JP2550882Y2 - 長尺体の梱包装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、長尺体（例えば、銅
管）の周りに平板状の包装材料（例えば、ダンボール
紙）を取り囲んで配置して、前記複数の長尺体を矩形形
状に積層された状態で梱包する長尺体の梱包装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、長尺体を包装材料により梱包する
には、平板上に、図４に示すような平板状の包装材料１
を載置し、この包装材料１上に複数の長尺体Ａを複数層
積層し、これらの長尺体Ａを手で押さえながら、図５に
示すように、前記包装材料１を手で折り曲げて、この包
装材料１の端を粘着テープ２等により接着して、前記長
尺体Ａを梱包するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た長尺体の梱包方法では、手で長尺体Ａを押さえつつ包
装材料１を手で折り曲げるので、長尺体Ａが長くなると
一人では梱包することができず、複数人により前記長尺
体Ａや包装材料１を押さえて梱包しなければならず、梱
包時間や手間が多くかかるという問題がある。

【０００４】本考案は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、長尺体の梱包作業の作業性を向上させることがで
き、梱包時間や手間を大幅に削減することができる長尺
体の梱包装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案の長尺体の梱包装
置は、複数の長尺体を平板状の包装材料によって取り囲
むことにより前記複数の長尺体を略矩形状に積層させた
状態で梱包する長尺体の梱包装置において、前記包装材
料が載置される作業テーブルと、この作業テーブルへ向
けて梱包すべき１層分の複数の長尺体を搬入する搬送機
構とを備え、前記作業テーブルには搬入される前記長尺
体の１層分の幅とほぼ同一の幅を有し、かつ、前記長尺
体の長さよりも長い溝が形成され、この溝内には前記作
業テーブル上に載置される前記包装材料を吸着する吸着
手段が設けられ、この吸着手段には、この吸着手段を前
記溝の深さ方向に沿って移動させることにより前記包装
材料及びこの包装材料上に載置された長尺体を前記溝内
に引き込む昇降機構が連設されていることを特徴とす
る。

【０００６】

【作用】本考案の長尺体の梱包装置においては、作業テ
ーブル上に板状の包装材料を載置し、搬送機構により複
数の長尺体をほぼ同一平面内に並べた状態で搬送して前
記包装材料上に載置する。この後、吸着手段を作動させ
て、前記包装材料を吸引しつつ、昇降機構により前記吸
着手段を溝の深さ方向に沿って移動させる。これによ
り、前記包装材料は前記溝内に引き込まれて前記包装材
料上に載置された複数の長尺体の最外部において折れ曲
がり、前記長尺体が前記包装材料により包囲されて梱包
される。

【０００７】

【実施例】以下に、図面を参照して本考案の実施例の長
尺体の梱包装置について説明する。

【０００８】本実施例の長尺体の梱包装置は、図１に示
すように、前記包装材料１が載置される作業テーブル１
０と、この作業テーブル１０へ向けて梱包すべき１層分
の複数の長尺体Ａを搬入する搬送機構３０とを備え、前
記作業テーブル１０には搬入される前記長尺体Ａの１層
分の幅とほぼ同一の幅を有し、かつ、前記長尺体Ａの長
さよりも長い溝１２が形成され、この溝１２内には昇降
台２０が上下方向に移動可能に配置され、この昇降台２
０には前記作業テーブル１０上に載置される前記包装材
料１を吸着する吸着手段７０が設けられ、この吸着手段
７０には、この吸着手段７０を前記溝の深さ方向に沿っ
て移動させることにより前記包装材料１及びこの包装材
料１上に載置された長尺体Ａを前記溝１２内に引き込む
シリンダ（昇降機構）４０が連設されている。

【０００９】前記溝１２の上端開口部のそれぞれには、
上方に向かうにつれて開口幅が漸次拡大する傾斜面１１
が形成されており、後述するように、前記包装材料１を
引き込んだときに、包装材料１を傾斜面１１に沿ってき
れいに曲げることが可能となっている。

【００１０】前記搬送機構３０は、長尺体Ａが落下搬送
されるシュータ３１と、このシュータ３１の前端に到達
した長尺体Ａを搬送するローラコンベア３２と、このロ
ーラコンベア３２から長尺体Ａを落下させるシュータ３
３と、このシュータ３３の前端に設けられて長尺体Ａを
同一平面に位置するように整列するガイド３４と、前記
シュータ３３から供給された長尺体Ａを搬送するベルト
コンベア３５と、このベルトコンベア３５により搬送さ
れた長尺体Ａを前記作業テーブル１０上に載置された包
装材料１上に搬送するリフタ３６とを備えている。

