JP2550449Y2 - ワイパ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えば自動車のウイ
ンドシールドガラス等の払拭面をワイパブレードで拭う
のに利用されるワイパ装置において、ウオッシャを連動
して作動させるワイパ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４および図５は上記したようなウオッ
シャを連動して作動させるワイパ装置を例示するもので
あり、実開平２−１１７９５６号公報に記載されたもの
を示している。

【０００３】すなわち、図示するワイパ装置２０は、車
体５０に固定したピボットホルダ３０ａを介して車体５
０に対し回動自在に取付けたピボットシャフト３０の基
端側に、リンク３１を介してワイパモータ３２のモータ
シャフト３２ａが連結してあるとともに、前記ピボット
シャフト３０の先端側には、ワイパブレード３３を装着
したワイパアーム３４の基端側が固定してある。

【０００４】そして、前記ワイパモータ３２に所定の電
流を供給することにより、モータシャフト３２ａの動力
がリンク３１を介してピボットシャフト３０に伝わって
ピボットシャフト３０を往復で回動させることから、ワ
イパアーム３４が往復で回動し、ワイパアーム３４の往
復回動によって、ワイパアーム３４に設けたブレード圧
接ばねに有する弾性復元力によりワイパブレード３３を
払拭面であるウインドシールドガラス３５に圧接させつ
つ下部反転位置ａと上部反転位置ｂのあいだでウインド
シールドガラス３５を拭う。

【０００５】また、ワイパアーム３４の先端側には、前
記ワイパブレード３３が下部反転位置ａから上部反転位
置ｂに向けて移動する際に進行方向となる図５中の右側
に往動側ウオッシャノズル４０が取付けてあるととも
に、当該ワイパブレード３３が上部反転位置ｂから下部
反転位置ａに向けて移動する際に進行方向となる図５中
の左側に復動側ウオッシャノズル４１が取付けてあっ
て、これら各ウオッシャノズル４０，４１には、ウオッ
シャタンク４３に備えたウオッシャポンプ４３ａに連通
接続したタンク側洗浄液送給管４４を介して図４に示す
ウオッシャ切換え機構３６が夫々連通接続してある。

【０００６】前記ウオッシャ切換え機構３６には、図４
により明らかなように、内部に洗浄液室３６ａ１を形成
したバルブケーシング３６ａがワイパアーム３４の基端
側で且つピボットシャフト３０から図４中において上方
に離間した位置に収納された状態でワイパアーム３４に
固定してあって、このバルブケーシング３６ａの図４中
において手前側には、前記洗浄液室３６ａ１に連通接続
したタンク接続用ダクト３６ａ２が設けてあるとともに
バルブケーシング３６ａの図４中において上方側には、
前記洗浄液室３６ａ１に連通接続したノズル接続用ダク
ト３６ａ３，３６ａ４が夫々設けてある。

【０００７】また、前記洗浄液室３６ａ１のほぼ中央に
は、バルブケーシング３６ａの外側に突出した切換え用
突起３６ａ５を備えた弁体３６ａ６が設けてあり、前記
切換え用突起３６ａ５の移動によって弁体３６ａ６が弁
軸３６ａ７を中心に回動した際に前記ノズル接続用ダク
ト３６ａ３，３６ａ４を交互に切換えて閉塞するように
なっている。

【０００８】そして、前記ピボットホルダ３０ａには、
切換え用突起３６ａ５がワイパアーム３４と一体で往復
回動する際の軌跡上の２か所でワイパブレード３３が下
部反転位置ａ、上部反転位置ｂに到達する寸前の位置に
対応して前記切換え用突起３６ａ５に夫々当接する切換
えタイミング設定用凸部３０ａ１，３０ａ２が設けてあ
る。

【０００９】そしてまた、前記各ノズル接続用ダクト３
６ａ３，３６ａ４には、ノズル側洗浄液送給管４５，４
６の一端側が連通接続してあり、これらノズル側洗浄液
送給管４５，４６の他端側が前記各ウオッシャノズル４
１，４０に連通接続してある。

【００１０】そしてさらに、前記タンク接続用ダクト３
６ａ２には、タンク側洗浄液送給管４４がバルブケーシ
ング３６ａの外側でワイパアーム３４の図４中において
手前側に突出した状態で連通接続してある。

