JP2550617B2 - エステル系潤滑油組成物 - Google Patents
エステル系潤滑油組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は不飽和脂肪酸ポリオールエステルを基油とし
た酸化安定性にすぐれるエステル系潤滑油組成物に関す
るものである。
た酸化安定性にすぐれるエステル系潤滑油組成物に関す
るものである。
脂肪酸のポリオールエステルは、従来より、潤滑油の
基油として広く用いられている。潤滑油はその目的上高
温で使用されることが多いため、酸化安定性が問題とな
りやすく、上記エステルを基油とした潤滑油では使用中
に酸価の増加や粘度の変化などが起きやすかつた。そこ
で、かかる酸化安定性の改善のため、上記エステル基油
中に酸化防止剤を含ませることがよく行われている。
基油として広く用いられている。潤滑油はその目的上高
温で使用されることが多いため、酸化安定性が問題とな
りやすく、上記エステルを基油とした潤滑油では使用中
に酸価の増加や粘度の変化などが起きやすかつた。そこ
で、かかる酸化安定性の改善のため、上記エステル基油
中に酸化防止剤を含ませることがよく行われている。
このような酸化防止剤としては、たとえばジオクチル
ジフエニルアミン(特開昭53−27282号公報)、フエノ
チアジン(特開昭57−56520号公報)、N・N′−ジ第
二ブチル−p−フエニレンジアミン(特開昭53−42740
号公報)などの芳香族アミン類、1・1−ビス(4−ヒ
ドロキシフエニル)シクロヘキサン(特開昭57−135897
号公報)、4・4′−ビス−(2・6−ジイソプロピル
フエノール)(特開昭53−27282号公報)などのフエノ
ール類、アンチモンジアミルジチオカルバメート(特開
昭53−27282号公報)、ジンクジアミルジチオフオスフ
エート(特開昭53−42740号公報)などの金属塩類など
が知られている。
ジフエニルアミン(特開昭53−27282号公報)、フエノ
チアジン(特開昭57−56520号公報)、N・N′−ジ第
二ブチル−p−フエニレンジアミン(特開昭53−42740
号公報)などの芳香族アミン類、1・1−ビス(4−ヒ
ドロキシフエニル)シクロヘキサン(特開昭57−135897
号公報)、4・4′−ビス−(2・6−ジイソプロピル
フエノール)(特開昭53−27282号公報)などのフエノ
ール類、アンチモンジアミルジチオカルバメート(特開
昭53−27282号公報)、ジンクジアミルジチオフオスフ
エート(特開昭53−42740号公報)などの金属塩類など
が知られている。
しかるに、これら従来公知の酸化防止剤では、酸化安
定性の向上効果が低く、特にエステル基油がオレイン酸
に代表されるような不飽和脂肪酸を用いて合成されたポ
リオールエステルの場合、その分子内に熱的に不安定で
かつ酸化されやすい二重結合を有することが原因で、目
的とする酸化安定性の向上効果はほとんど望めなかつ
た。
定性の向上効果が低く、特にエステル基油がオレイン酸
に代表されるような不飽和脂肪酸を用いて合成されたポ
リオールエステルの場合、その分子内に熱的に不安定で
かつ酸化されやすい二重結合を有することが原因で、目
的とする酸化安定性の向上効果はほとんど望めなかつ
た。
したがつて、本発明は、上記従来の問題点に鑑み、不
飽和脂肪酸ポリオールエステルを基油としたエステル系
潤滑油組成物の酸化安定性の大幅な改善を図り、使用中
での酸価の増加や粘度の変化の少ない長寿命の上記潤滑
油組成物を提供することを目的としている。
飽和脂肪酸ポリオールエステルを基油としたエステル系
潤滑油組成物の酸化安定性の大幅な改善を図り、使用中
での酸価の増加や粘度の変化の少ない長寿命の上記潤滑
油組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討
を重ねた結果、エステル基油に配合する酸化防止剤とし
て特定のフエノール系酸化防止剤を二種組み合わせて使
用し、これらを上記の基油にそれぞれ特定量含ませるよ
うにしたときには、使用中での酸価の増加や粘度の変化
の少ない酸化安定性に非常にすぐれた長寿命のエステル
系潤滑油組成物が得られるものであることを知り、本発
明を完成するに至つた。
を重ねた結果、エステル基油に配合する酸化防止剤とし
て特定のフエノール系酸化防止剤を二種組み合わせて使
用し、これらを上記の基油にそれぞれ特定量含ませるよ
うにしたときには、使用中での酸価の増加や粘度の変化
の少ない酸化安定性に非常にすぐれた長寿命のエステル
系潤滑油組成物が得られるものであることを知り、本発
