JP2551087Y2 - 湯水混合栓 - Google Patents

湯水混合栓

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JP2551087Y2
JP2551087Y2 JP1188892U JP1188892U JP2551087Y2 JP 2551087 Y2 JP2551087 Y2 JP 2551087Y2 JP 1188892 U JP1188892 U JP 1188892U JP 1188892 U JP1188892 U JP 1188892U JP 2551087 Y2 JP2551087 Y2 JP 2551087Y2
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正 寿 榎
永 修 徳
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東陶機器株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、給湯源から供給される
高温水(湯)と給水源から供給される低温水(水)とを
混合させて、所望の温度の混合温水を吐出口から吐出さ
せるようにした湯水混合栓、特にカートリッジケースの
内部に互いに相対的に摺動して止水および所望温度の混
合温水を生成する弁を収容しユニット化して構成したバ
ルブカートリッジの小型軽量化を図った湯水混合栓に関
する。
【0002】
【従来の技術】台所、浴室、洗面所など、30℃〜45
℃程度の温水を使用する場所においては、湯と水とが同
時に供給され、これらを適量混合して適温の温水を吐出
し得るようにした湯水混合栓が用いられている。
【0003】この種の湯水混合栓としては、略円筒状の
カートリッジケース内に相対的に摺動して止水および所
望温度の混合温水の生成を行う固定弁体と可動弁体およ
び該可動弁体の移動機構を収容してバルブカートリッジ
を構成し、このバルブカートリッジを栓本体に回転不能
に取付ける手段として、前記カートリッジケースの外底
面部に下方に突出した突起を、弁室の内底面部に凹孔と
をそれぞれ形成して、前記突起を前記凹孔内に嵌入させ
るようにしたものが提案されている(例えば特開昭57
−200775号公報、実開平2−71177号公報等
参照)。
【0004】ここに、前記可動弁体を固体弁体に対して
相対的に移動させるための移動機構操作用のレバーハン
ドルの回転規制(レバーハンドルの回転の停止)は、バ
ルブカートリッジの上部で、レバーハンドルと一体に回
転する回動部材をカートリッジケース内周面に固着した
ストッパに衝突させることによって行われている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のように、バルブカートリッジをそのバルブケーシ
ングの底部で回転不能に栓本体に取付け、レバーハンド
ルに対する回転規制をバルブカートリッジの上部で行う
と、バルブカートリッジの支持部とレバーハンドルによ
る曲げモーメントを受ける部分との該カートリッジの軸
線に沿った距離が長くなり、レバーハンドルの回転を規
制(停止)する際、カートリッジケースにかなり大きな
捩りモーメントが作用してしまう。従って、カートリッ
ジケースの肉厚をこの捩りモーメントに耐え得る強度を
有する大きさに設定する必要があり、この結果、カート
リッジケースの外形、ひいてはバルブカートリッジ自体
の大型化に繋がってしまうといった問題点があった。
【0006】本考案は上記に鑑み、カートリッジケース
に大きな捩りモーメント力が作用してしまうことを防止
することにより、カートリッジケースの肉厚を極力減少
させ、これによってカートリッジケース、ひいてはバル
ブカートリッジ自体の小型軽量化を図ったものを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案に係る湯水混合栓は、略円筒状のカートリッ
ジケースの内部に相対的に摺動して止水および所望温度
の混合温水の生成を行う固定弁体と可動弁体および該可
動弁体の移動機構を収容したバルブカートリッジと、こ
のバルブカートリッジを上端開口部内に収容し前記両弁
体間を通過させてバルブカートリッジ内に水および湯を
導く流路を形成した栓本体とを有する湯水混合栓であっ
て、前記栓本体の上縁部に回止め用の切欠きを設けると
ともに、前記カートリッジケースの上部外周面に前記切
欠きに係合する係合突起を設けたことを特徴とするもの