【００１１】このような構造をなすワイパ装置２０にお
いて、図示しないワイパスイッチをオン切換えすると、
ワイパモータ３２に所定の電流が供給されることにより
モータシャフト３２ａが回転し、このモータシャフト３
２ａの動力によりリンク３１を介してピボットシャフト
３０を往復で回動させることから、ワイパアーム３４が
往復で回動し、ワイパアーム３４の往復回動によって、
ワイパアーム３４に設けた前記ブレード圧接ばねの弾性
復元力によりワイパブレード３３をウインドシールドガ
ラス３５に圧接させつつ下部反転位置ａと上部反転位置
ｂのあいだでウインドシールドガラス３５を拭う。

【００１２】そこで、前記ワイパスイッチをオン切換え
してある状態で図示しないウオッシャスイッチをオン切
換えすると、ウオッシャタンク４３のウオッシャポンプ
４３ａに前記ウオッシャスイッチのオン切換えに対応し
た時間で所定の電流が供給されるので、ウオッシャポン
プ４３ａが作動してタンク側洗浄液送給管４４を介して
ウオッシャタンク４３に貯蔵してある洗浄液を洗浄液室
３６ａ１内に送給する。

【００１３】ここで、ワイパブレード３３が下部反転位
置ａに到達する寸前の位置で、切換え用突起３６ａ５が
一方側の切換えタイミング設定用凸部３０ａ１に当接し
たものとなっているので、ワイパブレード３３が下部反
転位置ａから上部反転位置ｂに向けて移動する際、切換
え用突起３６ａ５の一方側の切換えタイミング設定用凸
部３０ａ１への当接によって弁体３６ａ６が一方側のノ
ズル接続用ダクト３６ａ３を閉塞した状態となってお
り、これにより、他方側のノズル接続用ダクト３６ａ４
は開放され、洗浄液室３６ａ１に送給された洗浄液は、
他方側のノズル接続用ダクト３６ａ４内を通って他方側
のノズル側洗浄液送給管４６を介し往動側ウオッシャノ
ズル４０に供給されて、この往動側ウオッシャノズル４
０からワイパブレード３３の進行方向のウインドシール
ドガラス３５に向けて噴射される。そして、ワイパブレ
ード３３が下部反転位置ａから上部反転位置ｂに向けて
移動して上部反転位置ｂに到達する寸前の位置で、ワイ
パアーム３４に一体で移動した切換え用突起３６ａ５が
他方側の切換えタイミング設定用凸部３０ａ２に当接す
ると、弁体３６ａ６が他方側のノズル接続用ダクト３６
ａ４を閉塞して往動側ウオッシャノズル４０からの洗浄
液の噴射を中止し、一方側のノズル接続用ダクト３６ａ
３を開放する。

【００１４】切換え用突起３６ａ５が他方側の切換えタ
イミング設定用凸部３０ａ２に当接したことによって、
一方側のノズル接続用ダクト３６ａ３が開放するので、
洗浄液室３６ａ１に送給された洗浄液は、一方側のノズ
ル接続用ダクト３６ａ３内を通って一方側のノズル側洗
浄液送給管４５を介し復動側ウオッシャノズル４１に供
給され、上部反転位置ｂから下部反転位置ａに向けて移
動するワイパブレード３３の進行方向のウインドシール
ドガラス３５に向けて復動側ウオッシャノズル４１から
噴射される。

【００１５】そしてまた、ワイパブレード３３が上部反
転位置ｂから下部反転位置ａに向けて移動して下部反転
位置ａに到達する寸前の位置で、切換え用突起３６ａ５
が一方側の切換えタイミング設定用凸部３０ａ１に当接
するので、切換え用突起３６ａ５の一方側の切換えタイ
ミング設定用凸部３０ａ１への当接によって弁体３６ａ
６が一方側のノズル接続用ダクト３６ａ３を閉塞して復
動側ウオッシャノズル４１からの洗浄液の噴射を中止
し、他方側のノズル接続用ダクト３６ａ４を開放して各
ウオッシャノズル４０，４１からの洗浄液の噴射を交互
に切換えるようになっている。

【００１６】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来のワイパ装置２０では、タンク接続用ダクト３６ａ２
に連通接続するタンク側洗浄液送給管４４がワイパアー
ム３４の外側に突出した構造となっていることから、車
体５０の外部にタンク側洗浄液送給管４４が露出したも
のとなっているので、外観的に良好ではなく、デザイン
を害するという問題点があった。また、バルブケーシン
グ３６ａの外側に突出した切換え用突起３６ａ５に当接
する切換えタイミング設定用凸部３０ａ１，３０ａ２が
ピボットホルダ３０ａ上に設けてある構造となっている
ことから、ワイパアーム３４側の切換え用突起３６ａ５
の回動に対して車体５０側の切換えタイミング設定用凸
部３０ａ１，３０ａ２とのあいだで大きなスペースを確
保しなくてはならず、ウインドシールドガラス３５と車
体５０のボンネットとのあいだに大きなスペースを取る
ことがし難いので、スペース的に不利であるという問題
点があった。そして、バルブケーシング３６ａがワイパ
アーム３４の基端側でピボットシャフト３２から図４中
において上方に離間した位置に収納された状態でワイパ
アーム３４に固定してある構造となっていることから、
ワイパアーム３４，ワイパブレード３３を脱着する際
に、バルブケーシング３６ａもワイパアーム３４と一体
で脱着することになり、バルブケーシング３６ａにタン
ク側洗浄液送給管４４が接続された状態でワイパアーム
３４を脱着することが厄介であることから、脱着する際
の作業性が著しく悪いという問題点があり、これらの問
題点を解決することが課題となっていた。