明を完成するに至つた。
すなわち、本発明は、不飽和脂肪酸ポリオールエステ
ルを基油としたエステル系潤滑油組成物において、上記
の基油に対し2・6−ジ−tert−ブチル−フエノール、
2・6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4・4−
メチレンビス(2・6−ジ−tert−ブチル−フエノー
ル)または2・5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン
〔以下、これらを酸化防止剤Aと総称する〕を0.2〜1.8
重量%および4・4−ブチリデン−ビス(3−メチル−
6−tert−ブチル−フエノール)〔以下、これを酸化防
止剤Bという〕を0.1〜0.7重量%含有させたことを特徴
とするエステル系潤滑油組成物に係るものである。
ルを基油としたエステル系潤滑油組成物において、上記
の基油に対し2・6−ジ−tert−ブチル−フエノール、
2・6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4・4−
メチレンビス(2・6−ジ−tert−ブチル−フエノー
ル)または2・5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン
〔以下、これらを酸化防止剤Aと総称する〕を0.2〜1.8
重量%および4・4−ブチリデン−ビス(3−メチル−
6−tert−ブチル−フエノール)〔以下、これを酸化防
止剤Bという〕を0.1〜0.7重量%含有させたことを特徴
とするエステル系潤滑油組成物に係るものである。
このように、本発明では、上記の酸化防止剤Aと酸化
防止剤Bとからなる二種のフエノール系酸化防止剤を組
み合わせて使用し、かつエステル基油に対するこれらの
使用量を特定したときに、これら酸化防止剤の相乗効果
によつて、前記従来の酸化防止剤はもちろんのこと上記
の酸化防止剤Aと酸化防止剤Bとをそれぞれ単独で用い
たものに較べて、格段にすぐれた酸化安定性が得られる
ことを見い出したのものである。
防止剤Bとからなる二種のフエノール系酸化防止剤を組
み合わせて使用し、かつエステル基油に対するこれらの
使用量を特定したときに、これら酸化防止剤の相乗効果
によつて、前記従来の酸化防止剤はもちろんのこと上記
の酸化防止剤Aと酸化防止剤Bとをそれぞれ単独で用い
たものに較べて、格段にすぐれた酸化安定性が得られる
ことを見い出したのものである。
本発明によつて奏せられるかかる相乗効果がいかなる
理由に基づくのかは、今のところ必ずしも明らかとはい
えない。後記の比較例にて示すように、フエノール系酸
化防止剤同志の組み合わせでも、本発明以外の組み合わ
せでは、上記の如き相乗効果はほとんど認められない。
このことからも、本発明の上記特定の組み合わせが、特
定の使用量のもとに、不飽和脂肪酸ポリオールエステル
からなる基油に対しその酸化劣化を効果的に防ぐ特別な
化学的作用をもたらすものと推定される。
理由に基づくのかは、今のところ必ずしも明らかとはい
えない。後記の比較例にて示すように、フエノール系酸
化防止剤同志の組み合わせでも、本発明以外の組み合わ
せでは、上記の如き相乗効果はほとんど認められない。
このことからも、本発明の上記特定の組み合わせが、特
定の使用量のもとに、不飽和脂肪酸ポリオールエステル
からなる基油に対しその酸化劣化を効果的に防ぐ特別な
化学的作用をもたらすものと推定される。
本発明において基油として用いられる不飽和脂肪酸ポ
リオールエステルは、不飽和脂肪酸(モノカルボン酸)
とポリオールとの多価エステルであつて、通常上記の両
原料を化学量論比で混合し、必要に応じて適宜のエステ
ル化触媒を用いて、150〜250℃の温度で直接エステル化
することにより、得られるものである。
リオールエステルは、不飽和脂肪酸(モノカルボン酸)
とポリオールとの多価エステルであつて、通常上記の両
原料を化学量論比で混合し、必要に応じて適宜のエステ
ル化触媒を用いて、150〜250℃の温度で直接エステル化
することにより、得られるものである。
上記の不飽和脂肪酸は、分子内に炭素−炭素二重結合
を1個有する炭素数が12〜22程度の不飽和脂肪酸を主成
分として含むものであればよく、したがつて飽和脂肪酸
と不飽和脂肪酸との混合物であつてもよい。一般には、
オレイン酸を主成分とする脂肪酸が用いられ、その純度
は70重量%以上であり、オレイン酸以外の他の成分とし
て炭素数12〜22の飽和または不飽和脂肪酸が含まれる。
また、上記のポリオールは、分子内に2〜4個の水酸基