である。
【0008】
【作用】上記のように構成した本考案によれば、カート
リッジケースの上部外周面に設けた突起を栓本体の上縁
部に設けた切欠きに係合させることにより、バルブカー
トリッジをその上部において栓本体に回転不能に固定す
ることができ、これによってバルブカートリッジの支持
部とレバーハンドルによる曲げモーメントを受ける部分
との該カートリッジの軸線に沿った距離を極力短くし
て、カートリッジケースに大きな捩りモーメント力が作
用しないようになして、この薄肉化を図ることができ
る。
【0009】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。
【0010】図9において、湯水混合栓10は、給水源
11に接続された水流入路12と、給湯源13に接続さ
れた湯流入路14と、水と湯が混合されて混合温水が生
成される混合室15と、水流入路12および湯流入路1
4と混合室15との間に配設され、混合室15内に流入
する水と湯の流量比を設定温度に対応して自動調節する
自動温度調節部16と、前記混合室15に連通する混合
水流路17と、前記水流入路12および湯流入路14の
途中から延びて前記自動温度調節部16をバイパスする
水バイパス流路18aおよび湯バイパス通路18bと、
この各バイパス流路18a,18bと前記混合水流路1
7からの流量を開閉および流量制御するバルブ部19
と、このバルブ部19の下流側位置に設けられた吐出口
20とから構成されている。
【0011】これにより、自動温度調節部16で水およ
び湯の混合比が自動調節されて混合室15で所定温度
(適温)の混合温水が生成され、更にバルブ部19によ
り水バイパス流路18a或いは湯バイパス流路18bを
経由して適当な流量の水或いは湯を前記混合温水に加え
ることにより、自動温度調節部16で設定された設定温
度(適温)より低いか或いは高い温度の温水を容易に得
て吐出口20から吐出させることができるようなされて
いる。
【0012】なお、前記自動温度調節部16には、ここ
での設定温度を自由に調整するための設定温度調整部2
1が備えられている。
【0013】前記湯水混合栓10の分解斜視図を図1
に、縦断正面図を図2に示す。
【0014】同図において、符番31は栓本体で、この
内部に、図ではその一部を省略しているが、前記水流入
路12、湯流入路13、自動温度調節部16、混合温水
流路17および水バイパス流路18a,湯バイパス流路
18b等が備えられている。また、この栓本体31の上
部に上方に開口して形成された開口部31a内に、前記
バルブ部19等をユニット化して備えた、例えばセラミ
ック製のバルブカートリッジ32が収納されている。
【0015】このバルブカートリッジ32は、図3に詳
細に示すように、略円筒状のカートリッジケース33
と、前記バルブ部19を構成する第1,第2固定弁体3
4,35および可動弁体36と、この可動弁体36を第
2固定弁体35に対して相対的に移動させる移動機構3
7とから主に構成されている。
【0016】前記可動弁体36は、これを前記移動機構
37を介して前記第2固定弁体35に対して相対的に摺
動させることにより、止水および所望温度の混合温水の
生成を行うためのものである。
【0017】即ち、前記第1固定弁体34は、側方への
突片34aを介してカートリッジケース33の下端に位
置決め固定されるものであり、この内部に前記混合水流
路17、湯バイパス流路18b及び水バイパス流路18
aにそれぞれ連通する計3個の流入孔38a,39a,
40aが設けられている。また、第2固定弁体35は、
上方への突起34bを介して第1固定弁体34に位置決
め固定されるものであり、この内部に前記3個の流入孔
38a,39a,40aにそれぞれ連通する流入孔38
b,39b,40bが設けられている。
【0018】一方、可動弁体36は、第2固定弁体35
より小径であるが、第2固定弁体35に重ね合わせた
時、第2固定弁体35からはみ出さない限り、どのよう
な位置においても第2固定弁体35に設けられた前記3
つの流入孔38b,39b,40bをカバーできる大き
さに設定され、第2固定弁体35上にあらゆる方向への
直線的進退運動も円運動も可能なように重ね合わされて
いるとともに、第2固定弁体35との摺接面に、周縁部
の一部を切欠いた流出部41が設けられている。この流
出部41は、前記第2固定弁体35に設けられた3つの
流入孔38b,39b,40bとほぼ同じ大きさか若干
大きな円弧形状を有している。
