
+1/2・Tn-2)を使って、ΔTnが正のときにPWM
デューティDnをα・Davにし、ΔTnが負のときに
PWMデューティDnを1/β・Davとすることもで
きる。
【0100】<第4の実施形態>次に、本発明の第4の
実施形態について説明する。本実施形態が上記第1の実
施形態と異なる点は、上記第1の実施形態のように位置
検出間隔差ΔTnからPWMデューティの増減量を求め
るのでなく、ΔTnが所定の範囲ΔX内にあるときに
は、PWMデューティの補正を行わずに、PWMデュー
ティをブラシレスモータ5が目標回転数になるように制
御部10で決定された平均デューティDavとし、ΔT
nが範囲ΔXより正側にあるときには、平均デューティ
Davのα(但し、α>1)倍とし、一方ΔTnが範囲
ΔXより負側にあるときには、平均デューティDavの
1/β(但し、β>1)倍としているところである。こ
のようにPWMデューティDnを3値化して制御する。
その他の点については上記第1の実施形態と一致するの
で、説明を省略し、本実施形態においても図1を用いて
説明する。
【0101】図6は本実施形態の1回転中の動作を示す
波形図である。期間T0、T1では位置検出間隔差ΔTn
が範囲ΔXより負側にあるため、制御部10はPWMデ
ューティDnを1/β・Davとする。次に期間T2
4では位置検出間隔差ΔTnが範囲ΔX内にあるため、
制御部10はPWMデューティDnを平均デューティD
avとする。次に期間T5〜T8では位置検出間隔差ΔT
nが範囲ΔXより正側にあるため、制御部10はPWM
デューティDnをα・Davとする。
【0102】次に期間T9、T10では位置検出間隔差Δ
nが範囲ΔX内にあるため、制御部10はPWMデュ
ーティDnを平均デューティDavとする。次に期間T
11では位置検出間隔差ΔTnが範囲ΔXより負側にある
ため、制御部10はPWMデューティDnを1/β・D
avとする。αとβの値はPWMデューティDnを平均
すると、平均デューティDavに一致するように定めら
れる。
【0103】このようにPWMデューティDnを3値化
することで制御が簡単になり、信頼性が向上し、低価格
なCPUでも制御できるようになる。また、αとβは定
数であるため、PWMデューティの値の上限・下限が予
め制御ループ内で把握できるので、補正量の値が大きく
なり過ぎて逆に振動が大きくなることや制御が発散して
しまう危険性も低減できる。また、上記第3の実施形態
と比較すると、本実施形態ではPWMデューティDnが
3値化されているので、トルクが滑らかに変化し、振動
の抑制効果が増大する。
【0104】また、軽負荷時のように負荷トルクの変動
が小さいときには位置検出間隔差ΔTnが範囲ΔX内に
あることが多くなる。このときには、PWMデューティ
Dnが平均デューティDavになるので、負荷変動に対
する制御を行わないで行う通常状態に近い制御となり、
制御が安定する。
【0105】また、上記第2の実施形態で計算される位
置検出間隔差ΔTn=(1/K・Tn+2−Tn+1)−(T
n-1+1/K・Tn-2)を使って、ΔTnが所定の範囲Δ
X内になるときにはPWMデューティDnを平均デュー
ティDavにし、ΔTnが範囲ΔXより正側にあるとき
にはPWMデューティDnをα・Davとし、ΔTn
範囲ΔXより負側にあるときにはPWMデューティDn
を1/β・Davとすることができる。
【0106】<第5の実施形態>次に、本発明の第3の
実施形態について説明する。本実施形態では上記第1の
実施形態で求めた補正量ΔDnに更にブラシレスモータ
5の回転数に関係した修正数γ(但し、γ>1)で割っ
たΔDn’=(1/γ)・ΔDnを計算し、このΔD
n’で平均デューティDavを補正する。その他の点に
ついては上記第1の実施形態と一致するので、説明を省
略し、本実施形態においても図1を用いて説明する。
【0107】図7は本実施形態の回転数と修正量γとの
関係を示す図である。モータの回転数はロータ位置信号
Hu、Hv、Hwのパルス間隔を測定することによって
検出することができる。回転数が3500rpm付近以下
では、回転数が低いときには修正量γが小さく、回転数
が高くなるに従って修正量γがしだいに大きくなる。従
って、ブラシレスモータ5の回転数が高くなるに従って
修正量γで補正量ΔDn’は小さくなる。
【0108】ブラシレスモータ5の回転数が3500rp
m付近以上で補正量ΔDn’をゼロとする。従って、ブ
ラシレスモータ5の回転数が3500rpm付近以上でP
WMデューティDn’は平均デューティDavに一致す
る。但し圧縮機の仕様やシステム構成により、補正量Δ
Dn’をゼロにする回転数は変わる。
【0109】ブラシレスモータ5の回転数が高くなる
と、ロータピストンの慣性により、偏心荷重の影響が小
さくなる。また、逆にモータ電流は大きくなる。このた
め、低回転数で最適化した補正量で高回転数も同じよう
に制御すると、モータ電流が増えモータ5の減磁やイン
バータ回路4の過電流のおそれがでてくる。しかし、高
回転数ではトルク変動が小さくなっているので、回転数
が高くなるにつれてγを大きくすることで補正量ΔD
n’を小さくしてやればモータ電流の変動が小さくな
り、モータ5の減磁やインバータ回路4の過電流の検出
によって運転が停止してしまうことが防止される。
【0110】また、上記第2の実施形態で計算される位
置検出間隔ΔTn=1/K・Tn+2+Tn+1)−(Tn-1
1/K・Tn-2)から求められた補正量ΔDnも図7に