を有するネオペンタン炭素骨格構造を持つものが好まし
く、具体的にはネオペンチルグリコール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールなどがある。
を1個有する炭素数が12〜22程度の不飽和脂肪酸を主成
分として含むものであればよく、したがつて飽和脂肪酸
と不飽和脂肪酸との混合物であつてもよい。一般には、
オレイン酸を主成分とする脂肪酸が用いられ、その純度
は70重量%以上であり、オレイン酸以外の他の成分とし
て炭素数12〜22の飽和または不飽和脂肪酸が含まれる。
また、上記のポリオールは、分子内に2〜4個の水酸基
を有するネオペンタン炭素骨格構造を持つものが好まし
く、具体的にはネオペンチルグリコール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールなどがある。
本発明において上記の基油に含ませる一方の酸化防止
剤Aは、2・6−ジ−tert−ブチル−フエノール、2・
6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4・4−メチ
レンビス(2・6−ジ−tert−ブチル−フエノール)ま
たは2・5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノンであり、
これら酸化防止剤のうちの一種または二種以上を使用す
る。この酸化防止剤Aの使用量は、基油に対し0.2〜1.8
重量%、好適には0.5〜1.5重量%の範囲とすべきであ
り、これより過少でもまた過多となつても酸化安定性の
改善に好結果が得られない。
剤Aは、2・6−ジ−tert−ブチル−フエノール、2・
6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4・4−メチ
レンビス(2・6−ジ−tert−ブチル−フエノール)ま
たは2・5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノンであり、
これら酸化防止剤のうちの一種または二種以上を使用す
る。この酸化防止剤Aの使用量は、基油に対し0.2〜1.8
重量%、好適には0.5〜1.5重量%の範囲とすべきであ
り、これより過少でもまた過多となつても酸化安定性の
改善に好結果が得られない。
また、本発明において上記の基油に含ませる他方の酸
化防止剤Bは、4・4−ブチリデン−ビス(3−メチル
−6−tert−ブチル−フエノール)であり、その使用量
は、基油に対し0.1〜0.7重量%、好適には0.1〜0.5重量
%の範囲とすべきである。これより過少でもまた過多と
なつても酸化安定性の改善にやはり好ましい結果が得ら
れない。
化防止剤Bは、4・4−ブチリデン−ビス(3−メチル
−6−tert−ブチル−フエノール)であり、その使用量
は、基油に対し0.1〜0.7重量%、好適には0.1〜0.5重量
%の範囲とすべきである。これより過少でもまた過多と
なつても酸化安定性の改善にやはり好ましい結果が得ら
れない。
本発明のエステル系潤滑油組成物は、上記の基油およ
び酸化防止剤A,Bを必須成分とするが、必要に応じて他
の公知の各種添加剤、たとえば粘度指数向上剤、油性向
上剤、極圧添加剤、摩耗防止剤、流動点降下剤、清浄
剤、金属不活性化剤、防蝕剤、防錆剤、防水剤、乳化
剤、消泡剤、色相安定剤、着色剤、螢光剤、賦香剤など
を任意成分として含ませることができる。また、本発明
の効果を妨げることのない限り、前記酸化防止剤A,B以
外の他の公知の酸化防止剤を含ませるようにしても差し
支えない。
び酸化防止剤A,Bを必須成分とするが、必要に応じて他
の公知の各種添加剤、たとえば粘度指数向上剤、油性向
上剤、極圧添加剤、摩耗防止剤、流動点降下剤、清浄
剤、金属不活性化剤、防蝕剤、防錆剤、防水剤、乳化
剤、消泡剤、色相安定剤、着色剤、螢光剤、賦香剤など
を任意成分として含ませることができる。また、本発明
の効果を妨げることのない限り、前記酸化防止剤A,B以
外の他の公知の酸化防止剤を含ませるようにしても差し
支えない。
本発明のエステル系潤滑油組成物は、酸化安定性にす
ぐれており、使用中での酸価の増加や粘度の変化が少な
く、かつ色相の変化も少ない長寿命のものであるため、
作動油、自動車エンジン油、トランスミツシヨン油、圧
延油などの広範囲の用途に用いることができる。
ぐれており、使用中での酸価の増加や粘度の変化が少な
く、かつ色相の変化も少ない長寿命のものであるため、
作動油、自動車エンジン油、トランスミツシヨン油、圧
延油などの広範囲の用途に用いることができる。