【００１７】

【考案の目的】そこでこの考案は、上記した従来の課題
に鑑みてなされたもので、外観上が良好であるとともに
スペース的に有利であり且つウオッシャ切換え機構のワ
イパアームからの着脱性に富むワイパ装置を提供するこ
とを目的としている。

【００１８】

【課題を解決するための手段】この考案に係わるワイパ
装置では、ワイパモータにより車体に対して回動するピ
ボットシャフトに固定されて、払拭面上を往復揺動する
ワイパアームと、ワイパアームに装着され、払拭面の上
部反転位置と下部反転位置のあいだで払拭面に圧接さ
れ、払拭面を払拭するワイパブレードと、ワイパアーム
の往動作動時にワイパアームの回動方向の前方に洗浄液
を吐出する往動側ウオッシャノズルと、ワイパアームの
復動作動時にワイパアームの回動方向の前方に洗浄液を
吐出する復動側ウオッシャノズルと、ワイパアームに一
体的に係合され、往動側ウオッシャノズルに連通接続さ
れる往動側ノズル接続用ダクトと、復動側ウオッシャノ
ズルに連通接続される復動側ノズル接続用ダクトとがそ
れぞれ形成されたケースと、車体に一体的に係止され、
かつ、ケース内に摺動自在に収容され、タンク接続用ダ
クトが形成されているとともに、ケースに向かって係止
突起が形成されたベースと、ケースとベースとの間に配
置され、ケースと共に従動可能に配置され、ベースの係
止突起が挿入された切換えタイミング設定用孔が形成さ
れ、ワイパブレードが上部反転位置近傍または下部反転
位置近傍まで回動した際に、ベースの係止突起に切換え
タイミング設定用孔の両端部がそれぞれ係止することに
より回動を阻止される応動部材と、応動部材とケースと
の間に形成され、往動側ノズル接続用ダクトと、復動側
ノズル接続用ダクトとにタンク接続用ダクトが連通接続
された洗浄液室と、洗浄液室内で応動部材に取付けられ
ていて、ワイパブレードが下部反転位置近傍まで回動し
た際に応動部材が回動を阻止されることにより往動側ノ
ズル接続用ダクトを閉塞切換可能にして、且つ、ワイパ
ブレードが下部反転位置から上部反転位置近傍まで回動
する間は往動側ノズル接続用ダクトを閉塞可能な第１の
閉塞部材と、洗浄液室内で応動部材に取付けられてい
て、ワイパブレードが上部反転位置近傍まで回動した際
に応動部材が回動を阻止されることにより復動側ノズル
接続用ダクトを閉塞切換可能にして、且つ、ワイパブレ
ードが上部反転位置から下部反転位置近傍まで回動する
間は復動側ノズル接続用ダクトを閉塞可能な第２の閉塞
部材を備えたことにより、往動側ウオッシャノズルある
いは、復動側ウオッシャノズルに洗浄液を交互に切換え
て供給するウオッシャ切換え機構を備えたワイパ装置に
おいて、応動部材は、第１及び第２の閉塞部材が取付け
られた内周側応動部材と、切換えタイミング設定用孔が
形成された外周側応動部材と、内周側応動部材と外周側
応動部材との間に嵌着され、ベースの係止突起に外周側
応動部材の切換えタイミング設定用孔の端部が係止され
ることにより、内周側応動部材と外周側応動部材とを摺
動可能とし、かつ、外周側応動部材の切換えタイミング
設定用孔がベースの係止突起に対し移動可能な場合に内
周側応動部材と外周側応動部材とを一体的に従動可能と
するオーリングとよりなり、ケースと内周側応動部材と
の間に装着され、ベースの係止突起に外周側応動部材の
切換えタイミング設定用孔の端部が係止されることによ
り、ケースと内周側応動部材とを摺動可能とし、かつ、
外周側応動部材の切換えタイミング設定用孔がベースの
係止突起に対し移動可能な場合にケースと内周側応動部
材とを一体的に従動可能とする水密保持用のシール部材
を有している構成としたことを特徴としており、上記し
たワイパ装置に係わる考案の構成を前述した従来の課題
を解決するための手段としている。