【００１１】前記シュータ３３には、このシュータ３３
上を落下する長尺体Ａの落下を一時停止させるストッパ
３４ｂが出没自在に取り付けられている。また、前記シ
ュータ３３には、このシュータ３３上を落下する長尺体
Ａの本数を数えるカウンタ３４ａが取り付けられてお
り、このカウンタ３３の信号により前記ストッバ３４ｂ
の上流側に所定数の長尺体Ａとなったときに、前記スト
ッパ３４ｂを退入させて、複数本の長尺体Ａをまとめて
前記ベルトコンベア３５に向けて落下供給するようにし
ている。

【００１２】前記リフタ３６は、シリンダ３８ａにより
水平面内ので移動され、前記ベルトコンベア３５の前端
にまで搬送された複数の長尺体Ａの端部に係合するフッ
ク３８と、このフック３８を鉛直方向に昇降させるシリ
ンダ３７と、このシリンダ３７を水平方向に沿って案内
するガイド梁３７ａとを備えている。

【００１３】前記作業テーブル１０の側方には、この作
業テーブル１０に前記包装材料１を供給する供給装置５
０が設けられている。この供給装置５０は、前記包装材
料１が多層積層され、上部の包装材料１が搬送される度
に包装材料１の厚さ分だけ上昇させられる貯留台５１
と、この貯留台５１の上部に設けられ、貯留台５１の最
上部にある包装材料１を吸引するバキュームパッド５２
と、このバキュームパッド５２を昇降させ、前記ガイド
梁３６ａに沿って移動可能に取り付けられたシリンダ５
３とを備えている。

【００１４】図２に示すように、前記作業テーブル１０
の長手方向外側には、前記包装材料１により包囲された
長尺体Ａを搬出して貯留する搬出装置６０が設けられて
いる。この搬出装置６０は、モータ６１より包装材料１
により包囲された長尺体Ａを軸線方向に移動させる移動
台６２と、この移動台６２により搬送される包装材料１
を鋲止めする鋲止め装置６４と、前記移動台６２により
搬送された包装済みの長尺体Ａを軸線方向と直交する方
向に移送するチェーンコンベア６３とを備える。

【００１５】本実施例の長尺体の梱包装置の作用につい
て、図３に基づいて説明する。

【００１６】まず、バキュームパッド５２により包装材
料１を吸引して、シリンダ５３を縮小駆動して、前記包
装材料１を上昇させ、作業テーブル１０に向けて搬送
し、シリンダ５３を伸張駆動して前記包装材料１を作業
テーブル１０上に載置する。

【００１７】次に、長尺体Ａをシュータ３１及びローラ
コンベア３２を介してシュータ３３に供給する。この
際、ストッパ３４ｂを前記シュータ３３から突出させて
前記長尺体Ａの落下を一時停止して、カウンタ３４ａに
より所定数（包装材料１の１段に収納される数）の長尺
体Ａが通過した後に、前記ストッパ３４ｂを退入させ
て、上流に滞留した長尺体Ａをまとめてベルトコンベア
３５に向けて落下させる。

【００１８】前記長尺体Ａが、ベルトコンベア３５の前
方に搬送されたときに、シリンダ３８を駆動してフック
３８を１群となった長尺体Ａの両端部に向けて突出さ
せ、前記長尺体Ａの端部とフック３８とを係合させて、
１群の長尺体Ａを保持する。次に、シリンダ３７を縮小
駆動して前記フック３８を上方に上昇させ、ガイド梁３
７ａに沿って移動させて、前記長尺体Ａが前記作業テー
ブル１０上に載置された包装材料１の上方にて停止させ
る。シリンダ３７を伸張駆動して前記フック３８に保持
された長尺体Ａを前記包装材料１上に載置して、シリン
ダ３８ａを駆動してフック３８を退入させる（図３
（ａ）参照）。

【００１９】次に、吸着手段７０を駆動して、前記作業
テーブル１０上に載置された包装材料１の裏面を吸引す
る。そして、シリンダ４０を縮小駆動することにより、
昇降台２０を下方に前記長尺体Ａの直径分だけ移動さ
せ、前記吸着手段７０により吸引された包装材料１を下
方に向けて、前記長尺体Ａの直径分だけ引き込む。これ
により、前記包装材料１上に載置された長尺体Ａと包装
材料１とが下方に向けて引き込まれる。これにより、前
記包装材料１が前記長尺体Ａとの境界部１Ａにより上方
に向けて折り曲げられる（図３（ｂ）参照）。