示す特性と同じ修正量γで修正することもできる。同様
に、上記第3の実施形態(図5)と上記第4の実施形態
(図6)においても、回転数が高くなるにつれてPWM
デューティDnが平均デューティDavに近づくように
α、βの値を1に近づけるように変更してもよい。
【0111】<第6の実施形態>次に本発明の第6の実
施形態について説明する。図8は第6の実施形態の圧縮
機用モータの制御装置のブロック図である。上記第1の
実施形態(図1)では基準電圧検出回路8はブラシレス
モータ5の各巻線から仮想中性点をつくり、基準電圧V
refを検出していたが、本実施形態では基準電圧検出
回路13はインバータ回路4への入力電圧を抵抗12
a、12bで分圧して基準電圧Vrefを検出する。そ
の他の部分については上記第1の実施形態(図1)と同
じ構成になっているので、同一部分には同一符号を付し
て説明を省略する。
【0112】この場合、抵抗12a、12bの抵抗値の
ばらつき等が直接基準電圧Vrefの変動の原因となる
ため、基準電圧Vrefは変動しやすい。しかし、制御
部10は上述のように負荷変動をキャンセルして処理し
ているので、基準電圧Vrefに変動に対しても問題な
くトルク制御が行える。
【0113】上記第2の実施形態〜上記第5の実施形態
においても基準電圧検出回路13と同一構成で基準電圧
Vrefを検出するようにしてもよい。
【0114】<第7の実施形態>次に本発明の第7の実
施形態について説明する。図9は第7の実施形態の圧縮
機用モータの制御装置のブロック図である。本実施形態
では、上記第1の実施形態(図1)に更にインバータ回
路4に流れる直流電流を検出する直流電圧検出手段14
が設けられている。直流電圧検出手段14で検出された
電流値は制御部10に入力される。その他の部分につい
ては上記第1の実施形態(図1)と同じ構成になってい
るので、同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0115】圧縮機のサイクル条件等で過負荷状態にな
ると、インバータ回路4に流れる直流電流値が大きくな
る。更に過負荷状態が継続すると、直流電流値がモータ
5の減磁レベル又はインバータ回路4の過電流レベルに
達する。このままでは減磁又はNPN型トランジスタ4
a〜4fの破壊が発生するおそれがある。
【0116】そのため、制御部10が直流電流検出手段
14から入力される直流電流値を監視し、モータ5の減
磁電流レベル又はインバータ回路4の過電流レベルに達
すると、駆動信号Da〜Dfの出力を停止してインバー
タ回路4の動作を停止し、ブラシレスモータ5を停止す
る。
【0117】このため過負荷状態となると、制御部10
が圧縮機の運転を停止することがあるために連続運転が
困難となる。また、制御部10が負荷変動に応じてトル
ク制御を行った場合、大きなトルクが必要なときにはイ
ンバータ回路4からブラシレスモータ5に供給する電流
が大きくなるためにインバータ回路4に流れる直流電流
値が大きくなり、あまり大きなトルクが必要でないとき
にはインバータ回路4がブラシレスモータ5に供給する
電流が小さくなるために、トルク制御を行わない場合よ
りもインバータ回路4に流れる直流電流が脈動する現象
が顕著になり、過負荷状態では直流電流が減磁電流や過
電流レベルに達して制御部10は圧縮機の運転を停止す
ることが多くなる。
【0118】この問題を解決するため、本実施形態では
上記第1の実施形態のように求められる補正量ΔDn
に、更に修正量γ(但し、γ>1)で割ったΔDn’=
(1/γ)・ΔDnを計算し、このΔDn’で平均デュ
ーティDavを補正する。そして、図10に示すように
直流電流の値が大きくなるに従って、修正数γを大きく
してトルク補正した平均PWMデューティDavに対す
る補正量ΔDnを小さくしていく。PWMデューティの
補正量ΔDnが小さくなると、モータ電流の変動が小さ
くなるので、直流電流値が減磁レベルや過電流レベルを
超えにくくなり、圧縮機の連続運転が可能となる。
【0119】また、上記第2の実施形態のようにして位
置検出間隔差ΔTnを求める場合にも、直流電流が大き
くなるに従って補正量ΔDnを小さくすることで、圧縮
機の連続運転が可能となる。上記第3の実施形態(図
5)と上記第4の実施形態(図6)においても、直流電
流が大きくなるにつれてPWMデューティがDnが平均
デューティDav近づくようにα、βの値を1に近づけ
るように変更してもよい。
【0120】<第8の実施形態>次に本発明の第8の実
施形態について説明する。図11は第8の実施形態の圧
縮機用モータの制御装置のブロック図である。本実施形
態では、上記第1の実施形態(図1)に更に交流電源1
と整流回路2とを接続するライン28に流れる交流電流
を検出する交流電流検出手段15が設けられている。交
流電流検出手段15で検出された交流電流値は制御部1
0に入力される。その他の部分については上記第1の実
施形態(図1)と同じ構成になっているので、同一部分
には同一符号を付して説明を省略する。
【0121】制御部10は交流電流に基づいて減磁レベ
ルや過電流レベルに達したと判断したときには運転を停
止する。また、制御部10は、上記第1の実施形態のよ
うに求められる補正量ΔDnに更に修正量γ(但し、γ
>1)で割ったΔDn’=(1/γ)・ΔDn’で平均
デューティDavを補正するようにし、検出された交流
電流に基づいて交流電流が大きくなるに従って、修正量
γを大きくして補正量ΔDnを小さくする。補正量ΔD