【００１９】

【作用】この考案に係わるワイパ装置は、ワイパブレー
ドが下部反転位置近傍まで回動されると、応動部材の切
換えタイミング設定用孔の一端部がベースの係止突起に
係止するため、応動部材が回動を阻止され、応動部材が
回動を阻止されることによって、応動部材に取付けられ
た第１の閉塞部材が往動側ノズル接続用ダクトを閉塞し
て、洗浄液の送給経路を往動側ノズル接続用ダクトから
復動側ノズル接続用ダクトに切換える。これに反して、
ワイパブレードが上部反転位置近傍まで回動されると、
応動部材の切換えタイミング設定用孔の他端部がベース
の係止突起に係止するため、応動部材が回動を阻止さ
れ、応動部材が回動を阻止されることによって、応動部
材に取付けられた第２の閉塞部材が復動側ノズル接続用
ダクトを閉塞して、洗浄液の送給経路を復動側ノズル接
続用ダクトから往動側ノズル接続用ダクトに切換える。
このとき、ベースに形成されたタンク接続用ダクトがケ
ースの内側に形成されているため、ワイパアームの外側
に露出しない。また、ケース内において、応動部材の切
換えタイミング設定用孔がベースの係止突起に係止する
ことによって切換えタイミングが得られるため、切換え
タイミングを得る手段がケースの外側に突出しない。そ
して、ケースがワイパアームに係合した状態でピボット
シャフトに対してワイパアームに一体で応動するので、
ケースをワイパアームと一体でピボットシャフトから取
り外しても、ウオッシャ切換え機構のケースの着脱はワ
イパアームから簡略に行なわれる。さらに、応動部材に
おいて、内周側応動部材と内周側応動部材とがオーリン
グを介して嵌着された構造をもつ。それ故、内周側応動
部材と外周側応動部材とは適度なフリクションをもって
互いに摺動するため、第１の閉塞部材が往動側ノズル接
続用ダクトを閉塞する際および第２の閉塞部材が復動側
ノズル接続用ダクトを閉塞する際に的確な閉塞圧力が発
生される。

【００２０】

【実施例】図１ないし図３はこの考案に係わるワイパ装
置の一実施例を示すものである。

【００２１】図示するワイパ装置１は、車体５０に固定
したピボットホルダ２ａを介して車体５０に対し回動自
在に取付けたピボットシャフト２の基端側に、図５と同
様にしたリンク３１を介してワイパモータ３２のモータ
シャフト３２ａが連結してあるとともに、前記ピボット
シャフト２の先端側には、ワイパブレード３３を装着し
たワイパアーム３４の基端側が固定してある。

【００２２】そして、前記ワイパモータ３２に所定の電
流を供給することにより、モータシャフト３２ａの動力
がリンク３１を介してピボットシャフト２に伝わってピ
ボットシャフト２を往復で回動させることから、ワイパ
アーム３４が往復で回動し、ワイパアーム３４の往復回
動によって、ワイパアーム３４に設けたブレード圧接ば
ねに有する弾性復元力によりワイパブレード３３を払拭
面であるウインドシールドガラス３５に圧接させつつ下
部反転位置Ａと上部反転位置Ｂのあいだでウインドシー
ルドガラス３５を拭う。

【００２３】また、ワイパアーム３４の先端側には、前
記ワイパブレード３３が下部反転位置Ａから上部反転位
置Ｂに向けて移動する際に進行方向となる側に往動側ウ
オッシャノズル４０（図４参照）が取付けてあるととも
に、当該ワイパブレード３３が上部反転位置Ｂから下部
反転位置Ａに向けて移動する際に進行方向となる側に復
動側ウオッシャノズル４１（図４参照）が取付けてあっ
て、これら各ウオッシャノズル４０，４１には、ウオッ
シャタンク４３に備えたウオッシャポンプ４３ａに連通
接続したタンク側洗浄液送給管４４を介して図１に示す
ウオッシャ切換え機構３が夫々連通接続してある。

【００２４】前記ウオッシャ切換え機構３には、図１に
より明らかなように、ナット９をピボットシャフト２に
ねじ込ませることによってワイパアーム３４の基端側に
係合し且つピボットシャフト２に同心状に挿通したケー
ス３ａが設けてある。