【００２０】さらに、前記搬送機構３０を前記したのと
同様に駆動して、前記包装材料１上に載置された長尺体
Ａの上方に向けて、同一平面内に並べて配置された長尺
体Ａを搬送する。そして、これらの長尺体Ａを既に包装
材料１上に載置された長尺体Ａ上に載置する。そして、
前記吸着手段７０により包装材料１を吸引した状態で、
シリンダ４０を縮小駆動して、前記昇降台２０を前記長
尺体Ａの直径分だけ下方に移動させる。これにより、前
記包装材料１とこの上に２層載置された長尺体Ａとが下
方に向けて引き込まれ、前記長尺体Ａは前記境界部１Ａ
によりさらに上方に折り曲げられる（図３（ｃ）参
照）。

【００２１】前記と同様に、搬送機構３０により長尺体
Ａを順次搬送して、この搬送の度に前記昇降台２０を少
なくとも長尺体Ａの直径分だけ下降させることにより、
複数層の長尺体Ａを前記包装材料１内に収納しつつ、前
記包装材料１の端部をほぼ鉛直な状態まで立ち上げる
（図３（ｄ）参照）。次に、鉛直に立ち上がった前記包
装材料１の端部を積層された長尺体Ａの上方に折り曲げ
て、長尺体Ａを包装状態とする。

【００２２】次に、移動台６２を移動させて、前記包装
材料１により包装状態となった長尺体Ａを軸線方向に移
動させて、鋲止め装置６４により、前記包装材料１の端
部を結束して、梱包を完成させる。さらに、チェーンコ
ンベア６３を駆動して、この包装材料１により包装され
た長尺体Ａが順次送り出されて、一時貯留される。そし
て、チェーンコンベア６３上に所定数だけたまったとき
に、チェーンコンベア６３上から排出される。

【００２３】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の長尺体の
梱包装置によれば、包装材料が載置される作業テーブル
と、この作業テーブルへ向けて梱包すべき１層分の複数
の長尺体を搬入する搬送機構とを備え、前記作業テーブ
ルには搬入される前記長尺体の１層分の幅とほぼ同一の
幅を有し、かつ、前記長尺体の長さよりも長い溝が形成
され、この溝内には前記作業テーブル上に載置される前
記包装材料を吸着する吸着手段が設けられ、この吸着手
段には、この吸着手段を前記溝の深さ方向に沿って移動
させることにより前記包装材料及びこの包装材料上に載
置された長尺体を前記溝内に引き込む昇降機構が連設さ
れているので、前記作業テーブル上に板状の包装材料を
載置し、搬送機構により複数の長尺体をほぼ同一平面内
に並べた状態で前記包装材料上に搬送して前記包装材料
上に載置し、この後、前記吸着手段を作動させて前記包
装材料を吸引しつつ、前記昇降機構により下降させて前
記梱包材料及び梱包材料上に載置された長尺体を前記溝
内に引き込むと、前記包装材料は前記複数の長尺体との
境界部分から折れ曲がり、前記長尺体が前記包装材料に
より自動的に包囲される。したがって、梱包作業の作業
性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の長尺体の梱包装置を示す側
面図である。

【図２】本考案の一実施例の長尺体の梱包装置を示す平
面図である。

【図３】本考案の一実施例の長尺体の梱包装置における
包装過程を示す概略図である。

【図４】従来の包装材料を示す平面図である。

【図５】従来の包装材料により長尺体を梱包した状態を
示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 包装材料 １０ 作業テーブル １１ 傾斜面 ２０ 昇降台 ３０ 搬送機構 ３５ ベルトコンベア（搬送機構） ３６ リフタ（搬送機構） ４０ シリンダ（昇降機構） ７０ 吸着手段 Ａ 長尺体

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の長尺体を平板状の包装材料によっ
   て取り囲むことにより前記複数の長尺体を略矩形状に積
   層させた状態で梱包する長尺体の梱包装置において、前
   記包装材料が載置される作業テーブルと、この作業テー
   ブルへ向けて梱包すべき１層分の複数の長尺体を搬入す
   る搬送機構とを備え、前記作業テーブルには搬入される
   前記長尺体の１層分の幅とほぼ同一の幅を有し、かつ、
   前記長尺体の長さよりも長い溝が形成され、この溝内に
   は前記作業テーブル上に載置される前記包装材料を吸着
   する吸着手段が設けられ、この吸着手段には、この吸着
   手段を前記溝の深さ方向に沿って移動させることにより
   前記包装材料及びこの包装材料上に載置された長尺体を
   前記溝内に引き込む昇降機構が連設されていることを特
   徴とする長尺体の梱包装置。