つぎに、本発明の実施例を記載してより具体的に説明
する。
する。
実施例1 トリメチロールプロパンのオレイン酸エステルとペン
タエリスリトールのオレイン酸エステルとを重量比1:1
で混合して、基油とした。この基油の特性値は、下記の
第1表に示されるとおりであつた。
タエリスリトールのオレイン酸エステルとを重量比1:1
で混合して、基油とした。この基油の特性値は、下記の
第1表に示されるとおりであつた。
上記の基油に、2・6−ジ−tert−ブチル−フエノー
ル〔酸化防止剤A〕0.5重量%と、4・4−ブチリデン
−ビス(3−メチル−6−tert−ブチル−フエノール)
〔酸化防止剤B〕0.1重量%とを添加し、均一に溶解混
合して、本発明のエステル系潤滑油組成物とした。
ル〔酸化防止剤A〕0.5重量%と、4・4−ブチリデン
−ビス(3−メチル−6−tert−ブチル−フエノール)
〔酸化防止剤B〕0.1重量%とを添加し、均一に溶解混
合して、本発明のエステル系潤滑油組成物とした。
実施例2 酸化防止剤Aとして2・6−ジ−tert−ブチル−p−
クレゾールを用い、これを0.5重量%添加するようにし
た以外は、実施例1と同様にして、本発明のエステル系
潤滑油組成物を得た。
クレゾールを用い、これを0.5重量%添加するようにし
た以外は、実施例1と同様にして、本発明のエステル系
潤滑油組成物を得た。
実施例3 酸化防止剤Aとして4・4−メチレンビス(2・6−
ジ−tert−ブチル−フエノール)を用い、これを0.5重
量%添加するようにした以外は、実施例1と同様にし
て、本発明のエステル系潤滑油組成物を得た。
ジ−tert−ブチル−フエノール)を用い、これを0.5重
量%添加するようにした以外は、実施例1と同様にし
て、本発明のエステル系潤滑油組成物を得た。
実施例4 酸化防止剤Aとして2・5−ジ−tert−ブチル−ヒド
ロキノンを用い、これを0.5重量%添加するようにした
以外は、実施例1と同様にして、本発明のエステル系潤
滑油組成物を得た。
ロキノンを用い、これを0.5重量%添加するようにした
以外は、実施例1と同様にして、本発明のエステル系潤
滑油組成物を得た。
比較例1 酸化防止剤を全く添加せず、基油のみで比較用のエス
テル系潤滑油組成物とした。
テル系潤滑油組成物とした。
上記実施例1〜4および比較例1の各潤滑油組成物に
つき、下記の要領で酸化安定性試験を行つて、その酸化
安定度(酸価および粘度の変化)を下記の方法で測定評
価した。結果は、後記の第2表に示されるとおりであつ
た。
つき、下記の要領で酸化安定性試験を行つて、その酸化
安定度(酸価および粘度の変化)を下記の方法で測定評
価した。結果は、後記の第2表に示されるとおりであつ
た。
<酸化安定性試験> JISK−2514の内燃機関用潤滑油酸化安定度試験方法の
一部を変更し、温度150℃で6時間の酸化条件とした以
外は、上記の試験方法に準じて行つた。詳しくは、試料
容器に触媒として銅片(厚さ0.5mm,幅26mm,長さ60.8m
m)と鋼片(厚さ0.5mm,幅26mm,長さ121.8mm)を円形状
の輪にしていれ、この試料容器に室温で250mlの試料を
秤りとり、これを本体保持具に取り付け、さらに試料か
き混ぜ棒を羽根の下端が容器底部から10mm上になるよう
に回転子に取り付けて試料容器のフタをしたのち、150
℃で6時間撹拌して酸化させ、その後室温まで冷却して
測定用試料とした。
一部を変更し、温度150℃で6時間の酸化条件とした以
外は、上記の試験方法に準じて行つた。詳しくは、試料
容器に触媒として銅片(厚さ0.5mm,幅26mm,長さ60.8m
m)と鋼片(厚さ0.5mm,幅26mm,長さ121.8mm)を円形状
の輪にしていれ、この試料容器に室温で250mlの試料を
秤りとり、これを本体保持具に取り付け、さらに試料か
き混ぜ棒を羽根の下端が容器底部から10mm上になるよう
に回転子に取り付けて試料容器のフタをしたのち、150
℃で6時間撹拌して酸化させ、その後室温まで冷却して
測定用試料とした。
<酸化安定度の測定評価> 上記試験後の測定用試料(酸化油)と試験前の測定用
試料(未酸化油)とにつき、それぞれ全酸価と40℃にお
ける動粘度を測定して、下記の式にしたがつて酸価差お
よび粘度比を求め、これら酸価差および粘度比により酸
化安定度の評価を行つた。すなわち、これらの値が小さ
いほど酸化安定性にすぐれていることを意味する。
試料(未酸化油)とにつき、それぞれ全酸価と40℃にお
ける動粘度を測定して、下記の式にしたがつて酸価差お
よび粘度比を求め、これら酸価差および粘度比により酸