nが小さくなると、ブラシレスモータ5の減磁レベルや
インバータ回路4の過電流レベルを超えにくくなるの
で、圧縮機の連続運転が可能となる。交流電流の検出に
はカレントトランス(変流器)等の安価でライン28と
は絶縁された部品が使用できるので、本実施形態は上記
第7の実施形態(図9)より容易に実現できる。
【0122】また、上記第2の実施形態のようにして位
置検出間隔差ΔTnを求める場合にも、交流電流が大き
くなるに従って補正量ΔDnを小さくすることで、圧縮
機の連続運転が可能となる。上記第3の実施形態(図
5)と上記第4の実施形態(図6)においても、交流電
流が大きくなるにつれてPWMデューティがDnが平均
デューティDav近づくようにα、βの値を1に近づけ
るように変更してもよい。
【0123】<第9の実施形態>次に本発明の第9の実
施形態について説明する。図12は第9の実施形態の圧
縮機用モータの制御装置のブロック図である。本実施形
態では、上記第1の実施形態(図1)に更にブラシレス
モータ5のW相の巻線Lwに流れる電流を検出するモー
タ電流検出手段16が設けられている。モータ電流検出
手段16で検出されたモータ電流値は制御部10に入力
される。その他の部分については上記第1の実施形態
(図1)と同じ構成となっているので、同一部分には同
一符号を付して説明を省略する。
【0124】制御部10は、モータ電流に基づいて減磁
レベルや過電流レベルを超えたと判断したときには圧縮
機の運転を停止する。また、上記第1の実施形態のよう
に求められる補正量ΔDnに更に修正量γ(但し、γ>
1)で割ったΔDn’=(1/γ)・ΔDnを計算し、
このΔDn’で平均デューティDavを補正する。そし
て、制御部10は検出されたモータ電流に基づいてモー
タ電流が大きくなるに従って、トルク補正されたPWM
デューティ量を小さくなるように修正する。これによ
り、モータ電流が小さくなるので、モータ電流が減磁レ
ベルや過電流レベルを超えないようになり、圧縮機の連
続運転が可能となる。
【0125】図12ではW相のみに検出手段を設けてい
るが、各相にそれぞれモータ電流検出手段を設けても構
わない。各相にモータ電流検出手段を設けた場合にはコ
スト高になるが、モータ電流の検出精度は向上する。
【0126】また、上記第2の実施形態のようにして位
置検出間隔差ΔTnを求める場合にも、モータ電流が大
きくなるに従って補正量ΔDnを小さくすることで、圧
縮機の連続運転が可能となる。上記第3の実施形態(図
5)と上記第4の実施形態(図6)においても、モータ
電流が大きくなるにつれてPWMデューティがDnが平
均デューティDav近づくようにα、βの値を1に近づ
けるように変更してもよい。
【0127】<第10の実施形態>次に本発明の第10
の実施形態について説明する。図9は第10の実施形態
の圧縮機用モータの制御装置のブロック図である。ブロ
ック各部について上記第7の実施形態のとおりであるの
で説明を省略する。本実施形態では上記第7の実施形態
に更に制御部10で直流電流検出手段14で検出された
直流電流値に基づいてロータ位置信号からロータ位置を
正確に検出する処理が追加されている。
【0128】図9に示すように圧縮機用モータの制御装
置は3相巻線の無通電巻線を利用して誘起電圧を検出
し、ロータ位置を検出している。そして、制御部10で
その検出されたロータ位置に同期して駆動信号Da〜D
fを生成している。更に、制御部10はブラシレスモー
タ5の回転速度を一定に保つために、大きなトルクが必
要な区間ではモータに流れる電流を大きくするように制
御する。
【0129】図13はモータ電流の大きさによってロー
タ位置信号Hu、Hv、Hwの位相がずれることを示す
波形図である。回転により周期的に変動する負荷に対応
して制御装置がモータ電流を制御しているので、モータ
電流に周期的な変動が生じる。図13に示すように、誘
起電圧に基づくロータ位置信号Hu、Hv、Hwは、モ
ータ電流及び回生電流の影響でモータ電流が大きいほど
位相が進んだ状態となる。
【0130】この問題に対処するため、直流電流検出手
段14で検出された直流電流値に基づいてロータ位置信
号Hu、Hv、Hwから得られるロータ位置検出間隔Δ
nを位相が遅れるように修正する。これにより、位相
の進みがキャンセルでき、正確な位置検出間隔ΔTn
検出できる。そのため、圧縮機の振動を抑制することが
できる。
【0131】また、上記第2の実施形態〜上記第6の実
施形態において、本実施形態のように直流電流検出手段
14を設け、直流電流を検出し、直流電流に基づいて制
御部10が位置検出間隔ΔTnを本実施形態のように補
正することで正確な位置検出間隔が検出でき、振動が低
減される。
【0132】第8の実施形態(図11)の交流電流検出
手段15や第9の実施形態(図12)のモータ電流検出
手段16で検出された電流に基づいてロータ位置検出間
隔の位相を修正することでも正確な位置検出間隔が検出
できるようになる。
【0133】<第11の実施形態>次に本発明の第11
の実施形態について説明する。図1は第11の実施形態
の圧縮機用モータの制御装置のブロック図である。ブロ
ック各部については上記第1の実施形態のとおりである
ので説明を省略する。本実施形態では上記第1の実施形
態に更に制御部10でブラシレスモータ5の回転数に基
づいてロータ位置信号からロータ位置を正確に検出する
処理が追加されている。制御部10はブラシレスモータ
5の回転数をロータ位置信号Hu、Hv、Hwに基づい