【0019】更に、前記カートリッジケース33の下部
周壁には切欠き33aが、前記固定弁体34,35のこ
の切欠き33aに対応する位置には切除部34c,35
aがそれぞれ設けられ、これによって、ここにバルブカ
ートリッジ32の内部と前記吐出口20に連通する吐出
流路が形成されている。このように、バルブ部19の下
流側から吐出口20に連通する吐出流路をカートリッジ
ケース33の内部に形成することによって、バルブカー
トリッジ32としての小型化を図ることができる。
【0020】前記移動機構37は、前記カートリッジケ
ース33の内部にロック機構42を介して回転自在かつ
脱出不能に保持された略円筒状の回動部材43と、この
回動部材43の中心部に設けられた長孔に沿ってピン4
4を介して一方向に揺動できるよう装着された十字継手
45とから主に構成され、前記十字継手45は、セラミ
ック板46の中央孔46aを通過して回動部材43の下
方まで延びて、横断面矩形状に形成された下端が前記可
動弁体36の中央に形成された横断面矩形状の凹部36
a内まで達している。
【0021】これにより、前記十字継手45のピン44
を中心とした揺動に伴って可動弁体36が前後動し、十
字継手44の回転に伴って、回動部材43および可動弁
体35が同期して同方向に回転するようなされている。
【0022】ここに、前記回転部材43には、ストッパ
片43aが突設され、一方カートリッジケース33に
は、このストッパ片43aに当接してこの回転を規制す
るストッパ面33bが形成されている。即ち、十字部材
45の回転に伴って回動部材43が回転し、この回転が
所定量に達した時、回動部材43のストッパ片43aが
カートリッジケース33のストッパ面33bに当接し
て、これ以上回転できないよう構成されている。
【0023】前記バルブカートリッジ32を前記栓本体
31に回転不能に取付けるため、前記栓本体31の上縁
部には、回止め用の切欠き31bが設けられ、一方、前
記カートリッジケース33の上部外周面には、前記切欠
き31bに係合する係合突起33cが突設されている。
そして、前記切欠き31b内に前記係合突起33bを嵌
入係合させることにより、バルブカートリッジ32の栓
本体31への回転不能の組み込みが行われる。
【0024】これにより、バルブカートリッジ33をそ
の上部において栓本体31に回転不能に固定することが
でき、バルブカートリッジ33の支持部、即ち切欠き3
1bと係合突起33bとの係合部と、下記のレバーハン
ドル51によって曲げモーメントを受ける部分、即ちス
トッパ面33bとストッパ片43aとの当接部との該カ
ートリッジ33の軸線に沿った距離を極力短くして、カ
ートリッジケース33に大きな捩りモーメント力が作用
しないようになして、この薄肉化を図ることができるよ
うなされている。
【0025】前記バルブカートリッジ33は、カートリ
ッジ押え47を栓本体31の上部に螺合させることによ
って固定されるのであるが、このカートリッジ押え47
の螺合に伴って、上端にインデックス48を支持するイ
ンデックス支持台49も突片49aを介して位置決めさ
れつつ固定されている。これによって、インデックス4
8は、回転不能に、即ち下記のレバーハンドル51の回
転によって回転してしまうことがないように支持されて
いる。
【0026】更に、前記インデックス支持台49の周囲
を囲撓して、略円筒状のハンドルカバー50が配置さ
れ、このハンドルカバー50の周壁に設けた開口をレバ
ーハンドル51が通過して、このレバーハンドル51の
基端が歯付座金52および皿小ねじ53を介して前記十
字継手45に連結されている。そして、レバーハンドル
51の上下方向の移動に伴って前記十字継手45、ひい
ては可動弁体36が一方向に移動し、レバーハンドル5
1の回転に伴って可動弁体36が回転し、同時に回動部
材43も回転するよう構成されている。
【0027】次に、前記バルブ部19の動作を図4乃至
図8を参照して説明する。
【0028】図4において、第2固定弁体35の3つの
流入孔38b,39b,40bは、可動弁体36により
全て塞げれて吐出が停止されている。この状態におい
て、レバーハンドル51は、中央部にあってかつ最も上
方の位置にある。
【0029】この図4に示す状態から、レバーハンドル
51を最も下方の位置まで押し下げると、可動弁体36
は後退して、図5に示す状態となり、流出部41が混合
温水流入孔38bと整合して自動温度調節部16で設定
した適温の温水が吐出される。この混合温水(適温湯)