化安定度の評価を行つた。すなわち、これらの値が小さ
いほど酸化安定性にすぐれていることを意味する。
酸価差=試験後の全酸価−試験前の全酸価 上記第2表の結果から明らかなように、本発明の酸化
防止剤A,Bを組み合わせ使用することにより、比較例1
に係る酸化防止剤無添加のエステル系潤滑油組成物の酸
化安定性を大幅に向上できるものであることが判る。
防止剤A,Bを組み合わせ使用することにより、比較例1
に係る酸化防止剤無添加のエステル系潤滑油組成物の酸
化安定性を大幅に向上できるものであることが判る。
実施例5 酸化防止剤Aとしての2・6−ジ−tert−ブチルフエ
ノールの添加量を種々変更した以外は、実施例1と同様
にして数種のエステル系潤滑油組成物をつくり、上記酸
化防止剤Aの使用量と酸化安定度(前記同様の酸価差お
よび粘度比)との関係を調べた。結果は、第1図に示さ
れるとおりであつた。同図中、曲線−1aは酸価差、曲線
−1bは粘度比である。
ノールの添加量を種々変更した以外は、実施例1と同様
にして数種のエステル系潤滑油組成物をつくり、上記酸
化防止剤Aの使用量と酸化安定度(前記同様の酸価差お
よび粘度比)との関係を調べた。結果は、第1図に示さ
れるとおりであつた。同図中、曲線−1aは酸価差、曲線
−1bは粘度比である。
第1図から明らかなように、酸化防止剤Aの添加量を
0.2〜1.8重量%、特に好適には0.5〜1.5重量%の範囲と
することにより、酸化安定性にすぐれるエステル系潤滑
油組成物が得られるものであることが判る。
0.2〜1.8重量%、特に好適には0.5〜1.5重量%の範囲と
することにより、酸化安定性にすぐれるエステル系潤滑
油組成物が得られるものであることが判る。
実施例6 酸化防止剤Bとしての4・4−ブチリデン−ビス(3
−メチル−6−tert−ブチル−フエノール)の添加量を
種々変更した以外は、実施例1と同様にして数種のエス
テル系潤滑油組成物をつくり、上記酸化防止剤Bの使用
量と酸化安定度(前記同様の酸価差および粘度比)との
関係を調べた。結果は、第2図に示されるとおりであつ
た。同図中、曲線−2aは酸価差、曲線−2bは粘度比であ
る。
−メチル−6−tert−ブチル−フエノール)の添加量を
種々変更した以外は、実施例1と同様にして数種のエス
テル系潤滑油組成物をつくり、上記酸化防止剤Bの使用
量と酸化安定度(前記同様の酸価差および粘度比)との
関係を調べた。結果は、第2図に示されるとおりであつ
た。同図中、曲線−2aは酸価差、曲線−2bは粘度比であ
る。
第2図から明らかなように、酸化防止剤Bの添加量を
0.1〜0.7重量%、特に好適には0.1〜0.5重量%の範囲と
することにより、酸化安定性にすぐれるエステル系潤滑
油組成物が得られるものであることが判る。
0.1〜0.7重量%、特に好適には0.1〜0.5重量%の範囲と
することにより、酸化安定性にすぐれるエステル系潤滑
油組成物が得られるものであることが判る。
比較例2 酸化防止剤Aを添加しなかつた以外は、実施例1と同
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
比較例3 酸化防止剤Bを添加しなかつた以外は、実施例1と同
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
比較例4 酸化防止剤Bを添加しなかつた以外は、実施例2と同
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
比較例5 酸化防止剤Bを添加しなかつた以外は、実施例3と同
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
比較例6 酸化防止剤Bを添加しなかつた以外は、実施例4と同
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
様にして、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
比較例7 酸化防止剤Aに代えて2・4−ジ−tert−ブチル−フ
エノールを用い、これを0.5重量%添加するようにした
以外は、実施例1と同様にして、比較用のエステル系潤
滑油組成物を得た。
エノールを用い、これを0.5重量%添加するようにした
以外は、実施例1と同様にして、比較用のエステル系潤
滑油組成物を得た。
比較例8 酸化防止剤Aに代えて2−tert−ブチル−p−クレゾ
ールを用い、これを0.5重量%添加するようにした以外
は、実施例1と同様にして、比較用のエステル系潤滑油