て検出する。
【0134】誘起電圧検出回路7a〜7cに内蔵のRC
フィルタは通過する信号の位相をずらし、そのずれは信
号の周波数に依存している。図14はロータ位置信号H
u、Hv、Hwの回転数の依存性を示す図である。図1
4(a)はある標準的な回転数でのロータ位置検出回路
20で検出されたロータ位置信号Hu、Hv、Hwであ
る。図14(b)はその標準的な回転数より低速回転し
ている場合のロータ位置信号Hu、Hv、Hwである。
【0135】RCフィルタには通過する信号の周波数に
よって位相がずれるという特性がある。そのため、図1
4(a)に示す標準的は回転数でのロータ位置信号H
u、Hv、Hwが得られる同じロータ位置では図14
(b)に示すように位相Δdt0だけ進んだロータ位置
信号Hu、Hv、Hwが得られる。なお、図14におい
て横軸は時間でなく位相を示している。回転数に応じて
位相Δdt0は予め把握することができるので、その位
相Δdt0を制御部10に記憶しておき、回転数に基づ
いてロータ位置信号Hu、Hv、Hwから位相Δdt0
を遅らせてロータ位置に合致した信号に修正する。
【0136】図14(c)は標準的な回転数より高速回
転している場合のロータ位置信号Hu、Hv、Hwであ
る。RCフィルタによって、図14(a)に示す標準的
な回転数でのロータ位置信号Hu、Hv、Hwが得られ
る同じロータ位置では図14(c)に示すように位相Δ
dt1だけ遅れたロータ位置信号Hu、Hv、Hwが得
られる。回転数に応じて位相Δdt1は予め把握するこ
とができるので、回転数に基づいてロータ位置信号H
u、Hv、Hwから位相Δdt1を進めてロータ位置に
合致した信号に修正する。
【0137】このように本実施形態では回転数によって
ロータ位置検出回路20で生じるロータ位置信号Hu、
Hv、Hwの位相ずれを修正できるので、ロータ位置を
正確に検出できるようになり、この修正されたロータ位
置で正しく駆動信号Da〜Dfを生成することでブラシ
レスモータ5で生じる振動を抑えることができる。
【0138】また、上記第2の実施形態〜上記第6の実
施形態において、本実施形態のように回転数を検出し、
回転数に応じてロータ位置信号Hu、Hv、Hwの位相
を修正することで正確なロータ位置の検出ができるよう
になり、振動が低減される。
【0139】<第12の実施形態>次に本発明の第12
の実施形態について説明する。図1は第12の実施形態
の圧縮機用モータの制御装置のブロック図である。ブロ
ック各部については上記第1の実施形態のとおりである
ので説明を省略する。上記第5の実施形態ではブラシレ
スモータ5の回転数に基づいてPWMデューティの補正
量に修正を加えていたが、本実施形態では回転数に応じ
て転流タイミングを変えることでトルクを制御してい
る。
【0140】図15はロータ位置信号Hw、Hv、Hu
に基づく転流タイミングを進み位相又は遅れ位相にした
ときのブラシレスモータ5の出力するトルクを示す特性
図である。図15に示すように転流タイミングを進み位
相又は遅れ位相にすることによってブラシレスモータ5
で発生するトルクが異なっている。
【0141】そのため、制御部10はロータ位置検出回
路20から得られるロータ位置信号Hw、Hv、Huか
ら位相を制御して駆動信号Da〜Dfを作成することに
よってブラシレスモータ5が出力するトルクを制御する
ことができる。
【0142】図16はブラシレスモータ5の回転数と効
率が最大となる転流タイミングの位相を示す図である。
図16に示すように回転数によって効率が最大となる位
相が変化している。制御部10はこの回転数ごとに効率
が最大となる位相を記憶している。そして、制御部10
はロータ位置信号Hu、Hv、Hwから得られるブラシ
レスモータ5の回転数に基づいて記憶している位相に転
流のタイミングの位相を制御する。
【0143】どの回転数でも効率が最大であるため、ブ
ラシレスモータ5に流れるモータ電流が最小値となる。
過負荷状態等でも制御部10が過電流状態になりにくく
なっている。そのため、運転が過電流のために途中で停
止するのが防止され、継続運転が可能である。このと
き、上述のように位置検出間隔Tnから位置検出間隔差
ΔTnを上記第1の実施形態又は上記第2の実施形態の
ように求め、PWMデューティを修正することでロータ
の1回転で周期的に変動する負荷に対して回転速度の変
動が小さくなり振動が低減される。
【0144】但し、このように転流タイミングを制御す
る場合は、上記第1の実施形態のようなPWMデューテ
ィを変更する場合ほどトルクを大きく変更できない。位
相制御可能な位相の範囲に限度があり、この限度を超え
るとトルクの制御が困難になり、また振動や騒音が大き
くなってしまうからである。
【0145】また、上記第2の実施形態〜上記第6の実
施形態において、本実施形態のように回転数を検出し、
回転数に応じて転流タイミングを調整することで、最大
効率で運転することができるようになる。
【0146】<第13の実施形態>次に本発明の第13
の実施形態について説明する。図9は第13の実施形態
の圧縮機用モータの制御装置のブロック図である。ブロ
ック各部についてはすでに説明したとおりであるので説
明を省略する。上記第7の実施形態のように制御部10
はロータ位置信号Hu、Hv、Hwからロータ位置検出
間隔差ΔTnを求め、PWMデューティを補正し、1回
転中の負荷トルクの変動に対しても回転速度の変化が小
さくなるようにすることで、振動を抑制する。本実施形