の吐出流量は、可動弁体36の移動位置によって変化
し、最も後退位置(図5の状態)にある時、最大吐出流
量が得られる。
【0030】続いて、レバーハンドル61を左に回転さ
せると、可動弁体36も左に回転し、流出部41は、混
合温水流入孔38bと水流入孔39bの双方に整合し
て、吐出口20に連通する吐出流路へは適温の湯に冷水
が混合された低温の温水が流出することになる。この可
動弁体36の回転の過程において、流出部41の混合温
水流入孔38bと水流入孔39bとに対する整合割合が
反比例的に変化し、即ち混合温水流入孔38bの整合割
合が減少し水流入孔39bの整合割合が増加する。そし
て、さらに左に回転させることにより、図7に示すよう
に、流出部41が水流入孔39bにのみ整合するように
なり、低温の水のみが吐出される。
【0031】この状態でレバーハンドル51を上方に引
き上げれば、可動弁体36が前進し、図8に示すよう
に、流出部41と水流入部39bとの整合が外れ、これ
によって水の吐出を停止させることができる。
【0032】また、図5に示す状態から、レバー56a
を右に回転させることにより、湯流入孔40bにおいて
も、前記した水流入孔39bを流出部41に整合させた
のと同様な動作を行わせることができる。
【0033】即ち、レバーハンドル51の上下傾動に伴
う可動弁体36の第2固体弁体35に対する相対的な進
退により、開閉及び流量の調節を行うことができ、レバ
ーハンドル51の回動操作に伴う可動弁体36の第2固
体弁体35に対する相対的な回転により、温度の調節を
行うことができるようなされている。
【0034】
【考案の効果】本考案は上記のような構成であるので、
バルブカートリッジをその上部において栓本体に回転不
能に固定することができ、これによってバルブカートリ
ッジの支持部とレバーハンドルによる曲げモーメントを
受ける部分との該カートリッジの軸線に沿った距離を極
力短くして、カートリッジケースに大きな捩りモーメン
ト力が作用しないようにすることができる。これによっ
て、捩りモーメントとカートリッジケースの強度との関
係で、このより薄肉化を図ることができ、ひいてはバル
ブカートリッジの小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図。
【図2】同じく、縦断正面図。
【図3】同じく、バルブカートリッジの分解斜視図。
【図4】固定弁体と可動弁体の作用の説明に付する吐出
停止時の平面図。
【図5】固定弁体と可動弁体の作用の説明に付する混合
温水吐出時の平面図。
【図6】固定弁体と可動弁体の作用の説明に付する混合
温水と冷水吐出時の平面図。
【図7】固定弁体と可動弁体の作用の説明に付する冷水
吐出時の平面図。
【図8】固定弁体と可動弁体の作用の説明に付する吐出
停止時の平面図。
【図9】基本構成を示すブロック図。
【符号の説明】
10 湯水混合栓 12 水流入路 14 湯流入路 16 自動温度調節部 18a 水バイパス流路 18b 湯バイパス流路 19 バルブ部 20 吐出口 31 栓本体 31a 同開口部 31b 同切欠き 32 バルブカートリッジ 33 カートリッジケース 33b 同ストッパ面 33c 同係合突起 34 第1固定弁体 35 第2固定弁体 36 可動弁体 37 移動機構 38a,38b、39a,39b、40a,40b 流
入口 41 流出部 43 回動部材 43a ストッパ片 45 十字継手 51 レバーハンドル

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】略円筒状のカートリッジケースの内部に相
    対的に摺動して止水および所望温度の混合温水の生成を
    行う固定弁体と可動弁体および該可動弁体の移動機構を
    収容したバルブカートリッジと、このバルブカートリッ
    ジを上端開口部内に収容し前記両弁体間を通過させてバ
    ルブカートリッジ内に水および湯を導く流路を形成した
    栓本体とを有する湯水混合栓であって、前記栓本体の上
    縁部に回止め用の切欠きを設けるとともに、前記カート
    リッジケースの上部外周面に前記切欠きに係合する係合
    突起を設けたことを特徴とする湯水混合栓。
  2. 【請求項2】前記カートリッジケースの周壁には吐出口
    へ連通した切欠又は開口が設けられていることを特徴と
    する請求項1記載の湯水混合栓。
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