組成物を得た。
ールを用い、これを0.5重量%添加するようにした以外
は、実施例1と同様にして、比較用のエステル系潤滑油
組成物を得た。
比較例9 酸化防止剤Aに代えてカテコールを用い、これを0.5
重量%添加するようにした以外は、実施例1と同様にし
て、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
重量%添加するようにした以外は、実施例1と同様にし
て、比較用のエステル系潤滑油組成物を得た。
比較例10 酸化防止剤Aに代えてp−tert−ブチル−カテコール
を用い、これを0.5重量%添加するようにした以外は、
実施例1と同様にして、比較用のエステル系潤滑油組成
物を得た。
を用い、これを0.5重量%添加するようにした以外は、
実施例1と同様にして、比較用のエステル系潤滑油組成
物を得た。
比較例11 酸化防止剤Aに代えて1・1−ビス(4−ヒドロキシ
フエニル)シクロヘキサンを用い、これを0.5重量%添
加するようにした以外は、実施例1と同様にして、比較
用のエステル系潤滑油組成物を得た。
フエニル)シクロヘキサンを用い、これを0.5重量%添
加するようにした以外は、実施例1と同様にして、比較
用のエステル系潤滑油組成物を得た。
比較例12 酸化防止剤Aに代えて4−tert−ブチル−フエノール
−サリチレイトを使用し、これを0.5重量%添加するよ
うにした以外は、実施例1と同様にして、比較用のエス
テル系潤滑油組成物を得た。
−サリチレイトを使用し、これを0.5重量%添加するよ
うにした以外は、実施例1と同様にして、比較用のエス
テル系潤滑油組成物を得た。
比較例13 酸化防止剤Aに代えて2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフエノンを用い、これを0.5重量%添加するよう
にした以外は、実施例1と同様にして、比較用のエステ
ル系潤滑油組成物を得た。
ベンゾフエノンを用い、これを0.5重量%添加するよう
にした以外は、実施例1と同様にして、比較用のエステ
ル系潤滑油組成物を得た。
比較例14 酸化防止剤Aに代えて2・4−ジヒドロキシ−ベンゾ
フエノンを用い、これを0.5重量%添加するようにした
以外は、実施例1と同様にして、比較用のエステル系潤
滑油組成物を得た。
フエノンを用い、これを0.5重量%添加するようにした
以外は、実施例1と同様にして、比較用のエステル系潤
滑油組成物を得た。
比較例15 酸化防止剤Aに代えて2・2′−ジヒドロキシ−4−
メトキシ−ベンゾフノンを用い、これを0.5重量%添加
するようにした以外は、実施例1と同様にして、比較用
のエステル系潤滑油組成物を得た。
メトキシ−ベンゾフノンを用い、これを0.5重量%添加
するようにした以外は、実施例1と同様にして、比較用
のエステル系潤滑油組成物を得た。
上記の比較例2〜15の各潤滑油組成物につき、前記と
同様にして酸化安定性試験を行い、その酸化安定度を調
べた。結果は、つぎの第3表に示されるとおりであつ
た。なお、同表には、参考のために、前記比較例1の結
果をも併記した。
同様にして酸化安定性試験を行い、その酸化安定度を調
べた。結果は、つぎの第3表に示されるとおりであつ
た。なお、同表には、参考のために、前記比較例1の結
果をも併記した。
上記第3表の結果から明らかなように、酸化防止剤A,
Bをそれぞれ単独で用いた場合(比較例2〜6)および
二種の酸化防止剤を併用するときでも本発明以外の組み
合わせとする場合(比較例7〜15)は、いずれも比較例
1に係る酸化防止剤無添加のエステル系潤滑油組成物の
酸化安定性を、前記本発明のように大幅に改善できず、
特に上記の比較例7〜15においては酸化安定性が却つて
低下するものも認められることが判る。
Bをそれぞれ単独で用いた場合(比較例2〜6)および
二種の酸化防止剤を併用するときでも本発明以外の組み
合わせとする場合(比較例7〜15)は、いずれも比較例
1に係る酸化防止剤無添加のエステル系潤滑油組成物の
酸化安定性を、前記本発明のように大幅に改善できず、
特に上記の比較例7〜15においては酸化安定性が却つて
低下するものも認められることが判る。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例5のエステル系潤滑油組成物における酸
化防止剤A(2・6−ジ−tert−ブチルフエノール)の
添加量と酸化安定度(酸価差および粘度比)との関係を
示す特性図、第2図は実施例6のエステル系潤滑油組成