【００２５】前記ケース３ａには、ワイパアーム３４に
当接する天壁３ａ１が略円筒形状をなす側壁３ａ２の上
側に備えてあり、前記天壁３ａ１の図１中において下側
で図中の左方側には、側壁３ａ２の内側から側壁３ａ２
の外側に連通させたノズル接続用ダクト３ａ３，３ａ４
が並べて設けてある。

【００２６】また、前記天壁３ａ１のほぼ中央には、ピ
ボットシャフト挿通孔３ａ５を形成したピボットシャフ
ト支持部３ａ６が設けてあり、このピボットシャフト挿
通孔３ａ５にピボットシャフト２を挿通することによっ
て、ケース３ａがピボットシャフト２に回動可能に支持
される。

【００２７】そして、ケース３ａの図１中において下方
側には、前記側壁３ａ２の内周側にベース３ｂが組付け
てある。

【００２８】前記ベース３ｂは、ケース３ａの側壁３ａ
２に有する内径寸法よりもわずかに小さい外径寸法の外
壁３ｂ１を有する略環状の外形のものであって、ほぼ中
央にケース３ａの前記ピボットシャフト支持部３ａ６を
挿通する中央孔３ｂ２が設けてあって、この中央孔３ｂ
２と前記ピボットシャフト支持部３ａ６のあいだに環状
で水密保持用のシール部材４が装着してある。

【００２９】また、前記ベース３ｂの図１中において右
方側には、ベース３ｂの上端面３ｂ３からベース３ｂの
下方側に連通したタンク接続用ダクト３ｂ４が設けてあ
り、ベース３ｂの図１中において左方側には、図１中に
おいて上方に向けて軸状に突出した係止突起３ｂ５が設
けてあるとともにピボットホルダ２ａに設けた凸部２ａ
１を挿入した状態でベース２ｂをピボットホルダ２ａに
係止するための略矩形状に切除した切欠３ｂ６が設けて
ある。

【００３０】そして、前記係止突起３ｂ５の外側とケー
ス３ａの側壁３ａ２のあいだには、前記シール部材４と
同様の水密保持用のシール部材５が装着してあり、前記
ケース３ａとベース２ｂのあいだには、応動部材６が収
納してある。

【００３１】前記応動部材６は、図１中において内周側
でケース３ａのピボットシャフト支持部３ａ６に挿嵌し
た内周側応動部材６ａと、図１中において内周側応動部
材６の外周側にオーリング１０を介して嵌着してあって
ケース３ａの側壁３ａ２に挿嵌した外周側応動部材６ｂ
とからなる。

【００３２】また、前記内周側応動部材６ａの内周側と
ケース３ａのピボットシャフト支持部３ａ６のあいだに
は、水密保持用のシール部材７が装着してあり、内周側
応動部材６ａの相対向する２か所には、前記ノズル接続
用ダクト３ａ３，３ａ４のうちのいずれか一方を閉塞す
る閉塞部材６ａ１，６ａ２が取付けてある。

【００３３】そして、前記外周側応動部材６ｂの前記ベ
ース３ｂに設けた係止突起３ｂ５に対応した位置には、
図２に示すように、ピボットシャフト２と同心で円弧状
の長寸をなすものとして切除した切換えタイミング設定
用孔６ｂ１が設けてあり、ワイパブレード３３が上部反
転位置Ｂから下部反転位置Ａに向けて移動して下部反転
位置Ａに到達する寸前の位置で外周側応動部材６ｂおよ
び内周側応動部材６ａがワイパアーム３４と一体でベー
ス３ｂに対して移動し、切換えタイミング設定用孔６ｂ
１内をベース３ｂの係止突起３ｂ５が移動して切換えタ
イミング設定用孔６ｂ１の一端６ｂ２に係止して一方側
の閉塞部材６ａ１で一方側のノズル接続用ダクト３ａ３
を閉塞するとともに、ワイパブレード３３が下部反転位
置Ａから上部反転位置Ｂに向けて移動して上部反転位置
Ｂに到達する寸前の位置で外周側応動部材６ｂおよび内
周側応動部材６ａがワイパアーム３４と一体でベース３
ｂに対して移動し、ベース３ｂの係止突起３ｂ５が切換
えタイミング設定用孔６ｂ１の他端６ｂ３に係止して他
方側の閉塞部材６ａ２で他方側のノズル接続用ダクト３
ａ４を閉塞する。

【００３４】そしてまた、前記ケース３ａをベース３ｂ
に組付けてケース３ａとベース３ｂにより前記各応動部
材６ａ，６ｂを収納した状態で、ケース３ａの天壁３ａ
１とベース３ｂのあいだには、ベース３ｂのタンク接続
用ダクト３ｂ４をケース３ａのノズル接続用ダクト３ａ
３，３ａ４に連通接続させる洗浄液室８が形成され、ベ
ース３ｂにはケース３ａがベース３ｂに対して移動した
状態でもあっても洗浄液を洗浄液室８内に入れるための
溝を有する。この洗浄液室８は前記各シール部材４，
５，７によりケース３ａ，ベース３ｂの外側に対して水
密を保持された状態となっている。

【００３５】そしてさらに、前記各ノズル接続用ダクト
３ａ３，３ａ４には、図４に示したものと同様のノズル
側洗浄液送給管４５，４６の一端側が連通接続してあ
り、これらノズル側洗浄液送給管４５，４６の他端側が
前記復動側ウオッシャノズル４１，往動側ウオッシャノ
ズル４０に連通接続してある。

【００３６】さらにまた、前記タンク接続用ダクト３ｂ
４には、ケース３ａの下方側でケース３ａの側壁３ａ２
によって遮蔽された位置で図５に示すものと同様のタン
ク側洗浄液送給管４４が連通接続してある。

【００３７】このような構造をなすワイパ装置１におい
て、図示しないワイパスイッチをオン切換えすると、ワ
イパモータ３２に所定の電流が供給されることによりモ
ータシャフト３２ａが回転し、このモータシャフト３２
ａの動力によりリンク３１を介してピボットシャフト２
を往復で回動させることから、ワイパアーム３４が往復
で回動し、ワイパアーム３４の往復回動によって、ワイ
パアーム３４に設けた前記ブレード圧接ばねの弾性復元
力によりワイパブレード３３をウインドシールドガラス
３５に圧接させつつ下部反転位置Ａと上部反転位置Ｂの
あいだでウインドシールドガラス３５を拭う。

【００３８】そこで、前記ワイパスイッチをオン切換え
してある状態で図示しないウオッシャスイッチをオン切
換えすると、ウオッシャタンク４３のウオッシャポンプ
４３ａに前記ウオッシャスイッチのオン切換えに対応し
た時間で所定の電流が供給されるので、ウオッシャポン
プ４３ａが作動してタンク側洗浄液送給管４４を介して
ウオッシャタンク４３に貯蔵してある洗浄液を洗浄液室
８内に送給する。

【００３９】ここで、ワイパブレード３３が上部反転位
置Ｂから往動してきて下部反転位置Ａに到達する寸前の
位置で、ベース３ｂの係止突起３ｂ５に切換えタイミン
グ設定用孔６ｂ１の一端６ｂ２が係止して一方側の閉塞
部材６ａ１で一方側のノズル接続用ダクト３ａ３を閉塞
したものとなっているので、ワイパブレード３３が下部
反転位置Ａから上部反転位置Ｂに向けて復動する際、一
方側の閉塞部材６ａ１による一方側のノズル接続用ダク
ト３ａ３の閉塞によって洗浄液室８に送給された洗浄液
は、他方側のノズル接続用ダクト３ａ４内を通って他方
側のノズル側洗浄液送給管４６を介し往動側ウオッシャ
ノズル４０に供給されて、この往動側ウオッシャノズル
４０からワイパブレード３３の進行方向のウインドシー
ルドガラス３５に向けて噴射される。このとき、応動部
材６において、内周側応動部材６ａと外周側応動部材６
ｂとがオーリング１０を介して摺動するため、一方側の
閉塞部材６ａ１が一方側のノズル接続用ダクト３ａ３を
閉塞する際に的確な閉塞圧力が発生される。

【００４０】そして、ワイパブレード３３が下部反転位
置Ａから上部反転位置Ｂに向けて復動して上部反転位置
Ｂに到達する寸前の位置で、ベース３ｂの係止突起３ｂ
５に切換えタイミング設定用孔６ｂ１の他端６ｂ３が係
止して他方側の閉塞部材６ａ２で他方側のノズル接続用
ダクト３ａ４を閉塞して往動側ウオッシャノズル４０か
らの洗浄液の噴射を中止し、一方側の閉塞部材６ａ１に
より一方側のノズル接続用ダクト３ａ３を開放する。