態では更に直流電流検出手段14でインバータ回路4に
流れる直流電流値を検出し、その直流電流値に基づいて
転流タイミングの位相制御を行う。
【0147】図17はブラシレスモータ5の回転数とト
ルクが最大となる転流タイミングの位相と効率が最大と
なる転流タイミングの位相の関係を示す図である。図1
7に示すようにブラシレスモータ5の回転数に対してト
ルクが最大となる転流タイミングの位相を示す曲線C1
と、効率が最大となる位相を示す曲線C2は異なってい
る。
【0148】制御部10は回転数ごとにトルクが最大と
なる位相と効率が最大となる位相を記憶している。制御
部10は直流電流検出手段14で検出された直流電流値
が過電流レベルになるまでの所定の値より小さいときに
は、トルクが最大となる位相の転流タイミングで駆動信
号Da〜Dfを作成する。直流電流値がその所定の値を
超えたときには制御部10は効率が最大となる位相の転
流タイミングで駆動信号Da〜Dfを作成する。
【0149】図18は本実施形態のモータの制御装置の
動作を示す波形図である。ロータの1回転において圧縮
機の負荷変動により直流電流も変動し、負荷が大きいと
きには大きく、負荷が小さいときには小さくなってい
る。期間T0とT1とT11では直流電流が最も小さいレベ
ルI1である。期間T2とT9とT10では直流電流がI1
りも大きいレベルI2である。
【0150】期間T3とT8では直流電流がI2よりも大
きいレベルI3である。期間T4とT7では直流電流がI3
よりも大きいレベルI4である。期間T5とT6では直流
電流が最も大きいレベルI5である。モータ駆動信号V
u、Vv、Vwは上記第7の実施形態と同じく直流電流
に基づく転流タイミングの位相制御を行っていない場合
のインバータ回路4からブラシレスモータ5の巻線L
u、Lv、Lwにそれぞれ印加される信号である。これ
は後述する本実施形態の動作と比較するために示したも
のである。
【0151】期間T0とT1ではモータ駆動信号VuがP
WMされた信号となり、モータ駆動信号Vv、Vwがグ
ランドレベルとなる。期間T2とT3ではモータ駆動信号
VvがPWMされた信号となり、モータ駆動信号Vu、
Vwがグランドレベルとなる。期間T4とT5ではモータ
駆動信号VwがPWMされた信号となりモータ駆動信号
Vu、Vvがローレベルとなる。期間T6〜T11は期間
0〜T5を繰り返している。
【0152】モータ駆動信号Vu’、Vv’、Vw’は
本実施形態の圧縮機用モータの制御装置において、イン
バータ回路4からブラシレスモータ5の巻線Lu、L
v、Lwに印加される信号である。ここでは直流電流I
1〜I5はすべて所定の値より小さいものとする。
【0153】期間T0からモータ駆動信号Vu’はPW
Mされた信号となっている。このとき、期間T0の開始
時の直流電流I1は所定の値より小さいので、その時の
回転数で最大トルクが得られるように転流のタイミング
を制御する。転流のタイミングはロータ位置信号Hu、
Hv、Hwから得られるモータ駆動信号Vuから得られ
るタイミングと等しく、その差Δdt0はゼロである。
【0154】期間T2の開始時の直流電流I2は所定の値
より小さいので、その時の回転数で最大トルクが得られ
るように転流のタイミングは期間T2の開始からΔdt1
遅れている。期間T2の開始からΔdt1遅れた時にPW
Mされた信号はモータ駆動信号Vu’からVv’に切り
替わる。
【0155】期間T4の開始時の直流電流はI4は所定の
値より小さいので、その時の回転数で最大トルクが得ら
れるように転流のタイミングは期間T4の開始からΔd
2遅れている。期間T4の開始からΔdt2遅れた時に
PWMされた信号はモータ駆動信号Vv’からVw’に
切り替わる。
【0156】期間T6の開始時の直流電流I5は所定の値
より小さいので、その時の回転数で最大トルクが得られ
るように転流のタイミングは期間T6の開始からΔdt3
遅れている。期間T6の開始からΔdt3遅れた時にPW
Mされた信号はモータ駆動信号Vw’からVu’に切り
替わる。
【0157】期間T8の開始時の直流電流I3は所定の値
より小さいので、その時の回転数で最大トルクが得られ
るように転流のタイミングは期間T8の開始からΔdt4
遅れている。期間T8の開始からΔdt4遅れた時にPW
Mされた信号はモータ駆動信号Vu’からVv’に切り
替わる。
【0158】期間T10の開始時の直流電流I2は所定の
値より小さいので、その時の回転数で最大トルクが得ら
れるように転流のタイミングは期間T10の開始からΔd
5遅れている。期間T10の開始からΔdt5遅れた時に
PWMされた信号はモータ駆動信号Vv’からVw’に
切り替わる。
【0159】このように直流電流が所定の値より小さい
ときには、最大トルクが得られるように制御部10が転
流のタイミングを制御するので、負荷変動に対する振動
抑制効果が更に向上する。逆に直流電流が所定の値より
大きいときには最大効率が得られるように制御部10が
転流のタイミングを制御するので、直流電流の増加を抑
制し、過負荷状態等でも過電流からインバータ回路4を
保護するために圧縮機の動作が停止せず、運転が継続で
きる。
【0160】なお、図18ではロータ位置信号Hu、H
v、Hwに対してモータ駆動信号Vu’、Vv’、V
w’が遅れ位相となるように制御していたが、1周期前
のデータを現在のブラシレスモータ5の回転状態である
とみなして制御部10で処理しているので、ロータ位置