物における酸化防止剤B〔4・4−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−tert−ブチル−フエノール)〕の添
加量と酸化安定度(酸価差および粘度比)との関係を示
す特性図である。 曲線−1a……酸化防止剤Aの添加量と酸価差との関係を
示す特性曲線 曲線−1b……酸化防止剤Aの添加量と粘度比との関係を
示す特性曲線 曲線−2a……酸化防止剤Bの添加量と酸価差との関係を
示す特性曲線 曲線−2b……酸化防止剤Bの添加量と粘度比との関係を
示す特性曲線
化防止剤A(2・6−ジ−tert−ブチルフエノール)の
添加量と酸化安定度(酸価差および粘度比)との関係を
示す特性図、第2図は実施例6のエステル系潤滑油組成
物における酸化防止剤B〔4・4−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−tert−ブチル−フエノール)〕の添
加量と酸化安定度(酸価差および粘度比)との関係を示
す特性図である。 曲線−1a……酸化防止剤Aの添加量と酸価差との関係を
示す特性曲線 曲線−1b……酸化防止剤Aの添加量と粘度比との関係を
示す特性曲線 曲線−2a……酸化防止剤Bの添加量と酸価差との関係を
示す特性曲線 曲線−2b……酸化防止剤Bの添加量と粘度比との関係を
示す特性曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:24) C10N 30:10 40:04 40:08 40:24 40:25
Claims (1)
- 【請求項1】不飽和脂肪酸ポリオールエステルを基油と
したエステル系潤滑油組成物において、上記の基油に対
し2・6−ジ−tert−ブチル−フエノール、2・6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾール、4・4−メチレンビ
ス(2・6−ジ−tert−ブチル−フエノール)または2
・5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノンを0.2〜1.8重量
%および4・4−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−
tert−ブチル−フエノール)を0.1〜0.7重量%含有させ
たことを特徴とするエステル系潤滑油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62281679A JP2550617B2 (ja) | 1987-11-07 | 1987-11-07 | エステル系潤滑油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62281679A JP2550617B2 (ja) | 1987-11-07 | 1987-11-07 | エステル系潤滑油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01123895A JPH01123895A (ja) | 1989-05-16 |
JP2550617B2 true JP2550617B2 (ja) | 1996-11-06 |
Family
ID=17642473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62281679A Expired - Fee Related JP2550617B2 (ja) | 1987-11-07 | 1987-11-07 | エステル系潤滑油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2550617B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58109597A (ja) * | 1981-12-24 | 1983-06-29 | Kawasaki Steel Corp | 冷延鋼板用圧延油 |
JPS6213495A (ja) * | 1985-07-12 | 1987-01-22 | Kao Corp | 金属材料の冷間圧延用潤滑油 |
-
1987
- 1987-11-07 JP JP62281679A patent/JP2550617B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01123895A (ja) | 1989-05-16 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |