JP2550212B2 - 芳香族スピロオルトカーボネート化合物およびその製造方法 - Google Patents

芳香族スピロオルトカーボネート化合物およびその製造方法

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JP2550212B2 JP2175191A JP17519190A JP2550212B2 JP 2550212 B2 JP2550212 B2 JP 2550212B2 JP 2175191 A JP2175191 A JP 2175191A JP 17519190 A JP17519190 A JP 17519190A JP 2550212 B2 JP2550212 B2 JP 2550212B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は新規な芳香族スピロオルトカーボネート化合
物およびその製造方法に関するものである。
<従来技術> 従来から種々の芳香族ジカルボン酸が知られており、
ポリエステル,ポリアミド等の如き縮合重合体の原料と
して広く利用されている。例えばテレフタル酸はポリエ
チレンテレフタレート,ポリテトラメチレンテレフタレ
ート,ポリパラフェニレンテレフタルアミド等の原料と
して工業的に使用されているし、その他イソフタル酸も
例えばメタフェニレンイソフタルアミド等のポリマー用
原料として使用されている。またナフタレンジカルボン
酸を原料としたポリエステルのポリエチレンナフタレー
トは、ポリエチレンテレフタレートに比べ、機械的,熱
的に更に高性能であることも知られている。
<発明の目的> そこで、本発明者らは、これらのポリマーより更に高
性能なポリマーの原料となり得る新規なジカルボン酸に
ついて鋭意検討した結果、新規な芳香族スピロオルトカ
ーボネート化合物を見い出し本発明に到達した。
<発明の構成> すなわち、本発明は、下記式(I) で表わされる芳香族スピロオルトカーボネート化合物で
ある。
上記式(I)において、エステルを形成するR′とし
ては、炭素数1〜4の低級アルキル基,炭素数6〜10の
シクロアルキル基,炭素数6〜10のアリール基等が好ま
しく、具体的にはメチル,エチル,プロピル,シクロヘ
キシル,フェニル,トリール等が好ましく例示される。
これらのうち特にメチル,エチル,フェニルが好まし
い。また上記式においてRがハロゲン原子である場合、
Rとしては塩素,臭素,ヨウ素等が例示され、特に塩素
であることが好ましい。
上記式(I)で表わされる化合物の具体例としては、
2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソール−5−カ
ルボン酸),2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソ
ール−5−カルボン酸クロライド),2,2′−スピロビス
(1,3−ベンゾジオクソール−5−カルボン酸メチルエ
ステル),2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソー
ル−5−カルボン酸エチルエステル),2,2′−スピロビ
ス(1,3−ベンゾジオクソール−5−カルボン酸シクロ
ヘキシルエステル),2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾ
ジオクソール−5−カルボン酸フェニルエステル)等が
例示される。この中で、2,2′−スピロビス(1,3−ベン
ゾジオクソール−5−カルボン酸)が好ましい。
2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソールカルボ
ン酸エステル)の製造方法としては、以下のものが挙げ
られる。
(i) 2,2′−ジハロ−1,3−ベンゾジオクソールカル
ボン酸エステルとアルコキシカルボニルカテコールとを
反応させる方法。
(ii) アルコキシカルボニルカテコールと四ハロゲン
化炭素とをアルカリの存在下、反応させる方法 また、2,2−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソールカ
ルボン酸)および2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオ
クソールカルボン酸ハライド)の製造は、2,2′−スピ
ロビス(1,3−ベンゾジオクソールカルボン酸エステ
ル)から従来公知の方法で行うことができる。さらに2,
2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソールカルボン
酸)については、以下の製造方法も可能である。
(iii) アルキル基,アルデヒド基,ビトロキシアル
キル基等のように酸化によりカルボン酸を生成すること
のできる置換基を持つ2,2−ジハロ−1,3−ベンゾジオク
ソール、およびそれと同様な置換基を持つo−ジヒドロ
キシ化合物を反応させ、その後酸化によりジカルボン酸
を得る方法。
(iv) アルキル基、アルデヒド基,ヒドロキシアルキ
ル基等のように酸化によりカルボン酸を生成することの
できる置換基を持つo−ジヒドロキシ化合物と四ハロゲ
ン化炭素をアルカリの存在下反応させ、その後酸化によ
りジカルボン酸を得る方法。
上記一般式(I)で示された2,2′−スピロビス(1,3
−ベンゾジオクソールカルボン酸)の誘導体は、さらに
以上(i),(ii),(iii),(iv)のいずれかの方
法で得られた2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソ
ールカルボン酸)およびそのエステルから従来公知の方
法により合成することができる。
以上(i),(ii),(iii),(iv)の方法のう
ち、(i)の方法により、2,2′−スピロビス(1,3−ベ
ンゾジオクソールカルボン酸エステル)を合成し、さら
に、該方法で得られた2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾ
ジオクソールカルボン酸エステル)を用いて上記式
(I)で表わされる芳香族スピロオルトカーボネート化
合物を合成することが好ましい。
上記(i)の方法について詳述する。
2,2′−ジハロ−1,3−ベンゾジオクソールカルボン酸
エステルおよびアルコキシカルボニルカテコールをその
まま混合しても反応はするが、系を均一に保ち、低粘度
の系で円滑に反応させるためには溶媒中で行うことが好
ましい。溶媒としては反応中に発生するハロゲン化水素
に大して安定なものが好ましい。さらに、2,2′−ジハ
ロ−1,3−ベンゾジオクソールカルボン酸エステルと混