信号Hu、Hv、Hwに対してモータ駆動信号Vu’、
Vv’、Vw’が進み位相となるように制御することも
できる。
【0161】また、直流電流検出手段14を使用せず、
図11に示すような交流電流検出手段15を利用して、
交流電源1から圧縮機用モータの制御装置に流れる交流
電流を検出し、その交流電流値が所定の値より小さいと
きに、その時のブラシレスモータ5の回転数で最大のト
ルクが得られるように転流のタイミングを制御し、所定
の値より大きいときに、その時のブラシレスモータ5の
回転数で最大の効率が得られるように転流のタイミング
を制御するようにすることもできる。
【0162】同様に、直流検出手段14や交流電流検出
手段15を使用せず、図12に示すようにモータ電流検
出手段16でブラシレスモータ5に流れる電流を検出
し、その検出された電流値が所定の値より小さいとき
に、その時のブラシレスモータ5の回転数で最大のトル
クが得られるように転流のタイミングを制御し、所定の
値より大きいときに、その時のブラシレスモータ5の回
転数で最大の効率が得られるように転流のタイミングを
制御するようにすることもできる。
【0163】また、上記第2の実施形態〜上記第6の実
施形態においても、本実施形態のように直流電流検出手
段14を設け、直流電流を検出し、直流電流に基づいて
転流のタイミングを制御することができる。
【0164】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明では、
ブラシレスモータの誘起電圧を誘起電圧検出回路で検出
し、この検出された誘起電圧を基準電圧生成回路から得
られる基準電圧と比較手段で比較することで、ロータ位
置を検出する。このように検出されたロータ位置信号に
基づいて制御部はモータの1周期を複数区間に分割する
とともに各区間の時間間隔を検出し、それぞれの区間に
ついて前後の対称な区間の時間間隔の差を求め、その差
に基づいて駆動信号を生成する。基準電圧に変動があっ
ても時間間隔の差では変動分がキャンセルされる。その
ため、1回転中の負荷変動によるロータ位置の変動を正
確に検出することができるので、その差に基づいて駆動
信号を生成することで振動を確実に抑制できる。また、
誘起電圧検出回路はロータ位置の検出を正確にするため
に特別な位相補償回路等を必要としないので、低コスト
で制御を行うことができる。
【0165】また、第2の発明では、時間間隔の差は各
区間について1つ後の区間の時間間隔Tn+1から1つ前
の区間の時間間隔Tn-1を減算したTn+1−Tn-1であ
る。各区間について直前と直後の区間の時間間隔から差
を求めているので正確に負荷の変動を検出できる。
【0166】また、第3の発明では、各区間について前
後に2区間ずつの時間間隔を使って時間間隔を使って差
が求められているので、負荷トルクの変動を顕著にする
ことができる。これにより負荷の変動に対しての制御の
精度向上が可能である。
【0167】また、第4の発明では、制御部は求めた時
間間隔の差の正負によって2値動作するので処理が簡単
になり、安価なCPU(中央演算装置)を使って制御で
きるようになる。また、ブラシレスモータに印加される
電圧が予め上限値及び下限値が設定されているので、制
御によって逆に振動が大きくなることや制御が発散する
などのおそれがなくなり、制御の安定性が増す。
【0168】また、第5の発明では、3値動作するの
で、処理が簡単になり、安価なCPUを使って制御でき
るようになる。また、第4の発明のような2値動作に比
べて滑らかにトルクを変化させることができるので、振
動抑制効果が上がる。
【0169】また、第6の発明では、所定回転数以下の
範囲において、モータの回転数が大きいときにモータに
流れる電流の変化を小さくすることでモータ電流を抑制
しながらトルク制御を行うことができるので振動抑制で
きる回転数範囲が広がる。
【0170】また、第7の発明では、ブラシレスモータ
の各相巻線がスター結線された仮想中性点の電圧を基準
電圧としている。これにより、変動の小さい基準電圧を
得ることができる
【0171】また、第8の発明では、インバータ回路に
入力される電圧を分圧することでも基準電圧とすること
ができる。この場合、基準電圧に変動が生じやすいが、
基準電圧の変動はキャンセルされて負荷変動が検出され
るので振動が増大することがない。
【0172】また、第9の発明では、電流検出手段でイ
ンバータ回路に流れる電流が検出され、制御部がその検
出された電流が大きくなるに従って補正量を小さくする
ので、圧縮機が過負荷状態となり、インバータ回路に流
れる電流が増加してもモータの減磁やインバータ回路の
過電流の検出によって運転が停止してしまうことがなく
なる。つまり過負荷状態においてもトルク制御を行いな
がらモータ電流を低減し、連続運転を可能としている。
また素子の温度上昇や破壊も抑制される。
【0173】また、第10の発明では、モータの制御装
置に入力される交流の電流を電流検出手段で検出し、制
御部がその検出された電流が大きくなるに従って補正量
を小さくするので、圧縮機の過負荷状態となり、インバ
ータ回路に流れる電流が増加してもモータの減磁やイン
バータ回路の過電流の検出によって運転が停止してしま
うことがなくなる。つまり過負荷状態においてもトルク
制御を行いながらモータ電流を低減し、連続運転を可能
としている。
【0174】また、第11の発明では、ブラシレスモー
タに流れる電流が電流検出手段で検出され、制御部がそ