【００４１】ワイパブレード３３が上部反転位置Ｂで反
転し下部反転位置Ａに向けて往動する際に、一方側のノ
ズル接続用ダクト３ａ３の開放により洗浄液室８に送給
された洗浄液は、一方側のノズル接続用ダクト３ａ３内
を通って一方側のノズル側洗浄液送給管４５を介し復動
側ウオッシャノズル４１に供給され、上部反転位置Ｂか
ら下部反転位置Ａに向けて移動するワイパブレード３３
の進行方向のウインドシールドガラス３５に向けて復動
側ウオッシャノズル４１から噴射される。このとき、応
動部材６において、内周側応動部材６ａと外周側応動部
材６ｂとがオーリング１０を介して摺動するため、他方
側の閉塞部材６ａ２が他方側のノズル接続用ダクト３ａ
４を閉塞する際に的確な閉塞圧力が発生される。

【００４２】そしてまた、ワイパブレード３３が上部反
転位置Ｂから下部反転位置Ａに向けて往動して下部反転
位置Ａに到達する寸前の位置で、前記と同様にしてベー
ス３ｂの係止突起３ｂ５に切換えタイミング設定用孔６
ｂ１の一端６ｂ２が係止して一方側の閉塞部材６ａ１で
一方側のノズル接続用ダクト３ａ３を閉塞するので、復
動側ウオッシャノズル４１からの洗浄液の噴射を中止
し、他方側のノズル接続用ダクト３ａ４を開放して各ウ
オッシャノズル４０，４１からの洗浄液の噴射を交互に
切換えるものとなる。

【００４３】

【考案の効果】以上説明してきたように、この考案に係
わるワイパ装置は、上記した構成としたことから、ワイ
パブレードが下部反転位置近傍まで回動されると、応動
部材の切換えタイミング設定用孔の一端部がベースの係
止突起に係止するため、応動部材が回動を阻止され、応
動部材が回動を阻止されることによって、応動部材に取
付けられた第１の閉塞部材が往動側ノズル接続用ダクト
を閉塞して、洗浄液の送給経路を往動側ノズル接続用ダ
クトから復動側ノズル接続用ダクトに切換える。これに
反して、ワイパブレードが上部反転位置近傍まで回動さ
れると、応動部材の切換えタイミング設定用孔の他端部
がベースの係止突起に係止するため、応動部材が回動を
阻止され、応動部材が回動を阻止されることによって、
応動部材に取付けられた第２の閉塞部材が復動側ノズル
接続用ダクトを閉塞して、洗浄液の送給経路を復動側ノ
ズル接続用ダクトから往動側ノズル接続用ダクトに切換
える。このとき、ベースに形成されたタンク接続用ダク
トがケースの内側に形成されているため、ワイパアーム
の外側に露出しない。それ故、外観上良好となる。ま
た、ケース内において、応動部材の切換えタイミング設
定用孔がベースの係止突起に係止することによって切換
えタイミングが得られるため、切換えタイミングを得る
手段がケースの外側に突出しない。それ故、ウインドシ
ールドガラスとボンネットのあいだのスペースを無駄に
することがなくなる。そして、ケースがワイパアームに
係合した状態でピボットシャフトに対してワイパアーム
に一体で応動するので、ケースをワイパアームと一体で
ピボットシャフトから取り外しても、ウオッシャ切換え
機構のケースの着脱はワイパアームから簡略に行なわれ
る。それ故、ケースの交換を行う作業性が良好となる。
さらに、応動部材は、内周側応動部材と内周側応動部材
とがオーリングを介して嵌着された構造をもつため、内
周側応動部材と外周側応動部材とは適度なフリクション
をもって互いに摺動し、第１の閉塞部材が往動側ノズル
接続用ダクトを閉塞する際および第２の閉塞部材が復動
側ノズル接続用ダクトを閉塞する際に的確な閉塞圧力が
発生される。それ故、第１、第２の閉塞部材をゴム等の
極めて単純な構成としても往動側、復動側ノズル接続用
ダクトを確実に閉塞することが可能となるという優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係わるワイパ装置の一実施例の縦断
側面図である。

【図２】図１に示したワイパ装置の横断平面図である。

【図３】図１に示したワイパ装置においてのウオッシャ
切換え機構まわりの外観斜視図である。

【図４】従来のワイパ装置の部分破断平面図である。

【図５】図４に示したワイパ装置の外観図である。

【符号の説明】

１ ワイパ装置 ２ ピボットシャフト ３ ウオッシャ切換え機構 ３ａ ケース ３ａ３ （往動側ノズル接続用ダクト）ノズル接続用ダ
クト ３ａ４ （復動側ノズル接続用ダクト）ノズル接続用ダ
クト ３ｂ ベース ３ｂ５ 係止突起 ６ 応動部材 ６ａ 内周側応動部材 ６ａ１ （第１の閉塞部材）閉塞部材 ６ａ２ （第２の閉塞部材）閉塞部材 ６ｂ 外周側応動部材 ６ｂ１ 切換えタイミング設定用孔 ７ シール部材 ８ 洗浄液室 １０ オーリング ３２ ワイパモータ ３３ ワイパブレード ３４ ワイパアーム ３５ 払拭面 ４０ 往動側ウオッシャノズル ４１ 復動側ウオッシャノズル ５０ 車体 Ａ 下部反転位置 Ｂ 上部反転位置