合はするが反応しないものでなければならない。
好ましい反応溶媒としては、例えばジエチルエーテル
などのエーテル類、アセトン等のケトン類、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素類、トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素
類等が例示できる。また、ピリジン等のような脱塩化水
素剤となる3級アミン類を反応系の一部に入れておくこ
と、あるいは反応溶媒として用いることも好ましい方法
である。
反応は常圧,減圧,加圧下のいずれでも良い。また反
応温度は0〜300℃であり、好ましくは20〜200℃であ
り、さらに好ましくは30〜160℃である。温度が低すぎ
る場合には反応速度が遅く、また高すぎる場合には反応
物や生成物が分解する恐れがある。反応時間は反応温度
にもよるが通常1時間から数日で反応は終了する。生成
物は溶媒を除去した後、減圧蒸留で精製することが好ま
しい。
本発明における2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオ
クソールカルボン酸)は上述のような方法で得られた2,
2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソールカルボン酸
エステル)を加水分解することによって容易に得ること
ができる。この加水分解はアルカリの存在下で行うのが
好ましく、特に水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の
如きアルカリの存在下で行うのが好ましい。
また、前記エステルと水との親和性を高める目的でメ
タノール,エタノール,ジオキサン,ジメチルホルムア
ミド等の如き水溶性有機溶剤を共存させるものも好まし
い方法である。好ましい反応温度は50〜250℃であり、
反応は通常常圧〜加圧で行う。
さらにまた、酸ハロゲン化物は、上記ジカルボン酸よ
り従来公知の方法に従って合成でき、例えばジカルボン
酸を塩化チオニルと反応させることにより酸塩化物を得
ることができる。
<発明の効果> 本発明の芳香族スピロオルトカーボネート化合物はポ
リエステル,ポリアミド等の製造原料として有用であ
る。例えば2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソー
ル−5−カルボン酸)を酸成分とし、1,3−フェニレン
ジアミンをアミン成分とするポリアミドは動的粘弾性の
測定では245℃の二次転移温度(Tg)を有し、透明度の
高い頑強な成形品を得ることができる。
<実施例> 以下実施例を掲げて本発明を詳述する。
なお、赤外吸収スペクトル(IR)は臭化カリウム(KB
r)板にぬりつけて測定し、1H核磁気共鳴スペクトル(N
MR)は重水素化クロロホルムを溶媒とし、テトラメチル
シランを標準サンプルとして測定した。
実施例1:2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソール
−5−カルボン酸エチルエステル)の合成 2,2−ジクロロ−1,3−ベンゾジオクソール−5−カル
ボン酸エチルエステル42.0gと3,4−ジヒドロキシ安息香
酸エチルエステル30.0gをクロロベンゼン200ml中で常圧
下6時間還流し、反応させた。その後クロロベンゼンを
留去した。生成物は0.3mmHg,217〜230℃で減圧蒸留によ
り精製し、2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソー
ル−5−カルボン酸エチルエステル)33.0gを得た。NM
R,IRは図−1,2に示す通りである。また元素分析の結果
は次の通りである。
C;61.33%,H;4.39%,O;34.28% 実施例2:2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソール
−5−カルボン酸の合成 実施例1で得た2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオ
クソール−5−カルボン酸エチルエステル)20gを水80m
l,エタノール80mlおよび水酸化ナトリウム22gの混合液
と混合し、還流下1時間反応させた。
反応終了後エタノールを留去し、ほとんどの生成物が
溶解するまで水を加え過した。この液に濃塩酸を加
えることにより溶液を強酸性とし、析出した固体を別
した。これを1,4−ジオキサンからの再結晶により精製
し、2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソール−5
−カルボン酸)17.4gを得た。この2,2′−スピロビス
(1,3−ベンゾジオクソール−5−カルボン酸)の融点
は300℃以上であった。またこのもののNMR,IRは図−3,4
に示す通りである。また、元素分析の結果は次の通りで
ある。
C;56.93%,H;2.62%,O;40.45% 実施例3:2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾジオクソール
−5−カルボニルクロライド)の合成 実施例2で得られた2,2′−スピロビス(1,3−ベンゾ
ジオクソール−5−カルボン酸)17.4gおよび塩化チオ
ニル100mlを還流下5時間反応させた後塩化チオニルを
留去した。その後0.6mmHg224〜226℃で減圧蒸留を行っ
て精製することにより、2,2′−スピロビス(1,3−ベン
ゾジオクソール−5−カルボニルクロライド)13.5gを
得た。このもののNMR,IRは図−5,6に示す通りである。
また元素分析の結果は次の通りである。
C;51.08%,H;1.73%,O;27.15% C1;20.01%
【図面の簡単な説明】
図−1,3,5はそれぞれ実施例1,2,3で得られた化合物の1H
核磁気共鳴スペクトル(NMR)である。また、図−2,4,6
はそれぞれ実施例1,2,3で得られた化合物の赤外吸収ス
ペクトル(IR)である。これは2000cm-1前後でスケール
が異なっている。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) で表わされる芳香族スピロオルトカーボネート化合物。
  2. 【請求項2】2,2′−ジハロ−1,3−ベンゾジオクソール
    カルボン酸エステルとアルコキシカルボニルカテコール
    とを反応させることを特徴とする請求項1記載の芳香族
    スピロオルトカーボネート化合物の製造方法。
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