の検出された電流が大きくなるに従って補正量を小さく
するので、圧縮機の過負荷状態となり、インバータ回路
に流れる電流が増加してもモータの減磁やインバータ回
路の過電流の検出によって運転が停止してしまうことが
なくなる。つまり過負荷状態においてもトルク制御を行
いながらモータ電流を低減し、連続運転を可能としてい
る。
【0175】また、第12の発明では、ロータ位置検出
回路はモータに流れる電流によって出力するロータ位置
信号に位相の遅れや進みが生じる場合があったとして
も、前記インバータ回路に流れる電流を検出する電流検
出手段を備え、前記電流検出手段で検出された電流が大
きくなるに従って前記時間間隔を小さくすることで、
縮機の振動が抑制される。
【0176】また、第13の発明では、前記ブラシレス
モータの回転数ごとに効率最大の転流タイミング位相を
記憶しているとともに、その検出回数に対応する効率最
大の転流タイミング位相を用いて前記ブラシレスモータ
に通電する転流タイミングを修正する。これにより、ブ
ラシレスモータに流れる電流を低減し、モータの減磁や
インバータ回路の過電流の検出等によって運転が停止し
てしまうことがないようにしている。
【0177】また、第14の発明では、モータの制御装
置は電流検出手段で検出された電流に基づいて転流タイ
ミングを修正している。例えば電流が小さいときには振
動が小さくなるように転流タイミングを調整し、電流が
大きいときは効率が最大となるように転流タイミングを
調整すると過負荷状態でも過電流等を検出して運転が停
止してしまうことがないようになる。
【0178】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第
11、第12の実施形態の圧縮機用モータの制御装置の
ブロック図。
【図2】 その制御装置のロータ位置検出回路が誘起電
圧からロータ位置信号を検出する方法を示す図。
【図3】 第1の実施形態のロータの1回転中の負荷ト
ルクと位置検出間隔差との関係を示す図。
【図4】 第2の実施形態の圧縮機用モータの制御装置
の位置検出間隔差の検出方法を示す図。
【図5】 第3の実施形態の圧縮機用モータの制御装置
の制御部でPWMデューティの補正方法を示す図。
【図6】 第4の実施形態の圧縮機用モータの制御装置
の制御部でPWMデューティの補正方法を示す図。
【図7】 第5の実施形態の圧縮機用モータの制御装置
の回転数とPWMデューティの補正量の関係を示す図。
【図8】 本発明の第6の実施形態の圧縮機用モータの
制御装置のブロック図。
【図9】 本発明の第7、第10、第13の実施形態の
圧縮機用モータの制御装置のブロック図。
【図10】 第7の実施形態の圧縮機用モータの制御装
置の直流電流によりPWMデューティを補正する方法を
示す図。
【図11】 本発明の第8の実施形態の圧縮機用モータ
の制御装置のブロック図。
【図12】 本発明の第9の実施形態の圧縮機用モータ
の制御装置のブロック図。
【図13】 第10の実施形態の圧縮機用モータの制御
装置のモータ電流とロータ位置信号の位相の関係を示す
図。
【図14】 第11の実施形態の圧縮機用モータの制御
装置のロータ位置信号の修正方法を示す図。
【図15】 ブラシレスモータに印加する電流の転流タ
イミングとトルクの関係を示す図。
【図16】 第12の実施形態の圧縮機用モータの制御
装置の回転数ごとの転流タイミングの位相の補正を示す
図。
【図17】 ブラシレスモータの回転数に対してトルク
が最大となる転流タイミングの位相と効率が最大となる
転流タイミングの位相の関係を示す図。
【図18】 第13の実施形態の圧縮機用モータの制御
装置の動作を示す図。
【図19】 圧縮機用モータの制御装置の基準電圧の変
動とロータ位置検出間隔との関係を示す図。
【符号の説明】
1 交流電源 2 整流回路 3 平滑回路 4 インバータ回路 4a〜4f NPN型トランジスタ 4g〜4l ダイオード 5 ブラシレスモータ 6 力率改善回路 7a、7b、7c 誘起電圧検出回路 8 基準電圧検出回路 9a、9b、9c 比較検出回路 10 制御部 11 ドライブ回路 12a、12b 抵抗 13 基準電圧検出回路 14 直流電流検出手段 15 交流電流検出手段 16 モータ電流検出手段 20 ロータ位置検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/18

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転により負荷に周期的な変動が現れる
    装置を駆動するブラシレスモータを駆動するインバータ
    回路と、基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、前記
    ブラシレスモータの誘起電圧を検出する誘起電圧検出回
    路と、前記基準電圧と前記誘起電圧を比較してロータ位
    置信号を出力する比較手段と、相切換タイミングが前記
    ロータ位置信号に同期した駆動信号を生成するとともに
    該駆動信号におけるPWMの平均デューティに補正量を
    施す制御部とを備えたモータの制御装置において、 前記制御部は前記ロータ位置信号に基づいて前記変動の
    周期を複数区間に分割するとともに前記各区間の時間間
    隔を検出し、前記各区間について前後の対称な区間の時
    間間隔の差を求め、一回転前における前後の対称な区間
    の時間間隔の差が大きい場合には補正量を大きくし、差