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワイパモータにより車体に対して回動す
   るピボットシャフトに固定されて、払拭面上を往復揺動
   するワイパアームと、 前記ワイパアームに装着され、前記払拭面の上部反転位
   置と下部反転位置のあいだで払拭面に圧接され、払拭面
   を払拭するワイパブレードと、 前記ワイパアームの往動作動時に前記ワイパアームの回
   動方向の前方に洗浄液を吐出する往動側ウオッシャノズ
   ルと、 前記ワイパアームの復動作動時に前記ワイパアームの回
   動方向の前方に洗浄液を吐出する復動側ウオッシャノズ
   ルと、 前記ワイパアームに一体的に係合され、前記往動側ウオ
   ッシャノズルに連通接続される往動側ノズル接続用ダク
   トと、前記復動側ウオッシャノズルに連通接続される復
   動側ノズル接続用ダクトとがそれぞれ形成されたケース
   と、 前記車体に一体的に係止され、かつ、前記ケース内に摺
   動自在に収容され、タンク接続用ダクトが形成されてい
   るとともに、前記ケースに向かって係止突起が形成され
   たベースと、 前記ケースと前記ベースとの間に配置され、前記ケース
   と共に従動可能に配置され、前記ベースの係止突起が挿
   入された切換えタイミング設定用孔が形成され、前記ワ
   イパブレードが上部反転位置近傍または下部反転位置近
   傍まで回動した際に、前記ベースの係止突起に該切換え
   タイミング設定用孔の両端部がそれぞれ係止することに
   より回動を阻止される応動部材と、前記応動部材と前記ケースとの間に形成され、前記往動
   側ノズル接続用ダクト と、前記復動側ノズル接続用ダク
   トとに前記タンク接続用ダクトが連通接続された洗浄液
   室と、 前記洗浄液室内で前記応動部材に取付けられていて、前
   記ワイパブレードが下部反転位置近傍まで回動した際に
   応動部材が回動を阻止されることにより前記往動側ノズ
   ル接続用ダクトを閉塞切換可能にして、且つ、ワイパブ
   レードが下部反 転位置から上部反転位置近傍まで回動す
   る間 は該往動側ノズル接続用ダクトを閉塞可能な第１の
   閉塞部材と、 前記洗浄液室内で前記応動部材に取付けられていて、前
   記ワイパブレードが上部反転位置近傍まで回動した際に
   応動部材が回動を阻止されることにより前記復動側ノズ
   ル接続用ダクトを閉塞切換可能にして、且つ、ワイパブ
   レードが上部反転位置から下部反転位置近傍まで 回動す
   る間は該復動側ノズル接続用ダクトを閉塞可能な第２の
   閉塞部材を備えたことにより、前記往動側ウオッシャノ
   ズルあるいは、復動側ウオッシャノズルに洗浄液を交互
   に切換えて供給するウオッシャ切換え機構を備えたワイ
   パ装置において、前記応動部材は、前記第１及び第２の閉塞部材が取付け
   られた内周側応動部材と、前記切換えタイミング設定用
   孔が形成された外周側応動部材と、前記内周側応動部材
   と前記外周側応動部材との間に嵌着され、前記ベースの
   係止突起に前記外周側応動部材の切換えタイミング設定
   用孔の端部が係止されることにより、前記内周側応動部
   材と前記外周側応動部材とを摺動可能とし、かつ、前記
   外周側応動部材の切換えタイミング設定用孔が前記ベー
   スの係止突起に対し移動可能な場合に前記内周側応動部
   材と外周側応動部材とを一体的に従動可能とするオーリ
   ングとよりなり、 前記ケースと前記内周側応動部材との間に装着され、前
   記ベースの係止突起に前記外周側応動部材の切換えタイ
   ミング設定用孔の端部が係止されることにより、前記ケ
   ースと前記内周側応動部材とを摺動可能とし、かつ、前
   記外周側応動部材の切換えタイミング設定用孔が前記ベ
   ースの係止突起に対し移動可能な場合に前記ケースと前
   記内周側応動部材とを一体的に従動可能とする水密保持
   用のシール部材を有している ことを特徴とするワイパ装
   置。