    が小さい場合には補正量を小さくするように前記各区間
    の駆動信号を生成することを特徴とするモータの制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記差は前記各区間について1つ後の区
    間の時間間隔Tn+1から1つ前の区間の時間間隔Tn-1
    減算したTn+1−Tn-1であることを特徴とする請求項1
    に記載のモータの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記差は前記各区間について1つ後の区
    間の時間間隔Tn+1と2つ後の区間の時間間隔Tn+2をK
    (但し、K≧1)で割ったものとの和から1つ前の区間
    の時間間隔Tn-1と2つ前の区間の時間間隔Tn-2をKで
    割ったものとの和を減算した((1/K)・Tn+2+T
    n+1)−(Tn-1+(1/K)・Tn-2)であることを特
    徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御部は前記差が正であるときには
    前記平均デューティをα倍(α〉1)し、前記差が負で
    あるときには前記平均デューティを1/β倍(β〉1)
    することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のモ
    ータの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御部は時間間隔の差による駆動信
    号の補正を正の一定値補正、無補正、負の一定値補正の
    3値化によって行い、その差の絶対値が補正を施す必要
    がある閾値を超えるか否かによって補正状態を前記3つ
    の状態に切り替えることを特徴とする請求項2又は請求
    項3に記載のモータの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御部は前記ロータ位置信号から前
    記ブラシレスモータの回転数を検出し、前記回転数が
    500rpmより小さいときには前記回転数に比例する
    数値で前記補正量を除算することを特徴とする請求項1
    記載のモータの制御装置。
  7. 【請求項7】 前記基準電圧生成回路は前記ブラシレス
    モータの各相巻線をスター結線した仮想中性点の電圧を
    前記基準電圧とすることを特徴とする請求項1乃至請求
    項6のいずれかに記載のモータの制御装置。
  8. 【請求項8】 前記基準電圧生成回路は前記インバータ
    回路に入力される電圧を分圧して前記基準電圧とするこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    のモータの制御装置。
  9. 【請求項9】 前記インバータ回路に流れる電流を検出
    する電流検出手段を備え、前記制御部は前記電流検出手
    段で検出された電流が大きくなるに従って前記補正量を
    小さくすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載のモータの制御装置。
  10. 【請求項10】 交流を直流に整流して前記インバータ
    回路に供給する整流回路と、前記交流の電流を検出する
    電流検出手段とを備え、前記制御部は前記電流検出手段
    で検出された電流が大きくなるに従って前記補正量を小
    さくすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れかに記載のモータの制御装置。
  11. 【請求項11】 前記ブラシレスモータに流れる電流を
    検出する電流検出手段を備え、前記制御部は前記電流検
    出手段で検出された電流が大きくなるに従って前記補正
    量を小さくすることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載のモータの制御装置。
  12. 【請求項12】 前記インバータ回路に流れる電流を検
    出する電流検出手段を備え、前記電流検出手段で検出さ
    れた電流が大きくなるに従って前記制御部は前記時間間
    隔を小さくすることを特徴とする請求項1乃至請求項8
    のいずれかに記載のモータの制御装置。
  13. 【請求項13】 前記制御部は前記ブラシレスモータの
    回転数ごとに効率最大の転流タイミング位相を記憶して
    いるとともに、その検出回数に対応する効率最大の転流
    タイミング位相を用いて前記ブラシレスモータに通電す
    る転流タイミングを修正することを特徴とする請求項1
    乃至請求項5のいずれかに記載のモータの制御装置。
  14. 【請求項14】 前記制御部は前記ブラシレスモータの
    回転数ごとに効率最大の転流タイミング位相とトルク最
    大の転流タイミング位相とを記憶しているとともに、前
    記検出された電流の大きさで前記効率最大の転流タイミ
    ング位相かトルク最大の転流タイミング位相かを選択し
    前記ブラシレスモータに通電する転流タイミングを修
    正することを特徴とする請求項9乃至請求項11のいず
    れかに記載のモータの制御装置。
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